JPH10504170A - ステレオ及びモノラル信号の空間性を強調するための方法及び装置 - Google Patents

ステレオ及びモノラル信号の空間性を強調するための方法及び装置

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JPH10504170A JP9503168A JP50316897A JPH10504170A JP H10504170 A JPH10504170 A JP H10504170A JP 9503168 A JP9503168 A JP 9503168A JP 50316897 A JP50316897 A JP 50316897A JP H10504170 A JPH10504170 A JP H10504170A
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Abstract

(57)【要約】 モノラル受信機との整合性を犠牲にすることなくステレオ信号の空間性を強調する方法及び装置が開示される。本発明の一実施例に基づくと、ステレオ効果強調装置(60b)が2つのオペアンプ(51、52)と2つのコンデンサのみを用いて実現され、しかも空間性強調モードとバイパスモードの切り替えを可能とすることができる。別の実施例では、出力チャネルの一方を他方の出力チャネルと入力チャネルとの和として生成することにより、簡略化されたステレオ効果強調装置が実現される。別の実施例では、擬似ステレオ信号が合成され、ステレオスピーカクロストークキャンセルの原理に基づいて空間的に強調される。更に別の実施例では、モノラル信号とステレオ信号のそれぞれの空間性強調が、それら両方の強調効果を、連続的に、混合することができる単一の装置内に一体的に結合されて実現される。

Description

【発明の詳細な説明】 ステレオ及びモノラル信号の空間性を強調するための方法及び装置発明の背景 1.発明の技術分野 本発明は一般に音響信号に関する。特にモノラル及びステレオ音響信号を強調 するための方法及び装置に関する。 2.関連技術 通常の2スピーカステレオ装置において、ヘッドフォンセットと同程度のチャ ネルセパレーションを達成することは不可能である。このようなステレオ装置で は、右スピーカ及び左スピーカからリスナーの耳に到達する音響信号は、同位相 のときは互いに強め合い、位相がずれているときは互いに打ち消し合う性質があ る。スピーカのクロストーク(speaker crosstalk)として知られているこの現 象は、知覚される音像(acoustic image)の空間的広がり及び方向性を劣化させ る。スピーカのクロストークは左音響信号と右音響信号とが交差することから生 じる干渉波面の幾何学的配置の関数であるため、クロストークの影響は左及び右 スピーカの配置に対するリスナーの位置によって変わる。即ち、ある場所で感じ られるクロストークの影響は、別の場所で知覚されるのとは異なるということが あり得る。このクロストークの場所依存性のため、リスニングエリアを移動する とき、いわゆる“デッドスポット”や“スイートスポット”が生じる。 スピーカの特定の配置及び動的に変わるリスナーの位置に応じて、ステレオ信 号を強調する(enhance)ことによりクロストークをキャンセルすることは理論 的には可能である。しかし、実際には、スピーカの特定の配置やリスナーの動き を予測することはできないため、そのようなキャンセルは不可能である。最近、 このようなクロストークの場所依存 性をステレオ信号の(L−R)成分、即ち差成分、及び(L+R)成分、即ち和成分 を強調することによって補償しようと試みた様々なステレオ効果強調装置が開示 されている。しかしながら、これらの装置は比較的複雑で、実現コストが高い。 また、従来のステレオ効果強調装置の多くは、ステレオ信号のモノラル的な面 を的確に処理していない。例えば、ステレオ効果強調装置(stereo enhancement system)は、モノラル受信機、即ちステレオ信号の和(L+R)成分のみを受信 する受信機に対し整合性(compatibility)を維持していることが望ましい。変化 を加えられた和成分のみが受信され、差信号中にエンコードされた空間的効果が 抽出されないと、元のモノラル音像が劣化するという好ましくない結果となる。 更に、現在録音され放送されている音像の多くはステレオ音源とモノラル音源 の両方を含んでいるため、ステレオ効果強調装置はモノラル音像の空間性を強調 するだけでなく、ステレオ信号強調とモノラル信号強調をスムーズに且つ自動的 に切り替えられることが望まれる。要約 モノラル受信機との整合性を犠牲にすることなくステレオ信号の空間的広がり を強調する方法及び装置が開示される。本発明の一実施例に基づくと、ステレオ 効果強調装置が2つのオペアンプと2つのコンデンサのみを用いて実現され、し かも空間性強調モードとバイパスモードの切り替えを可能とすることができる。 別の実施例では、出力チャネルの一方を他方の出力チャネルと入力チャネルとの 和として生成することにより、簡略化されたステレオ効果強調装置が実現される 。別の実施例では、擬似ステレオ信号が合成され、ステレオスピーカクロストー クキャンセルの原理に基づいて空間的に強調される。更に別の実施例では、モノ ラル信号とステレオ信号のそれぞれの空間性強調が、それら双方の強調効 果を、連続的に、混合することができる単一の装置内に一体的に結合されて実現 される。図面の簡単な説明 第1a図は、従来の格子型シグナルフロートポロジー(lattice signal flow topology)を表したブロック線図である。 第1b図は、従来のシャッフル型シグナルフロートポロジー(shuffle signal flow topology)を表したブロック線図である。 第2a図は、従来の和不変型シグナルフロートポロジー(sum-invariant sign al flow topology)を表したブロック線図である。 第2b図は、本発明に基づくステレオ効果強調装置の和不変型トポロジーを表 したブロック線図である。 第3a図及び第3b図は、本発明に基づく別の和不変型トポロジーを表したブ ロック線図である。 第4図は、本発明の一実施例に基づくステレオ効果強調装置の模式図である。 第5a図、第5b図、第6図、及び第7図は、本発明の別の実施例に基づくス テレオ効果強調装置の模式図である。 第8a図及び第8b図は、従来の擬似ステレオ効果用のトポロジーを表したブ ロック線図である。 第9a図及び第9b図は、本発明に基づく擬似ステレオ効果強調用のトポロジ ーを表したブロック線図である。 第10a図、第10b図、第11a図、第11b図、第12図、第13図、及 び第14図は、本発明に基づくステレオ/モノラル強調トポロジーを表したブロ ック線図である。 第15図は本発明の幾つかの実施例で使用される全通過フィルタ(all-pass f ilter)を表した模式図である。 第16図〜第19図は、本発明に基づくステレオ/モノラル強調装置の模式図 である。 第20図は、本発明に基づくステレオ/モノラル音響用トポロジーの幾つかを デジタルシグナルプロセッサにおいて実現するためのトポロジーを表したブロッ ク線図である。発明の詳細な説明 以下の詳細な説明では、様々な実施例及び図面に共通した構成要素には適宜同 じ参照符号が付されていることに注意されたい。 本発明の特長について詳細に説明する前に、基礎となる幾つかの重要な原理に ついて説明しておく必要がある。まず、音響信号強調装置は、元のステレオ信号 のセンタリングを保存するため、チャネル対称(channel symmetric)であるべ きである。即ち、音響信号の左チャネルと右チャネルを同じように処理し、音響 信号強調装置への入力を逆にしても動作に影響がでないようにするべきである。 チャネル対称型音響信号強調装置は、典型的には、格子型トポロジー(lattic e topology)またはシャッフル型トポロジー(shuffle topology)のいずれかを 用いて実現される。第1a図は、格子型トポロジーにおける信号の流れを表した ものである。ここで、L及びRはそれぞれ左及び右チャネル入力信号であり、L ′及びR′はそれぞれ左及び右出力信号である。このような格子型トポロジーで は、各出力信号は、各々の入力信号に線形伝達関数S(s)を掛けたものと他方の 入力信号に線形伝達関数A(s)を掛けたものとを足し合わせたものとなる。即ち 、 L′=S(s)L+A(s)R R′=S(s)R+A(s)L となる。 チャネル対称性を保つため、フィルタ1とフィルタ4の伝達関数S (s)は同一でなければならず、また、フィルタ2とフィルタ3の伝達関数A(s) も同一でなければならない。 第1b図はシャッフル型トポロジーにおける信号の流れを表したものである。 この場合、出力信号L′及びR′は次にように決定される。 L′=P(s)(L+R)+N(s)(L−R) R′=P(s)(L+R)−N(s)(L−R) (1) 即ち、入力信号LとRの和(L+R)が加算要素11において生成され、伝達関 数P(s)を有するフィルタ14を通され処理される。また、入力信号LとRの差 (L−R)が加算要素10において生成され、伝達関数N(s)を有するフィルタ1 3を通され処理される。処理された差信号はインバータ17において反転され、 加算要素15、16において処理された和信号と再結合され、出力チャネルL′ 及びR′が生成される。 第1a図の格子型トポロジー及び第1b図のシャッフル型トポロジーに関連す る伝達関数は、次のように互いに関係付けられる。 S(s)=P(s)+N(s) A(s)=P(s)−N(s) この関係によって、一方のトポロジーで具現された音響信号強調装置は他方の トポロジーに容易に変換可能である。 更に、音響信号強調装置はモノラル受信機と整合性を有すように和不変(sum- invariant)であることが望ましい。和不変型トポロジーとは、ステレオ信号の 和、即ち(L+R)が変化せず、左入力信号Lと右入力信号Rの和が左出力信号L ′と右出力信号R′の和に等しいものである。これは次のように表現される。 L′+R′=L+R (2) 第1a図の格子型トポロジーは、伝達関数S(s)とA(s)が次のように関係付 けられる場合、和不変である。 S(s)+A(s)=1 第1b図のシャッフル型トポロジーは、伝達関数P(s)を次のように制約する ことによって和不変とすることができる。 P(s)=1/2 本出願人は、ある場合には、第2a図に示すような和不変型トポロジーによっ てステレオ効果強調装置がより効果的に実現され得ることを発見した。第2a図 を参照すると、右信号Rはインバータ21によって反転され、加算要素20にお いて左入力信号Lと結合されて、差信号(L−R)が生成される。差信号(L−R) は、伝達関数B(s)を有するフィルタ22を通され処理される。処理された差信 号(L−R)は加算要素23において元の左入力信号Lと加算され、それによって 左出力信号L′が生成される。また、処理された差信号(L−R)はインバータ2 4において反転された後、加算要素25において元の右入力信号Rと加算され、 それによって右出力信号R′が生成される。入力信号L、Rと出力信号L′、R ′との関係は次のように表される。 L′=L+B(s)(L−R) R′=R−B(s)(L−R) (3) 伝達関数B(s)は第1a図に表した格子型トポロジーで用いられる伝達関数A (s)と次のように関係付けられる。 B(s)=−A(s) (4) 式(2)で表された和不変の関係から次の関係が得られる。 R′=L+R−L′ (5) この関係から、本出願人は第2b図に表すような変形された和不変型トポロジ ーに思い至った。第2b図の変形された和不変型トポロジーでは、右出力信号R ′は、左出力信号L′を入力信号の和(L+R)から引くことによって生成される 。右入力信号Rはインバータ31において反 転され、加算要素30において左入力信号Lと加算される。その結果得られた差 信号(L−R)は伝達関数B(s)を有するフィルタ32によって処理された後、加 算要素33において元の左入力信号Lと再結合される。左出力信号L′はインバ ータ34において反転され、元の右入力信号R及び左入力信号Lとともに加算要 素35において加算される。こうして、右出力信号R′が生成される。第2b図 の和不変型トポロジーの利点は、じきに明らかになるだろう。 モノラル信号から擬似ステレオ信号を生成する場合のように、チャネル対称性 が必要とされない強調装置では、第2a図及び第2b図のトポロジーは、それぞ れ第3a図及び第3b図に示すように拡張することができる。第3a図に示すト ポロジーにおいて、左信号Lと右信号Rは、線形関数又は非線形関数のどちらと して具現することもできる関数ブロック40において結合され処理される。処理 された信号は、加算要素41において左入力信号Lに加えられ、それによって左 出力信号L′が生成される。またインバータ43及び加算要素42を通じて右入 力信号Rから差し引かれ、それによって右出力信号R′が生成される。