JPH10501006A

JPH10501006A - 織物に使用するインキ組成物

Info

Publication number: JPH10501006A
Application number: JP7527432A
Authority: JP
Inventors: カールソンザーロブスキー，ピーター; アレンレント，ブルース
Original assignee: ビデオジェットシステムズインターナショナル，インコーポレイテッド
Priority date: 1994-04-25
Filing date: 1995-04-07
Publication date: 1998-01-27
Also published as: CA2187914A1; AU2144995A; EP0778907B1; WO1995029286A1; EP0778907A1; ATE171489T1; US5510415A; DE69505002D1; DE69505002T2

Abstract

(57)【要約】アクリル樹脂で分散した顔料、シリコーン樹脂、および少なくとも１種の非水系溶剤からなる、織物を対象とするインキ組成物。このインキ組成物から形成した印刷像は、次の着色の影響を受けず、従って濃い色の染料で着色した後でも、読み取ることが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】織物に使用するインキ組成物本発明は、インキジェット印刷に関する。特に、本発明は、織物を対象とするインキジェット印刷に、さらに、織物の印刷に使用した場合に、着色が生じない新規なインキジェット用インキ組成物に関する。メッセージのローラー印刷、スクリーン印刷、転写印刷や縫合などのマークを付ける方法は、織布、不織布や羊毛製の混紡布などの織物にマークを付けるために古くから使用されている。ところが、このような従来からある方法はコストが高く、また処理速度も遅い。というのは、織布を製造する工程及び／又は付随工程を特別に用意する必要があるからである。従って、このような方法は経済的ではない。経済性がより高く、また応用範囲の広い方法として、インキジェット印刷の使用が提案されている。インキジェット印刷は“インライン”方式で実施できるため、生産工程の速度が遅くなることはない。インキジェット印刷は、印刷装置と、印刷された文字を印字する基材とを接触させることなく印刷を実施する、よく知られた方法である。手短に説明すると、インキジェット印刷では、インキ滴の流れを対象表面に向けて噴射し、インキ滴の噴射を電子制御して、上記表面に所望の印刷像を形成する。この非接触印刷方法は、例えば、清涼飲料水容器の湾曲底面を始めとする、形状が不規則な表面に文字を印字するのに特に好適である。一般的にいえば、インキジェット組成物は、インキジェット印刷に必要なあるいくつかの厳密な条件を満足する必要がある。これらは、成分の粘度、抵抗性、可溶性や相溶性、および基材の濡れ性に関係がある。さらに、インキは速乾性かつ耐汚染性であることが要求される上に、インキジェットノズルの詰まりを惹起せずにこれを通過できる必要があり、また最小の労力で装置成分を迅速に掃除できる必要がある。とはいっても、インキジェット印刷にもいくつかの欠点がある。布への滲みのために、印字品質が劣化することである。インキジェットプリンターの場合、粘度の高いインキを使用できないのがひとつの理由である。もうひとつの理由は、通常、布は紙よりも組織が不規則なため、細かい意匠や微妙な意匠のパターンを印字するのが難しいことである。さらに、インキの流れが不安定である上に、微小ノズルにおけるインキの通過速度が高く、また通過頻度も高いため、インキの物性にもよるが、高い使用頻度に対する応答性が劣化する傾向がある。