JP2019137531A - ピッキングカート - Google Patents
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Abstract
Description
この種のピッキングカートでは、ピッキング量や対象物品に応じて、ピッキングカートの自重が重くなり、それに伴い、ピッキング作業者の負担が大きくなるという問題があった。そのため、荷物が載置される台車に車輪を駆動するモータ、モータを回転させるバッテリー、モータの駆動トルクを制御する制御装置などを搭載し、作業者がピッキングカートを操作するハンドルに、作業者の操作力を検出するためのセンサーを設け、制御装置がセンサーからの出力信号に応じてモータの駆動力を制御するピッキングカートが知られている。
ピッキング(回収)の場合、ピッキングカートに載置されたコンテナには何もない状態から作業を開始し、ピッキング量に基づいて徐々にカート全体の質量が増大していくが、ソーティング(分配)の場合は、コンテナに分配すべき商品が載置された状態から作業を開始するので、作業開始時が最も高負荷状態となっており、ソーティング作業を進めるうちに、コンテナ上の商品が減り、作業終了後には無負荷の状態となる。
ピッキングカート30は、図1に示す管理装置10から通信にて図2に示すようなピッキング指示情報を受信する。作業者はピッキングカート30の表示部に表示されるピッキング指示情報に基づいてバーコードを読み取りピッキングを行う。ここで物品のバーコードを読み取る理由はピッキング指示情報と異なる物品をピッキングしていないか否かを判断するためのものであり、誤ピッキングを防ぐための操作となる。
さらに、当該ピッキング操作の精度を高めるために、第2実施形態に示すように、ピッキングカート30に計量部(秤)316〜319を設け、ピッキング指示情報通りの物品がピッキングされているか否かをあらかじめ記憶された質量情報と比較することにより、誤ピッキングを防ぐことを実現している。特に同じ物品を複数個ピッキングする場合に効果を発揮する。
図1に示す管理装置10は、「〇〇店」からの注文に基づいて図2に示すようなピッキング指示情報を生成する。〇〇店からの注文は物品名称と数量(とJANコード)とからなる。管理装置10は当該注文に基づいて、当該ピッキングシステムで管理・記憶されている物品マスター情報から他の情報を紐づける。例えば「商品AAAを2個」という注文情報を受け付けると、この商品名やJANコードに基づいて物品マスター情報を参照し、「単位質量」や「保管場所」、「収納場所」の情報を付加する。
このように単位質量や保管場所も含めたピッキング指示情報は、図1に示すような各ピッキングカート30−1〜30−nに備えられる表示部にピッキング指示としてデータ送信される。
はじめに、作業者はピッキングカート30にコンテナを載置する。コンテナ番号を(1)〜(4)とし、ピッキングされた物品はいずれかのコンテナ内に載置される。次に指示番号1の情報が表示され、物品AAAが保管場所「保存食品棚A−10」にあることがピッキングカート30の表示部に指示として表示される。作業者はこの指示情報に従って、「保存食品棚A−10」の位置までピッキングカート30を搬送する。ピッキング倉庫などにはこのような部門ごとの棚が無数に設けられ、さらに棚には仕切りが設けられ1棚で何種もの物品が保管されているので、棚の中を細かく仕切る番地(−10が番地)が付されている。
これを繰り返し、指示番号6までの物品のピッキングが完了すると、管理装置10へ作業完了の旨を通知し、またピッキングされたコンテナに作業完了を示すラベルをピッキングカート30から印刷し、コンテナに貼付する。ラベルには〇〇店様の名称やバーコード情報、ピッキング内容や質量などが印刷される。(当該ラベルを作業指示受信直後に印刷し、貼付する場合もある)。この完了コンテナをトラックヤードに続くベルトコンベアへ載置することで作業完了となる。これが完了すると、新しいピッキング指示情報を受信し、新しいピッキン作業を開始することとなる。
そのため、本発明のピッキングカート30においては、上記の長短に鑑み、一方向に進行可能な車輪は安定性に優れていることを考慮して、前輪311および後輪310を進行方向ないし逆方向などの多方向に回動可能な車輪とするが、駆動輪312は一方向に進行可能な車輪とした。つまり、本発明では、進行方向ないし逆方向などの多方向に回動可能な2つの前輪310と2つの後輪311と、前後一方向に進行可能な1つの駆動輪312とを配備することにより、上記の両メリットを実現し、小回りが効き、かつ安定性のある搬送を可能とした。
ピッキングカート30は、図4に示すように、CPU320、RAM321、ROM322、第1表示部306、第2表示部307、バッテリー313を充電するための充電電源部323、通信部324、スキャナー325、プリンタ326、およびスピーカ部327などを備えている。CPU320は、各種判断、演算を実行し、ピッキングカート30に係る特定部314や制御部315における種々の機能を実現する。RAM321にはCPU320によって読み出されたデータ、ピッキング指示情報やCPU320が処理を行う上で利用するフラグやレジスタなどを記憶する。ROM322には、CPU320を動作させるためのプログラムが記憶されている。なお、表示部(第1表示部306および第2表示部307)には、通信部324を介して受信したピッキング指示情報等が表示される。
