JPH09169271A - 電動式搬送車 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 両側の駆動車輪を独立させ、地面に凹凸があ
っても両駆動車輪を確実に接地させ、必要とする推進力
が常に得られる電動式搬送車を提供する。 【解決手段】 キャスター方式の前輪３と後輪４で支持
した車両本体２の下面側中央部に、両側で一対となる駆
動車輪２０を設置し、両駆動車輪２０は、独立して個々
に上下揺動自在とすると共に、巻きスプリング２２によ
り接地弾性を付勢し、地面に凹凸があっても両駆動車輪
２０を接地させることにより、常に所定の推進力を得る
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、重量物を搬送す
る電動式搬送車、更に詳しくは、両側一対の駆動車輪を
各々確実に接地させることができるようにした駆動車輪
独立懸架装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】重量物を搬送するために用いられている
従来の電動式搬送車は、車両本体の前部両側を支持する
前輪と後部両側を支持する後輪を自在キャスター方式の
車輪とし、車両本体の下面中央部にモータで駆動される
両側一対の駆動車輪を上下に揺動自在となるよう設置
し、両駆動車輪にスプリングで常時接地する方向の弾性
を付勢した構造になっており、駆動車輪の駆動により走
行すると共に、前後輪の自在キャスター方式により、方
向の転換が可能となる。

【０００３】ところで、上記電動式搬送車は、走行のた
めの十分な推進力を得るために駆動車輪を車両本体の下
部両側に２輪を設け、両駆動車輪の強制的な駆動によっ
て推進力を得るようになっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
駆動車輪は、両側の駆動車輪を一体にして上下に揺動自
在と、スプリングで接地弾性を付勢していたため、凹凸
の大きな地面では片側の駆動車輪が空中に浮き、空転し
てしまうことになり、必要とする推進力が得られないだ
けでなく、搬送車がストップしたり、車輪軸に無理な作
用応力がかかり、折損するという問題がある。

【０００５】そこで、この発明の課題は、両側の駆動車
輪を独立させて個々に接地させることにより、常に必要
とする推進力が得られてストップの発生がないと共に、
車輪軸に無理な負荷をかけることのない電動式搬送車を
提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記のような課題を解決
するため、この発明は、前輪と後輪が自在キャスター方
式の車輪からなる車両本体の下面側中央部に、バッテリ
ーを電源とするモータで駆動される両側一対の駆動車輪
を設置した電動式搬送車において、両側に位置する駆動
車輪を各々独立して上下に揺動自在となるよう設け、両
駆動車輪の各々に常時下方へ向けての接地弾性を独立し
て付勢した構成を採用したものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
示例と共に説明する。

【０００８】図１のように、電動式の搬送車１は、平板
状となる車両本体２の前部両側と後部両側を自在キャス
ター方式の前輪３と後輪４で支持し、車輌本体２の下面
中央部に電動の駆動車輪装置５を設置すると共に、車両
本体２の下面に該装置５の電源となるバッテリー６と、
後輪側上面に制御ボックス７とハンドル８を設けた構造
になっており、バッテリー６の電力で制御ボックス７を
介して駆動車輪装置５を駆動することにより、搬送車１
は前進又は後退することになる。

【０００９】上記駆動車輪装置５は、図１乃至図３に示
すように、車両本体２の下面中央部に横長の支持枠１１
を固定し、この支持枠１１の後部両側に対向して設けた
下向き支持壁１２と１２の間に軸１３を架設し、この軸
１３の両側に揺動ブラケット１４、１４の後端部が枢止
されている。

【００１０】揺動ブラケット１４、１４は、天板１５の
両側に下向きの側壁１６、１６を設けた断面コ字状に形
成され、側壁１６、１６の後端部が軸受１７を介して軸
１３に支持され、軸１３を中心に上下に揺動自在とな
り、図２と図３に示すように、両側の揺動ブラケット１
４と１４は、スペーサ１８を介在させた状態で車両本体
２の前後方向の中心線に対して左右に対称状の配置とな
っている。