加えて、従来からのインキジェット組成物を使用して得たプリントは、染料定着率が遅い上に、洗浄速度も最低である。これら問題を解決するために、いくつかのインキジェット組成物、およびこれらを使用する方法が提案されている。ＵＳＰ４，７０２，７４２には、予めインキ受容体によって処理しておいた布にインキを含有する水系染料を染着する方法が記載されている。インキの染料定着処理を随時行なうことが記載されている。また、ＵＳＰ４，７２５，８４９には、粘度が１，０００センチポアズのインキ受容体で予め処理しておいた布に水系染料含有インキを染着することからなるインキジェット印刷方法が記載されている。インキ受容体については、水溶性樹脂含有溶液や親水性樹脂含有溶液が使用できると記載されている。ＵＳＰ４，８４９，７７０には、反応性染料、または反応性分散染料、水を主成分とする溶剤、および染料とは反応しない溶剤からなるインキジェット組成物に関する発明が開示されている。また、この組成物をインキジェット印刷により織物に印着してから、染料定着処理を行なうことが記載されている。ＵＳＰ４，９６９，９５１には、反応性分散染料、および水単独からなる溶剤、あるいは水と有機溶剤とかなる溶剤からなるインキジェット組成物が開示されている。また、この組成物をインキジェット印刷により織物に印着してから、染料定着処理を行なうことが記載されている。特開昭６２−２２５５７７号公報には、顔料、水溶性または水系の分散性ポリエステルまたはポリアミド、架橋剤、および水からなる織物印刷用インキジェット組成物に関する発明が開示されている。特開昭６１−２１３２７３号公報には、水不溶性顔料、および芳香族環のスルホネート基または硫酸エステル基に対する比が３：１の分散剤からなる、ポリエステル繊維に使用するインキジェット組成物が記載されている。特開昭６２−２３１７８７号公報には、顔料、および水溶性か分散性のポリエステルまたはポリアミドからなるインキジェット組成物を使用する織物印刷方法に関する発明が開示されている。まず、被印刷織物を金属塩またはカチオン系化合物で処理してから、インキを印着し、インキ内部に、または織物上のいずれかに存在する架橋剤によって架橋することが記載されている。特開平２−１８９３７３号公報には、径が０．０３〜１．０ミクロンの粒子を有する水不溶性顔料、および分散媒体からなり、溶液濃度が１．０１０〜１．３００の織物印刷用インキジェット組成物が記載されている。上記インキ組成物、およびこれらを使用する方法にも、いくつかの欠点がある。第１に、一部のものでは、インキを印着する前に、予め織物を処理して、インキの広がりや滲みを防止する必要がある。残りのものの場合は、インキの印着後に化学的な定着処理が必要である。さらに、いずれの場合も、白色織物か、または淡い色かパステル色で着色した白色織物を対象とする濃い色のインキに関している。これらインキは、インキ印着後に、織物をネービーブルー、えび茶色か黒色などの濃い色で着色した場合には、視認できないインキである。このように、現在のところ、インキで印字したメッセージが、濃い色の染料で織物を着色した後でも視認できるように、濃い色の染料に影響されない、織物を対象とするインキジェット印刷用の白色またはパステル色のインキ組成物は存在しない。このようなインキについては、産業上需要がある。現在、織布は着色後、ブランド名、サイズ、または色情報別にコード化されている。この別な工程− 現在は縫合や接触印刷によって実施されている−は、生産速度を遅くするので、効率が悪い。製品のコード化が次工程である着色工程で実施する場合、このような情報を付与するメリットが失われてしまう。これは、織布、特に靴下用の織布を濃い色の染料で着色する場合、大きな問題になる。本発明は、顔料、アクリル樹脂、ビニル樹脂、変性ロジンエステル及びエチルセルロースからなる群から選択される樹脂、シリコーン樹脂、および非水系溶剤からなる、織物を対象とするインキ組成物を提供するものである。