JP2875967B2 - 畦塗り機 - Google Patents

畦塗り機

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JP2875967B2
JP2875967B2 JP10969295A JP10969295A JP2875967B2 JP 2875967 B2 JP2875967 B2 JP 2875967B2 JP 10969295 A JP10969295 A JP 10969295A JP 10969295 A JP10969295 A JP 10969295A JP 2875967 B2 JP2875967 B2 JP 2875967B2
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Matsuyama Plow Manufacturing Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は畦塗り機に係り、主とし
て水田を区画する旧畦を畦塗り修復して水漏れを防ぐも
のに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の畦塗り機としては、たと
えば、特開平6−22604号公報に記載されているよ
うに、機枠に畦形成部(旧畦)に対して土盛りする耕耘
爪を有するロータリーを回転自在に設け、このロータリ
ーの後方部に位置して前記機枠に畦形成部の盛り土を締
め固めて畦を形成する回転具を回転自在に設け、この回
転具は、畦上面を形成する回転体並びにこの回転体の両
端部に畦の内外側面を形成する円錐形状の内側回転板及
び外側回転板を有し、この回転具を駆動手段にてダウン
カット方向に回転駆動する構成が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記公報に記載の構成
では、回転具の円錐形状の内側回転板及び外側回転板は
ダウンカット方向に回転駆動されるため、その円錐形状
の内側回転板及び外側回転板にて旧畦の内外側面を畦塗
り修復する際には泥土が旧畦の側面部の上部から下方の
裾部分に向かって崩れ落としながら塗り付けられる傾向
が強いので、旧畦の裾部分は比較的土量が多い状態で泥
土が締め固められるが、旧畦の上部は土量が不足ぎみか
少ない状態で泥土が締め固められることになり、したが
って、旧畦の裾部分は固く締め固められた状態で修復さ
れるが、旧畦の上部は十分に固く締め固められることが
できず比較的軟らかく締め固められた状態で修復され、
旧畦は上部から崩れ易く、耐久性を向上する上で問題が
ある。
【0004】本発明は、このような点に鑑みてなされた
もので、旧畦の側面部の裾部分に向かって崩れ落ちよう
とする泥土が旧畦の側面部の上部に向かって押し上げな
がら塗り付けられ、旧畦の側面部の上部を旧畦の側面部
の裾部分と同様に固く締め固める上で土量が不足ぎみに
なったり土量が少ない状態になることがなく、したがっ
て、旧畦の側面部の裾部分及び旧畦の側面部の上部は十
分に固く締め固められた状態で修復でき、この修復され
た旧畦は全体として崩れ難く、仕上がり状態が良好で耐
久性を向上することができる畦塗り機を提供することを
目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の畦塗り機
は、機枠と、この機枠に回転自在に設けられ畦塗り用の
泥土を切削して跳ね上げる多数の切削爪を有するロータ
リーと、このロータリーの後方に位置して前記機枠に回
転自在に設けられロータリーにて跳ね上げられた泥土を
旧畦に塗り付けて旧畦を修復する畦塗り体とを具備し、
前記畦塗り体は、泥土を旧畦の上面部に沿って塗り付け
て旧畦の上面部を水平状に修復する円筒状の上面塗り部
と、この上面塗り部の一端部に連設され泥土を前記旧畦
の側面部に沿って塗り付けて旧畦の側面部を下方に向か
