JPH1034860A - 電気用積層板 - Google Patents

電気用積層板

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JPH1034860A
JPH1034860A JP19430696A JP19430696A JPH1034860A JP H1034860 A JPH1034860 A JP H1034860A JP 19430696 A JP19430696 A JP 19430696A JP 19430696 A JP19430696 A JP 19430696A JP H1034860 A JPH1034860 A JP H1034860A
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JP
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tung oil
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JP19430696A
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English (en)
Inventor
Riyouko Shimooke
陵子 下桶
Kamio Yonemoto
神夫 米本
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Panasonic Electric Works Co Ltd
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Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反り及び寸法安定性を改善した電気用積層板
を提供する。 【解決手段】 基材に樹脂含浸してなるプリプレグを積
層し加熱加圧成形してなる電気用積層板において、樹脂
成分として、桐油変性ノボラック型フェノールホルムア
ルデヒド樹脂とエポキシ樹脂とを反応させた樹脂組成物
を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器、電気機
器用のプリント配線板、電気絶縁基板等に用いられる電
気用積層板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、電子機器、電気機器用のプリ
ント配線板、電気絶縁基板等に用いられる電気用積層板
として、フェノール樹脂組成物をクラフト紙やリンター
紙等の基材に含浸してなるプリプレグを積層し加熱加圧
成形してなるフェノール樹脂積層板が使用されている。
従来のフェノール樹脂積層板では主にレーゾル型フェノ
ール樹脂を用いるのが一般的であったが、このものは反
りが大きいという欠点を有していた。この反りの大きな
要因としては、レーゾル型フェノール樹脂がその性質
上、加熱加圧成形時に脱水縮合反応を起こすことに起因
するものと思われるもので、すなわち、加熱加圧成形時
に積層体に加わる熱履歴の差により脱水縮合反応に差を
生じ、これにより反応に伴って起こる樹脂の硬化収縮に
差を生じてこれが残留歪となって成形後に積層板の反り
となって現れると考えられる。また、このレーゾル型フ
ェノール樹脂の脱水縮合反応に伴って起こる樹脂の硬化
収縮は積層板の寸法安定性を低下させる要因にもなって
いるものと思われる。これに対し、従来では、桐油等の
乾性油で変性したフェノール樹脂を用いて積層板を可塑
化させる手法により、樹脂の収縮を低減させて反りの発
生を抑制していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年で
は電子機器、電気機器の高性能化に伴い、これらに搭載
される電気用積層板の性能にもより高いレベルが要求さ
れてきている。
【0004】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
ので、反り及び寸法安定性を改善した電気用積層板を提
供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の請求項1記載の電気用積層板は、基材に樹
脂含浸してなるプリプレグを積層し加熱加圧成形してな
る電気用積層板において、樹脂成分として、下記第1成
