JPH10338142A - 駆動補助付小型車両 - Google Patents

駆動補助付小型車両

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JPH10338142A
JPH10338142A JP9150910A JP15091097A JPH10338142A JP H10338142 A JPH10338142 A JP H10338142A JP 9150910 A JP9150910 A JP 9150910A JP 15091097 A JP15091097 A JP 15091097A JP H10338142 A JPH10338142 A JP H10338142A
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千三 久徳
Junichi Kurokawa
潤一 黒川
Yoshito Hayashi
義人 林
Masaki Kyo
昌喜 姜
Katsumi Miyata
克巳 宮田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 操作者により加えられる操作力の大きさと方
向に応じて加えられる補助的駆動力を、操作者の操作の
状況に応じてオフして安全性を保つことができる駆動補
助付小型車両を提供する。 【解決手段】 小型車両に取り付けられ、前進方向にあ
る障害物を検出する障害物検出部16と、小型車両に取
り付けられ、車両の持ち上げ状態を検出する持ち上げ力
検出部17と、モータ制御部50に設けられ、障害物検
出部16からの出力に基づき、補助的駆動力のうち前進
方向の補助的駆動力をオフにし、後進方向の補助的駆動
力をオンしたままとする第1スイッチ68及び持ち上げ
力検出部17からの出力に基づき、補助的駆動力の全て
をオフにする第2スイッチ69とを有する切換部53と
を備える構成にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、操作者の操作力
に応じた補助的駆動力を発生し、人力による運搬を補助
する駆動補助付小型車両に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、人力による運搬に利用される
運搬用小型車両の中には、バッテリー電源や電動モータ
等を具備し、人力による操作を補助して操作者の労力を
軽減するため、電動モータ等に補助的駆動力を出力させ
るようにしたものがある。
【0003】そして、この種の小型車両にあっては、該
車両による運搬の状況に応じて、補助的駆動力の出力が
制御されるようになっている。例えば、該小型車両を登
り坂を前進しながら押し上げていく場合と、平坦路を押
していく場合とでは、該車両に加えるべき操作力は異な
る。そのため、該車両のハンドル等の操作部に加えられ
る操作者の操作力を検出し、この操作力に応じた補助的
駆動力を発生させるようになっている。例えば登り坂を
前進する場合には、操作者が操作部を強く押すため、大
きな操作力に応じた大きな補助的駆動力を発生させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、小型車両が
走行する走行面は平坦で障害物がないとは限らない。例
えば操作者が前進方向への注意を怠り、障害物に衝突す
ることがある。この場合、障害物に人力+補助的駆動力
が加わり危険度が増すという問題が生じる恐れがある。
また、通常のカートと同様に扱える小型車両であると、
車道から歩道を移るときのように段差を乗り越えるとき
には、小型車両の前輪又は後輪を持ち上げる動作を行う
ことがある。この場合、駆動輪が空転し、空転に伴う飛
散物で操作者の服を汚したり、空転部分に服が巻き込ま
れたりする恐れがある。
【0005】そこで、本発明は、操作者により加えられ
る操作力の大きさと方向に応じて加えられる補助的駆動
力を、操作者の操作の状況に応じてオフして安全性を保
つことができる駆動補助付小型車両を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明のうち請求項1記載の発明は、操作者により加えられ
る操作力の大きさと方向に応じて、前進方向の補助的駆
動力又は後進方向の補助的駆動力を、駆動車輪に連結さ
れる電動モータに発生させるモータ制御部と、前記小型
車両に取り付けられ、前進方向にある障害物を検出する
障害物検出部と、前記モータ制御部に設けられ、前記障