本発明によれば、未着色織物を対象とするインキジェット印刷用として従来から存在するインキ組成物の問題を解決できる上に、これらがもつ利点以上の利点を実現できる。すなわち、本発明は、アクリル樹脂で分散した顔料、シリコーン樹脂、および顔料分散体及びシリコーン樹脂を溶解及び／又は分散した少なくとも一種の非水系溶剤からなるインキジェット組成物を提供するものである。本発明によれば、各種の織物にすぐれた密着性を示すとともに、インキの印着後に織物を着色した場合に着色の影響を受けない印刷像を形成する、織物を対象とするインキジェット組成物を提供できる。また、あるいは好ましくは、本発明のインキ組成物には、上記の３種の成分のほかに、分散剤、可塑剤、および電解質を配合することができる。以下、好ましい実施態様を詳しく説明する。顔料本発明で使用する顔料は、これを印着する基材に対して、あるいはインキジェット印刷後に印着すべき色とコントラストをなす色をもつ必要がある。また、顔料の最大粒径は、直径で約１ミクロン未満である必要がある。本発明のインキに使用するのに好適な顔料は二酸化チタンである。インキジェット用インキに配合するのに好適な顔料粒子を得るために、顔料粒子を分離し、これらが静電的な相互作用によって凝集するのを防止する非反応性バインダー樹脂とともに粉砕する。顔料“チップ”と呼ぶ、得られた固体／固体分散体は、顔料をインキに配合する用意ができるまで、顔料粒径を維持するものである。上記チップにおける顔料のバインダー樹脂に対する比は通常約１：１〜９：１であり、顔料のバインダー樹脂に対する好ましい比は重量比で約７０％：３０％である。本発明インキに有用なバインダー樹脂はアクリル樹脂、ビニル、変性ロジンエステル、またはエチルセルロースである。また、有用な顔料は有機顔料、珪酸アルミニウム、または二酸化チタンである。本発明インキにおける好適なチップは二酸化チタン顔料、およびアクリルバインダー樹脂を含むものである。このチップとして入手可能なのは、ＰｅｎｎＣｏｌｏｒ社のＡｃｒｏｖｅｒｓｅ９１Ｗ１３５Ｃ（商品名）である。このＡｃｒｏｖｅｒｓｅ９１Ｗ１３５Ｃにおけるアクリル樹脂は、Ｓ．Ｃ．ＪｏｈｎｓｏｎＷａｘ社のＪｏｎｃｒｙｌ６７８（商品名）である。本発明のインキ組成物を調製するさいには、チップバインダー樹脂を溶剤によって溶解する。顔料の凝集を分散剤によって抑えるのが好ましい。この分散剤が顔料粒子に化学的に結合して、各粒子の周囲に立体的な防壁を形成し、インキの固体／液体分散体を安定化するものと考えられる。溶解したバインダー樹脂は、添加配合した他の樹脂それぞれとともに、溶液の比重量を高くし、従って粒子の沈降を抑えることによって、固体／液体分散体を維持するのに役立つ。顔料の量は、インキ組成物の約３重量％〜約２０重量％である。好ましい顔料の量は、インキ組成物の約１２重量％〜約１５重量％である。シリコーン樹脂シリコーン樹脂は顔料を基材に結合し、顔料を分散し、インキから得た印刷像が着色の影響を受けないようにするものである。シリコーン樹脂はインキ組成物に溶解する。好ましいシリコーン樹脂はジフェニル、メチル、フェニル、フェニルメチルシリコーンで、具体的にはＤｏｗＣｏｒｎｉｎｇ社のＤＣ６−２２３０（商品名）である。シリコーン樹脂の量はインキ組成物の約３重量％〜約３０重量％であり、好適な量は約５重量％〜約１３重量％である。溶剤溶剤はインキ成分を溶解及び／又は懸濁して、インキ組成物を流動状態に維持し、インキがインキジェット印刷装置ヘッドを介して容易に流れるようにするものである。本発明のインキ組成物に有用な溶剤はアルコール、およびケトンで、これらは単独でも、あるいは混合物の形でも使用できる。特に有用なのは、イソプロパノール及びｎ−プロピルアセテートで変性したエタノールである。