JP3903529B2 - 駆動補助付小型車両 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、操作者の操作力に応じた補助的駆動力を発生し、人力による運搬を補助する駆動補助付小型車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、人力による運搬に利用される運搬用小型車両の中には、バッテリー電源や電動モータ等を具備し、人力による操作を補助して操作者の労力を軽減するため、電動モータ等に補助的駆動力を出力させるようにしたものがある。
【0003】
そして、この種の小型車両にあっては、該車両による運搬の状況に応じて、補助的駆動力の出力が制御されるようになっている。例えば、該小型車両を登り坂を前進しながら押し上げていく場合と、平坦路を押していく場合とでは、該車両に加えるべき操作力は異なる。そのため、該車両のハンドル等の操作部に加えられる操作者の操作力を検出し、この操作力に応じた補助的駆動力を発生させるようになっている。例えば登り坂を前進する場合には、操作者が操作部を強く押すため、大きな操作力に応じた大きな補助的駆動力を発生させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、小型車両が走行する走行面は平坦で障害物がないとは限らない。例えば操作者が前進方向への注意を怠り、障害物に衝突することがある。この場合、障害物に人力+補助的駆動力が加わり危険度が増すという問題が生じる恐れがある。また、通常のカートと同様に扱える小型車両であると、車道から歩道を移るときのように段差を乗り越えるときには、小型車両の前輪又は後輪を持ち上げる動作を行うことがある。この場合、駆動輪が空転し、空転に伴う飛散物で操作者の服を汚したり、空転部分に服が巻き込まれたりする恐れがある。
【0005】
そこで、本発明は、操作者により加えられる操作力の大きさと方向に応じて加えられる補助的駆動力を、操作者の操作の状況に応じてオフして安全性を保つことができる駆動補助付小型車両を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する本発明のうち請求項1記載の発明は、操作者により加えられる操作力の大きさと方向に応じて、前進方向の補助的駆動力又は後進方向の補助的駆動力を、駆動車輪に連結される電動モータに発生させるモータ制御部と、前記小型車両に取り付けられ、前進方向にある障害物を検出する障害物検出部と、前記モータ制御部に設けられ、前記障害物検出部からの出力に基づき、前記補助的駆動力のうち前進方向の補助的駆動力をオフにし、後進方向の補助的駆動力をオンしたままとする切換部と、を備える駆動補助付小型車両である。
【0007】
【0008】
請求項2記載の発明は、操作者により加えられる操作力の大きさと方向に応じて、前進方向の補助的駆動力又は後進方向の補助的駆動力を、駆動車輪に連結される電動モータに発生させるモータ制御部と、前記小型車両に取り付けられ、前進方向にある障害物を検出する障害物検出部と、前記小型車両に取り付けられ、車両の持ち上げ状態を検出する車輪浮き検出部と、前記モータ制御部に設けられ、前記障害物検出部からの出力に基づき、前記補助的駆動力のうち前進方向の補助的駆動力をオフにし、後進方向の補助的駆動力をオンしたままとするとともに、前記車輪浮き検出部からの出力に基づき、前記補助的駆動力の全てをオフにする切換部と、を備える駆動補助付小型車両である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図面を用いて説明する。まず、本発明にかかる駆動補助付小型車両(以下、「小型車両」という)の全体的な構成を、図2に基づいて説明する。図2は、小型車両の一構成例の斜視図である。図2に示される小型車両1は、車体カバー4に覆われる車両本体2と、ハンドル5等とからなる操作部3とを備えて構成される。
【0010】
車体カバー4は、電動モータやその制御装置等の小型車両1に備わる装備をその内部に覆うための部材であるが、その上部は運搬物を載置するための搬送台となっている。また車体カバー4のハンドル5の近傍には操作パネル(設定器)7が設けられている。操作部3の一部としてのハンドル5は、車体カバー4内の図示されない結合部材8を介して車両本体2のフレーム構造に連結されている。このハンドル5は左右が対称をなすコ字状形状になっている。
【0011】
車両本体2には、ハンドル5に近い側であって進行方向と直交する左右方向に、第1駆動車輪11と第2駆動車輪12が取り付けられている。なお、13はハンドル5から離れた側に位置する旋回自在なフリーの車輪であって1個又は2個が車両本体2に取り付けられている。