害物検出部からの出力に基づき、前記補助的駆動力のう
ち前進方向の補助的駆動力をオフにし、後進方向の補助
的駆動力をオンしたままとする切換部と、を備える駆動
補助付小型車両である。
【0007】請求項2記載の発明は、操作者により加え
られる操作力の大きさと方向に応じて補助的駆動力を、
駆動車輪に連結される電動モータに発生させるモータ制
御部と、前記小型車両に取り付けられ、車両の持ち上げ
状態を検出する車輪浮き検出部と、前記モータ制御部に
設けられ、前記車輪浮き検出部からの出力に基づき、前
記補助的駆動力をオフにする切換部と、を備える駆動補
助付小型車両である。
【0008】請求項3記載の発明は、操作者により加え
られる操作力の大きさと方向に応じて、前進方向の補助
的駆動力又は後進方向の補助的駆動力を、駆動車輪に連
結される電動モータに発生させるモータ制御部と、前記
小型車両に取り付けられ、前進方向にある障害物を検出
する障害物検出部と、前記小型車両に取り付けられ、車
両の持ち上げ状態を検出する車輪浮き検出部と、前記モ
ータ制御部に設けられ、前記障害物検出部からの出力に
基づき、前記補助的駆動力のうち前進方向の補助的駆動
力をオフにし、後進方向の補助的駆動力をオンしたまま
とするとともに、前記車輪浮き検出部からの出力に基づ
き、前記補助的駆動力の全てをオフにする切換部と、を
備える駆動補助付小型車両である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図面を用いて
説明する。まず、本発明にかかる駆動補助付小型車両
(以下、「小型車両」という)の全体的な構成を、図2
に基づいて説明する。図2は、小型車両の一構成例の斜
視図である。図2に示される小型車両1は、車体カバー
4に覆われる車両本体2と、ハンドル5等とからなる操
作部3とを備えて構成される。
【0010】車体カバー4は、電動モータやその制御装
置等の小型車両1に備わる装備をその内部に覆うための
部材であるが、その上部は運搬物を載置するための搬送
台となっている。また車体カバー4のハンドル5の近傍
には操作パネル(設定器)7が設けられている。操作部
3の一部としてのハンドル5は、車体カバー4内の図示
されない結合部材8を介して車両本体2のフレーム構造
に連結されている。このハンドル5は左右が対称をなす
コ字状形状になっている。
【0011】車両本体2には、ハンドル5に近い側であ
って進行方向と直交する左右方向に、第1駆動車輪11
と第2駆動車輪12が取り付けられている。なお、13
はハンドル5から離れた側に位置する旋回自在なフリー
の車輪であって1個又は2個が車両本体2に取り付けら
れている。
【0012】第1,第2駆動車輪11,12は、自動車
の差動トランスの如き歯車機構14に接続され、旋回可
能になっている。歯車機構14には、電動モータ15が
連結されている。電動モータ15は、永久磁石界磁モー
タ等の如くバッテリーを電源としトルク制御の可能なも
のであればよい。
【0013】また、車両本体2の前方のバンパーには障
害物との当接を検出する接触型センサ(障害物検出部)
16が取り付けられ、車両本体2の底面であって前後車
輪の間に走行面との距離を図る距離センサ(車輪浮き検
出部)17が取り付けられている。
【0014】図1は、前述した小型車両に搭載される制
御機器のブロック図である。図において、制御ブロック
は、操作力検出部6と、設定器7と、障害物検出部16
と、車輪浮き検出部17と、モータ制御部50、電源7
0と、回転計71とを主要機器として構成される。
【0015】操作力検出部6には、コ字状のハンドルに
加えられる操作力をハンドルの左右位置で検出するポテ
ンションメータの如き左検出器及び左検出器からの出力
PR,VPLが入力される。この操作力検出部6は、ハン
ドルの左右位置の操作力に応じた電圧VPR及びVPLの入
力を受けると、出力VPR及びVPLの大小から操作力の大
きさを判定し、出力VPR及びVPLの正負から操作力が作
用する前後方向を判定し、出力VPR及びVPLの差から旋
回させようとする状態を判定する。なお、左右の第1,
第2駆動車輪11,12を一つの電動モータ15で駆動
する場合には、出力VPR及びVPLの平均値の正負とその
絶対値から、操作力が作用する前後方向とその大きさを
判定するようになっている。
【0016】設定器7は、検出された操作力に対する補
助的駆動力の比率を例えば大中小に設定するための信号
をアシスト比演算部51に出力するものである。例え
ば、登り坂の場合には、補助的駆動力の比率を大に設定
