JP3292150B2

JP3292150B2 - 畦塗り機

Info

Publication number: JP3292150B2
Application number: JP21904298A
Authority: JP
Inventors: 博文萱原; 忠治遠藤
Original assignee: KOBASHI INDUSTRIES CO., LTD.
Current assignee: KOBASHI INDUSTRIES CO., LTD.
Priority date: 1998-08-03
Filing date: 1998-08-03
Publication date: 2002-06-17
Anticipated expiration: 2018-08-03
Also published as: JP2000041404A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、走行機体の後部に
装着され、該走行機体から動力を受けて駆動する前処理
体及び整畦体を備え、該前処理体及び整畦体を左右にオ
フセット可能にした畦塗り機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、走行機体の後部に装着され、該走
行機体から動力を受け、元畦及び圃場を耕耘して畦状に
盛り上げる前処理体、及びこの前処理体により耕耘され
た土壌を回転しながら畦に成形するドラム状の整畦体を
備え、本体に対して前処理体及び整畦体を左右にオフセ
ット可能に構成した畦塗り機が周知である。

【０００３】上記本体フレームに対して前処理体及び整
畦体を左右にオフセットする構成としては各種のものが
知られ、例えば、平行リンクにより左右にオフセットさ
せるようにしたものがある。平行リンクにより前処理体
及び整畦体を左右にオフセットさせた場合、本体フレー
ムから整畦体への動力伝達を、トラクタから作業機に動
力伝達する場合と同様の、ユニバーサルジョイント付き
スプライン伝動軸により行うことが考えられる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記のように本体フレ
ームから整畦体への動力伝達をユニバーサルジョイント
付きスプライン伝動軸により行うと、本体フレームと整
畦体との距離が接近しているので、ジョイントの角度が
大きくなり過ぎて、ある決まった範囲でしか使用できな
い、また、ジョイントによる動力伝達時の騒音が大きく
なる、ジョイント部分で不等速回転を起こす、などの問
題点があった。本発明は、このような問題点を解決する
ことを目的になされたものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、Ａ．走行機体の後部に装着され、該走行機体から動力を
受け、元畦及び圃場を耕耘して畦状に盛り上げる前処理
体、及びこの前処理体により耕耘された土壌を回転しな
がら畦に成形するドラム状の整畦体を備え、本体に対し
て前処理体及び整畦体を左右にオフセット可能に構成し
た畦塗り機において、本体フレームに対して平行リンク
を介して前処理体及び整畦体の支持フレームを左右方向
に移動してオフセット可能に支持すると共に、オフセッ
トしない状態と最大限オフセットした状態との中間で無
段階にオフセット量を調節するオフセット量調節手段を
設け、前記本体フレームから前記整畦体に対してＷジョ
イント付きのスプライン伝動軸を介して動力を伝達する
ようにし、遠隔操作により前記中間のオフセット量が調
節された位置で整畦作業を行えるようにしたことを特徴
としている。

【０００６】Ｂ．前処理体及び整畦体の支持フレームと
平行リンクの一方との間にシリンダ機構を設けて、該シ
リンダ機構を作動させることで前記オフセット量を調節
することを特徴としている。

【０００７】

【０００８】

【作用】上記の構成により本発明の畦塗り機は、以下の
作用を行う。．本体フレームに対して平行リンクを介して前処理体
及び整畦体の支持フレームを左右方向に移動してオフセ
ット可能に支持し、本体フレームから整畦体に対してＷ
ジョイント付きのスプライン伝動軸を介して動力を伝達
することで、前処理体及び整畦体のオフセット量を自由
に設定し得る。また、本体フレームと前処理体及び整畦
体の接近性がよいので、機体の前後バランスがよくな
る。さらに、ジョイントによる動力伝達時の騒音が大き
くなったり、ジョイント部分で不等速回転を起こすこと
がない。

【０００９】．前処理体及び整畦体の支持フレームと
平行リンクの一方との間にシリンダ機構を設けて、前処
理体及び整畦体のオフセット量を調節可能としたこと
で、前処理体及び整畦体のオフセット量を自由に設定で
き、特にシリンダ機構を電動シリンダや油圧シリンダに
したときは、無段階に、しかも遠隔操作が行える。

