JP2972536B2 - 畦塗り機 - Google Patents

畦塗り機

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JP2972536B2
JP2972536B2 JP6305173A JP30517394A JP2972536B2 JP 2972536 B2 JP2972536 B2 JP 2972536B2 JP 6305173 A JP6305173 A JP 6305173A JP 30517394 A JP30517394 A JP 30517394A JP 2972536 B2 JP2972536 B2 JP 2972536B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は畦塗り機に係り、主とし
て水田を区画する旧畦を畦塗り修復して水漏れを防ぐも
のに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の畦塗り機としては、たと
えば、実公平3−47441号公報に記載されているよ
うに、機枠に旧畦の側面部から旧畦の内部を耕起する回
転ロータを回転自在に設け、この回転ロータの後方部に
位置して前記機枠に前記回転ロータにて耕起された耕起
土を叩き締めて畦を形成する畦叩体を設け、前記機枠に
前記畦叩体を上下方向に叩き動作させる畦叩機構を設け
る構造が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記公報に記載の構造
では、回転ロータは旧畦の側面部から旧畦の内部を耕起
して進行するだけのものであって耕起土を畦塗り用泥土
として畦叩体に向かって供給するものではなく、この耕
起土が畦際に崩れ落ち畦叩体にて耕起土を叩き締めて畦
を形成する際には耕起土の量が不十分になり易く、この
畦叩体に土が付着し易く、また、畦叩機構にて畦叩体を
叩き動作させる際には機枠に伝わる振動が大きく、この
機枠に設けた回転ロータの回転駆動系に不具合が生じ易
く、さらに、畦叩体を叩き動作させる畦叩機構を必要と
するため、全体的に構成が複雑になる、という問題があ
る。
【0004】本発明は、このような点に鑑みてなされた
もので、旧畦に沿って回転駆動される畦塗り体に畦塗り
用泥土を十分に供給して旧畦の上面部及び旧畦の側面部
を同時に確実に畦塗り修復することができ、この畦塗り
体に土が付着することが少なく、畦塗り用泥土を叩き締
める振動がなく、泥土供給ロータリーの回転駆動系に振
動による不具合が生じることがなく、したがって、全体
的に構成が簡単で仕上がりが良好な畦塗り機を提供する
ことを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の畦塗り機
は、ミッションケースを有する機枠と、この機枠に回転
自在に設けられ泥土を旧畦の上面部に塗り付ける上面塗
り部及び泥土を旧畦の側面部に塗り付ける側面塗り部を
有する畦塗り体と、この畦塗り体の前方に位置して前記
機枠に回転自在に設けられ前記旧畦の側部及び旧畦の畦
際を切削するとともにこの切削土を畦塗り用泥土として
前記畦塗り体に向かって供給する切削爪を有する泥土供
給ロータリーと、前記機枠に設けられ前記畦塗り体及び
泥土供給ロータリーを回転駆動させる駆動手段とを具備
、前記畦塗り体と泥土供給ロータリーとをそれぞれ前
記駆動手段からの出力によって回転される左右方向の回
転軸に取着し、これら回転軸にて前記畦塗り体と泥土供
給ロータリーとをそれぞれ進行方向に向かって回転駆動
し、前記畦塗り体の上面塗り部及び側面塗り部を泥土に
対してスリップ回転する畦塗り機において、前記駆動手
段は、前記ミッションケースに軸受体を有する連結体を
固着し、この連結体に水平状に配設された左右方向の伝
動パイプの内端部を固着し、この伝動パイプの外端部に
固着した軸受体と前記連結体の軸受体とにてこの伝動パ
イプに挿通した出力軸を回転自在に支持し、前記伝動パ
イプの外端部に前後方向の伝動ケースを前記出力軸を中
心として上下方向に回動自在に取着支持し、この伝動ケ
ースの後端部に固着した軸受体に前記畦塗り体を取着し
た左右方向の前記回転軸を回転自在に支持し、前記出力
軸に固着したスプロケットと前記回転軸に固着したスプ
