JP2002087269A - パワーアシスト式手押しカート - Google Patents

パワーアシスト式手押しカート

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JP2002087269A
JP2002087269A JP2000274345A JP2000274345A JP2002087269A JP 2002087269 A JP2002087269 A JP 2002087269A JP 2000274345 A JP2000274345 A JP 2000274345A JP 2000274345 A JP2000274345 A JP 2000274345A JP 2002087269 A JP2002087269 A JP 2002087269A
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motor
torque
cart
operation force
wheel
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JP2000274345A
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English (en)
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Kyoichi Nakamura
京市 中村
Hisashi Nakamura
久 中村
Setsuji Suzuki
節二 鈴木
Naoyuki Sakai
直行 酒井
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Toyoda Koki KK
Original Assignee
Toyoda Koki KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バッテリ消費量を抑えたアシスト装置を実現
する。 【解決手段】 この発明のカートでは、モータ14がパ
ウダークラッチ10を介して車輪に接続されており、モ
ータロック装置はモータの回転を拘束し、パウダークラ
ッチ10はトルク伝達率が可変である。制御装置3は、
車輪回転方向と操作力方向とが一致するときに、モータ
14を作動させてモータロック装置をアンロックさせて
パウダークラッチ10を最大伝達率状態に調整する。車
輪回転方向と操作力方向とが相反するときに、モータを
非作動させてモータロック装置をロックさせてパウダー
クラッチ10を半伝達率に調整する。車輪回転方向と操
作力方向とが相反するときには、モータをオフしてエネ
ルギ消費を押さえながら、モータをロックしてパウダー
クラッチ10を半伝達率に調整して制動する。この制御
によって、エネルギ消費を押さえた状態で操作者の意図
に適ったパワーアシストが実現される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は手押しカートに関
する。ここでいうカートとは車輪で移動する台車をい
い、例えば、重量物の搬送台車、車椅子、あるいは歩行
に障害を持つ者の歩行を補助する台車等をいう。また、
手押し式とは操作者が把持部を把持して押すか引くかし
て台車を移動させることができるものをいい操作者が後
方から押すものに限られず、前方から引くものを含む。
車輪とは典型的な車輪に限られず、無限軌道や後で詳し
く説明するアーム式の回転体を含む。この発明は、例え
ば重量物を搬送する台車の把持部に操作者が前進方向の
操作力を加えていることを検知したときに、トルク発生
装置に前進方向のトルクを発生させてパワーアシスト
し、操作者が意図した移動を軽い操作力で実現すること
ができるパワーアシスト式の手押しカートに関する。
【0002】
【従来の技術】 上記のパワーアシスト式手押しカート
の一例が特開平6-304204号公報に記載されてい
る。この公報記載の技術では、電動車椅子の介護者が把
持するハンドル部にロードセルを組み込み、介護者が前
進方向の操作力を加えているのか後進方向の操作力を加
