JPH1033004A - 畦成形機における補助整畦装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 圃場条件の異なりに対する衝撃式畦成形機の
適応性、仕上性能を向上する。 【解決手段】 衝撃式成畦部の後位に、畦肩部を成型す
る鼓形の駆動転圧ロ−ラ−を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、畦成形機における
補助整畦装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】畦成形機には塗布式、衝撃式など種々の
形態のものがあるが、現在では作業性や仕上がりの良さ
等の面から衝撃式畦成形機が主流になりつつある。そし
て、衝撃式畦成形機は、畦に向けて泥土を投擲供給する
盛土ロ−タと、畦に盛り上げた泥土を成型して畦に仕上
げる成畦板部とを備え、成畦板部に振動或いは往復動等
の何らかの衝撃を与えて畦を締め固めるように構成され
ている（例えば、特開平１−５４０４号公報、特開平１
−２９１７０３号公報参照）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、衝撃式畦成
形機は、塗布式に比べると作業性、仕上がり性に優れる
けれども、圃場の土質や硬軟度等の諸条件が種々に異な
るので、圃場条件によっては、衝撃式畦成形機であって
も満足できる精度に仕上がらない場合がある。そこで、
従来のもののに中には、衝撃式成畦板部の後方部位に補
助整畦具を併設し、この補助整畦具でもって補完成形す
るようにしたもの（例えば、特開昭６１−４７１０５号
公報参照）等がみられるのであるが、これにおいては、
同型の成畦板を前後に複数個併設し、各々の成畦板を異
なる軌跡で往復運動させていたから、畦成形機が複雑化
し耐久性もよくない上に、さして仕上がり精度が向上さ
れないという問題があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、畦肩部の近辺
部分に当接する鼓形の駆動転圧ロ−ラ−を衝撃式成畦部
の進行方向後位に着装可能にしている。このように、衝
撃式成畦部の進行方向後位に着装する補助整畦具を駆動
転圧ロ−ラ−にすることによって、複数連の振動板によ
るもののような装置の複雑化や耐久性の悪さがなくな
り、殊に、形崩れしやすい畦肩部を確りと成形して仕上
がり精度よく畦を成形できる。

【０００５】

【発明の実施の形態】本発明においては、トラクタ等の
自走車に装着するフレ−ムに盛土ロ−タ部と衝撃式成畦
部とを配設し、フレ−ム又はそれに連設される支持部材
に、任意の駆動手段によって回転される鼓形の駆動転圧
ロ−ラ−を着脱自在に取付ける。

【０００６】上記駆動転圧ロ−ラ−は、少なくとも畦肩
部の近辺部分における畦の上面と法面とに当接して畦肩
部を転圧成形するものであり、畦肩部の内角の二等分線
に対し略直交する方向に傾けた回転軸芯周りを回転する
ように設けるのが好ましい。また、駆動転圧ロ−ラ−自
体は、回転軸芯方向において分割した複数の構成体で組
成して、必要に応じて前記構成体を回転径の異なるもの
に組替えできるようにするのがよい。

【０００７】

【実施例】実施例について図面を参照して説明すると、
図１及び図２において、畦成形機は、トラクタ等の自走
車の後尾部に３点リンク機構を介して昇降自在に連結装
備されて、圃場の畦際に沿って移動されながら、自走車
のＰＴＯ軸からの動力を受けて畦成形を行えるように構
成されている。

【０００８】そして、畦成形機は、３点リンク機構に連
結する駆動ケ−ス(１４)と、駆動ケ−ス(１４)の右側方
に配置される盛土ロ−タ部(１１)と、盛土ロ−タ部(１
１)の後位に配設される衝撃式成畦部(１２)とで構成さ
れ、衝撃式成畦部(１２)は、駆動ケ−ス(１４)に連設さ
れている成畦部支持機構(１５)に支持されている。な
お、以降においては、成畦部支持機構(１５)と前記駆動
ケ−ス(１４)及びこれらに連設される固定枠材を一括し
てフレ−ムと総称する。

【０００９】フレ−ムの駆動ケ−ス(１４)は、ＰＴＯ軸
の直後部に位置するギヤボックスから右斜め下方に延出
する爪軸ケ−ス(１６)を備え、その爪軸ケ−ス(１６)に
支承される回転軸の外方延出部にロ−タリ爪軸(１７)が
嵌着されて、前記ＰＴＯ軸からギヤボックスの入力軸
(１８)を経て前記回転軸に伝達される動力でもって回転
駆動されるようになっている。