作業者により、ピッキングカート30の第1表示部306に表示されたピッキング指示情報に基づいて、ピッキング作業が開始される。ピッキング作業により、各載置部301〜304に設けられたコンテナ31に物品が搭載される。
特定部314では、ピッキング指示情報に基づいて入力された物品の質量が特定される。次に、物品が搭載されたピッキングカート30を矢印A方向に進めようとして、ハンドル305を操作すると、ハンドル305に設けられた制御すべきとの要求を検出する検出部(図10)とピッキングカート30の搬送方向(前進方向)とを検出する検出部(不図示)とにおける検出結果に基づいて、制御部315は、特定部314において特定された特定値に基づいてピッキングカート30が荷重の大きさに応じて停止している状態などから所定の補助時間、矢印A方向に、補助部の補助を制御する。つまり、制御部315は、ピッキングカート30の搬送を停止している状態などから搬送を開始しようとする際、ピッキングカート30が停止している状態などから所定の補助時間、矢印A方向に、駆動輪312を駆動する。前記補助時間の経過後は、補助部の補助は停止され、駆動輪312による駆動はなくなるが、所定の速度に至ったピッキングカート30は人力で容易に搬送することが可能となる。
ピッキングカート30は、図4に示したブロック図と比べて、第1計量部316、第2計量部317、第3計量部318、第4計量部319が付加されている点で相違する。また、CPU320は、各種判断、演算を実行すると共に、ピッキングカート30に係る特定部314、計量部316〜319や制御部315における種々の機能を実現する。その他の構成および機能は、図4に示したものとほぼ同じであるので、説明を省略する。
作業者により、ピッキングカート30の第1表示部306に表示されたピッキング指示情報に基づいて、ピッキング作業を開始する。ピッキング作業により、特定部314ではピッキング指示情報に基づいて入力された物品の質量が特定され、計量部316〜319ではピッキング指示情報に基づいてコンテナ31に搭載された物品の質量が計量される。物品が搭載されたピッキングカート30を矢印A方向またはその逆方向に進めようとして、ハンドル305を操作すると、ハンドル305に設けられた制御すべきとの要求を検出する検出部(図10)とピッキングカート30の搬送方向(前進方向または後進方向)とを検出する検出部(不図示)とにおける検出結果に基づいて、特定部314においてピッキング指示情報に基づいて入力された物品の質量が特定されると共に、計量部316〜319において物品の質量が計量される。次いで、比較部328において、特定部314においてピッキング指示情報に基づいて特定された物品の質量からなる理論的特定値と、計量部316〜319において計量された物品の計量特定値とが比較される。制御部315は、比較部328における比較結果に所定の差異があると認められた場合は、補助部の補助を禁止するように制御する。
ピッキングカート30は、図7に示すように、上下2段に仕切られ、各段には複数の計量部が設けられている。具体的には、下段後部には第1計量部316、下段前部には第2計量部317、上段後部には第3計量部318、上段前部には第4計量部319がそれぞれ設けられている。各計量部316〜319には、同一の物品(同一の物品識別情報の物品)を1個または複数個収容するコンテナ31が搭載されている。なお、図7においては各載置台にそれぞれ計量部316〜319を設けたが、図示されていないが、ピッキングカート30の1つの載置台に1つの計量部を設け、他の載置台には計量部を設けないで、各載置台に載置された物品が搭載されたコンテナ31の質量を前記1つの計量部で逐次計量するようにしてもよい。また、図示されていないが、各載置台にそれぞれ計量部316〜319を設けるが、例えば、計量部全体の質量として質量の大きい物品が1つの計量部に集中するような場合、その1つの計量部の計量値をもって、補助部の補助の算出に係る計量特定値として利用するようにしてもよい。
作業者により、ピッキングカート30の第1表示部306に表示されたピッキング指示情報などに基づいて、ピッキング作業を開始する。ピッキング作業により、各計量部316〜319に設けられたコンテナ31には物品が搭載される。計量部316〜319では、ピッキング指示情報に基づいてコンテナ31に搭載された物品の質量が計量される。次に、物品が搭載されたピッキングカート30を矢印A方向またはその逆方向に進めようとして、ハンドル305を操作すると、ハンドル305に設けられた制御すべきとの要求を検出する検出部(図10)とピッキングカート30の搬送方向(前進方向または後進方向)とを検出する検出部(不図示)とにおける検出結果に基づいて、制御部315は、計量部316〜319において計量された計量値に基づいてピッキングカート30が停止している状態などから所定の補助時間、矢印A方向に、補助部の補助を制御する。つまり、ピッキングカート30が停止している状態などから搬送を開始しようとする際、ピッキングカート30が停止している状態などから所定の補助時間、矢印A方向またはその反対方向に、駆動輪312を駆動する。前記補助時間の経過後は、補助部の補助は停止され、駆動輪312による駆動はなくなるが、所定の速度に至ったピッキングカート30は人力で容易に搬送することが可能となる。
