JPH0633583B2 - 捺染方法 - Google Patents

捺染方法

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JPH0633583B2
JPH0633583B2 JP60192107A JP19210785A JPH0633583B2 JP H0633583 B2 JPH0633583 B2 JP H0633583B2 JP 60192107 A JP60192107 A JP 60192107A JP 19210785 A JP19210785 A JP 19210785A JP H0633583 B2 JPH0633583 B2 JP H0633583B2
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ink
dye
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direct
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祥司 小池
和夫 岩田
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、インクジェット記録方法による捺染方法に関
し、特に、ポリエステルやアセテート等の如き合成繊維
と、木綿、麻、ビスコース等のセルロース系繊維とから
なる混紡織布あるいは混紡不織布等の布帛類に捺染に適
したインクジェット記録方法による捺染方法に関する。
(従来の技術) 従来、ポリエステルやアセテート等の合成繊維と木綿、
麻、ビスコース等のセルロース系繊維との混紡織布等の
捺染には、分散染料と反応性染料(またはスレン系染
料)との配合染料を用いるローラー捺染、スクリーン捺
染、転写捺染等の捺染方法が主流となっている。
(発明が解決しようとしている問題点) しかしながら、従来の一般的な捺染方法は、捺染用のプ
リント版を作成する必要があり、これらの版、例えば捺
染用版胴やスクリーン版の作成が高価であり、また転写
捺染においても転写紙を印刷するための版の作成が高価
であるため、かなりの量を生産しない限り、コストが合
わない。また、一般にプリント布の模様の流行期間が短
いため、その都度製版するのは更にコストアップとな
り、それらの流行に迅速に対応できず、大量の在庫をか
かえることがあるという重大な問題がある。
これらの欠点を解決すべくインクジェット方式による捺
染も提案されたが、このインクジェット方式による捺染
では、分散染料を分散させたインク中の分散染料が凝
集、沈降、分離等を生じて、装置のノズルやオリフィス
を目詰まりさせるという問題があり、また配合染料の場
合には、上記の問題に加えて、配合した分散染料と反応
性染料とがインク中で均一に混合せず、特にノズルから
吐出するインク中では両者が常に一定の配合比とならな
いため、プリント後の染着処理において、部分的に濃淡
の差が生じ、均一な染色物が得られないという問題が発
生し、実用化が必ずしも容易ではなかった。
更に、反応性染料を用いた場合、インクのpHにより極め
て鋭敏に染料の染着率が変化するという問題点があり、
染着処理工程においてもアルカリ処理の工程を加えねば
ならないというコスト面での問題点も残った。
従って、本発明の目的は、上述の如き従来の一般的な捺
染方法における経済的な問題とインクジェット記録によ
る捺染方法における種々のトラブルの問題および精確
で、且つ安定したプリントの問題を同時に解決し得るイ
ンクジェット記録方法による捺染方法を提供することで
ある。
このような本発明の目的および他の目的は以下の本発明
によって達成される。
(発明の開示) すなわち、本発明は、インクジェット方式によって染料
を含むインクを布帛類に付与し、次いで染着処理をした
後、洗浄処理する捺染方法において、前記染料が分散染
料と直接染料との混合物であり、その混合比が重量比で
10/1〜1〜/3の範囲にあることを特徴とする捺染
方法である。
本発明を更に詳細に説明すると、本発明を第1に特徴づ
ける構成は、織布、特に各種混紡織布あるいは不織布等
の布帛類の捺染にインクジェット記録方式を採用したこ
とであり、且つ第2の特徴は、このインクジェット記録
方法による捺染で使用するインクの着色成分として分散
染料と直接染料との混合物を使用する点である。
本発明は、従来の技術で述べた如く、従来の一般的な捺
染方法におけるプリント版の作成、流行期間の短期性等
の種々の問題は、コンピューターによる画像形成とこれ
に連動したインクジェット記録方式を捺染に採用するこ
とによって、種々の捺染模様原稿が容易に作成、且つ修
正でき、このようなインクジェット記録方式を捺染に採
用すれば、高価なプリント版の作成が不要であり、ま