分と第2成分とを反応させた樹脂組成物を含むことを特
徴とするものである。 第1成分:桐油変性ノボラック型フェノールホルムアル
デヒド樹脂 第2成分:エポキシ樹脂。
【0006】ここで桐油変性ノボラック型フェノールホ
ルムアルデヒド樹脂とは、桐油とフェノール類の反応物
をノボラック化して得られる樹脂のことである。
【0007】請求項2記載の電気用積層板は、基材に樹
脂含浸してなるプリプレグを積層し加熱加圧成形してな
る電気用積層板において、樹脂成分として、下記第1成
分と第2成分とを反応させた樹脂組成物を含むことを特
徴とするものである。 第1成分:メラミンホルムアルデヒド樹脂を含む桐油変
性ノボラック型フェノールホルムアルデヒド樹脂 第2成分:エポキシ樹脂。
【0008】請求項3記載の電気用積層板は、請求項2
記載の電気用積層板において、第1成分におけるメラミ
ンホルムアルデヒド樹脂の含有量が、桐油変性ノボラッ
ク型フェノールホルムアルデヒド樹脂に対して5〜20
重量%であることを特徴とするものである。
【0009】請求項4記載の電気用積層板は、請求項1
乃至請求項3いずれか記載の電気用積層板において、上
記第1成分と第2成分とを反応させた比率が、第1成分
及び第2成分の合計量に対する第1成分の重量比で30
〜70重量%の範囲であることを特徴とするものであ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳しく説明
する。
【0011】本発明に係る電気用積層板は、桐油変性ノ
ボラック型フェノールホルムアルデヒド樹脂からなる第
1成分と、エポキシ樹脂からなる第2成分との混合物を
含む樹脂組成物を基材に含浸して得たプリプレグが用い
られる。
【0012】上記基材としては、特に限定されないが、
例えば従来からフェノール樹脂積層板で一般に用いられ
ているセルロース系の紙基材を用いるとよく、具体的に
はクラフト紙、リンター紙、その他クラフト紙やリンタ
ー紙に無機物又は有機物を混入した紙基材などを用いる
ことができる。
【0013】上記第1成分について説明すると、第1成
分を構成する桐油変性ノボラック型フェノールホルムア
ルデヒド樹脂は、桐油とフェノール類を反応させた樹脂
をベースにしてホルムアルデヒドを加え酸触媒存在下で
ノボラック化させて得られる樹脂である。ここで、上記
フェノール類としては、フェノールは勿論のこと、その
他にクレゾール等のアルキルフェノール、ビスフェノー
ルなどのフェノール化合物を用いることも可能であり、
また上記フェノール類は、単独または複数種を併用して
用いることもできる。また、上記フェノール類と桐油と
の反応物は、フェノール類と桐油とを酸触媒存在下で反
応させるなどの公知の手法により得ることができる。
【0014】上記第1成分には、他にメラミンホルムア
ルデヒド樹脂を構成成分として含有させることもでき
る。この場合、積層板の絶縁抵抗や耐トラッキング性を
向上させることができるものである。このとき、第1成
分におけるメラミンホルムアルデヒド樹脂の含有量は、
桐油変性ノボラック型フェノールホルムアルデヒド樹脂
に対して5〜20重量%の範囲とすることが望ましく、
すなわち、メラミンホルムアルデヒド樹脂の添加量が5
重量%未満であると積層板の絶縁抵抗や耐トラッキング
性の改善効果が小さく、一方、20重量%を越えるとプ
リプレグ作製時において基材含浸用の樹脂ワニスを調製
するときに溶媒に溶解し難くなり、場合によっては不溶
のメラミンホルムアルデヒド樹脂が沈殿するなどして、
ワニスの粘度調整やプリプレグの樹脂含有量をコントロ
ールし難くし、また基材への含浸のハンドリングを低下
させるという不具合を生じるからである。
【0015】第2成分について説明すると、第2成分を
構成するエポキシ樹脂は、第1成分と架橋反応する硬化
剤としての役割を果たすもので、例えばビスフェノール
A型エポキシ、臭素化ビスフェノールA型エポキシ、ノ
ボラック型エポキシ、ビスフェノールF型エポキシ等の
モノマーやポリマーを用いることができるものであっ
て、これらを単独、又は複数種を併用して使用すること
ができるものである。
【0016】上記第1成分と第2成分との混合比率は、
第1成分及び第2成分の合計量に対する第1成分の重量
比で30〜70重量%の範囲とすることが望ましいもの
である。すなわち、第1成分の比率が30重量%未満で
あると積層板の寸法安定性の低減効果が小さくなり、ま
