JP2005153648A - パワーアシスト型の移動体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 パワーアシスト型の台車等において、台車等の質量を推定して等価的に質量を低減し、操作者の負担を軽減すること。
【解決手段】 台車1には、モータ3が発生するトルク、人が与えたトルク、転がり摩擦トルク・下りトルクが印加される。質量推定部62は、加速度検出部61の加速度と電流検出部5の電機子電流を用いて台車1の質量を推定する。質量補償部64は、推定質量を等価的に変更するための電流に変換し、その電流を調整(可変)する。転がり摩擦係数推定部63は、推定質量と電機子電流を用いて路面の転がり摩擦係数を推定する。転がり摩擦トルク・下りトルク補償部65は、推定質量、推定転がり摩擦係数、路面の傾斜角を用いて転がり摩擦トルク・下りトルクの補償に必要なモータ電流を発生する。そのモータ電流は、アシスト率αにより調整(可変)できる。
【選択図】 図2

Description

本願発明は、台車、車椅子等のパワーアシスト型の移動体に関する。
従来操作者の操作力に応じてモータの駆動トルクを制御して、操作力をモータによって補助する、いわゆるパワーアシスト型の台車、車椅子等が提案されている。
例えば台車は、手押し用ハンドルを有し、車椅子は、乗者の手動操作用のハンドリムを備えている。台車や車椅子は、ハンドルやハンドリム等の操作部に連動して作動するトルクセンサ或いはポテンショメータを備え、そのトルクセンサ或いはポテンショメータによって操作力を検出している。(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)
特開平8−275974号公報 特開平2001−180494号公報
パワーアシスト型の台車等の場合、台車等の積載物の質量の変化、或いは台車等の加速、減速に対応して高速応答する制御システムが必要である。また操作者の操作力は、積載物を含む台車の質量(総質量)が小さいほど小さくなる。そのため、台車等の慣性モーメントを小さくし、台車の質量を見かけ上小さくすることが望まれる。
一方従来のパワーアシスト型の台車等は、操作力に対応してモータ駆動トルクを発生しているが、負荷のトルクを考慮していないため、台車等の慣性モーメントを小さくし、台車の質量を見かけ上小さくすることができない。そのため台車等の積載物の質量の変化、或いは台車等の加速、減速に対して高速応答することができない。また台車の質量を見かけ上小さくすることもできない。そのため台車等の操作性が悪く、台車の見かけ上の質量を小さくできないため、台車等の衝突時の衝撃が大きく、運転の安全性にも問題がある。
さらに従来のパワーアシスト型の台車等は、ハンドルやハンドリム等の操作部に連動するトルクセンサやポテンショメータによって操作力を検出しているため、操作部を操作しない限り操作力を検出できない。したがって操作者が操作部を操作しない限りパワーアシストを開始しない。
本願発明は、従来のパワーアシスト型の台車等の移動体の前記問題点に鑑み、操作性や安全性に優れ、移動体のハンドルやハンドリム等の操作部以外の部位からも移動体を操作してパワーアシストを開始できるパワーアシスト型の移動体を提供することを目的とする。
本願発明は、その目的を達成するため、請求項1に記載のパワーアシスト型の移動体は、モータの力と人の力で移動するパワーアシスト型の移動体において、移動体の加速度とモータの電機子電流を用いて移動体の等価慣性モーメントを推定し、その推定した等価慣性モーメントを用いて移動体の質量を推定する質量推定部、その推定した質量を等価的に変更するための電流に変換し、その電流を調整する質量補償部、電機子電流及び質量補償部の電流により電機子電流を制御する電流制御部を備えていることを特徴とする。
請求項2に記載のパワーアシスト型の移動体は、モータの力と人の力で移動するパワーアシスト型の移動体において、移動体の加速度とモータの電機子電流を用いて移動体の等価慣性モーメントを推定し、その推定した等価慣性モーメントを用いて移動体の質量を推定する質量推定部、その推定した質量を等価的に変更するための電流に変換し、その電流を調整する質量補償部、前記推定した質量及び移動体の加速度が0のときの電機子電流を用いて路面の転がり摩擦係数を推定する転がり摩擦係数推定部、その推定した転がり摩擦係数、前記推定した質量、路面の傾斜角及びアシスト率を用いて転がり摩擦トルク・下りトルクを補償する電流を発生する転がり摩擦トルク・下りトルク補償部、電機子電流、質量補償部の電流及び転がり摩擦トルク・下りトルク補償部の電流により電機子電流を制御する電流制御部を備えていることを特徴とする。