し、平坦路の場合には、補助的駆動力の比率を小に設定
する。
【0017】モータ制御部50は、アシスト比演算部
(補助的駆動力演算部)51と、切換部52と、フィー
ドバック制御部53、モータ用ドライバ54とからな
る。補助的駆動力演算部51は、操作力検出部6からの
操作力に関する出力及び設定器7からの設定に関する出
力を基にして、例えば操作力の1/2に相当する補助的
駆動力を発生させるためのトルク指令値τを減算器61
に出力する。
【0018】切換部52は、トルク指令値τの正成分分
離部66と、トルク指令値τの負成分分離部67と、第
1スイッチ68と、第2スイッチ69とからなる。第1
スイッチ68は、正成分分離部66からの出力だけをオ
ンオフする機能を有する。この第1スイッチ68は通常
はオンの状態にあるが、障害物検出部16が前方の障害
物を検出するとオフに切り換わり、前進方向の補助的駆
動力に相当する出力信号の正成分だけをカットする。
【0019】第2スイッチ69は、正成分分離部66と
負成分分離器67との合成の出力をオンオフする機能を
有する。この第2スイッチ69は通常はオンの状態にあ
るが、車輪浮き検出部17が車輪の浮き状態を検出する
とオフに切り換わり、前進又は後進に係わらず補助的駆
動力の全体に相当する出力信号をカットする。
【0020】フィードバック制御部53は、減算器61
と、比例制御部62、PWM比率変換部63と、駆動力
換算部64と、電圧変換部65とからなる。減算器61
は、切換部52を経て入力されたトルク指令値τと、後
述する電圧変換器65の出力値との差をとるものであ
る。比例制御部62は、減算器61の出力に対して比例
制御を行う。PWM(Pulse Width Modulation)比率変換
部63は、比例制御部62の出力に応じてパルス幅変調
信号の変調比を変化させる。
【0021】駆動力換算部64は、電動モータ15へ供
給される電流を検出して、第1,第2駆動車輪11,1
2の駆動力値に換算し、電圧変換部65に出力する。電
圧変換部65は、駆動力換算部64から出力された駆動
力値に応じた電圧に変換して減算器61へ出力する。
【0022】モータ用ドライバ54は、PWM比率変換
部63から出力されるパルス幅変調信号に基づいて、電
源70から電動モータ15へ供給される電流を制御す
る。また、補助的駆動力演算部51からのトルク指令値
τの正負で電動モータ15へ供給される電流の方向を制
御する。
【0023】回転計71は、電動モータ15の回転数を
検出し、例えば所定値以上の高速になるとアシスト比
(操作力に対する補助的駆動力の比率であって、普通は
1未満の数字)を低下させる指令を補助的駆動力演算部
51が出力する場合に使用される。
【0024】つぎに、上述した小型車両の動作について
説明する。図3は、矢印aの直進において操作者が前方
の注意を怠り、障害物Sに衝突した場合を示している。
車両前方に取り付けれた接触型センサ16が障害物Sを
検出すると、操作者の操作力が依然として前方に向かっ
ていても、切換部52の第1スイッチ68(図1参照)
がオフになって、前進方向の補助的駆動力はゼロになっ
て、操作者の前方の操作力だけになる。操作者が障害物
Sに気づくと直ぐに後進させようとするのが普通であ
る。接触型センサ16が障害物Sを検出する状態が続い
ても、切換部52の第2スイッチ69(図1参照)がオ
ンのままであるため、後進方向の補助的駆動力は直ちに
作用させることができる。そのため、障害物Sには人力
以上の力が加わらず、速やかに退避するための後進方向
には補助的駆動力が加わる。なお、障害物検出部は、接
触型センサ16に限らず、非接触型センサで近距離の障
害物を検出するものであってもよい。
【0025】図4は、小型車両の進行方向に凹凸がある
場合の操作を示している。図4(a)は、前進方向の走
行面に凹部Vがある場合を示している。操作者9はハン
ドル5を押し下げ、車両本体2の前方を後輪11,12
を支点として持ち上げ、凹部Vを乗り越える。このと
き、車輪浮き検出部としての距離センサ17が作動し、
切換部52の第2スイッチ69(図1参照)がオフとな
って、補助的駆動力の全てがゼロになって、操作者9の
操作力だけで小型車両を自在に操作する。前輪13が凹
部Vを乗換え、車体本体2が水平になると、切換部52
の第2スイッチ69(図1参照)がオンとなって再び補
助的駆動力が付加される。つぎに、後輪11,12が凹
部Vにさしかかると、操作者9はハンドル5を引き上
げ、車体本体2の後方を前輪13を支点として持ち上げ