た70重量%を越えても積層板の反りや寸法安定性の低
減効果が小さくなるからである。
【0017】上記プリプレグは、上記第1成分と第2成
分とを適当な溶媒中で混合して含浸用の樹脂組成物を含
む樹脂ワニスを調製し、これを基材に含浸し、乾燥して
不要な溶媒を除去するとともに樹脂組成物を半硬化させ
て得られる。このとき、上記第1成分と第2成分とは混
合後にプレリアクトさせて用いても構わないものであ
る。
【0018】また、この含浸用の樹脂組成物には、必要
に応じて難燃剤、硬化触媒、有機又は無機の充填材など
の各種添加剤を添加して含有させることも可能である。
この場合、難燃剤としては、例えばテトラブロモビスフ
ェノールAなどの臭素化化合物や、トリフェニルホスフ
ェートやクレジルシフェニルホスフェートなどのリン含
有化合物、アンチモンなどの無機物、そのほか公知の材
料を用いることができる。硬化触媒としては、例えばイ
ミダゾール、トリエチルアミンなどのアミン類を用いる
ことができる。また、ワニスに用いる溶媒としては、特
に限定されるものではなく、樹脂の溶解性や揮発性、取
扱性や入手容易性などを考慮して適宜選択して用いるこ
とができるものであり、例えばメチルエチルケトン、ア
セトン等のケトン類や、メタノール、エタノール等のア
ルコール類、水などの単独溶媒又は混合溶媒を用いるこ
とができるものである。
【0019】ここで、上記基材に上記樹脂組成物を含浸
するにあたっては、当該樹脂組成物を含浸させる前に、
予め上記基材に対し含浸性のよい他の樹脂組成物を基材
に含浸しておくと好ましいものである。このように基材
に他の樹脂組成物を一次含浸した後に、本発明にて用い
る樹脂組成物を二次含浸する理由としては、本発明にて
用いる樹脂組成物が第1成分である桐油変性ノボラック
型フェノールホルムアルデヒド樹脂が油分である桐油で
変性されたものであるが故に基材に対して比較的浸透し
にくく含浸性が悪いことに起因している。すなわち、積
層板においては電気特性を向上させるために樹脂含有量
を多くする事が有効であり、これに対し含浸性の低い樹
脂を基材に直接含浸させると十分な樹脂含有量を確保で
きないので、予め基材に対し含浸性のよい樹脂を一次含
浸して基材への含浸性を改善してから二次含浸すること
で十分な樹脂含有量を確保するものである。この場合、
一次含浸には、基材への含浸性がよく且つ本発明に係る
樹脂組成物と馴染みの良い樹脂組成物を用いることが望
ましく、また、この一次含浸では多くの樹脂含浸量が必
要でないことから有機溶剤や水などの溶媒で希釈された
粘度の低いワニスが用いられる。この一次含浸用樹脂組
成物としては、例えば一般に積層板用途に用いられてい
るレゾール型又はノボラック型のフェノール樹脂組成物
を用いることができるものである。
【0020】本発明の電気用積層板は、上記プリプレグ
を複数枚積層し、さらに必要に応じて銅、アルミニウ
ム、ニッケル等の金属箔を重ね合わせてプレス成形機で
加熱加圧成形することにより得ることができる。
【0021】上述したように、本発明の電気用積層板で
は、積層成形時において桐油変性ノボラック型フェノー
ルホルムアルデヒド樹脂とエポキシ樹脂とが反応して硬
化するので、レゾール型フェノール樹脂のように脱水縮
合反応を伴うことがなく、しかも、樹脂の桐油変性によ
る積層板の可塑化に加えて、樹脂硬化時の脱水縮合に起
因した硬化収縮を抑制しているので、樹脂の収縮低減効
果が大きいものとなり、その結果、積層板の反り及び寸
法安定性が改善される。
【0022】また、桐油変性ノボラック型フェノールホ
ルムアルデヒド樹脂中に存在する未反応のフェノールが
エポキシ樹脂と反応して積層板中から除去され、しかも
脱水縮合に起因する水分も発生することがないことか
ら、耐熱性も向上したものとなる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の電気用積層板を実施例として
具体的に示し、その性能の評価を行った。
【0024】−実施例1− 実施例1では、基材に一次含浸した後、本発明に係る樹
脂組成物を二次含浸してプリプレグを作製した。 一次含浸用の樹脂組成物の調製 フェノール100重量部、及びホルムアルデヒドを37
重量%含有するホルマリン70部を反応させてレゾール
型フェノール反応生成物Aを得た。一方、メラミン10
0重量部、ホルムアルデヒドを37重量%含有するホル