ロケットとに無端チェーンを懸架したものである。
【0006】請求項2記載の畦塗り機は、請求項1記載
の畦塗り機において、ミッションケースに軸受体を有す
る連結体を固着し、この連結体に下降傾斜して配設され
た左右方向の伝動パイプの内端部を固着し、この伝動パ
イプに挿通された出力軸を、この伝動パイプの外端部に
固着した軸受体と前記連結体の軸受体とにて伝動パイプ
の傾斜方向に沿って旧畦側を低く傾斜させて回転自在に
支持し、この出力軸に泥土供給ロータリーの回転軸を固
定したものである。
【0007】
【0008】請求項記載の畦塗り機は、請求項1また
は2記載の畦塗り機において、機枠は、上下方向に位置
調節自在に支持した支持フレームを有し、この支持フレ
ームに泥土供給ロータリーを旧畦に応じて所定の高さに
調節設定するゲージ輪を回転自在に軸架したものであ
る。
【0009】
【作用】請求項1記載の畦塗り機では、伝動パイプの出
力軸を中心として伝動ケースが上下方向に回動されるこ
とにより、この伝動ケースの回転軸に軸着した畦塗り体
が上下動調節され、伝動ケースを所定の位置に設定する
ことにより、この畦塗り体は旧畦を修復する高さ及び旧
畦の締め固め具合に対応して調節設定される。また、伝
動パイプ内の出力軸が回転駆動されることにより、伝動
ケース内のスプロケット及び無端チェーンを介して回転
軸が回転され、この回転軸にて畦塗り体が進行方向に向
かって回転駆動される。また、駆動手段からの出力によ
って泥土供給ロータリーを取着した回転軸が回転され、
この回転軸にて泥土供給ロータリーが進行方向に向かっ
て回転駆動される。そして、機枠が旧畦際に沿って進行
され、駆動手段によりそれぞれ回転される回転軸にて泥
土供給ロータリー及び畦塗り体がそれぞれ進行方向に向
かって回転駆動されると、この泥土供給ロータリーの切
削爪にて旧畦の側部及び畦際が順次切削され、これらの
切削土が畦塗り用泥土として畦塗り体に向かって順次放
出供給される。
【0010】また、畦塗り体に供給された畦塗り用の泥
土は、この畦塗り体の上面塗り部及び側面塗り部にて旧
畦の上面部及び旧畦の側面部に沿って順次塗り付けら
れ、この泥土にて旧畦の上面部及び旧畦の側面部が順次
修復されるとともに、この旧畦が所定の形態に順次整畦
される。
【0011】この際、畦塗り体は駆動手段により回転さ
れる回転軸にて回転駆動されることにより、この畦塗り
体の上面塗り部及び側面塗り部が泥土に対してスリップ
回転しつつ進行されるので、この畦塗り体の上面塗り部
及び側面塗り部にて泥土が旧畦の上面部及び旧畦の側面
部に塗り付けられながら旧畦の上面部及び旧畦の側面部
が同時に順次修復整畦され、したがって、畦塗り後の畦
は簡単に崩れたり、水漏れすることがない状態に整畦さ
れる。
【0012】請求項2記載の畦塗り機では、泥土供給ロ
ータリーの回転軸旧畦側を低く傾斜させて回転自在
に軸架され出力軸に固定したことにより、この泥土供
給ロータリーは旧畦の側部を切削し易い角度に設けら
れ、この泥土供給ロータリーの各切削爪にて旧畦の側部
及び畦際の土を確実に切削してこの切削土を畦塗り用泥
土として畦塗り体に向かって供給される。
【0013】
【0014】請求項記載の畦塗り機では、ゲージ輪は
機枠に上下方向に位置調節自在に支持された支持フレー
ムに回転自在に軸架したことにより、このゲージ輪にて
旧畦に応じて泥土供給ロータリーを所定の高さに調節設
定される。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例の構成を図面を参照
して説明する。
【0016】1は機枠で、この機枠1は主枠兼用の前後
方向のミッションケース2を有し、このミッションケー
ス2の前端部には前後方向の入力軸3が前方に向かって
回転自在に突出され、この入力軸3は前記ミッションケ
ース2内に設けた前後の軸受体4にて回転自在に軸支さ
れ、この前後の軸受体4の近傍に位置して前記入力軸3
には傘歯車5がそれぞれ固着されている。
【0017】また、前記ミッションケース2の前側部の
右側には軸受体6を有する中空円筒状の連結体7が固着
されて右側に向かって一体に突設されているとともに、
前記ミッションケース2の前側部の左側には前記連結体
7と同一軸線上に位置して左右方向の連結パイプ8が左