好適な変性エタノールを例示すれば、ＰｅｔｒｏＰｒｏｄｕｃｔｓ社のＤｕｐｌｉｃａｔｉｎｇＦｌｕｉｄ１００Ｃ．ＮＰＡである。溶剤系は非水系でなければならない。すなわち、含水量は約５％以下でなければならない。溶剤の量は、インキ組成物の約４０重量％〜約９５重量％であるが、好ましい量は約６０重量％〜約６５重量％である。上記以外の成分特にインキを連続インキジェット印刷に使用する場合には、インキ組成物に適当な導電性を確実に付与するために、本発明のインキ組成物には電解質を使用できる。電解質としては、通常はカリウムチオシアネート、または硝酸リチウムなどの無機塩を使用する。電解質の量は、通常は、インキ組成物の約３重量％以下である。好適な電解質量は、約１．５重量％以下である。さらに、本発明のインキ組成物には、顔料粒子の分散を強めるために、二酸化チタン粒子などの分散剤を配合できる。好適な分散剤は、米国、ＢＹＫＣｈｅｍｉｅ社のＢＹＫ−Ｐ−１０４Ｓ（高分子量不飽和ポリカルボン酸／ポリシロキサン共重合体溶液）、米国、ＢＹＫＣｈｅｍｉｅ社のＡｎｔｉ−Ｔｅｒｒａ− Ｕ、およびＨｅｎｋｅｌＣｏｒｐ．社のＮｏｐｃｏｓｐｅｒｓｅである。分散剤の量は、通常インキ組成物の約１．５重量％以下であるが、好ましい量は約０．５重量％以下である。さらに、インキの樹脂成分を軟化して、印着後インキが基材から“薄片剥離” するのを抑えるために、Ｍｏｎｓａｎｔｏ社のＳａｎｔｉｃｉｚｅｒ、すなわち８（Ｎ−エチル−ｏ，ｐ−トルエンスルフォンアミド）などの可塑剤も使用できる。可塑剤の量は、通常インキ組成物の約３重量％以下であるが、好ましい量は約１．５重量％以下である。本発明では、さらに、（ａ）他の成分の溶解性、（ｂ）インキの基材に対する密着性、（ｃ）印字品質、および（ｄ）表曲張力や粘度などの特性に関係する濡れ特性の制御を改善することができる任意の物質であればよい他の添加剤も使用できる。例えば、酸化防止剤及び／又は紫外線安定剤も混合した形で、あるいは単独で使用することができる。有用な酸化防止剤にはヒンダードフェノールがあり、例示すれば、ＢＨＴ、ＴＢＨＱ、およびＢＨＡであり、それぞれの商品名はＴｅｎｏｘ（ＥａｓｔｍａｎＣｈｅｍｉｃａｌＰｒｏｄｕｃｔｓ社）、Ｅｔｈａｎｏｘ（ＥｔｈｙｌＣｏｒｐ．社）、およびＩｒｇａｚｏｘ（Ｃｉｂａ−Ｇｅｉｇｙ社）である。紫外光や可視光の光安定剤としては、Ｔｉｎｕｖｉｎ７７０、７６５、および６２２などのヒンダードアミンや、ＴｉｎｕｖｉｎＰ３２６、３２７、および３２８などの置換ベンゾトリオールがあり、例示したものはいずれもＣｉｂａ−Ｇｅｉｇｙ社の製品である。また、いずれもＡｍｅｒｉｃａｎＣｙａｎａｍｉｄＣｏ．社の製品である置換ベンゾフェノンＣｙａｓｏｒｂＵＶ−５３１、ＵＶ−２４、およびＵＶ−９も使用可能である。全体的な考察本発明によるインキ組成物の粘度は、一般的には約２〜約８センチポアズであるが、好ましい粘度は約４．０〜約５．５センチポアズである。ある所定のインキ組成物の粘度は使用する特定成分に応じて調節できるが、このような調節は当業者には自明なはずである。本発明のインキ組成物を使用する場合、連続式かドロップオンデマンド式のインキジェットプリンターにインキを装入し、画像パターンに従ってインキ滴を織物などの基材に噴射すれば、印刷像を得ることができる。本発明のインキ組成物を使用するのに好適なプリンターとしては、市販のインキジェットプリンターを使用することができる。本発明により調製したジェットインキは次の特性を示す。（１）２５℃における粘度は約２〜約８センチポアズ（ｃｐｓ）である。（２）電気抵抗は約５０〜約２，０００ｏｈｍｓ−ｃｍ-1である。（３）音速は約１，２００〜約２，０００ｍ／ｓｅｃ．である。（４）表面張力は２８ダイン／ｃｍ未満である。（５）ｐＨ範囲は約３〜約９である。（６）比重は約０．８〜約１．１である。