【００１１】両側揺動ブラケット１４、１４の互に外側
に位置する側壁の先端側に下向きの支持部材１９を設
け、この支持部材１９の外面側に回転自在となる駆動車
輪２０と、内面側に駆動車輪２０を駆動するＤＣサーボ
モータ２１とが取付けられている。

【００１２】従って、両側に配置される一対の駆動車輪
２０と２０は、個々に独立し、それぞれモータ２１によ
って別個に駆動されると共に、軸１３を支点にして上下
に揺動自在となる。

【００１３】両揺動ブラケット１４、１４は、それぞれ
巻きスプリング２２により、先端側が常時下方向に向く
方向の回動弾性が付勢され、駆動車輪２０、２０に地面
への接地弾性を与えている。

【００１４】上記巻きスプリング２２は、軸１３に外嵌
挿入して取付け、中間屈曲突部を取付枠１１の後壁に当
接させると共に、両端部を揺動ブラケット１４の側壁１
６、１６間に架設した補強軸２３に係止し、揺動ブラケ
ット１４に下方への回動弾性を付勢しており、両揺動ブ
ラケット１４、１４は、取付枠１１の側壁間に架設した
ストッパー軸２４で下降限位置が規制されている。

【００１５】この発明の電動式搬送車は上記のような構
成であり、重量物を載置する車両本体２は、四隅が前輪
３と後輪４で支持され、下面中央部に設けた駆動車輪２
０は、巻きスプリング２２の弾性によって地面に圧接
し、モータ２１によって駆動車輪２０を回転させること
により搬送車１は前進又は後進すると共に、前輪３及び
後輪４の自在キャスターにより方向転換が行なえる。

【００１６】前記した両側の駆動車輪２０と２０は、個
々に独立して上下に揺動自在となり、巻きスプリング２
２で接地弾性を付勢されているので、地面に凹凸がある
場合、両側の駆動車輪２０と２０は個々に上下位置が変
化し、何れもが確実に接地することになり、従って、搬
送車１の移動時に、両駆動車輪２０、２０で常に推進力
が得られ、搬送車１を安定して走行させることができ
る。

【００１７】

【発明の効果】以上のように、この発明によると、車両
本体の前後をキャスター方式の前輪と後輪で支持すると
共に、車両本体の下面中央の両側に電動の駆動車輪を設
けた搬送車において、両側駆動車輪を独立して上下に揺
動自在とすると共に、両駆動車輪の各々に接地弾性を付
勢したので、地面に凹凸があっても両駆動車輪は常に接
地することになり、空転の発生がなく、搬送車の安定し
た確実な推進力を得ることができる。

【００１８】また、両駆動車輪は、空転の発生がなく、
駆動車輪軸に無理な作用応力がかからないので、駆動部
分の耐久性を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（Ａ）はこの発明に係る搬送車の要部切欠正面
図、（Ｂ）は同上の要部を拡大した縦断面図

【図２】同上の縦断側面図

【図３】要部を拡大した横断平面図

【符号の説明】

１ 搬送車 ２ 車両本体 ３ 前輪 ４ 後輪 ５ 駆動車輪装置 ６ バッテリー １１ 支持枠 １３ 軸 １４ 揺動ブラケット ２０ 駆動車輪 ２１ サーボモータ ２２ 巻きスプリング

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 前輪と後輪が自在キャスター方式の車輪
   からなる車両本体の下面側中央部に、バッテリーを電源
   とするモータで駆動される両側一対の駆動車輪を設置し
   た電動式搬送車において、 両側に位置する駆動車輪を各々独立して上下に揺動自在
   となるよう設け、両駆動車輪の各々に常時下方へ向けて
   の接地弾性を独立して付勢したことを特徴とする電動式
   搬送車。