って拡開したテーパー状に修復する円錐形状の側面塗り
部とを有し、前記畦塗り体の少なくとも側面塗り部をア
ップカット方向に回転駆動する駆動手段を設けたもので
ある。
【0006】請求項2記載の畦塗り機は、請求項1記載
の畦塗り機において、畦塗り体の上面塗り部は、ダウン
カット方向に回転自在に軸架したものである。
【0007】
【作用】請求項1記載の畦塗り機では、機枠が旧畦際に
沿って進行される一方、駆動手段にてロータリーが回転
されるとともに、畦塗り体の側面塗り部がアップカット
方向に回転駆動されると、このロータリーの各切削爪に
て畦塗り用の泥土として順次切削された切削泥土は畦塗
り体の上面塗り部及び側面塗り部にて旧畦の上面部及び
旧畦の側面部に沿って順次締め固められながら塗り付け
られ、この泥土にて旧畦の上面部及び旧畦の側面部が所
定の厚さで順次修復され、この旧畦は上面部が水平状に
修復されるとともに、その側面部が下方に向かって拡開
したテーパー状に修復されて順次整畦される。
【0008】この場合、畦塗り体の側面塗り部はアップ
カット方向に回転駆動されることにより、この側面塗り
部にて旧畦の側面部の裾部分に向かって崩れ落ちようと
する泥土が旧畦の側面部の上部に向かって押し上げられ
ながら順次塗り付けられ、旧畦の側面部の上部及び旧畦
の側面部の裾部分は土量に過不足がない状態で十分に固
く締め固められる。
【0009】したがって、旧畦の上面部はもとよりこの
上面部に続いて旧畦の側面部の上部及び旧畦の側面部の
裾部分は十分に固く締め固められ、全体として崩れ難い
状態で修復される。
【0010】請求項2記載の畦塗り機では、畦塗り体の
上面塗り部はダウンカット方向に回転自在に軸架するこ
とにより、この上面塗り部にて旧畦の上面部に供給され
た泥土は前方に向かって押し出すことなく泥土を旧畦の
上面部に引き込みながら十分に固く締め固められる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例の構成を図面を参照
して説明する。
【0012】図1及び図2において、1は機枠で、この
機枠1は主枠兼用の前後方向のミッションケース2を有
し、このミッションケース2の前端部には前後方向の入
力軸3が前方に向かって回転自在に突出され、この入力
軸3は前記ミッションケース2内に設けた前後端部の軸
受体4にて回転自在に軸支され、この前後の軸受体4の
近傍に位置して前記入力軸3には傘歯車5がそれぞれ固
着されている。
【0013】また、前記ミッションケース2の前側部の
右側には軸受体6を有する中空円筒状の連結体7が固着
されて右側に向かって一体に突設されているとともに、
前記ミッションケース2の前側部の左側には前記連結体
7と同一軸線上に位置して左右方向の連結パイプ8が左
側に向かって一体に突設されている。また、前記連結パ
イプ8の外端部には前後方向の連結アーム9が一体に固
着され、この左側の連結アーム9の先端部にはロワピン
10が固着されている。
【0014】また、前記ミッションケース2の後側部の
右側には軸受体11を有する中空円筒状の連結体12が固着
されて右側に向かって一体に突設され、この連結体12に
は水平状に配設された左右方向の中空円筒状の第1の伝
動パイプ13の内端部が一体に固着され、この第1の伝動
パイプ13の外端部内に軸受体14が固着されている。
【0015】また、前記第1の伝動パイプ13内には前記
両端部の軸受体11,14にて第1の出力軸15が回転自在に
挿通支持され、この第1の出力軸15の内端部には前記入
力軸3の後端部の傘歯車5に噛合された傘歯車16が固着
されている。
【0016】また、前記第1の伝動パイプ13の外側部に
は前後方向の連結板17が一体に固着され、この連結板17
の前端部には上下方向の支持板18が下方に向かって一体
に突出されている。また、前記支持板18の下端部には右
