JPH10322220A - デルタ−シグマ変調装置 - Google Patents
デルタ−シグマ変調装置Info
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- JPH10322220A JPH10322220A JP9280839A JP28083997A JPH10322220A JP H10322220 A JPH10322220 A JP H10322220A JP 9280839 A JP9280839 A JP 9280839A JP 28083997 A JP28083997 A JP 28083997A JP H10322220 A JPH10322220 A JP H10322220A
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Abstract
雑音を除去する。 【解決手段】 信号成分と雑音成分を含む1ビット信号
が入力端子11を介して入力されるn(≧1)次のデル
タ−シグマ変調装置は、p(>1)ビット信号を1ビッ
ト信号に再量子化して、当該装置の出力信号として出力
する量子化器15と、入力1ビット信号と係数aの積
と、出力信号と係数Aの積との加算値の積分値を求める
第1段目の混合手段(1ビット乗算器121、1ビット
乗算器161、加算器131、遅延回路141)と、入力
1ビット信号と係数の積と、出力信号と係数の積と、前
段の混合手段からの積分値との加算値の積分値を求める
中間段のn−1個の混合手段と、入力1ビット信号と係
数dの積と、前段の混合手段からの積分値との加算値を
求め、量子化器15で再量子化されるpビット信号を生
成する最終段の混合手段(1ビット乗算器124、加算
器134)を備える。
Description
理するデルタ−シグマ変調装置に関し、特に、nが1以
上であるn次のデルタ−シグマ変調装置に関する。
の周波数でサンプリングし、得られるサンプルの振幅を
mビットで量子化することによって、アナログ信号をデ
ィジタル信号に変換することが知られている。例えばm
=8のときは、サンプル値は、8ビットの精度で量子化
される。一般的に、mは1以上とされる。
に量子化するアナログ/ディジタル変換器(以下、A/
D変換器という。)として、「シグマ−デルタA/D変
換器」又は「デルタ−シグマA/D変換器」が知られて
いる。ここでは、「デルタ−シグマ」の用語を用いる。
そのようなデルタ−シグマA/D変換器は、例えば、ク
レイグ・マービン(Craig Marven)、ギリアン・イーワ
ース(Gillian Ewers)著、1993年、テキサスインス
トルメント(Texas Instruments)出版の「ディジタル信
号処理への簡単なアプローチ(A Simple Approach to D
igital SignalProcessing)」(ISBN 0-904.047-00-8)
に記述されている。
示すように、アナログ入力信号と、1ビットの出力信号
の積分値(シグマ)との差分(デルタ)が加算器101
によって求められ、1ビット量子化器102に供給され
る。出力信号は、論理0と論理1のビットよりなるが、
論理0と論理1は、実際の値としては−1と+1をそれ
ぞれ表している。積分器103は、1ビットの出力信号
を累積し、アナログ入力信号の値に追従する累積値を出
力する。1ビット量子化器102は、生成するビット毎
に、累積値を増加(+1)又は減少(−1)させる。デ
ルタ−シグマA/D変換器のサンプリング周波数は、累
積値がアナログ入力信号に追従するような出力ビットス
トリームを生成することができるように、高い周波数と
される。
る「1ビット」信号の用語は、例えばデルタ−シグマA
/D変換器によって生成され、1ディジタルビットの精
度で量子化された信号を意味する。
う。)は、1ビット信号を直接処理するn次のフィルタ
として構成され、このn次のフィルタは、1993年1
0月7日〜10日に行われた第95回AES(Audio En
gineering Society)会議でエヌ.エム.ケーシー(N.M.