マリン100重量部を反応させてメラミン反応生成物B
を得た。そして、上記レゾール型フェノール反応生成物
A50部とメラミン反応生成物B50部の混合物を水と
メタノール水溶液で希釈し、固形分15%の一次含浸用
の樹脂ワニスを得た。 二次含浸用の樹脂組成物の調製 フェノール100重量部、桐油80重量部を反応させた
桐油フェノール反応物にホルムアルデヒドを添加し、酸
触媒下でノボラック化反応を行って桐油変性ノボラック
型フェノールホルムアルデヒド樹脂を得た。この桐油変
性ノボラック型フェノールホルムアルデヒド樹脂30重
量部を第1成分としてこれに対して、第2成分としてテ
トラブロムビスフェノールA型エポキシ樹脂を70重量
部添加した。さらにこの混合物にトリフェニルホスフェ
ートを上記混合樹脂の樹脂固形分に対して10重量%配
合し、さらに若干量のイミダゾールを硬化触媒として添
加し、溶剤としてメタノールを添加して二次含浸用の樹
脂ワニスを得た。 プリプレグの作製 基材として重量120g/m2 のクラフト紙を用い、こ
のクラフト紙に上記一次含浸用の樹脂ワニスを一次含浸
した後に、135℃の乾燥機で30秒乾燥し、樹脂が半
硬化した状態である一次プリプレグAを得た。この一次
プリプレグAは一次含浸用の樹脂組成物の樹脂含有量が
クラフト紙に対して15%であった。次に、この一次プ
リプレグAに上記二次含浸用の樹脂ワニスを含浸し、1
55℃の乾燥機で100秒間処理し、樹脂が半硬化した
状態であるプリプレグBを製造した。このプリプレグB
中における、樹脂の含有量は54%であった。 積層成形 次に、プリプレグBを8枚重ね、最上層及び最下層に厚
さ0.035mmの銅箔を接着剤を介して配設し、これを
圧力100kg/cm2 、温度170℃で60分間成形し樹
脂を硬化させて、厚さ1.6mmの両側に銅箔面を有した
積層板を得た。
【0025】−実施例2− 実施例1における二次含浸用の樹脂組成物のうち、第1
成分としての桐油変性ノボラック型フェノール樹脂の配
合を30重量部から50重量部に変更し、また第2成分
としてのテトラブロムビスフェノールA型エポキシ樹脂
の配合を70重量部から50重量部に変更した以外は実
施例1と同様にして積層板を得た。
【0026】−実施例3− 実施例1における二次含浸用の樹脂組成物のうち、第1
成分としての桐油変性ノボラック型フェノール樹脂の配
合を30重量部から70重量部に変更し、また第2成分
としてのテトラブロムビスフェノールA型エポキシ樹脂
の配合を70重量部から30重量部に配合した以外は実
施例1と同様にして積層板を得た。
【0027】−実施例4− 実施例2における二次含浸用の樹脂組成物のうち、第2
成分としてのテトラブロムビスフェノールA型エポキシ
樹脂50を単独で重量部を配合する代わりに、テトラブ
ロムビスフェノールA型エポキシ樹脂30重量部とフェ
ノールノボラック型エポキシ樹脂20重量部を混合配合
した以外は実施例2と同様にして積層板を得た。
【0028】−実施例5− 実施例2における二次含浸用の樹脂組成物において、桐
油変性ノボラック型フェノール樹脂とテトラブロムビス
フェノールA型エポキシ樹脂とを混合し更にプレリアク
トさせて使用した以外は実施例2と同様にして積層板を
得た。
【0029】−実施例6− 実施例4における二次含浸用の樹脂組成物において、第
1成分として桐油変性ノボラック型フェノール樹脂を単
独で50重量部用いる代わりに、桐油変性ノボラック型
フェノール樹脂にメラミンホルムアルデヒド樹脂を桐油
変性ノボラック型フェノールホルムアルデヒド樹脂の固
形重量に対して10重量%添加した混合樹脂を50重量
部用いた以外は実施例4と同様にして積層板を得た。
【0030】−実施例7− 実施例6における二次含浸用の樹脂組成物において、第
1成分でのメラミンホルムアルデヒド樹脂の添加量を1
0重量%から20重量%に変更した以外は実施例6と同
様にして積層板を得た。
【0031】−実施例8− 実施例1における二次含浸用の樹脂組成物のうち、第1
成分としての桐油変性ノボラック型フェノール樹脂の配
合を30重量部から80重量部に変更し、また第2成分
としてのテトラブロムビスフェノールA型エポキシ樹脂
の配合を70重量部から20重量部に変更した以外は実
施例1と同様にして積層板を得た。
【0032】
【比較例】実施例との比較のために、比較例として従来
配合のフェノール樹脂組成物を用いた電気用積層板を作