えているのかを検知し、検知された方向にモータを駆動
する。このために、介護者は軽い操作力で車椅子を意図
したとおりに前後進させることができる。
【0003】例えば操作者が把持部に後進側の操作力を
加えている場合を考える。この場合操作者が後進を意図
しているのか、あるいは、前進しているカートを減速な
いし停止させることを意図しているかはわからない。従
来技術では、いずれの意図であるかを判定せず、操作者
が把持部に後進側の操作力を加えていればトルク発生装
置に後進側のトルクを発生させる。この場合、カートが
現に後進していれば後進方向に加速され、静止していれ
ば後進を開始し、前進中であれば減速することになり、
いずれの場合にも操作者の意図に適ったパワーアシスト
が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】 上記したように、従
来の手押しカートのパワーアシスト技術では、操作力の
方向にアシスト力を発生させる。即ち、前進中に後進方
向の操作力が加えられると、後進方向のトルクを発生さ
せることによってカートの前進速度を減速させたいとい
う操作者の意図をパワーアシストする。同様に、後進中
に前進方向の操作力が加えられると、前進方向のトルク
を発生させることによってカートの後進速度を減速させ
たいという操作者の意図をパワーアシストする。しかし
ながら、増速又は加速のためのパワーアシストに電力等
のエネルギを消費するのは止むを得ないとしても、減速
のためのパワーアシストにもエネルギを消費するため
に、無駄にエネルギを消費するという問題が残されてい
る。通常の手押しカートは、搭載バッテリ容量や燃料量
等が制約されており、無駄にエネルギを消費すれば短時
間のうちにエネルギ切れとなってしまう。従来の技術で
は、操作力の方向でアシスト方向を決めており、増速又
は減速のいずれの方向のパワーアシストを必要としてい
るのかを判別をしないために、減速のためのパワーアシ
ストにもエネルギを使わざるを得ない。本発明は、無駄
なエネルギ消費を押さえながらパワーアシストする技術
を開発するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段と作用と効果】 本発明の
パワーアシスト式手押しカートは、典型的にはモータ等
のトルク発生装置とロック装置とトルク伝達装置と車輪
と把持部と把持部に加わる操作力の方向を検知する手段
と車輪の回転方向を検知する手段と制御装置を備えてい
る。そして把持部を把持して操作する者の意図に沿った
移動が実現されるように、トルク発生装置とロック装置
とトルク伝達装置を制御してパワーアシストする。この
発明のカートでは、トルク発生装置はトルク伝達装置を
介して車輪に接続されており、ロック装置はトルク伝達
装置のトルク発生装置側部材の回転を拘束し、トルク伝
達装置はトルク伝達率が可変である。さらに、制御装置
は、車輪回転方向検知手段で検知される車輪回転方向と
操作力方向検知手段で検知される操作力方向とが一致す
るときに、トルク発生装置を作動させてロック装置を非
作動させてトルク伝達装置を最大伝達率状態に調整し、
車輪回転方向と操作力方向とが相反するときに、トルク
発生装置を非作動させてロック装置を作動させてトルク
伝達装置を半伝達率に調整する。
【0006】上記の手押しカートでは、車輪回転方向と
操作力方向とが一致するときと、車輪回転方向と操作力
方向とが相反するときのいずれにあるかを判別し、その
判別結果によってパワーアシストの態様を切換える。前
者の場合には、ロック装置を非作動させてモータ等のト
ルク発生装置の回転を許容する状態とし、この状態でモ
ータ等のトルク発生装置を作動させる。このときトルク
伝達装置を最大伝達率状態に調整し、トルク発生装置で
発生したトルクを車輪に伝える。この結果、車輪回転方
向にパワーアシストされてカートは増速する。これによ
って車輪回転方向に操作力を加えている操作者の意図に
沿ったパワーアシストが得られる。この場合、エネルギ
が消費されるが、増速側へパワーアシストするために、
エネルギを消費するのは止むを得ない。一方、車輪回転
方向と操作力方向とが相反するときには、トルク発生装
