JPH0139131Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は播種ユニツト保持装置に関するもので
ある。

例えばトラクタ後方に三点リンク機構を介して
牽引装着された施肥機の後方に、播種ユニツトを
牽引装着する場合、従来は平行リンクを介して施
肥機と播種ユニツトを連結保持していた。そのた
め該連結保持装置は構造複雑で強度的に強固なも
のにする必要があつた。

そこで、前記平行リンクを使用しないでフレー
ムを支軸を介して一点で回動自在に枢支し、構造
を簡単化したものがある（例えば、特開昭53−
27507号公報第１図参照）。

しかし、前記平行リンクを使用する目的は、施
肥機と播種ユニツトが相対的に上下動した場合、
播種ユニツトを平行に上下動させ、作溝深さや鎮
圧荷重に片寄つた力を作用させないためである。

しかるに、前記従来のものでは一点枢支である
から、その支軸回りの回動により、作溝と鎮圧と
にアンバランスな力が作用し、均一な播種が行な
われなかつた。

一方、一点枢支において、播種ユニツトが揺動
しても、作溝と鎮圧に変化を生じないよう、その
枢支点の下方に作溝器を配置し、その前後に鎮圧
論を配して、揺動変化を可及的に小さくしようと
するものがある（実公昭48−35041号公報参照）。

しかしながら、この従来のものは、構造複雑
で、平行リンク的な保持であり、かつ、牽引杆の
前後が回動自在に枢支されているため、そのいず
れの支軸で回動するか分らず、その揺動は複雑
で、均一作溝、鎮圧に今一歩であり、かつ、三点
リンク機構により上下動させた場合、後ろ下がり
となり、運搬走行に支障をきたすものであつた。

本考案は、前記従来の問題点を解決し、構造簡
単にしてしかも強度的に優れ、揺動に対しても略
平行リンクの場合と同様の作溝、鎮圧作用を行な
い、かつ三点リンク機構で持ち上げた場合、十分
地上高をとれるようにしたものであり、その特徴
とする処は、トラクタの三点リンク機構３に取付
けられた牽引側本体４と、 該牽引側本体４に固定されて後方へ延出する牽
引杆３４と、 該牽引杆３４の後端部に、下部が前後方向に直
交する水平軸心回りに回動自在に枢着されて上方
へ延出する縦フレーム１５と、 該縦フレーム１５の上部に後方延出状に固定さ
れた横フレーム１６と、 該横フレーム１６に取付けられた播種ユニツト
５、 該播種ユニツト５の後方でかつ横フレーム１６
に取付けられた後鎮圧輪２２と、 前記縦フレーム１５の下部に取付けられると共
に前記播種ユニツトの前方でかつ縦フレーム１５
の下方に配置された作溝手段２６，２７と、 該作溝手段２６，２７の前方に配置され、かつ
前記縦フレーム１５の下部に取付けられた前鎮圧
輪２５と、 前記牽引側本体４に前端部が摺動自在に挿通さ
れ、後端部が前記縦フレーム１５の上部に前後方
向に直交する水平軸心回りに回動自在に枢着され
たロツド３８と、 該ロツド３８に套嵌されて前記縦フレーム１５
の上部を後方へ付勢する弾性体３９と、 前記ロツド３８の前端部に取付けられて、該ロ
ツド３８と牽引側本体４の抜け止めを行う抜け止
め手段４０と、 を具備した点にある。

以下、本考案の実施例を図面に基き詳述する。

第１図及び第２図において、図示省略のトラク
タ後方にロアリンク１とトツプリンク２とから成
る三点リンク機構３を介して施肥機４が装着さ
れ、該施肥機４の後方に播種ユニツト５が保持装
置６を介して牽引装着されている。

上記施肥機４は、機枠７と、この機枠７の前端
に取付けられた三角フレーム８と、機枠７上に左
右複数備えられた肥料タンク９及び繰出ホツパー
１０とを備え、その三角フレーム８の下端にロア
リンク１が、上端にトツプリンク１が枢結されて
いる。機枠７上にはピローブロツク１１を介して
駆動軸１２が左右方向に横設され、該駆動軸１２
は図示省略の駆動輪からチエン等を介して回転駆
動されている。繰出ホツパー１０にはアジテータ
１３が設けられており、該アジテータ１３はチエ
ン等を介して駆動軸１２に連動連結されている。
上記機枠７上には支持フレーム１４が立設され、
該フレーム１４に図示省略のブロアーが取付けら
れている。このブロアーはトラクタ後端のPTO
軸から自在連結軸を介して駆動される。このブロ
アーは、播種ユニツト５の種子繰出部を真空状に
するものであり、図示省略のフレキシブルホース
を介して播種ユニツト５に連結されている。

前記播種ユニツト５は、施肥機４の繰出ホツパ
ー１０に対応してその後方に夫々あり、縦フレー
ム１５と横フレーム１６とからなる播種ユニツト
フレーム１７に設けられ、横フレーム１６は縦フ
レーム１５の上端部左右両側方に後方延出状に設
けられ、該横フレーム１６前端が縦フレーム１５
上端部両側に突設された支軸１８に固着されてい
る。

