JPH0641878A - インクジェット捺染方法 - Google Patents

インクジェット捺染方法

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JPH0641878A
JPH0641878A JP5017813A JP1781393A JPH0641878A JP H0641878 A JPH0641878 A JP H0641878A JP 5017813 A JP5017813 A JP 5017813A JP 1781393 A JP1781393 A JP 1781393A JP H0641878 A JPH0641878 A JP H0641878A
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ink
disperse dye
dye
cloth
purity
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JP5017813A
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Shoji Koike
祥司 小池
Kazuo Iwata
和夫 岩田
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来技術の欠点を解決し、分散染料をインク
ジェット用インクの色材とした場合に、高い染料濃度に
も拘らず使用時及び長期保存時にもインクジェット装置
のノズル又はオリフィス等に目詰りを生じたり、又、特
に熱エネルギーを使用するインクジェット装置の発熱ヘ
ッドに沈降物が生じたりせず、高品質のプリント物を与
える優れたインクジェット捺染方法を提供すること。 【構成】 インクジェット方式によってインクを布帛に
付与して捺染を行う方法であって、分散染料を含み、該
分散染料の純度が90重量%以上であるインクに発熱ヘ
ッドを介して熱エネルギーを作用させ、該インクを液滴
としてオリフィスから吐出させて、合成繊維を含む布帛
に付与し、次いで染着処理を行った後、洗浄処理により
未染着の染料を除去することを特徴とするインクジェッ
ト捺染方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインクジェット捺染方法
に関し、更に詳しくはインクジェット方式により、分散
染料を用いて合成繊維を含む織布や不織布等の布帛の捺
染方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット方式は、種々のインク吐
出方式により、インク小滴(droplet)を形式し、それ
らの1部若しくは全部を紙、プラスチックフイルム、織
布等の被記録材に付着させて記録を行う方式であり、こ
の様なインクジェット方式に使用するインクとしては、
各種の水溶性の染料又は顔料を水又は水と水溶性有機溶
剤からなる液媒体に溶解又は分散させたものが知られ、
且つ使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとしている問題点】上記の如き従来
のインクにおいて種々の性能が要求されるのは当然であ
るが、なかでも最も要求される性能は、インクを用いて
記録を行っている際、記録を中断した際、更に長期間記
録を行われなかった時における記録装置のノズル又はオ
リフィスでの目詰り及び沈降物の発生がないというイン
クの液安定性である。特にインクジェット方式の中で
も、熱エネルギーを用いるインクジェット方式において
は、温度変化によって発熱ヘッドの表面に異物の沈着が
生じ易い為この問題は特に重要である。
【0004】しかしながら、従来のインクの場合には、
インクの吐出条件、長期保存安定性、記録時の画像の鮮
明さと濃度、表面張力、電気的性質等種々の条件を満足
させる為に幾つかの添加剤が必要とされ、特に使用する
染料が分散染料である場合には、該染料が水に不溶性で
あることから、染料製造時の比較的反応性に富む未反応
原料、反応副生物が含有され、更に布帛に対する染着性
向上の為に、均染剤、界面活性剤、アルカリ金属塩、多
価金属塩等の種々の不純物が多量に含有されている。
又、分散染料を捺染方式に使用する場合には、上記各種
不純物及び薬剤に加えて、糊剤、増粘剤、キャリヤー剤
等が添加されており、かかる市販の分散染料をインクジ
ェット方式のインクの色材に使用すると、インクジェッ
ト装置のノズルやオリフィスに目詰りが生じたり、加熱
ヘッドの表面に沈着物が生じたり、インクの長期保存中
に沈降物が生じる等種々の問題があり、インクジェット
方式の種々の優れた特性にも拘らず、分散染料を用いる
捺染分野においてはその普及が急速でない1つの理由と
なっている。
【0005】従って、本発明の目的は、上述の従来技術
の欠点を解決し、分散染料をインクジェット用インクの
色材とした場合に、高い染料濃度にも拘らず使用時及び