置を非作動させてエネルギ消費を押さえる。またロック
装置を作動させてトルク伝達装置のトルク発生装置側の
いずれかの部材、例えばモータのアーマチュアの回転を
拘束する。そして、トルク伝達装置を半伝達率に調整す
る。この結果、車輪に効果的に制動力が加えられてカー
トが減速される。車輪回転方向と相反する向きに操作者
が操作力を加えている場合は、操作者が減速を意図して
いる場合であり、上記の制御によって、エネルギ消費を
押さえながら操作者の意図に適ったパワーアシストが実
現される。
【0007】本発明の手押しカートによると、操作者の
意図に従って増速側にも減速側にもパワーアシストする
とともに、減速時のパワーアシストに無駄にエネルギを
消費することが避けられるために、同一の継続使用時間
ないしは継続使用距離を確保する為に必要なバッテリ容
量や燃料量等を低下させることができる。あるいは、搭
載バッテリ容量や燃料量等を増大させないで長時間又は
長距離の継続使用を可能とする。
【0008】上記の手押しカートに操作力検知手段を付
加し、車輪回転方向と操作力方向とが相反するときに、
操作力検知手段で検知される操作力が大きいときほどト
ルク伝達装置のトルク伝達率を最大伝達率に近づけるこ
とが好ましい。この場合、操作者の意図と減速側へのパ
ワーアシスト力がマッチし、操作者は自然な感じで手押
しカートを操作することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】 最初に、実施例で説明する手押
しカートの主要な特徴を列記する。 (形態1)トルク伝達装置は、パウダークラッチであ
る。 (形態2)車輪は、先端に自転輪を持つ複数のアームが
放射状に伸びていてその放射中心を中心に回転可能なも
のであり、階段の昇降に適している。
【0010】
【発明の実施例】(第1実施例) 以下、本発明を具現
化した第1実施例を説明する。図1と図2はパワーアシ
スト式手押しカートの主要部を模式的に示した図であ
る。カート2は、トルク発生装置であるモータ14と、
減速装置12と、ロック装置であるモータロック16
と、トルク伝達装置であるパウダークラッチ10と、車
輪6と、把持部18と、把持部18に加わる操作力の方
向と大きさを検知するセンサ4と、車輪6の回転角を検
知するセンサ8と、制御装置3と、図示されていないバ
ッテリを備えている。操作力センサ4とパウダークラッ
チ10と車輪6と回転角センサ8はそれぞれ一対が存在
する。
【0011】モータ14は、減速装置12とパウダーク
ラッチ10を介して車輪6に接続されている。モータロ
ック16は、パウダークラッチ10のモータ14側の部
材、この場合、モータ14のアーマチュアの回転を拘束
する。トルク伝達装置であるパウダークラッチ10はト
ルク伝達率が可変である。即ち、モータ14のアーマチ
ュアと連動して回転するディスクと、車輪6と連動して
回転するディスク間に磁性粉体が充填されており、磁性
粉体に磁界を作用させることによって両ディスクが一体
になって回転する状態から、磁性粉体に磁界を作用させ
ないことによって両ディスクが自由に遊転する状態の間
で変化する。即ち、磁性粉体に作用させる磁界を生成す
る励磁コイルに通電する電流を制御することで、モータ
側ディスクに加わるトルクのほぼ100%を車輪側ディ
スクに伝える状態から、モータ側ディスクに加わるトル
クを車輪側ディスクに伝えない状態(伝達率0%)の間
で調整することができる。半クラッチ状態では任意の伝
達率に調整することができる。
【0012】モータロック16がオフされると、モータ
14のアーマチュアの回転が許容され、モータ14が作
動するとアーマチュアが回転する。パウダークラッチ1
0が高伝達率に調整されていれば、モータ14で発生し
たトルクが車輪6に伝達される。モータ14に駆動電力
が加えられると、モータロック16は自動的にオフされ
る。モータロック16がオンされると、モータ14のア
ーマチュアの回転が禁止される。パウダークラッチ10
が高伝達率に調整されていれば、強い制動力が車輪6に
伝達される。伝達率が低ければ、弱い制動力が車輪6に
伝達される。モータ14に駆動電力が加えられなくなる