た、短期間で流行が変化してもその流行の変化に容易に
追従することができることに着目したものである。
また、このようなインクジェット記録方式において、分
散染料を水性媒体に分散させてインクを調整すると、イ
ンク中の分散染料は、長期の使用、保存等において沈降
分散して、装置のノズル、オリフィス等に目詰まりを生
じて使用が困難であったが、これらの分散液中に特定の
水溶性染料、すなわち直接染料をある量的範囲で溶解す
るときには、これらの直接染料が、分散している分散染
料の分散剤として作用し、上記の如きインクの長期使用
および保存中にも分散染料が凝集沈降することがなく、
従って優れた捺染が実現されることを知見したものであ
る。
更にインクのpHが4〜10の範囲では、セルロース系繊
維に対する染料染着率がほぼ一定であり、インクpHの調
整にそれ程厳しいチェックを必要とせず、染着工程にお
いてもアルカリ処理工程を省けるので一段で染着可能と
なる等、反応性染料を使用した場合に比較してコストが
ダウンし且つ安定した染色物が得られる利点を考慮した
ものである。
従って、本発明の方法は、セルロース系繊維または合成
繊維からなる織布または不織布の捺染にも使用できる
が、特にこれらのセルロース系繊維と合成繊維からなる
混紡織布または不織布の捺染に好適である。
本発明を第1に特徴づけ、本発明において使用する分散
染料とは、それ自体公知の材料であり、繊維の染色ある
いは昇華転写技術において広く使用されている水不溶性
のアゾ系、アントラキノン系その他の染料である。これ
らの分散染料は、その構造中にスルホン酸基やカルボキ
シル基の如き水溶性の基を有さず、且つ分子量がある程
度の範囲に入り、水中分散体として繊維あるいは織布に
適用した後あるいは適用中に80〜250℃の温度によ
り主としてポリエステル、アセテートの如き合成繊維に
染着するものである。
本発明においては、これら従来公知の分散染料はいずれ
も使用することができ、本発明において好ましい分散染
料としては、C.I.デスパーズ イエロー3、4、5、7、9、13、24、 30、33、34、42、44、49、50、 51、54、56、58、60、63、64、 66、68、71、74、76、79、82、 83、85、86、88、90、91、93、 98、99、100、104、114、116、 118、119、122、124、126、 135、140、141、149、160、 162、163、164、165、179、 180、182、183、186、192、 198、199、202、204、210、 211、215、216、218、224; C.I.デスパーズオレンジ 1、3、5、7、 11、13、17、20、21、25、29、 30、31、32、33、37、38、42、 43、44、45、47、48、49、50、 53、54、55、56、57、58、59、 61、66、71、73、76、78、80、 89、90、91、93、96、97、119、 127、130、139、142; C.I.デスパーズレッド 1、4、5、7、 11、12、13、15、17、27、43、 44、50、52、53、54、55、56、 58、59、60、65、72、73、74、 75、76、78、81、82、86、88、 90、91、92、93、96、103、 105、106、107、108、110、 111、113、117、118、121、 122、126、127、128、131、 132、134、135、137、143、 145、146、151、152、153、 154、157、159、164、167、 169、177、179、181、183、 184、185、188、189、190、 191、192、200、201、202、 203、205、206、207、210、 221、224、225、227、229、 239、240、257、258、277、 278、279、281、288、296、 303、310、311、312、320、 324、328; C.I.デスパーズバイオレット 1、4、8、 23、26、27、28、31、33、35、 36、38、40、43、46、48、50、 51、52、56、57、59、61、63、 69、77; C.I.デスパーズグリーン 9; C.I.デスパーズブラウン 1、2、4、9、 13、19; C.I.デスパーズブルー 3、7、9、14、 16、19、20、26、27、35、43、 44、54、55、56、58、60、62、 64、70、72、73、75、79、81、 82、83、87、91、93、94、95、 96、102、106、108、112、 113、115、118、120、122、 125、128、130、139、141、 142、143、146、148、149、 153、154、158、165、167、 171、173、174、176、181、 183、185、186、187、189、 197、198、200、201、205、 207、211、214、224、225、 257、259、267、268、270、 284、285、287、288、291、 293、295、297、301、315、 330、333; C.I.デスパーズブラック 1、3、10、 24;カヤセロンレッド E−GL、カヤセロンブルー