本発明のインキ組成物は、着色前の広い範囲にわたる白色織物に適用できるが、特に有用な用途は、着色前の白色ナイロン靴下に像を形成する用途である。本発明のインキ組成物を、着色前の白色織物に適用する場合、織物を標準的な着色処理した後でも、インキによって形成した像が視認できる。着色後、インキの色は白色かパステル色である。というのは、このインキは染料をはじくが、織物の残りの部分は染料を受容するからである。予め織物を水で処理し、及び／又は着色した織物を熱で後処理することによって、インキの着色織物に対する色コントラストを強調できる。以下の実施例によって、本発明をさらに説明する。実施例１成分重量％ Duplicating Fluid 100C.NPA 63.7 BYK-P-104S分散剤 0.3 DC6-2230シリコーン樹脂 13.0 Acroverse 91W135Cチップ 20.0 Santicizer 8 1.5 カリウムチオシアネート 1.5 100.0 上記成分からなるインキを次のようにして調製した。使用したＤｕｐｌｉｃａｔｉｎｇＦｌｕｉｄ１００Ｃ．ＮＰＡ全体の約１／４にシリコーン樹脂を加えた。次に、ＢＹＫ−Ｐ−１０４Ｓ分散剤を加えてから、Ａｃｒｏｖｅｒｓｅ９１Ｗ１３５Ｃチップを加え、最後にＳａｎｔｉｃｉｚｅｒ８を加えた。各添加後、加えた成分が溶解または分散するまで、溶液を混合した。Ｓａｎｔｉｃｉｚｅｒ８の添加後、分散ブレードを使用して、６０分間溶液を高速混合した。ＤｕｐｌｉｃａｔｉｎｇＦｌｕｉｄ１００Ｃ．ＮＰＡの残りを加えてから、カリウムチオシアネートを加えた。同様に、添加するたびにインキを混合した。カリウムチオシアネートの添加後、インキを濾過し、壜に容れた。上記の方法で調製したインキは、粘度が５．３センチポアズ、抵抗が７２０ｏｈｍｓ−ｃｍ、比重が０．９９、ｐＨが４．４、そして表面張力が２３．４ダイン／ｃｍであった。このインキを使用して、未着色の白色ナイロン靴下にメッセージを印字し、靴下を次に黒で着色した。得られたメッセージは白色で、すぐれた色コントラストと安定性を示した。実施例２比較として、シリコーン樹脂を含まないインキを調製し、試験した。次に、組成を示す。成分重量 50%BKS-7570(MEK) 30.0 （溶液分散フェノール樹脂） BYK-P-104S 0.3 Acroverse 91W135Cチップ 22.0 Santicizer 8 1.0 SDA-35A 40.4 （5部のエチルアセテートで変性したエタノール100部） KSCN 1.3 10%Silwet L-7001(SDA-35A) 5.0 （溶液分散表面活性剤） 100.0 上記に示した順序で各成分を加えた以外は、実施例１と同様にしてインキを調製した。Ｓａｎｔｉｃｉｚｅｒ８の添加後、分散ブレードを使用して、６０分間高速でインキを混合した。この結果得られたインキは、粘度が４．５センチポアズ、抵抗が７５０ｏｈｍｓ−ｃｍ、比重が１．０、そしてｐＨが４．４であった。このインキを使用して、未着色白色靴下にメッセージを印字してから、靴下を黒色に着色した。得られたメッセージは、実施例１のインキによって印字したそれに比較した場合、色のコントラストおよび安定性の両者において劣化していた。

【手続補正書】特許法第１８４条の８【提出日】１９９６年２月５日【補正内容】補正の翻訳文本発明では、さらに、（ａ）他の成分の溶解性、（ｂ）インキの基材に対する密着性、（ｃ）印字品質、および（ｄ）表面張力や粘度などの特性に関係する濡れ特性の制御を改善することができる任意の物質であればよい他の添加剤も使用できる。例えば、酸化防止剤及び／又は紫外線安定剤も混合した形で、あるいは単独で使用することができる。有用な酸化防止剤にはヒンダードフェノールがあり、例示すれば、ＢＨＴ、ＴＢＨＱ、およびＢＨＡであり、それぞれの商品名はＴｅｎｏｘ（ＥａｓｔｍａｎＣｈｅｍｉｃａｌＰｒｏｄｕｃｔｓ社）、Ｅｔｈａｎｏｘ（ＥｔｈｙｌＣｏｒｐ．