JPH10503446A - 制動力の電気的な分配制御を伴うブレーキ装置のための回路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ＥＢＶおよびＡＢＳ／ＴＣＳ制御システムを伴うブレーキ装置のための回路は、故障及びまたは制御状態または運転状態に応じて制御を非接続または切り替えるとともにブレーキ装置をモニタする回路（１９，２０）を含む。１軸当たり１つのセンサあるいはセンサ（Ｓ１〜Ｓ４）の少なくとも１つの非動作すなわち不適合なセンサ信号が出力されると全てのセンサを基に車両基準速度（Ｖｒｅｆ）が生成され、ブレーキ力の分配の電気的な制御は維持される、が、ＡＢＳまたはＴＣＳ機能は抑止される。故障したセンサが後輪センサ（Ｓ２，Ｓ４）である場合、両後輪（ＨＲ，ＨＬ）は、同期して制御される。ポンプ装置（７）の故障あるいは非動作または電源電圧（ＵＢ）が低下したとき、ブレーキ力の分配の電気的制御は所定の制限値まで維持される、が、ＡＢＳまたはＴＣＳ機能は抑止される。

Description

【発明の詳細な説明】 制動力の電気的な分配制御を伴うブレーキ装置のための回路 この発明は、前および後車軸のホイールブレーキの制動力の電気的な分配制御 （ＥＢＶ）と、アンチロック及びまたはトラクションスリップ制御装置（ＡＢＳ and/or ＴＣＳ）を伴うブレーキ装置のための回路に関し、ホイールブレーキに 導かれる圧力流体と、圧力減少周期に排出される圧力流体であって戻される圧力 流体を電気的に制御可能な流体バルブ、各ホイールの回転の状態を検知する複数 のホイールセンサ、車両基準速度を生成し、ブレーキ圧力制御信号またはバルブ 制御信号を発生し、センサ信号を評価する電気回路、を含み、故障または非動作 に応じて及びまたは様々な制御条件もしくは運転条件において、ブレーキシステ ムと部分的なまたは全体の非接続または切り替えを制御する回路に関する。 ドイツ国特許第３３２３４０２号は、アンチロック制御のためのならびに車両 の車軸の静的および動的負荷の適合のための前車軸および後車軸の制動力の分配 の制御のために用いられる電気的に制御可能な複数の流体バルブ、を含むアンチ ロックブレーキシステムを開示している。各ホイールの回転状態についてのデー タは、複数のホイールセンサにより生成され、部分的なブレーキオペレーション すなわちアンチロック制御の欠落時における制動力の分配の電気的な制御のため に利用される。後輪のブレーキスリップは、規定量すなわち前輪のブレーキスリ ップのパーセンテージに基づく、後輪流体バルブの動作により制限される。すな わち、後輪ブレーキのそれぞれに接続された流体バルブ、ホイールセンサおよび アンチロック制御のためのセンサ出力の制御の要求のための電気的回路は、ごく 僅かではあるが、制動力の電気的な分配制御システムを拡大する付加的な構成を 必要とする。しかしながら、それらは、電気的制御の非動作あるいは流体の供給 の故障に伴う後輪のオーバーブレーキに有益である。特に、周知の機械的または 電気的ブレーキ圧力減少バルブまたは制動力制御バルブは、制動力分配のための 電気的回路のトラブルに対する安全のために付加的に求められている。 電気的に制御されるブレーキシステムの電気的なあるいは流体に係わる部品を モニタするための多くの議論および計測方法が知られている。一般に、この種の モニタの対象物は、制御部と直接接続されず、従って、制御動作の結果あるいは 危険な制御状態であって、少なくとも従来は、欠陥あるいは非動作が生じたすな わちブレーキシステムの機能の非定常状態に限られる。たとえば、ドイツ国出願 公開第２７１２６９３号は、アンチロック制御システム（ＡＢＳ）のホイールセ ンサをモニタして計測することを開示している。