る。すると、距離センサ17が再び作動し、切換部52
の第2スイッチ69(図1参照)がオフとなって、補助
的駆動力の全てがゼロになる。そのため、駆動輪11が
補助的駆動力によって空転することが防止される。
【0026】図4(b)は、後進方向の走行面に凸部W
がある場合を示している。この場合も図4(a)と同様
に、車両本体2の前後の持ち上げ動作が行われ、車輪が
浮き上がると補助的駆動力の全てがゼロになる。なお、
距離センサ17を距離が大きすぎても小さすぎても作動
しないような上限及び下限を有するものにすると、凹部
Vや凸部Wで距離センサ17が作動しないようにするこ
とができる。また、補助的駆動力のオフ後のオン時に、
急激な補助的駆動力で車輪がスリップしないように、ト
ルク又は回転を徐々に増やすソフトスタート制御をモー
タ制御部50に組み込むこともできる。
【0027】次に、ハンドルの左右に異なる力が作用し
た場合の操作力を別々に検出する操作部3の機構の一例
を図5により説明する。図5(a)がハンドル5の周辺
についての上面図を示しており、図5(b)は側面図で
ある。
【0028】操作部3は、中心軸45に対して対称をな
す左側部分と右側部分とからなっている。操作部3は、
操作者による操作力が加えられるハンドル5と、ハンド
ル5の両端より延在して備えられるポテンショメーター
30と、ハンドル5とポテンショメーター30とが組み
込まれるように設けられる結合部材8とを備えて構成さ
れる。
【0029】結合部材8は、複数本のボルト41・・4
1により所定の間隔を保って向かい合うように固定され
る2枚の平板28と29とによって構成される。平板2
8、29の左右の両側には所定の径からなる孔が形成さ
れており、ハンドルシャフト5aと、ハンドルシャフト
5aの先端より延在するように備わるポテンショメータ
ー30とを組み込めるようになっている。また、結合部
材8は、図示されない車体フレームに結合される構造に
なっている。
【0030】ハンドル5は同径からなる円筒をコ字状に
湾曲させた形状をしているが、その両端にはハンドル5
に延在するようにハンドルシャフト5aが備わってい
る。ハンドルシャフト5aには、その外周に二つのスプ
リング21、22が設けられており、スプリング21と
22とはスプリングピン23によって仕切られている。
スプリング21、22のピン23に対する他端側は、ス
ナップリング24、25により固定されている。バネ2
1を固定するスナップリング24は、固定スペーサ26
によりハンドルシャフト5aに対して固定されている。
そして、スナップリング25は、スペーサ27により平
板28に対して所定の位置に固定され、また、ハンドル
シャフト5aに対して相対的に移動できるようになって
いる。そして、ハンドル5に操作力が加えられない状態
では、バネ21、22は自然長の状態にあり、シャフト
5aの前後方向の位置は中立位置O−O’にある。
【0031】ポテンショメーター30は、ハンドル5に
対する操作方向と操作力とを検知する部材であり、所謂
リニア型ポテンショメーターが用いられている。ポテン
ショメーター30は、ハンドル5の右側部分と左側部分
に各一つずつ設けられている(以後、2つのポテンショ
メーターに対応して右側部分と左側部分とを区別する必
要があるときは、右側に設けられるポテンショメーター
を30R、左側に設けられるものを30Lと表す)。ポ
テンショメーター30は、これに備わる偏位子30aが
ハンドル5の操作に伴うシャフト5aの動きに対応して
矢印31に示されるように前後方向に動くことができ、
この偏位子30aの動きに対応して、内部の電気抵抗値
が変化する。
【0032】操作者によるハンドル5の操作とこれに対
するポテンショメータ30の動きとの関係は以下の通り
である。ハンドル5が32に示すように前進方向へ押す
ように操作されると、スプリング21、22が収縮しつ
つ、ハンドルシャフト5aが中立位置O−O’より前進
方向へ移動する。そして、左右のシャフト5aの動きに
対応して偏位子30aが動き、ポテンショメーター30
の内部の抵抗値は、シャフト5aの位置に対応するもの
になる。これにより、ポテンショメーター30の内部の
抵抗値は、ハンドル5に加えられる操作方向の操作力に
対応する値となる。
【0033】また、ハンドル5に加えられる操作が後進
方向への引くような操作である場合にも、スプリング2
1、22が伸長しつつ、左右のシャフト5aの後進方向
への動きに対応して偏位子30aが動き、ポテンショメ
ーター30の内部の抵抗値は、ハンドル5に加えられる