【0012】
第1,第2駆動車輪11,12は、自動車の差動トランスの如き歯車機構14に接続され、旋回可能になっている。歯車機構14には、電動モータ15が連結されている。電動モータ15は、永久磁石界磁モータ等の如くバッテリーを電源としトルク制御の可能なものであればよい。
【0013】
また、車両本体2の前方のバンパーには障害物との当接を検出する接触型センサ(障害物検出部)16が取り付けられ、車両本体2の底面であって前後車輪の間に走行面との距離を図る距離センサ(車輪浮き検出部)17が取り付けられている。
【0014】
図1は、前述した小型車両に搭載される制御機器のブロック図である。図において、制御ブロックは、操作力検出部6と、設定器7と、障害物検出部16と、車輪浮き検出部17と、モータ制御部50、電源70と、回転計71とを主要機器として構成される。
【0015】
操作力検出部6には、コ字状のハンドルに加えられる操作力をハンドルの左右位置で検出するポテンションメータの如き左検出器及び左検出器からの出力VPR,VPLが入力される。この操作力検出部6は、ハンドルの左右位置の操作力に応じた電圧VPR及びVPLの入力を受けると、出力VPR及びVPLの大小から操作力の大きさを判定し、出力VPR及びVPLの正負から操作力が作用する前後方向を判定し、出力VPR及びVPLの差から旋回させようとする状態を判定する。なお、左右の第1,第2駆動車輪11,12を一つの電動モータ15で駆動する場合には、出力VPR及びVPLの平均値の正負とその絶対値から、操作力が作用する前後方向とその大きさを判定するようになっている。
【0016】
設定器7は、検出された操作力に対する補助的駆動力の比率を例えば大中小に設定するための信号をアシスト比演算部51に出力するものである。例えば、登り坂の場合には、補助的駆動力の比率を大に設定し、平坦路の場合には、補助的駆動力の比率を小に設定する。
【0017】
モータ制御部50は、アシスト比演算部(補助的駆動力演算部)51と、切換部52と、フィードバック制御部53、モータ用ドライバ54とからなる。補助的駆動力演算部51は、操作力検出部6からの操作力に関する出力及び設定器7からの設定に関する出力を基にして、例えば操作力の1/2に相当する補助的駆動力を発生させるためのトルク指令値τを減算器61に出力する。
【0018】
切換部52は、トルク指令値τの正成分分離部66と、トルク指令値τの負成分分離部67と、第1スイッチ68と、第2スイッチ69とからなる。第1スイッチ68は、正成分分離部66からの出力だけをオンオフする機能を有する。この第1スイッチ68は通常はオンの状態にあるが、障害物検出部16が前方の障害物を検出するとオフに切り換わり、前進方向の補助的駆動力に相当する出力信号の正成分だけをカットする。
【0019】
第2スイッチ69は、正成分分離部66と負成分分離器67との合成の出力をオンオフする機能を有する。この第2スイッチ69は通常はオンの状態にあるが、車輪浮き検出部17が車輪の浮き状態を検出するとオフに切り換わり、前進又は後進に係わらず補助的駆動力の全体に相当する出力信号をカットする。
【0020】
フィードバック制御部53は、減算器61と、比例制御部62、PWM比率変換部63と、駆動力換算部64と、電圧変換部65とからなる。減算器61は、切換部52を経て入力されたトルク指令値τと、後述する電圧変換器65の出力値との差をとるものである。比例制御部62は、減算器61の出力に対して比例制御を行う。PWM(Pulse Width Modulation)比率変換部63は、比例制御部62の出力に応じてパルス幅変調信号の変調比を変化させる。
【0021】
駆動力換算部64は、電動モータ15へ供給される電流を検出して、第1,第2駆動車輪11,12の駆動力値に換算し、電圧変換部65に出力する。電圧変換部65は、駆動力換算部64から出力された駆動力値に応じた電圧に変換して減算器61へ出力する。
【0022】
モータ用ドライバ54は、PWM比率変換部63から出力されるパルス幅変調信号に基づいて、電源70から電動モータ15へ供給される電流を制御する。また、補助的駆動力演算部51からのトルク指令値τの正負で電動モータ15へ供給される電流の方向を制御する。
【0023】
回転計71は、電動モータ15の回転数を検出し、例えば所定値以上の高速になるとアシスト比(操作力に対する補助的駆動力の比率であって、普通は1未満の数字)を低下させる指令を補助的駆動力演算部51が出力する場合に使用される。
【0024】