側に向かって一体に突設されている。また、前記連結パ
イプ8の外端部には前後方向の連結アーム9が一体に固
着され、この左側の連結アーム9の先端部にはロワピン
10が固着されている。
【0018】また、前記ミッションケース2の後側部の
右側には軸受体11を有する中空円筒状の連結体12が固着
されて右側に向かって一体に突設され、この連結体12に
は水平状に配設された左右方向の中空円筒状の第1の伝
動パイプ13の内端部が一体に固着され、この第1の伝動
パイプ13の外端部内には軸受体14がそれぞれ固着されて
いる。
【0019】また、前記第1の伝動パイプ13内には前記
両端部の軸受体11,14にて第1の出力軸15が回転自在に
挿通支持され、この第1の出力軸15の内端部には前記入
力軸3の後端部の傘歯車5に噛合された傘歯車16が固着
されている。
【0020】また、前記第1の伝動パイプ13の外側部に
は前後方向の連結板17が一体に固着され、この連結板17
の前端部には上下方向の支持板18が下方に向かって一体
に突出されている。また、前記支持板18の下端部には右
側下方に向かって所定の傾斜角度で下降傾斜して配設さ
れた左右方向の中空円筒状の第2の伝動パイプ19の外側
部が固着支持され、この第2の伝動パイプ19の左上がり
の内端部には前記ミッションケース2の前側部の右側の
連結体7が固着されている。
【0021】また、前記第2の伝動パイプ19の右下がり
の外端部内には軸受体20が固着され、この軸受体20と前
記連結体7内の軸受体6とにより前記第2の伝動パイプ
19内に挿通した第2の出力軸21が回転自在に支持されて
いるとともに、この第2の出力軸21は前記第2の伝動パ
イプ19の外端部から外方に向かって突出されている。
【0022】しかして、前記第2の出力軸21は前記第2
の伝動パイプ19の傾斜方向に沿って、かつ、旧畦側を低
く傾斜して突出されている。また、前記第2の出力軸21
の内端部には前記入力軸3の前部の傘歯車5に噛合され
た傘歯車22が固着されている。
【0023】さらに、前記第2の伝動パイプ19の左右方
向の略中間部には上下方向の取付板23が固着され、この
取付板23の上部には前記左側の連結アーム9と同じ高さ
位置において前後方向の右側の連結アーム24が一体に固
着され、この連結アーム24の先端部にはロワピン25が固
着されている。
【0024】また、前記ミッションケース2の上部には
前記左側の連結アーム9と右側の連結アーム24との中間
上方部に位置してトップマスト26が前上方に向かって一
体に突出され、このトップマスト26の先端部には連結孔
27が穿設されている。そして、前記左右のロワピン10,
25及び前記連結孔27にてトラクタの三点懸架機構に連結
する三点連結部が構成されている。また、前記入力軸3
の前後の傘歯車5及びこの前後の傘歯車5にそれぞれ噛
合した傘歯車16,22にてミッション28が構成されてい
る。また、前記ミッション28、前記第1の出力軸15及び
第2の出力軸21にて後述する畦塗り体及び泥土供給ロー
タリーを回転駆動させる駆動手段Aが構成されている。
【0025】つぎに、前記機枠1の第1の伝動パイプ13
の外端部には軸受体29及びスリーブ(図示せず)を介し
て前後方向の伝動ケース30が前記第1の出力軸15を中心
として上下方向に回動自在に取着支持され、この伝動ケ
ース30の後端部には左右に軸受31を有する軸受体32が固
着され、この軸受体32の左右の軸受31には左右方向の回
転軸33が回転自在に支持され、かつ、この回転軸33は右
側に向かって水平状に突出されている。
【0026】また、前記回転軸33には右側に向かって所
定の間隔毎にこの回転軸33に対して直交する方向の多数
の取付孔34がそれぞれ貫通して形成され、この各取付孔
34にはボルト・ナットのような連結手段たとえば連結ピ
ン35が挿脱自在に装着されるようになっている。また、
前記回転軸33には前記連結ピン35にて泥土を旧畦の上面
部及び旧畦の側面部に沿って塗り付ける畦塗り体36が回
転軸33の軸方向に位置調節自在に取着されている。
【0027】前記畦塗り体36は、前記回転軸33に対して
軸方向に摺動自在に挿通する挿通孔37を形成した中空筒
状の連結軸体38を有し、この連結軸体38の挿入端部と反