E−TB、カヤセロンネイビーブルー E−EX、カヤ
セロンブラックE−EX等があげられる。
本発明において使用し、本発明を第2に特徴づける直接
染料とは、それ自体公知の直接染料であり、従来公知の
直接染料はいずれも使用でき、本発明において好ましい
直接染料としては、 C.I.ダイレクトイエロー8、9、11、 12、22、27、28、33、39、44、 50、53、58、68、86、87、95、 96、98、100、106、110、130、 132、142、144、157、161、 163; C.I.ダイレクトオレンジ 6、8、15、 26、29、34、39、40、46、57、 102、107、118; C.I.ダイレクトレッド2、4、9、23、 31、37、39、62、76、79、80、 81、83、84、89、92、95、111、 207、211、212、218、221、 223、224、225、226、227、 229、233、239、240、241、 242、243; C.I.ダイレクトバイオレット 9、35、 47、48、51、66、93、94、95、 98、100; C.I.ダイレクトブルー 1、2、6、10、 15、22、25、68、71、76、77、 78、80、86、87、90、98、106、 108、109、151、158、160、 168、189、192、193、199、 200、201、202、203、207、 211、213、214、218、225、 229、236、237、243、244、 248、249、251、261、270、 273、288、289、291; C.I.ダイレクトグリーン 1、6、26、 27、28、29、30、59、63、66、 67、69、80、85、94; C.I.ダイレクトブラウン 1、2、44、 95、100、103、106、113、 115、116、157、172、195、 200、209、210、212、222、 223; C.I.ダイレクトブラック 17、19、 22、32、38、51、62、80、91、 108、112、113、117、118、 122、132、146、154、159、 169、173; カヤセロンレッド C−HB、カヤセロンルビン C−BL、カヤセロンブルー C−G等が挙げられる。
本発明の主たる特徴は、インクジェット記録方法による
捺染インキとして前記の分散染料を媒体中に分散させる
に際し、上記の如き直接染料を使用した点であり、分散
染料の分散時あるいはその前後に直接染料を添加するこ
とによって、分散染料の分散安定性が著しく向上するこ
とを知見したものである。
本発明で使用する染料の配合割合は、特に限定されない
が、最も優れた分散安定性は、分散染料100重量部あ
たり、直接染料約10〜300重量部の範囲であり、こ
の範囲から外れる割合では分散染料の分散安定性が必ず
しも十分ではなくなる。
本発明において上記の如き分散染料を分散させ且つ直接
染料を溶解させる媒体としては、従来の一般的染色にお
ける媒体、従来のインクジェット記録用インクの媒体に
使用されている媒体はいずれも使用でき、例えば、水ま
たは水と水溶性の有機溶剤との混合物が好ましいもので
あり、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、n
−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−
ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブ
チルアルコール、イソブチルアルコール等の炭素数1〜
4アルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメ
チルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトン
アルコール等のケトンまたはケトアルコール類;テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアル
キレングリコール類;エチレングリコール、ピロピレン
グリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコ
ール、ヘキシングリコール、ジエチルグリコール、等の
アルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレング
リコール類;グリセリン;エチレングリコールメチル
(またはエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチ
ル(またはエチル)エーテル、トリエチレングリコール
モノメチル(またはエチル)エーテル等の多価アルコー
ルの低級アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロリ
ドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙
げられる。
上記の如き媒体は単独でも混合物として使用できるが、
最も好ましい媒体組成は、水と1種以上の水溶性有機溶
剤からなり、該水溶性溶剤が少なくとも1種の水溶性高
沸点有機溶剤、例えば、エチレングリコール、プロピレ
ングリコール、グリセリン等の多価アルコールを含有す
るものである。
これらの媒体の使用量は、インクを調製したときに前記
の分散染料と直接染料との合計の含有量が約1〜15重
量%になる量である。
本発明で使用するのインクの必須成分は上記の通りであ
るが、その他従来公知の各種の分散剤、界面活性剤、粘
度調整剤を必要に応じて添加することができる。
必要に応じて添加し得る分散剤あるいは界面活性剤とし
ては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベ
ンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸
塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エス
テル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリ
オキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のアニオン系
分散剤若しくは界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエー
テル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセ
リン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシプロピレン
ブロックポリマー等のノニオン型分解剤あるいは界面活
性剤が重要である。
粘度調整剤としては、カルボキシメチルセルロース、ポ
リアクリル酸ソーダ、ポリビニルピロリドン、アラビア
ゴム、スターチ等の主として水溶性の天然あるいは合成
高分子物が好ましく、これらの粘度調整剤を使用して、
あるいは使用せずに、本発明で使用するインクの粘度を
25℃で50cps以下、好ましくは20cps以下とする。
また、インクを帯電するタイプのインクジェット記録方
法に使用されるインクを調合する為には、塩化リチウ
ム、塩化アンモニウム、塩化ナトリウムの無機塩類等の
比抵抗調整剤が添加される。
尚、熱エネルギーの作用によってインクを吐出させるタ
イプのインクジェット方式に適用する場合には、熱的な
植物値(例えば、比熱、熱膨張係数、熱伝導率等)が調
整されることもある。
また、上記三種の添加剤以外についても必要に応じて、
例えば消泡剤、浸透剤、防カビ剤、pH調整剤等を適宜添
加することができる。
本発明で使用するインクは、上記の如き必須成分および
任意成分を混合し、従来公知の磨砕手段、例えば、ボー
ルミル、サンドミル、スピードラインミル等により混合
磨砕処理して得るのが一般的であり、分散染料の粒子径
を通常は30μm以下、好ましくは20μm以下程度と
する。粒子径が大きすぎるとインクジェット記録時にノ
ズルの目詰まり等の問題が生じたり、後の染着工程での
均染性等に問題が生じる。
以上の本発明で使用するインクは、インクジェット記録
による織布若しくは不織布の捺染に有用であり、特に、
木綿、麻、ビスコース等の如く、直接染料で染色可能な
セルロース系繊維とポリエステル繊維、アセテート繊
維、ポリプロピレン繊維、ビニロン繊維等の如く分散染
料で染色可能な合成繊維からなる混紡織布若しくは混紡
不織布の捺染に特に有用である。これらの織布または不
織布は従来公知のものはいずれも使用することができる
が、それに加えて、これらの織布または不織布をインク
ジェット記録捺染用に予備処理したものでもよい。この
ような予備処理は、織布を構成する繊維の表面に付与さ
れたインクを速やかに吸収保持できる水溶性または水分
散性ポリマー等を付与せしめることによって行うことが
できる。
本発明の方法は前記の如きインクを上記の如き織布、不
織布あるいは成形物に付与するものであり、本発明方法