社）、およびＩｒｇａｚｏｘ（Ｃｉｂａ−Ｇｅｉｇｙ社）である。紫外光や可視光の光安定剤としては、Ｔｉｎｕｖｉｎ７７０、７６５、および６２２などのヒンダードアミンや、ＴｉｎｕｖｉｎＰ３２６、３２７、および３２８などの置換ベンゾトリオールがあり、例示したものはいずれもＣｉｂａ−Ｇｅｉｇｙ社の製品である。また、いずれもＡｍｅｒｉｃａｎＣｙａｎａｍｉｄＣｏ．社の製品である置換ベンゾフェノンＣｙａｓｏｒｂＵＶ−５３１、ＵＶ−２４、およびＵＶ−９も使用可能である。全体的な考察本発明によるインキ組成物の粘度は、一般的には０．００２〜０．００８Ｐａｓ（約２〜約８センチポアズ）であるが、好ましい粘度は０．００４〜０．００５５Ｐａｓ（約４．０〜約５．５センチポアズ）である。ある所定のインキ組成物の粘度は使用する特定成分に応じて調節できるが、このような調節は当業者には自明なはずである。本発明のインキ組成物を使用する場合、連続式かドロップオンデマンド式のインキジェットプリンターにインキを装入し、画像パターンに従ってインキ滴を織物などの基材に噴射すれば、印刷像を得ることができる。本発明のインキ組成物を使用するのに好適なプリンターとしては、市販のインキジェットプリンターを使用することができる。本発明により調製したジェットインキは次の特性を示す。（１）２５℃における粘度は０．００２〜０．００８Ｐａｓ（約２〜約８センチポアズ（ｃｐｓ））である。（２）電気抵抗は約５０〜約２，０００ｏｈｍｓ−ｃｍ^-1である。（３）音速は約１，２００〜約２，０００ｍ／ｓｅｃ．である。（４）表面張力は２８ダイン／ｃｍ未満である。（５）ｐＨ範囲は約３〜約９である。（６）比重は約０．８〜約１．１である。本発明のインキ組成物は、着色前の広い範囲にわたる白色織物に適用できるが、特に有用な用途は、着色前の白色ナイロン靴下に像を形成する用途である。本発明のインキ組成物を、着色前の白色織物に適用する場合、織物を標準的な着色処理した後でも、インキによって形成した像が視認できる。着色後、インキの色は白色かパステル色である。というのは、このインキは染料をはじくが、織物の残りの部分は染料を受容するからである。予め織物を水で処理し、及び／又は着色した織物を熱で後処理することによって、インキの着色織物に対する色コントラストを強調できる。以下の実施例によって、本発明をさらに説明する。実施例１成分重量％ Duplicating Fluid 100C.NPA 63.7 BYK-P-104S分散剤 0.3 DC6-2230シリコーン樹脂 13.0 Acroverse 91W135Cチップ 20.0 Santicizer 8 1.5 カリウムチオシアネート 1.5 100.0 上記成分からなるインキを次のようにして調製した。使用したＤｕｐｌｉｃａｔｉｎｇＦｌｕｉｄ１００Ｃ．ＮＰＡ全体の約１／４にシリコーン樹脂を加えた。次に、ＢＹＫ−Ｐ−１０４Ｓ分散剤を加えてから、Ａｃｒｏｖｅｒｓｅ９１Ｗ１３５Ｃチップを加え、最後にＳａｎｔｉｃｉｚｅｒ８を加えた。各添加後、加えた成分が溶解または分散するまで、溶液を混合した。Ｓａｎｔｉｃｉｚｅｒ８の添加後、分散ブレードを使用して、６０分間溶液を高速混合した。ＤｕｐｌｉｃａｔｉｎｇＦｌｕｉｄ１００Ｃ．ＮＰＡの残りを加えてから、カリウムチオシアネートを加えた。同様に、添加するたびにインキを混合した。カリウムチオシアネートの添加後、インキを濾過し、壜に容れた。上記の方法で調製したインキは、粘度が０．００５３Ｐａｓ（５．３センチポアズ）、抵抗が７２０ｏｈｍｓ−ｃｍ、比重が０．９９、ｐＨが４．４、そして表面張力が２３．４ダイン／ｃｍであった。このインキを使用して、未着色の白色ナイロン靴下にメッセージを印字し、靴下を次に黒で着色した。