【００１０】．前処理体の動力源を油圧モータとした
ことで、前処理体及び整畦体のオフセット量を自由に設
定できる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
の図面を参照して具体的に説明する。図１ないし図４に
おいて、符号１は図示しないトラクタの後部に設けられ
たトップリンク及びロアリンクからなる三点リンク連結
機構に連結されて、整畦作業を行う畦塗り機である。こ
の畦塗り機１は、本体フレームを兼ねる伝動フレーム２
を、機体の進行方向と直交するようにして設けている。
この伝動フレーム２には、前端部から前方に向け突出
し、トラクタのＰＴＯ軸からユニバーサルジョイント及
び伝動軸を介して動力を受ける入力軸３を設け、また、
上方に突出するトップリンク連結部４を設けると共に、
左右にロアリンク連結部５，５を設け、トラクタの三点
リンク連結機構に連結するようにしている。

【００１２】伝動フレーム２の後側から側方に延びる伝
動ケースを兼ね、油圧モータ６ａを備える支持フレーム
６を介して、元畦及び圃場を耕耘して畦状に盛り上げる
ロータリ耕耘装置からなる前処理体７が支持されてい
る。また、この前処理体７の後方に、前処理体７により
耕耘された土壌を畦に成形する多角円錐状ドラムからな
る整畦体８が、伝動フレーム２にオフセット用平行リン
ク９を介して支持され、支持フレーム６と一体的に連繋
された伝動・支持フレーム１０により連結されている。
そして、トラクタから入力軸３に受けた動力は、動フレ
ーム２からＷジョイント（広角ジョイント）付きのスプ
ライン伝動軸１１−伝動・支持フレーム１０を介して整
畦体８に伝達され、また、油圧モータ６ａ−支持フレー
ム６を介して前処理体７に動力伝達され、それぞれ所定
方向に回転させて作業を行うようにしている。

【００１３】前処理体７は、その回転軸１２の軸心を機
体の進行方向と平行に配設し、この回転軸１２の軸周に
複数の耕耘爪１３を取付けて、元畦の一部及び圃場を耕
耘して元畦に対して畦状に盛り上げるようにしている。
また、この前処理体７は上下調整装置１４により上下調
節が可能である。前処理体７により畦状に盛り上げられ
た土壌は整畦体８が回転しながら畦状に成形する。整畦
体８にも上下調整装置１５が設けられていて、上下調節
が可能である。

【００１４】前処理体７はカバー１６により覆われてお
り、このカバー１６は左右にスライド可能である。ま
た、前処理体７の外側部はサイドカバー１７により覆わ
れるが、このサイドカバー１７は自動的に上下動するよ
うに支持されておいる。また、サイドカバー１７の下部
にはゴム板のような弾性板が取付けられていて、畦土に
接したとき弾性変形し、復帰するフレキシブルな構造と
なっている。

【００１５】上記整畦体８は、支持フレーム１０の終端
部から機体側方に向け突出した図示しない回転軸に対し
てその基部８ａをドラムボスを介して複数（図面では４
個）の固定ボルト１８により取付けられる。整畦体基部
８ａのドラムボスへの取付け面と、ドラムボスの整畦体
８を取付けるドラム取付け面とは、回転軸に対して互い
に偏心して設けられている。そして、整畦体８の固定孔
をドラムボスに対して周方向に移動させて固定ボルト１
８により固定することにより、整畦体８の偏心量（振れ
幅）を変更可能としている。

【００１６】整畦体８は、この実施例では１２角の稜線
と平面部を有する多角円錐状ドラム８と、このドラム８
の中心部分から水平方向に突出している水平筒状体８ｂ
とからなり、多角円錐状ドラム８が偏心回転することに
より、多角の稜線と平面部が偏心しながら回転して畦法
面を叩いて整畦し、水平筒状体８ｂにより畦頂部を平面
状に成形するようにしている。

【００１７】多角円錐状ドラム８の上方は、支持フレー
ム１０に支持されたカバー１９により覆われているが、
このカバー１９は、整畦体８の安全に必要な部分のみを
覆う大きさ、形状であり、かつ、トラクタの操縦者が円
錐状ドラム８の作業状態を観察しうる状態に設けられて
いる。そして、機体の前進と共に前処理体７により掘削
された土壌を、前述のように多角円錐状ドラム８によっ
て元畦の傾斜面に塗り付け、また、元畦の水平頂部を水
平筒状体８ｂにより塗り付けて整畦するようにしてい
る。