対側には前記各取付孔34に連通するとともに前記連結ピ
ン35を挿通する連通孔39が貫通して形成されている。
【0028】また、前記連結軸体38の外端部には外周面
をテーパー状に形成した環状の挟持体40、この挟持体40
の外端部に配設され旧畦の上面部に泥土を塗り付ける円
筒状の上面塗り部41及び、前記挟持体40の内端部に配設
され旧畦の側面部に泥土を塗り付ける円錐形状の側面塗
り部42がそれぞれ取着されている。
【0029】前記上面塗り部41は、金属にて円筒状に形
成された内筒体44及びこの内筒体44の外周部に一体の合
成樹脂にて円筒状に形成された外筒体45を有し、これら
の内端部には端面板46が一体に固着されているととも
に、その外端部にはこの上面塗り部41内に泥土が侵入す
ることを防止するカバー47が固着されている。
【0030】前記側面塗り部42は、前記伝動ケース30に
向かって拡大した金属にて円錐形状に形成された内側円
錐体48及びこの内側円錐体48の外周部に一体の合成樹脂
にて円錐形状に形成された外側円錐体49を有し、これら
の縮径した中心部にはフランジ50が一体に折曲形成さ
れ、この内側円錐体48のフランジ50が前記連結軸体38の
外周部に一体に固着されている。また、前記連結軸体38
と前記内側円錐体48との間には複数の補強用の支持片51
が放射状に一体に固着されている。
【0031】そして、側面塗り部42のフランジ50に前記
挟持体40を介して前記上面塗り部41の端面板46が当接さ
れているとともに、これらが複数のボルト・ナット43に
て着脱可能に共締め固定されている。
【0032】しかして、前記上面塗り部41の外筒体45及
び側面塗り部42の外側円錐体49は超高分子量ポリエチレ
ンなどの合成樹脂にて形成し、これらの表面部に泥土が
付着することを防止するようになっている。なお、超高
分子量ポリエチレンなどの合成樹脂を、その内筒体44及
び内側円錐体48の表面部に対してコーティングなどによ
って塗着形成するようにしてもよい。
【0033】また、前記伝動ケース30内において、その
前端部内の前記第1の出力軸15にはスプロケット52が固
着されているとともに、その後端部内の前記回転軸33に
はスプロケット53が固着され、この前後のスプロケット
52,53間には無端チェーン54が回行自在に懸架されてい
る。そして、前記ミッション28からの出力によって前記
回転軸33にて前記畦塗り体36が進行方向に向かって回転
駆動されるようになっている。
【0034】さらに、前記連結板17には板状の支枠55が
上方に向かって一体に突設されているとともに、前記伝
動ケース30の後側部には左右方向の取付軸56が一体に突
設されている。また、前記支枠55の上端部には先端部に
操作ハンドル57を有する伸縮自在の棒状の調節体58が上
下方向に回動自在に軸支され、この調節体58の後端部は
前記取付軸56に上下方向に回動自在に軸着されている。
しかして、前記操作ハンドル57を有する伸縮自在の調節
体58は後述するゲージ輪を上下動調節する構成と同様で
あるから後述する。
【0035】そして、前記操作ハンドル57を回動操作し
て前記支枠55に回動自在に軸支された調節体58を伸縮す
ることにより、支枠55に対して前記伝動ケース30を介し
て前記畦塗り体36が上下方向に位置調節自在に支持され
るようになっている。
【0036】つぎに、前記第2の出力軸21は前記第2の
伝動パイプ19の外端部から右側に向かって突出された断
面矩形状の連結軸部59を有し、この連結軸部59には右側
に向かって所定の間隔毎にこの連結軸部59に対して直交
する方向の複数の取付孔60がそれぞれ貫通して形成さ
れ、この各取付孔60には連結ピン61が挿脱自在に装着さ
れるようになっている。
【0037】また、前記第2の出力軸21の連結軸部59に
は前記連結ピン61にて旧畦の側部及び旧畦の畦際を切削
するとともにこの切削土を畦塗り用泥土として前記畦塗
り体36に向かって放出供給する多数の切削爪62を有する
泥土供給ロータリー63が連結軸部59の軸方向に位置調節
自在に取着されている。
【0038】前記泥土供給ロータリー63は、前記第2の
出力軸21の連結軸部59に対して軸方向に摺動自在に挿通
する挿通孔64を形成した断面矩形状の回転軸65を有し、
