JP2000139002A - 搬送装置 - Google Patents

搬送装置

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JP2000139002A
JP2000139002A JP30912298A JP30912298A JP2000139002A JP 2000139002 A JP2000139002 A JP 2000139002A JP 30912298 A JP30912298 A JP 30912298A JP 30912298 A JP30912298 A JP 30912298A JP 2000139002 A JP2000139002 A JP 2000139002A
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Japan
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operating
operating force
unit
carriage
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JP30912298A
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Susumu Sugano
進 菅野
Yoshiko Iriyama
佳子 入山
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Japan Airlines Co Ltd
Tokico Ltd
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Japan Airlines Co Ltd
Tokico Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は操作部の小型化及び省スペース化を
図ることを課題とする。 【解決手段】 搬送装置11は、箱型形状とされた台車
12の下面に駆動ユニット13が設けられ、台車12の
後面に収納部14が設けられている。また、台車12の
後面上部の左右角部には、操作部としての操作部15,
16が取り付けられている。操作部15の表面には、薄
いフィルム状の圧電体からなる力センサ35,36が貼
着されている。そのため、操作部15は、力センサ3
5,36が極めて薄いため、小型化及び薄型化及び軽量
化が図られている。搬送装置11に搭載された制御装置
は、ブレーキ機構27による制動解除が検知されると、
操作部15,16から出力される操作信号に基づき駆動
モータ22を駆動制御して駆動輪21に駆動力を伝えて
パワーアシストを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は操作者が台車を押圧
操作する際にモータ駆動力を車輪に伝達してパワーアシ
ストするよう構成された搬送装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、荷物等を搬送する際に操作者の
押圧操作に応じて台車を駆動させてパワーアシストする
搬送装置の開発が進められている。この種の搬送装置で
は、荷物が載置される台車に車輪を駆動するモータ及び
モータを回転させるバッテリ、モータの駆動トルクを制
御する制御装置などが搭載されている。また、操作者が
把持する操作部には、操作者の操作力を検出するための
歪ゲージ等からなる力センサが設けられている。
【0003】そして、制御装置は、力センサからの出力
信号に応じてモータに供給される電圧を制御するように
なっている。そのため、例えば台車に重い荷物が積載さ
れた場合には、把持部の力センサを強く押圧することに
よりモータの駆動トルクが増大されて操作者の労力が軽
減される。また、台車に積載された荷物が比較的軽い場
合には、把持部の力センサを軽い力で押圧することによ
りモータの駆動トルクが軽減されるように制御される。
このように、力センサへの押圧力を加減することによ
り、搬送装置は荷物の重量に関係なく、一定の速度で荷
物を搬送することができる。
【0004】このように構成されたパワーアシスト機能
を有する搬送装置においては、あらかじめ設定された倍
率で駆動モータを駆動するため、例えば操作者が押して
いる力と同じ仕事量をモータがすることで、操作者の負
担が半分になる。また、飛行機内で使用されるサービス
カートに上記パワーアシスト機能を有する搬送装置を用
いた場合、女性でも容易にサービスカートを移動させる
ことが可能となる。
【0005】ところが、上記のような飛行機内で使用さ
れるサービスカートでは、思いがけず搬送装置が急加速
してしまうことを防止するため、例えば特開平9−12
2181号公報にみられるように、外部に設けた調整装
置にて駆動装置の出力割合(アシスト率)を変えられる
ものがある。この種の搬送装置では、電源スイッチがオ
ンに操作されると、モータが駆動され、ブレーキの制動
を解除することにより走行開始し、ブレーキによる制動
力を付与することにより停止状態となる。そして、停止
状態のときも電源スイッチがオンになっている間は、モ
ータの駆動制御が行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように構成され
た従来のパワーアシスト付き搬送装置では、歪ゲージが
力センサ(力検出部)として用いられた場合、例えば把
持部に付与される操作力によって生じる変形量を検出す
る構成であるので、歪ゲージの取付位置に機械的な可撓
性、すなわちコンプライアンス(1Nに対する歪みm)
を持たせる構造をとる必要がある。
【0007】そのため、操作部の力検出部にコンプライ
アンスを持たせる機構を取り付ける必要があるので、操
作部が比較的大型化してしまうため、操作部が突出しな
いように配置させようとすると、収納部の容積が低減し
てしまい、収納部の容積を確保しようとすると、操作部
が外部に大きく突出することになる。このため、従来の
搬送装置では、収納部内の収納効率が低減したり、操作
性が低下するといった問題があった。
【0008】更に、従来の構成では、操作部の質量が大
