JPS6385188A - インクジエツト染色方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は水溶性アニオン染料を用いて布帛類へインクジ
ェット染色する方法に関し、特にインクの安定性が良く
、濃色で高品位、高堅ろう度の図柄が得られるインクジ
ェット捺染方法に関する。

（従来の技術） 従来、繊維構造物に捺染する方法として、スクリーン捺
染法、ローラ捺染法、ロータリー捺染法、転写捺染法が
一般的に行われてきた。これらの捺染法はいずれも製版
工程が必要であり、生産までに多大な労力と期間を要す
る。そのためファッションが多様化している今日では多
品種少量生産の要求が著しいにもかかわらず、それに対
応し難いという問題点があった。

これを改善するため、最近、紙への記録、印刷分野で著
しい進展をみせているインクジェット記録法を布帛の捺
染に応用することが注目され始めている。すなわち、い
わゆるコンピュータ・グラフィックと言われろ画像をイ
ンクジェット記録装置によって直接布帛上に再現する方
法であり、無版、即応性など従来の捺染法にない長所を
有する。

紙の場合、通常インク中の染料としては、酸性染料、直
接染料などの水溶性アニオン染料が用いられている。し
たがってこの染料で染色できる絹、ウール、ナイロン、
綿などの１１ｍｍ素材の場合は紙用のインクがそのまま
繊維用に使用できろことになる。しかしながらインクジ
ェット法を繊維の染色に用いろ場合は種々の大きな問題
を有している。

すなわち （１）染色した場合濃色が得られない。

（２）堅ろう度が十分でない。

（３）にじみが大きい。

点などである。このうち（１１，（２）については、通
常のインクが、染料を水に溶解させたインクであるため
溶解度の点から染料の制約が大きいこと、紙にくらべ布
帛の場合一般に染料の付与量を多（する必要があり色濃
度が出にくい事が原因としてあげられる。染料の溶解度
を上げるため染料溶解剤を添加する事も行われているが
限界がある。

特開昭５８−１５２０６９．特開昭６１−３７８４９に
おいては、アニオン染料を水下ｍ性のカチオン樹脂と結
合させたインクや染料組成物が提案されている。これに
よれば水溶性のアニオン染料が、水に不溶な分散型のイ
ンクとなるため高濃度でも安定な液が得られやすい事、
染料の選択範囲が大きいという利点がある。しかしなが
らこれをインクジェット染色に適用した場合、発色浸水
不溶性のカチオン樹脂の除去性が悪いという問題がある
。

（発明が解決しようとする問題点） 本発明の目的は水溶性のアニオン染料を用いてインクジ
ェット染色するに当たり、インクの安定性が良好で、高
い色濃度、高品位の図柄が得られるインクジェット捺染
法を提供することにあり、とくに、水不溶性カチオン樹
脂を結合媒体として使用した場合の除去性を改善した方
法を提供することにある。

（問題点を解決するための手段） 本発明において上記目的は、水溶性アニオン染料を用い
て布帛類にインクジェット染色するに際し、水溶性アニ
オン染料を軟化点１２０℃以上の水不溶性カチオン樹脂
と結合せしめ微分散させたインクを用い、布帛類に水溶
性高分子を前処理したものを用いることを特徴とするイ
ンクジェット染色方法によって達成されろ。

以下本発明の詳細な説明する。

近年非接触の記録・印字を行うため３０〜５００μのノ
ズルから噴射するインクを制御することによる印字装置
が開発されているが、本発明でいうインクジェット法と
は、これを布帛の図柄を形成する染色に応用するものを
指す。インクジェット法として（よ、数多くの方法が考
案されている。これらの方法の主なものを、インク小滴
の発生方法で分類すると３種の方法があり、本発明にい
うインクジェット法は、これらを含めどの方法も包含す
るものである。第１の方法は、圧電素子の力だけでイン
ク小滴を必要に応じてオリフィスから噴出させろ圧力パ
ルス型（オンデマンド型）である。第２の方法は、加圧
したインクを細孔からジェット状に噴出させ、これに振
動を加えて小滴に分裂されろと同時に電荷を与えて、こ
れを制御する加圧振動型である。第３の方法は、前述の
第２の方法が加圧したインクを細孔から噴出させるのに
対して、インクを静電引力によりノズルから引き出す静
電加速型である。さらに゛最近、高速化をはかるために
、バブルジェットやスリットジェットの開発検討が進め
られており、これらも当然本発明にいうインクジェット
法に含まれろ。

本発明において用いる染料は水溶性アニオン染料である
。すなわち分子中にカルボン酸（塩）または、好ましく
はスルホン酸（塩）基を有する染料で、染料部属として
は酸性染料、直接染料、金属錯塩染料、反応染料があげ
られる。

布帛類の素材については特に限定されろものではなく前
記水溶性アニオン染料に染着性を有する素材として、絹
、ウール、ポリアミド、セルロース系繊維などがあげら
れ、これらの素材を含有する編織物、不織布があげられ
ろ。