【００１８】上記支持フレーム１０の左側端部と一方の
平行リンク９間には、オフセット量調節用シリンダ機構
２０が設けられている。このシリンダ機構２０は、シリ
ンダ２２ａと、ロッド２０ｂと、ロックピン２０ｃと、
ストッパ用ピン２０ｄとからなり、整畦体８をオフセッ
トしない図１〜３の状態から図５の最大限オフセットし
た状態まで、段階的に調節可能となっている。支持フレ
ーム１０の左側端部には、三角ディスク状のゲージホイ
ール２１が上下調節支持部２２により上下調節可能に設
けられている。また、このゲージホイール２１の前側下
方にはキャスタ付きスタンド２３がスタンド支持部２４
に着脱可能に設けられている。さらに、前処理体７の外
側端部下方にもスタンド２５が着脱可能に設けられてい
る。これらスタンド２３，２５は作業中は不要なもので
あり、着脱可能とするか、あるいは折り畳み可能に設け
られる。

【００１９】畦塗り機１の平面視ほぼ中央部には、機体
の前後水平状態を検出する前後水平水準器２６と、機体
の左右水平状態を検出する左右水平水準器２７とが設け
られ、機体の水平状態を検出して、アジャストするよう
にしている。

【００２０】このような構成の畦塗り機１においては、
前処理体７が油圧モータ６ａ−支持フレーム６により駆
動され、トラクタから入力軸３に受けた動力は伝動フレ
ーム２からＷジョイント（広角ジョイント）付きのスプ
ライン伝動軸１１−伝動・支持フレーム１０を介して整
畦体８に伝達される。前処理体７では元畦の一部及び圃
場を耕耘して元畦に対して畦状に盛り上げ、その耕耘さ
れた土壌を多角円錐状ドラム８の多角の稜線と平面部が
偏心しながら回転して畦法面を叩いて畦に成形する。

【００２１】多角円錐状ドラム８では、その基部８ａが
ドラムボスに対して固定ボルト１８により取付けられて
いるが、整畦体基部８ａのドラムボスへの取付け面をド
ラムボスのドラム取付け面に対して周方向に移動させて
固定ボルト１８により固定することにより、整畦体８の
偏心量（振れ幅）を所定範囲で３段階に変更することが
できる。

【００２２】そして、前処理体７により、元畦及び圃場
が耕耘されて畦状に盛り上げる土壌の土質、水分等によ
り、多角円錐状ドラム８の振れ幅の範囲で変更して土質
や土壌水分に合った適切な整畦作業が行われる。また、
圃場の形状や土壌の状態などに応じて前処理体７及び整
畦体８をオフセットさせた方がよい場合には、オフセッ
ト量調節用シリンダ機構２０のシリンダ２０ａ、ロッド
２０ｂ、ロックピン２０ｃ、ストッパ用ピン２０ｄを操
作してオフセット量を調節し、適切な状態で製畦作業を
行うことができる。そのとき、動フレーム２からＷジョ
イント（広角ジョイント）付きのスプライン伝動軸１１
−伝動・支持フレーム１０を介して整畦体８に動力伝達
されるので、ジョイントによる動力伝達時の騒音が大き
くなったり、ジョイント部分で不等速回転を起こすこと
がない。

【００２３】図６ないし図８に示す本発明の他の実施例
のものは、前記実施例における手動によるシリンダ機構
２０に代えて、油圧モータを備えたシリンダ機構２８と
したものである。この油圧モータを備えたシリンダ機構
２８に代えて、さらに電動シリンダ機構や油圧シリンダ
にしてもよいものである。

【００２４】この実施例においては、前処理体７及び整
畦体８をオフセットさせる操作を、作業者がトラクタに
乗ったままの状態で、油圧モータを備えたシリンダ機構
２８を遠隔操作することにより行うことができる。ま
た、油圧モータを備えたシリンダ機構２８を電動シリン
ダや油圧シリンダにしたときも同様に操作できる。