きくなるので、これに見合った駆動力を出力する必要が
あり、その分モータ及び駆動機構を含む駆動部全体が大
きくなるという問題もあった。これに伴って、搬送装置
を駆動するための電源の容量も大きくなり、バッテリ容
量を大型化する必要があると共に、消費電力が非常に多
くなってしまう。そのため、従来の搬送装置では、消費
電力が大きいのでバッテリの寿命が短く、パワーアシス
ト時間を延長することが要望されている。
【0009】しかしながら、飛行機内で使用されるサー
ビスカートに上記パワーアシスト機能を有する搬送装置
を用いた場合、質量及び寸法の制限が厳しいため、長時
間にわたる連続使用に耐えうる容量のバッテリを搭載さ
せることができず、パワーアシスト機能を長時間使用す
ることが難しかった。そこで、本発明は上記課題を解決
した搬送装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明では、下記の手段を講じたことを特徴とするも
のである。上記請求項1記載の発明は、台車の底部に設
けられた車輪と、該車輪を駆動するモータと、操作力を
付与される操作部と、該操作部に加えられた操作力の大
きさに応じて前記モータを制御する制御部とを有する搬
送装置において、フィルム状に形成された操作力検出部
材を前記操作部に設け、前記操作力の付与に伴う前記操
作力検出部材の出力変化により得られた検出値を持続さ
せる持続手段を設けたことを特徴とするものである。
【0011】従って、請求項1記載の発明によれば、フ
ィルム状に形成された操作力検出部材により操作力を検
出できるので、操作力検出部材の取付スペースが小さく
且つ薄いので、操作部の突出が小さくて済み、その分収
納部の収納効率を高めることができる。また、操作部の
突出が小さいので、台車が通路上の載置物等に衝突した
場合の操作者の安全性を確保できる。さらに、操作部が
小型化及び薄型化できるので、バッテリの電力消費を削
減してバッテリ容量を増大させずにアシスト力使用可能
時間を延長できる。
【0012】また、上記請求項2記載の発明は、前記請
求項1記載の搬送装置であって、前記操作力検出部材
は、前記台車の長手方向の端部に設けられた第1の操作
力検出部材と、前記台車の横方向の側部に設けられた第
2の操作力検出部材と、からなることを特徴とするもの
である。
【0013】従って、請求項2記載の発明によれば、操
作力検出部材が台車の長手方向の端部に設けられた第1
の操作力検出部材と、台車の横方向の側部に設けられた
第2の操作力検出部材とからなるため、第1、第2の操
作力検出部材を操作者が手押しする位置に配置させるこ
とができるので、台車を移動させる際の自然な操作によ
り操作力を付与することが可能となり、操作が容易に行
える。
【0014】また、上記請求項3記載の発明は、前記請
求項1記載の搬送装置であって、前記持続手段は、前記
台車の重量に応じた推定操作力を演算する操作力推定手
段と、前記操作力検出部材により検出された操作力が前
記操作力推定手段により演算された推定操作力以下に減
少したとき、前記推定操作力を前記操作力検出部材によ
り検出された操作力として保持する推定操作力保持手段
と、からなることを特徴とするものである。
【0015】従って、請求項3記載の発明によれば、持
続手段が台車の重量に応じた推定操作力を演算する操作
力推定手段と、操作力検出部材により検出された操作力
が推定操作力以下に減少したとき、推定操作力を操作力
検出部材により検出された操作力として保持する推定操
作力保持手段とからなるため、操作力検出部材を押圧し
ている間は操作力検出部材が変形しなくても操作力を出
力することができ、よって圧電フィルム等からなる操作
力検出部材を剛体に取り付けることが可能となる。その
ため、操作力検出部材の突出量をできるだけ小さくして
狭いスペースでも収納し易くでき、且つ操作力検出部材
による突出部分が小さいので誤って衝突しても操作者の
安全性を確保できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面と共に本発明の一実施
例について説明する。図1は本発明になる搬送装置の第
1実施例の斜視図である。また、図2は搬送装置の駆動
部の構成を説明するための上方からみた横断面図であ
る。図1及び図2に示されるように、搬送装置11は、
箱型形状とされた台車12の下面に駆動ユニット13が
設けられ、台車12の後面に収納部14が設けられてい
る。また、台車12の後面上部の左右角部には、操作部
15,16が取り付けられている。
【0017】図2に示されるように、台車12は、底部
の左右両側に4個のキャスタが取り付けられている。す
なわち、台車12の底部には、従動輪としての前輪1
7,18と後輪19,20が設けられている。さらに、
台車12の底部中央には、駆動ユニット13により駆動
される駆動輪21が設けられている。そのため、搬送装
置11は、飛行機内や列車内など質量や装置の寸法制限
に厳しい環境で使われる場合でも、従来装置に比べ構成
を簡単にして駆動部の質量を軽量化して操作しやく、且
つ搬送能力も向上している。
【0018】そして、駆動ユニット13は、駆動モータ
22の駆動軸と駆動輪21との間には、減速機23と、
電磁クラッチ24とが直列に配置されている。よって、
駆動モータ22の駆動力は、減速機23で減速された
後、電磁クラッチ24を介して駆動輪21に伝達され
る。この電磁クラッチ24は所定の電圧(例えば12
V)をかけると作動し、駆動トルクを駆動輪21に伝え
ることができる。
【0019】また、駆動モータ22は、制御装置25に
より駆動又は停止の制御が行われる。そして、制御装置
25のメモリ(図示せず)には、ブレーキ機構による制
動解除が検知されると、操作部15,16から出力され
る操作信号に基づき駆動モータ22を駆動させる制御プ
ログラム(制御手段)が格納されている。26はバッテ
リで、プラグ付きコード(図示せず)により家庭用電源
l00Vで充電される。バッテリ26の電力は、上記制
御装置25に制御されて駆動モータ22へ供給される。
【0020】また、後輪19,20の近傍には、後輪1
9,20を制動するブレーキ機構27が設けられてい
る。このブレーキ機構27は、リンク機構によりブレー
キ部材29,30を制動動作させる機械式となってい