側下方に向かって所定の傾斜角度で下降傾斜して配設さ
れた左右方向の中空円筒状の第2の伝動パイプ19の外側
部が固着支持され、この第2の伝動パイプ19の左上がり
の内端部には前記ミッションケース2の前側部の右側の
連結体7が固着されている。
【0017】また、前記第2の伝動パイプ19の右下がり
の外端部内には軸受体20が固着され、この軸受体20と前
記連結体7内の軸受体6とにより前記第2の伝動パイプ
19内に挿通した第2の出力軸21が回転自在に支持され、
この第2の出力軸21は前記第2の伝動パイプ19の外端部
から外方に向かって突出されている。また、前記第2の
出力軸21の内端部には前記入力軸3の前部の傘歯車5に
噛合された傘歯車22が固着されている。
【0018】さらに、前記第2の伝動パイプ19の左右方
向の略中間部には上下方向の取付板23が固着され、この
取付板23の上部には前記左側の連結アーム9と同じ高さ
位置において前後方向の右側の連結アーム24が一体に固
着され、この連結アーム24の先端部にはロワピン25が固
着されている。
【0019】また、前記ミッションケース2の上部には
前記左側の連結アーム9と右側の連結アーム24との中間
上方部に位置してトップマスト26が前上方に向かって一
体に突出され、このトップマスト26の先端部には連結孔
27が穿設されている。そして、前記左右のロワピン10,
25及び前記連結孔27にてトラクタの三点懸架機構に連結
する三点連結部が構成されている。
【0020】また、前記入力軸3の前後の傘歯車5及び
この前後の傘歯車5にそれぞれ噛合した傘歯車16,22に
てミッション28が構成されている。また、前記ミッショ
ン28、前記第1の出力軸15及び第2の出力軸21にて後述
する畦塗り体及び泥土供給ロータリーをそれぞれ回転駆
動させ、かつ、後述する畦塗り体をアップカット方向に
回転駆動させる駆動手段Aが構成されている。
【0021】つぎに、前記機枠1の第1の伝動パイプ13
の外端部には軸受体29及びスリーブ(図示せず)を介し
て前後方向の伝動ケース30が前記第1の出力軸15を中心
として上下方向に回動自在に取着支持され、この伝動ケ
ース30の後端部には左右に軸受31を有する軸受体32が固
着され、この軸受体32の左右の軸受31には左右方向の回
転軸33が回転自在に支持され、かつ、この回転軸33は右
側に向かって水平状に突出されている。
【0022】また、前記回転軸33には左右方向の略中間
部から右側に向かって所定の間隔毎にこの回転軸33に対
して直交する方向の多数の取付孔34がそれぞれ貫通して
形成され、この各取付孔34にはボルト35a が挿脱自在に
装着され、このボルト35a の突出部にはナット35b が着
脱自在に螺着されいる。また、前記回転軸33には前記ボ
ルト35a 及びナット35b にて泥土を旧畦の上面部及び旧
畦の側面部に沿って塗り付ける畦塗り体36が回転軸33の
軸方向に位置調節自在に取着されている。
【0023】前記畦塗り体36は、図3に示すように、前
記回転軸33に対して軸方向に摺動自在に挿通する挿通孔
37を形成した中空筒状の連結軸体38を有し、この連結軸
体38の挿入端部と反対側には前記各取付孔34に連通する
とともに前記ボルト35a を挿通する連通孔39が貫通して
形成されている。
【0024】また、前記連結軸体38の外端部には外周面
をテーパー状に形成した環状の挟持体40、この挟持体40
の外端部に連設され旧畦の上面部に泥土を塗り付けて旧
畦の上面部を水平状に修復する円筒状の上面塗り部41及
び前記挟持体40の内端部に連設され旧畦の側面部に泥土
を塗り付けて旧畦の側面部を下方に向かって拡開したテ
ーパー状に修復する円錐形状の側面塗り部42がそれぞれ
取着されている。
【0025】前記上面塗り部41は、金属にて円筒状に形
成された内筒体44及びこの内筒体44の外周部に一体の合