この公開によれば、センサによ り検知された信号から制御の付属部分すなわちスプリアス信号が除去される。一 方、アンチロック制御は、完全なホイールセンサおよび関連した制御チャネルに 引き継がれる。さらに、このエラーケースにおいては、各ホイールブレーキのた めの圧力減少周期および圧力設定周期は、延長される。ホイールのロックまたは ホイールブレーキの非圧力供給下においては、大きなヨートルクが発生されるの で、ブレーキ圧力の個々の制御から並列制御への切り替えは、抑制される。 制動力の電気的な分配制御を伴なうブレーキシステムの動作の信頼性を高める ために前輪へのブレーキ圧のテストが知られている。ドイツ国特許出願第４２２ ４９７１号は、ブレーキング中に、ブレーキング効果に影響を与えない短周期の 圧力低減パルスを生成すること、及び、この圧力低減パルスに対する前輪の作用 を評価することを示めしている。 定義されたエラーの検知を用意するのみでは、運転の安全性の効果が低減する ことは広く知られている。しかしながら、この発明の目的は、制動力の電気的な 分配制御および運転の安定性を高めるＡＢＳ／ＴＣＳ制御、さらに、ブレーキの 機能に故障あるいは非動作が生じた場合または制御のみではエラーが生じること になる不完全さ等に対して安全性を達成するものである。 この目的は、請求項１または請求項２に開示した回路によって達成できること が示されている。従って、上述した回路の特別な構成は、複数の計測装置を含む ことである。 短絡または切断等であるセンサの破損（請求項１参照）は、例えば、いくつか のセンサ信号の比較と適切なチェックまたは完全なセンサを基にして生成される 車両基準速度の評価の結果により得られる不適切なセンサ信号で示される。この 場合、制動力の電気的な分配制御の機能は持続されるが、ＡＢＳやＴＣＳ機能は 制限され、もしくは抑止される。破損したセンサが後輪センサである時、２つの 後輪は、同期して制御される。電源電圧が所定の制限量（制限量は、所定値、第 ２、下限量である）を下回るまで、制動力の電気的な分配制御の機能は持続され る一方で、ＡＢＳおよびＴＣＳ機能は制限され、もしくは抑止される。 請求項２に請求した回路においては、車軸当たり１つのセンサが損傷を受ける ことは、許容される。制動力の電気的な分配制御の機能は、車軸当たり１の完全 なセンサにより維持される。 ブレーキシムテムが、補助圧力の供給のためのまたはブレーキ圧力減少の周期 においてホイールブレーキから排出された圧力流体の逆戻しのためのポンプ装置 を有するとき、制動力の電気的な分配制御の機能は、ポンプ装置により維持され る一方で、ＡＢＳおよびＴＣＳ機能は制限され、もしくは阻止される。 上述した方法の組み合わせは、故障あるいは非動作が生じたとしても、制動力 の電気的な分配制御を持続することを可能とする。このことは、運転者が車両を 現状の状態に維持することを可能とする。エラーは報知される。例えば、ＡＢＳ ／ＴＣＳ機能の非接続は、警告ランプの光によって運転者に報知される。また、 制動力の電気的な分配制御を含む全体制御の非接続は、第２の警告ランプの付加 的な光により報知される。ブレーキング動作の結果、上述した状態においては、 運転者は、上記制御が非接続に切り換えられたブレーキの力の分配の特性を利用 できる。また、制動力の電気的な分配制御の機能は、警告ランプが点灯したあと においても、制限の範囲内で継続する。なお、この制御を用いない場合よりも、 操縦安定性およびブレーキの動作は、向上される。 この発明の回路は、前輪の１つまたは複数の流体バルブの機能あるいは後輪の 入力バルブの機能を抑止する不具合が生じた場合、ＡＢＳ／ＴＣＳは停止させる ものの、制動力の電気的な分配制御の機能を可能な限り維持する。