【００２５】

【発明の効果】以上説明したように本発明の畦塗り機に
よれば、以下の効果を奏することができる。

【００２６】．本体フレームに対して平行リンクを介
して前処理体及び整畦体の支持フレームを左右方向に移
動してオフセット可能に支持し、本体フレームから整畦
体に対してＷジョイント付きのスプライン伝動軸を介し
て動力を伝達するので、前処理体及び整畦体のオフセッ
ト量を自由に設定することができる。また、本体フレー
ムと前処理体及び整畦体の接近性がよいので、機体の前
後バランスがよく、作業性がよい。さらに、ジョイント
による動力伝達時の騒音が大きくなったり、ジョイント
部分で不等速回転を起こすことがなく、安定した動力伝
達を行うことができる。

【００２７】．前処理体及び整畦体の支持フレームと
平行リンクの一方との間にシリンダ機構を設けて、前処
理体及び整畦体のオフセット量を調節可能としたので、
前処理体及び整畦体のオフセット量を自由に設定するこ
とができる。そして、圃場条件や土壌条件に応じた適切
な整畦作業を実施することができる。

【００２８】．前処理体の動力源を油圧モータとした
ので、前処理体及び整畦体のオフセット量を自由に設定
でき、特にシリンダ機構の動力源を、油圧モータ、電動
シリンダ、油圧シリンダ等にしたときは、無段階に、し
かも遠隔操作によりオフセット調節を行うことができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による畦塗り機の平面図である。

【図２】要部を断面した状態の平面図である。

【図３】畦塗り機の背面図である。

【図４】畦塗り機の側面図である。

【図５】畦塗り機の前処理体及び整畦体をオフセットし
た状態の平面図である。

【図６】本発明による畦塗り機の他の実施例の平面図で
ある。

【図７】同背面図である。

【図８】同側面図である。

【符号の説明】

１畦塗り機２伝動フレーム３入力軸４トップリンク連結部５ロアリンク連結部６支持フレーム６ａ油圧モータ７前処理体８整畦体（多角円錐状ドラム）８ａ整畦体の基
部８ｂ水平筒状体９オフセット用平行リンク１０伝動・支持フレーム１１Ｗジョイント（広角ジョイント）付きのスプライ
ン伝動軸１２回転軸１３耕耘爪１４，１５上下調整装置１６前処理体のカバー１７サイドカバー１８固定ボルト１９整畦体のカバー２０オフセット量調節用シリンダ機構２０ａシリ
ンダ２０ｂロッド２０ｃロックピン２０ｄストッパ用ピン２１ゲージホイール２２上下調節支持部２３，２５スタンド２４スタンド支持部２６前後水平水準器２７左右水平水準器２８油圧モータを備えたシリンダ機構

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献特開平10−290601（ＪＰ，Ａ) 特開平６−213245（ＪＰ，Ａ) 特開昭64−87923（ＪＰ，Ａ) 特開平８−112004（ＪＰ，Ａ) 特開平８−154405（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) A01B 35/00

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】走行機体の後部に装着され、該走行機体
から動力を受け、元畦及び圃場を耕耘して畦状に盛り上
げる前処理体、及びこの前処理体により耕耘された土壌
を回転しながら畦に成形するドラム状の整畦体を備え、
本体に対して前処理体及び整畦体を左右にオフセット可
能に構成した畦塗り機において、本体フレームに対して平行リンクを介して前処理体及び
整畦体の支持フレームを左右方向に移動してオフセット
可能に支持すると共に、オフセットしない状態と最大限
オフセットした状態との中間で無段階にオフセット量を
調節するオフセット量調節手段を設け、前記本体フレー
ムから前記整畦体に対してＷジョイント付きのスプライ
ン伝動軸を介して動力を伝達するようにし、遠隔操作に
より前記中間のオフセット量が調節された位置で整畦作
業を行えるようにしたことを特徴とする畦塗り機。
【請求項２】前処理体及び整畦体の支持フレームと平
行リンクの一方との間にシリンダ機構を設けて、該シリ
ンダ機構を作動させることで前記オフセット量を調節す
ることを特徴とする請求項１記載の畦塗り機。