る。上記ブレーキ機構27は、台車12の後部に設けら
れたブレーキ作動ペダル28の踏み込みにより制動力が
作用してブレーキ部材29,30が後輪19,20を制
動するように構成されている。また、ブレーキ部材2
9,30は、台車12の後部に設けられたブレーキ解除
ペダル31が踏み込まれると、後輪19,20から離間
して制動力の付与を解除する。
【0021】そして、ブレーキ作動ペダル28のつけ根
部分には、ブレーキ部材29,30による制動を検知す
るブレーキ作動検知スイッチ32が設けられている。ま
た、ブレーキ解除ペダル30のつけ根部分には、ブレー
キ部材29,30による制動解除を検知するブレーキ解
除検知スイッチ33が設けられている。従って、ブレー
キ作動ペダル28又はブレーキ解除ペダル30が操作さ
れると、ブレーキ作動検知スイッチ32又はブレーキ解
除検知スイッチ33から検知信号が制御装置25に出力
される。そして、制御装置25では、後述するようにブ
レーキ作動検知スイッチ32又はブレーキ解除検知スイ
ッチ33から検知信号に基づいて駆動モータ22及び電
磁クラッチ24の動作を制御する。
【0022】また、制御装置25のメモリには、後述す
るようにブレーキ作動ペダル28又はブレーキ解除ペダ
ル31の操作によりブレーキ作動検知スイッチ32又は
ブレーキ解除検知スイッチ33から検知信号が出力され
ると、その信号に応じた制御信号を生成して駆動モータ
22及び電磁クラッチ24を制御する制御プログラムが
格納されている。
【0023】また、制御装置25の内部には、モータド
ライブ回路(図せず)と、バッテリ26の電圧をモータ
ドライブ回路(図せず)が必要とする電圧に変喚する電
源回路(図示せず)が設けられている。図3(A)
(B)は操作部15,16の構成を示す斜視図である。
図3(A)(B)に示されるように、操作部15は、箱
型形状とされた台車12の上部の左側角部に取り付けら
れ、左側操作部として設けられている。この操作部15
は、台車12の上面に当接する上部15aと、台車12
の左側面に当接する側部15bと、台車12の後面に当
接する後部15cとからなる。
【0024】台車12の長手方向の端部に位置する後部
15cには、台車12を前進方向(A方向)に移動させ
る際に押圧操作される力センサ(第1の操作力検出部
材)35が取り付けられている。この力センサ35の取
付位置は、操作者が搬送装置11を前進させる際に手の
ひらで押圧し易い位置となっている。また、台車12の
横方向に位置する側部15bの前進方向(A方向)の側
面15dには、台車12を後退方向(B方向)に移動さ
せる際に押圧操作される力センサ(第2の操作力検出部
材)36が取り付けられている。この力センサ36の取
付位置は、操作者が搬送装置11を後退させる際に指先
で引き戻しやすい位置となっている。
【0025】そのため、力センサ35,36を操作者が
手押しする位置に配置させることができるので、台車1
2を移動させる際の自然な操作で操作力を付与すること
が可能となり、操作が容易に行える。力センサ35,3
6は、夫々「圧電フィルム」と呼ばれる極めて薄いフィ
ルム状の圧電体からなり、操作部15の表面に貼着され
ている。しかも、操作部15は、操作者が押圧しても撓
まないように剛体により形成されており、変形しない分
台車12からの突出寸法を小さくすることが可能とな
る。
【0026】そのため、操作部15は、力センサ35,
36が極めて薄く、且つ操作部15が変形しないため、
小型化及び薄型化及び軽量化が図られており、且つ台車
12からの突出量が小さいので、飛行機内のように限ら
れたスペースに収納されても邪魔にならず、且つ操作し
易い位置に取り付けることができる。また、圧電フィル
ムは、剛体からなる操作部15の表面に貼着された場
合、ある特定の方向(検出方向)からの力が加えられる
と、過渡的な出力(電位差)を生じる特性を有してい
る。そのため、力センサ35,36に操作力が継続して
付与される場合、後述するような力センサ35,36の
出力を持続させる持続手段が必要となる。
【0027】そして、力センサ35,36は、夫々台車
12の内壁面に沿って配線されたケーブル34を介して
制御装置25と接続されており、後述するように押圧操
作されると、その信号を制御装置25へ出力する。その
ため、力センサ35は、操作者が搬送装置11を前進方
向(A方向)に押圧する際、その押圧方向と検出感度が
良好となる操作力Dの検出方向とが一致するように後部
15cに設けられている。また、力センサ36は、操作
者が搬送装置11を後退方向(B方向)に引く際、その
引き戻そうとする方向(B方向)と検出感度が良好とな
る操作力Eの検出方向とが一致するように側部15bの
前進方向(A方向)の側面15dに設けられている。
【0028】尚、台車12の上部の右側角部に取り付け
られた操作部16は、上記操作部15と左右対象な形状
であるが、力センサ35,36は、上記操作部15の場
合と同じ位置に設けられている。図4は制御装置25の
システム構成を示すブロック図である。図4に示される
ように、各操作部15,16の力センサ35,36は、
操作力が付与されて生じる微小な変形により電位差を発
生する特性を持っている。力センサ35,36により検
出された検出信号は、制御装置25のA/D変換器37
を介して、CPU38に入力される。
【0029】また、切換スイッチ39が設けられてお
り、この切換スイッチ39によりCPU38による制御
処理のON/OFFを切り替えることができる。また、
切換スイッチ39から出力される制御のON/OFFの
指令は、デジタルIOボード40を介してCPU38に
入力される。CPU38では、操作力の検出値から求め
た制御指令をD/A変換器41に出力し、モータドライ
バ42を介して駆動モータ22を動作させる。モータ2
2にはブレーキ43が設けられている。また、駆動モー
タ22の出力軸には、駆動輪21が取り付けられてい
る。
【0030】また、駆動輪21の回転を検出する速度検
出器44が設けられており、速度検出器44からの出力
はA/D変換器37を介してCPU38に取り込むよう
になっている。図5は搬送装置11を移動させる際の操
作力の変化を示すグラフである。図5に示されるよう