製し、その性能評価を行った。
【0033】−比較例1− 二次含浸用の樹脂組成物の調製は次のように行った。フ
ェノール100部、ホルムアルデヒドを37重量%含む
ホルマリン80重量部、桐油80重量部を反応させた桐
油変性レゾール型フェノール樹脂50部にエポキシ樹脂
として、テトラブロムビスフェノールA型エポキシ樹脂
を50部を添加した。その樹脂組成物にトリフェニルホ
スフェート10重量%を上記の混合樹脂の樹脂固形分に
対して配合し、若干量のイミダゾールを硬化触媒として
添加し、溶剤としてメタノールを添加して、二次含浸用
の樹脂組成物を得た。このフェノール樹脂組成物を二次
含浸に用いた以外は実施例1と同様にして、積層板を得
た。 ○性能評価 得られた実施例1〜8、及び比較例1の積層板の反り、
寸法変化率、半田耐熱性、曲げ強度、絶縁抵抗、耐トラ
ッキング性を評価した。
【0034】反りは両面にパターン印刷を行い、150
℃−30分加熱した後に4角の反り量を測定してその平
均値を求め、これを反り量とした。寸法変化率は、ディ
ラトメータを使用して横方向(基材の繊維方向と直交す
る方向)について30℃から150℃まで加熱し再び3
0℃まで冷却したときの膨張率及び収縮率を求めた。半
田耐熱性はJIS−C6481に基づき、260℃の半
田にフロートし、ふくれ発生までの時間を測定した。曲
げ強度はJIS−C6481に基づき、横方向の強度を
測定した。絶縁抵抗は、JIS−C6481に基づき、
C-96/20/65 + D-2/100の条件で測定した。耐トラッキン
グ性は、IEC法により次の様に測定した。銅箔をエッ
チングした表面に4mm離して、電極を配置し、所定電圧
を印加しながら、0.1%の塩化アンモニウム水溶液を
30秒間隔で滴下し、積層板が着火するまでの滴下数を
印加電圧を変化させながら記録した。この値から、50
滴に対応する電圧を求めた。尚、電圧は、白金及び黄銅
の両者を用いた。以上の結果を表1に示した。
【0035】
【表1】
【0036】表1に示した結果の通り、実施例1〜8は
いずれも比較例1に比べて、反り、寸法変化率、半田耐
熱性、曲げ強度が良好であった。また、第1成分にメラ
ミンホルムアルデヒド樹脂を含有させて用いた実施例6
及び実施例7では、これに加えて、絶縁抵抗、耐トラッ
キング性が良好であった。その一方、第1成分の比率が
第1成分と第2成分の合計量に対して80重量%とした
実施例8は、反り、寸法変化率、曲げ強度が、比較例1
よりは優れるものの他の実施例よりやや劣るものであっ
た。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電気用積
層板によると、反り及び寸法安定性を改善することがで
きるものである。また、これらに加えて機械強度及び耐
熱性も向上させることもできる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材に樹脂含浸してなるプリプレグを積
    層し加熱加圧成形してなる電気用積層板において、樹脂
    成分として、下記第1成分と第2成分とを反応させた樹
    脂組成物を含むことを特徴とする電気用積層板。 第1成分:桐油変性ノボラック型フェノールホルムアル
    デヒド樹脂 第2成分:エポキシ樹脂。
  2. 【請求項2】 基材に樹脂含浸してなるプリプレグを積
    層し加熱加圧成形してなる電気用積層板において、樹脂
    成分として、下記第1成分と第2成分とを反応させた樹
    脂組成物を含むことを特徴とする電気用積層板。 第1成分:メラミンホルムアルデヒド樹脂を含む桐油変
    性ノボラック型フェノールホルムアルデヒド樹脂 第2成分:エポキシ樹脂。
  3. 【請求項3】 第1成分におけるメラミンホルムアルデ
    ヒド樹脂の含有量が、桐油変性ノボラック型フェノール
    ホルムアルデヒド樹脂に対して5〜20重量%であるこ
    とを特徴とする請求項2記載の電気用積層板。
  4. 【請求項4】 上記第1成分と第2成分とを反応させた
    比率が、第1成分及び第2成分の合計量に対する第1成
    分の重量比で30〜70重量%の範囲であることを特徴
    とする請求項1乃至請求項3いずれか記載の電気用積層
    板。
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