成樹脂にて円筒状に形成された外筒体45を有し、これら
の内端部には端面板46が一体に固着されているととも
に、その外端部にはこの上面塗り部41内に泥土が侵入す
ることを防止するカバー47が固着されている。
【0026】前記側面塗り部42は、前記伝動ケース30に
向かって拡開した金属にて円錐形状に形成された内側円
錐体48及びこの内側円錐体48の外周部に一体の合成樹脂
にて円錐形状に形成された外側円錐体49を有し、これら
の縮径した中心部にはフランジ50が一体に折曲形成さ
れ、この内側円錐体48のフランジ50が前記連結軸体38の
外周部に一体に固着されている。また、前記連結軸体38
と前記内側円錐体48との間には複数の補強用の支持片51
が放射状に一体に固着されている。
【0027】そして、前記側面塗り部42のフランジ50に
前記挟持体40を介して前記上面塗り部41の端面板46が当
接されているとともに、これらが前記側面塗り部42のフ
ランジ50に複数のボルト・ナット43にて着脱可能に共締
め固定されている。
【0028】さらに、前記伝動ケース30内において、そ
の前端部内の前記第1の出力軸15にはスプロケット52が
固着されているとともに、その後端部内の前記回転軸33
にはスプロケット53が固着され、この前後のスプロケッ
ト52,53間には無端チェーン54が回行自在に懸架されて
いる。そして、前記駆動手段Aからの出力によって前記
無端チェーン54を介して前記回転軸33にて前記畦塗り体
36が進行方向に向かってアップカット方向に回転駆動さ
れるようになっている。
【0029】つぎに、前記連結板17には板状の支枠55が
上方に向かって一体に突設され、前記伝動ケース30の後
側部には左右方向の取付軸56が一体に突設されている。
また、前記支枠55の上端部には先端部に操作ハンドル57
を有する伸縮自在の棒状の調節体58が上下方向に回動自
在に軸支され、この調節体58の後端部は前記取付軸56に
上下方向に回動自在に軸着されている。
【0030】そして、前記操作ハンドル57を回動操作し
て前記支枠55の上端部に回動自在に軸支された調節体58
を伸縮することにより、支枠55に対して前記伝動ケース
30を介して前記畦塗り体36が上下方向に位置調節自在に
支持され、この畦塗り体36が旧畦に対して畦塗り作業を
行う所定の高さ位置に調節設定されるようになってい
る。
【0031】つぎに、前記第2の出力軸21は前記第2の
伝動パイプ19の外端部から右側に向かって一体に突出さ
れた断面略矩形状の連結軸部59を有し、この連結軸部59
には右側に向かって所定の間隔毎にこの連結軸部59に対
して直交する方向の複数の取付孔60がそれぞれ貫通して
形成され、この各取付孔60にはボルト・ナット61のボル
トが挿脱自在に装着されるようになっている。
【0032】また、前記第2の出力軸21の連結軸部59に
は前記ボルト・ナット61にて旧畦の側部及び旧畦の畦際
を切削しかつこの切削土を畦塗り用の泥土として前記畦
塗り体36に向かって放出供給する多数の切削爪62を放射
状に突出したロータリー63が連結軸部59の軸方向に位置
調節自在に取着されている。
【0033】前記ロータリー63は、前記第2の出力軸21
の連結軸部59に対して軸方向に摺動自在に挿通する挿通
孔64を形成した断面矩形状の回転軸65を有し、この回転
軸65の途中には前記各取付孔60に連通するとともに前記
ボルト・ナット61のボルトを挿通する連通孔66が貫通し
て形成されている。そして、前記第2の出力軸21の連結
軸部59に前記回転軸65を嵌合して前記ボルト・ナット61
にて固定することにより、この回転軸65は旧畦側を低く
傾斜させて回転自在に軸着されるようになっている。
【0034】また、前記回転軸65の外周部には軸方向に
所定の間隔をおいて多数のホルダー67がそれぞれ外方に
向かって放射状に一体に突設され、この多数のホルダー