に、搬送装置11では、操作者が進行方向に押圧して移
動開始するときに一番大きな駆動力を必要とするため、
静止状態から動作状態に移行する押し始めの所定時間だ
け力センサ35,36が強く押圧され、搬送装置11が
パワーアシストされて動き始めれば、後は慣性力が働く
ため、それほど大きい操作力を付与する必要がない。
【0031】そのため、実際の操作力はグラフI(実線
で示す)のように静止状態から動作状態に移行する押し
始めのとき最大となり、動き始めると操作力が軽減され
る。よって、実際の操作力はグラフIのように推移し、
力センサ35,36からの出力はグラフII(実線で示
す)のように推移する。そして、圧電フィルムを力セン
サ35,36として用いた場合、力センサ35,36は
過渡応答のみを検出する特性を有する。そのため、搬送
装置11が移動し始めて定常状態となると、力センサ3
5,36からの検出値は、徐々にゼロに近づくように減
少する。
【0032】図6は上記図5に示す操作力の変化に応じ
た搬送装置11の速度及び加速度の変化を示すグラフで
ある。図6のグラフIII に示されるように、搬送装置1
1が静止状態から動作状態に移行する力の立ち上がり時
に加速渡が大きくなり、図6のグラフIVに示されるよう
に、速度が一定となれば加速度は、ゼロとなる。
【0033】図7は制御装置25のCPU38が実行す
る力センサ35,36を設けた場合の補償演算手順を示
すPADである。図7に示されるように、まず、操作力
Ff(k)を検出する(S1)。次に、IO信号を取り
込む(S2)。続いて、速度検出器44により速度を検
出するv(k)。もし、S4で制御中であれば、S5〜
S10の処理を行う。
【0034】S5では、次式(1)により加速度a
(k)を速度の差分により算出する。 a(k)=(v(k)−v(k−1))/Ts … (1) 尚、(1)式において、Tsはサンプリングタイムで、
この演算をおこなう周期であり、例えば5msに設定さ
れている。次に、操作力の推定値Fo(k)を求める
(S6:操作力推定手段)。通常、力は、重力、慣性
力、摩擦力で表される。ここで、台車12の質量をm、
重力加速度をg、路面の傾きをθ、摩擦係数をμとする
と、力Fo(k)は次式で求まる。 Fo(k)=m・g・sin θ+m・a(k)+m・g・μ・cos θ・v(k) … (2) また、傾斜角センサがない場合には、路面の傾きθを0
または、所定の値、例えば2°とする。
【0035】ここで、推定値Fo(k)の絶対値が測定
値Ff(k)より大きい場合には(S7)、制御式に代
入する操作力Fc(k)をFc(k)=Fo(k)と
し、推定値Fo(k)を入力する(S8:推定操作力保
持手段)。これにより、力センサ35,36に付与され
た操作力による出力が持続される。また、S7におい
て、推定値Fo(k)が測定値Ff(k)と等しかまた
は小さい場合には、S9で制御演算に代入する操作力は
測定値とする(Fc(k)=Ff(k))。これによ
り、力センサ35,36に付与された操作力による出力
が持続される。すなわち、S7〜S9の処理は、前述し
た本発明の持続手段に相当する。
【0036】次に、アシストトルクT(k)をT(k)
=K・Fc(k)・rとして算出する(S10)。続い
て、アシストトルク指令をモータドライバ42ヘ出力す
る(S11)。次のS12では、その他の信号を出力す
る。これで、一連の制御演算処理を終了する。このよう
な演算処理により、力センサ35,36からの出力は図
5のグラフII(実線で示す)のように減少するが、図5
中一点鎖線で示すような波形(グラフIII )で示すよう
に操作力の推定値Fo(k)に沿った値に持続され、こ
れが入力される操作力となり、実操作力にほぼ近い値と
することができる。
【0037】このように、力センサ35,36により検
出された操作力が推定操作力以下に減少したとき、推定
操作力を力センサ35,36により検出された操作力と
して保持するため、力センサ35,36が押圧されてい
る間は圧電フィルムが変形しなくても操作力を出力する
ことができ、よって圧電フィルムを剛体に取り付けるこ
とが可能となる。
【0038】そのため、力センサ35,36の突出量を
できるだけ小さくして狭いスペースでも収納し易くで
き、且つ操作部15,16による突出部分が小さいので
誤って衝突しても操作者の安全性を確保できる。図8は
制御装置25のCPU38が実行する補償演算手順の変
形例1を示すPADである。
【0039】図8に示されるように、S21〜S26の
までの処理は、上記実施例のS1〜S6と同様の処理で
あるので、ここでは説明を省略する。S27において、
推定値Fo(k)が測定値Ff(k)より大きい場合に
は、S28に進み、力の変化率ΔF(k)を次式(3)
により算出する。 ΔF(k)=Ff(k)−Fc(k) … (3) ここで、ΔF(k)の絶対値が所定の値εFより大きい
場合には、制御演算に代入する力Fc(k)を前回の制
御演算に代入した力Fc(k−1)から変化の方向に等
しい方向へεFをひいた値とする(S30)。
【0040】また、S29において、変化率が小さい場
合には、S31でFc(k)に測定値を代入する。ま
た、S27において、推定値Fo(k)が測定値Ff
(k)を超えない場合には、S32で制御演算に代入す
る値を測定値とする。次のS33では、上記実施例と同
様の方法、すなわちアシストトルクT(k)をT(k)
=K・Fc(k)・rとして算出し、S34でアシスト
トルクT(k)の指令を出力し、S35でその他のIO
信号を出力する。これで、今回の演算処理を終了する。
【0041】この場合、図5のグラフIV(薄い実線)で
示すような値となる。この場合、力センサ35,36に
付与された操作力による出力が所定時間だけ持続される
が、上記実施の形態に比べて徐々に出力が低下すること
になるので持続時間は短くなっている。図9は制御装置
25のCPU38が実行する補償演算手順の変形例2を
示すPADである。
【0042】尚、変形例2の演算処理は、操作力を検出
する検出部材を図3に示されるように力センサ35,3
6を前進と後退で別に設ける場合の処理である。図9に
示されるように、まず、S41で操作力を読み込む。こ
こで、押し力検出用(前進方向の押圧力用)の力センサ