長期保存時にもインクジェット装置のノズル又はオリフ
ィス等に目詰りを生じたり、又、特に熱エネルギーを使
用するインクジェット装置の発熱ヘッドに沈降物が生じ
たりせず、高品質のプリント物を与える優れたインクジ
ェット捺染方法を提供することである。
【0006】
【問題点を解決する為の手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、インクジェット
方式によってインクを布帛に付与して捺染を行う方法で
あって、分散染料を含み、該分散染料の純度が90重量
%以上であるインクに発熱ヘッドを介して熱エネルギー
を作用させ、該インクを液滴としてオリフィスから吐出
させて、合成繊維を含む布帛に付与し、次いで染着処理
を行った後、洗浄処理により未染着の染料を除去するこ
とを特徴とするインクジェット捺染方法である。
【0007】
【作用】市販の染料中には染料以外に多くの不純物(例
えば、染料製造時の比較的反応性に富む未反応原料、反
応副生物、分散剤、均染剤等種々の有機物及び無機物)
が含有されており、これらの染料をインク化した場合、
これらの不純物がインクジェット装置のノズル又はオリ
フィスを目詰りさせたり、インクの貯蔵中に沈降物を生
じたり、特に熱エネルギーを利用するインクジェット方
式における加熱ヘッド上に異物が沈降する最大の原因と
なり、これらの分散染料の純度をある一定値以上とする
ことにより、上記の種々の問題が解決される。
【0008】
【好ましい実施態様】次に好ましい実施態様を挙げて本
発明を更に詳細に説明する。本発明を第1に特徴づける
構成は、インクの着色成分として分散染料を使用する点
であり、又、第2に特徴づける構成は分散染料として、
純度が90重量%以上の分散染料を使用した点にあり、
第3に特徴づける構成はインクの付与方式として、イン
クに発熱ヘッドを介して熱エネルギーを作用させ、該イ
ンクを液滴としてオリフィスから吐出させるインクジェ
ット方式を採用した点である。
【0009】本発明を第1に特徴づける分散染料とは、
それ自体公知の材料であり、繊維の染色或は昇華転写技
術において広く使用されている水不溶性のアゾ系、アン
トラキノン系、その他の染料である。これらの分散染料
は、その構造中にスルホン酸基やカルボキシル基の如き
水溶性の基を有さず、且つ分子量がある程度の範囲に入
り、水中分散体として繊維或は織布に適用した後或は適
用中に80〜250℃の温度により主としてポリエステ
ルやアセテートの如き合成繊維からなる布帛に染着する
ものである。
【0010】本発明においては、これら従来公知の分散
染料はいずれも使用することが出来、本発明において好
ましい分散染料としては、C.I.デスパーズイエロー
3、4、5、7、9、13、24、30、33、34、
42、44、49、50、51、54、56、58、6
0、63、64、66、68、71、74、76、7
9、82、83、85、86、88、90、91、9
3、98、99、100、104、114、116、1
18、119、122、124、126、135、14
0、141、149、160、162、163、16
4、165、179、180、182、183、18
6、192、198、199、202、204、21
0、211、215、216、218、224;
【0011】C.I.デスパーズオレンジ1、3、5、
7、11、13、17、20、21、25、29、3
0、31、32、33、37、38、42、43、4
4、45、47、48、49、50、53、54、5
5、56、57、58、59、61、66、71、7
3、76、78、80、89、90、91、93、9
6、97、119、127、130、139、142;
【0012】C.I.デスパーズレッド1、4、5、
7、11、12、13、15、17、27、43、4
4、50、52、53、54、55、56、58、5
9、60、65、72、73、74、75、76、7
8、81、82、86、88、90、91、92、9
3、96、103、105、106、107、108、
110、111、113、117、118、121、1
22、126、127、128、131、132、13
4、135、137、143、145、146、15
1、152、153、154、157、159、16
4、167、169、177、179、181、18
3、184、185、188、189、190、19
1、192、200、201、202、203、20
5、206、207、210、221、224、22
5、227、229、239、240、257、25
8、277、278、279、281、288、29
6、303、310、311、312、320、32
4、328;
【0013】C.I.デスパーズバイオレット1、4、
8、23、26、27、28、31、33、35、3
6、38、40、43、46、48、50、51、5
2、56、57、59、61、63、69、77;C.