つぎに本発明においては、水溶性アニオン染料をこれと
結合性を有する軟化点が１２０℃以上の水不溶性カチオ
ン性樹脂を用いて微分散インクを調製する。

本発明におけろアニオン染料と結合性を有するカチオン
基としては、第４級アンモニウム基あるいはアミノ基が
あげられる。カチオン樹脂の骨格構造としては特に限定
はないが軟化点が１２０℃以上である必要がある。軟化
点が１２０℃未満の場合、インクを布帛に付与後発色条
件下で軟化し繊維に固着し、ソーピング等での除去性が
悪く好ましくない。このための好ましい構造としては架
橋構造を有するものである。このようなカチオン性樹脂
としては陰イオン交換樹脂として市販されているものか
ら選定することができる。特に好ましい樹脂としては架
橋されたポリスチレン骨格を有するものである。

本発明において水溶性アニオン染料と上記水不溶性カチ
オン樹脂から微分散インクを得る方法としては例えば特
開昭６１−３７８４９に記載されてい方法を利用できる
が、代表的には、（１）　　アニオン染料とカチオン樹
脂との共存下で湿式粉砕させる方法、 （２）　　あらかじめ湿式粉砕されたカチオン樹脂にア
ニオン染料と結合させる方法 が好ましい。微分散インクがインクジェットインクとし
て良好な特性を示すためには、微細粒子に微粉砕されて
いる事および分散安定性が良好な事が必要である。微分
散粒子の大きさは５μ以下、特に３μ以下が好ましい。

一方分散安定性を良好とするためには、分散剤の選定お
よび水溶性塩類の除去が重要である。分散剤としては特
に限定されないが非イオン型の分散剤が好ましく、とく
にプルロニック型と叶ばれている、エチレンオキシド／
プロピレンオキシドのブロック共重合体、あるいは疎水
基として多環構造を有する非イオン活［ＩＬ例えばスチ
レン化フェノールのエチレンオキサイド付加物などが好
ましく用いられろ。

一方市販の水溶性アニオン染料は通常かなり多量の塩類
例えば、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウムを含んでいろ
。これから調製されたインクはこれらの塩の作用により
分散が破壊される場合がある。このため、必要に応じ、
あらかじめ脱塩精製した染料を使用するか、調製後、限
界口過膜、逆浸透膜等を利用して脱塩することができる
。

本発明において水溶性染料をカチオン担体に結合せしめ
微分散したインクは従来の溶解型のインクに（らべ高濃
度で安定なインクが得られろ　点や使用可能な染料の範
囲が拡大する利点があるが、一方インクジェットインク
としてみた場合、担体となる微粒子が存在するためいく
つかの欠点を有する。その一つとして例えばオンデマン
ド方式インクジェットの場合ノズル孔での乾燥による吐
出不良が発生しやすい事があげられる。従来この点を改
善するためグリセリンなどの高沸点水溶性溶剤が用いら
れている。本発明者らの検討によれば本発明に用いる染
料インクに好適な乾燥防止剤としては、沸点が１８０〜
２５０℃のグリコール類があげられろ。

具体的にはエチレングリコール、プロピレングリコール
、ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどがあげ
られる。

本発明におけろインクジェットインクはこのほか公知の
各種添加剤を配合することができる。すなわち、ｐＨ調
整剤、金属イオン封鎖剤、防腐剤、粘度調節剤などがあ
げられる。

本発明のインクジェットインクの代表的な組成としては
次のようなものである。

１、　水溶性アニオン染料　　　０．１〜１０％２、　
水不溶性カチオン樹脂　　０２〜２０％３、　グリコー
ルＭ　　　　　　　　３〜４０％インク物性としては粘
度は好ましくは１０ｃｐ以下とするのが吐出性の点でよ
い。

また本発明のインクは溶解型のインクにくらべ布帛に適
用した場合のにじみも小さくなるという特徴も有する。

つぎに本発明者らの検討によれば上記インクを使用して
布帛にインクジェット捺染を行った場合、次のような問
題があることがわかった。

（ｌｌ　　溶解インクにくらべてにじみは少ないがまだ
にじみ防止が十分でない事。

（２）　　ソーピング時のカチオン樹脂の除去性が十分
でない事。

（３）　　工程中の染料脱落による他への汚染。

本発明者らはこの点について検討した結果、布帛類をあ
らかじめ水溶性高分子で前処理しておくことにより前記
問題が解決できることを見出した。

具体的な水溶性高分子としては、デンプン、可溶性デン
プン、水溶性デンプン翼導体、カルボキシメチルセルロ
ース、とドロキレエチルセルロース、メチルセルロース
などの水溶性セルロース誘導体、アルギン酸ナトリウム
、アラビアゴム、ローカストビーンガム、グアーガムな
どのガム類、ゼラチン、にかわなどの水溶性タンパク、
ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポ
リエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリアク
リルアミド、ポリエチレンイミン、４級化水溶性カチオ
ンポリマなどの合成水溶性高分子類があげられる。