と、モータロック16は自動的にオンしてアーマチュア
の回転をロックする。
【0013】車輪回転角センサ8は車輪6の回転角を検
知し、検知結果に応じた電気信号を発生させる。車輪回
転角センサ8は制御装置3に接続されており、制御装置
3は回転角の変化方向から車輪6の回転方向を判別す
る。車輪回転角センサ8と制御装置3で、車輪の回転方
向が検知される。操作力検知センサ4は、操作者が把持
部に加える操作力の方向と大きさに応じた電気信号を発
生させる。操作力の大小は信号の絶対値の大小で示さ
れ、方向は信号の正負で示される。操作力検知センサ4
は制御装置3に接続されており、操作者が把持部18に
加える操作力の方向と大きさを示す電気信号が制御装置
3に入力される。モータ14とパウダークラッチ10は
制御装置3に接続されている。制御装置3はモータ14
に発生させるトルクとその回転方向を制御する。また、
制御装置3はパウダークラッチ10の伝達率を制御す
る。前記したように、モータロック16の作動・非作動
(オン・オフ)は、モータ14に駆動電力が印加される
か否かで自動的に切換えられる。
【0014】制御装置3は、車輪回転角センサ8と制御
装置3とで検知される車輪6の回転方向と操作力検知セ
ンサ4と制御装置3とで検知される操作力方向とが一致
するとき、トルク発生装置であるモータ14を作動さ
せ、ロック装置であるモータロック16を非作動させ、
トルク伝達装置であるパウダークラッチ10を最大伝達
率状態に調整する。一方、車輪回転方向と操作力方向と
が相反するとき、モータ14を非作動させ、モータロッ
ク16を作動させ、パウダークラッチ10を半伝達率に
調整する。
【0015】図3のブロック図に示されているように、
操作力検知センサ4から出力される操作力の大きさと方
向を示すアナログ電気信号は、A/Dコンバータ32で
デジタル化され、そのデジタル化された信号から操作力
が演算される(ブロック34)。その信号からLPF
(ローパスフィルタ36)によって高周波ノイズが除去
される。LPF36のフィルタ処理によって、操作者の
手ぶれ等に起因する微小な動きの影響を除去することが
できる。車輪回転角検知センサ8から出力される車輪回
転角を示すアナログ電気信号は、A/Dコンバータ62
でデジタル化され、そのデジタル化された信号から車輪
の回転角が演算される(ブロック64)。制御装置3
は、回転角の変化方向から車輪回転方向を検知する。
【0016】制御装置3のモータトルク演算ブロック4
0は、操作者が把持部18に加える操作力方向と、操作
力と、車輪回転方向を入力し、モータ14に発生させる
トルクを計算する。入力された操作力方向と車輪回転方
向が相反する場合、ブロック40Aならびに後記する図
4のステップS16に示すように、モータ14に加える
電流をゼロとしてモータ14を非作動状態(オフ)とす
る。操作力方向と車輪回転方向が一致する場合、ブロッ
ク40Bならびに後記する図4のステップS10に示す
ように、モータ14に発生させるトルクを計算する。こ
の場合、図3のブロック40Bに示されるグラフA又は
Bに示されるように、入力される操作力が大きいほど大
きなモータトルクを計算する。計算されるモータトルク
は方向を持ち、この場合は操作力方向と車輪回転方向が
一致しており、この一致している方向のトルクがモータ
14から発生するようにする。演算されるモータトルク
は正負の値を持ち、この正負がトルク方向を示す。制御
装置3の伝達率演算ブロック66は、操作力方向と、操
作力と、車輪回転方向を入力し、パウダークラッチ10
の伝達率を計算する。入力された操作力方向と車輪回転
方向が相反する場合、ブロック66Aならびに後記する
図4のステップS16に示すように、入力される操作力
に基づいて伝達率を計算する。この場合、図3のブロッ
ク66Aに示されるグラフC又はDに示されるように、
入力される操作力の絶対値が大きいほど大きな伝達率を
計算する。操作力方向と車輪回転方向が一致する場合、
ブロック66Bならびに後記する図4のステップS12
に示すように、最大伝達率、即ち100%を計算する。
【0017】図3のブロック42は電流指令リミッタで
あり、横軸がブロック40で演算されたトルクであり、