停止しているピッキングカート30の搬送を開始してから所定の補助時間、つまり、ピッキングカート30の搬送を停止している状態などから搬送を開始しようとする際、計量部316〜319における計量値に基づいてピッキングカート30が停止している状態などから所定の補助時間、補助部による補助、つまり駆動輪311を駆動する。この補助時間の経過後は、ピッキングカート30は所定の速度に達しているので、作業者のピッキングカート30の搬送の負担は軽減されており、補助部の補助を停止することにより、バッテリー313における消費電力の消耗を軽減することができる。
ここで、補助力とは、例えば、10kgの負荷が積載された状況で、10kgの補助力で補助が実行されると、10kgの負荷が積載される前の負担でピッキングカートを操作できることを意味する。
補助時間とは、あらかじめ決められたピッキングカートの駆動を補助する時間である。例えば、補助時間が3秒と設定されている場合は、この時間を超えると全ての補助条件が整っている場合であっても補助は実行されない。これによって不要な加速による危険を回避できるとともに、バッテリーの消耗を回避することができる。なお、補助時間は状況に応じて可変可能である。
また、複数のピッキングカートが一箇所に集中していると判断された場合には、補助実行を禁止するように制御する。前記判断はピッキングカートに設けられたセンサーによる検出結果でも、また管理装置による監視結果によるものでも構わない。管理装置は、ピッキング指示情報も生成しているので、渋滞を予測することもでき、このようにピッキング指示情報からも渋滞を予測し補助を禁止できる。また、予め棚間隔などが狭いと分かっている場合には、補助禁止エリアとして、当該エリアでの補助実行を禁止するようにしてもよい。
また、例えば、バッテリー残量が5%を下回っていることを特定した場合には、補助制御は実行しないという、バッテリー残量に基づく補助禁止制御手段を設けてもよい。
また、ピッキングカートがラベルを発行している最中は補助を禁止する補助禁止制御手段を設けることもできる。これは、ラベル印刷や補助実行はバッテリーにとっては瞬間的に大きな負荷となるため、このような大きな負荷が同時に進行してバッテリーにかかる負担が大きくならないように制御するためである。
なお、駆動輪312の駆動源としては種々のモータが可能であるが、本発明では、ブラシレスモータを採用している。このモータは長寿命という利点があるとともに、後述する検出部を備えているため、本発明には適したモータである。
搬送方向を検出する検出部として、ホール素子を利用しない場合には、ジャイロなどを用いて、ピッキングカート30の搬送方向や移動速度を検出することもできる。ホール素子の利点は、ブラシレスモータに組み込まれたセンサーであるため、モータとは別のセンサーを設けなくてよいというコスト面や制御面で効率的といえる。
10 管理装置
30、30−1、30−2、・・・30−n ピッキングカート
301〜304 載置台
305 ハンドル
306 第1表示部
307 第2表示部
308 台車
309 ピッキングカート本体
31 コンテナ
310 後輪
311 前輪
312 駆動輪
313 バッテリー
314 特定部
315 制御部
316〜319 計量部
325 スキャナー
328 比較部
329 補助部本体
330 付勢部(付勢用スプリング)
331 支点部
332 要求を検出する検出部(操作スイッチ)
333 固定具(スタンド)
334 接地部
335 フット操作部
336 補助部枠
337 ストッパー
Claims (8)
- ピッキング指示情報に基づいて物品を回収または分配するピッキングカートにおいて、当該ピッキングカートの駆動を補助する補助部と、前記物品の質量を特定する特定部と、前記特定部における特定量に基づいて、前記補助部の補助を制御する制御部と、を備えることを特徴とするピッキングカート。
- 前記物品の質量を計量する計量部を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のピッキングカート。
- 前記補助部による補助の制御を禁止する禁止手段を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のピッキングカート。
- 前記特定部においてピッキング指示情報に基づいて特定された物品の質量からなる理論的特定値と、前記計量部において計量された前記物品の計量特定値と、を比較する比較手段を備え、前記制御部は、前記比較手段における比較結果に所定の差異がある場合は、前記補助部の補助を禁止することを特徴とする請求項2または3に記載のピッキングカート。
- 当該ピッキングカートの搬送方向を検出する検出部を備え、前記制御部は、前記検出部による搬送方向の検出に基づいて前記補助部の補助を制御することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のピッキングカート。
- 前記制御部における制御を要求する操作部を備え、前記制御部は、前記検出部によって検出された搬送方向と前記操作部による要求とに基づいて、前記補助部における補助を制御することを特徴とする請求項5に記載のピッキングカート。
- 前記補助部は、駆動輪と付勢部を備え、前記制御部は、前記駆動輪の駆動力と駆動方向とを制御し、前記付勢部は、前記駆動輪を接地する方向に付勢することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載のピッキングカート。
- 前記計量部は複数備えられ、前記計量部は前記複数の計量部において総質量が計量されることを特徴とする請求項2ないし6のいずれか1項に記載のピッキングカート。
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