35からの入力値をFf(k)、引き力検出用(後退方
向の押圧力用)の力センサ36からの検出値をFb
(k)とする。
【0043】次に、IO信号を読み込む(S42)。続
いて、S43で速度信号v(k)を読み込む。次のS4
4において、もし制御中であれば、S45で加速度a
(k)を算出し、S46で操作力の推定値Fo(k)を
求める。しかし、S47において、加速度a(k)が正
の場合には、S48で推定値Fo(k)と測定値Ff
(k)とを比較する。
【0044】ここで、推定値Fo(k)が測定値Ff
(k)より大きい場合には、S49で力の変化率を上記
変形例1のS28と同様の方法で算出する。すなわち、
S50で力の変化が所定値εFを超える場合には、S5
1で演算式に代入する値Fc(k)を前回の値から所定
値εFを減算したものとする。また、S50で力の変化
が所定値εFより小さい場合には、S52で演算に用い
る値をそのまま測定値とする。これにより、力センサ3
5,36に付与された操作力による出力が持続される。
【0045】また、S48において、推定値が測定値よ
り小さい場合には、S53でFc(k)を測定値Ff
(k)とする。これにより、力センサ35,36に付与
された操作力による出力が持続される。また、上記S4
7において、加速度a(k)が負の場合には、S54で
力の変化率を算出する。しかし、S55で力の変化率Δ
F(k)の絶対値が所定の値εFを超える場合には、S
56で次式の演算を行って演算値を算出する。
【0046】 Fc(k)=Fc(k)+εF … (4) また、S55で力の変化率ΔF(k)の絶対値が所定の
値εFより小さい場合には、S57でFc(k)=Ff
(k)として測定値を算出する。そして、S58では、
上記の演算値Fc(k)を用いてアシストトルクT
(k)を算出する。このように、力の変化率ΔF(k)
の絶対値が小さい場合には、演算値Fc(k)を用いて
アシストトルクT(k)を算出するため、力センサ3
5,36に付与された操作力による出力が持続される。
【0047】次のS59では、アシストトルクT(k)
の指令を出力し、今回の処理を終了する。図10は制御
装置25のCPU38が実行する補償演算手順の変形例
3を示すPADである。また、図11は力センサ35,
36の出力特性を示すグラフである。
【0048】変形例3の補償演算手順は、図11に示す
ようにグラフV(実際の波形)に対しグラフVI(センサ
出力)に示されるように、ステップ入力に対する応答を
力センサ35,36が持つ場合の補償方法である。ま
ず、S61で操作力を入力する。次のS62では、IO
信号を入力する。ここで、S63において、もし制御中
であれば、S64〜S71の処理を行う。すなわち、S
64で現在の検出値Ff(k)と1サンプル前の検出値
Ff(k−1)の絶対値を比較する。もし、現在の検出
値が前回の検出値より大きい場合には係数Aを検出値F
f(k)とし、S65でカウンタkをゼロとする。
【0049】また、S64において、Ff(k)の絶対
値がF(k−1)の絶対値より小さい場合には、S66
でカウンタkを1インクリメントする。次のS67で
は、時刻tを算出する。また、S68で時刻tが所定の
値Tiより小さい場合には、S69で制御演算に代入す
る値Fc(k)をFc(k)=Ff(k)+A・t/T
iとする。また、S68において、時刻がTiを超えた
場合には、S70でFc(k)=Ff(k)+Aとす
る。そして、次のS71では、アシストトルクT(k)
をT(k)=K・Fc(k)・rとして算出する。
【0050】このように、時刻がTiを超えた場合に
は、操作力が+A加算されて初期の操作力が持続され
る。よって、力センサ35,36の出力が過渡的に変化
しても操作力としての出力が持続されてアシストトルク
T(k)が継続される。その後、S72でアシストトル
クT(k)の指令を出力し、S73でその他のIOを出
力する。
【0051】図12(A)〜(D)は本発明の第2実施
例の構成を説明するための平面図、側面図、正面図、底
面図である。図12(A)〜(D)に示されるように、
搬送装置51は、前述した実施の形態と同様に台車52
の後面上部の左右角部には、操作部55,56が取り付
けられている。
【0052】また、台車52の底面には、駆動ユニット
53が設けられ、台車12の後面には収納部を開閉する
扉54が取り付けられている。駆動ユニット53は、駆
動モータ61と、クラッチブレーキユニット62と、1
組の傘歯車63,64とが取り付けられている。クラッ
チブレーキユニット62の出力軸62aは、クラッチブ
レーキユニット62と連結されており、この出力軸62
aに嵌合固定された傘歯車63を回転させる。
【0053】そして、傘歯車63に噛合する傘歯車64
は、駆動輪65の軸65aに嵌合固定されている。ま
た、駆動輪65は、軸受66,67により回転自在に支
持されている。そのため、駆動モータ61の駆動力は、
傘歯車63,64を介して駆動輪65に伝達されてアシ
スト力を発生させる。また、駆動輪65の回転は、速度
検出器72により検出されて移動速度が算出される。
【0054】また、台車52の底部には、4つの車輪6
8〜71が設けられている。尚、駆動輪65の回転は、
速度検出器72により検出される。また、駆動モータ6
1及び制御装置73は、バッテリ74から電源が供給さ
れる。さらに、搬送装置51の後部の操作部55,56
間には、操作パネル75が設けられている。この、操作
パネル75は、ブレーキオンスイッチ76と、ブレーキ
オフスイッチ77と、電源スイッチ78が配置されてい
る。
【0055】図13(A)(B)は操作部56の構成を
示す斜視図である。図13(A)(B)に示されるよう
に、操作部56は、箱型形状とされた台車52の上部の
左側角部に取り付けられ、左側操作部として設けられて
いる。この操作部56は、台車52の上面に対向する上
部56aと、台車52の左側面に対向する側部56b
と、台車12の後面に対向する後部56cとからなる。
【0056】後部56cの内壁には、台車52を前進方
向(A方向)に移動させる際に押圧操作される力センサ
(第1の操作力検出部材)81が取り付けられている。
この力センサ81の取付位置は、操作者が搬送装置51
を前進させる際に手のひらで押圧し易い位置となってい