この回転軸65の途中には前記各取付孔60に連通するとと
もに前記連結ピン61を挿通する連通孔66が貫通して形成
されている。そして、前記第2の出力軸21の連結軸部59
に前記回転軸65を嵌合して前記連結ピン61にて固定する
ことにより、この回転軸65は旧畦側を低く傾斜させて回
転自在に軸架されるようになっている。
【0039】また、前記回転軸65の外周部には軸方向に
所定の間隔をおいて多数のホルダー67がそれぞれ外方に
向かって一体に突設され、この多数のホルダー67には前
記切削爪62が着脱可能にそれぞれ放射状に突出されてい
る。そして、多数の切削爪62の内で外端部側に位置する
複数の切削爪62にて旧畦の側部を切削するとともに、他
の複数の切削爪62にて旧畦の畦際を切削して、これらの
切削土が前記畦塗り体36に向かって放出供給するように
なっている。
【0040】つぎに、前記第2の伝動パイプ19の外端部
にフランジ68が固着され、このフランジ68には上下方向
の支持板69が一体に固着され、この支持板69の上端部に
は蝶番70にて前記泥土供給ロータリー63の上方部及び外
方部を被覆するカバー体71が上下動可能に連結されてい
る。このカバー体71は前記泥土供給ロータリー63の上方
部を被覆する山形状の上部カバー72及び前記泥土供給ロ
ータリー63の外方部を被覆する上下方向の側部カバー73
を有して形成されている。
【0041】また、前記支持板69の上部には上下方向の
支持片74が一体に突設され、この支持片74の上端部には
支軸75にて左右方向の連結支杆76が上下方向に回動自在
に軸支され、この連結支杆76の外側部に形成されたねじ
杆部77には大径頭部78を有する円筒状のナット体79が回
動自在に螺着されているとともに、前記大径頭部78には
操作ハンドル80が突設されている。
【0042】また、前記上部カバー72には連結片81が一
体に突設され、この連結片81の上端部には前記ナット体
79を摺動自在に挿通した支持体82が支軸83にて回動自在
に軸支されている。そして、前記操作ハンドル80にて前
記ナット体79を回動操作することにより、このナット体
79がねじ杆部77に沿って進退動されるとともに、この連
結支杆76が支持片74の支軸75を中心として上下回動さ
れ、かつ、前記蝶番70を中心として前記カバー体71が左
右方向に進退動されるようになっている。さらに、前記
伝動ケース30には前記畦塗り体36の上方部を被覆したカ
バー体84が取着されている。
【0043】つぎに、前記ミッシヨンケース2の左側後
端部及び前記連結板17の後端部には支軸85が突設され、
この左右の支軸85には支持フレーム86が上下方向に回動
自在に軸支されている。この支持フレーム86は前記左右
の支軸85に上下方向に回動自在に軸支された前後方向の
左右の支持杆87を有し、この左右の支持杆87は左右方向
の連杆88にて連結されている。
【0044】また、前記左右の支持杆87の後端部には中
空の上下方向のホルダー89がそれぞれ一体に固着され、
この左右のホルダー89内には抜き差し自在の固定ピン90
にて支柱91がそれぞれ上下方向に位置調節自在に装着支
持され、この左右の支柱91の下端部には車軸92にてゲー
ジ輪93がそれぞれ回転自在に軸架されている。
【0045】さらに、前記連杆88には前記ミッションケ
ース2の後方部に位置して突片94が一体に突設されてい
る。また、前記トップマスト26の上部には板状の支枠95
が上方に向かって一体に突設され、この支枠95の上端部
には先端部に操作ハンドル96を有する伸縮自在の棒状の
調節体97が上下方向に回動自在に軸支され、この調節体
97の後端部が前記突片94に取付軸98にて上下方向に回動
自在に軸着されている。
【0046】そして、前記操作ハンドル96を回動操作し
て前記支枠95に回動自在に軸支された調節体97を伸縮す
ることにより、支枠95に対して前記支持フレーム86を介
して前記左右のゲージ輪93が上下方向に位置調節自在に
支持されるようになっている。
【0047】前記調節体58,97は、前記支枠55,95の上
端部に支軸99にて上下方向に回動自在に軸架されたタン
ブラー100 をそれぞれ有し、このタンブラー100 に形成
された挿通孔101 内に前後方向の調節螺杆102 が回動自