請求項3に記載のパワーアシスト型の移動体は、モータの力と人の力で移動するパワーアシスト型の移動体において、移動体の加速度とモータの電機子電流を用いて移動体の等価慣性モーメントを推定し、その推定した等価慣性モーメントを用いて移動体の質量を推定する質量推定部、その推定した質量を等価的に変更するための電流に変換し、その電流を調整する質量補償部、前記推定した質量及び移動体の加速度が0のときの電機子電流を用いて路面の転がり摩擦係数を推定する転がり摩擦係数推定部、その推定した転がり摩擦係数、前記推定した質量、路面の傾斜角、アシスト率及び車輪の回転方向情報を用いて転がり摩擦トルク・下りトルクを補償する電流を発生する転がり摩擦トルク・下りトルク補償部、電機子電流、質量補償部の電流及び転がり摩擦トルク・下りトルク補償部の電流により電機子電流を制御する電流制御部を備えていることを特徴とする。
請求項4に記載のパワーアシスト型の移動体は、請求項1、請求項2又は請求項3に記載のパワーアシスト型の移動体において、移動体は台車又は車椅子であることを特徴とする。
本願発明の台車等の移動体は、調整の困難な機械的パラメータである台車等の等価慣性モーメントや質量を推定し、その推定した質量を等価的に変更するための電流に変換し、その変換下電流を変化し調整することにより台車等の推定質量を任意に調整(可変)でき、見かけ上台車等の総質量を小さくすることができる。したがって操作者の負担は、小さくなり、かつ台車等の加速、減速或いは台車等の総質量の変化に対して高速応答が可能になるから、台車の操作性が向上する。また台車等の総質量は、見かけ上小さくなるから台車等が衝突したときの衝撃が小さくなり、安全性が高くなる。
本願発明の台車等の移動体は、転がり摩擦トルク・下りトルク補償部において、下りトルクに対するアシスト率を調整(可変)して、例えば傾斜した路面において台車が下がろうとする力を残すことにより、台車等を押すとき実際に傾斜路面で台車を押す感覚で操作できるから、台車の操作性が向上する。
本願発明の台車等の移動体は、トルクセンサやポテンショメータを用いずに、加速度計を用いるから、台車等のハンドル等の操作部以外の部位に操作力を印加した場合にもアシストを開始できる。したがってハンドル等の操作部から離れた部位に力を加えることにより台車を操作することができる。その場合、車輪の方向を任意に変えられる構造のものを用いると、台車を任意の部位から操作して任意の方向へ走行させることもできる。また台車が衝突したとき、台車には、今まで走行していた方向と逆の加速度が発生するから、台車は逆方向へ走行しようとし、したがって衝突の衝撃が小さくなり安全性が高くなる。
図1〜図3により本願発明の実施の形態に係るパワーアシスト型の台車を説明する。なお各図に共通の部分は、同じ符号を使用している。
まず図1、図2によりパワーアシスト型の台車の概要を説明する。
図1(a)は、台車の正面図、図1(b)は、台車を傾斜角θの斜面に置いたときの側面図である。
図1において、1は台車、11はベースフレーム、121,122は車輪、13は積載物、2は減速機、3はモータである。
図2は、図1の台車の制御システムの概要図である。
台車1には、モータ3が発生した駆動トルクTM、人が与えたトルクTHが印加され、同時に路面の転がり摩擦による転がり摩擦トルクと傾斜路面に置かれた台車1が下がろうとする下りトルクTμθが印加される。台車1は、それらのトルクによって速度v(m/s)で移動する。モータ3は、電流制御部5によって制御された電機子電流(モータ電流)によって回転し、減速機2を介して回転力を台車1へ伝える。電機子電流は、電流センサ(電流検出器)4によって検出する。
加速度検出部61は、台車1に取付けた加速度計(加速度センサ)によって台車1の加速度を検出する。加速度の検出は、加速度計に代えてモータに取り付けた速度計(速度センサ)の信号を微分して求めることもできる。質量推定部62は、加速度検出部61が検出した加速度と電流センサ4が検出した電機子電流を用いて、台車1の全質量を車軸からみたときの等価慣性モーメントを推定(同定)して推定等価慣性モーメント(後述する)を求め、その推定等価慣性モーメントを用いて、台車1の全質量を推定して推定質量(^付きm)を求める。