上記縦フレーム１５の後方の左右一対の横フレ
ーム１６間に播種タンク１９が取着されている。
播種タンク１９の下部に播種繰出部２０が設けら
れている。しかして、タンク１９と繰出部２０と
から播種ユニツト５が構成されている。横フレー
ム１６の後部には後鎮圧輪支持フレーム２１が回
動自在に枢結され、該支持フレーム２１下端でか
つ播種繰出部２０後方に後鎮圧輪２２が遊転自在
に枢支されている。上記後鎮圧輪支持フレーム２
１中途部と、横フレーム１６間はネジ調整ハンド
ル２３で連結され、該ハンドル２３を回動するこ
とにより、横フレーム１６と支持フレーム２１の
枢支角度が調整される。

前記縦フレーム１５の下部には、前方突出状の
前鎮圧輪支持フレーム２４が取着され、該フレー
ム２４前端に前鎮圧輪２５が遊転自在に枢支され
ている。この前鎮圧輪２５と前記播種繰出部２０
間には、縦フレーム１５下部に取付けられた作溝
デイスク２６、作溝板２７及び覆土爪２８を有し
ている。尚覆土爪２８後端は播種繰出部２０と後
鎮圧輪２２間に突出している。

上記構成の播種ユニツト５と、該ユニツト５を
牽引する本体Ａとの間を連結する前記保持装置６
は、施肥機４の機枠７後部と播種ユニツト５の縦
フレーム１５下部とを連結する牽引部２９と、支
持フレーム１４上部のブラケツト３０と縦フレー
ム１５上部とを連結し、かつ鎮圧輪２２の荷重を
調整する後鎮圧荷重調整装置３１とからなる。す
なわち本実施例では、施肥機４、支持フレーム１
４及びブラケツト３０により牽引側本体Ａが構成
されている。

牽引部２９は、施肥機４の駆動軸１２に回動自
在に枢結された後方突出状の連結アーム３２と、
播種ユニツト５の縦フレーム１５下端両側に突設
されたボス部３３に回動自在に枢結された前方突
出状の平面視門型の牽引桿３４とから成る。連結
アーム３２後端と、牽引桿３４前端には垂直面を
有する円板３５，３５が設けられ、該円板３５，
３５の対向面に等間隔の放射状セレーシヨン３６
が刻成されている。両円板３５，３５のセレーシ
ヨン３６を噛合させ、かつ両円板３５，３５をボ
ルト３７等で連結固定することにより、連結アー
ム３２と牽引桿３４とは連結角度調整固定自在に
連結される。

前記後鎮圧荷重調整装置３１は、支持フレーム
１４上部のブラケツト３０と縦フレーム１５上端
を連結するロツド３８と、該ロツド３８を軸方向
後方に付勢するスプリング３９及び３９ａとから
なる。ロツド３８の後端は縦フレーム１５に枢結
され、ロツド３８の前端はブラケツト３０の挿通
孔に軸方向移動自在に挿通され、ロツド前端には
ナツト４０又はピンが取付けられ、ロツド３８が
ブラケツト３０から抜け落ちないようされてい
る。ロツド３８中途部にはフランジ４１が固設さ
れ、該フランジ４１とブラケツト３０間のロツド
３８上に前記圧縮スプリング３９が介在され、該
ロツド３８が後方に付勢されていると共に、ナツ
ト４０とブラケツト３０間に介在されたスプリン
グ３９ａにより平衡が保持されている。

前記播種ユニツト５の播種繰出部２０を駆動す
る駆動装置４２は、同繰出部２０に設けられたス
プロケツト４３と、駆動軸１２上に設けられたス
プロケツト４４とを、縦フレーム１５に設けられ
た中間スプロケツト４５，４６を介してチエン４
７，４８で連動連結することにより構成されてい
る。中間スプロケツト４５，４６は縦フレーム１
５下部のボス部３３に同心状に設けられている。
牽引桿３４側部には、駆動軸１２上のスプロケツ
ト４４と中間スプロケツト４５間に架設されたチ
エン４７のテンシヨン装置４９が設けられてい
る。

該テンシヨン装置４９は牽引桿３４に回動自在
に枢支されたテンシヨンアーム５０と、該アーム
５０の回動中心を介して両端部に遊転自在に設け
られた一対のテンシヨンスプロケツト５１，５２
とを有し、該アーム５０の一端部と牽引桿３４と
の間に引張スプリング５３が張設されている。こ
の一対のテンシヨンスプロケツト５１，５２にチ
エン４７をＳ字状に掛け、スプリング５３で引張
ることにより、チエン４７にテンシヨンが付与さ
れる。

上記駆動軸１２上のスプロケツト４４は、駆動
軸１２上にキーを介して軸方向移動自在に套嵌さ
れたスリーブ５４に設けられた三連変速スプロケ
ツト４４ａ，４４ｂ，４４ｃからなり、スリーブ
５４の軸方向移動の固定はスリーブ５４に螺合さ
れたセツトボルト５５により行なわれる。