操作方向の操作力に対応する値となる。
【0034】小型車両1を旋回させるように、ハンドル
5に旋回方向の操作力が加えられる場合について説明す
る。ハンドル5に対する前進方向への押すような操作
を、例えばハンドル5の左側部分に対する操作力が右側
部分に対する操作力よりも大きくなるように加えると、
小型車両1を前進させつつ右方向へと旋回させることが
できる。かかる操作力がハンドル5に対して加えられる
と、ハンドルシャフト5aは中立位置より前進方向に位
置し、かつ左側のシャフト5aが右側のシャフト5aよ
りも前に位置することになり、かかる左側のシャフトと
右側のシャフトの前後方向の相対的な位置の違いに対応
して旋回方向が決まることになる。即ち、左側のシャフ
トと右側のシャフトと中立位置O−O’により形成され
る角度θが小型車両の旋回角度に対応する。また、左右
に設けられるポテンショメーター30R、30Lの抵抗
値は、各々に左右のシャフト5aの位置に対応する値と
なる。このようにして、操作部3に作用する左右の操作
力を独立して検出することができる。
【0035】左右の操作力を独立して検出する操作部3
を用いる場合には、図1のモータ制御部と電動モータを
左右の車輪の各々に対して設け、左右の車輪の補助的駆
動力を異ならせて、旋回補助を行うこともできる。
【0036】図6は、車輪の浮き状態を検出できる操作
部の構造を示す。図6(a)は上面図、図6(b)は側
面図である。この操作部71は、両端が握りになったハ
ンドルバー72と、ハンドルバー72の中央に下向きに
取り付けられたL字部材73と、L字部材73の折れ曲
がり部分にある支点73aでL字部材73を前後方向に
揺動可能に支持する第1台座74と、第1台座74の底
から突設されたピン75で第1台座74を水平面内旋回
可能に支持する第2台座76と、第2台座76の前方の
ピン77で第2台座76の全体を上下揺動可能に支持す
る第3台座78と、ハンドルバー72に加わる前後方向
操作力に応じて支点73aにより前後方向に揺動するL
字部材73の姿勢を中立位置に保持する前後方向付勢手
段79及び前後方向操作力に応じた変位を検出するため
のポテンションメータ等の前後方向変位検出手段80、
第2台座76に対する第1台座74の左右方向位置を中
立位置に保持する左右方向付勢手段81及び操作力に応
じた左右方向変位を検出するためのポテンションメータ
等の左右方向変位検出手段82、第2台座76の第3台
座78に対する上下位置を中立位置に保持する上下方向
付勢手段84及び上下位置の所定以上の変動により作動
するリミットスイッチ等の位置検出器84とからなって
いる。なお、第3台座78は図示されない車体フレーム
に固定的に結合される。
【0037】ハンドルバー72に作用する前後方向の操
作力は、前後方向付勢手段79に抗するL字部材73の
前後方向揺動に変換され、その揺動の程度が前後方向変
位検出手段80で検出される。ハンドルバー72に作用
する左右方向の旋回にかかる操作力は、左右方向付勢手
段81に抗する第1台座71の水平面内旋回に変換さ
れ、その旋回の程度が左右方向変位検出手段82で検出
される。これらにより、進行方向にかかる前後の操作力
の方向と大きさ、及び、旋回させようとする操作力に相
当する左右の操作力の方向と大きさが検出できる。段差
の乗り越え時にハンドルバー72を押し引きして車輪を
浮き上がらせると、上下方向付勢手段83に抗する第2
台座76の動きに変換されて位置検出器84がこの動き
を検出する。これにより、車輪の浮き状態も検出でき
る。
【0038】図7は、車輪の浮き状態を検出する他の構
成を示す。車両本体の後部に位置する駆動車輪11,1
2の歯車機構及び電動モータ等の関連部品は、駆動輪ユ
ニット91として一体になっている。この駆動輪ユニッ
ト91は、車体フレーム18の水平部分に対して、バネ
付きボルト92を介して上下方向可動に取り付けられて
いる。車体フレーム18の後部を持ち上げると、バネ付
きボルト92のバネが縮んで、リミットスイッチ等の位
置検出器93が作動する。また、車両本体の前部に位置
する車輪13の軸受等の関連部品は、従動輪ユニット9
3として一体になっている。この従動輪ユニット93
は、車体フレーム18の水平部分に対して、バネ付きボ
ルト94を介して上下方向可動に取り付けられている。
車体フレーム18の後部が持ち上げると、バネ付きボル
ト94のバネが縮んで、リミットスイッチ等の位置検出
器95が作動する。これら位置検出器93,95によ
り、車輪の浮き状態が検出できる。