また、後輪の 出力バルブの機能を抑止する不具合が生じた場合、後輪車軸の圧力が増圧される ことを防止するために、故障した出力バルブを含む入力バルブが閉じられる。 前輪センサの故障あるいは非動作は、ＡＢＳまたはＴＣＳモードでのブレーキ 圧力の制御を主として抑止する。 以下、この発明は、図面を参照した実施例の記載により詳細に説明される。図 において、第１図は、アンチロック制御および制動力の電気的な分配制御を含む ブレーキシステムの主要部の構成を簡略した概略図。第２図は、第１図に示した ブレーキシステムに用いるこの発明の回路の主要部な電気的構成を示す線図。 第１図のブレーキシステムは、タンデムマスターシリンダ２を有するブレーキ 圧力発生器１を含む。各車輪のブレーキは、２つの分離されたブレーキ流体回路 Ｉ，IIによって、マスターシリンダ２と接続されている。実施例に示すブレーキ システムは、ダイアゴナルブレーキ回路を有する。ブレーキ回路Ｉは、左前輪Ｖ Ｌと右後輪ＨＲに導かれ、また、ブレーキ回路IIは、他の２つの車輪ＶＲとＨＬ に導かれている。この発明は、他の形式のブレーキ回路にも適用できる。 第１の電気的に動作可能な入力バルブ３〜６は、非動作位置が開放であって、 マスターシリンダ２から各車輪ＶＬ，ＨＲ，ＶＲ，ＨＬのそれぞれのブレーキに 延びている圧力流体通路のそれぞれに挿入されている。出力バルブ８〜１１は、 非動作位置が閉止であって、同様に電気的に動作可能で、各車輪のブレーキから ポンプ装置７に接続されるリターン通路に挿入されている。入力バルブ３〜６と 出力バルブ８〜１１は、２経路／２位置方向制御バルブであって、動作時には、 第２の位置に切り替わる。第２の位置において、入力バルブは、流路を閉止し、 出力バルブは、ポンプシステム７のポンプの吸い込み側７ａおよび７ｂに向けて それぞれのブレーキからの圧力流体の排出を可能とする。 後輪ブレーキに関連するバルブ４および９ならびに６および１１は、ブレーキ 力の分配のための電気的制御が可能である。一方、入力バルブ３〜６および出力 バルブ８〜１１の全ては、アンチロック制御のために利用される。 各車輪ＶＬ，ＨＲ，ＶＲ，ＨＬは、それぞれ、ホイールセンサＳ１〜Ｓ４を有 する。各センサの出力信号は、ブレーキ力分配のための制御とアンチロック制御 のための電気回路を含む制御装置１２により評価される。制御装置１２は、また 、ブレーキシステムのモニタおよびスイッチングの制御（異なる制御パターンま たは個々の非動作の応答における制御の一部または全部の非接続）のための回路 も有する。モニタ回路は、制御装置１２の点線で示す部分１３に設けられている 。 第２図の回路は、各センサＳ１〜Ｓ４で生成された信号を条件付ける信号条件 付け回路１４を有している。センサＳ１，Ｓ３は、前軸ＶＡの各ホイールに組み 込まれ、センサＳ２，Ｓ４は、後軸ＨＡの各ホイールに組み込まれている。 条件付けされた各センサの信号は、それぞれの入力信号を評価する１あるいは 複数のマイクロコンピュータもしくはマイクロコントローラを含むコントローラ １５により処理される。車両の速度の近似信号すなわち車両基準速度Ｖｒｅｆは 、個々の車輪の条件付された速度信号を示す信号Ｖ１〜Ｖ４から分離され、コン トローラ１５に供給される。車両基準速度Ｖｒｅｆは、スイッチングユニット１ ６による個々の車輪の速度信号Ｖ１〜Ｖ４の評価ならびに周知のロジックから生 成される。 ブレーキの圧力制御のための信号すなわちバルブ３〜６および８〜１１または ポンプ７等の動作は、所定のアルゴリズムに従ってコントローラ１５により発生 される。ブレーキ力の分配の電気的制御（ＥＢＶ）及びアンチロック及びまたは トラクションスリップコントロール（ＡＢＳ and/or ＴＣＳ）は、上述した信号 により達成される。 