水溶性高分子の付与方法についても特に限定されないが
、パディング法、浸漬法、コーティング法、スプレー法
などがあげられる。本発明においてはこれらの水溶性高
分子のほか必要に応じて他の前処理剤を併用することが
できろ。水溶性高分子の付与量は布帛に対し０１〜２０
％となる範囲が好ましい。

インクジェット染色に際してにじみ防止の観点から布帛
類を水溶性高分子で前処理することは特開昭６１−５５
２７７などで公知であるが、本発明においては水不溶性
カチオン樹脂の除去性、洗浄性が水溶性高分子前処理に
より良好になるという顕効を示すのである。

次に実施例に基づいて本発明を説明する。

実施例　１ 市販の架橋ポリスチレン骨格を有し、カチオン基がトリ
メチルアンモニウム基の陰イオン交換樹脂粉末（［パウ
デックスＰＡＯｊ米国ニコダイン社製）１０部、分散剤
として「プルロニックＦ−１０８Ｊ　　（旭電化■製、
エチレンオキサイド／プロピレンオキサイドブロック共
重合型非イオン分散剤）５部、イオン交換水８５部を混
合してガラスピーズを媒体としてサンドグラインダで４
０時時間式粉砕した。得られた微分散液を５μフイルタ
ーで口過した。前記陰イオン交換樹脂は１２０℃以上の
軟化点を有しており１６０℃においても軟化粘着性を示
さないものである。

一方染料として酸性染料カラーインデックスアシッドレ
ッド１３８の精製品（エタノール抽出による精ｙＪ）を
用い下記組成′のインクを調製しｔこ。

インク組成（Ａ） （１）陰イオン交換樹脂１０％液　　　　５０部（２］
　　Ｃ，Ｉ　、Ａｃ１ｄ　　Ｒｅｄｌ　３８　　　　　
１．５部（３）　　１．４ブタンジオール　　　　　　
　３０部（４）　　イオン交換水　　　　　　　　　　
１８．５部一方布帛として、（イ）ナイロン１００％平
織物、（ロ）絹１ｏｏ％羽二ｆｆ１Ｈ１物を用いて、ア
ルギン酸ソーダ３％液でパッド−ドライ前処理を行った
織物を用いて下記条件でインクジェット捺染を行った。

インクジェット方式：オンデマンド ノズル径　　　　　＝　６０μ 解像度　　　　　　二　８ドツト／− 捺染布は１０５℃の蒸気中で１０分間発色させたのる非
イオン活性剤１ｇ／ｉ、ソーダ灰１ｇ／ｅの液で７０℃
にて１５分ソーピングしそのｔ＆渇洗乾燥した。結果を
第１表に示した。比較のため布帛の前処理を行わなかっ
た場合を示した。

本発明の前処理されｔコ布に対してはにじみ、色調、摩
擦堅ろう度いずれも良好であったが、前処理のない場合
は、堅ろう度、色調の点で本発明例にくらべ劣るもので
あった。

比較例 実施例１の樹脂に変えて軟化点約１００℃のスチレンー
ジエヂルアミノエチレンスチレン共重合体を使用して同
様にインクを調製した（インクＢ）、さらに樹脂を使用
しない通常の溶解インクを調製した（インクＣ）。これ
らのインクを用い実施例１と同様に絹、ナイロンに対し
てインクジェット捺染を行った。結果を第１表に示した
。

これらの比較例はにじみ、色調、摩擦堅ろう度いずれか
の項目で本発明例にくらべ劣るものであった。

第１表 実施例　２ 染料としてカラーインデックスアシッドイエロー　１２
７　ｔｉｔ製品を用い実施例１のイオン交換分散液を用
いて下記組成のインクを調製した。

（１）陰イオン交換樹脂１０％液　　　　６０部（２）
　　Ｃ，１、Ａｃ１ｄ　　Ｙｅｌｌｏｗｌ　２７　　　
　２．５部（３１１，３ブタンジオール　　　　　　　
３０部（４）　　イオン交換水　　　　　　　　　　７
５部得られたインクはオンデマンド型インクジェットノ
ズルでの吐出性は良好であった。布帛としてナイロン編
地をポリビニルアルコール７％液でパッド−ドライ法に
て前処理したものにプリント常法で発色−ソーピングし
た布帛は良好なにじみ防止性、色濃度を有していた。一
方イオン交換樹脂を使用せず通常の溶解染料インクを調
製したところ残存未溶解物が発生し上記濃度のインクは
得られなかった。

（発明の効果） 水溶性アニオン染料を用いて布帛類にインクジェット染
色する場合、零光明方法を用いることにより、堅ろう度
良好な旗色が得られ、色の鮮明性、図柄のシャープさに
おいてもすぐれた高品位の捺染物が得られる。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 水溶性アニオン染料を用いて布帛にインクジェット染色
   するに際し、インクとして水溶性アニオン染料を軟化点
   １２０℃以上の水不溶性カチオン樹脂と結合せしめ微分
   散させたインクを用い、布帛として水溶性高分子で前処
   理した布帛を用いることを特徴とするインクジェット染
   色方法。