JP6135124B2 - 歩行型耕耘機 - Google Patents

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Description

本発明は、耕耘機に関する。
特許文献1及び特許文献2において、走行車輪の前側に耕耘爪を設け、走行車輪より後方に畝を形成する畝立器を設ける技術が記載されている。
但し、特許文献1及び特許文献2に記載されている畝立器は機体外側に畝を形成するいわゆる外盛り用である。
畝を形成する方法として、前述の外盛りと、機体内側に畝を形成する内盛りの2通りがあるが、外盛り式、内盛り式それぞれ長所・短所がある。
外盛りはオペレータの運転操作によっては畝の幅が変化し、畝の幅が安定しないという欠点がある。というのも、1回目の直進で畝の一側面を形成して旋回し、2回目の直進で畝の他側面を形成することで畝が完成するので、旋回して2回目の耕耘作業をどの地点から行うかにより、畝の幅が変化するためである。
それに対し、内盛りは1回の耕耘作業で畝の両側面を形成するので、畝の幅が常に一定になるというメリットがある。
特開2000−262104号公報 特開2004−208598号公報
本発明は、走行車輪の前側に耕耘爪を設けるいわゆるフロントロータリ式の耕耘機において、良好な内盛り式の畝を形成できる構成にすることを課題とする。
本発明は、かかる課題を解決するために次のような技術的手段を講ずる。
請求項1記載の発明は、
走行車輪より前方には、耕耘部を設け、
走行車輪より後方には、左右方向に延びる昇降軸と、後斜め上方に延びる操作ハンドルを設け、
昇降軸の左右両側には、それぞれ左右内側に成形面を形成する成形器を取り付け、
昇降軸の昇降動作により、成形器が畝立姿勢又は非畝立姿勢に切り換え可能に構成し
成形器は走行車輪と背面視でラップする位置に設け
成形器は前側に面する案内面を備える案内板と、前記成形面を備える成形板と、下側に平坦な溝均し面を形成する溝均し板から構成し、
溝均し体は案内板と略同じ幅に形成すると共に、
溝均し板は案内板の下端部と成形板の下端部とを連結することで、案内板と成形板と溝均し板を一体に形成し、
昇降軸には、成形器で成形する畝の上面に当接する畝上面均し板を設け、
畝上面均し体は上下方向に延びるプレート状に形成すると共に、昇降軸と並行して設け、上下調節部材により、成形器と別個に上下方向に位置調節可能とする歩行型耕耘機とする。
請求項1記載の発明は、走行車輪(1)の前側に耕耘部(K)を設けた耕耘機において、内盛りの畝(U)を形成できる。また昇降軸(20)を昇降させることで左右両側の成形器(21)を同時に畝立姿勢・非畝立姿勢に切り替えることができる。
また、走行車輪(1)が通過し、走行車輪(1)の沈下である程度の溝(M)が形成されることになるので、走行車輪(1)の後を通過する成形器(21)、とりわけ案内板(26)により溝(M)を形成する際の土の抵抗を低減することができる。従って、オペレータの操作負荷を低減することができる。
また、左右内側に後傾斜する案内板(26)の案内面(26a)で土を確実に左右内側に寄せることで、畝(U)に必要な土の量を確保することができる。また、案内板(26)で左右内側に寄せられた土を円滑に成形面(27a)に引き継ぐことができる。
また、畝上面均し板(23)で畝の上面(U2)を均すことで、畝(U)の上面を良好に均すことができる。
また、溝均し板(28)は案内板(26)の下端部と成形板(27)の下端部とを連結し、案内板(26)と成形板(27)と溝均し板(28)は一体に形成することで成形器(21)の構造を強固にすることができる
また、案内板(26)と略同じ幅に形成する溝均し板(28)が案内板(26)により形成された溝を均し易くすることができ、走行車輪(1)の轍を消去しつつきれいな溝(M)を形成することができる。
また、畝上面の高さを任意に調節できる。
畝成形時の耕耘機の側面図 非畝成形時の耕耘機の側面図 耕耘機の平面図 背面から見た畝成形作業を説明する図 平面から見た発明の要部を示す図
本発明の実施の形態の耕耘機について、以下説明する。
本実施の形態では、進行方向を前、進行方向と交差する方向を左右方向と呼ぶ。
車軸1aで支持される左右一対の走行車輪1より前側には、耕耘軸2に取り付ける多数の耕耘爪3と耕耘爪3を覆う耕耘カバー4を備える耕耘部Kを設ける。本実施の形態の耕耘部Kの幅は左右の走行車輪1間の幅と略同じ幅としている。
走行車輪1の左右内側には走行車輪1に伝動するミッションケース5を設け、ミッションケース5は前側に伸びて耕耘部Kにも動力を伝動する。ミッションケース5の上方には機体フレーム6、エンジン7及び燃料タンク8を設け、機体フレーム6の後部からは、後斜め上方に延びる操作ハンドル9を設ける。