67には前記切削爪62が着脱可能にそれぞれ放射状に突出
されている。そして、多数の切削爪62の内で外端部側に
位置する複数の切削爪62にて旧畦の側部を切削するとと
もに、他の複数の切削爪62にて旧畦の畦際を切削して、
これらの切削土が前記畦塗り体36に向かって放出供給さ
れるようになっている。
【0035】つぎに、前記ミッシヨンケース2の左側後
端部及び前記連結板17の後端部には支軸68が突設され、
この左右の支軸68には支持フレーム69が上下方向に回動
自在に軸支され、この支持フレーム69の後端部の左右に
はゲージ輪70がそれぞれ回転自在に軸架されている。ま
た、前記支持フレーム69は調節体71にて上下方向に位置
調節に支持され、前記左右のゲージ輪70が所定の接地高
さに調節設定されるようになっている。そして、左右の
ゲージ輪70にて前記ロータリー63が旧畦の側部及び畦際
を切削する所定の高さ位置に調節設定されるようになっ
ている。
【0036】なお、図中72は前記ロータリー63の上方部
及び側部を被覆するとともに、切削泥土を前記畦塗り体
36に向かって誘導するロータリーカバーで、73は前記畦
塗り体36の上方部を被覆したカバー体である。
【0037】つぎに、前記実施例の作用を説明する。
【0038】トラクタの三点懸架機構に機枠1の三点連
結部を連結するとともに、トラクタのPTO軸に動力伝
達軸を介してミッション28の入力軸3を連結する。ま
た、圃場の状況に応じて、調節体71を調節操作すること
により、この調節体71にて左右の支軸68を中心として支
持フレーム69が上下方向に回動されるとともに、この支
持フレーム69の左右のゲージ輪70が上下動調節される。
そして、調節体71にて左右のゲージ輪70を所定の位置に
設定することにより、この左右のゲージ輪70にて圃場の
状況に対応してロータリー63の高さが調節設定される。
【0039】また、旧畦の状況に応じて、操作ハンドル
57にて調節体58を伸縮操作することにより、この調節体
58にて第1の伝動パイプ13の第1の出力軸15を中心とし
て伝動ケース30が上下方向に回動されるとともに、この
伝動ケース30の回転軸33に軸着した畦塗り体36が上下動
調節される。そして、調節体58にて伝動ケース30が所定
の位置に設定されることにより、この畦塗り体36はロー
タリー63の設定位置に対応して旧畦を修復しかつ旧畦を
締め固める位置に調節設定される。
【0040】また、トラクタにて機枠1が旧畦際に沿っ
て牽引進行される一方、トラクタのPTO軸からの出力
によってミッション28を介して駆動手段Aが作動される
ことにより、この駆動手段Aにてロータリー63が切削土
を畦塗り体36に向かって供給する方向に向かって回転駆
動されるとともに、畦塗り体36がアップカット方向に向
かって回転駆動される。
【0041】そして、ロータリー63の各切削爪62にて旧
畦の側部及び畦際が所定の厚さに亘って畦塗り用の泥土
として順次切削されるとともに、これらの切削泥土は畦
塗り体36に供給され、この泥土は畦塗り体36にて旧畦の
上面部及び側面部に沿って順次締め固められながら塗り
付けられ、この泥土にて旧畦の上面部及び側面部が所定
の厚さで順次修復され、この旧畦が所定の形態に順次整
畦される。
【0042】すなわち、トラクタにて畦塗り機を畦際に
沿って配設し、このトラクタにて畦塗り機が畦際に沿っ
て牽引進行されるとともに、トラクタのPTO軸からの
出力によって動力伝達軸を介してミッション28の入力軸
3が回転されると、この入力軸3にて第1の伝動パイプ
13内の第1の出力軸15が回転駆動されるとともに、第2
の伝動パイプ19内の第2の出力軸21がそれぞれ回転駆動
される。
【0043】また、第1の出力軸15が回転駆動されるこ
とにより、伝動ケース30内の連動媒体(スプロケット5
2,53及び無端チェーン54)を介して回転軸33が回転さ