る。また、側部56bの内壁には、台車12を後退方向
(B方向)に移動させる際に押圧操作される力センサ
(第2の操作力検出部材)82が取り付けられている。
この力センサ82の取付位置は、操作者が搬送装置51
を後退させる際に指先で台車52の両側を把持するよう
に押圧しやすい位置となっている。
【0057】力センサ81,82は、夫々「圧電フィル
ム」と呼ばれる極めて薄いフィルム状の圧電体からな
り、操作部56の内側に貼着されている。この圧電フィ
ルムは、ある特定の方向(検出方向)からの力が加えら
れると、出力(電位差)が生じる特性を有している。ま
た、力センサ81,82は、夫々台車52の内壁面に沿
って配線されたケーブル83を介して制御装置73と接
続されており、後述するように押圧操作されると、その
信号を制御装置73へ出力する。
【0058】そのため、力センサ81は、操作者が搬送
装置51を前進方向(A方向)に押圧する際、その押圧
方向と検出感度が良好となる操作力Dの検出方向とが一
致するように後部56cに設けられている。また、操作
者は搬送装置11を後退させる際、台車52の両側から
挟持するように押圧しながら手前に引くように操作す
る。そのため、力センサ82は、操作者が搬送装置11
を後退方向(B方向)に引く際、C方向に押圧されなが
らB方向に引き戻そうとする力が付与される。よって、
力センサ82は、後退方向(B方向)と直交するC方向
と検出感度が良好となる操作力Eの検出方向とが一致す
るように側部56bに設けられている。
【0059】尚、台車12の上部の左側角部に取り付け
られた操作部55は、上記操作部56と左右対象な形状
であるが、力センサ81,82は、上記操作部56の場
合と同じ位置に設けられている。図14は操作部55が
台車52に上部角部に取り付けられた状態を示す縦断面
図である。
【0060】図14に示されるように、操作部55は、
上記上部55a、側部55b、後部55cの夫々が台車
52の上面、側面、後面から所定距離離間した位置に保
持されている。すなわち、操作部55は、台車52の上
面、側面、後面に対向する上部55a、側部55b、後
部55cの周縁部に台車52に当接する脚部55eが設
けられている。
【0061】そして、力センサ81,82は、操作部5
5の内壁に貼着されて台車52との間に形成された空間
内に収納され、外観上見えないように取り付けられてい
る。また、力センサ81,82から引き出されたケーブ
ル83は、台車52の内部に形成された通路84に挿通
される。よって、上部55a、側部55b、後部55c
は、外部から押圧されると、内側に僅かに撓むように構
成されており、力センサ81,82はこの撓みによって
押圧力を検出する。従って、力センサ81,82は、操
作部55に操作力が付与されている間その出力を持続す
ることができる。
【0062】尚、力センサ81,82としては、上記圧
電フィルムに限らず、歪みゲージ等を用いることもでき
る。図15は制御装置73のシステム構成を示すブロッ
ク図である。図15に示されるように、力センサ81,
82及び速度検出器72から出力された検出信号は、A
/D変換器86を介してCPU87に入力される。ま
た、操作パネル75に設けられたブレーキオンスイッチ
76、ブレーキオフスイッチ77、電源スイッチ78
は、i/oボード88の入力接点に接続されており、各
スイッチからの信号はi/oボード88を介してCPU
87に入力される。
【0063】また、CPU87では、後述するような演
算処理を実行し、D/A変換器89を介してモータドラ
イバ90へトルク指令を出力する。これにより、モータ
ドライバ90は、駆動モータ61へ電流指令を出力して
駆動モータ61を駆動させる。また、CPU87は、リ
レー91,92にi/oボード88を介して信号を出力
する。
【0064】クラッチブレーキユニット62のクラッチ
62a及びブレーキ62bは、ブレーキオンスイッチ7
6、ブレーキオフスイッチ77、作動スイッチ78から
の信号が入力されると、i/oボード88から出力され
た信号によりリレー91,92が閉成して駆動される。
また、バッテリ74は、A/D変換器86、CPU8
7、i/oボード88、モータドライバ90、リレー9
1,92に電源供給を行っている。
【0065】図16はCPU87が実行するメイン処理
の演算手順を説明するためのPADである。図16に示
されるように、CPU87は、S81でi/oボード8
8を介してブレーキオンスイッチ76、ブレーキオフス
イッチ77、作動スイッチ78からのスイッチ情報を読
み込む。ここで、スイッチ情報がブレーキオンであると
きは(S82)、クラッチ62aをオフにし(S8
3)、駆動モータ61へのトルク指令Tをゼロとする
(S84)。
【0066】また、上記S82において、スイッチ情報
がブレーキオフであるときは、クラッチ62aをオンに
し(S85)、速度検出器72からの信号により駆動輪
65の速度を検出する(S86)。そして、S87にお
いて、検出された速度が2km/hより大きい場合に
は、S89に進み、駆動モータ61へのトルク指令Tを
ゼロとする(S88)。
【0067】しかし、S87において、検出された速度
が2km/hを越えない場合には、S89に進み、左右
の操作部55,56の力センサ81,82に付与された
操作力Fl ,Fr を検出する。その後、S90で駆動モ
ータ61へのトルク指令Tを操作力Fl ,Fr の比例し
た値として算出する。また、S91でi/o信号及びト
ルク指令Tを出力する。これで、一回の演算処理を終了
する。
【0068】図17(A)(B)は第2実施例の変形例
の構成を示す側面図、底面図である。尚、図17(A)
(B)において、上記第2実施例の搬送装置51と同一
部分には同一符号を付してその説明を省略する。図17
(A)(B)に示されるように、搬送装置95では、制
御装置73の内部に電源が内蔵されており、前側に配置
された車輪68,69は、夫々駆動モータ96,97の
出力軸に連結されている。そのため、前輪としての車輪
68,69は、左右の操作部55,56の力センサ8
1,82に付与された操作力Fl ,Fr に応じて駆動モ
ータ96,97により直接回転駆動される。
【0069】図18は上記第2実施例の変形例の構成に