Casey)、ジェームス エー.エス.アンガス(James
A.S. Angus)によって発表された論文「音声信号の1ビ
ットディジタル処理(One Bit Digital Processing of
Audio Signals)」−信号処理:音声研究グループ、電
気部門、ヨーク大学、ヘスリングトン、ヨークY01
5DD 英国(Signal Processing : Audio Research G
roup, The Electronics Department, The University o
f York, Heslington, York YO1 5DD England)で提案さ
れたものである。図8は、DSMの3(n=3)次のフ
ィルタ部分の構成を示すブロック図である。
号が入力される入力端子111と、処理された1ビット
信号を出力する出力端子117とを備える。1ビット信
号の各ビットは、DSM全体において所定のクロック
(図示せず)に同期して処理される。出力ビット信号
は、例えば閾値が0の比較器からなる1ビット量子化器
115によって生成される。DSMは、入力端子111
に接続された1ビット乗算器1121,1122,112
3と、出力端子117に接続された1ビット乗算器11
61,1162,1163と、加算器1131,1132,
1133と、積分器1141,1142,1143とを備え
ている。
端子111を介して供給される1ビット信号にpビット
からなる係数A1〜A3をそれぞれ乗算し、得られるpビ
ットの乗算値を加算器1131〜1133にそれぞれ供給
し、1ビット乗算器1161〜1163は、出力信号にp
ビットの係数C1〜C3をそれぞれ乗算し、得られるpビ
ットの乗算値を加算器1131〜1133にそれぞれ供給
する。加算器1131〜1133は、それらの乗算値をそ
れぞれ加算し、得られる加算値を積分器1141〜11
43に供給する。また、中間段の加算器1132,113
3は、前段の積分器1141,1142の出力もそれぞれ
加算する。最終段は、入力端子111に接続された1ビ
ット乗算器1124と、加算器1134とを備え、1ビッ
ト乗算器1124は、入力1ビット信号にpビットの係
数A4を乗算し、加算器1134は、この乗算値に前段の
積分器1143の出力を加算する。そして、得られる加
算値は、1ビット量子化器115に供給される。
すために2の補数計算が用いられる。1ビット量子化器
115は、正の値が入力されると、それを+1(論理
1)に量子化し、負の値が入力されると、それを−1
(論理0)に量子化して出力する。
ビットの処理装置は、雑音により許容できないほど不明
瞭な音声信号を含む1ビットの出力信号を生成するの
で、・・・量子化雑音を適切に除去しなければならな
い。」との記載がある。音声信号を不明瞭にする雑音
は、1ビット量子化器115によって発生する量子化雑
音である。
給される第1の入力端子と、音声信号と実質的に相関が
ないランダムビットストリーム(量子化雑音)が供給さ
れる第2の入力端子とを有する加算器と見なすことがで
きる。このモデルでは、入力端子111を介して入力さ
れる音声信号は、1ビット乗算器1121〜1124によ
って出力端子117にフィードフォワードされるととも
に、1ビット乗算器1161〜1163によってフィード
バックされる。したがって、フィードフォワードパスに
おける係数A1〜A4は、音声信号に対する伝達関数のz
変換における零点を定め、フィードバックパスにおける
係数C1〜C3は、伝達関数のz変換における極を定めて
いる。
雑音信号(量子化雑音)は、1ビット乗算器1161〜
1163、加算器1131〜1134及び積分器1141〜
1143には供給されるが、1ビット乗算器1121〜1
124には供給されない。したがって、雑音信号に対す
る伝達関数は、入力信号に対する伝達関数とは異なって
いる。
性の中で回路安定度が得られるように定められる。
で示すように、1ビット量子化器115で発生する音声