I.デスパーズグリーン9;C.I.デスパーズブラウ
ン1、2、4、9、13、19;
【0014】C.I.デスパーズブルー、3、7、9、
14、16、19、20、26、27、35、43、4
4、54、55、56、58、60、62、64、7
0、72、73、75、79、81、82、83、8
7、91、93、94、95、96、102、106、
108、112、113、115、118、120、1
22、125、128、130、139、141、14
2、143、146、148、149、153、15
4、158、165、167、171、173、17
4、176、181、183、185、186、18
7、189、197、198、200、201、20
5、207、211、214、224、225、25
7、259、267、268、270、284、28
5、287、288、291、293、295、29
7、301、315、330、333;C.I.デスパ
ーズブラック1、3、10、24;カヤセロンレッドE
−GL、カヤセロンブルーE−TB、カヤセロンネイビ
ーブルーE−EX、カヤセロンブラックE−EX等が挙
げられる。
【0015】上記の如き分散染料は、C.I.ナンバー
が指定されているものの、染料純品であるものは無く、
通常多量の無機塩、多価金属の塩、その他の染料助剤或
は染料合成の際の未反応原料や副生物を多量に含有して
おり、本発明者の研究によれば、前述の如きインクジェ
ット方式による捺染における種々の問題は、上記の如き
不純物、特に、水不溶性の未反応原料或は副生物に起因
し、これらの原料や副生物が、インクの使用中、特に熱
エネルギーによりインクをノズルから吐出せるインクジ
ェット方式においては、その心臓部である加熱素子上に
有害な沈澱物を生じる為であることを知見した。従っ
て、本発明のインクジェット捺染方法においては、使用
する分散染料は十分に精製して、その純度を90重量%
以上とすることが必要である。
【0016】この様な分散染料の精製は、従来公知の一
般的な精製方法、例えば、水や有機溶剤による懸洗、分
別沈澱、再結晶方法等を単独或は組合せて行うことが出
来、その純度の測定もTLC、高速液体クロマトグラム
法、紫外可視分光分析法等の如き従来公知の方法をその
まま使用することが出来る。本発明において上記の如き
分散染料を分散又は溶解させる液媒体としては、従来の
一般的なインクにおける媒体、従来のインクジェット記
録用インクの媒体に使用されている媒体はいずれも使用
することが出来、例えば、水及び/又は水溶性の有機溶
剤が好ましいものであり、例えば、メチルアルコール、
エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロ
ピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec −ブチル
アルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアル
コール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド
類;
【0017】アセトン、ジアセトンアルコール等のケト
ン又はケトンアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオ
キサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール等のポリアルキレングリコール
類;エチレングリコール;プロピレングリコール、ブチ
レングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6
−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレン
グリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が
2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;グ
リセリン;エチレングリコールメチル(又はエチル)エ
ーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エ
ーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチ
ル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテ
ル類;N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル
−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。
【0018】上記の如き媒体は単独でも混合物としても
使用することが出来るが、最も好ましい媒体組成は、水
と1種以上の水溶性有機溶剤からなり、該水溶性溶剤が
少なくとも1種の水溶性高沸点有機溶剤、例えば、エチ
レングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等
の多価アルコールを含有するものである。又、分散染料
を溶解して用いるインクの場合は、水を殆ど含まず、分
散染料を良く溶解する溶剤によってのみ構成されるイン
クが好ましい。これらの媒体の使用量は、インク組成物
を調製したときに、前記の分散染料の含有量が約0.1
〜15重量%になる量である。本発明で使用するインク
の必須成分は上記の通りであるが、インク記録適性を妨
げない限り、その他従来公知の各種の分散剤、界面活性
剤、粘度調整剤等を必要に応じて添加することが出来
る。
【0019】必要に応じて添加し得る分散剤或は界面活