スイッチングユニット１７は、バルブ駆動回路と呼ばれ、コントローラ１５の 出力信号をバルブ制御信号に変換する。ユニット１８としてまとめて示した流体 バルブのそれぞれは、バルブ駆動回路１７の出力に接続された前軸ＶＡの個々の ブレーキのブレーキ圧の制御に利用される。参照符号１９は、後軸ＨＡの全ての バルブを示している。第１図の実施例における３と８及び５と１０の入力／出力 バルブの組みは、前軸（１８）に組み立てられ、バルブの組み４と９及び６と１ １は、後軸（１９）に組み立てられる。 第２図の符号２０は、第１図におけるモニタ部分１３に対応するモニタ回路を 示している。センサＳ１〜Ｓ４で生成された条件付けされた速度信号Ｖ１〜Ｖ４ は、モニタ部分に導かれる。電圧監視手段２１は、車両のバッテリーの電圧ＵＢ が、リミットに達したか、または、それ以上かをモニタして、モニタ回路２０へ 導く。 バルブの切り替え条件は、モニタ回路２０により指示される。指示は、センサ が非動作または故障を示した時、摩擦の状態、及び、エネルギー供給部の状態と 制御条件または運転条件等に対して、コントローラ１５から供給されるデータと 速度信号のロジカルな組み合わせまたはそれぞれと切り替え条件が、モニタ回路 ２０により比較されて生成される。 第２図に点線で示されている信号線２２は、モニタ回路２０へバルブ駆動回路 １７から導かれている。この発明の実施例としては、例えば、バルブ駆動信号と 比較されて故障または非動作と特定されたデータがモニタ回路２０へ導かれる。 故障または非動作が検知されたとき、モニタ回路２０は、ブレーキ力の分配の 電気的な制御、及びまたは、バルブ駆動回路１７と関連し、または独立にＡＢＳ ／ＴＣＳ制御を、既に説明した方法によって、中継する。信号線２３，２４は、 この目的のために用意されている。この配列において警告ランプ２６に導かれて いる別の信号線２５は、エラー状態を光学的または音響的に指示するために利用 される。 また、故障または非動作を検知した後、例えば、バルブ１８，１９を直接動作 させるような別の形態の制御のシーケンスを提供することもできる。 第２図を用いて説明した切り替え機能は、データを評価し処理するとともに、 ブレーキ力の分配の電気的な制御およびＡＢＳ／ＴＣＳ制御を実行するマイクロ コンピュータの対応するプログラムによって実現される。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 コルベ、 アレクサンダー ドイツ連邦共和国、 64846 グロス − ツィマーン、アム・ゲンゼプーファト 24 (72)発明者 シュミット、 ローベルト ドイツ連邦共和国、 56477 レンネロー ト、バーンホーフシュトラーセ 14 (72)発明者 プレーガー、 トーマス ドイツ連邦共和国、 63322 レーダーマ ルク、ゲシュビスター − ショル − シュトラーセ 25

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．ホイールブレーキに導かれた圧力流体通路および帰還通路において圧力減少 周期に圧力流体を放出する電気的に制御可能な流体バルブ、 個々の車輪の回転状態を検知するホイールセンサとセンサ信号を評価して車両 基準速度を決定し、ブレーキ圧力制御信号またはバルブ制御信号を発生する電気 回路、 ブレーキ装置および一部のあるいは全体の非接続若しくは損傷または非動作に 応じた制御の変化及びまたは制御状態または運転状態をモニタする回路、 を含み、 前および後車軸のホイールブレーキの制動力の電気的な分配制御（ＥＢＶ）お よび電気的アンチロック及びまたはトラクションコントロールシステム（ＡＢＳ and/or ＴＣＳ）を伴うブレーキ装置のための回路において、 