転がり摩擦係数推定部63は、推定質量と台車の加速度が0のときの電機子電流を用いて、台車1が走行している路面の転がり摩擦係数を推定して推定転がり摩擦係数(^付きμ)を求める。
質量補償部64は、推定質量に質量調整係数βを乗じて推定質量を調整する。そのため質量補償部64は、推定質量を等価的に変更するための電流に変換し、その変換した電流に質量調整係数βを乗じて電流の大きさを調整し、その調整した電流を電流制御部5へ供給する。したがって質量調整係数βを調整(可変)することにより台車1の総質量を見かけ上調整して小さくすることができる。
転がり摩擦トルク・下りトルク補償部65は、転がり摩擦トルクの補償計算に推定質量、推定転がり摩擦係数、路面の傾斜角θ及びアシスト率αを用い、下りトルクの補償計算に推定質量、路面の傾斜角θ及びアシスト率αを用いて、転がり摩擦トルク・下りトルクTμθに抗して台車1を走行させのるに必要なモータ電流imcを求め、そのモータ電流imcを電流制御部5へ供給する。したがってアシスト率αを調整することにより転がり摩擦トルク・下りトルクTμθに対する補償電流を変えることができる。前記の場合、転がり摩擦トルクと下りトルクの補償に、転がり摩擦トルク・下りトルクの補償係数としてアシスト率αを用いているが、転がり摩擦トルクの補償と下りトルクの補償に夫々独立したアシスト率を与えることもできる。
ここで台車の進行方向が逆になり、車輪の回転方向が逆になった場合、例えば台車を押して前進している状態から、台車を引き止めて後進する状態に変わった場合の転がり摩擦トルクの補償について説明する。このような場合には、車輪は一旦停止し、次の瞬間逆回転に転じる。したがって転がり摩擦トルクの補償には、今までと逆極性の転がり摩擦トルクを補償する必要がある。そこで本願発明は、車輪の回転方向を検出し、回転方向が変わったときは、回転方向情報に基づいて今でと逆極性の転がり摩擦トルクの補償トルクを発生している。そのため車輪の回転方向が変わったときは、補償トルクに(−)極性符号を付している。このように本願発明は、台車の操作性を高めるため、車輪の逆回転を想定してきめ細かな配慮をしてある。車輪の回転方向情報は、回転速度検出部67においてモータに取付けた速度計により検出した回転速度に基づいて発生する。なお車輪の回転速度は、車輪の車軸に取付けた速度計により直接検出してもよい。
台車の走行路面が平らで、固く滑らかな場合には、下りトルクや転がり摩擦トルクは小さくなるから、転がり摩擦トルク・下りトルク補償部65は、設けなくてもよい。
次に図3のブロック図を用いて図2の制御システムを具体的に説明する。
図3は、機械的パラメータと電気的パラメータを用いて記載した台車のブロック図である。
図3において、20は、減速機を含む台車(モータ除く)の台車部、30は、モータ部である。50は、誤差増幅器、電力増幅器等からなる増幅器で図2の電流制御部を構成し、電流を電圧に変換する。61〜65は、図2と同じであり、66は、路面の傾斜角θを検出する傾斜角センサである。
ここで図3及び式に用いている符号は、次の通りである。
αは転がり摩擦トルク・下りトルクを調整するアシスト率
βは質量調整係数
ωは車輪(タイヤ)の角速度(rad/s)
ηは減速機の伝達効率
μは車輪と路面の転がり摩擦係数
θは路面の傾斜角(rad)
Dは車輪の直径(m)
gは重力加速度=9.807(m/s2
aは電機子電流(A)
mcは転がり摩擦トルク・下りトルクを補償するモータ電流(電機子電流)(A)
Lは台車の質量を車軸から見た等価慣性モーメント(kgm2)、Jmはモータの慣性モーメント(kgm2
Ksはモータ軸と車軸間のコンプライアンス、KTはモータのトルク定数(Nm/A)、KEはモータの逆起電力定数(Vs/rad)
Laは電機子のインダクタンス(H)
mは台車の全質量(kg)
Nは減速機の減速比(1:N)
Raは電機子の抵抗(Ω)
sはラプラス演算子
Mはモータが発生したモータトルク(Nm)、THは人が与えたトルク(Nm)、Tμθは転がり摩擦トルク・下りトルク(Nm)、TSは車軸トルク(Nm)
vは台車が走行する速度(m/s)
である。
なお以下各符号は、単位を省略して使用する。
ここで図3を用いて台車の質量の推定と質量補償手順、転がり摩擦トルク・下りトルクの補償手順について説明する。