フィルタ 40によって実行される処理は、入力信号L、Rの一方または両方の任意の適切 な信号成形関数(signal shaping function)とすることができる。 第3b図において、フィルタ45の処理関数は、2つの入力信号LとRの一方 または両方の任意の適切な信号成形関数とすることができる。フィルタ45の出 力信号は左出力信号L′として出力される。右出力信号R′は、入力信号の和( L+R)から左出力信号L′を引くことによって生成される。 シャッフル型トポロジー(第1a図)は、一般に、格子型トポロジー(第1b 図)より好ましいとされる。シャッフル型トポロジーは2つの フィルタ13及び14しか必要としないのに対し、格子型トポロジーは4つのフ ィルタ1〜4を必要とするからである。しかしながら、本出願人は格子型トポロ ジーによってステレオ効果強調装置をより簡単な回路で実現できることを発見し た。 第4図に、本発明の一実施例によるステレオ効果強調装置50を示す。強調装 置50は、第1a図の格子型トポロジーを基にしたものであるが、2つのオペア ンプ51、52しか必要としない。左入力信号Lはオペアンプ51のプラス側入 力に加えられると共に、抵抗R3を介してオペアンプ52のマイナス側入力に供 給される。右入力信号Rはオペアンプ52のプラス側入力に加えられると共に、 抵抗R1を介してオペアンプ51のマイナス側入力に供給される。オペアンプ5 1及び52は漏洩積分器(leaky integrator)として形成され、それぞれ次のよ うに、左入力信号Lと右入力信号Rとを結合する。 ここでA0は低周波数ブーストの利得であり、τpは低周波数ブーストのロール オフ周波数(roll-off frequency)を決定する伝達関数の時定数である。A0及 びτpの値は、好適実施例ではそれぞれ約3.125及び600μs(265H zの周波数に対応)であるが、以下の式に基づいて設定される。 A0=R2/R1=R4/R3 τp=R2・C1=R4・C2 強調装置50の上半分と下半分は対称であるため、抵抗R1、R2及びコンデ ンサC1の値は、幾つかの実施例では、それぞれ抵抗R3、R 4及びコンデンサC2の値に等しい。本分野では周知のように、上記に示した抵 抗及びコンデンサの値は、実用においては、選択されるオペアンプの動作特性、 ノイズ、及び入力インピーダンス、更に個々のコンデンサC1及びC2のコスト や大きさの制約に基づいて変えられる。ある好適実施例では、オペアンプ51及 び52は、例えばテキサスインストゥルメント社(Texas Instruments)から提 供されているTL074のような、低ノイズオーディオ用オペアンプである。 幾つかの従来の音響信号強調装置とは対照的に、第4図の強調装置50は、差 信号(L−R)の高周波数成分、即ち約1100Hzより高い周波数成分をブース トしたり、または他の方法で変化させたりしない。その結果、第4図の実施例で は、差信号(L−R)の高周波数成分により多くのパワーを与える従来装置に較べ て、ソース信号に於いて中心に定位された音像と中心から外れた音像との間のよ り優れたバランスが達成される。また、第4図の実施例では、和信号(L+R)が 変化されないため、モノラル音像が保存され、モノラル受信機との整合性が保た れるということも特記すべきであろう。和成分に変化を加えることを提案する多 くの従来のクロストークキャンセル技法が教えるところとは逆なのだが、和信号 に変化を加えることから得られる比較的小さな音響的利点は、和不変、即ちモノ ラル整合性を保つという利点に比べて見劣りするように思われる。 第4図の強調装置50の動作は、第1b図のシャッフル型トポロジー及び第2 a図、第2b図の和不変型トポロジーに関連して説明することもできる。シャッ フル型トポロジーの場合、伝達関数N(s)及びP(s)は次のようになる。 N(s)=0.5・(N0+sτp)/(1+sτp) P(s)=0.5 ここでN0は低周波数ブーストの利得であり、τpは低周波数ブーストのロール オフ周波数を決定する時定数である。好適実施例では、N0及びτpの対応する値 はそれぞれ約7.25及び約600μsである。上述したように、P(s)を0. 5に設定することによって、和不変とすることができる。 オペアンプ51とオペアンプ52の入力を実質的に短絡することによって、オ ペアンプ51とオペアンプ52のマイナス側入力を第5a図に示されているよう に抵抗R11を介して互いに接続することが可能であり、それによって抵抗を1 つ省くことができる。第5a図の強調装置60aは、第4図の装置と同じように 動作をする。従って、第4図と第5a図の実施例で共通した構成要素には同様の 参照符号を付した。簡略化された強調装置60aの回路でも、左入力信号及び右 入力信号はそれぞれオペアンプ51及びオペアンプ52のプラス側入力に直接接 続可能となっている。その結果、望ましいことに、強調装置60aは高い入力イ ンピーダンスを示す。抵抗R2とR4は等しくなければならず、また、コンデン サC1とC2も等しくなければならない。A0及びτpの値は次のように決定され る。 A0=R2/R11 τp=R2・C1 これらのパラメータA0及びτpは、抵抗R11の抵抗値を変えることによって 容易に調整可能であることに注意されたい。抵抗R11はある実施例ではポテン ショメータである。 更に別の実施例では、第5b図に示すように、スイッチSW1を抵抗R11に 直列に追加してもよい。その結果得られる強調装置60bは、上述したように左 及び右入力信号L、Rが強調されて、強調された左及び右出力信号L′、R′が 生成される強調モードと、左及び右入力信号 L、Rがなにも処理されることなく強調装置60を通過して左及び右出力信号L ′、R′として現れるバイパスモードとの間で切り替えることができる。スイッ チSW1は任意の適切なスイッチング素子とすることができる。好適なことに、 オペアンプ51及び52のローパスフィルタの性質によって、入力信号と出力信 号との間の瞬時的な電圧変化が防止されている。従って、モード切り替え時、左 出力信号L′及び右出力信号R′は、時定数τpの関数として指数関数曲線でそ れぞれの入力信号L、Rへと収斂し、モード間のスムーズな切り替えがなされる 。このようにして、ゼロ交差スイッチング(zero-crossing switching)技法の ような、スイッチングノイズを低減するための複雑なスイッチング技術が不要と なっている。 上述したように、第2a図及び第2b図に示した和不変型トポロジーに基づい て、本発明に基づくステレオ効果強調装置の改善された回路化が可能である。第 6図を参照されたい。強調装置70の設計は、第2b図に表した和不変型トポロ ジーに基づいている。左出力信号L′は、漏洩積分器として動作するオペアンプ 71とその関連するフィードバック要素R21及びC20とによって、左入力信 号と右入力信号との和(L+R)から生成される。右出力信号R′は式(5)に基 づいて生成される。即ち、オペアンプ72によって左出力信号L′と入力信号の 和(L+R)とが加算され、それによって右出力信号R′が生成される。オペアン プ72において適切に加算がなされるように、抵抗R23とR24は等しい値と すべきであり、抵抗R22とR25も等しい値とすべきである。強調装置70の 和不変の設計は、1つのコンデンサC20しか必要とせず、第4図及び第5図の 実施例では2つのコンデンサを必要としていたことと対比される。スイッチSW 2は、第5図に関連して上述したのと同様に、強調装置70を強調モードとバイ パスモードとの間で切り替え 可能としている。 強調装置70は、上記した伝達関数B(s)に基づいて動作する。 B(s)=B0/(1+sτp) (7) ただし、 B0=0.5(N0−1) (8) である。 パラメータB0及びτpは次のように決定される。 B0=R21/R20 τp=R21・C20 好ましくは、B0及びτpの値はそれぞれ約3.125及び600μsである。 上記した制約外のこととなるが、強調装置70に含まれる抵抗の値は所望の動作 特性に応じて可変とすることができる。コンデンサC20によってオペアンプ7 1のマイナス側入力が瞬時的に変化することが防止されているため、左出力信号 L′の電圧の連続性はスイッチSW2を通じてモードを切り替えるときにも保た れる。このように、強調装置70が強調モードからバイパスモードへと切り替え られるとき、オペアンプ71は電圧フォロアとして動作するが、そのとき出力電 圧はC20の両端の電圧だけオフセットされる。コンデンサC20は、抵抗R2 0とR21の並列接続を通じて徐々に放電される。スイッチSW2によってバイ パスモードから強調モードへと切り替えられるとき、コンデンサC20は指数関 数的に充電され、このようにして、出力電圧の連続性が保たれ、スイッチングに よるインパルスエネルギーが最小化されている。抵抗R20、R21及びコンデ ンサC20によって、モード間の切り替え時に発生する指数関数的過渡変化の時 定数が決定される。ライン74は、バイパスモードにおいてライン73と75と の間の寄生結合によって望ましくない効果が発生するのを防ぐべく、シャント( shunt) として主に機能する。必要でない場合、ライン74は除去してもよく、そのとき コンデンサC20はR21のみを通じて放電する。 第4図〜第6図を参照して上述した実施例では、製造コストをできるだけ低く するため、使用するオペアンプの数は極力少なくなっている。強調装置70に関 する歪み及び忠実度は、反転モードでのみ動作するオペアンプを含むように変形 することによって改善することができる。このような変形を、第7図に、ステレ オ効果強調装置80として示す。オペアンプ81及び抵抗R30、R31は左入 力信号Lを反転し、オペアンプ83及び抵抗R38、R39は入力信号Rを反転 する。ここでR30=R31、R38=R39である。オペアンプ84及び関連 する抵抗R40〜R43は、式(5)の和不変の制約に基づいて右出力信号R′ を生成する。抵抗R40〜R43は、オペアンプ84における加算が適切になさ れるように等しい値とすべきである。オペアンプ82及び関連するコンデンサC 30、抵抗R32〜R37は、式(3)及び式(7)に基づいて左出力信号L′ を生成する。ここでパラメータB0及びτpの値は好適には3.125及び600 μsであるが、以下に示すように、選択される他の構成要素の値に影響される。 8τp0=R37・C30 R32=R33=R37/(2B0) R36=R37/(4B0) R35=R37 他の実施例に関連して上述したように、強調装置80において用いられる構成 要素の正確な値は、所望の動作特性に依存する。抵抗R32、R33及びR36 は、放射測定に関しR37に関連する。スイッチSW3は強調装置80を強調モ ードとバイパスモードとの間で切り替える働きをする。SW3によってライン8 5と86が接続されると、強調装置 80は強調モードに入り、上述したように動作する。スイッチSW3がライン8 5を抵抗R34を介してグラントに接続すると、強調装置80はバイパスモード に入る。このモードでは、オペアンプ82はインバータとして動作し、左入力信 号Lに等しい左出力信号L′を出力する。従って、オペアンプ84においてL′ 信号と反転されたL信号が互いに相殺され、右出力信号R′は右入力信号Rに等 しくなる。コンデンサC30は、上述したように、モード切り替え時に電圧の連 続性を保つのに貢献する。強調モードからバイパスモードへと切り替わると、C 30は並列接続された抵抗R36とR34とを通じてグランドへと完全に放電す る。装置80の動作に必要というわけではないが、抵抗R34を通ってグランド へと繋がる経路は寄生結合を除去する効果がある。バイパスモードから空間性強 調モードへと切り替わると、C30は通常の動作過程で徐々に充電される。 第4図〜第7図を参照して上述した実施例は、シャッフル型トポロジーに基づ いた従来技術の強調装置に対して利点を有している。即ち、第4図〜第7図の実 施例の内部ノードの電圧は、最大入力電圧または最大出力電圧を越えることがな い。逆に言うと、シャッフル型トポロジーに基づいた強調装置では、内部で生成 される和信号(L+R)及び差信号(L−R)の電圧が最大入力信号の2倍になり得 るため、(1)入力信号の電圧範囲を半分にする、または(2)和信号(L+R) 及び差信号(L−R)をファクタ2で割る、のいずれかを行うことが必要である。 前者の変形は、整合した入力信号レベルの範囲を制限するため好ましくなく、一 方後者の変形は信号対雑音比が低くなる(6dB程度)という不都合がある。 上述した実施例は、デジタルシグナルプロセッサによって容易に実現すること ができる。上述した伝達関数で使用される極及びゼロ点周波数 は、通常の音響信号サンプリングレートに対しずっと小さい。従って、双1次変 換(bilinear transformation)を用いて離散時間に変換することができる。デ ジタル信号処理の分野ではよく知られているように、双1次変換はラプラス変換 のs平面を離散時間のz平面に関連付ける有効な近似である。 