帯域内の量子化雑音を除去して最小にするように定めら
れる。
声信号特性が得られるように定められる。
して定めることができる。
ィルタ特性の伝達関数をz変換してH(z)を求める。
換器の理論と実践(Theory and Practical Implementat
ion of a Fifth Order Sigma-Delta A/D Converter)」
−オーディオ・エンジニアリング・ソサィティ・ジャー
ナル、39巻、No.7/8、1991年、7月/8
月、アール.ダブル.アダムス等著(Journal of Audio
Engineering Society, Volume 39, no. 7/8, 1991 July
/August by R.W Adamset al.)、及びアンガスとケーシ
ーの上述した論文に記述されている方法を用いて、行う
ことができる。
て説明する。
雑音除去フィルタの伝達関数例えば図10に示す5次の
DSMにおける雑音除去フィルタの特性は、下記式9で
表すことができる。
z-1)とおくと、下記式10が得られる。
と、下記式11が得られる。
タの伝達関数Hns(z)は、下記式12のように得られ
る。
波数が0Hz(直流)に零点を有し、標準のバタワース
又はチェビシェフタイプIのハイパスフィルタで確実に
設計することができる。この手法は、いずれの次数のフ
ィルタにおいても適用することができる。
音声信号フィルタの伝達関数例えば図11に示す5次の
DSMの音声信号フィルタの特性は、下記式13で表す
ことができる。
−z-1)とおくと、下記式14が得られる。
記式15が得られる。
るものであるので、周波数が0Hz(直流)に零点を有
し、サンプリング周波数が音声信号の帯域と比較して十
分高い、例えばMHzオーダーであるとき、直流の近傍
では0と近似することができる。したがって、5次のD
SMの音声信号に対する伝達関数HA(z)は下記式16
のように得られる。
及び分母は、下記式17に示すように分子と分母におけ
る(1−z-1)5、z-1(1−z-1)4、z-2(1−z-1)3、
z-3(1-z-1)2、z-4(1−z-1)、z-5の各係数を等しい
とすることにより、約分することができる。
殺され、平坦な周波数特性が得られる。この手法は、い
ずれの次数のフィルタにも適用することができる。
文では、1ビット信号を処理するために、複数のDSM
を縦続する構成については何ら記載も示唆もなされてい
ない。
成分と雑音成分を有し、1ビット信号に含まれる雑音成
分は、DSMの回路安定度を低下されるという問題があ
る。特に、複数のDSMを縦続接続したときは、回路安
定度が更に低下する。
ものであり、本発明の目的は、次数を高めることなく、
入力1ビット信号に含まれる雑音を除去することができ
るデルタ−シグマ変調装置を提供することである。
調装置は、信号成分と雑音成分を含む1ビット信号が入
力されるn(≧1)次のデルタ−シグマ変調装置におい
て、p(>1)ビット信号を1ビット信号に再量子化し
て、このデルタ−シグマ変調装置の出力信号として出力
する量子化手段と、入力1ビット信号と係数の積と、出
力信号と係数の積との加算値の積分値を求める第1段目
の混合手段と、入力1ビット信号と係数の積と、出力信
号と係数の積と、前段の混合手段からの積分値との加算
値の積分値を求める中間段のn−1個の混合手段と、入
力1ビット信号と係数の積と、前段の混合手段からの積
分値との加算値を求めて、量子化手段で再量子化される
pビット信号を生成する最終段の混合手段とを備える。
ト信号に対する伝達関数は、下記式18で表される。
伝達関数は、下記式19で表される。
少なくとも1つは1であり、係数b1〜bnは1でない。
が1(n=1)のときは、下記式20、式21に示すよ
うに簡単な式となる。
では、次数が1以外(n≠1)のとき、係数a1〜anと
係数b1〜bnはそれぞれ等しくされ、その結果、図12
に示すように、入力1ビット信号に対する伝達関数の極