図1の車輪の直径をD、車輪の総質量をm、台車の速度をv、路面の転がり摩擦係数をμ、路面の傾斜角をθとすると、台車に人の力が加わらないで一定走行しているときの車軸トルクTSと車輪の回転角速度ωは、(1)式と(2)式により求めることができる。
Figure 2005153648
モータ(DCモータ)と車軸間の減速比をN、伝達効率をη、モータのトルク係数をKT、電機子電流をiaとすると、モータトルクTMは、(3)式により求めることができる。
Figure 2005153648
台車の全質量mを車軸から見た等価慣性モーメントJLは、(4)式により求めることができる。
Figure 2005153648
ここで台車部20とモータ部30について説明する。
増幅器50は、電流検出器4、質量補償部64、転がり摩擦トルク・下りトルク補償部65からの電流を電圧に変換する。増幅器50の電圧は、ブロック34の電圧とともにブロック31に印加し、電機子電流(モータ電流)に変換する。ブロック32は、その電流をトルクに変換する。ブロック32のトルクは、ブロック25からのトルクとともにブロック33に印加し、回転角速度に変換する。ブロック33の回転角速度は、台車部20のブロック26によってN分の1に減速する。またブロック33の回転角速度は、ブロック34によって電圧に変換してブロック31へ印加する。なおモータが発生するトルク=KT×電機子電流の関係にあるから、トルク定数KTと逆起電力定数KEは、モータの電機子に任意の電流を流してモータのトルクを計測し、その電機子電流とモータのトルクから求めることができる。
ブロック26のモータの角速度とブロック21の車輪の角速度ωは、ブロック24,23によってモータトルクTMに変換する。モータトルクTMは、人が与えたトルクTH、転がり摩擦トルク・下りトルクTμθとともにブロック21へ印加する。
次に台車の速度vの加速度を用いて台車の質量を推定する手順について説明する。
台車に操作者の押す力が加わると、台車に加速トルクが印加され車軸トルクTSは、(5)式となる。
Figure 2005153648
ここでTSはTHとTMの和(TS=TH+TM)である。
(5)式は、1項の加速トルクと2項の転がり摩擦トルク・下りトルクの和となる。したがって台車が一定速度で走行しているときは、加速トルクは発生しないから、台車には、2項の転がり摩擦トルク・下りトルクを補償するトルクを供給すればよい。なお操作者が台車を止めようとすると、(5)式第1項は、減速トルクとなる。台車が衝突した場合も同様である。
後述する等価慣性モーメントの推定には、車軸の回転角加速度を用いるが、回転角加速度は、台車の速度vの加速度を用い(6)式により求める。(6)式の計算は、加速度検出部61において行う。
Figure 2005153648
ここでACDは、台車の速度vの加速度に相当する電圧信号で、台車に取付けた加速度計によって検出する。
台車が一定速度で走行しているとき、台車の走行に必要なトルクは、2項の転がり摩擦トルク・下りトルクを補償するトルクのみでよい。即ち台車が一定速度で走行しているときは、台車の加速度は0となり、加速トルクは発生しないから、そのときの車軸トルクTS0は、そのときの電機子電流ia0を用い、(3)式を用いて(7)式により求めることができる。したがって車軸トルクTS0は、転がり摩擦トルク・下りトルクを補償するのに必要なトルクである。
Figure 2005153648
(5)式の加速トルク、転がり摩擦トルク・下りトルクの内、転がり摩擦トルク・下りトルクは、短時間には変化しないから、その間の電機子電流の変化は、加速トルクを発生するためのものとみることができる。そうすると台車の推定等価慣性モーメント(^付きJL)は、短時間の電機子電流の変化を用い、(5)式の1項、(3)式と(7)式を用いて(8)式により求めることができる。
Figure 2005153648
ここで(8)式の回転角速度は、(6)式により求める。
推定等価慣性モーメントが求まると、台車の推定質量(^付きm)は、(4)式を用いて(9)式により求めることができる。
Figure 2005153648
質量推定部62は、(8)式により推定等価慣性モーメントを求め、その推定等価慣性モーメントを用いて(9)式により台車の推定質量を求める。