で使用するインクジェット記録方式は、インクをノズル
より効果的に離脱させて、射程体である織布または不織
布に付与し得る方式であれば、いかなる方式でもよく、
それらの方式の代表的なものは、例えばアイイーイーイ
ー トランス アクシォン オン インダストリィー
アプリケイシォンズ(IEEE Trans actions on Industry
Applications) Vol.IA−13、No.1(1977年2、3月
号)、日経エレクトロニクスの1976年4月19日号、1973
年 1月29日号および1974年5月6日号に記載されて
いる。これらの記載の方式は、本発明の方法に好適なも
のであり、その幾つかを説明すると、先ず静電吸引方式
であり、この方式では、ノズルとノズルの数mm前方に置
いた加速電極との間に強電界を与えて、ノズルよりイン
クを粒子化して次々に引出し、引出したインク組成物が
偏向電極間を飛翔する間に情報信号を偏向電極に与えて
記録する方式と、インク粒子を偏向することなく、情報
信号に対応してインク粒子を噴射する方式とがあり、い
ずれも本発明の方法に有効である。
第2の方式としては、小型ポンプでインクに高圧を加
え、ノズルを水晶振動子等で機械的に振動させることに
より、強制的に微少インク粒子を噴射する方式であり、
噴射されたインク粒子は噴射と同時に、情報信号に応じ
て帯電させる。帯電したインク粒子は偏向電極板間を通
過する際、帯電量に応じて偏向される。この方式を利用
した別の方式としてマイクロドットインクジェット方式
と称される方式もあり、この方式では、インク圧力、励
振条件をある範囲の適正値に保ち、ノズル先端より大小
二種類のインク液滴を発生し、この中小径液滴のみを記
録により利用するものである。この方式の特徴は、従来
並みの太いノズル口径でも微少液滴群を得ることができ
る。
第3の方式としてはピエゾ素子方式があり、この方式で
は、インクに加える圧力手段として、他方式の如くポン
プの様な機械的手段でなく、ピエゾ素子を利用する。ピ
エゾ素子に電気信号を与えて機械的に変位を生じさせる
ことにより、インクに圧力を加え、ノズルより噴射させ
る方式である。
また、本発明の方法は、特開昭54−59936号公報
に記載されている方法で、熱エネルギーの作用を受けた
インクが急激な体積変化を生じ、この状態変化による作
用力によって、インクをノズルから吐出させるインクジ
ェット方式も好適である。
以上の如き種々のインクジェット記録方式がいずれも本
発明において使用でき、このような方式のいずれかを採
用して、織布、不織布等の布帛に着色したインク組成物
による文字、図形等の絵柄が形成されるが、本発明で使
用するインクは、従来の如く分散染料単独あるいはこれ
と反応性染料との混合物ではなく、分散染料と、これの
分散剤としても機能する直接染料とからなるので、イン
クの分散安定性は高く、分散染料の凝集、沈降、分離が
生じることなく、従ってノズルやオリフィスを目詰まり
させることがないので、安定的、且つ、均一なプリント
が可能である。またインクのpHの影響を受けにくく染料
の染着率が一定であるので均染性が優れている。
従って、引続く加熱処理による染着工程を経ることによ
っても鮮明で且つ微細な絵柄模様を形成することができ
る。これに対して従来のインクを使用した場合には、前
述の如き装置上の問題を生じるとともに、均染性が劣り
織布上に微細な絵柄を形成することが困難であった。加
えて染着工程にアルカリ処理工程を行わねばならずコス
ト面でも問題があった。
以上の如き本発明の方法によって、織布等上にインクを
画像信号通りには付着させることができ、この状態のイ
ンク中の分散染料は、単に織布に付着しているに過ぎな
いので、引続き繊維への染料の定着および未定着の染料
の除去工程を施すのが好ましい。このような定着および
未定着の染料の除去方法は、従来公知の方法でよく、例
えば、スチーミング法、HTスチーミング法、サーモフ
ィクッス法等による処理の後、洗浄する従来公知の方法
に準じて行うことができる。
以上の如き本発明によれば、捺染に際して従来の一般的
な捺染における如き高価なプリント版の作成は不要であ
り、プリントすべき画像はコンピューターによって極め
て簡単に作成および修正が可能であるので、従来技術の
如き高価な版を必要とせずに、随時流行の変化に即応す
ることができる。従って従来技術の如く大量生産によら
ずとも、少量生産でも十分な利益を確保することができ
る。また、従って、工業的な捺染方法のみならず、一般
家庭での趣味的なプリント捺染にも応用できるという利
点も有する。
次に実施例をあげて本発明を更に具体的に説明する。な
お文中部および%とあるのは重量基準である。