と零点は相殺されて、平坦な周波数特性が得られてい
た。これに対して、本発明に係るデルタ−シグマ変調装
置では、係数a1〜anは、係数b1〜bnとは独立して設
定される。雑音除去の伝達関数は、上記式19で表さ
れ、係数a1〜anの値とは無関係である。すなわち、本
発明に係るデルタ−シグマ変調装置では、入力1ビット
信号に対する伝達関数の零点は、雑音除去の伝達関数の
極及び零点とは独立して設定される。
ビット信号に対する伝達関数の係数a1〜anは、全て1
に設定され、これにより定義される零点は、等しいが、
雑音除去の伝達関数の零点とは逆の極性を有する。この
結果、入力1ビット信号に対して、雑音成分を除去する
ハイパスフィルタ特性とカットオフ周波数が等しく相補
的なローパスフィルタ特性を得ることができる。
変調装置では、デルタ−シグマ変調装置で発生する量子
化雑音の除去と、入力1ビット信号に含まれる雑音成分
の低減とを、デルタ−シグマ変調装置の次数を高くする
ことなく、行うことができる。ところで、従来の技術で
説明した、例えば3次のデルタ−シグマ変調装置は、入
力1ビット信号に対して平坦な周波数特性を有し、必要
な量子化雑音除去特性を有する。そこで、入力1ビット
信号の雑音成分を除去するために必要とされるローパス
フィルタリングは、例えば2次の等化器を追加して行う
ことができるが、次数が全体で5次となってしまう。こ
のように従来のデルタ−シグマ変調装置では、入力1ビ
ット信号の雑音成分を除去するためには、ローパスフィ
ルタが必要とされ、不必要に次数が高くなり、本発明に
係るデルタ−シグマ変調装置に比して、満足できるもの
ではなかった。
は、例えば次数を3以上(n≧3)とすると、係数a1
〜anの一部は、入力1ビット信号に対してローパスフ
ィルタ特性を与えるとともに、量子化雑音に対する伝達
関数が量子化雑音を除去するようなハイパス特性を与
え、係数a1〜anの残りは、入力1ビット信号に対して
所定の等化特性を与える。例えば次数が5(n=5)と
すると、値が1であるa1〜a3がローパスフィルタ特性
を与え、係数a4,a5が等化特性を与える。これに対し
て、従来のデルタ−シグマ変調装置では、等化特性を有
するようにするには、次数を7(n=7)とする必要が
ある。デルタ−シグマ変調装置の次数を高くすると、信
号処理のために遅延が増え、回路安定度が低下する虞が
ある。
でも、1ビット信号の雑音を、デルタ−シグマ変調装置
に入力される前にローパスフィルタを用いて、低減する
ことができる。しかしながら、このようなローパスフィ
ルタは、pビットの信号をデルタ−シグマ変調装置に供
給するので、デルタ−シグマ変調装置をpビットの乗算
器で構成しなければならず、1ビットのデルタ−シグマ
変調装置の重要な利点を失うことになる。
信号成分と雑音成分を含む1ビット信号が入力されるn
(≧2)次のデルタ−シグマ変調装置において、p(>
1)ビット信号を1ビット信号に再量子化して、このデ
ルタ−シグマ変調装置の出力信号として出力する量子化
手段と、入力1ビット信号と係数の積と、出力信号と係
数の積との加算値の積分値を求める第1段目の混合手段
と、入力1ビット信号と係数の積と、出力信号と係数の
積と、前段の混合手段からの積分値との加算値の積分値
を求める中間段のn−1個の混合手段と、入力1ビット
信号と係数の積と、前段の混合手段からの積分値との加
算値を求めて、量子化手段で再量子化されるpビット信
号を生成する最終段の混合手段とを備える。
ト信号に対する伝達関数は、下記式22で表される。
(z)は、入力1ビット信号に対してローパスフィルタ
特性を与え、下記式23で表される。
1ビット信号に対する所定の等化特性を与え、下記24
で表される。
子化雑音に対する雑音除去の伝達関数は、下記式25で
表される。
次数が2(n=2)、mが1のときは、下記式26,2
7,28のようになる。
信号成分と雑音成分を含む1ビット信号が入力されるn
(≧2)次のデルタ−シグマ変調装置において、p(>