ここでTは信号サンプリングレートの逆数である。例えば、これを和不変型ト ポロジーに於いて用いられる伝達関数B(s)に次のように適用することができる 。 44.1kHzのサンプリングレートと上記に示したバラメータ値を用いると 、上記式は、 となる。 空間性を強調されるデータサンプルの計算をするための効率的な方法は、上記 に示したB(z)とともに第2a図のトポロジーに於いて表した信号流れを用いる ことによって得られる。アナログ回路として実現したとき最も高い効率を生むト ポロジーが、必ずしもデジタル回路としての 実現に於いて最も効率的となるわけではないことを理解されたい。例えば、アナ ログ回路としての実現においては、反転及び加算演算の数が製造コストに大きく 影響し、演算に於いて加算または反転される信号の数は装置を実現する上でコス トにわずかしか影響しない。一方、デジタル回路として実現する場合は、加算演 算の総数は加算される信号の総数から加算演算の数を引いたものの関数となる。 また、通常、否定は追加的なオーバーヘッドとならない。その結果、第2a図の 和不変型トポロジーの方が、第2b図のトポロジーよりも、本発明に基づくステ レオ効果強調装置のデジタル回路としての実現に対しより好ましいものとなると 思われる。DSPを用いた最も経済的な実現は、使用される特定のデジタルシグ ナルプロセッサのアーキテクチャに依存し得るが、和不変に基づくDHPを用い た実現は、通常、格子型またはシャッフル型トポロジーのどちらかに基づいたも のよりも優れている。しかしながら、上述した各トポロジーに基づく回路設計を 、アナログ領域から離散時間デジタル領域へとうつすことは容易に可能である。 本発明の他の幾つかの実施例によると、上述したのと同様にしてステレオ信号 だけでなくモノラル信号の空間性強調も行う装置が開示される。これらの実施例 を完全に理解するには、モノラル信号を擬似ステレオ信号に変換するのに用いら れる幾つかの基本的原理の理解が必要である。 公知のように、擬似ステレオ信号は、入力されるモノラル信号(例えば右チャ ネルと左チャネルが同一であるような信号)の音を周波数に応じて選択的に左チ ャネルまたは右チャネルのいずれかに空間的に“配置すること(placing)”に よってモノラル信号から合成される。このような合成は、まず入力信号に変化を 加え、続いてその変化された信号を元の入力信号に加算及び元の入力信号から減 算して互いに異なる左チャネル及び右チャネルを生成することによって実現する ことができる。 例として、第8a図及び第8b図にそのような合成に対し広く使用されている 2つのトポロジーを示す。まず第8a図を参照されたい。モノラル入力信号Mは 伝達関数C(s)を有する全通過フィルタ90を通過するように導かれる。フィル タ90の出力は、減衰された元の入力信号Mに加算要素92において加算され、 それによって左擬似ステレオ信号L′が生成される。また、インバータ91と加 算要素93を通じて減衰された元の入力信号Mから引き算され、それによって右 擬似ステレオ信号R′が生成される。出力信号L′、R′と入力信号Mとの関係 は、次のように表される。 L′=M(0.5+C(s)) R′=M(0.5−C(s)) ここでC(s)は次のように表される全通過伝達関数である。 通常、実際の回路の実現に於いては、時定数τ1〜τnは共役複素数対として生 じる。定数C0は、擬似ステレオ効果の“深さ(depth)”を決定する。この効果 はC0が0.5または−0.5のいずれかの場合に最大となる。C0がこれらの値 にあるとき、所定の周波数が、出力チャネルの一方に排他的に現れる。C0の符 号は恣意的なものであって、符号を反転することは単に第8a図においてL′チ ャネル出力とR′チャネル出力とを入れ替えることと等価である。クロスオーバ ポイント(crossover point)の数、即ち左チャネルと右チャネルのエネルギー が等しい特定の周波数の数は、C(s)の次数(order)によって決定される。第 8a図の利得要素94は不可欠なものというわけではないが、後述する本発明の 実施例の理解を容易にするため含まれているものである。ま た、これによって第8a図のトポロジーは次の基準を満たすことができる。 L′+R′=M この式は、左入力信号Lと右入力信号Rとの和によって入力信号Mが構成され る場合、このトポロジーは和不変であることを意味している。 第8a図のトポロジーと同様に動作する第8b図に示したトポロジーは、ある 場合に、より経済的に実現することが可能である。 第8a図及び第8b図に表した擬似ステレオ信号合成用のトポロジーは、2つ の欠点を有している。即ち、C0が深さが最大になるように選択されている場合 、すなわち0.5または−0.5に等しい場合、左チャネルと右チャネルのコン トラストが極端になりすぎ、“一方の耳が聞こえない(deaf in one ear)”と いう現象が生じる。この望ましくない効果は全通過フィルタ伝達関数C(s)の次 数を増加することによって小さくすることができる。しかしながら、そのような 対処方法は製造コストを増加させることになる。この“deaf in one ear”現象 は、音響的によりもっともらしい入力信号の広がりが生成されるように、単にC0 の値を小さくすることによって軽減することもできる。しかしながら、C0を小 さくすると左チャネルと右チャネルの間の位相の差が減少し、知覚される音像の 空間性が消えてしまう。言い換えると、C0を小さくすることは、低周波数の位 相ずれエネルギー(out-of-phase energy)がスピーカのクロストークによって 打ち消されてしまうのを容認することになり、好ましくない。 本発明に基づくと、次の2つの方法のうちの一方を用いることによって、空間 性を大幅に低減することなく“deaf in one ear”現象を大幅に軽減することが できることがわかった。最初の方法では、C(s)を次のように再定義して、伝達 関数C(s)の変形版を得る。 このとき、 となるようにする。 ここで、τp及びτzは正の実数であり、上述したステレオ効果強調装置に於い て用いられるτpと同じ低周波数範囲内にある。この変形版伝達関数C′(s)は 低周波数ブーストを行うとともに、出力を支配することによって、低周波数に対 して高い周波数よりも良好なセパレーションを実現する。このような方法は満足 すべき結果を達成するが、モノラル入力信号Mと擬似ステレオ出力信号L′、R ′との間に大きな電力レベルの違いが生じるという不都合がある。モノラル入力 信号Mをプリスケーリング(prescaling)することは有効な解決とならないのだ が、その理由については後に述べる。 2つめの好適方法では、第8a図及び第8b図に示した擬似ステレオ信号合成 用のトポロジーの一方を、第9a図に示すように、本発明に従って上述したステ レオ効果強調装置とカスケード接続する。このステレオ/モノラル強調トポロジ ーでは、フィルタ100によってライン103上に擬似ステレオ左チャネルが生 成されるとともに、インバータ101及び加算要素102によって擬似ステレオ 右チャネルがライン104上に生成される。ステレオ効果強調装置107はこれ らの擬似ステレオチャネル信号を強調して、左出力信号L′をライン105上に 、右出力信号R′をライン106上に生成する。装置107は、上述した本発明 によるステレオ効果強調装置の任意の適切な1つとすることができる。上述した ステレオ効果強調装置の各実施例はチャネル対称性を有しているため、チャネル のシステム107への割り当ては任意である。第9a図のトポロジーの擬似ステ レオ部は第8b図のトポロジーに基づいているが、別の実施例では第8a図のト ポロジーを基にすることもできる。 和不変の関係R′=L+R−L′を用いると、第9a図のステレオ/モノラル 強調トポロジーは、第9b図のように簡略化することができる。第9b図では、 第9a図のトポロジーに於いて装置107によって実行される強調関数は伝達関 数D(s)によって表されている。出力L′及びR′は、入力Mに次のように関係 付けられる。 L′=M(0.5+C(s)D(s)) R′=M(0.5−C(s)D(s)) D(s)は次のように定義される。 D(s)=(D0+sτp)/(1+sτp) (9) ここでD0はD(s)の直流利得である。伝達関数D(s)は上述した実施例に於 いて用いられる伝達関数B(s)に次のように関係付けられる。 D(s)=1+2B(s) よって、 D0=1+2B0 である。 従って、モノラル入力信号Mは左出力信号L′及び右出力信号R′に次のよう に関係付けられる。 L′=M(0.5+C(s)(1+2B(s))) R′=M(0.5−C(s)(1+2B(s))) 擬似ステレオ(L−R)差信号は、通常のステレオ(L−R)差信号よりも過度な 低周波数ブーストに影響されやすい傾向があるため、擬似ステレ オ効果強調装置に関連するブーストは、上述したような純粋なステレオ効果強調 装置よりも幾分かより低くするべきである。本出願人は、D0を2B0+1の半分 をちょうど越える程度の値、すなわち約4.5として選択した。時定数τpは、 上述したように、約600μsである。伝達関数C(s)の次数に関して、優れた 音質(高い次数)と実現コスト(低い次数)の間にトレードオフの関係がある。 この後すぐ説明する好適実施例では、C(s)は3つの極及びゼロ点を有するよう 実現されるが、これは出願人が音響強調と実現コストの間の十分満足のいく妥協 点であると考える次数である。 3つの極及びゼロ点に対する好適な時定数は、それぞれ46μs、67μs及 び254μsであり、これらは全て実数である。定数C0に対し0.2の値が、 深いセパレーションと浅い微妙さの最適なトレードオフの関係を与える値であっ た。 典型的なオーディオへの応用では、受信される信号の性質(即ちステレオかモ ノラルか)は通常未知である。FMラジオ放送などの場合、受信される信号はス テレオになったりモノラルになったり変化する。従って、ステレオ信号とモノラ ル信号の両方を強調することが可能なだけでなく、それらのモードをスムーズに 切り換えることのできる機構を有することが望ましい。本発明によると、第10 a図のトポロジーに示すように、擬似ステレオ信号合成装置131をステレオ効 果強調装置126にカスケード接続することができる。理解されるように、ステ レオ効果強調装置126は、上述したステレオ効果強調装置のいずれであっても よい。入力信号がモノラルの性質を有する場合(例えば、左入力信号Lと右入力 信号Rが同じ場合)、第10a図のトポロジーは第9a図のトポロジーと同じよ うに動作する。可変利得要素121の利得は、FMステレオデコーダまたはステ レオ音源検知回路から受信されるステレオ混 合信号のような外部制御信号(図示せず)、あるいはユーザの操作に応答して0 と1の間で可変である。利得要素121が利得0にセットされているとき、擬似 ステレオ信号合成部131は実質的にディスエーブルされ、第10a図のトポロ ジーの動作はステレオ効果強調装置126のみによって決定される。このように 、可変利得要素121は、擬似ステレオ信号合成効果の深さの制御を動的に行う ことを可能とする。パラメータを適切に選択することによって、可変利得要素1 21の利得を全ての信号源に対し1に設定することも可能であることに注意され たい。 実用においては、ほとんどのステレオ信号源は擬似ステレオ効果を実質的にマ スクしてしまうのに充分な位相ずれチャネル情報を含んでおり、一方、存在する モノラル成分は擬似ステレオ効果の恩恵に預かることができる。従って、ステレ オ信号が空間的情報を極わずかしか含んでいない場合、即ち差信号(L−R)をほ とんど含んでいない場合は、擬似ステレオ成分がそのステレオ成分のほとんどを 占めることになる。そのようなステレオ信号に対して、擬似ステレオ効果は対応 する音像の空間性を強調する効果がある。可変利得要素121の利得が1の場合 、第10a図のトポロジーの入力と出力は次のように互いに関係づけられる。 L′=L+B(s)(L−R)+C(s)(1+2B(s))(L+R) R′=R−B(s)(L−R)-C(s)(1+2B(s))(L+R) (10) 可変利得要素121が、モードの動的な切り換え、即ち擬似ステレオ信号合成 部131のイネーブル及びディスエーブルに用いられる場合、スイッチングノイ ズを低く抑えるために何らかの処置が必要である。例えば、可変利得要素121 の利得は音響信号中に大きな高周波エネルギーが入りこまないようなレートで変 化されるべきである。 第10a図のトポロジーでは、擬似ステレオ入力信号(回路部131によって モノラル入力信号から合成された)とステレオ入力信号は両方 ともステレオ効果強調装置126を通じてフィルタリングされ、従って、伝達関 数B(s)に関連して上述した同じパラメータに基づいて処理される。しかしなが ら、モノラル信号から生成される擬似ステレオ信号は純粋なステレオ信号とは異 なるため、2つの強調効果の結合を可能にしつつ異なるパラメータに基づいて空 間性強調を行うようにすることは各々の信号にとって利点があるだろう。 