在に挿通され、この調節螺杆102 の前端部に前記操作ハ
ンドル57,96がそれぞれ固着されている。また、前記調
節螺杆102 の後側部のねじ杆部103 には連動杆104 に固
着したナット体105 が螺合され、この連動杆104 の後端
部には前記取付軸56,98にて前記伝動ケース30及び突片
94がそれぞれ回動自在に軸支されている。
【0048】また、前記タンブラー100 の前後部に位置
して前記調節螺杆102 には位置決め兼用のベアリング10
6 及びカラー107 がそれぞれ固着され、このカラー107
には前記調節螺杆102 を被覆した中空円筒状のカバー10
8 の前端部が固着され、このカバー108 の後側部内には
前記連動杆104 の前側部が摺動自在に嵌合されている。
【0049】つぎに、前記実施例の作用を説明する。
【0050】トラクタの三点懸架機構に機枠1の三点連
結部を連結するとともに、トラクタのPTO軸に動力伝
達軸を介してミッション28の入力軸3を連結する。
【0051】また、圃場の旧畦の状況に応じて調節体97
の操作ハンドル96にて調節螺杆102を回動操作すると、
この調節螺杆102 のねじ杆部103 に螺合したナット体10
5 を介して連動杆104 が進退動され、この連動杆104 に
て左右の支軸85を中心として支持フレーム86が上下方向
に回動されるとともに、この支持フレーム86の左右のゲ
ージ輪93が上下動調節される。そして、調節体97にて左
右のゲージ輪93を所定の位置に設定することにより、こ
の左右のゲージ輪93にて圃場の旧畦の状況に応じて泥土
供給ロータリー63の高さが調節設定される。
【0052】また、旧畦の状況に応じて調節体58の操作
ハンドル57にて調節螺杆102 を回動操作すると、この調
節螺杆102 のねじ杆部103 に螺合したナット体105 を介
して連動杆104 が進退動され、この連動杆104 にて第1
の伝動パイプ13の第1の出力軸15を中心として伝動ケー
ス30が上下方向に回動されるとともに、この伝動ケース
30の回転軸33に軸着した畦塗り体36が上下動調節され
る。そして、調節体58にて伝動ケース30を所定の位置に
設定することにより、この畦塗り体36は泥土供給ロータ
リー63の高さ位置に対応して旧畦を修復する高さ及び旧
畦の締め固め具合に対応して調節設定される。
【0053】つぎに、トラクタにて畦塗り機を畦際に沿
って配設し、このトラクタにて畦塗り機が畦際に沿って
牽引進行されるとともに、トラクタのPTO軸からの出
力によって動力伝達軸を介してミッション28の入力軸3
が回転されると、この入力軸3にて第1の伝動パイプ13
内の第1の出力軸15が回転駆動されるとともに、第2の
伝動パイプ19内の第2の出力軸21がそれぞれ回転駆動さ
れる。
【0054】また、第1の出力軸15が回転駆動されるこ
とにより、伝動ケース30内の連動媒体(スプロケット5
2,53及び無端チエーン54)を介して回転軸33が回転さ
れるとともに、この回転軸33にて畦塗り体36が進行方向
に向かって回転駆動される。また、第2の出力軸21が回
転駆動されることにより、この第2の出力軸21にて泥土
供給ロータリー63が進行方向に向かって回転駆動され
る。
【0055】そして、泥土供給ロータリー63の各切削爪
62にて旧畦の側部及び畦際が順次切削されるとともに、
これらの切削土が畦塗り用泥土として畦塗り体36に向か
って順次放出供給される。
【0056】この際、泥土供給ロータリー63は機枠1の
第2の出力軸21に旧畦側を低く傾斜させて回転自在に軸
架した回転軸65に多数の切削爪62を軸方向に放射状に突
設して構成したことにより、この泥土供給ロータリー63
は旧畦の側部を切削し易い角度で突出され、この泥土供
給ロータリー63の各切削爪62にて旧畦の側部及び畦際の
土を確実に切削してこの切削土を畦塗り用泥土として畦
塗り体36に向かって供給される。
【0057】また、泥土供給ロータリー63はカバー体71
にて被覆されているので、このカバー体71にて各切削爪
62により跳ね飛ばされる切削土が外方に向かって飛散さ
れることが防止されるとともに、畦塗り用泥土として畦
塗り体36に向かって順次放出供給されるように案内され
る。
【0058】また、畦塗り体36に供給された畦塗り用の