1)ビット信号を1ビット信号に再量子化して、このデ
ルタ−シグマ変調装置の出力信号として出力する量子化
手段と、入力1ビット信号と係数の積と、出力信号と係
数の積との加算値の積分値を求める第1段目の混合手段
と、入力1ビット信号と係数の積と、出力信号と係数の
積と、前段の混合手段からの積分値との加算値の積分値
を求める中間段のn−1個の混合手段と、入力1ビット
信号と係数の積と、前段の混合手段からの積分値との加
算値を求めて、量子化手段で再量子化されるpビット信
号を生成する最終段の混合手段とを備える。
ト信号に対する伝達関数は、下記式29で表される。
伝達関数は、下記式30で表される。
一部は、1ビット信号に対してローパスフィルタ特性を
与え、このデルタ−シグマ変調装置で発生する量子化雑
音に対する伝達関数は雑音を除去するようなハイパスフ
ィルタ特性を有し、係数a1〜anの残りは、1ビット信
号に対して所定の等化特性を与える。
マ変調装置について、図面を参照しながら説明する。
下、DSMという。)は、図1に示すように、3つの混
合部と、最終部とを備える。このDSMは、入力端子1
1を介して1ビットの音声信号が供給され、出力端子1
7を介して信号処理が施された1ビット信号を出力す
る。
最終部の量子化器15よって生成された信号である。量
子化器15は、例えば閾値が0の比較器からなり、pビ
ットの信号が供給され、正の信号を+1(論理1)に量
子化し、負の信号を−1(論理0)に量子化する。
された第1の1ビット係数乗算器121と、出力端子1
7に接続された第2の1ビット係数乗算器161と、1
ビット係数乗算器121、161の各出力を加算する加算
器131と、加算器131の出力を単位時間遅延するとと
もに、遅延した出力を加算器131に供給する遅延回路
141とを備える。すなわち、この混合部は、加算器1
31と遅延回路141から構成される積分器を備えてい
る。1ビット係数乗算器121、161は、1ビット信号
にpビットからなる係数a,Aをそれぞれ乗算する。
1に接続された第1の1ビット係数乗算器122,123
と、出力端子17に接続された第2の1ビット係数乗算
器162,163と、加算器132,133と、遅延回路1
42,143とを備える。すなわち、各混合部は、それぞ
れ加算器132,133と遅延回路142,143から構成
される積分器を備えている。加算器132,133は、更
に、それぞれ前段の遅延回路141,142の出力、すな
わち前段の積分値を1ビット係数乗算器の各出力に加算
する。
ット係数乗算器124と、1ビット係数乗算器124と遅
延回路143の各出力を加算する加算器134とを備え
る。量子化器15は、加算器134のpビットからなる
出力を1ビット信号に量子化し、出力端子17を介して
出力する。
に加算器13という。)と遅延回路141〜143(以
下、単に遅延回路14という。)からそれぞれ構成され
る積分器は、例えば図2に示すように、他の加算器18
と遅延回路14で構成するようにしてもよい。そして、
遅延回路14の出力を加算器18にフィードバックし
て、1ビット係数乗算器の各出力を加算する加算器13
の出力を累積して、積分値を求めるようにする。一方、
図1では、積分器における累積は、1ビット係数乗算器
の各出力を加算する加算器13によって実行される。し
たがって、1ビット係数乗算器用の加算器と積分器用の
加算器を分離独立して設けるか否かは、本質的なことで
はない。
d,A,B,Cは固定値であり、図2に示す積分器用の
加算器を独立して設ける構成では、1ビット係数乗算器
121〜124,161〜163の各出力を加算する加算器
131〜134は、ルックアップテーブルで置換すること
ができる。1ビット信号に例えば係数a,Aを乗算する
と、+a,−a,+A,−Aが得られるので、+a,−
a,+A,−Aの可能な全ての組合せをルックアップテ
ーブルに記憶しておき、1ビット信号をアドレスとして
読み出すようにする。