おいて、CPU87が実行するメイン処理の演算手順を
説明するためのPADである。図18に示されるよう
に、CPU87は、S101でi/oボード88を介し
てブレーキオンスイッチ76、ブレーキオフスイッチ7
7、作動スイッチ78からのスイッチ情報を読み込む。
ここで、スイッチ情報がブレーキオンであるときは(S
102)、クラッチ62aをオフにし(S103)、駆
動モータ96,97へのトルク指令Tl ,Tr をゼロと
する(S104)。
【0070】また、上記S102において、スイッチ情
報がブレーキオフであるときは、クラッチ62aをオン
にし(S105)、速度検出器72からの信号により駆
動輪65の速度を検出する(S106)。そして、S1
07において、検出された速度が2km/hより大きい
場合には、S109に進み、駆動モータ96,97への
トルク指令Tl ,Tr をゼロとする(S108)。
【0071】しかし、S107において、検出された速
度が2km/hを越えない場合には、S109に進み、
左右の操作部55,56の力センサ81,82に付与さ
れた操作力Fl ,Fr を検出する。その後、S110で
駆動モータ96,97へのトルク指令Fl ,Fr を操作
力Fl ,Fr の比例した値として算出する。また、S1
01でi/o信号及びトルク指令Tl ,Tr を出力す
る。これで、一回の演算処理を終了する。
【0072】図19は上記第2実施例の搬送装置の左右
の操作部55,56に付与される力を求める演算手順を
説明するためのPADである。図19に示されるよう
に、CPU87は、S121で台車52を前進させる際
に操作される左右の操作部55,56の力センサ81に
付与された操作力Flf,rfを検出する。
【0073】また、S122で台車52を後退させる際
に操作される左右の操作部55,56の力センサ82の
操作力Fls, rsを検出する。左右の力センサ82によ
り検出される操作力Fls, rsは、左右の横方向から挟
持するように作用させる力であり、操作者が左右の操作
部55,56を両側から挟持しながら後方に引くように
力を加えるため、摩擦との関係より比例することから後
退させようとする力Flb, rbをFls/μ, rs/μと
して求める(S123)。
【0074】次のS124において、Frf≧Frbである
場合、右側の操作部56の力センサ81,82により検
出された力が台車52を前進させようとしているものと
判断し、Fr =Frfとする。従って、右側の操作部56
に付与される操作力は、Fr=Frfと決定する(S12
5)。また、S127において、Frf≧Frbでない場
合、右側の操作部56の力センサ81,82により検出
された力が台車52を後退させようとしているものと判
断し、Fr =−Frbとする。従って、右側の操作部56
に付与される操作力は、Fr =−Frbと決定する(S1
26)。
【0075】次のS127において、Flf≧Flbである
場合、左側の操作部55の力センサ81,82により検
出された力が台車52を前進させようとしているものと
判断し、Fl =Flfとする。従って、左側の操作部55
に付与される操作力は、Fl=Flfと決定する(S12
8)。また、S124において、Flf≧Flbでない場
合、左側の操作部55の力センサ81,82により検出
された力が台車52を後退させようとしているものと判
断し、Fl =−Flbとする。従って、左側の操作部55
に付与される操作力は、Fl =−Flbと決定する(S1
29)。
【0076】このように、左右の操作部55,56の力
センサ81,82に付与された操作力の大きさから操作
者の操作方向及び搬送速度、加速度を求めることができ
る。図20は上記第2実施例の力センサ81,82の変
形例を示す縦断面図である。図20に示されるように、
力検出部として可変抵抗器98が操作部55の側部55
b内壁に取り付けられている。尚、操作部56も操作部
55と同様な構成であるので、その説明は省略する。
【0077】可変抵抗器98は、所定の電圧が印加され
ており、外部から側部55bが押圧されることにより摩
擦力(操作力)が付与され、この摩擦力に比例した抵抗
値が変化する。操作者は、台車52を前進させる場合に
は、側部55bが側方から押圧しながら前進方向(A方
向)に押すことになる。また、台車52を前進させる場
合には、側部55bが側方から押圧しながら後退方向
(B方向)に引くことになる。
【0078】そのため、側部55bは、操作者の操作に
よって押圧方向が異なり、側部55bの撓み方向も進行
方向に応じてことなる。また、上記力検出部では、可変
抵抗器98の中間点で電圧V1 を測定しており、操作者
の押圧操作に応じた電圧V1を検出することができる。
例えば、操作者が側部55bを前進方向に押圧する場合
には、可変抵抗器98の中間点より後方(B方向)の力
が強くなるため、V1 <(V2 −V1 )となる。
【0079】また、操作者が側部55bを後退方向に引
く場合には、可変抵抗器98の中間点より前方(A方
向)の力が強くなるため、V1 >(V2 −V1 )とな
る。このように、可変抵抗器98が力検出部材として用
いると、操作者の押圧操作方向に応じた電圧V1 が出力
が押圧されている間持続される。そして、CPU87
は、操作力の変化に比例して可変抵抗器98から出力さ
れる電圧変化に基づいて駆動モータ61を駆動制御する
ことができる。
【0080】尚、上記実施の形態では、上記のような箱
型の搬送装置11,51,95を一例として挙げたが、
これに限らず、他の形状又は構造を有する搬送装置にも
本発明を適用できるのは言うまでもない。
【0081】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、フィルム状に形成された操作力検出部材により操作
力を検出できるので、操作力検出部材の取付スペースが
小さく且つ薄いので、操作部の突出が小さくて済み、そ
の分収納部の収納効率を高めることができる。また、操
作部の突出が小さいので、台車が通路上の載置物等に衝
突した場合の操作者の安全性を確保できる。
【0082】さらに、操作部が小型化及び薄型化できる
ので、バッテリの電力消費を削減してバッテリ容量を増
大させずにアシスト力使用可能時間を延長できる。ま
