JP5611643B2 - 畦付け機 - Google Patents
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Description
しかも、畦法面を成形する揺動板や成形された畦法面の表面を押し固める叩き板は側面に回り込む土が少なくなるため、円滑な畦付けができなくなり、畦法面の成形品質を低下させていた。
前記耕耘ロータリーと前面板と揺動板と叩き板と動力伝達機構の地面からの深さに応じて角度調整機構を操作することによって、前記可動フレームの耕耘作業時における角度出しを実行するようにしたことを特徴とするものである。
前記耕耘ロータリーと前面板と揺動板と叩き板と動力伝達機構の地面からの深さに応じて前記可動フレームの自由端に設置される水平器に基づいて前記角度調整機構を操作することによって、前記可動フレームの耕耘作業時における水平位置の位置出しを実行するようにしたことを特徴とするものである。
また、昇降ロッドの昇降動作を揺動板の揺動動作に変換する揺動変換機構と、叩き板の叩打動作に変換する叩打変換機構と、を具備している場合には、走行車両のドライブシャフトからクランク軸に伝達された1方向の動力が更に2方向に分配されて揺動板と叩き板という異なる2部材の複数の動作に自動的に変換され、同期を保って実行されるようになる。
尚、以下の発明では、本発明の畦付け機1を搭載する走行車両の一例として図1、図5に示すような農業用の乗用トラクター(以下、トラクターという)3を例にとり、耕作地5に対して図10、図11に示すような断面形状が台形の畦7を形成する場合について説明する。また、本明細書中、畦7の上面を畦天面7a、畦7の畦付け機1側の法面を畦法面7bとして定義する。
このトラクター3は、前方にエンジン室9、後方に運転席11を備えた車体13と、前記エンジン室9の下部に設けられる左右一対の小径の前輪15、15と、前記運転席11の下部に設けられる左右一対の大径の後輪17、17と、図示しない油圧装置によって昇降動される牽引フレーム19と、前記エンジン室9から前記牽引フレーム19側にかけて延びるドライブシャフト21と、前記運転席11の上部に設けられる安全キャブ23とを具備する4輪駆動方式の農業用のトラクターである。
即ち、本発明の畦付け機1は、耕耘ロータリー31と、前面板33と、揺動板35と、叩き板37と、これらに動力を伝達する動力伝達機構39と、前記諸部材を一体に支持する可動フレーム41と、を具備することによって基本的に構成されており、前記可動フレーム41は、トラクター3の前記牽引フレーム19に対して回動軸43を中心にして所定角度の範囲で上下に回動し得るように連結されている。
また、前記耕耘ロータリー31と前面板33と揺動板35と叩き板37と動力伝達機構39とは、可動フレーム41に対して左右方向の取り付け位置が調節自在に設けられている。具体的には、前記諸部材に設けられた筒状取り付け部材42を可動フレーム41に外嵌めしてスライド自在に取り付けられる。そして、前記筒状取り付け部材42に設けられた2つのロックボルト44を利用して前記諸部材のトラクター3の後輪17に対する位置を決めて固定する。以上の構成により、前記諸部材の取り付け位置を後輪17外側に近づけることで畦7を厚く作れ、後輪17外側から離れることで薄く作れるようになる。
前記動力伝達機構39は回動軸43と同軸の駆動軸47を中心にして所定角度の範囲で上下に回動することにより、耕耘ロータリー31と、前面板33と、揺動板35と、叩き板37と、これらに動力を伝達する動力伝達機構39を一体に支持する可動フレーム41を回動させ、動力の伝達が可能となる。
また、本実施の形態では図5に示すように、畦付け機1は、トラクター3の後部右端側に配置されており、図10に示すようにトラクター3の進行方向右側の後輪17の後部外方に畦7が形成されるように構成されている。
尚、前面板33の後傾角度θをこのような角度に設定することにより、前記耕耘によって跳ね上げられた耕耘土が前面板33と揺動板35と叩き板37により持ち上げられながら上部に溜められた状態でより後側に持っていく力が出る。つまり、土の落下位置が前面板33より後ろ側に移行し、畦付け機の進行により側面外方Bに回り込むようになる。また、耕耘ロータリー31に詰まる土は少なくなるので畦付け機の進行はスムーズになる。
そして、土が側面外方Bに回り込むことにより豊富に揺動板35や叩き板37側に供給されることによって、畦法面を成形する揺動板35や成形された畦法面の表面を押し固める叩き板37の効果が一層向上し、その結果、良好な畦法面の成形と固着力の向上とが図られる。
耕耘ロータリー31は、トラクター3の車幅方向に水平に架け渡されている一例として6角形断面の耕耘軸49と、該耕耘軸49に対して放射状に取り付けられているナタ刃状の複数の耕耘爪51と、を具備する回転体である。そして、前記複数の耕耘爪51は、すべて先端の湾曲した刃先51aが側部外方Bに向くように配設されており、該耕耘爪51によって掘削された耕作地5の耕耘土Gは、そのほとんどが、側部外方Bに跳ね上げられて畦7の成形に利用される盛り土Aを形成するように構成されている。