実施例1 分散染料(C.I.デスパーズイエロー64) 3部 直接染料(C.I.ダイレクトイエロー163) 2部 分散剤(商品名、イオネットRAP−100、 三洋化成製) 0.2部 トリエチレングリコール 15部 ジエチレングリコールモノエチルエーテル 10部 エチレングリコール 10部 水 60部 上記全成分をアルミナ製ボールミルにて約36時間分散
化を行なった後、酢酸にてpHを5.3に調整し、更にア
ルミナ製ボールミルにて3時間分散を行ない、その後フ
ロロポアフィルターFP−1000(商品名)(住友電
工(株)製)にて粒径10μm以上の粗大粒子を除去し
て、本発明の水性インク(A)を得た。
実施例2 分散染料(商品名 カヤセロンレッドE-GL、 日本化薬(株)製) 3部 直接染料(商品名 カヤセロインレッドC-HB、 日本化薬(株)製) 4部 分散剤(商品名 REC日華化学製) 0.2部 グリセリン 10部 プロプレングリコール 15部 1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン 5部 水 63部 上記全成分をアルミナ製ボールミルにて約40時間分散
化を行なった後、酢酸にてpHを5.6に調整し、更に2
時間分散化し、その後フロロポアフィルターFP−50
0(商品名)(住友電工(株)製にて粒径5μm以上の
粗大粒子を除去して、本発明の水性インク(B)を得
た。
実施例3 分散染料(C.I.デスパーズブルー291) 7部 直接染料(カヤセロンブルーC−G) 3部 ノニオン系界面活性剤(ニッコールNP−15) 0.1部 分散剤(商品名 デスパーGS-57、 明成化学製) 0.2部 ポリエチレングリコール 400 10部 ジエチレングリコール 20部 水 60部 上記全成分を使用し、他は実施例1と同様の方法にて本
発明で使用する水性インク(C)を得た。
比較例1 実施例1におけるC.I.ダイレクトイエロー163に
代えて、反応性染料C.I.リアリティブイエロー42
を使用し、他は実施例1と同様にして比較用インク
(D)を得た。
実施例4 実施例2においてpHを酢酸にて5.6に調整するところ
を水酸化ナトリウムにて8.7に調整し、他は実施例2
と同様にして水性インク(E)を得た。
比較例2 実施例2におけるカヤセロンレッド C−HBに代え
て、反応性染料C.I.リアクティブレッド22を使用
し、更にpHを酢酸にて5.6に調整するところを水酸化
ナトリウムにて8.7に調整し、他は実施例2と同様に
して比較用インク(F)を得た。
尚、上記の実施例および比較例のインクの性状は後記第
1表に示した。
実施例5 実施例1〜4および比較例1〜2の各水性インク(A〜
F)を、(1)特開昭54−59936号公報に記載さ
れている方法による熱エネルギーを利用したインクジェ
ットプリンター(ノズルの大きさ40×50μm、ノズ
ル数24本)、(2)ピエゾ素子を利用したインクジェ
ットプリンターPJ−1080A(キャノン製、ノズル
の大きさ65μmφ、ノズル数4本)に搭載してポリエ
ステル30%、綿70%の混紡織布へ10ドットの連
続プリントを行った。また、各水性インク(A〜E)1
00ccをガラスビンに入れ、40℃に1週間保存し、イ
ンクの保存安定性の評価を行った。結果を後記第2表に
示す。
実施例6 実施例1〜4の水性インク(A、B、C、E)をピエゾ
素子を利用したインクジェットプリンターPJ−108
0A(キャノン製、商品名 ノズルの大きさ65μm
φ)に搭載し、ポリエステル30%および綿70%の混
合織布にプリントを行い、その後160℃オーブンに2
分間入れて定着を行い、その後、中性洗剤で洗浄したと
ころ、鮮明なプリント物を得た。
これに対し、比較例1のインクDを用いて同様なプリン
トを行ったところ、ドットのバラツキが一部に見られ、
更に同様な定着処理では綿部分に染料は染着せず、前処
理としてアルカリによるパッドを行うことで初めて染着
が可能となった。
比較例2のインクFの場合には、アルカリによるパッド
を行い160℃オーブンに2分間入れて定着処理を行っ
ても綿部分には殆ど染料が染着せず、洗浄により綿布全
体に極めて大きなむらが発生した。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インクジェット方式によって染料を含むイ
    ンクを布帛類に付与し、次いで染着処理をした後、洗浄
    処理する捺染方法において、前記染料が分散染料と直接
    染料との混合物であり、その混合比が重量比で10/1
    〜1/3の範囲にあることを特徴とする捺染方法。
  2. 【請求項2】布帛類が、合成繊維とセルロース系繊維の
    混紡織布または混紡不織布である特許請求の範囲第
    (1)項に記載の方法。
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