本発明の別の実施例に基づくと、擬似ステレオ信号合成装置140が、第10 b図のトポロジーに示すように、ステレオ効果強調装置126の出力ライン14 3、144にカスケード接続される。このトポロジーでは、ステレオ効果強調パ ラメータ、従ってステレオ効果強調回路126の空間性強調効果は、入力ライン 141、142上に受信されたステレオ信号にしか影響しない(モノラル信号は 差成分(L−R)を含んでいないため、ライン141、142上に受信されたモノ ラル入力信号は変化されることなくステレオ効果強調装置126を通過する)。 これらの変化を加えられないモノラル入力信号は、擬似ステレオ信号合成装置1 40中で、伝達関数C(s)D(s)を有するフィルタ147によって処理される。 ここでC(s)及びD(s)はそれぞれ擬似ステレオ信号の合成及び空間的強調を行 う。第10b図のトポロジーは、他の面では全て、第10a図のトポロジーと同 じように動作する。可変利得要素の利得か1にセットされている場合、第10b 図のトポロジーの入力と出力は次のように互いに関係づけられる。 L′=L+B(s)(L−R)+C(s)D(s)(L+R) R′=R−B(s)(L−R)−C(s)D(s)(L+R) (11) 好適実施例では、D(s)は式(9)に於いてD0及びτpをそれぞれ約4.5及 び600μsにした形である。 第10a図及び第10b図のトポロジーは、第11a図及び第11b 図に示すように、シャッフル型トポロジーに基づいて動作するように変形するこ とが可能である。第11a図のトポロジーは、ステレオ信号と擬似ステレオ信号 を処理するのに、伝達関数N(s)を有する同じ強調フィルタ167を用いる。即 ち、第10a図のトポロジーと同様に、第11a図のトポロジーはステレオ信号 と擬似ステレオ信号の空間性を強調するのに同じパラメータを用いる。関数N( s)は第1b図を参照して上述した形である。擬似ステレオフィルタ164は、 ファクタ2が乗算された上述した伝達関数C(s)に基づいて動作する。式(8) が有効であると仮定すると、第11a図のトポロジーの入力と出力は、式(10 )に基づいて表すことができる。第10a図及び第10b図のトポロジーと同様 に、可変利得要素121は様々なタイプの入力信号を受容するべくマニュアルで または自動的に制御されるか、あるいは1にセットされてもほとんどのモノラル 入力信号及びステレオ入力信号を処理することができる。 第11b図のトポロジーは、第11a図のトポロジーを変形したものであり、 第10b図のトポロジーに関して説明したのと同様にして、ステレオ信号と擬似 ステレオ信号に対し別個の空間性強調パラメータを用いる。第11b図のトポロ ジーでは、第11a図のトポロジーと異なり、擬似ステレオ信号はフィルタ14 7によって伝達関数C(s)及びD(s)に基づいて合成及び空間強調された後、伝 達関数N(s)に基づいてフィルタ167により生成された強調されたステレオ信 号と加え合わされる。繰り返すが、伝達関数C(s)、D(s)及びN(s)は上述し たそれぞれの形である。 これらのトポロジーは、擬似ステレオ伝達関数C(s)の非対称な性質にも関わ らず、和不変という利点を有していることに注意されたい。また、モノラル入力 信号は(L−R)差成分を含んでいないため、そのよう なモノラル信号が第11a図及び第11b図のトポロジーに入力として供給され る場合は、加算要素160によって生成される差信号(L−R)経路には信号が含 まれないことに注意されたい。従って、和信号(L+R)をフィルタ164及び加 算要素166を通じて差信号経路に接続することは、左出力信号L′を生成する 上で不可欠である。 上述したトポロジーは和不変であるため、それらは第3a図及び第3b図の和 不変型トポロジーに基づいて動作するように変形可能である。それによってより 簡略化されたコスト効果の高い装置が実現される。さらに、伝達関数D(s)の極 時定数を伝達関数B(s)のそれと等しくなるように設定することによって、大幅 な簡略化が可能であることがわかった。そのようにすることによって、ステレオ 信号と擬似ステレオ信号に対して個別の強調パラメータを与えることができると いう利点を保持しつつ、伝達関数D(s)を意図して具現する必要がなくなる。従 って、このようにしない場合C(s)D(s)を具現していたフィルタは、この方法 ではC(s)のみを具現すればよく、従って極を決定するコンデンサを一つ排除す ることが可能となる。この簡略化の結果、デジタル回路として具現するとき、遅 延要素を1つ省くことができる。 第11a図及び第11b図のトポロジーから得られるより簡略化されたトポロ ジーを第12図及び第13図にそれぞれ示す。第12図のトポロジーにおいて、 加算要素208及び209は、インバータ210とともに、第3a図の和不変型 トポロジーのスタイルを再現している。加算要素200、可変利得要素210、 伝達関数C(s)を有するフィルタ202、及び利得要素205は、擬似ステレオ 信号を生成する。フィルタ202からの信号出力の大きさによって、伝達関数B (s)の極より十分高い周波数、すなわち約265Hzより十分高い周波数、の擬 似ステレオ合成信号の大きさがかなりの程度決定される。また、利得要素205 からの信号出力の大きさによって、直流に於ける擬似ステレオ合成信号の大きさ が決定される。このようにして、上述した伝達関数D(s)の効果は、加算要素2 04及び207に於ける信号の加算によってエミュレートされる。エミュレート される伝達関数D(s)の定数D0は、好ましくは約4.5であり、次のようにし て設定される。 G205=(D0−1)/B0 ここでG205は可変利得要素205の利得である。可変利得要素201の利得 が1に設定されているとき、第12図のトポロジーの左出力信号L′及び右出力 信号R′は、式(11)に基づいて左入力信号L及び右入力信号Rに関係づけら れる。 第12図のトポロジーに於いて、所与の信号経路に沿った任意の点に於ける利 得を制御して同一の結果を得ることが可能であることに注意されたい。典型的な アナログ回路としての実現に対しては、加算回路の入力には、通常、ある利得フ ァクタが掛けられる。従って、フィルタ202から加算要素204及び207へ と供給される信号の大きさを独立して調整可能な方法には幾つかあり、利得要素 205を用いる方法はそのような方法の1つにすぎない。第12図のトポロジー のステレオ効果強調部は、第2a図のトポロジーのそれと同様に動作する。従っ て、伝達関数B(s)及びC(s)に対する形及びパラメータ値は、上述したように することが好適である。 第13図のトポロジーは第12図のトポロジーと概ね同じように動作するが、 1つ特記すべき違いがある。インバータ229及び加算要素227、228は、 第3b図の和不変型トポロジーを再現するように構成されている。従って、加算 要素227の働き以外は、第13図のトポロジーのブロック45内の構成要素は 、第12図のトポロジーのブロック40内の構成要素と同じ動作をし、同じ働き をする。 擬似ステレオ信号合成関数及びステレオ信号強調関数の各々に対し、個別の強 調極時定数を有することが望まれる場合、第12図及び第13図のトポロジーを 、利得要素205を通る信号経路を除去し、フィルタ202が伝達関数C(s)D (s)を有するように変形してもよい。 擬似ステレオ信号の空間的属性を若干犠牲にすることによって、第12図及び 第13図のトポロジーをさらに簡略化し、従ってより少ないコストで実現するこ とが可能である。そのような簡略化されたトポロジーを第14図に示す。第14 図において、フィルタ246、247及び加算要素248の役割は、例えば第4 図のステレオ効果強調装置50のオペアンプ51のように漏洩積分器として構成 される単一のオペアンプによって実現されるアナログ回路において実現可能であ る。左出力信号L′及び右出力信号R′と左入力信号L及び右入力信号Rは、第 14図のトポロジーでは、利得要素241を1にセットしたとき、式(11)に よって表される関係で互いに関係づけられる。しかしながら、エミュレートされ る伝達関数D(s)は次の形となる。 D(s)=1+B(s)(1−G243) ここでG243は利得要素243の利得であり、1未満でなければならない。そ の結果、D0の範囲は次のように制限される。 B0+1≧D0≧1 (12) G243が0のとき、D(s)は最大限に低周波数強調を行う。従って、G243が1 に等しい場合、低周波数の強調はなされない。G243は次のように選択されるべ きである。 G243=(B0+1−D0)/B0 用途が異なればパラメータ値も若干異なるが、G243は好ましくは深さを最大 にするように0とするべきであり、従って、D0は約4.125とするべきであ る。伝達関数B(s)及びC(s)に対する好適な形及び関 連するパラメータ値については既に示した。第12図及び第13図のトポロジー と同様にして、加算要素244及び245に加えられる信号の大きさを独立して 調整することが可能である。 上述したステレオ/モノラル強調トポロジーの実現には、実際の例では、第1 5図に示す従来技術の3極全通過フィルタ250のような、全通過フィルタが必 要である。全通過フィルタ15は3つのカスケード接続された単極全通過フィル タ(single pole all-pass filter)251、252、253を含んでいる。各 極を別個の段(stage)に分離することによって、構成要素のばらつきに影響さ れにくくなっている。第1のフィルタ251は、R50=R51となるように設 計されるべきであることに注意されたい。フィルタ251は伝達関数H(s)と関 連する極時定数τを有する。 H(s)=(1−sτ)/(1+sτ) ここで、τ=R52・C40 フィルタ252及び253も上述した伝達関数H(s)に基づいて動作し、関連 する時定数τも同様にして決定される。 ステレオ/モノラル強調装置の以下に述べる好適実施例では、個々の単極フィ ルタ251〜253は、結果として得られる3極フィルタ250が極時定数46 μs、67μs及び254μsを有するように、公知の技術に従って形成される 。理解されるように、必要とされるオペアンプの数を減らすため、2次またはそ れより高い次数のセクションを用いたフィルタを使用することもできる。また、 2次のフィルタセクションでは、極は共役複素数対となる。しかしながら、その ような2次またはそれ以上の次数のフィルタセクションは、構成要素のばらつき の影響を受けやすくなる。 第16図に本発明の好適実施例を示す。ステレオ/モノラル強調装置260の 動作は、第13図のトポロジーに基づいており、従って、第1 3図のトポロジーに関する議論は装置260に対しても同じように適用可能であ る。全通過フィルタ250のオペアンプ256を除いて、第16図の装置260 内の各オペアンプは、上述した理由によって反転モードで動作する。左入力信号 Lはオペアンプ270及び関連する抵抗R60、R61によって反転され、右入 力信号Rはオペアンプ272及び関連する抵抗R70、R71によって反転され る。これらの2つの反転された信号は大きさを調整されてオペアンプ273に於 いて加算され、それによってモノラル信号成分が抽出される。抽出されたモノラ ル信号成分は全通過フィルタ250によって遅延され、それによって擬似ステレ オ信号が生成される。スイッチSW5によってフィルタ250の出力がライン2 78に接続されている場合、擬似ステレオ信号は、抵抗R62〜R64に共通の ノードに於いて、反転された左入力信号L及び反転されていない右入力信号Rと ともに加算される。スイッチSW4によってライン276と277が接続されて いる場合、この和信号は伝達関数B(s)に基づいてコンデンサC50によってロ ーパスフィルタリング処理される。このフィルタリングされた信号は、オペアン プ271に於いて、反転された左入力信号L及び擬似ステレオ信号(フィルタ2 50によって合成された)と加算され、それによって左出力信号L′が生成され る。オペアンプ275は、左入力信号Lと右入力信号Rとの和から、左出力信号 L′を引き算する。 スイッチSW4及びSW5によって、装置260は3つのモードのうちの1つ で動作することが可能となっている。スイッチSW4によってライン277が抵 抗R65を介してグランドに接続されている場合、ステレオ効果強調フィルタ( 例えば関数B(s))がディスエーブルされる。スイッチSW5によってライン2 78がグランドに接続され、それによってフィルタ250の擬似ステレオ信号合 成関数、例えば関数C(s)が ディスエーブルされているとき、装置260はバイパスモードで動作する。この モードでは、左入力信号Lと右入力信号Rは変化を加えられることなく左出力信 号L′及び右出力信号R′として現れる。スイッチSW4がライン277をライ ン276に接続している場合は、ステレオ効果強調フィルタB(s)がイネーブル される。このとき、装置260の動作モードはスイッチSW5の位置に依存する ことになる。