【００１０】前記ロ−タリ爪軸(１７)には、畦の上面
(１０ａ)及び法面(１０ｂ)に向けて泥土を供給する複数
本の耕耘爪(１９)が取付けられており、これらの耕耘爪
(１９)は、ロ−タリ爪軸(１７)の先端側に行くに従って
回転径小のものを配設し、耕耘爪(１９)群全体として
は、図１に仮想線で示しているように裁頭円錐形の回転
軌跡(２０)を描いて回転して略均平な田面を略水平状態
に耕起できるようにしてあり、その耕耘爪(１９)群の回
転圏の上外方をロ−タリカバ−(２１)で覆って前記盛土
ロ−タ部(１１)が構成されている。なお、(２２)はロ−
タリカバ−に連設される土寄せカイド板、(２３)は爪軸
ケ−ス(１５)から後方に延設する尾輪支持フレ−ムに昇
降調節可能に取付けられた尾輪である。

【００１１】衝撃式成畦部(１２)は、駆動ケ−ス(１４)
の後方位置に取付けた成畦部支持機構(１５)に弾圧支持
されるバイブレ−タ(２４)の下部に、背面視で略へ字状
を呈する成畦板(２５)を連結体(２６)を介して固着して
組成されている。

【００１２】また、成畦部支持機構(１５)は、駆動ケ−
ス(１４)から後延する部材(２７)の先端部に右斜め下向
きの横ガイド体(２８)を固設し、その横ガイド体(２８)
に横支持杆(２９)を上下摺動自在に装備すると共に、横
支持杆(２９)の延出端部に縦ガイド杆(３０)を上下摺動
自在に取付け、その縦ガイド杆(３０)の下端に、昇降シ
リンダ(３１)の下端を揺動自在に連結し、また、縦ガイ
ド杆(３０)の上端にバイブレ−タ支持体(３２)を介して
前記バイブレ−タ(２４)を取付けている。

【００１３】そして、バイブレ−タ(２４)は、バイブレ
−タ支持体(３２)との間に介装される４本の縦スプリン
グ(３３)及び一本の横スプリング(３４)によって上下及
び左右方向に揺動自在に支持され、前記バイブレ−タ
(２４)のケ−シング外部に連設される油圧モ−タ(３５)
によって偏心ウエイト軸を回転させて起振し、その振動
でもって前記成畦板(２５)に衝撃を付与するように構成
されている。

【００１４】なお、(３６)は、油圧モ−タ(３５)に作動
油を給排する油圧ポンプであり、前記駆動ケ−ス(１４)
の後方に配設され、前記入力軸(１８)を経て入力される
動力でもって駆動されるようになっている。また、(３
７)は作動油タンク、(３８)は油圧ポンプと油圧モ−タ
とを管路接続するラインパイプである。

【００１５】以上のように構成された畦成形機を自走車
に装備し、その畦成形機を圃場の畦に所定のように対応
位置させて、盛土ロ−タ部(１１)や衝撃式成畦部(１２)
を稼働させながら自走車を進行させると、盛土ロ−タ部
(１１)によって圃場の泥土が畦の上面及び法面(１０ａ)
(１０ｂ)に向けて投擲供給され、畦面に盛り上げられた
泥土を衝撃式成畦部(１２)が締め固めて畦が成型される
のであるが、これだけでは精度のよい成型がなされない
場合があるので、それに対応するため、衝撃式成畦部
(１２)の進行方向後位に補助整畦具を着装できるように
なっている。

【００１６】しかして、補助整畦具は、図３に抽出図示
しているように、少なくとも畦肩部(１０ｃ)の近辺にお
ける畦上面と法面(１０ａ)(１０ｂ)とに当接して転動す
る鼓形の駆動転圧ロ−ラ−(１３)に構成し、この駆動転
圧ロ−ラ−(１３)を、畦肩部(１０ｃ)の内角(ｃ)を二等
分する線分(Ｓ)に対して略直交する方向に傾斜する回転
軸芯(Ｏ−Ｏ)周りを回転するように傾斜支持して装設
し、衝撃式成畦部(１２)が成型した後の畦、殊に、その
畦肩部(１０ｃ)を二重に入念に整形するようにしてい
る。