れるとともに、この回転軸33にて畦塗り体36の上面塗り
部41及び側面塗り部42が進行方向に向かってアップカッ
ト方向に回転駆動される。また、第2の出力軸21が回転
駆動されることにより、この第2の出力軸21の連結軸部
59にてロータリー63の各切削爪62が進行方向に向かって
ダウンカット方向に回転駆動される。
【0044】そして、ロータリー63の各切削爪62にて旧
畦の側部及び畦際が所定の厚さ(深さ)で順次切削され
るとともに、これらの切削土が畦塗り用の泥土として畦
塗り体36に向かって順次放出供給され、この泥土が畦塗
り体36の上面塗り部41にて旧畦の上面部に順次締め固め
られながら塗り付けられ旧畦の上面部は水平状に修復さ
れるとともに、その泥土が畦塗り体36の側面塗り部42に
て旧畦の側面部に順次締め固められながら塗り付けられ
旧畦の側面部が下方に向かって拡開したテーパー状に修
復される。
【0045】この際、畦塗り体36の側面塗り部42はアッ
プカット方向に回転駆動されることにより、この側面塗
り部42にて旧畦の側面部の裾部分に向かって崩れ落ちよ
うとする泥土が旧畦の側面部の上部に向かって押し上げ
られながら順次塗り付けられ、旧畦の側面部の上部及び
旧畦の側面部の裾部分は土量に過不足がない状態で十分
に固く締め固められる。
【0046】したがって、旧畦の上面部はもとよりこの
上面部に続いて旧畦の側面部の上部及び旧畦の側面部の
裾部分は十分に固く締め固められ、全体として崩れ難い
状態で修復される。
【0047】また、畦塗り体36は駆動手段Aにて回転駆
動されることにより、この畦塗り体36の上面塗り部41及
び側面塗り部42が泥土に対してスリップ回転しつつ進行
されるので、この畦塗り体36の上面塗り部41及び側面塗
り部42にて泥土が旧畦の上面部及び旧畦の側面部に塗り
付けられながら締め固められ、この泥土にて旧畦の上面
部及び旧畦の側面部が同時に順次修復整畦され、したが
って、畦塗り後の畦は簡単に崩れたり、水漏れすること
がない状態に整畦される。
【0048】また、畦塗り体36はカバー体73にて被覆さ
れているので、このカバー体73にて各切削爪62により畦
塗り体36に向かって跳ね飛ばされる切削土が捕捉され、
畦塗り体36の外方に向かって飛散されることが防止され
るとともに、畦塗り体36の上面塗り部41及び側面塗り部
42に畦塗り用の泥土として案内される。
【0049】さらに、この畦塗り体36の上面塗り部41及
び側面塗り部42は合成樹脂製の外筒体45及び外側円錐体
49を有するので、この畦塗り時に上面塗り部41及び側面
塗り部42に泥土が付着することが防止される。
【0050】したがって、ロータリー63にて畦塗り体36
の上面塗り部41及び側面塗り部42に対して畦塗り用の泥
土が十分に供給されるとともに、この畦塗り体36の上面
塗り部41及び側面塗り部42にて泥土が旧畦の上面部及び
旧畦の側面部に対して締め固めながら塗り付けられ、こ
の旧畦が所定の形態に順次整畦されるとともに、その表
面が平滑状態に仕上げられる。
【0051】つぎに、前記実施例では、畦塗り体36の上
面塗り部41は側面塗り部42に一体に固着され、この上面
塗り部41及び側面塗り部42は一体としてアップカット方
向に回転駆動する場合について説明したが、この畦塗り
体36の側面塗り部42はアップカット方向に回転駆動する
が、この畦塗り体36の上面塗り部41は伝動ケース30の回
転軸33に回転自在に軸架し、畦塗り作業時には自転して
ダウンカット方向に回転自在としてもよく、駆動手段A
によりダウンカット方向に回転駆動するようにしてもよ
い。
【0052】前記上面塗り部41を自転によりダウンカッ
ト方向に回転自在とする場合には、たとえば、図4に示
すように、側面塗り部42のフランジ50の外側部に位置し
て回転軸33には左右に軸受体74をそれぞれ取着し、この