具体的には、図8に示すように前記前面板33側に面した規制平板部53と、該規制平板部53の外側端縁から外方に向けて斜めに延びている案内作用部55と、該案内作用部55の外側端縁から後方に向けて延びており、実質的に畦法面7bの成形に使用される側板部57と、該側板部57の後端縁を内側に折り曲げ、下方に揺動支点63を備えた折曲げ部65と、を具備することによって揺動板35は基本的に構成されている。
具体的には、斜め上方に向って延びる回動軸67に外嵌して、所定の角度の範囲で内方と外方とに回動する支持基板69と、該支持基板69の表面側に取り付けられ、前記揺動板35によって成形された畦法面7bを叩いて、実質的に押し固め作用を実行する法面叩打板71と、ブラケット73を介して前記法面叩打板71の表面側に水平に取り付けられ、前記揺動板35によって成形された畦天面7aを叩いて、実質的に押し固め作用を実行する天面叩打板75と、を具備することによって叩き板37は基本的に構成されている。
また、前記回動軸67の中間部には、後述する叩打変換機構77の構成部材である上方のコネクティングロッド79と回転自在に接続される上部押圧板83と、下方のコネクティングロッド81と回転自在に接続される下部押圧板85と、が回動自在に接続されており、前記支持基板69の裏面側には、前記上部押圧板83に当接する一例としてウレタンゴム製で円柱形状の上部受圧体87と、前記下部押圧板85に当接する同じく一例としてウレタンゴム製で円柱形状の下部受圧体89と、が設けられている。
一方、図7に示すように昇降ロッド103が上限位置に位置している時には、第2リンク109が時計方向に回動するため、揺動板35は下方の揺動支点63を中心にして揺動板35の上部が外側に移動して畦天面7a及び畦法面7bに当接した状態の成形姿勢になる。
具体的には、図6に示すように昇降ロッド103が下限位置に位置している時には、第4リンク117が時計方向に回動して上方のコネクティングロッド79を叩き板37側に移動させ、上部押圧板83を上部受圧体87に当接させて叩き板37を畦7側に回動させることで叩打動作を1回実行する。
尚、叩き板37における支持基板69は図示しない付勢部材によって常時内側に回動するように付勢されており、前記上部押圧板83が上部受圧体87に当接し、叩き板37を外側に押し込んだ時と、前記下部押圧板85が下部受圧体89に当接し、叩き板37を外側に押し込んだ時の2つの位置にきた時に外側に回動して叩打動作を実行するように構成されている。
最初に、トラクター3を耕作地5における畦付けを行う作業場所に移動させ、図示しない油圧装置を駆動して牽引フレーム19を下方に降ろして行き、耕耘ロータリー31の耕耘深さを調整する。次に、水平器127を見ながら角度調整ハンドル125を操作して可動フレーム41の水平位置の位置出しを行う。
そして、前記可動フレーム41の水平位置の位置出しを行うことで前面板33の耕耘作業時における後傾角度θの設定も同時に実行される。
尚、耕耘ロータリー31によって跳ね上げられた耕耘土が前面板33と揺動板35と叩き板37により持ち上げられながら上部に溜められた状態でより後側に持っていく力が出る。つまり、土の落下位置が前面板33より後ろ側に移行し、畦付け機の進行により側面外方Bに回り込むようになる。また、耕耘ロータリー31に詰まる土は少なくなるので畦付け機の進行はスムーズになる。そして、土が側面外方Bに回り込むことにより揺動板35の規制平板部53や案内作用部55に案内されて前記盛り土A上に供給される。
更に、成形された畦法面7bと畦天面7aには、図11(c)に示すように回動軸67を中心にして外方に向けて回動する法面叩打板71と天面叩打板75が前記揺動板35の2倍の回数作用して畦法面7bと畦天面7aを押し固めて行く。
以下、前記作動態様を繰り返しながら、順次畦7が形成されて行く。
また、本発明の畦付け機1を使用する耕作地5の土壌は、湿っていても乾いていてもよく、砂地や粘土質等、種々の性状の耕作地5に適用可能である。
また、前記角度調整機構125は、角度調整ハンドル133で操作する構成に代えて、モータにより回転駆動方式を採用することも可能である。
また、揺動板35は、下方の揺動支点63を中心にして揺動板35の上部が揺動する構成のものを一例として説明したがこれに限られるものではなく、上部や中間部を揺動支点とした揺動機構を適用することも可能である。
また、畦天面7aの成形と固着が必要のない場合には、揺動板35に設けた天板部61と叩き板37に設けた天面叩打板75を省略することが可能である。
3 トラクター(走行車両)
5 耕作地
5a 地面
7 畦
7a 畦天面
7b 畦法面
9 エンジン室
11 運転席
13 車体
15 前輪
17 後輪
19 牽引フレーム
21 ドライブシャフト
23 安全キャブ
25 ユニバーサルジョイント
31 耕耘ロータリー
33 前面板
35 揺動板
37 叩き板
39 動力伝達機構
41 可動フレーム
42 筒状取り付け部材
43 回動軸
44 ロックボルト