得られたメッセージは白色で、すぐれた色コントラストと安定性を示した。実施例２比較として、シリコーン樹脂を含まないインキを調製し、試験した。次に、組成を示す。成分重量％ 50%BKS-7570(MEK) 30.0 （溶液分散フェノール樹脂） BYK-P-104S 0.3 Acroverse 91W135Cチップ 22.0 Santicizer 8 1.0 SDA-35A 40.4 （5部のエチルアセテートで変性したエタノール100部） KSCN 1.3 10%Silwet L-7001(SDA-35A) 5.0 （溶液分散表面活性剤） 100.0 上記に示した順序で各成分を加えた以外は、実施例１と同様にしてインキを調製した。Ｓａｎｔｉｃｉｚｅｒ８の添加後、分散ブレードを使用して、６０分間高速でインキを混合した。この結果得られたインキは、粘度が０．００４５Ｐａｓ（４．５センチポアズ）、抵抗が７５０ｏｈｍｓ−ｃｍ、比重が１．０、そしてｐＨが４．４であった。このインキを使用して、未着色白色靴下にメッセージを印字してから、靴下を黒色に着色した。得られたメッセージは、実施例１のインキによって印字したそれに比較した場合、色のコントラストおよび安定性の両者において劣化していた。請求の範囲１．少なくとも次の成分：（ａ）アクリル樹脂、ビニル樹脂、変性ロジンエステル及びエチルセルロースからなる群から選択される樹脂で分散した顔料、（ｂ）シリコーン樹脂、および（ｃ）少なくとも１種の非水系溶剤からインキ組成物を調製した、織物を対象とするインキ組成物。２．上記顔料が二酸化チタンである請求項１に記載のインキ組成物。３．上記二酸化チタンの量が、上記インキ組成物の約３重量％〜約２０重量％である請求項２に記載のインキ組成物。４．上記シリコーン樹脂がジフェニル、メチル、フェニル、フェニルメチルシリコーンである請求項１〜３のいずれか１項に記載のインキ組成物。５．上記溶剤がアルコール、およびケトンから選択される請求項１〜４のいずれか１項に記載のインキ組成物。６．上記アクリル樹脂がスチレンアクリル重合体である請求項１〜５のいずれか１項に記載のインキ組成物。７．さらに、分散剤からなる請求項１〜６のいずれか１項に記載のインキ組成物。８．さらに、電解質からなる請求項７に記載のインキ組成物。９．上記電解質がカリウムチオシアネートまたは無機塩である請求項８に記載のインキ組成物。１０．さらに、可塑剤からなる請求項７または８に記載のインキ組成物。１１．上記シリコーン樹脂の量が、上記インキ組成物の約３重量％〜約３０重量％である請求項１〜１０のいずれか１項に記載のインキ組成物。１２．上記アクリル樹脂の上記二酸化チタンに対する重量比が約３：７、上記二酸化チタンの量が上記インキ組成物の約３重量％〜約２０重量％、上記シリコーン樹脂の量が上記インキ組成物の約３重量％〜約３０重量％、上記分散剤の量が上記インキ組成物の約１．５重量％未満、上記電解質の量が上記インキ組成物の約３．０重量％未満、上記可塑剤の量が上記インキ組成物の約３．０重量％未満、そして上記非水系溶剤の量が上記インキ組成物の約４０重量％〜約９５重量％である請求項１０に記載のインキ組成物。１３．２５℃における粘度が０．００２〜０．００８Ｐａｓ（約２〜約８センチポアズ）、電気抵抗が約５０〜約２，０００ｏｈｍｓ−ｃｍ-1、そして音速が約１，３００〜約２，０００ｍ／ｓｅｃ．である請求項１〜１２のいずれか１項に記載のインキ組成物。１４．インキジェット印刷を使用して、未着色織物に印刷可視像を形成する方法であって、（ａ）請求項１〜１５のいずれか１項に記載のインキを上記織物に噴射し、そして（ｂ）上記織物を着色する、ことからなる方法。１５．インキジェット印刷を使用して、未着色織物に印刷可視像を形成する方法であって、上記織物を水で処理してから、上記インキを上記織物に噴射し、そして上記インキを上記織物に噴射してから、上記織物を加熱する、ことからなる請求項１４に記載の方法。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，ＵＧ)，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＨＵ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＺ，ＶＮ