つぎに、上述した小型車両の動作について説明する。図3は、矢印aの直進において操作者が前方の注意を怠り、障害物Sに衝突した場合を示している。車両前方に取り付けられた接触型センサ16が障害物Sを検出すると、操作者の操作力が依然として前方に向かっていても、切換部52の第1スイッチ68(図1参照)がオフになって、前進方向の補助的駆動力はゼロになって、操作者の前方の操作力だけになる。操作者が障害物Sに気づくと直ぐに後進させようとするのが普通である。接触型センサ16が障害物Sを検出する状態が続いても、切換部52の第2スイッチ69(図1参照)がオンのままであるため、後進方向の補助的駆動力は直ちに作用させることができる。そのため、障害物Sには人力以上の力が加わらず、速やかに退避するための後進方向には補助的駆動力が加わる。なお、障害物検出部は、接触型センサ16に限らず、非接触型センサで近距離の障害物を検出するものであってもよい。
【0025】
図4は、小型車両の進行方向に凹凸がある場合の操作を示している。図4(a)は、前進方向の走行面に凹部Vがある場合を示している。操作者9はハンドル5を押し下げ、車両本体2の前方を後輪11,12を支点として持ち上げ、凹部Vを乗り越える。このとき、車輪浮き検出部としての距離センサ17が作動し、切換部52の第2スイッチ69(図1参照)がオフとなって、補助的駆動力の全てがゼロになって、操作者9の操作力だけで小型車両を自在に操作する。前輪13が凹部Vを乗換え、車体本体2が水平になると、切換部52の第2スイッチ69(図1参照)がオンとなって再び補助的駆動力が付加される。つぎに、後輪11,12が凹部Vにさしかかると、操作者9はハンドル5を引き上げ、車体本体2の後方を前輪13を支点として持ち上げる。すると、距離センサ17が再び作動し、切換部52の第2スイッチ69(図1参照)がオフとなって、補助的駆動力の全てがゼロになる。そのため、駆動輪11が補助的駆動力によって空転することが防止される。
【0026】
図4(b)は、後進方向の走行面に凸部Wがある場合を示している。この場合も図4(a)と同様に、車両本体2の前後の持ち上げ動作が行われ、車輪が浮き上がると補助的駆動力の全てがゼロになる。なお、距離センサ17を距離が大きすぎても小さすぎても作動しないような上限及び下限を有するものにすると、凹部Vや凸部Wで距離センサ17が作動しないようにすることができる。また、補助的駆動力のオフ後のオン時に、急激な補助的駆動力で車輪がスリップしないように、トルク又は回転を徐々に増やすソフトスタート制御をモータ制御部50に組み込むこともできる。
【0027】
次に、ハンドルの左右に異なる力が作用した場合の操作力を別々に検出する操作部3の機構の一例を図5により説明する。図5(a)がハンドル5の周辺についての上面図を示しており、図5(b)は側面図である。
【0028】
操作部3は、中心軸45に対して対称をなす左側部分と右側部分とからなっている。操作部3は、操作者による操作力が加えられるハンドル5と、ハンドル5の両端より延在して備えられるポテンショメーター30と、ハンドル5とポテンショメーター30とが組み込まれるように設けられる結合部材8とを備えて構成される。
【0029】
結合部材8は、複数本のボルト41・・41により所定の間隔を保って向かい合うように固定される2枚の平板28と29とによって構成される。平板28、29の左右の両側には所定の径からなる孔が形成されており、ハンドルシャフト5aと、ハンドルシャフト5aの先端より延在するように備わるポテンショメーター30とを組み込めるようになっている。また、結合部材8は、図示されない車体フレームに結合される構造になっている。
【0030】
ハンドル5は同径からなる円筒をコ字状に湾曲させた形状をしているが、その両端にはハンドル5に延在するようにハンドルシャフト5aが備わっている。ハンドルシャフト5aには、その外周に二つのスプリング21、22が設けられており、スプリング21と22とはスプリングピン23によって仕切られている。スプリング21、22のピン23に対する他端側は、スナップリング24、25により固定されている。バネ21を固定するスナップリング24は、固定スペーサ26によりハンドルシャフト5aに対して固定されている。そして、スナップリング25は、スペーサ27により平板28に対して所定の位置に固定され、また、ハンドルシャフト5aに対して相対的に移動できるようになっている。そして、ハンドル5に操作力が加えられない状態では、バネ21、22は自然長の状態にあり、シャフト5aの前後方向の位置は中立位置O−O’にある。
【0031】