45 ベベルギヤユニット
45a 入力軸
47 駆動軸
49 耕耘軸
51 耕耘爪
51a 刃先
53 規制平板部
55 案内作用部
57 側板部
59 防護シート
61 天板部
63 揺動支点
65 折曲げ部
67 回動軸
69 支持基板
71 法面叩打板
73 ブラケット
75 天面叩打板
77 叩打変換機構
79 コネクティングロッド
81 コネクティングロッド
83 上部押圧板
85 下部押圧板
87 上部受圧体
89 下部受圧体
91 第1チェーン駆動伝達手段
93 中間軸
95 第2チェーン駆動伝達手段
97 第3チェーン駆動伝達手段
99 クランク軸
101 揺動変換機構
103 昇降ロッド
105 第1リンク
107 回動支点
109 第2リンク
111 コネクティングロッド
113 第3リンク
115 回動支点
117 第4リンク
119 上部出力端
121 下部出力端
123 増速リンク機構
125 角度調整機構
127 雄ねじ部
129 雌ねじ部
131 伸縮機構
133 角度調整ハンドル
135 水平器
137 目盛
139 指針
G 耕耘土
A 盛り土
B 側部外方
θ 後傾角度
Claims (8)
- 耕作地の地面を掘削し、側部外方に掘削した耕耘土を跳ね上げて盛り土を形成する耕耘爪を備えた耕耘ロータリーと、
前記耕耘ロータリーによって跳ね上げられた耕作土の後方への移動を規制して側部外方に導くように案内する前面板と、
前記耕耘ロータリーによって形成された盛り土の表面を押圧して畦法面を成形する揺動板と、
前記揺動板によって成形された畦法面の表面を叩いて押し固める叩き板と、
前記耕耘ロータリーと揺動板と叩き板とを同時に駆動する動力伝達機構と、
連結される走行車両の牽引フレームに対して回動軸を中心にして所定角度の範囲で上下に回動するとともに、前記耕耘ロータリーと前面板と揺動板と叩き板と動力伝達機構とを一体に支持する可動フレームと、を具備し、
前記可動フレームに対する前記耕耘ロータリーと前面板と揺動板と叩き板と動力伝達機構の取付け角度は、耕耘作業時において耕耘ロータリーと前面板と揺動板と叩き板の下縁が所定の後傾角度分、前方に突出した後傾姿勢になるように設定されていることを特徴とする畦付け機。 - 可動フレームの自由端と前記牽引フレームとの間には、可動フレームの回動角度を調整する角度調整機構が設けられており、
前記耕耘ロータリーと前面板と揺動板と叩き板と動力伝達機構の地面からの深さに応じて角度調整機構を操作することによって、前記可動フレームの耕耘作業時における角度出しを実行するようにしたことを特徴とする請求項1記載の畦付け機。 - 耕耘ロータリーと前面板と揺動板と叩き板と動力伝達機構とは水平状態に支持した可動フレームに対して所定の後傾角度分、後傾姿勢になるように取り付けられており、
前記耕耘ロータリーと前面板と揺動板と叩き板と動力伝達機構の地面からの深さに応じて前記可動フレームの自由端に設置される水平器に基づいて前記角度調整機構を操作することによって、前記可動フレームの耕耘作業時における水平位置の位置出しを実行するようにしたことを特徴とする請求項2記載の畦付け機。 - 耕耘ロータリーと前面板と揺動板と叩き板と動力伝達機構の地面からの深さに応じて角度調整機構に設けられる目盛と指針に基づいて前記角度調整機構を操作することによって、前記可動フレームの耕耘作業時における角度出しを実行するようにしたことを特徴とする請求項2記載の畦付け機。
- 動力伝達機構は、走行車両のドライブシャフトから動力を得て回動する駆動軸と、
第1チェーン駆動伝達手段を介して前記駆動軸の回転が伝達される中間軸と、
第2チェーン駆動伝達手段を介して前記中間軸の回転が分配されて伝達される前記耕耘爪を備えた耕耘軸と、
第3チェーン駆動伝達機構を介して前記中間軸の回転が分配されて伝達されるクランク軸と、
前記クランク軸に接続される昇降ロッドの昇降動作を前記揺動板の揺動動作に変換する揺動変換機構と、
前記昇降ロッドの昇降動作を前記叩き板の叩打動作に変換する叩打変換機構と、を具備していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の畦付け機。 - 叩打変換機構は、前記昇降ロッドの1行程の昇降動作の間に前記叩き板の叩打動作を複数回実行する増速リンク機構を備えていることを特徴とする請求項5記載の畦付け機。
- 前面板の後傾角度は、5°〜10°の範囲で設定されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の畦付け機。
- 前記耕耘ロータリーと前面板と揺動板と叩き板と動力伝達機構とは、可動フレームに対して左右方向の取り付け位置が調節自在に設けられており、前記動力伝達機構は、駆動軸に対して第1チェーン駆動伝達手段を軸方向に移動可能且つ駆動軸の回転を伝達可能に構成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の畦付け機。
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