載されている方法により、定めることができる。
給される1ビット信号は音声信号成分であり、雑音成分
は、量子化器15における1ビット信号への量子化の過
程で発生される。雑音成分は、DSMの、特にDSMを
縦続接続したときの回路安定度を少なくとも低下させ
る。さらに、DSMを縦続接続することにより、1ビッ
ト信号に含まれる雑音は、明らかに増加する。したがっ
て、雑音成分を低減することが望ましい。
に示す。実線20は、DSMの量子化器15で発生する
量子化雑音に対する雑音除去特性を表す。前段のDSM
からの1ビット信号がDSMに入力されるときは、雑音
除去特性20は、このDSMに入力される1ビット信号
の雑音成分を表している。なお、実線21は、音声信号
成分に対する実際のフィルタ特性を表す。
た3つのDSM25,26,27を縦続接続したとき、
1つのDSMに入力される1ビット信号は、雑音除去特
性20によって低域の雑音が除去された音声信号成分
と、雑音除去特性20によって表される雑音成分とを含
んでいる。DSMは、音声信号成分及び雑音成分に対し
て、入力音声信号の雑音を低減させるローパスフィルタ
特性21を有するフィルタとして機能する。DSMは、
新たな量子化雑音を発生し、その出力は、再び雑音除去
特性20によって低域の雑音が除去された音声信号成分
と、雑音除去特性20によって表される雑音成分とを含
んでいる。
き、縦続接続されたDSMで生じる雑音の総量を、本発
明を適用しないときよりも、本発明を適用したときの方
が低減することができる。
1ビット信号をそれぞれA(z)、B(z)とすると、雑音
成分を含んだ入力1ビット信号に対する伝達関数A(z)
/B(z)は、下記式31で表される。
イン要素であり、係数a0,a1,a2,a3は、フィード
フォワードの係数a〜dを定め、係数b1,b2,b
3は、フィードバックの係数A〜Dを定める。ゲイン要
素a0は、音声信号に対する伝達関数においてz-1=−
1の点に零点を設けることに起因した減衰量を補償する
ためのものである。
る伝達関数の零点を定め、分母は、音声信号に対する極
を定める。
る。この実施例において、量子化器15の入出力を、そ
れぞれQ(z)、Y(z)とすると、雑音に対する伝達関数
(以下、雑音除去の伝達関数という。)Y(z)/Q(z)
は、下記式32で表される。
b1〜b3は、雑音に対するフィードバックの係数A〜C
を定め、分子におけるzの乗数−1は、積分器の遅延回
路14によって実行される。
対する伝達関数(式31)の極は、雑音除去の伝達関数
(式32)の極に等しく、また、音声信号に対する伝達
関数の零点(z-1=−1)は、雑音除去の伝達関数の零
点(z-1=1)と共役である。
音除去の伝達関数の極と零点を複素(Z)平面にプロッ
トした図である。この図5に示すように、音声信号に対
する伝達関数の零点は、実軸上の−1の点にあり、実軸
上の+1の点にある雑音除去の伝達関数の零点と反対で
ある。したがって、音声信号は、DSMで発生する雑音
に対して適用される図3の雑音除去特性20と通過帯域
が相補的な関係にあるローパスフィルタ特性21によ
り、フィルタリングされる。
説明するが、本発明は、これに限定されるものでない。
DSMは、1を含んで幾らの次数であってもよい。次数
を高くすることにより、パターン雑音を低減することが
できるが、DSMでの遅延が増え、また、回路安定度が
低下する虞がある。したがって、次数は、最少であるこ
とが望ましい。
音声信号に対するローパスフィルタの機能だけが設けら
れている。しかしながら、本発明に係るDSMに、図1
及び図5に示すような量子化雑音を低減させるローパス
フィルタの機能と、音声信号を等化する等化器の機能と
の2つの機能を具備させるようにしてもよい。
具体的な構成を示すブロック図である。この本発明を適
用したDSMにおいて入力音声信号に対する伝達関数
は、入出力される1ビット信号をそれぞれX(z),Y
(z)とすると、Y(z)/X(z)でである。