ポテンショメーター30は、ハンドル5に対する操作方向と操作力とを検知する部材であり、所謂リニア型ポテンショメーターが用いられている。ポテンショメーター30は、ハンドル5の右側部分と左側部分に各一つずつ設けられている(以後、2つのポテンショメーターに対応して右側部分と左側部分とを区別する必要があるときは、右側に設けられるポテンショメーターを30R、左側に設けられるものを30Lと表す)。ポテンショメーター30は、これに備わる偏位子30aがハンドル5の操作に伴うシャフト5aの動きに対応して矢印31に示されるように前後方向に動くことができ、この偏位子30aの動きに対応して、内部の電気抵抗値が変化する。
【0032】
操作者によるハンドル5の操作とこれに対するポテンショメーター30の動きとの関係は以下の通りである。ハンドル5が32に示すように前進方向へ押すように操作されると、スプリング21、22が収縮しつつ、ハンドルシャフト5aが中立位置O−O’より前進方向へ移動する。そして、左右のシャフト5aの動きに対応して偏位子30aが動き、ポテンショメーター30の内部の抵抗値は、シャフト5aの位置に対応するものになる。これにより、ポテンショメーター30の内部の抵抗値は、ハンドル5に加えられる操作方向の操作力に対応する値となる。
【0033】
また、ハンドル5に加えられる操作が後進方向への引くような操作である場合にも、スプリング21、22が伸長しつつ、左右のシャフト5aの後進方向への動きに対応して偏位子30aが動き、ポテンショメーター30の内部の抵抗値は、ハンドル5に加えられる操作方向の操作力に対応する値となる。
【0034】
小型車両1を旋回させるように、ハンドル5に旋回方向の操作力が加えられる場合について説明する。ハンドル5に対する前進方向への押すような操作を、例えばハンドル5の左側部分に対する操作力が右側部分に対する操作力よりも大きくなるように加えると、小型車両1を前進させつつ右方向へと旋回させることができる。かかる操作力がハンドル5に対して加えられると、ハンドルシャフト5aは中立位置より前進方向に位置し、かつ左側のシャフト5aが右側のシャフト5aよりも前に位置することになり、かかる左側のシャフトと右側のシャフトの前後方向の相対的な位置の違いに対応して旋回方向が決まることになる。即ち、左側のシャフトと右側のシャフトと中立位置O−O’により形成される角度θが小型車両の旋回角度に対応する。また、左右に設けられるポテンショメーター30R、30Lの抵抗値は、各々に左右のシャフト5aの位置に対応する値となる。このようにして、操作部3に作用する左右の操作力を独立して検出することができる。
【0035】
左右の操作力を独立して検出する操作部3を用いる場合には、図1のモータ制御部と電動モータを左右の車輪の各々に対して設け、左右の車輪の補助的駆動力を異ならせて、旋回補助を行うこともできる。
【0036】
図6は、車輪の浮き状態を検出できる操作部の構造を示す。図6(a)は上面図、図6(b)は側面図である。この操作部71は、両端が握りになったハンドルバー72と、ハンドルバー72の中央に下向きに取り付けられたL字部材73と、L字部材73の折れ曲がり部分にある支点73aでL字部材73を前後方向に揺動可能に支持する第1台座74と、第1台座74の底から突設されたピン75で第1台座74を水平面内旋回可能に支持する第2台座76と、第2台座76の前方のピン77で第2台座76の全体を上下揺動可能に支持する第3台座78と、ハンドルバー72に加わる前後方向操作力に応じて支点73aにより前後方向に揺動するL字部材73の姿勢を中立位置に保持する前後方向付勢手段79及び前後方向操作力に応じた変位を検出するためのポテンションメータ等の前後方向変位検出手段80、第2台座76に対する第1台座74の左右方向位置を中立位置に保持する左右方向付勢手段81及び操作力に応じた左右方向変位を検出するためのポテンションメータ等の左右方向変位検出手段82、第2台座76の第3台座78に対する上下位置を中立位置に保持する上下方向付勢手段84及び上下位置の所定以上の変動により作動するリミットスイッチ等の位置検出器84とからなっている。なお、第3台座78は図示されない車体フレームに固定的に結合される。
【0037】
ハンドルバー72に作用する前後方向の操作力は、前後方向付勢手段79に抗するL字部材73の前後方向揺動に変換され、その揺動の程度が前後方向変位検出手段80で検出される。ハンドルバー72に作用する左右方向の旋回にかかる操作力は、左右方向付勢手段81に抗する第1台座71の水平面内旋回に変換され、その旋回の程度が左右方向変位検出手段82で検出される。これらにより、進行方向にかかる前後の操作力の方向と大きさ、及び、旋回させようとする操作力に相当する左右の操作力の方向と大きさが検出できる。段差の乗り越え時にハンドルバー72を押し引きして車輪を浮き上がらせると、上下方向付勢手段83に抗する第2台座76の動きに変換されて位置検出器84がこの動きを検出する。これにより、車輪の浮き状態も検出できる。
【0038】