性剤としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ア
ルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスル
ホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン
酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合
物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等のア
ニオン系分散剤若しくは界面活性剤;ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソ
ルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタ
ン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミ
ン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレンオキシ
プロピレンブロックコポリマー等のノニオン型分散剤或
は界面活性剤が重要である。
【0020】粘度調整剤としては、カルボキシメチルセ
ルロース、ポリアクリル酸ソーダ、ポリボニルピロリド
ン、アラビアゴム、スターチ等の主として水溶性の天然
或は合成高分子物が好ましく、これらの粘度調整剤を使
用して或は使用せずに、本発明のインクの粘度を25℃
で50cps 以下、好ましくは20cps 以下とする。本発
明における如く、熱エネルギーの作用によってインクを
吐出させるタイプのインクジェット方式に適用する場合
には、熱的な物性値(例えば、比熱、熱膨張係数、熱伝
導率等)が調整されることもある。又、上記3種の添加
剤以外についても必要に応じて、例えば、消泡剤、浸透
剤、防カビ剤、pH調整剤等を適宜添加することが出来
る。
【0021】本発明で使用するインクは、上記の如き必
須成分及び任意成分を混合し、従来公知の摩砕手段、例
えば、ボールミル、スピードラインミル等により混合摩
砕処理して得るのが一般的であり、分散染料の粒子径を
通常は30μm以下、好ましく20μm以下とする。粒
子径が大きすぎると記録時にノズルやオリフィスの目詰
まり等の問題が生じたり、捺染後の染着工程での均染性
等に問題が生じる。又、媒体として分散染料を溶解する
様な媒体を選択した時は、加熱等、単なる溶解作用のみ
で本発明で使用するインクを得ることが出来る。本発明
で使用するインクにおいて、使用した分散染料の純度が
90重量%未満であるとノズルやオリフィスの目詰まり
等の原因となる。又、インクの吐出安定性が劣ったり、
インク自体の分散安定性や溶解安定性に問題が生じ、更
に捺染において布帛の均染性が十分でなくなるのに対
し、純度90重量%以上になると、これら種々の問題が
急激に解消される。
【0022】以上のインクは、インクジェット方式で使
用する場合、前述の如き従来技術の種々の問題点が解決
されており、インクジェット方式による織布若しくは不
織布用の布帛の捺染に特に有用である。使用する布帛と
しては、ポリエステル繊維、アセテート繊維、ポリプロ
ピレン繊維、ビニロン繊維、ポリアミド繊維等の合成繊
維からなる織布又は不織布或はこれらの合成繊維と他の
繊維、例えば、木綿繊維等の混紡織布若しくは混紡不織
布等が有用である。これらの織布又は不織布等の布帛は
従来公知のものはいずれも使用することが出来るが、そ
れに加えてこれらの織布又は不織布の布帛をインクジェ
ット捺染用に予備処理したものでもよい。この様な予備
処理は、織布を構成する繊維の表面に付与されたインク
を速やかに吸収保持することが出来る水溶性又は水分散
性ポリマー等を付与せしめることによって行うことが出
来る。
【0023】本発明で使用するインクジェット方式は、
特開昭54−51837号公報に記載されている方法
で、熱エネルギーの作用を受けたインクが急激な体積変
化を生じ、この状態変化による作用力によって、インク
をノズルから吐出させるインクジェット方式で記録であ
り、前記分散染料を含むインクに対して優れた吐出安定
性及び布帛に対する優れた捺染適性を示す。この様なイ
ンクジェット方式を採用して、インクを付与することに
より、織布又は不織布等の布帛の表面に着色したインク
による文字、図形等の絵柄が形成されるが、本発明で使
用するインクは、前述の如く分散染料の純度が一定値以
上にコントロールされているので、従来技術の如くノズ
ルやオリフィス等の目詰り等が起きず、吐出安定性が極
めて良好である。更に、染料の優れた分散(溶解)安定
性を有し、均一な捺染が可能である。
【0024】又、本発明では、インクを前記の如き布帛
の捺染に付与後、引き続く加熱処理による染着工程を経
ることによって、布帛に鮮明且つ微細な絵柄模様を形成
することが出来る。これに対して従来のインクを使用し
た場合には、前述の如き装置上の問題を生じると共に、
均染性が劣り布帛上に微細な絵柄を形成することが困難
であった。以上の本発明のインクジェット捺染方法によ
って、布帛上にインクを画像信号通りには付着させるこ
とが出来るが、付着した状態のインク中の分散染料は、
単に布帛等に付着しているに過ぎないので、引き続き加
熱処理を要する。この様な加熱処理は、従来公知の加熱
処理でよく、例えば、捺染済布帛を加熱ローラーの間に
通して数秒〜数十秒間、120〜250℃の温度に加熱
するか、或は過熱スチーム室中に通す等の如く、インク
中の分散染料が布帛を構成するポリエステル等の合成繊
維に染着するのに必要な温度と時間加熱処理を加えれば
よい。以上の如く本発明のインクジェット捺染方法は、
織布や不織布等の布帛の捺染に有用である。