縦軸がモータに加える電流を示す。このモータ14は加
える電流と発生するトルクが比例する特性をもち、電流
指令リミッタブロック42はモータトルク演算ブロック
40で演算されたトルクに比例する電流を計算する。た
だし、電流値が所定範囲内に収まるように、上限と下限
を設けている。
【0018】電流指令リミッタブロック42で演算され
た電流指令値は、電流指令値と実際の電流値の偏差に比
例して修正する要素と、偏差の積分値に基づいて修正す
る要素を併せ持つPIフィードバック制御回路44に与
えられ、実際にモータ14に加えられる電流値が指令値
に一致するように制御される。モータ14に加えられる
電流値はPWM制御ブロック46によって導通時間と非
導通時間の比が制御されることで制御される。PMW制
御ブロック46は、モータ電流の導通回路に挿入されて
いる4つのスイッチング素子の導通・非道通を制御す
る。4つのスイッチング素子のうちのいずれの2個を導
通させるかによって、モータ14の回転方向を制御し、
導通時間と非導通時間の比を制御することで、モータ1
4に加える電流を制御してモータ14に発生するトルク
を制御する。図3のD/Aブロック68は、伝達率演算
ブロック66で演算された伝導率に基づいた電流に変換
し、これをパウダークラッチ制御装置70を介してパウ
ダークラッチ10に伝達する。この結果、パウダークラ
ッチ10の励磁コイルに印加される電流が制御され、パ
ウダークラッチ10の伝達率が伝達率演算ブロック66
で演算された伝導率に調整される。
【0019】図4は制御装置3で実行される制御手順を
示す。ステップS2では、制御装置3が操作力の方向と
車輪回転方向を判別する。ステップS4では入力された
情報からカートが停止しており、操作者も停止を意図し
ている状態か否かを判別する。
【0020】図5は、カート2の様々な作動状況を示し
ている。図5中「場面」はカート2の作動状態を意味す
る。「意図」は操作者の操作意図を示す。操作力検知セ
ンサの欄のプラスは、操作者が前進方向の操作力(この
場合図2の矢印82が前進方向であり、矢印86方向の
操作力に相当する)を加えている場合を示し、マイナス
は、後進方向の力を加えていることを示す。車輪回転検
知センサの欄のプラスは、カート2が前進している場合
(即ち、車輪6が図2の矢印90方向に回転している場
合)を示し、マイナスは後進していることを示す。
【0021】パターンAはカート2が停止しており、操
作者も停止を意図している場合を示す。この場合、操作
者の加える操作力は正負に振れ(ゼロに維持することは
難しい)、車輪も小刻みに前後進を繰り返す。図4のス
テップS4では、操作力が正負に振れ、車輪回転方向が
正負に触れているか否かを判別する。パターンAの場
合、図4のステップS4でYESと判定され、ステップ
S6に進む。この場合、モータ14を非作動状態(オ
フ)とし、その結果、モータロック16がロック(オ
ン)され、パウダークラッチ10の伝達率が100%と
される。この結果、カート2は停止状態でロックされ
る。
【0022】図5のパターンBは、カート2が前進して
いて操作者が前進方向に操作している場合に対応する。
これは、通常なら操作者が前進速度を加速する意図を有
していることに対応する。即ち、前進方向に発進させた
り加速させたりする場面に対応する。前進方向に上昇す
る坂道を登っている場合には、前進速度が低下しないよ
うに前進方向の操作力を加えていることもおきる。この
場合の操作者の意図は定速を保つことである。いずれの
場合も、積極的にパワーアシストし、前進速度を加速な
いし低下しないようにパワーアシストすべき状態であ
る。この場合には、図4のステップS8がYESとなる
ので、ステップS10でモータトルクを演算し(図4の
カーブA又はBを活用して演算する)、ステップS12
でモータ14に必要な電流を加え、パウダークラッチ1
0の伝達率を100%とする。モータ14に電流を加え
ることで、モータロック16はアンロック(オフ)され
る。この結果、モータ14はカート2を前進させるよう
にパワーアシストし、カート2が平地を走行している場
合には加速され、坂を登っている場合には減速されない