スイッチSW5がライン278をグランドに接続し、それによって 擬似ステレオ信号合成関数C(s)がディスエーブルされている場合、装置260 はステレオ効果強調専用モードで動作する。しかし、スイッチSW5がフィルタ 250をライン278に接続し、擬似ステレオ信号合成関数C(s)がイネーブル されている場合、装置260はデュアルステレオ/モノラルモードで動作し、ど ちらのタイプの入力信号に対しても空間性強調がなされる。 第7図の装置80に関連して説明したように、スイッチSW4によるバイパス モードとステレオ/モノラル強調モードとの間の切り替えでは、コンデンサC5 0のローパスフィルタ機能のため、発生されるスイッチングノイズは比較的小さ い。スイッチSW5の切り替えは、出力信号に不連続を生じる可能性がある。し かしながら、そのような不連続はほとんどの用途において許容可能である。なぜ ならライン278上の擬似ステレオ信号の利得は、ステレオ信号の利得に比べて かなり小さいからである。そのような不連続が許容できないような用途では、公 知のゼロクロススイッチング技法を用いることによって、または切り替え用ラン プ信号によって制御される可変利得要素でスイッチSW5を置き換えることによ って、そのような不連続を小さくすることができる。 装置260に含まれる構成要素に対し選択される適切な値は、特定の用途、所 望の動作特定、及び用いられる構成要素のタイプに応じて変わ り得る。しかしながら、装置260の利点を実現するためには、以下の制約を満 足すべきである。まず、加算/反転オペアンプ270,272及び出力オペアン プ271に関連する抵抗は、次のように選択されるべきである。 R60=R61 R70=R71 R75=R76=R77=R78 次に、抵抗R69及びコンデンサC50は、それらの値の積が次のようになる よう選択されるべきである。 4τp(2B0+K10)=R69・C50 抵抗R69に対し適切な値を選択した後、オペアンプ271に関連する残りの 抵抗の値を次のようにして決定する。 R62=R63=R69/(2B0) R64=R69/(2K10) R67=R69/(2(2B0+K10)) R69/R68=K1 R66=R69 オペアンプ273に関連する抵抗は、次の関係を満たすべきである。 R72=R73 R74/R72=C0/K1 ここでK1は、K1≧2C0となるように選択されるべきである。好適実施例で は、K1は0.4に等しい。多くの多段アナログ回路と同様に、各段において所 与の信号経路の利得は独立して制御可能である。従って、どれだけの利得がどこ に生じるかについて常にある程度の融通性がある。係数K1は用途に応じて選択 可能なそのような自由度を与えるものである。K1についての上記の制約は、オ ペアンプ273の出力が両入力チ ャネルへの最大入力信号に対し飽和しないように、信号のダイナミックレンジの 観点から推奨されるものである。 別の実施例として、ステレオ/モノラル装置280を第17図に図示し、以下 に説明する。この装置280は、第14図のトポロジーに基づいて動作する。従 って、第14図のトポロジーに関する上記の説明はステレオ/モノラル装置28 0についても同じように適用可能である。左出力信号L′及び右出力信号R′は 、左入力信号L及び右入力信号Rに式(11)に基づいて関係づけられる。エミ ュレートされる伝達関数D(s)は第14図のトポロジーを参照して上記で示した 形であり、ここでD0は次のように最大値に固定される。 D0=B0+1 装置280では、ステレオ効果強調部は、オペアンプ293、294及びそれ らにそれぞれ関連付けられたコンデンサC60及び抵抗R86〜R91によって 実行され、第6図のステレオ効果強調装置70と同じように伝達関数B(s)を実 現する。擬似ステレオ効果強調は、後述するように、ステレオ効果強調の実行前 に擬似ステレオ信号と左入力信号Lとを加えることによって、ステレオ効果強調 と結合される。 オペアンプ290及び関連する抵抗R80〜R81は、入力信号源のモノラル 成分(L+R)を抽出するため、左入力信号Lと右入力信号Rとを加え合わせ、半 分の大きさにする。抵抗R80とR81は同じ値にするべきであることに注意さ れたい。この和信号はフィルタ250によって伝達関数C(s)に従ってフィルタ リングされ、それによって擬似ステレオ信号が合成される。この擬似ステレオ信 号は、オペアンプ292及び関連する抵抗R82〜R85によって左入力信号L と加え合わされる。オペアンプ292を通った左入力信号の利得は1であり、一 方、オペアンプ292を通った合成された擬似ステレオ信号の利得は擬似ステレ オ 効果の所望の深さに応じて調整可能である。抵抗R82〜R85に対する値は次 のようにして選択されるべきである。 2C0=R83/R82=R84/R85 装置280は2つのスイッチSW4とSW5を含んでおり、それらによって装 置280は、第16図の装置260と同様に、バイパスモード、ステレオ効果強 調専用モード、及びステレオ/モノラル強調モードの切り替えが可能となってい る。スイッチSW5がライン295をグランドに接続しているとき、装置280 の動作モードはスイッチSW4の位置によって決定される。スイッチSW4によ ってライン296がライン297に接続されている場合、装置280はステレオ 効果強調専用モードで動作する。スイッチSW4によってライン296がライン 298に接続されている場合、装置280はバイパスモードで動作する。スイッ チSW4がライン296とライン297を接続し、スイッチSW5がライン29 5をフィルタ295の出力に接続しているとき、装置280はステレオ/モノラ ルモードで動作する。上記の実施例に関連してすでに説明したように、装置28 0に含まれる構成要素の値は、設計仕様、構成要素及び機能を考慮して変わり得 る。しかしながら、第17図の実施例の利点を実現するには次の制約が満足され るべきである。 R80=R81 τp=R87・C60 B0=R87/R86 R88=R89 R90=R91 装置280は、オペアンプの反転モードと非反転モードの両方を使用すること によって、装置260に比べて設計がより簡略化され実現コストも安くなってい る。このようにオペアンプの両モードを用いることは 音質に悪影響をもたらし得るが、その影響の程度はわずかであり、多くの用途に おいて要求される仕様を十分満足するものである。 第14図のトポロジーは、更に簡略された設計で実現することができるがその 設計では入力信号の減衰は許容される。本発明の別の実施例に基づくステレオ/ モノラル強調装置300aを第18図に図示し、以下に説明する。この装置は4 つのオペアンプしか必要としない。入力信号L及びRはファクタK2だけ大きさ を調整される。K2の適切な値の選択は、以下に述べるように、2つのファクタ を考慮してなされる。 装置300aの擬似ステレオ部は、オペアンプ310、311及びそれらに関 連する抵抗R100〜R108及びコンデンサC70〜C71によって形成され る。オペアンプ310はまず左入力信号Lと右入力信号Rを加算してモノラル成 分を抽出し、この和を単極全通過フィルタに基づいてフィルタリングする。オペ アンプ311は、和信号をファクタ1+K3によって割る2次全通過フィルタ(se cond order all-pass filter)の核をなす。極周波数にある程度依存するが、K3 の値は構成要素のばらつきによる影響を小さくするため一般に1に近い。オペア ンプ312及び313は装置300aのステレオ効果強調部を形成しており、第 6図のステレオ効果強調装置70と同様に動作する。抵抗R109〜R113に よって、D0はB0+1と1の間で可変となっている。抵抗R119は和信号経路 の減衰を回路の残りの部分に整合させる。 装置300aは2つのスイッチSW4とSW5を含んでおり、それらによって 装置300Aは、装置260及び280に関して上述したのと同様に、バイパス モード、ステレオ効果強調モード、またはステレオ/モノラル強調モードで動作 可能となっている。 装置300a内の構成要素の値は、用途の要件及び構成要素タイプに応じて選 択される。ファクタK2及びK3は、2次の全通過フィルタの構 成要素に対する影響の受け易さをできるだけ小さくするとともに、全体的な信号 減衰レベルを調整するように選択され得る。これらの2つのファクタは次のよう に制約される。 C0=(1/(2(1+K3)))・(1/K2−1) ある好適実施例では、K2及びK3はそれぞれ0.667及び0.25に等しい 。擬似ステレオ部で使用される構成要素の値は次の制約を満たすべきである。 時定数τ1、τ2及びτ3は、関数C(s)の極に対して推奨される時定数とする ことができ、それらの値は互いに取り替え可能である。ステレ オ効果強調部で使用される構成要素の値は次の制約を満たすべきである。 抵抗R110〜R113は、所与のパラメータセットに対し必要とされる以上 の融通性を与える。例えば、D0の最大値が必要とされる場合、R111は省略 してもよい。また、D0が1であることが望まれる場合は、R113を省略する ことができる。示されている全て揃ったセットは、一般性のために示されている のである。装置300aではバイパスモードを含む全ての動作モードで入力信号 が減衰される。従って、出力信号L′とR′の和は、入力信号LとRの和にある 定数ファクタを掛けたものとなる。 上述した装置及びトポロジーのほとんどは、L信号経路とR信号経路とが等価 な減衰または利得を確実に有するようにすることによって、1以外の利得を有す るように変形することが可能である。このような変形 は、本明細書を読んだ後には当業者には明らかであろう。 第18図の装置300aは、ステレオ効果強調伝達関数B(s)に関して若干妥 協することによって、信号の減衰がないように変形することができる。そのよう にして得られる構造は、第19図に示すステレオ/モノラル強調装置300bと して具現される。装置300bは、抵抗R119が除去され抵抗R120〜R1 21が付け加えられている点を除いて、第18図の装置300aと同じであり、 同じように動作する。バイバスモードにおいて利得を1とし、ステレオ効果強調 専用モード及びステレオ/モノラル強調モードにおいて減衰がないようにするた めには、次の制約が満足されるべきである R109/R110=R120/R121。 装置300bは、上述の伝達関数B(s)から次のようにして得られる変形され た強調伝達関数B′(s)に基づいて動作する。 ここでK4は次のような値である。 エラーファクタK4はできるだけ小さいことが好ましいが、K4を小さくするこ とは、抵抗R111〜R113を最大化することまたは抵抗R120〜R121 を最小化することといった実際性とバランスさせなければならない。K4に対し て値0.1が、かなり容易に実現可能であり、このようなエラーファクタなしで 動作するシステムと実質的に区別がつ かない音質を実現する値であることがわかった。この結果は、エラーファクタK4 は高い周波数においてのみ伝達関数B′(s)のかなりの部分を含むが、そのよ うな場合でも出力信号の電力に占める割合は僅かであるということを考慮するこ とによって客観的にも検証されるだろう。 上述したステレオ/モノラル装置は全て、上述した双1次変換を用いて離散時 間デジタル信号処理領域にマッピングすることができる。デジタル回路として実 現することは、ユーザによるパラメータ値の動的な調整を可能とするため極めて 有用である。例えば第12図のトポロジーは、次のようにしてデジタル回路とし て実現することができる。第20図に第12図のトポロジーに基づいたDSPに よる実現のための完全なデータフロー図を示す。ブロック320は、利得1に正 規化された伝達関数C(s)と等価な3段全通過フィルタを形成している。ブロッ ク321は伝達関数D(s)を実行する。乗数g5は、全通過フィルタブロック3 20中には存在しないファクタC0を補うものである。同様に、乗数g4はC0だ けスケーリングされる。利得の乗算は、シグナルフローにおいて機能性に影響を 与えることなく配列換えすることが可能である。好適な実施態様では、乗数は次 のように選択される。 g1=−0.991495 g2=0.894378 g3=−0.392830 g4=1.440000 g5=0.200000 g6=0.057956 g7=0.962908 このように、この実施例は7つの乗数と5つの遅延蓄積要素しか必要としない 。使用される特定のDSPのアーキテクチャによっては、第2 0図のシグナルフロー図に対し変形が必要となり得ることに注意されたい。例え ば、DSPが小さなワードサイズの固定小数点算術演算を用いる場合、ブロック 321の出力や加算器322の出力のようなノードにおける飽和を避けるために スケーリングが必要となり得る。乗算・累算演算が、単純な加算または乗算と同 程度に経済的に具現されるようなアーキテクチャでは、乗算演算を加算演算と対 にするように配列し直すとよいだろう。このような問題は、本発明の特定の実施 例をDSPで実現することと同様に、本分野ではよく知られていることである。 本発明の特定の実施例について説明してきたが、広い意味において本発明から 逸脱することなく変形変更が可能であることは当業者には明白であろう。従って 、添付の請求の範囲はそのような変形変更を全て本発明の真の精神及び範囲に入 るべきものとして含むものである。