質量補償部64は、ブロック641において台車の推定質量と回転角加速度を用い、(8)式、(9)式を用いて推定質量を等価的に変更するための電流に変換する。その電流は、ブロック642において質量調整係数βにより所定の大きさに調整し、電流指令変換器643においてモータ駆動電流指令信号に変換して増幅器50へ供給される。即ち質量補償部64は、台車の質量を等価的に変更するための電流に変換し、その電流を質量調整係数βにより調整して、電気的に台車の質量を調整する。したがって、質量補償部64は、可変することが困難な機械的パラメータである台車の質量を、推定質量を用いて質量調整係数βにより見かけ上可変することができる。
次に転がり摩擦係数μの推定手順について説明する。
転がり摩擦係数μの推定転がり摩擦係数(^付きμ)は、推定質量、路面の傾斜角θ、台車の加速度が0のときの電機子電流ia0を用い、(5)式の2項と(7)式を用いて(10)式により求めることができる。
Figure 2005153648
転がり摩擦係数の推定は、摩擦係数推定部63において行う。
推定転がり摩擦係数が求まると、転がり摩擦トルクと下りトルクの補償に必要なモータ電流imcは、(5)式の2項と(3)式を用い、アシスト率αを用いて(11)式により求めることができる。
Figure 2005153648
転がり摩擦トルク・下りトルク補償部65は、推定質量、推定転がり摩擦係数及び傾斜角θを用いて(11)式の計算を行って、転がり摩擦トルク・下りトルクの補償に必要なモータ電流imcを発生して増幅器50へ供給する。傾斜角θは、台車に取付けた傾斜角センサ66によって検出する。転がり摩擦トルク・下りトルクの補償に必要なモータ電流imcは、アシスト率αを変えることにより調整することができる。したがってアシスト率αを変えることにより、転がり摩擦トルク・下りトルクに対する操作者の負担を任意に調整できる。
ここで台車の進行方向が逆になり、車輪が逆回転した場合に対処するため、(11)式の計算をする際、回転速度検出部67からの回転方向情報に基づいて推定転がり摩擦係数(^付きμ)に(+),(−)の極性符号を付して、転がり摩擦トルクの補償に必要なモータ電流を計算している。なお推定転がり摩擦係数は、車輪の回転方向に関係なく一定であるが、転がり摩擦トルクの補償の計算上極性符号を付す。
図3の制御システムの計算や信号処理は、コンピュータによって行うが、図4は、コンピュータと信号処理部分の構成を示す。
電流検出器、速度計、加速度計、傾斜角センサの出力は、コンピュータPCのAD変換器ADCによってデジタル信号に変換し、CPUによって処理し、処理された信号は、DA変換器DACによってアナログ信号に変換して電流制御部へ供給する。なおアナログ信号に変換せずにデジタル信号のままで処理することも可能である。CPUは、デジタル入出力回路DIOを介して供給されるクロックによって動作する。
図5は、台車が走行しているときの台車の質量と路面の転がり摩擦係数を推定した実験結果を示し、図5(a)は、推定質量を、図5(b)は、推定転がり摩擦係数を示す。
図5は、台車の総質量80〜170kgの範囲で推定した。なお実験に用いた台車の総質量は、積載量が0のとき80kgであるので、質量80kgから実験した。
台車のパラメータの値は、Ra=0.13Ω、La=0.5mH、KE=0.076Vs/rad、KT=0.076Nm/A、Jm=0.00045kgm2、D=0.12m、KS=0.0002rad/Nm、N=13、θ=5度である。
図5(a)によると、推定した質量は、実質量(直線)と一致し、質量の推定が正しく行われていることがわかる。
また図5(b)によると、推定した転がり摩擦係数は、実転がり摩擦係数(直線)と一致し、台車の総質量に関係なく一定であるから、転がり摩擦係数の推定が正しく行われていることがわかる。
本実施の形態の台車は、調整の困難な機械的パラメータである台車の等価慣性モーメントを推定し、その推定した等価慣性モーメントを用いて台車の質量を推定し、その推定した質量を等価的に変更するための電流に変換し、その電流を質量調整係数を変えて調整(可変)できるから、台車の質量は、電気回路により等価的に任意に調整でき、見かけ上小さくすることができる。したがって、操作者の負担は小さくなり、かつ台車の加速、減速或いは総質量の変化に対して高速応答が可能になるから、台車の操作性が向上する。また台車の総質量は、見かけ上小さくなるから台車が衝突したときの衝撃が小さくなり、安全性が高くなる。