ようにして定速を保つ。この場合、操作力に対応してア
シスト力が調整される。
【0023】図5のパターンCは、カート2が前進して
いて操作者が後進方向に操作している場合に対応する。
これは、通常なら操作者が前進速度を減速して停止させ
たい意図を有していることに対応する。前進方向に下降
している坂道を下っている場合には、前進速度が加速し
ないように後進方向の操作力を加えていることもおき
る。この場合の操作者の意図は定速を保つことである。
いずれの場合にも、前進速度を減速ないし増速しないよ
うに消極的にパワーアシストすべき状態である。この場
合には、図4のステップS8がNOとなるので、ステッ
プS14でパウダークラッチ10の伝達率を演算し(図
3のカーブC又はDを使って伝達率を演算する)、ステ
ップS16でモータ14に供給する電流を停止し、パウ
ダークラッチ10の伝達率をステップS14で計算され
た値に調整する。モータ14に供給する電流を停止する
ことで、モータロック16はロックされる。この結果、
車輪6には制動力がかかり、平地を走行している場合に
は減速され、坂を下っている場合には加速されないよう
に制動して定速を保つ。この場合の制動力は操作力に対
応し、操作力が大きいほど強く制動される。この場合、
消極的なパワーアシスト状態ということができ、この場
合にはモータに電力を加える必要がなく、エネルギ消費
を抑制した状態でパワーアシストすることができる。
【0024】図5のパターンDは、カート2が後進して
いて操作者が後進方向に操作している場合に対応する。
これは、通常なら操作者が後進速度を加速する意図を有
していることに対応する。即ち、後進方向に発進させた
り加速させたりする場面に対応する。後進方向に上昇し
ている坂道を登っている場合には、後進速度が低下しな
いように後進方向の操作力を加えていることもおきる。
この場合の操作者の意図は定速を保つことである。いず
れの場合も、積極的にパワーアシストし、後進速度を加
速ないし低下しないようにパワーアシストすべき状態で
ある。この場合には、図4のステップS8がYESとな
るので、ステップS10でモータトルクを演算し(図4
のカーブA又はBを活用して演算する)、ステップS1
2でモータ14に必要な電流を加え、パウダークラッチ
10の伝達率を100%とする。モータ14に電流を加
えることで、モータロック16はアンロックされる。こ
の場合、モータ14は後進側に回転される。
【0025】図5のパターンEは、カート2が後進して
いて操作者が前進方向に操作している場合に対応する。
これは、通常なら操作者が後進速度を減速して停止させ
たい意図を有していることに対応する。後進方向に下降
している坂道を下っている場合には、後進速度が加速し
ないように前進方向の操作力を加えていることもおき
る。この場合の操作者の意図は定速を保つことである。
いずれの場合にも、後進速度を減速ないし増速しないよ
うに、消極的にパワーアシストすべき状態である。この
場合には、図4のステップS8がNOとなるので、ステ
ップS14でパウダークラッチ10の伝達率を演算し
(図4のカーブC又はDを使って伝達率を演算する)、
ステップS16でモータ14に供給する電流を停止し、
パウダークラッチ10の伝達率をステップS14で計算
された値に調整する。モータ14に供給する電流を停止
することで、モータロック16はロックされる。このよ
うにして、消極的なパワーアシスト状態が実現される。
この場合にはモータに電力を加える必要がなく、エネル
ギ消費を抑制した状態でパワーアシストすることができ
る。
【0026】本実施例のモータロック16はモータ14
のアーマチュアをロックするものであるが、それに限ら
れない。減速機12のシャフトをロックさせる形態であ
っても良い。ロック装置はパウダークラッチ10のモー
タ側ディスクよりもトルク発生源側にあるいずれかの部
材の回転を拘束するものであれば良い。
【0027】本実施例の把持部18には、操作力検知セ
ンサ4が2個取り付けられているが、その数は2個に限
られない。
【0028】本実施例では、電流指令リミッタ(ブロッ
ク42)を有するので、所定値以上の電流がモータ14
に流されない。従って、モータを過大電流から守るとと