た、フィルム状に形成された操作力検出部材の重量が小
さいので、操作の軽量化を図ることができる。また、過
渡応答については操作力検出部材からの検出値で、一定
常応答では推定値を用いて操作力を補償するので、操作
力検出部材の特性による誤差を緩和することができる。
【0083】また、請求項2記載の発明によれば、操作
力検出部材が台車の長手方向の端部に設けられた第1の
操作力検出部材と、台車の横方向の側部に設けられた第
2の操作力検出部材とからなるため、第1、第2の操作
力検出部材を操作者が手押しする位置に配置させること
ができるので、台車を移動させる際の自然な操作により
操作力を付与することが可能となり、操作が容易に行え
る。
【0084】また、請求項3記載の発明によれば、持続
手段が台車の重量に応じた推定操作力を演算する操作力
推定手段と、操作力検出部材により検出された操作力が
推定操作力以下に減少したとき、推定操作力を操作力検
出部材により検出された操作力として保持する推定操作
力保持手段とからなるため、操作力検出部材を押圧して
いる間は操作力検出部材が変形しなくても操作力を出力
することができ、よって圧電フィルム等からなる操作力
検出部材を剛体に取り付けることが可能となる。そのた
め、操作力検出部材の突出量をできるだけ小さくして狭
いスペースでも収納し易くでき、且つ操作力検出部材に
よる突出部分が小さいので誤って衝突しても操作者の安
全性を確保できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる搬送装置の第1実施例の斜視図で
ある。
【図2】搬送装置の駆動部の構成を説明するための上方
からみた横断面図である。
【図3】操作部15,16の構成を示す斜視図である。
【図4】制御装置25のシステム構成を示すブロック図
である。
【図5】搬送装置11を移動させる際の操作力の変化を
示すグラフである。
【図6】図5に示す操作力の変化に応じた搬送装置11
の速度及び加速度の変化を示すグラフである。
【図7】制御装置25のCPU38が実行する力センサ
35,36を設けた場合の補償演算手順を示すPADで
ある。
【図8】制御装置25のCPU38が実行する補償演算
手順の変形例1を示すPADである。
【図9】制御装置25のCPU38が実行する補償演算
手順の変形例2を示すPADである。
【図10】制御装置25のCPU38が実行する補償演
算手順の変形例3を示すPADである。
【図11】力センサ35,36の出力特性を示すグラフ
である。
【図12】本発明の第2実施例の構成を説明するための
図である。
【図13】操作部56の構成を示す斜視図である。
【図14】操作部55が台車52に上部角部に取り付け
られた状態を示す縦断面図である。
【図15】制御装置73のシステム構成を示すブロック
図である。
【図16】CPU87が実行するメイン処理の演算手順
を説明するためのPADである。
【図17】第2実施例の変形例の構成を示す図である。
【図18】第2実施例の変形例の構成において、CPU
87が実行するメイン処理の演算手順を説明するための
PADである。
【図19】第2実施例の搬送装置の左右の操作部55,
56に付与される力を求める演算手順を説明するための
PADである。
【図20】第2実施例の力センサ81,82の変形例を
示す縦断面図である。
【符号の説明】
11,51 搬送装置 12,52 台車 13 駆動ユニット 14 収納部 15,16,55,56 操作部 17,18 前輪 19,20 後輪 21,65 駆動輪 22,61 駆動モータ 23 減速機 24 電磁クラッチ 25 制御装置 26 バッテリ 27 ブレーキ機構 35,36,81,82 力センサ 38,87 CPU 42,90 モータドライバ 44,72 速度検出器 62 クラッチブレーキユニット 68〜71 車輪 75 操作パネル 76 ブレーキオンスイッチ 77 ブレーキオフスイッチ 78 電源スイッチ 98 可変抵抗器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 入山 佳子 神奈川県川崎市川崎区富士見1丁目6番3 号 トキコ株式会社内 Fターム(参考) 3D050 AA01 BB05 DD03 EE08 EE15 GG01 JJ01 JJ09 KK09 KK14 5H115 PA00 PA08 PC06 PG10 PI16 PI29 PO02 PO07 PO09 PU01 PV01 QE01 QE13 QH08 QI07 QN03 RB08 SE03 SE09 TB03 TO02 TO13 TO21 TO23 TO30

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 台車の底部に設けられた車輪と、該車輪
    を駆動するモータと、操作力を付与される操作部と、該
    操作部に加えられた操作力の大きさに応じて前記モータ
    を制御する制御部とを有する搬送装置において、 前記操作部にフィルム状に形成された操作力検出部材を
    設け、 前記操作力検出部材の出力変化により得られた検出値を
    持続させる持続手段を設けたことを特徴とする搬送装
    置。
  2. 【請求項2】 前記請求項1記載の搬送装置であって、 前記操作力検出部材は、 前記台車の長手方向の端部に設けられた第1の操作力検
    出部材と、 前記台車の横方向の側部に設けられた第2の操作力検出
    部材と、 からなることを特徴とする搬送装置。
  3. 【請求項3】 前記請求項1記載の搬送装置であって、 前記持続手段は、 前記台車の重量に応じた推定操作力を演算する操作力推
    定手段と、 前記操作力検出部材により検出された操作力が前記操作
    力推定手段により演算された推定操作力以下に減少した
    とき、前記推定操作力を前記操作力検出部材により検出
    された操作力として保持する推定操作力保持手段と、 からなることを特徴とする搬送装置。
JP30912298A 1998-10-29 1998-10-29 搬送装置 Pending JP2000139002A (ja)

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