表され、さらに、A(z)/B(z)は、入力音声信号に対
する望ましいローパスフィルタ特性であり、下記式34
で表される。
対する望ましい等化特性であり、下記式35で表され
る。
で表される。
ィルタ特性と、2次の等化特性を実現しているが、これ
らの特性の次数は、他の次数であってもよい。
ィルタリングを施すことにより、音声信号の量子化雑音
を低減することができ、複数のDSMを、回路安定度を
損なうことなく、例えば上述した図4に示すように縦続
接続することができる。
に量子化雑音で代表されるランダム雑音を加算する加算
器と見なした分析では、一般的には、従来の技術で述べ
た図12に示すように、複素平面上において、音声信号
に対するフィルタの極と、雑音除去フィルタの極を等し
くする。
に示すように、音声信号に対するフィルタの零点をz-1
=−1の点に置き、その極をz-1=−1でない点に置
く。したがって、音声信号に対しては、図3に示すよう
に、カットオフ周波数が雑音除去フィルタと等しいロー
パスフィルタリングが施される。
は、信号成分と雑音成分を含む1ビット信号が入力され
るn(≧1)次のデルタ−シグマ変調装置において、p
(>1)ビット信号を1ビット信号に再量子化して、当
該デルタ−シグマ変調装置の出力信号として出力する量
子化手段と、入力1ビット信号と係数の積と、出力信号
と係数の積との加算値の積分値を求める第1段目の混合
手段と、入力1ビット信号と係数の積と、出力信号と係
数の積と、前段の混合手段からの積分値との加算値の積
分値を求める中間段のn−1個の混合手段と、入力1ビ
ット信号と係数の積と、前段の混合手段からの積分値と
の加算値を求めて、量子化手段で再量子化されるpビッ
ト信号を生成する最終段の混合手段とを備える。そし
て、当該デルタ−シグマ変調装置の入力1ビット信号に
対する伝達関数は、下記式37で表され、
伝達関数は、下記式2で表され、
少なくとも1つを1とし、係数b1〜bnを1でないとす
ることによって、音声信号に対するフィルタの零点をz
-1=−1の点に置き、その極をz-1=−1でない点に置
く。これにより、入力1ビット信号に対して、雑音成分
を除去するハイパスフィルタ特性とカットオフ周波数が
等しく相補的なローパスフィルタ特性を得ることがで
き、次数を高めることなく、入力1ビット信号に含まれ
る雑音を除去することができる。
体的な構成を示すブロック図である。
の具体的な構成を示すブロック図である。
である。
示すブロック図である。
ある。
の具体的な構成を示すブロック図である。
ック図である。
ック図である。
す図である。
タ−シグマ変調器の一部の構成を示すブロック図であ
る。
図である。
す図である。
ト係数乗算器、131〜134 加算器、15 量子化器
Claims (11)
- 【請求項1】 信号成分と雑音成分を含む1ビット信号
が入力されるn(≧1)次のデルタ−シグマ変調装置に
おいて、 p(>1)ビット信号を1ビット信号に再量子化して、
当該デルタ−シグマ変調装置の出力信号として出力する
量子化手段と、 上記入力1ビット信号と係数の積と、上記出力信号と係
数の積との加算値の積分値を求める第1段目の混合手段
と、 上記入力1ビット信号と係数の積と、上記出力信号と係
数の積と、前段の混合手段からの積分値との加算値の積
分値を求める中間段のn−1個の混合手段と、 上記入力1ビット信号と係数の積と、前段の混合手段か
らの積分値との加算値を求めて、上記量子化手段で再量
子化されるpビット信号を生成する最終段の混合手段
と、 を備え、 当該デルタ−シグマ変調装置の入力1ビット信号に対す
る伝達関数は、下記式1で表され、 【数1】 上記量子化手段で発生する量子化雑音に対する伝達関数
は、下記式2で表され、 【数2】 上記伝達関数における係数a1〜anの少なくとも1つは
1であり、係数b1〜bnは1でない、 ことを特徴とするデルタ−シグマ変調装置。 - 【請求項2】 上記係数a1〜anは、1である、 ことを特徴とする請求項1記載のデルタ−シグマ変調装