もにカート2の暴走を防ぐことができる。
【0029】本実施例のパウダークラッチ10は、伝達
率が100%のときにモータ側ディスクと車輪側ディス
クを機械的に連結させることができる。従って、確実に
100%の伝達率に調整することができ、バッテリ消費
量を抑えることができる。
【0030】車輪は、典型的な車輪に限られず、無限軌
道式のものであってもよい。あるいは、図6に示すよう
に、複数の放射状アームが放射中心60を中心として回
転するものであって良い。このアーム状の車輪は階段を
昇降するのに適している。特に、各アームの先端に自転
するキャスタがついていると、非常にスムースに階段を
昇降できる。本発明は、階段を昇降するパワーアシスト
式手押しカートに適用するときに非常に有用であり、階
段を下りる間、ほぼ無動力で操作者の意図に適った速度
にパワーアシストすることができる。消極的にパワーア
シストするときはモータ14を作動させず、パウダーク
ラッチ10を用いてパワーアシスト力を調整する本実施
例は、非常に優れたパワーアシスト装置である。上記に
示した実施例はあくまで発明の一実施例を例示したもの
にすぎず、特許請求の範囲に記載の中で、様々な態様で
実施できる。発明の範囲は実施例に限られるものでな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例のアシスト装置の主要部を正面から模
式的に示した図である。
【図2】本実施例のアシスト装置の主要部を側面から模
式的に示した図である。
【図3】制御装置のシステム構成を示すブロック図であ
る。
【図4】制御装置の処理手順を示すフローチャートであ
る。
【図5】カート2の各種制御状態を一覧表示する図であ
る。
【図6】車輪の一例を示す図である。
【符号の説明】
2:カート 3:制御装置 4:操作力検知センサ 6:車輪 8:回転角センサ 10:パウダークラッチ 12:減速装置 14:モータ 16;モータロック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 節二 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 (72)発明者 酒井 直行 愛知県刈谷市朝日町1丁目1番地 豊田工 機株式会社内 Fターム(参考) 3D050 AA01 BB02 DD01 EE04 GG06 KK14

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トルク発生装置と、ロック装置と、トル
    ク伝達装置と、車輪と、把持部と、把持部に加わる操作
    力の方向を検知する手段と、車輪の回転方向を検知する
    手段と、制御装置を備え、把持部を把持して操作する者
    の意図に沿った移動が実現されるようにパワーアシスト
    する手押しカートであり、 トルク発生装置はトルク伝達装置を介して車輪に接続さ
    れており、 ロック装置はトルク伝達装置のトルク発生装置側部材の
    回転を拘束し、 トルク伝達装置はトルク伝達率が可変であり、 制御装置は、車輪回転方向検知手段で検知される車輪回
    転方向と操作力方向検知手段で検知される操作力方向と
    が一致するときに、トルク発生装置を作動させてロック
    装置を非作動させてトルク伝達装置を最大伝達率状態に
    調整し、車輪回転方向と操作力方向とが相反するとき
    に、トルク発生装置を非作動させてロック装置を作動さ
    せてトルク伝達装置を半伝達率に調整することを特徴と
    するパワーアシスト式手押しカート。
  2. 【請求項2】 請求項1のパワーアシスト式手押しカー
    トにおいて、 さらに操作力検知手段を備え、 前記制御装置は、車輪回転方向と操作力方向とが相反す
    るときに、操作力検知手段で検知される操作力が大きい
    ときほどトルク伝達装置のトルク伝達率を最大伝達率に
    近づけることを特徴とするパワーアシスト式手押しカー
    ト。
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