図7は、車輪の浮き状態を検出する他の構成を示す。車両本体の後部に位置する駆動車輪11,12の歯車機構及び電動モータ等の関連部品は、駆動輪ユニット91として一体になっている。この駆動輪ユニット91は、車体フレーム18の水平部分に対して、バネ付きボルト92を介して上下方向可動に取り付けられている。車体フレーム18の後部を持ち上げると、バネ付きボルト92のバネが縮んで、リミットスイッチ等の位置検出器93が作動する。また、車両本体の前部に位置する車輪13の軸受等の関連部品は、従動輪ユニット93として一体になっている。この従動輪ユニット93は、車体フレーム18の水平部分に対して、バネ付きボルト94を介して上下方向可動に取り付けられている。車体フレーム18の後部が持ち上げると、バネ付きボルト94のバネが縮んで、リミットスイッチ等の位置検出器95が作動する。これら位置検出器93,95により、車輪の浮き状態が検出できる。
【0039】
なお、本件発明の範囲外であるものの、車両本体を持ち上げて車輪が浮かないようなハンドル構造にすることで、駆動輪の空転を防止することもできる。このようなハンドル構造としては、前後方向の押し引きに耐えるものの、上下方向の力が作用すると折れ曲がってしまうようなものが考えられる。
【0040】
【発明の効果】
本発明にかかる請求項1又は2記載の発明によると、車両本体が人や物のような障害物に接触した場合、前進方向の補助的駆動力を切り、人力以上の力が加わらないようにしたので、誤って人や物に接触しても安全である。また誤って人や物に接触してもブレーキを掛けるのではなく、操作者が気づいて後進させようとする操作力に応じた補助的駆動力が作用するようになっているので、速やかに車両本体を退避させることができる。
【0041】
請求項2記載の発明によると、車道から歩道を移るときや溝を乗り越えるときには、スムーズな乗り越えになるように、車体本体を持ち上げるが、この持ち上げ状態を自動的に検出して、補助的駆動力の全てを切るので、駆動輪が空転することなく、空転に起因する飛散物付着や空転車輪の接触による擦りむきや衣服巻き込みを防止できるので安全である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる駆動補助付小型車両の制御系のブロック構成を示す図である。
【図2】駆動補助付小型車両の斜視図である。
【図3】駆動補助付小型車両の障害物接触時の作動を示す図である。
【図4】駆動補助付小型車両に段差乗り越え時の作動を示す図である。
【図5】駆動補助付小型車両の操作部を示す図である。
【図6】駆動補助付小型車両の他の操作部を示す図である。
【図7】駆動補助付小型車両の他の車輪浮き検出部を示す図である。
【符号の説明】
1小型車両
2車両本体
3操作部
5ハンドル
11第1駆動車輪
12第2駆動車輪
15電動モータ
16接触型センサ(障害物検出部)
17位置センサ(車輪浮き検出部)
50モータ制御部
51アシスト比演算部(補助的駆動力演算部)
52切換部
53フィードバック制御部
54モータ用ドライバ
Claims (2)
- 操作者により加えられる操作力の大きさと方向に応じて、前進方向の補助的駆動力又は後進方向の補助的駆動力を、駆動車輪に連結される電動モータに発生させるモータ制御部と、
前記小型車両に取り付けられ、前進方向にある障害物を検出する障害物検出部と、
前記モータ制御部に設けられ、前記障害物検出部からの出力に基づき、前記補助的駆動力のうち前進方向の補助的駆動力をオフにし、後進方向の補助的駆動力をオンしたままとする切換部と、
を備える駆動補助付小型車両。 - 操作者により加えられる操作力の大きさと方向に応じて、前進方向の補助的駆動力又は後進方向の補助的駆動力を、駆動車輪に連結される電動モータに発生させるモータ制御部と、
前記小型車両に取り付けられ、前進方向にある障害物を検出する障害物検出部と、
前記小型車両に取り付けられ、車両の持ち上げ状態を検出する車輪浮き検出部と、
前記モータ制御部に設けられ、前記障害物検出部からの出力に基づき、前記補助的駆動力のうち前進方向の補助的駆動力をオフにし、後進方向の補助的駆動力をオンしたままとするとともに、前記車輪浮き検出部からの出力に基づき、前記補助的駆動力の全てをオフにする切換部と、
を備える駆動補助付小型車両。
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1997
- 1997-06-09 JP JP15091097A patent/JP3903529B2/ja not_active Expired - Fee Related
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