置。 - 【請求項3】 上記係数a0は、1である、 ことを特徴とする請求項1又は2記載のデルタ−シグマ
変調装置。 - 【請求項4】 上記次数が3(n=3)である、 ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の
デルタ−シグマ変調装置。 - 【請求項5】 上記次数が3以上(n≧3)であって、
上記係数a1〜anの一部は、1ビット信号に対してロー
パスフィルタ特性を与え、上記係数a1〜anの残りは、
1ビット信号に対して所定の等化特性を与える、 ことを特徴とする請求項1記載のデルタ−シグマ変調装
置。 - 【請求項6】 上記係数a1〜anの一部が1である、 ことを特徴とする請求項1記載のデルタ−シグマ変調装
置。 - 【請求項7】 上記次数が5(n=5)である、 ことを特徴とする請求項5又は6記載のデルタ−シグマ
変調装置。 - 【請求項8】 信号成分と雑音成分を含む1ビット信号
が入力されるn(≧2)次のデルタ−シグマ変調装置に
おいて、 p(>1)ビット信号を1ビット信号に再量子化して、
当該デルタ−シグマ変調装置の出力信号として出力する
量子化手段と、 上記入力1ビット信号と係数の積と、上記出力信号と係
数の積との加算値の積分値を求める第1段目の混合手段
と、 上記入力1ビット信号と係数の積と、上記出力信号と係
数の積と、前段の混合手段からの積分値との加算値の積
分値を求める中間段のn−1個の混合手段と、 上記入力1ビット信号と係数の積と、前段の混合手段か
らの積分値との加算値を求めて、上記量子化手段で再量
子化されるpビット信号を生成する最終段の混合手段
と、 を備え、 当該デルタ−シグマ変調装置の入力1ビット信号に対す
る伝達関数は、下記式3で表され、 【数3】 m<nであり、式3におけるA(z)/B(z)は、入力
1ビット信号に対してローパスフィルタ特性を与え、下
記式4で表され、 【数4】 式3におけるC(z)/D(z)は、入力1ビット信号に
対して所定の等化特性を与え、下記式5で表され、 【数5】 当該デルタ−シグマ変調装置で発生する量子化雑音を除
去する伝達関数は、下記式6で表される、 【数6】 ことを特徴とするデルタ−シグマ変調装置。 - 【請求項9】 上記次数が5(n=5)であり、mが3
である、 ことを特徴とする請求項8記載のデルタ−シグマ変調装
置。 - 【請求項10】 信号成分と雑音成分を含む1ビット信
号が入力されるn(≧2)次のデルタ−シグマ変調装置
において、 p(>1)ビット信号を1ビット信号に再量子化して、
当該デルタ−シグマ変調装置の出力信号として出力する
量子化手段と、 上記入力1ビット信号と係数の積と、上記出力信号と係
数の積との加算値の積分値を求める第1段目の混合手段
と、 上記入力1ビット信号と係数の積と、上記出力信号と係
数の積と、前段の混合手段からの積分値との加算値の積
分値を求める中間段のn−1個の混合手段と、 上記入力1ビット信号と係数の積と、前段の混合手段か
らの積分値との加算値を求めて、上記量子化手段で再量
子化されるpビット信号を生成する最終段の混合手段
と、 を備え、 当該デルタ−シグマ変調装置の入力1ビット信号に対す
る伝達関数は、下記式7で表され、 【数7】 上記量子化手段で発生する量子化雑音に対する伝達関数
は、下記式8で表され、 【数8】 上記伝達関数における係数a1〜anの一部は、1ビット
信号に対してローパスフィルタ特性を与え、当該デルタ
−シグマ変調装置で発生する量子化雑音に対する伝達関
数は雑音を除去するようなハイパスフィルタ特性を有
し、上記係数a1〜anの残りは、1ビット信号に対して
所定の等化特性を与える、 ことを特徴とするデルタ−シグマ変調装置。 - 【請求項11】 請求項1乃至10記載のデルタ−シグ
マ変調装置が複数縦続接続されて成る1ビット信号処理
装置。
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