Claims

【特許請求の範囲】１．顔料、アクリル樹脂、ビニル樹脂、変性ロジンエステル及びエチルセルロースからなる群から選択される樹脂、シリコーン樹脂、および非水系溶剤からなる、織物を対象とするインキ組成物。２．少なくとも次の成分：（ａ）アクリル樹脂、ビニル樹脂、変性ロジンエステル及びエチルセルロースからなる群から選択される樹脂で分散した顔料、（ｂ）シリコーン樹脂、および（ｃ）少なくとも１種の非水系溶剤からインキ組成物を調製した、織物を対象とするインキ組成物。３．アクリル樹脂、ビニル樹脂、変性ロジンエステル及びエチルセルロースからなる群から選択される樹脂に分散した顔料、シリコーン樹脂、および少なくとも１種の非水系溶剤からなる、織物を対象とするインキ組成物。４．上記顔料が二酸化チタンである請求項１〜３のいずれか１項に記載のインキ組成物。５．上記二酸化チタンの量が、上記インキ組成物の約３重量％〜約２０重量％である請求項４に記載のインキ組成物。６．上記シリコーン樹脂がジフェニル、メチル、フェニル、フェニルメチルシリコーンである請求項１〜５のいずれか１項に記載のインキ組成物。７．上記溶剤がアルコール、およびケトンから選択される請求項１〜６のいずれか１項に記載のインキ組成物。８．上記アクリル樹脂がスチレンアクリル重合体である請求項１〜７のいずれか１項に記載のインキ組成物。９．さらに、分散剤からなる請求項１〜８のいずれか１項に記載のインキ組成物。１０．さらに、電解質からなる請求項９に記載のインキ組成物。１１．上記電解質がカリウムチオシアネート、または無機塩である請求項１０に記載のインキ組成物。１２．さらに、可塑剤からなる請求項９または１０に記載のインキ組成物。１３．上記シリコーン樹脂の量が、上記インキ組成物の約３重量％〜約３０重量％である請求項１〜１２のいずれか１項に記載のインキ組成物。１４．上記アクリル樹脂の上記二酸化チタンに対する重量比が約３：７、上記二酸化チタンの量が上記インキ組成物の約３重量％〜約２０重量％、上記シリコーン樹脂の量が上記インキ組成物の約３重量％〜約３０重量％、上記分散剤の量が上記インキ組成物の約１．５重量％未満、上記電解質の量が上記インキ組成物の約３．０重量％未満、上記可塑剤の量が上記インキ組成物の約３．０重量％未満、そして上記非水系溶剤の量が上記インキ組成物の約４０重量％〜約９５重量％である請求項１２に記載のインキ組成物。１５．２５℃における粘度が約２〜約８センチポアズ、電気抵抗が約５０〜約２，０００ｏｈｍｓ−ｃｍ^-1、そして音速が約１，３００〜約２，０００ｍ／ｓｅｃ．である請求項１〜１４のいずれか１項に記載のインキ組成物。１６．インキジェット印刷を使用して、未着色織物に印刷可視像を形成する方法であって、（ａ）請求項１〜１５のいずれか１項に記載のインキを上記織物に噴射し、そして（ｂ）上記織物を着色する、ことからなる方法。１７．インキジェット印刷を使用して、未着色織物に印刷可視像を形成する方法であって、（ａ）上記織物を水で処理し、（ｂ）請求項１〜１５のいずれか１項に記載のインキを上記織物に噴射し、（ｃ）上記織物を加熱し、そして（ｄ）上記織物を着色する、ことからなる方法。１８．インキジェット印刷を使用して、未着色織物に印刷可視像を形成する方法であって、（ａ）請求項１〜１５のいずれか１項に記載のインキを上記織物に噴射し、そして（ｂ）上記織物を着色する、ことからなる方法。