【手続補正書】 【提出日】1997年3月13日 【補正内容】 (1)明細書の請求の範囲の記載を別紙の如く補正する。 (2)明細書第7頁第25行の『(第1a図)』を、 「(第1b図)」と訂正する。 (3)明細書第7頁第26行の『(第1b図)』を、 「(第1a図)」と訂正する。 (4)明細書第25頁第22行の『可変利得要素210』を、 「可変利得要素201」と訂正する。 (5)明細書第34頁第10行の『C71』を、 「C72」と訂正する。 (6)明細書第17頁第13行めの『(1−Sτ1*)』を、 「(1−sτ1*)」と訂正する。 (請求の範囲) 1.音像強調装置であって、 それぞれステレオ音像の第1及び第2信号を受信するための第1及び第2入力 ノードと、 それぞれ強調されたステレオ音像の第1及び第2信号を出力するための第1及 び第2出力ノードと、 前記第1入力ノードに接続された非反転端子と、反転端子と、前記第1出力ノ ードに接続された出力端子とを有する第1オペアンプと、 前記第1オペアンプの前記反転端子と前記出力端子との間に接続された第1の 抵抗・コンデンサネットワークと、 前記第2入力ノードに接続された非反転端子と、反転端子と、前記第2出力ノ ードに接続された出力端子とを有する第2オペアンプと、 前記第2オペアンプの前記反転端子と前記出力端子との間に接続された第2の 抵抗・コンデンサネットワークと、 前記第1オペアンプの前記反転端子と前記第2オペアンプの前記反転端子との 間に接続された第1抵抗性素子と、 前記第1抵抗性素子に直列に接続された、オン状態とオフ状態を有するスイッ チング装置とを含み、 前記スイッチング装置が前記オン状態にあるとき当該装置は強調モードにあり 、前記スイッチング装置が前記オフ状態にあるとき当該装置はバイパスモードに あることを特徴とする音像強調装置。 2.第1及び第2信号を含むステレオ音像を強調して、第1及び第2の強調され た信号を含む強調されたステレオ音像を生成するための装置であって、 それぞれ前記第1及び第2信号を受信するための第1及び第2入力端子と、 それぞれ前記第1及び第2の強調された信号を出力するための第1及び第2出 力端子と、 前記第1及び第2入力端子に接続され、前記第1入力信号と第2入力信号を結 合してコンビネーション信号を生成する第1結合手段と、 前記コンビネーション信号を強調して前記第1の強調された信号を生成するべ く前記第1結合手段と前記第1出力端子とに接続された強調手段と、 前記第1入力端子、前記第2入力端子、及び前記第1出力端子に接続され、前 記第1入力信号、前記第2入力信号、及び前記第1の強調された信号を結合して 、前記第2の強調された信号を生成する第2結合手段とを含むことを特徴とする ステレオ音像強調装置。 3.前記第2入力端子と前記第1結合手段との間に接続されたスイッチング装置 を更に含み、前記スイッチング装置がオン状態にあるとき当該装置は強調モード で動作し、前記スイッチング装置がオフ状態にあるとき当該装置はバイパスモー ドにあることを特徴とする請求項2に記載の装置。 4.第1及び第2信号を含むステレオ音像を強調するための装置であって、 それぞれ前記第1及び第2信号を受信するための第1及び第2入力端子と、 それぞれ前記第1及び第2の強調された信号を出力するための第1及び第2出 力端子と、 第1及び第2入力端子と出力端子とを有する第1オペアンプであって、該第1 オペアンプの前記第1入力端子は当該装置の前記第1入力端子に接続され、該第 1オペアンプの前記出力端子は当該装置の前記第1出力端子に接続され、該第1 オペアンプの前記第2入力端子は当該装置の前記第2入力端子に抵抗性素子を介 して接続されている該第1オペアンプと、 前記第1オペアンプの前記出力端子と前記第2入力端子との間に接続されたフ ィードバックネットワークと、 第1及び第2入力端子と出力端子とを有する第2オペアンプであって、該第2 オペアンプの前記第1入力端子は当該装置の前記第1及び第2入力端子に接続さ れ、該第2オペアンプの前記第2入力端子は当該装置の前記第1出力端子に接続 され、該第2オペアンプの前記出力端子は当該装置の前記第2出力端子に接続さ れている該第2オペアンプとを含むことを特徴とするステレオ音像強調装置。 5.前記第2オペアンプの前記第2入力端子と当該装置の前記第2出力端子との 間に接続された第2抵抗性素子と、 前記第2オペアンプの前記第2入力端子と当該装置の前記第1出力端子との間 に接続された第3抵抗性素子とを更に含むことを特徴とする請求項4に記載の装 置。 6.前記第1オペアンプの前記第2入力端子と当該装置の前記第2入力端子との 間に接続されたスイッチング装置を更に含むことを特徴とする請求項5に記載の 装置。 7.第1及び第2入力信号を含む音像を強調して強調された音像を生成するため の方法であって、 第1出力信号を生成するべく前記第1及び第2入力信号を処理する過程と、 第2出力信号を生成するべく前記第1出力信号と前記第1及び第2入力信号と を結合する過程とを含み、 前記第1及び第2出力信号は前記強調された音像の第1及び第2チャネルを含 むことを特徴とする方法。 8.前記第1及び第2入力信号を処理する前記過程が、前記第1出力信号を生成 するべく前記第1入力信号と前記第2入力信号とを積分的に結合してフィルタリ ングする過程を含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。 9.前記第1出力信号を前記第1及び第2入力信号と結合する前記過程が、前記 第2出力信号を生成するべく前記第1出力信号を前記第1入力信号と前記第2入 力信号との和から引く過程を含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。 10.前記積分的にフィルタリングする過程がローパスフィルタを用いることを 特徴とする請求項8に記載の方法。 11.前記第1及び第2入力信号を処理する前記過程の前に前記第1及び第2入 力信号を反転する過程を更に含み、 前記第1出力信号を前記第1及び第2入力信号と結合する前記過程が、前記第 2出力信号を生成するべく前記第1出力信号を前記第1入力信号と前記第2入力 信号との和に加算する過程を含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。 12.第1及び第2信号を含む音像を強調するための装置であって、 第1出力信号を生成するべく前記第1及び第2入力信号を処理する手段と、 第2出力信号を生成するべく前記第1出力信号と前記第1及び第2入力信号と を結合する手段とを含み、 前記第1及び第2出力信号は前記強調された音像の第1及び第2チャネルを含 むことを特徴とする装置。 13.前記第1及び第2入力信号を処理する手段が積分器を含んでいることを特 徴とする請求項12に記載の装置。 14.前記第1出力信号と前記第1及び第2入力信号とを結合する手段が加算回 路を含んでおり、前記加算回路は前記第2出力信号を生成するべく前記第1入力 信号と前記第2入力信号との和から前記第1出力信号を引くことを特徴とする請 求項12に記載の装置。 15.モノラル信号またはステレオ信号のいずれであってもよい2チャネル入力 信号の空間性を強調するための方法であって、 前記入力信号から和信号を生成する過程と、 強調された和信号を生成するべく全通過フィルタを用いて前記和信号を位相シ フトする過程と、 前記強調された和信号を前記入力信号と結合して強調された中間信号を生成す る過程と、 前記強調された中間信号を和不変ステレオ強調回路を用いて強調して強調され た出力信号を生成する過程とを含むことを特徴とする方法。 16.前記強調された和信号を前記入力信号と結合する前記過程が、前記強調さ れた中間信号を生成するべく前記強調された和信号を前記入力信号の前記第1チ ャネルと結合する過程を更に含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。 17.前記強調された和信号を前記入力信号と結合する前記過程が、前記強調さ れた中間信号を生成するべく前記強調された和信号を前記入力信号の前記第1チ ャネルと結合する過程と前記強調された和信号を前記入力信号の前記第2チャネ ルと結合する過程とを更に含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。 18.前記強調された中間信号を生成するべく、前記強調された和信号が前記入 力信号の前記第1チャネルと加算され、前記入力信号の前記第2チャネルから引 き算されることを特徴とする請求項17に記載の方法。 19.前記入力信号から差信号を生成する過程を更に含み、前記強調された中間 信号を生成するべく前記強調された和信号が前記差信号と結合されることを特徴 とする請求項15に記載の方法。 20.モノラル信号またはステレオ信号のいずれであってもよい2チャネル入力 信号の空間性を強調するための方法であって、 前記入力信号を和不変ステレオ強調回路を用いて強調して2チャネルのステレ オ強調された信号を生成する過程と、 前記入力信号から和信号を生成する過程と、 前記和信号を位相シフトし、強調された和信号を生成する過程と、 前記強調された和信号を前記2チャネルのステレオ強調された信号と結合して 2チャネル出力信号を生成する過程とを含むことを特徴とする方法。 21.前記強調された和信号を前記2チャネルのステレオ強調された信号と結合 する前記過程が、前記強調された和信号を前記ステレオ強調された信号の第1チ ャネルに加算して前記出力信号の第1チャネルを生成する過程と、前記強調され た和信号を前記ステレオ強調された信号の第2チャネルから引き算して前記出力 信号の第2チャネルを生成する過程を更に含むことを特徴とする請求項20に記 載の方法。 22.前記入力信号を強調する前記過程が、前記入力信号から差信号を生成する 過程を更に含み、前記2チャネルのステレオ強調された信号が前記和不変ステレ オ強調回路を用いて前記差信号から生成されることを特徴とする請求項20に記 載の方法。 23.第1及び第2入力チャネルを含む入力信号を強調して、第1及び第2出力 チャネルを含む空間性を強調された出力信号を生成するための方法であって、 前記第1及び第2入力チャネルに応じて和信号を生成する過程と、 前記第1及び第2入力チャネルに応じて差信号を生成する過程と、 前記和信号を第1のフィルタを用いて強調し、強調された和信号を生成する過 程と、 前記差信号を第2のフィルタを用いて強調し、強調された差信号を生成する過 程と、 前記強調された和信号と前記強調された差信号とを加算し、中間信号を生成す る過程と、 前記中間信号を前記和信号と加算し、前記第1出力チャネルを生成する過程と 、 前記中間信号を前記和信号から引き算し、前記第2出力チャネルを生成する過 程とを含むことを特徴とする方法。 24.前記第1フィルタが全通過フィルタを含んでいることを特徴とする請求項 23に記載の方法。 25.第1及び第2入力チャネルを含む入力信号を強調して、第1及び第2出力 チャネルを含む空間性を強調された出力信号を生成するための方法であって、 前記第1及び第2入力チャネルに応じて和信号を生成する過程と、 前記第1及び第2入力チャネルに応じて差信号を生成する過程と、 前記和信号を第1のフィルタを用いて強調し、強調された和信号を生成する過 程と、 前記強調された和信号と前記差信号とを加算し、第1中間信号を生成する過程 と、 前記第1中間信号を第2のフィルタを用いて強調し、第2中間信号を生成する 過程と、 前記第2中間信号と前記和信号とを加算し、前記第1出力チャネルを生成する 過程と、 前記第2中間信号を前記和信号から引き算し、前記第2出力チャネルを生成す る過程とを含むことを特徴とする方法。 26.前記第1フィルタが全通過フィルタを含んでいることを特徴とする請求項 25に記載の方法。 27.モノラル信号またはステレオ信号のいずれであってもよい入力信号の空間 性を強調するための方法であって、 前記入力信号を表す第1及び第2入力チャネルを受信する過程と、 前記第1入力チャネルと前記第2入力チャネルとを加算して和信号を生成する 過程と、 前記和信号を全通過フィルタを用いて位相シフトして強調された和信号を生成 する過程と、 前記強調された和信号を前記第1入力チャネルと結合して中間信号を生成する 過程と、 前記中間信号をローパスフィルタを用いてフィルタリングして第1出力チャネ ルを生成する過程と、 前記第1及び第2入力チャネルと前記第1出力チャネルとを結合して第2出力 チャネルを生成する過程とを含み、 前記第1及び第2出力チャネルは空間強調された信号を表すことを特徴とする 方法。 28.