泥土は、この畦塗り体36の上面塗り部41及び側面塗り部
42にて旧畦の上面部及び旧畦の側面部に沿って順次塗り
付けられ、この泥土にて旧畦の上面部及び旧畦の側面部
が順次修復されるとともに、この旧畦が所定の形態に順
次整畦される。
【0059】この際、畦塗り体36は駆動手段Aにて回転
駆動されることにより、この畦塗り体36の上面塗り部41
及び側面塗り部42が泥土に対してスリップ回転しつつ進
行されるので、この畦塗り体36の上面塗り部41及び側面
塗り部42にて泥土が旧畦の上面部及び旧畦の側面部に塗
り付けられながら旧畦の上面部及び旧畦の側面部が同時
に順次修復整畦され、したがって、畦塗り後の畦は簡単
に崩れたり、水漏れすることがない状態に整畦される。
【0060】また、畦塗り体36はカバー体84にて被覆さ
れているので、このカバー体84にて各切削爪62により畦
塗り体36に向かって跳ね飛ばされる切削土が捕捉され、
畦塗り体36の外方に向かって飛散されることが防止され
るとともに、畦塗り体36の上面塗り部41及び側面塗り部
42に畦塗り用泥土として案内される。
【0061】さらに、この畦塗り体36の上面塗り部41及
び側面塗り部42は合成樹脂製の外筒体45及び外側円錐体
49を有するので、この畦塗り時に上面塗り部41及び側面
塗り部42に泥土が付着することが防止される。
【0062】したがって、泥土供給ロータリー63にて畦
塗り体36の上面塗り部41及び側面塗り部42に対して畦塗
り用泥土が十分に供給されるとともに、この畦塗り体36
の上面塗り部41及び側面塗り部42にて泥土が旧畦の上面
部及び旧畦の側面部に対して塗り付けられながら締め固
められ、その表面が平滑状態に仕上げられる。
【0063】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、機枠に泥土を
旧畦の上面部に塗り付ける上面塗り部及び泥土を旧畦の
側面部に塗り付ける側面塗り部を有する畦塗り体を回転
自在に設け、この畦塗り体の前方に位置して前記機枠に
旧畦の側部及び旧畦の畦際を切削するとともにこの切削
土を畦塗り用泥土として前記畦塗り体に向かって供給す
る切削爪を有する泥土供給ロータリーを回転自在に設
、前記畦塗り体と泥土供給ロータリーとをそれぞれ駆
動手段からの出力により回転される左右方向の回転軸に
取着して進行方向に向かって回転駆動することにより、
この畦塗り体の上面塗り部及び側面塗り部が泥土に対し
てスリップ回転しつつ進行され、この泥土供給ロータリ
ーにて旧畦に沿って回転駆動される畦塗り体に畦塗り用
泥土を十分に供給してこの畦塗り体の上面塗り部及び側
面塗り部にて泥土が旧畦の上面部及び旧畦の側面部に塗
り付けられながら旧畦の上面部及び旧畦の側面部を同時
に確実に畦塗り修復して畦塗り後の畦は簡単に崩れた
り、水漏れすることがない状態に整畦することができ
る。また、畦塗り体は上下方向に回動自在に取着支持さ
れた伝動ケースに回転自在に取着したので、この畦塗り
体は旧畦を修復する高さ及び旧畦の締め固め具合に対応
して調節設定でき、この畦塗り体の上面塗り部及び側面
塗り部にて泥土が旧畦の上面部及び旧畦の側面部に対し
て塗り付けながら締め固められ、畦塗り後の畦の表面を
平滑状態に仕上げることができる。
【0064】また、機枠の前後部に旧畦の側部と畦際と
を切削する多数の切削爪を有する泥土供給ロータリー及
び畦塗り体を回転自在に設けたので、畦塗り用に旧畦を
切削する畦切り作業とこの旧畦を修復する畦塗り作業と
を一行程で行うことができ、畦塗り作業能率を向上する
ことができる。
【0065】この際、畦塗り体は泥土供給ロータリーに
て切削された旧畦の上面部及び側面部に沿って回転駆動
しつつ泥土を塗り付けるので、旧畦の上面部及び側面部
に対して泥土を一体に締め固めて修復整畦することがで
きるとともに、この畦塗り体が回転駆動されていること
により畦塗り体に土が付着することが少なく、畦塗り用
泥土を叩き締める振動がなく、泥土供給ロータリーの回
転駆動系に振動による不具合が生じることがない。した
がって、全体的に構成が簡単で仕上がりが良好な畦塗り
機を提供することができる。
【0066】請求項2の発明によれば、泥土供給ロータ
リーの回転軸旧畦側を低く傾斜させて回転自在に