左右の軸受体74の外周部に円筒状の上面塗り部41を回転
自在に取着し、この上面塗り部41の内端部を前記側面塗
り部42のフランジ50の外側部に摺動自在に接合する。な
お、この場合の上面塗り部41は前記実施例の場合と同様
に金属にて円筒状に形成された内筒体44及びこの内筒体
44の外周部に一体の合成樹脂にて円筒状に形成された外
筒体45にて構成する。
【0053】このように構成することにより、畦塗り体
36が回転進行する際には、その側面塗り部42にて旧畦の
側面部が下方に向かって拡開したテーパー状に修復され
るが、その上面塗り部41は泥土の抵抗により自転してダ
ウンカット方向に回転しながら進行し、この上面塗り部
41にて泥土を前方に押し出すことなく旧畦の上面部が水
平状に修復される。
【0054】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、畦塗り体は、
泥土を旧畦の上面部に沿って塗り付けて旧畦の上面部を
水平状に修復する円筒状の上面塗り部と、この上面塗り
部の一端部に連設され泥土を前記旧畦の側面部に沿って
塗り付けて旧畦の側面部を下方に向かって拡開したテー
パー状に修復する円錐形状の側面塗り部とを有し、前記
畦塗り体の少なくとも側面塗り部をアップカット方向に
回転駆動する駆動手段を設けたので、この側面塗り部に
て旧畦の側面部の裾部分に向かって崩れ落ちようとする
泥土が旧畦の側面部の上部に向かって押し上げられなが
ら塗り付けられ、旧畦の側面部の上部を旧畦の側面部の
裾部分と同様に固く締め固める上で土量が不足ぎみにな
ったり土量が少ない状態になることがなく、したがっ
て、旧畦の側面部の裾部分及び旧畦の側面部の上部は十
分に固く締め固められた状態で修復でき、この修復され
た旧畦は全体として崩れ難く、仕上がり状態が良好で畦
の耐久性を向上することができる畦塗り機を提供するこ
とができる。
【0055】請求項2の発明によれば、畦塗り体の上面
塗り部はダウンカット方向に回転自在に軸架したことに
より、この上面塗り部にて泥土を前方に向かって押し出
すことなく旧畦の上面部に沿って塗り付けながら十分に
固く締め固めて修復することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す畦塗り機の一部を省略
した平面図である。
【図2】同上畦塗り機の側面図である。
【図3】同上畦塗り体の拡大断面図である。
【図4】他の実施例を示す畦塗り体の断面図である。
【符号の説明】
1 機枠 36 畦塗り体 41 上面塗り部 42 側面塗り部 62 切削爪 63 ロータリー A 駆動手段

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機枠と、この機枠に回転自在に設けられ
    畦塗り用の泥土を切削して跳ね上げる多数の切削爪を有
    するロータリーと、このロータリーの後方に位置して前
    記機枠に回転自在に設けられロータリーにて跳ね上げら
    れた泥土を旧畦に塗り付けて旧畦を修復する畦塗り体と
    を具備し、 前記畦塗り体は、泥土を旧畦の上面部に沿って塗り付け
    て旧畦の上面部を水平状に修復する円筒状の上面塗り部
    と、この上面塗り部の一端部に連設され泥土を前記旧畦
    の側面部に沿って塗り付けて旧畦の側面部を下方に向か
    って拡開したテーパー状に修復する円錐形状の側面塗り
    部とを有し、 前記畦塗り体の少なくとも側面塗り部をアップカット方
    向に回転駆動する駆動手段を設けたことを特徴とする畦
    塗り機。
  2. 【請求項2】 畦塗り体の上面塗り部は、ダウンカット
    方向に回転自在に軸架したことを特徴とする請求項1記
    載の畦塗り機。
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