第1及び第2入力信号を含む音像の空間性を強調して第1及び第2出力信 号を含む強調された音像を生成するための装置であって、 和信号を生成するべく前記第1入力信号と前記第2入力信号を加算する手段と 、 前記和信号を強調して強調された和信号を生成する手段と、 前記強調された和信号と前記第1及び第2入力信号とを結合して、前記第1出 力信号を生成する手段と、 前記第1出力信号と前記第1及び第2入力信号とを加算して、前記第2出力信 号を生成する手段とを含むことを特徴とする装置。 29.モノラル音像またはステレオ音像のいずれを表していてもよい第1及び第 2入力チャネルを含む入力信号の空間性を強調するための装置であって、 前記入力信号を表す第1及び第2入力チャネルを受信する手段と、 前記第1入力チャネルと前記第2入力チャネルとを加算して和信号を生成する 手段と、 強調された和信号を生成するべく全通過フィルタを用いて前記和信号を位相シ フトする手段と、 前記強調された和信号を前記第1入力チャネルと結合して中間信号を生成する 手段と、 前記中間信号をローパスフィルタを用いてフィルタリングして第1出力チャネ ルを生成する手段と、 前記第1及び第2入力チャネルと前記第1出力チャネルとを結合して第2出力 チャネルを生成する手段とを含み、 前記第1及び第2出力チャネルは空間強調された信号を表すことを特徴とする 装置。 30.入力音像を表す第1及び第2入力チャネルを含む入力信号の空間性を強調 して、空間性を強調された音像を表す第1及び第2出力チャネルを生成するため の装置であって、 各々前記第1及び第2入力チャネルを受信するべく接続された非反転端子と反 転端子を有し、出力端子に第1の強調された和信号を生成する第1オペアンプと 、 前記第1オペアンプの前記出力端子に接続された反転端子と非反転端子とを有 し、出力端子に第2の強調された和信号を生成する第2オペアンプと、 前記第2の強調された和信号と前記第1入力チャネルとを受信するよう接続さ れた非反転端子を有し、且つ前記第2入力チャネルを受信するべく接続された反 転端子を有しその出力端子に前記第1出力チャネルを生成する第3オペアンプと 、 前記第1及び第2入力チャネルを受信するべく接続された非反転端子を有し、 且つ前記第1出力チャネルを受信するべく接続された反転端子を有しその出力端 子に前記第2出力チャネルを生成する第4オペアンプとを含むことを特徴とする 装置。 31.前記第1オペアンプの前記非反転端子に接続された第1電極と、第1ノー ドに接続された第2電極とを有し、一次の全通過フィルタを実現する第1コンデ ンサを更に含んでいることを特徴とする請求項30に記載の装置。 32.前記第2オペアンプの前記反転端子と前記出力端子との間に接続され、全 通過フィルタを実現するフィードバックネットワークをされに含むことを特徴と する請求項30に記載の装置。 33.前記フィードバックネットワークが二次の全通過フィルタを実現している ことを特徴とする請求項32に記載の装置。 34.前記フィードバックネットワークが、 前記第2オペアンプの前記反転端子に接続された第1端子を有する抵抗と、 前記抵抗の前記第1端子に接続された第1電極を有する第1コンデンサと、 前記第1コンデンサの第2電極に接続された第1電極を有し、且つ前記抵抗の 第2端子と前記第2オペアンプの前記出力端子とに接続された第2電極を有する 第2コンデンサとを更に含むことを特徴とする請求項33に記載の装置。 35.フィードバックネットワークを更に含み、前記フィードバックネットワー クが、 前記第3オペアンプの前記反転端子と前記出力端子との間に接続された第1抵 抗と、 前記第1抵抗に並列に接続されたコンデンサとを含むことを特徴とする請求項 30に記載の装置。 【手続補正書】 【提出日】1997年5月28日 【補正内容】 (1)明細書の請求の範囲の記載を以下の通り補正する。 「1.第1及び第2入力チャネルを含む音像を強調するための装置であって、 第1出力チャネルを生成するべく前記第1及び第2入力チャネルを処理する手 段と、 第2出力チャネルを生成するべく前記第1出力チャネルと前記第1及び第2入 力チャネルとを結合する手段とを含み、 前記第1及び第2出力チャネルは空間性を強調された信号を表すことを特徴と する装置。 2.前記結合手段が、前記第2出力チャネルを生成するべく前記第1入力チャネ ルと前記第2入力チャネルとの和から前記第1出力チャネルを引く加算回路を含 んでいることを特徴とする請求項1に記載の装置。 3.前記結合手段が、前記第2出力チャネルを生成するべく前記第1出力チャネ ルを反転された第1及び第2入力チャネルにそれぞれ加算する加算回路を含んで いることを特徴とする請求項1に記載の装置。 4.前記処理手段が積分器を含んでいることを特徴とする請求項2に記載の装置 。 5.前記積分器が、 第1及び第2入力端子と出力端子を有する第1オペアンプであって、前記第1 オペアンプの前記第1入力端子は前記第1入力チャネルを受信するように接続さ れており、前記第1オペアンプの前記入力端子は前記第2入力チャネルを受信す るように接続されており、前記第1オペアンプの前記出力端子は前記第1出力チ ャネルを出力する該第1オペアンプと、 前記第1オペアンプの前記出力端子と第2入力端子との間に接続されたフィー ドバック回路とを含んでいることを特徴とする請求項4に記載の装置。 6.前記加算回路が、第1及び第2入力端子と出力端子を有する第2オペアンプ を含んでおり、前記第2オペアンプの前記第1入力端子は前記第1及び第2入力 チャネルを受信するように接続されており、前記第2オペアンプの前記第2入力 端子は前記第1出力チャネルを受信するように接続されており、前記第2オペア ンプの前記出力端子は前記第2出力チャネルを出力することを特徴とする請求項 5に記載の装置。 7.前記処理手段がさらに、 前記第1入力チャネルと第2入力チャネルとを加算して和信号を生成する手段 と、 強調された和信号を生成するべく、全通過フィルタを用いて前記和信号を位相 シフトする手段と、 前記強調された和信号を前記第1入力チャネルと結合して、中間信号を生成す る手段と、 前記中間信号をローパスフィルタを用いてフィルタリングし、前記第1出力チ ャネルを生成する手段とを含んでいることを特徴とする請求項1に記載の装置。 8.前記加算手段及び前記位相シフト手段が、 各々前記第1及び第2入力チャネルを受信するように接続された非反転及び反 転端子と出力端子とを有する第1オペアンプと、 前記第1オペアンプの前記出力端子に接続された非反転及び反転端子を有し、 その出力端子に前記強調された和信号を出力する第2オペアンプとを含んでいる ことを特徴とする請求項7に記載の装置。 9.前記強調された和信号を前記第1入力チャネルと結合する前記手段が、 前記第1入力チャネル及び前記強調された和信号を受信するように接続された 非反転端子と、前記第2入力チャネルを受信するように接続された反転端子とを 有し、その出力端子に前記第1出力チャネルを出力する第3オペアンプを含んで いることを特徴とする請求項8に記載の装置。 10.前記第1出力チャネルと前記第1及び第2入力チャネルとを結合する前記 手段が、 前記第1及び第2入力チャネルを受信するように接続された非反転端子と、前 記第1出力チャネルを受信するように接続された反転端子とを有し、その出力端 子に前記第2出力チャネルを出力する第4オペアンプを含んでいることを特徴と する請求項9に記載の装置。 11.前記第1オペアンプの前記非反転端子に接続された第1電極と、第1ノー ドに接続された第2電極とを有し、1次の全通過フィルタを容易にする第1コン デンサをさらに含んでいることを特徴とする請求項10に記載の装置。 12.前記第2オペアンプの前記反転端子と前記出力端子との間に接続され全通 過フィルタを具現するフィードバック回路をさらに含んでいることを特徴とする 請求項10に記載の装置。 13.前記フィードバック回路が2次の全通過フィルタを具現していることを特 徴とする請求項12に記載の装置。 14.前記フィードバック回路が、さらに、 前記第2オペアンプの前記非反転端子に接続された第1端子を有する抵抗と、 前記抵抗の前記第1端子に接続された第1電極を有する第1コンデンサと、 前記第1コンデンサの第2電極に接続された第1電極と、前記抵抗の第2端子 と前記第2オペアンプの前記出力端子とに接続された第2電極とを有する第2コ ンデンサとを含んでいることを特徴とする請求項12に記載の装置。 15.前記第3オペアンプの前記第2入力端子と前記出力端子との間に接続され た第1抵抗と、 前記第1抵抗に並列に接続されたコンデンサとを含むフィードバック回路をさ らに含んでいることを特徴とする請求項10に記載の装置。 16.前記処理手段が、さらに、 前記第1入力チャネルと前記第2入力チャネルとを加算して和信号を生成する 手段と、 強調された和信号を生成するべく、前記和信号を位相シフトする手段と、 前記強調された和信号を前記第1入力チャネル及び前記第2入力チャネルと結 合して、前記第1出力チャネルを生成する手段とを含んでいることを特徴とする 請求項1に記載の装置。 17.モノラル信号またはステレオ信号のいずれかであり得る2チャネル入力信 号の空間性を強調する方法であって、 前記入力信号から和信号を生成する過程と、 全通過フィルタを用いて前記和信号を位相シフトして、強調された和信号を生 成する過程と、 強調された中間信号を生成するべく、前記強調された和信号を前記入力信号と 結合する過程と、 前記強調された中間信号を和不変ステレオ効果強調回路を用いて強調し、強調 された出力信号を生成する過程とを含むことを特徴とする方法。 18.前記結合過程が、前記強調された中間信号を生成するべく、前記強調され た和信号を前記入力信号の前記第1チャネルと結合する過程を更に含むことを特 徴とする請求項17に記載の方法。 19.前記結合過程が、前記強調された中間信号を生成するべく、前記強調され た和信号を前記入力信号の前記第1チャネルと結合する過程と、前記強調された 和信号を前記入力信号の前記第2チャネルと結合する過程とを更に含むことを特 徴とする請求項17に記載の方法。 20.前記強調された中間信号を生成するべく、前記強調された和信号を前記入 力信号の前記第1チャネルと加算し、前記入力信号の前記第2チャネルから引き 算することを特徴とする請求項19に記載の方法。 21.前記入力信号から差信号を生成する過程をさらに含み、 前記強調された中間信号を生成するべく、前記強調された和信号が前記差信号 と結合されることを特徴とする請求項17に記載の方法。 22.モノラル信号またはステレオ信号のいずれかであり得る2チャネル入力信 号の空間性を強調する方法であって、 2チャネルのステレオ効果が強調された信号を生成するべく、和不変ステレオ 効果強調回路を用いて前記入力信号を強調する過程と、 前記入力信号から和信号を生成する過程と、 前記和信号を位相シフトして強調された和信号を生成する過程と、 前記強調された和信号を前記2チャネルのステレオ効果が強調された信号と結 合して、2チャネル出力信号を生成する過程とを含むことを特徴とする方法。 23.前記結合過程が、前記出力信号の第1チャネルを生成するべく前記強調さ れた和信号を前記ステレオ効果が強調された信号の第1チャネルと加算する過程 と、前記出力信号の第2チャネルを生成するべく前記強調された和信号を前記ス テレオ効果が強調された信号の第2チャネルから引く過程とをさらに含むことを 特徴とする請求項22に記載の方法。 24.前記強調過程が前記入力信号から差信号を生成する過程をさらに含み、前 記2チャネルの強調されたステレオ信号は前記和不変ステレオ効果強調回路を用 いて前記差信号から生成されることを特徴とする請求項22に記載の方法。 25.第1及び第2入力チャネルを含む入力信号を強調して、第1及び第2出力 チャネルを含む空間性を強調された出力信号を生成する方法であって、 前記第1及び第2入力チャネルに応答して和信号を生成する過程と、 前記第1及び第2入力チャネルに応答して差信号を生成する過程と、 第1フィルタを用いて前記和信号を強調して強調された和信号を生成する過程 と、 第2フィルタを用いて前記差信号を強調して強調された差信号を生成する過程 と、 前記強調された和信号と前記強調された差信号とを加算して中間信号を生成す る過程と、 前記中間信号を前記和信号と加算して前記第1出力チャネルを生成する過程と 、 前記中間信号を前記和信号から引き算して前記第2出力チャネルを生成する過 程とを含むことを特徴とする方法。 26.前記第1フィルタが全通過フィルタを含んでいることを特徴とする請求項 25に記載の方法。 27.第1及び第2入力チャネルを含む入力信号を強調して、第1及び第2出力 チャネルを含む空間性を強調された出力信号を生成する方法であって、 前記第1及び第2入力チャネルに応答して和信号を生成する過程と、 前記第1及び第2入力チャネルに応答して差信号を生成する過程と、 前記和信号を第1フィルタを用いて強調して強調された和信号を生成する過程 と、 前記強調された和信号と前記差信号とを加算して第1中間信号を生成する過程 と、 前記第1中間信号を第2フィルタを用いて強調して第2中間信号を生成する過 程と、 前記第2中間信号を前記和信号と加算して前記第1出力チャネルを生成する過 程と、 前記第2中間信号を前記和信号から引き算して前記第2出力チャネルを生成す る過程とを含むことを特徴とする方法。 