上記本考案の実施例の作用効果につき説明すれ
ば、トラクタの後方に施肥機４及び播種ユニツト
５を装着して路上走行する場合、施肥機４は三点
リンク機構３により上方回動して吊持される。従
つて、播種ユニツト５は連結アーム３２と駆動軸
１２の枢支部を中心に播種ユニツト５後方が下方
に回動しようとする。しかし、支持フレーム１４
と縦フレーム１５間にロツド３８が架設されてい
るので、上記回動は所定値で阻止され、播種ユニ
ツト５も施肥機４に連続して後上り状に保持され
る。このとき、ロツド３８にスプリング３９が介
在されているので、路上走行時の振動により播種
ユニツト５が上下揺動しても、上記スプリング３
９によりその衝撃振動が吸収されることになり、
播種ユニツト５等に衝撃力が作用しない。従つて
衝撃荷重に対する配慮が不要となり各部の構造を
簡素にすることができる。

圃場での作業においては、三点リンク機構３を
下方回動させて、施肥機４及び播種ユニツト５を
接地させる。この場合、播種ユニツト５は、荷重
調整装置３１のスプリング３９により後部が下方
へ回動する方向に付勢されるので、後鎮圧輪２２
に常時スプリング力が作用し、作溝デイスク２６
等のはね上りが生じず、作溝深さが均一となると
共に、鎮圧作用も均一となる。しかもスプリング
３９で付勢されているので、鎮圧輪２２の地面追
従性も良好となる。

播種ユニツト５の回転数を変更する場合は、第
３図に示すように、テンシヨンアーム５０を回動
させてチエン４７のテンシヨンを解除する。この
テンシヨンアーム５０の回動はスプリング５３に
よる不安定切換で行なわれる。次いで、駆動軸１
２上のスリーブ５４のセツトボルト５５を緩め、
スリーブ５４を軸方向移動させ、任意のスプロケ
ツト４４にチエン４７を掛け変え、次いでセツト
ボルト５５を締め付けてスリーブ５４の移動を防
止し、その後テンシヨンアーム５０を第１図に示
す位置に回動させ、チエン４７にテンシヨンを付
与すればよい。このようなテンシヨン装置４９を
設けているので、変速操作が極めて容易となる。

また中間スプロケツト４５，４６は回動中心の
ボス部３３に同心状に設けられているので、牽引
桿３４の回動及び、播種ユニツト５の回動に対し
ても、スプロケツト間の心間距離が変ることがな
く、従つて、各回動部の回動を円滑ならしめ、播
種ユニツト５の地面追従性が向上する。

尚、本考案は上記実施例に限定されるものでは
ない。

本考案によれば、回動支点の下方に作溝手段を
設け、その前後に鎮圧輪を配置しているので播種
フレームが回動しても、作溝深さに差程影響を与
えず、平行リンクと同様の効果を発揮する。

また、従来の平行リンク式及び前述の回動式の
従来のものに比べ構造簡単であり、三点リンク機
構による持上げに対しても抜止め手段により地上
高を高くとれるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す側面図、第２図
は平面図、第３図はテンシヨン装置の作用説明用
及び他の実施例を示す側面図である。 ５…播種ユニツト、６…保持装置、１５…縦フ
レーム、１６…横フレーム、１７…ユニツトフレ
ーム、２２…鎮圧輪、３４…牽引桿、３９…スプ
リング。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 トラクタの三点リンク機構３に取付けられた牽
   引側本体Ａと、 該牽引側本体Ａに固定されて後方へ延出する牽
   引杆３４と、 該牽引杆３４の後端部に、下部が前後方向に直
   交する水平軸心回りに回動自在に枢着されて上方
   へ延出する縦フレーム１５と、 該縦フレーム１５の上部に後方延出状に固定さ
   れた横フレーム１６と、 該横フレーム１６に取付けられた播種ユニツト
   ５と、 該播種ユニツト５の後方でかつ横フレーム１６
   に取付けられた後鎮圧輪２２と、 前記縦フレーム１５の下部に取付けられると共
   に前記播種ユニツトの前方でかつ縦フレーム１５
   の下方に配置された作溝手段２６，２７と、 該作溝手段２６，２７の前方に配置され、かつ
   前記縦フレーム１５の下部に取付けられた前鎮圧
   輪２５と、 前記牽引側本体Ａに前端部が摺動自在に挿通さ
   れ、後端部が前記縦フレーム１５の上部に前後方
   向に直交する水平軸心回りに回動自在に枢着され
   たロツド３８と、 該ロツド３８に套嵌されて前記縦フレーム１５
   の上部を後方へ付勢する弾性体３９と、 前記ロツド３８の前端部に取付けられて、該ロ
   ツド３８と牽引側本体Ａの抜け止めを行う抜け止
   め手段４０と、 を具備したことを特徴とする播種ユニツト保持装
   置。