【0039】なお、本件発明の範囲外であるものの、車
両本体を持ち上げて車輪が浮かないようなハンドル構造
にすることで、駆動輪の空転を防止することもできる。
このようなハンドル構造としては、前後方向の押し引き
に耐えるものの、上下方向の力が作用すると折れ曲がっ
てしまうようなものが考えられる。
【0040】
【発明の効果】本発明にかかる請求項1又は3記載の発
明によると、車両本体が人や物のような障害物に接触し
た場合、前進方向の補助的駆動力を切り、人力以上の力
が加わらないようにしたので、誤って人や物に接触して
も安全である。また誤って人や物に接触してもブレーキ
を掛けるのではなく、操作者が気づいて後進させようと
する操作力に応じた補助的駆動力が作用するようになっ
ているので、速やかに車両本体を退避させることができ
る。
【0041】請求項2又は3記載の発明によると、車道
から歩道を移るときや溝を乗り越えるときには、スムー
ズな乗り越えになるように、車体本体を持ち上げるが、
この持ち上げ状態を自動的に検出して、補助的駆動力の
全てを切るので、駆動輪が空転することなく、空転に起
因する飛散物付着や空転車輪の接触による擦りむきや衣
服巻き込みを防止できるので安全である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる駆動補助付小型車両の制御系の
ブロック構成を示す図である。
【図2】駆動補助付小型車両の斜視図である。
【図3】駆動補助付小型車両の障害物接触時の作動を示
す図である。
【図4】駆動補助付小型車両に段差乗り越え時の作動を
示す図である。
【図5】駆動補助付小型車両の操作部を示す図である。
【図6】駆動補助付小型車両の他の操作部を示す図であ
る。
【図7】駆動補助付小型車両の他の車輪浮き検出部を示
す図である。
【符号の説明】
1 小型車両 2 車両本体 3 操作部 5 ハンドル 11 第1駆動車輪 12 第2駆動車輪 15 電動モータ 16 接触型センサ(障害物検出部) 17 位置センサ(車輪浮き検出部) 50 モータ制御部 51 アシスト比演算部(補助的駆動力演算部) 52 切換部 53 フィードバック制御部 54 モータ用ドライバ
フロントページの続き (72)発明者 姜 昌喜 三重県伊勢市竹ヶ鼻町100番地 神鋼電機 株式会社伊勢事業所内 (72)発明者 宮田 克巳 三重県伊勢市竹ヶ鼻町100番地 神鋼電機 株式会社伊勢事業所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操作者により加えられる操作力の大きさ
    と方向に応じて、前進方向の補助的駆動力又は後進方向
    の補助的駆動力を、駆動車輪に連結される電動モータに
    発生させるモータ制御部と、 前記小型車両に取り付けられ、前進方向にある障害物を
    検出する障害物検出部と、 前記モータ制御部に設けられ、前記障害物検出部からの
    出力に基づき、前記補助的駆動力のうち前進方向の補助
    的駆動力をオフにし、後進方向の補助的駆動力をオンし
    たままとする切換部と、 を備える駆動補助付小型車両。
  2. 【請求項2】 操作者により加えられる操作力の大きさ
    と方向に応じて補助的駆動力を、駆動車輪に連結される
    電動モータに発生させるモータ制御部と、 前記小型車両に取り付けられ、車両の持ち上げ状態を検
    出する車輪浮き検出部と、 前記モータ制御部に設けられ、前記車輪浮き検出部から
    の出力に基づき、前記補助的駆動力をオフにする切換部
    と、 を備える駆動補助付小型車両。
  3. 【請求項3】 操作者により加えられる操作力の大きさ
    と方向に応じて、前進方向の補助的駆動力又は後進方向
    の補助的駆動力を、駆動車輪に連結される電動モータに
    発生させるモータ制御部と、 前記小型車両に取り付けられ、前進方向にある障害物を
    検出する障害物検出部と、 前記小型車両に取り付けられ、車両の持ち上げ状態を検
    出する車輪浮き検出部と、 前記モータ制御部に設けられ、前記障害物検出部からの
    出力に基づき、前記補助的駆動力のうち前進方向の補助
    的駆動力をオフにし、後進方向の補助的駆動力をオンし
    たままとするとともに、前記車輪浮き検出部からの出力
    に基づき、前記補助的駆動力の全てをオフにする切換部
    と、 を備える駆動補助付小型車両。
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