耕耘部Kの前方には移動時用の移動輪10を設ける。移動輪10は移動輪軸11の一端に取り付けられ、移動輪軸11の他端を耕耘カバー4側に取り付け、移動輪軸11を上下方向に回動可能に構成している。すなわち、移動時には移動輪軸11を下降させて移動輪10を接地させ、耕耘作業時や畝立作業時には移動輪軸11を上昇させて移動輪10を非接地状態とする。
操作ハンドル9はループ式に形成し、エンジン始動スイッチ12やクラッチレバー13を設ける。本実施の形態では、クラッチレバー13を握ると走行及び耕耘部Kに動力が伝動し、クラッチレバー13を離すと、伝動が断たれるデッドマン式のクラッチレバー13を採用している。
次に、畝を形成する畝立部について説明する。
ミッションケース5の後部には、後方に向かって延びる畝立部支持板14を取り付ける。畝立部支持板14は回動軸15を支持する。回動軸15は畝立部支持板14を取り付ける中央部15aを固定とし、左右両側部15bを横軸芯に回動する構成である。回動軸15は中空形状に形成し、内部に回動軸15を支持する支点軸31を設けている。支点軸31は回動軸15の左右両側部15bと共に回動する構成としている。
回動軸15の左右両側部15bにはリンクプレート16の前部を連結し、リンクプレート16の後部には左右方向に延びる昇降軸20を連結する。リンクプレート16は左右一対の畝立部支持板14を挟んで左右一対設け、リンクプレート16の外面には第一フック17をそれぞれ設ける。そして、左右一対の畝立部支持板14それぞれの外面には第二フック18を設け、第一フック17と第二フック18とをスプリング19で巻回する構成である。
本実施の形態の回動軸15の中央部15aは固定で回動しないので、この部分を固定軸と呼び、左右両側部15bを回動軸と呼んでも良い。
昇降軸20の左右方向の幅を走行車輪1の幅と略同じに構成し、左右両側にはそれぞれ左右一対の成形器21を連結している。昇降軸20の途中部には昇降用レバー22を取り付けている。
また、昇降軸20には上下調節部材24を介して畝上面均し板23を設けている。畝上面均し板23は左右の成形器21幅よりも狭いプレート状に形成され、昇降軸20と並行して設けられている。そして、上下調節部材24は取り付けプレート24aに長孔24bを形成し、チョウボルト25により畝上面均し板23を上下方向に調節及び位置固定する構成である。
次に成形器21の構成について説明する。
成形器21は走行車輪1の後方に設け、背面視でラップする構成としている。成形器21は前側に平坦な案内面26aを形成する案内板26と、左右内側に平坦な成形面27aを形成する成形板27と、下側に平坦な溝均し面28aを形成する溝均し板28と、成形器21を昇降軸20に取り付ける成形器取り付け具29とから構成している。
案内板26の案内面26aは走行車輪1の背面と対向する位置にあり、また、走行車輪1と略同じ幅に形成している。また、左右外側から左右内側に向かって緩やかな角度で後側に向かって延びる構成としている。成形面27aは、左右内側に向く構成とし、案内面26aの端部から後方に向かって設け、左右内側に向かって斜め姿勢としている。
すなわち、左右一対の成形板27の成形面27aの距離Sは前側になるほど幅広とし、後側になるほど幅狭としている。また、左右の成形面27aはそれぞれ下広がりに形成することで、左右一対の成形板27の成形面27aの距離Sは上側になるほど幅狭とし、下側になるほど幅広としている。溝均し板28は案内板26の下端部と成形板27の下端部とを連結し、案内板26と成形板27と溝均し板28は一体に形成することで成形器21の構造を強固にしている。そして、案内板26と成形板27とで平面視略L字形状に構成すべく、案内面26aの左右方向幅Fより、成形面27aの前後方向長さGを長く形成している。成形器取り付け具29は一端を案内板26の裏面に取り付け、他端を昇降軸20に取り付ける構成としている。
次に畝立作業時の作用について説明する。
オペレータは図1の畝立姿勢位置に成形器21をセットする。すなわち、畝立姿勢位置では案内面26aが走行車輪1に対向すると共に、溝均し面28aが地面と対向する。そして、エンジン7を始動して変速レバー30を耕耘位置(図示せず)に入れ、クラッチレバー13を把持すると、耕耘機は前進走行しながら耕耘爪3が回転し、耕耘作業及び畝立作業が開始される。
耕耘爪3で後方に向かって跳ね上げられた土は案内板26の案内面26aで左右内側に向かって案内される。そして、左右両側の成形板27で左右内側に向かって土を盛り上げ、さらに、成形板27の後部で畝の左右両側面を押圧することにより畝の側面U1を形成する。一方、畝上面均し板23は畝の上面U2を均すことで、台形状の畝Uが形成される。本実施の形態では、1回の進行で畝Uを形成するいわゆる内盛り式の畝である。