28.前記第1フィルタが全通過フィルタを含んでいることを特徴とする請求項 27に記載の方法。 29.入力音像を表す第1及び第2入力チャネルを含む入力信号の空間性を強調 して、空間性を強調された音像を表す第1及び第2出力チャネルを生成するため の装置であって、 各々前記第1及び第2入力チャネルを受信するべく接続された非反転端子と反 転端子を有し、出力端子に第1の強調された和信号を生成する第1オペアンプと 、 前記第1オペアンプの前記出力端子に接続された反転端子と非反転端子とを有 し、出力端子に第2の強調された和信号を生成する第2オペアンプと、 前記第2の強調された和信号と前記第1入力チャネルとを受信するよう接続さ れた非反転端子を有し、且つ前記第2入力チャネルを受信するべく接続された反 転端子を有しその出力端子に前記第1出力チャネルを生成する第3オペアンプと 、 前記第1及び第2入力チャネルを受信するべく接続された非反転端子を有し、 且つ前記第1出力チャネルを受信するべく接続された反転端子を有しその出力端 子に前記第2出力チャネルを生成する第4オペアンプとを含むことを特徴とする 装置。 30.前記第1オペアンプの前記非反転端子に接続された第1電極と、第1ノー ドに接続された第2電極とを有し、一次の全通過フィルタを実現する第1コンデ ンサを更に含んでいることを特徴とする請求項29に記載の装置。 31.前記第2オペアンプの前記反転端子と前記出力端子との間に接続され、全 通過フィルタを実現するフィードバックネットワークをさらに含むことを特徴と する請求項29に記載の装置。 32.前記フィードバックネットワークが二次の全通過フィルタを実現している ことを特徴とする請求項31に記載の装置。 33.前記フィードバックネットワークが、 前記第2オペアンプの前記反転端子に接続された第1端子を有する抵抗と、 前記抵抗の前記第1端子に接続された第1電極を有する第1コンデンサと、 前記第1コンデンサの第2電極に接続された第1電極を有し、且つ前記抵抗の 第2端子と前記第2オペアンプの前記出力端子とに接続された第2電極を有する 第2コンデンサとを更に含むことを特徴とする請求項32に記載の装置。 34.フィードバックネットワークを更に含み、前記フィードバックネットワー クが、 前記第3オペアンプの前記反転端子と前記出力端子との間に接続された第1抵 抗と、 前記第1抵抗に並列に接続されたコンデンサとを含むことを特徴とする請求項 29に記載の装置。」
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN, MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TT,UA ,UG,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.第1及び第2入力チャネルを含む音像を強調するための装置であって、 第1出力チャネルを生成するべく前記第1及び第2入力チャネルを処理する手 段と、 第2出力チャネルを生成するべく前記第1出力チャネルと前記第1及び第2入 力チャネルとを結合する手段とを含み、 前記第1及び第2出力チャネルは空間性を強調された信号を表すことを特徴と する装置。 2.前記結合手段が、前記第2出力チャネルを生成するべく前記第1入力チャネ ルと前記第2入力チャネルとの和から前記第1出力チャネルを引く加算回路を含 んでいることを特徴とする請求項1に記載の装置。 3.前記結合手段が、前記第2出力チャネルを生成するべく前記第1出力チャネ ルを反転された第1及び第2入力チャネルにそれぞれ加算する加算回路を含んで いることを特徴とする請求項1に記載の装置。 4.前記処理手段が積分器を含んでいることを特徴とする請求項2に記載の装置 。 5.前記積分器が、 第1及び第2入力端子と出力端子を有する第1オペアンプであって、前記第1 オペアンプの前記第1入力端子は前記第1入力チャネルを受信するように接続さ れており、前記第1オペアンプの前記入力端子は前記第2入力チャネルを受信す るように接続されており、前記第1オペアンプの前記出力端子は前記第1出力チ ャネルを出力する該第1オペアンプと、 前記第1オペアンプの前記出力端子と第2入力端子との間に接続されたフィー ドバック回路とを含んでいることを特徴とする請求項4に記載 の装置。 6.前記加算回路が、第1及び第2入力端子と出力端子を有する第2オペアンプ を含んでおり、前記第2オペアンプの前記第1入力端子は前記第1及び第2入力 チャネルを受信するように接続されており、前記第2オペアンプの前記第2入力 端子は前記第1出力チャネルを受信するように接続されており、前記第2オペア ンプの前記出力端子は前記第2出力チャネルを出力することを特徴とする請求項 5に記載の装置。 7.前記処理手段がさらに、 前記第1入力チャネルと第2入力チャネルとを加算して和信号を生成する手段 と、 強調された和信号を生成するべく、全通過フィルタを用いて前記和信号を位相 シフトする手段と、 前記強調された和信号を前記第1入力チャネルと結合して、中間信号を生成す る手段と、 前記中間信号をローパスフィルタを用いてフィルタリングし、前記第1出力チ ャネルを生成する手段とを含んでいることを特徴とする請求項1に記載の装置。 8.前記加算手段及び前記位相シフト手段が、 各々前記第1及び第2入力チャネルを受信するように接続された非反転及び反 転端子と出力端子とを有する第1オペアンプと、 前記第1オペアンプの前記出力端子に接続された非反転及び反転端子を有し、 その出力端子に前記強調された和信号を出力する第2オペアンプとを含んでいる ことを特徴とする請求項7に記載の装置。 9.前記強調された和信号を前記第1入力チャネルと結合する前記手段が、 前記第1入力チャネル及び前記強調された和信号を受信するように接 続された非反転端子と、前記第2入力チャネルを受信するように接続された反転 端子とを有し、その出力端子に前記第1出力チャネルを出力する第3オペアンプ を含んでいることを特徴とする請求項8に記載の装置。 10.前記第1出力チャネルと前記第1及び第2入力チャネルとを結合する前記 手段が、 前記第1及び第2入力チャネルを受信するように接続された非反転端子と、前 記第1出力チャネルを受信するように接続された反転端子とを有し、その出力端 子に前記第2出力チャネルを出力する第4オペアンプを含んでいることを特徴と する請求項9に記載の装置。 11.前記第1オペアンプの前記非反転端子に接続された第1電極と、第1ノー ドに接続された第2電極とを有し、1次の全通過フィルタを容易にする第1コン デンサをさらに含んでいることを特徴とする請求項10に記載の装置。 12.前記第2オペアンプの前記反転端子と前記出力端子との間に接続され全通 過フィルタを具現するフィードバック回路をさらに含んでいることを特徴とする 請求項10に記載の装置。 13.前記フィードバック回路が2次の全通過フィルタを具現していることを特 徴とする請求項12に記載の装置。 14.前記フィードバック回路が、さらに、 前記第2オペアンプの前記非反転端子に接続された第1端子を有する抵抗と、 前記抵抗の前記第1端子に接続された第1電極を有する第1コンデンサと、 前記第1コンデンサの第2電極に接続された第1電極と、前記抵抗の第2端子 と前記第2オペアンプの前記出力端子とに接続された第2電極とを有する第2コ ンデンサとを含んでいることを特徴とする請求項12 に記載の装置。 15.前記第3オペアンプの前記第2入力端子と前記出力端子との間に接続され た第1抵抗と、 前記第1抵抗に並列に接続されたコンデンサとを含むフィードバック回路をさ らに含んでいることを特徴とする請求項10に記載の装置。 16.前記処理手段が、さらに、 前記第1入力チャネルと前記第2入力チャネルとを加算して和信号を生成する 手段と、 強調された和信号を生成するべく、前記和信号を位相シフトする手段と、 前記強調された和信号を前記第1入力チャネル及び前記第2入力チャネルと結 合して、前記第1出力チャネルを生成する手段とを含んでいることを特徴とする 請求項1に記載の装置。 17.モノラル信号またはステレオ信号のいずれかであり得る2チャネル入力信 号の空間性を強調する方法であって、 前記入力信号から和信号を生成する過程と、 全通過フィルタを用いて前記和信号を位相シフトして、強調された和信号を生 成する過程と、 強調された中間信号を生成するべく、前記強調された和信号を前記入力信号と 結合する過程と、 前記強調された中間信号を和不変ステレオ効果強調回路を用いて強調し、強調 された出力信号を生成する過程とを含むことを特徴とする方法。 18.前記結合過程が、前記強調された中間信号を生成するべく、前記強調され た和信号を前記入力信号の前記第1チャネルと結合する過程を更に含むことを特 徴とする請求項17に記載の方法。 19.前記結合過程が、前記強調された中間信号を生成するべく、前記 強調された和信号を前記入力信号の前記第1チャネルと結合する過程と、前記強 調された和信号を前記入力信号の前記第2チャネルと結合する過程とを更に含む ことを特徴とする請求項17に記載の方法。 20.前記強調された中間信号を生成するべく、前記強調された和信号を前記入 力信号の前記第1チャネルと加算し、前記入力信号の前記第2チャネルから引き 算することを特徴とする請求項19に記載の方法。 21.前記入力信号から差信号を生成する過程をさらに含み、 前記強調された中間信号を生成するべく、前記強調された和信号が前記差信号 と結合されることを特徴とする請求項17に記載の方法。 22.モノラル信号またはステレオ信号のいずれかであり得る2チャネル入力信 号の空間性を強調する方法であって、 2チャネルのステレオ効果が強調された信号を生成するべく、和不変ステレオ 効果強調回路を用いて前記入力信号を強調する過程と、 前記入力信号から和信号を生成する過程と、 前記和信号を位相シフトして強調された和信号を生成する過程と、 前記強調された和信号を前記2チャネルのステレオ効果が強調された信号と結 合して、2チャネル出力信号を生成する過程とを含むことを特徴とする方法。 23.前記結合過程が、前記出力信号の第1チャネルを生成するべく前記強調さ れた和信号を前記ステレオ効果が強調された信号の第1チャネルと結合する過程 と、前記出力信号の第2チャネルを生成するべく前記強調された和信号を前記ス テレオ効果が強調された信号の第2チャネルから引く過程とをさらに含むことを 特徴とする請求項22に記載の方法。 24.前記強調過程が前記入力信号から差信号を生成する過程をさらに含み、前 記2チャネルの強調されたステレオ信号は前記和不変ステレオ効果強調回路を用 いて前記差信号から生成されることを特徴とする請求 項22に記載の方法。 25.第1及び第2入力チャネルを含む入力信号を強調して、第1及び第2出力 チャネルを含む空間性を強調された出力信号を生成する方法であって、 前記第1及び第2入力チャネルに応答して和信号を生成する過程と、 前記第1及び第2入力チャネルに応答して差信号を生成する過程と、 第1フィルタを用いて前記和信号を強調して強調された和信号を生成する過程 と、 第2フィルタを用いて前記差信号を強調して強調された差信号を生成する過程 と、 前記強調された和信号と前記強調された差信号とを加算して中間信号を生成す る過程と、 前記中間信号を前記和信号と加算して前記第1出力チャネルを生成する過程と 、 前記中間信号を前記和信号から引き算して前記第2出力チャネルを生成する過 程とを含むことを特徴とする方法。 26.前記第1フィルタが全通過フィルタを含んでいることを特徴とする請求項 25に記載の方法。 27.第1及び第2入力チャネルを含む入力信号を強調して、第1及び第2出力 チャネルを含む空間性を強調された出力信号を生成する方法であって、 前記第1及び第2入力チャネルに応答して和信号を生成する過程と、 前記第1及び第2入力チャネルに応答して差信号を生成する過程と、 前記和信号を第1フィルタを用いて強調して強調された和信号を生成する過程 と、 前記強調された和信号と前記差信号とを加算して第1中間信号を生成 する過程と、 前記第1中間信号を第2フィルタを用いて強調して第2中間信号を生成する過 程と、 前記第2中間信号を前記和信号と加算して前記第1出力チャネルを生成する過 程と、 前記第2中間信号を前記和信号から引き算して前記第2出力チャネルを生成す る過程とを含むことを特徴とする方法。 28.前記第1フィルタが全通過フィルタを含んでいることを特徴とする請求項 27に記載の方法。
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