持され出力軸に固定したので、この泥土供給ロータリ
ーの各切削爪にて旧畦の側部及び畦際の土を確実に切削
してこの切削土を畦塗り用泥土として畦塗り体に向かっ
て供給することができる。
【0067】
【0068】請求項の発明によれば、ゲージ輪は機枠
上下方向に位置調節自在に支持された支持フレームに
回転自在に軸架したので、この支持フレームのゲージ輪
にて泥土供給ロータリーを旧畦の高さに応じて簡単に調
節設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す畦塗り機の一部を省略
した平面図である。
【図2】同上一部を省略した側面図である。
【図3】同上畦塗り機構部の背面図である。
【図4】同上畦塗り体の拡大断面図である。
【図5】同上泥土供給ロータリーの拡大断面図である。
【図6】同上ゲージ輪昇降機構の側面図である。
【図7】同上調節体の断面図である。
【符号の説明】
1 機枠 ミッションケース 6,11,14,20,32 軸受体 7,12 連結体 13,19 伝動パイプ 15,21 出力軸 30 伝動ケース33 回転軸 36 畦塗り体 41 上面塗り部 42 側面塗り部52,53 スプロケット 54 無端チェーン 59 回転軸となる連結軸部 62 切削爪 63 泥土供給ロータリー 65 回転軸 86 支持フレーム 93 ゲージ輪 A 駆動手段

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ミッションケースを有する機枠と、この
    機枠に回転自在に設けられ泥土を旧畦の上面部に塗り付
    ける上面塗り部及び泥土を旧畦の側面部に塗り付ける側
    面塗り部を有する畦塗り体と、この畦塗り体の前方に位
    置して前記機枠に回転自在に設けられ前記旧畦の側部及
    び旧畦の畦際を切削するとともにこの切削土を畦塗り用
    泥土として前記畦塗り体に向かって供給する切削爪を有
    する泥土供給ロータリーと、前記機枠に設けられ前記畦
    塗り体及び泥土供給ロータリーを回転駆動させる駆動手
    段とを具備し、前記畦塗り体と泥土供給ロータリーとを
    それぞれ前記駆動手段からの出力によって回転される左
    右方向の回転軸に取着し、これら回転軸にて前記畦塗り
    体と泥土供給ロータリーとをそれぞれ進行方向に向かっ
    て回転駆動し、前記畦塗り体の上面塗り部及び側面塗り
    部を泥土に対してスリップ回転する畦塗り機において、 前記駆動手段は、 前記ミッションケースに軸受体を有する連結体を固着
    し、この連結体に水平状に配設された左右方向の伝動パ
    イプの内端部を固着し、この伝動パイプの外端部に固着
    した軸受体と前記連結体の軸受体とにてこの伝動パイプ
    に挿通した出力軸を回転自在に支持し、前記伝動パイプ
    の外端部に前後方向の伝動ケースを前記出力軸を中心と
    して上下方向に回動自在に取着支持し、この伝動ケース
    の後端部に固着した軸受体に前記畦塗り体を取着した左
    右方向の前記回転軸を回転自在に支持し、前記出力軸に
    固着したスプロケットと前記回転軸に固着したスプロケ
    ットとに無端チェーンを懸架した、 ことを特徴とする畦塗り機。
  2. 【請求項2】 ミッションケースに軸受体を有する連結
    体を固着し、この連結体に下降傾斜して配設された左右
    方向の伝動パイプの内端部を固着し、この伝動パイプに
    挿通された出力軸を、この伝動パイプの外端部に固着し
    た軸受体と前記連結体の軸受体とにて伝動パイプの傾斜
    方向に沿って旧畦側を低く傾斜させて回転自在に支持
    し、この出力軸に泥土供給ロータリーの回転軸を固定し
    た、 ことを特徴とする請求項1記載の畦塗り機。
  3. 【請求項3】 機枠は、上下方向に位置調節自在に支持
    した支持フレームを有し、この支持フレームに泥土供給
    ロータリーを旧畦に応じて所定の高さに調節設定するゲ
    ージ輪を回転自在に軸架したことを特徴とする請求項1
    または2記載の畦塗り機。
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