【００１７】具体的には、駆動転圧ロ−ラ−(１３)のロ
−ラ−軸(３９)を回転自在に支承した支持枠(４０)を、
畦成形機フレ−ムの一部である成畦部支持機構(１５)に
着脱自在に装着し、その駆動転圧ロ−ラ−(１３)のロ−
ラ−軸(３９)を前記油圧ポンプ(３８)に分岐ラインパイ
プ(４１)を介して管路接続する油圧モ−タ(４２)でもっ
て回転駆動するように構成している。

【００１８】なお、駆動転圧ロ−ラ−(１３)は、図４に
示しているように、回転軸芯(Ｏ−Ｏ）方向において複
数個に分割した構成体(１３Ａ)(１３Ｂ)をロ−ラ−軸
(４１)に取り付けて鼓形に組成し、必要な時には、構成
体(１３Ａ)(１３Ｂ)を径の異なるものに組み替えて、畦
の上面(１０ａ)や法面(１０ｂ)の幅の異なりに対応でき
るように構成すると利便である。

【００１９】

【発明の効果】本発明は、以上に説明したような形態で
実施され、以下に記載されるような効果を奏する。

【００２０】衝撃式成畦部の進行方向後位に着装する補
助整畦具を、少なくとも畦肩部の近辺における畦上面と
法面に当接して転動する鼓形の駆動転圧ロ−ラ−に構成
することによって、従来のもので起きていた問題、つま
り、畦成形機が複雑化し、耐久性も損なわれるという問
題がなくなり、土質等の条件がよくない圃場においても
仕上がり精度よく畦を成形できる。

【００２１】そして、駆動転圧ロ−ラ−を、畦肩部の内
角の二等分線に対して略直交する方向に傾けた回転軸芯
周りを回転するように傾斜装設することによって、回転
径が小さくなりながら畦の上面と法面の双方を転圧成形
することができ、機全体がコンパクトに纏まる。

【００２２】また、駆動回転ロ−ラ−を、回転軸芯方向
において分割した複数の構成体で組成し、構成体を回転
径の異なるものに組替え得るように構成することによ
り、畦の上面や法面の幅の異なりに対応できて利用性が
向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明装置を備えた畦成形機の平面図である。

【図２】本発明装置を備えた畦成形機の背面図である。

【図３】本発明装置の構成説明図である。

【図４】本発明装置の変形例を示した概略図である。

【符号の説明】

１０ａ 畦の上面 １０ｂ 畦の法面 １１ 盛土ロ−タ部 １２ 衝撃式成畦部 １３ 駆動転圧ロ−ラ− １３Ａ 駆動転圧ロ−ラ−の構成体 １３Ｂ 駆動転圧ロ−ラ−の構成体

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 畦の上面及び法面(１０ａ)(１０ｂ)に向
   けて泥土を供給する盛土ロ−タ部(１１)と、泥土供給後
   の畦面(１０ａ)(１０ｂ)を叩打して締め固める衝撃式成
   畦部(１２)とを具備し、衝撃式成畦部(１２)の進行方向
   後位に補助整畦具を着装できるようにしてある畦成形機
   において、前記補助整畦具を、少なくとも畦肩部(１０
   ｃ)の近辺における畦上面と法面(１０ａ)(１０ｂ)に当
   接して転動する鼓形の駆動転圧ロ−ラ−(１３)に構成し
   てあることを特徴とする畦成形機における補助整畦装
   置。
2. 【請求項２】 駆動転圧ロ−ラ−(１３)を、畦肩部(１
   ０ｃ)の内角(ｃ)の二等分線(Ｓ)に対して略直交する方
   向に傾けた回転軸芯(Ｏ−Ｏ)周りを回転するように装設
   してある請求項１記載の畦成形機における補助整畦装
   置。
3. 【請求項３】 駆動回転ロ−ラ−(１３)を、回転軸芯
   (Ｏ−Ｏ)方向において複数個に分割した構成体(１３Ａ)
   (１３Ｂ)で組成し、構成体(１３Ａ)(１３Ｂ)を回転径の
   異なるものに組替え可能に構成してある請求項１又は請
   求項２記載の畦成形機における補助整畦装置。