さらに本実施の形態の台車は、転がりトルク・下りトルク補償部において、下りトルクに対するアシスト率を調整(可変)して、例えば傾斜した路面において台車が下がろうとする力を残すことにより、操作者は、実際に傾斜路面で台車を押すのと同じ感覚で操作できるから、台車の操作性が向上する。
また本実施の形態の台車は、トルクセンサやポテンショメータを用いずに、加速度計を用いるから、台車のハンドル以外の部位に力を加えた場合にもアシストを開始できる。したがってハンドルから離れた部位に力を加えることにより台車を操作することができる。その場合、車輪の方向を任意に変えられる構造のものを用いると、台車を任意の部位から操作して任意の方向へ走行させることもできる。また台車が衝突したとき、台車には、今まで走行していた方向と逆方向の加速度が発生するから、台車は逆方向へ走行しようとし、したがって衝突の衝撃が小さくなり安全性が高くなる。
本願発明は、台車に限らずパワーアシスト型の車椅子、その他の運搬車、パワーステアリング装置等の移動体の制御に適用できる。
本願発明の実施の形態を説明するための台車の正面図と側面図である。 本願発明の実施の形態に係る台車の制御システムの概要を示す図である。 本願発明の実施の形態に係る制御システムを機械的パラメータと電気的パラメータを用いて記載したブロック図である。 図3の制御システムに用いるコンピュータと信号処理部分の構成を示す図である。 本願発明の実施の形態に係る台車の質量と路面の転がり摩擦係数を推定した実験結果を示す図である。
符号の説明
1 台車
11 ベースフレーム
121,122 車輪
13 積載物
2 減速機
20 台車部
3 モータ
30 モータ部
4 電流センサ(電流検出器)
5 電流制御部
50 増幅器
61 加速度検出部
62 質量推定部
63 転がり摩擦係数推定部
64 質量補償部
65 転がり摩擦トルク・下りトルク補償部
66 傾斜角センサ
67 回転速度検出部

Claims (4)

  1. モータの力と人の力で移動するパワーアシスト型の移動体において、移動体の加速度とモータの電機子電流を用いて移動体の等価慣性モーメントを推定し、その推定した等価慣性モーメントを用いて移動体の質量を推定する質量推定部、その推定した質量を等価的に変更するための電流に変換し、その電流を調整する質量補償部、電機子電流及び質量補償部の電流により電機子電流を制御する電流制御部を備えていることを特徴とするパワーアシスト型の移動体。
  2. モータの力と人の力で移動するパワーアシスト型の移動体において、移動体の加速度とモータの電機子電流を用いて移動体の等価慣性モーメントを推定し、その推定した等価慣性モーメントを用いて移動体の質量を推定する質量推定部、その推定した質量を等価的に変更するための電流に変換し、その電流を調整する質量補償部、前記推定した質量及び移動体の加速度が0のときの電機子電流を用いて路面の転がり摩擦係数を推定する転がり摩擦係数推定部、その推定した転がり摩擦係数、前記推定した質量、路面の傾斜角及びアシスト率を用いて転がり摩擦トルク・下りトルクを補償する電流を発生する転がり摩擦トルク・下りトルク補償部、電機子電流、質量補償部の電流及び転がり摩擦トルク・下りトルク補償部の電流により電機子電流を制御する電流制御部を備えていることを特徴とするパワーアシスト型の移動体。
  3. モータの力と人の力で移動するパワーアシスト型の移動体において、移動体の加速度とモータの電機子電流を用いて移動体の等価慣性モーメントを推定し、その推定した等価慣性モーメントを用いて移動体の質量を推定する質量推定部、その推定した質量を等価的に変更するための電流に変換し、その電流を調整する質量補償部、前記推定した質量及び移動体の加速度が0のときの電機子電流を用いて路面の転がり摩擦係数を推定する転がり摩擦係数推定部、その推定した転がり摩擦係数、前記推定した質量、路面の傾斜角、アシスト率及び車輪の回転方向情報を用いて転がり摩擦トルク・下りトルクを補償する電流を発生する転がり摩擦トルク・下りトルク補償部、電機子電流、質量補償部の電流及び転がり摩擦トルク・下りトルク補償部の電流により電機子電流を制御する電流制御部を備えていることを特徴とするパワーアシスト型の移動体。
  4. 請求項1、請求項2又は請求項3に記載のパワーアシスト型の移動体において、移動体は台車又は車椅子であることを特徴とするパワーアシスト型の移動体。
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