センサ（Ｓ１ないしＳ４）の損傷または不適合なセンサ信号の呈示において、 全てのセンサに基づいて車両基準速度Ｖｒｅｆを生成し、ＡＢＳあるいはＴＣＳ 機能を抑止し、 損傷したセンサが後輪センサ（Ｓ２またはＳ４）である場合、両後輪（ＨＲ， ＨＬ）を同期させて制御し、 電源電圧が低下したとき、電源電圧（ＵＢ）が制限値を下回るまで、所定値、 第２、下限量で維持しながら制動力の電気的な分配制御の機能を持続し、ＡＢＳ またはＴＣＳ機能を抑止する ことを特徴とする制動力の電気的な分配制御を伴うブレーキ装置のための回路。 ２．ホイールブレーキに導かれた圧力流体通路および帰還通路において圧力減少 周期に圧力流体を放出する電気的に制御可能な流体バルブ、個々の車輪の回転状 態を検知するホイールセンサとセンサ信号を評価して車両基準速度を決定しブレ ーキ圧力制御信号またはバルブ制御信号を発生する電気回路、ブレーキ装置及び 一部のあるいは全体の非接続若しくは損傷または非動作に応じた制御の変化及び または制御状態または運転状態をモニタする回路を含み、制動力の電気的な分配 制御ならびにＡＢＳ及びまたはＴＣＳを伴うブレーキ装置のための回路において 、 ２つの前輪センサ（Ｓ１，Ｓ３）のいづれか１つ及び２つの後輪センサ（Ｓ２ ，Ｓ４）のいづれか１つの不適合なセンサ信号の呈示において、全てのセンサを 基に車両基準速度Ｖｒｅｆを生成し、ブレーキ力の分配の電気的な制御を維持し 、ＡＢＳまたはＴＣＳ機能を制限または抑止し、 損傷したセンサが後輪センサ（Ｓ２またはＳ４）である場合、両後輪（ＨＲ， ＨＬ）を同期させて制御し、 電源電圧が低下したとき、電源電圧（ＵＢ）が制限値を下回るまで、所定値、 第２、下限量で維持しながら制動力の電気的な分配制御の機能を持続し、ＡＢＳ またはＴＣＳ機能を抑止する ことを特徴とする制動力の電気的な分配制御を伴うブレーキ装置のための回路。 ３．前記回路は、補助的な圧力を提供するための、または圧力流体を帰還させる ためのポンプ（７）を含み、ポンプ（７）の損傷または非動作時に、 ブレーキ力の分配の電気的な制御を維持し、ＡＢＳあるいはＴＣＳ機能を制限 または抑止することを特徴とする請求項１または２に請求した回路。 ４．前輪の流体バルブ（３と８，５と１０）の１あるいは複数の動作を阻止する 損傷が生じた場合、ブレーキ力の分配の電気的な制御を維持し、ＡＢＳあるいは ＴＣＳ機能を制限または抑止することを特徴とする請求項１ないし３のいづれか に請求した回路。 ５．後輪の入力バルブ（４または６）の動作を阻止する損傷が生じた場合には、 ブレーキ力の分配の電気的な制御を維持し、ＡＢＳあるいはＴＣＳ機能を抑止す ることを特徴とする請求項１ないし４のいづれかに請求した回路。 ６．後輪の出力バルブ（９または１１）の動作を阻止する損傷が生じた場合は、 ブレーキ力の分配の電気的な制御を維持し、損傷を受けたバルブ（９または１１ のそれぞれ）を含む各車輪（ＨＲ，ＨＬ）の入力バルブを閉止に切り替えること を特徴とする請求項１ないし５のいづれかに請求した回路。 ７．前輪のセンサ（Ｓ１，Ｓ３）の損傷または非動作において、ＡＢＳあるいは ＴＣＳモードで、前輪のブレーキ圧力の制御を抑止することを特徴とする請求項 １ないし６のいづれかに請求した回路。 ８．ＡＢＳ／ＴＣＳ機能のみ制限あるいは抑止する損傷が生じた場合、または、 制動力の電気的な分配制御機能を抑止する損傷が生じた場合、独立した警告信号 示すことを特徴とする請求項１ないし７のいづれかに請求した回路。 ９．第１の警告ランプは、ＡＢＳ／ＴＣＳ機能のみ制限あるいは抑止する損傷が 生じた場合のみ点灯し、第２の警告ランプは、全体の制御システム（ＥＢＶ及び ＡＢＳ／ＴＣＳ）の非接続にさらに点灯されることを特徴とする請求項８に請求 した回路。