畝立作業の無い単なる耕耘作業時や、耕耘機の移動時に成形器21を非畝立姿勢にする時には、オペレータは昇降用レバー22を把持して上方に引き上げる。すると、昇降軸20及びリンクプレート16が回動軸15の左右両側部15b及び支点軸31の回動により上昇し、成形器21も非畝立姿勢位置に向かって上昇する。図2に示すように、スプリング19が回動軸15よりも高い位置(支点越え)まで上昇すると、スプリング19の引っ張り力によりリンクプレート16の位置が固定され、それにより昇降軸20及び成形器21が非畝立姿勢位置に固定される。非畝立姿勢位置から畝立姿勢位置に切り換えるときには昇降用レバー22を押し下げることは言うまでもない。なお、図1と図2の畝立部を支持する構成については、動作を分かり易くするため、実線で示している。
次に本実施の形態の成形器21の特徴について、以下説明する。
本実施の形態の成形器21は、昇降用レバー22の操作だけで畝立作業位置又は非畝立作業位置に切り換えることができる。また、スプリング19の作用により畝立姿勢位置と非畝立姿勢位置を固定し、いずれの位置でも成形器21が揺動し難く、円滑な畝立作業又は耕耘作業及び移動を行うことができる。
成形器21は畝Uを形成すると共に、畝Uの左右両側に溝Mを形成する。本実施の成形器21は、背面視で走行車輪1とラップする位置にある。そのため、走行車輪1が通過し、走行車輪1の沈下である程度の溝(轍)が形成されることになり、走行車輪1の後を通過する成形器21、とりわけ案内板26により溝Mを形成する際の土の抵抗を低減することができる。従って、オペレータの操作負荷を低減することができる。とりわけ、案内板26を走行車輪1の幅と略同一の幅とすることで、走行車輪1の通過で形成された溝を案内板26が通過しやすく、また、案内板26と略同じ幅に形成する溝均し板28が案内板26により形成された溝を均し易くすることができ、走行車輪1の轍を消去しつつきれいな溝Mを形成することができる。
また、本実施の形態の成形器21は、左右の距離を後狭まりにすることで左右内側に徐々に土を寄せると共に、土への押圧力を順次高くすることができる。従って、土を確実に寄せ集めて、側面が強固な良好な形状の畝Uを成形することができる。
また、左右内側に後傾斜する案内板26の案内面26aで土を確実に左右内側に寄せることで、畝に必要な土の量を確保することができる。また、案内面26aと成形面27aを連続して形成(L字型)することで、案内板26で左右内側に寄せられた土を円滑に成形面27aに引き継ぐことができる。
畝上面均し板23を上下調節可能とすることで畝上面の高さを任意に調節できる。
本実施の形態では、回動軸15にリンクプレート16を介して昇降軸20を連結し、昇降軸20に成形器21を取り付ける構成であるが、回動軸15を走行車輪1より後方に設け、回動軸15の左右両側部15bに成形器21を取り付ける構成でもよい。この場合には、昇降用レバー22を回動軸15に取り付け、畝立姿勢時と非畝立姿勢時それぞれで回動軸15の位置を固定する固定部材(図示せず)があれば構成できる。
また、昇降軸20の昇降動作を上下スライド式に構成しても可能である。
また、本実施の形態の成形器21の位置は固定しているが、昇降軸20に沿ってスライド可能に構成することで、畝幅を調節することも可能である。
本実施の形態の耕耘機はエンジン式の耕耘機であるが、電動耕耘機でも可能である。
1 走行車輪
操作ハンドル
20 昇降軸
21 成形器
23 畝上面均し板
24 上下調節部材
26 案内板
26a 案内面
27 成形板
27a 成形面
28 溝均し板
28a 溝均し面
K 耕耘部
U 畝

Claims (1)

  1. 走行車輪より前方には、耕耘部を設け、
    走行車輪より後方には、左右方向に延びる昇降軸と、後斜め上方に延びる操作ハンドルを設け、
    昇降軸の左右両側には、それぞれ左右内側に成形面を形成する成形器を取り付け、
    昇降軸の昇降動作により、成形器が畝立姿勢又は非畝立姿勢に切り換え可能に構成し
    成形器は走行車輪と背面視でラップする位置に設け
    成形器は前側に面する案内面を備える案内板と、前記成形面を備える成形板と、下側に平坦な溝均し面を形成する溝均し板から構成し、
    溝均し体は案内板と略同じ幅に形成すると共に、
    溝均し板は案内板の下端部と成形板の下端部とを連結することで、案内板と成形板と溝均し板を一体に形成し、
    昇降軸には、成形器で成形する畝の上面に当接する畝上面均し板を設け、
    畝上面均し体は上下方向に延びるプレート状に形成すると共に、昇降軸と並行して設け、上下調節部材により、成形器と別個に上下方向に位置調節可能とする歩行型耕耘機
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