【0025】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。尚、文中、部及び重量%とあるのは
重量基準である。インク調製例1 分散染料(C.I.デスパーズブルー187、純度95%) 5部 アニオン系界面活性剤(分散剤、商品名デモールN、花王石鹸製) 4部 エチレングリコール 15部 ジエチレングリコール 13部 水 65部 上記全成分をアルミナ製ボールミルにて約36時間分散
化を行った後、水酸化ナトリウムにてpHを8.3に調
整し、更にアルミナ製ボールミルにて3時間分散を行
い、その後フロロポアフイルターFP−1000(商品
名、住友電工製)にて粒径10μm以上の粗大粒子を除
去して、本発明で使用する水性インク(A)を得た。
【0026】インク調製例2 分散染料(C.I.デスパーズオレンジ55、純度99%) 5部 酸性染料(C.I.アシッドイエロー49) 1部 アニオン系界面活性剤(商品名ニッコールOTP−100s、日光ケミカル ス製) 0.5部 アニオン系界面活性剤(商品名デモールC、花王石鹸製) 1.5部 ノニオン系界面活性剤(商品名エマルゲン911、花王石鹸製) 0.2部 iso −プロピルアルコール 0.5部 プロピレングリコール 15部 ポリエチレングリコール400 5部 水 75部 上記全成分をアルミナ製ボールミルにて約40時間分散
化を行った後、水酸化カリウムにてpHを7.4に調整
し、更に2時間分散化を行い、その後フロロポアフイル
ターFP−500(商品名、住友電工製)にて粒径5μ
m以上の粗大粒子を除去して、本発明で使用する水性イ
ンク(B)を得た。
【0027】インク調製例3 分散染料(C.I.デスパーズレッド111、純度92%) 7部 反応染料(C.I.デスパーズレッド80) 2部 ノニオン系界面活性剤(商品名エマルゲン707、花王石鹸製) 1.5部 ノニオン系界面活性剤(商品名レオドールTW−P120、花王石鹸製) 2.0部 エチルカルビトール 20部 水 75部 上記全成分よりインク調製例2と同様の方法にて、本発
明で使用する水性インク(C)を得た。
【0028】インク調製例4 分散染料(C.I.デスパーズオレンジ76、純度95%以上) 2部 分散染料(C.I.デスパーズレッド60、純度95%以上) 2部 エタノール 40部 トリエチレングリコールモノブチルエーテル 30部 トリエチレングリコール 26部 上記全成分を混合して、本発明で使用する染料溶解型イ
ンク(D)を得た。
【0029】比較用インク調製例1 インク調製例1と全く同様な処法でインクを作製した
が、使用したC.I.デスパーズブルー187の純度が
80%であったものを比較用のインク(E)とした。比較用インク調製例2 インク調製例2と全く同様な処法でインクを作製した
が、使用したC.I.デスパーズオレンジ55の純度が
88%であったものを比較用のインク(F)とした。イ
ンク調製例1〜4及び比較用インク調製例1〜2の各イ
ンク(A〜F)の性状を下記表1に示す。
【0030】
【表1】 *1:ICP(誘導結合プラズマ発光分光分析装置)に
て分析した結果を示す。 *2:クールターカウンターにて分析した結果を示す。
【0031】実施例及び比較例 インク調製例1〜4及び比較用インク調製例1〜2の各
水性インク(A〜F)を、特開昭54−51837号公
報に記載されている方法による熱エネルギーを利用した
インクジェットプリンター(ノズルの大きさ40×50
μm)に搭載して10本のノズルでポリエステル100
%のジョーゼット生地へ107 ドットの連続プリントを
行った。その後215℃のオーブンに3分間入れて染料
の定着を行い、その後中性洗剤で洗浄して鮮明なプリン
ト物を得た。又、E及びFのインクを充填したプリンタ
ーのヘッドを分解して発熱部を観察したところ、沈降物
の為に黒く変質していた。これに対し、A〜Dのインク
を充填したヘッドについては発熱部に異常は認められな
かった。又、各水性インク(A〜F)100ccをガラ
スビンに入れ、40℃に1週間保存し、インクの保存安
定性の評価を行った。結果を下記表2に示す。
【0032】
【表2】 *1:プリンターで10本のノズルで各107 ドットず
つ連続プリントした時に、目詰りを生じたノズルの本
数。 *2:インクを40℃で1週間保存した後、ガラスビン
内に異物が発生するか否かを目視判定した。 ○:異物なし ×:異物発生
【0033】
【効果】以上の如き本発明によれば、インクジェット方
式を採用して、分散染料を含むインクを付与することに
より、合成繊維を含む織布又は不織布等の布帛の表面に
着色したインクによる文字、図形等の絵柄が形成される
が、本発明で使用するインクは、前述の如く分散染料の
純度が一定値以上にコントロールされているので、従来
技術の如くノズルやオリフィス等の目詰り等が起きず、
吐出安定性が極めて良好であり、更に染料の優れた分散
(溶解)安定性を有し、上記布帛に対して均一な捺染が
可能であるという効果を奏する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクジェット方式によってインクを布
    帛類に付与して捺染を行う方法であって、分散染料を含
    み、該分散染料の純度が90重量%以上であるインクに
    発熱ヘッドを介して熱エネルギーを作用させ、該インク
    を液滴としてオリフィスから吐出させて、合成繊維を含
    む布帛に付与し、次いで染着処理を行った後、洗浄処理
    により未染着の染料を除去することを特徴とするインク
    ジェット捺染方法。
  2. 【請求項2】 布帛を予め予備処理した後、インクを付
    与する請求項1に記載のインクジェット捺染方法。
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