JPH10318213A - 流体圧シリンダ - Google Patents

流体圧シリンダ

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JPH10318213A
JPH10318213A JP12887997A JP12887997A JPH10318213A JP H10318213 A JPH10318213 A JP H10318213A JP 12887997 A JP12887997 A JP 12887997A JP 12887997 A JP12887997 A JP 12887997A JP H10318213 A JPH10318213 A JP H10318213A
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JP
Japan
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retaining ring
cylinder
cylinder tube
ring
mounting groove
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JP12887997A
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English (en)
Inventor
Osamu Fushihara
修 伏原
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Original Assignee
CKD Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリンダカバーが抜けにくく耐荷重性に優れ
た流体圧シリンダを提供すること。 【解決手段】 この流体圧シリンダ1の抜け止めリング
11は、自身の中心軸線方向に向かって延びる複数の係
止突片13を備える。リング装着溝12は、シリンダチ
ューブ2の外周面においてその周方向に延びるように形
成される。リング装着溝12は、各係止突片13に対応
する箇所にシリンダチューブ2の内外周面を貫通する貫
通部15を備える。抜け止めリング11をリング装着溝
12に対してシリンダチューブ2の外周面側から装着
し、各係止突片13を貫通部15を介してシリンダチュ
ーブ2の内周面側に突出させる。そして、そこにはシリ
ンダカバー3,4が係止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリンダチューブ
に形成されたリング装着溝に抜け止めリングが装着さ
れ、その抜け止めリングによってシリンダカバーがシリ
ンダチューブの内周面側に保持されるように構成された
流体圧シリンダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図14(a),図14(b)には、流体
圧シリンダ51の従来例が示されている。流体圧シリン
ダ51を構成するシリンダチューブ52の内周面52a
側には、抜け止めリング53を装着するためのリング装
着溝54が形成されている。このリング装着溝54は、
内周面52aの周方向全体にわたって延びている。その
深さはシリンダチューブ52の肉厚の数分の1程度であ
り、その幅は抜け止めリング53の肉厚よりも幾分大き
い。リング装着溝54の幅をこのように大きめに設定し
たのは、抜け止めリング53の装着時における便宜を考
慮したためである。このようなリング装着溝54には、
弾性を有する略C字状の抜け止めリング53が装着され
ている。抜け止めリング53はやや縮径された状態でシ
リンダチューブ52内に挿入されるとともに、元の径に
弾性復帰しようとすることでリング装着溝54に掛け止
められる。このとき、抜け止めリング53は、シリンダ
チューブ52の内周面52aからいくぶん張り出した状
態となる。従って、シリンダカバー55の外端面周縁部
は、抜け止めリング53の張出部分に係止することがで
きる。その結果、シリンダチューブ52の内周面側にシ
リンダカバー55が保持される。また、このときシリン
ダチューブ52内に区画される収容空間には、図示しな
いピストンが移動可能に収容される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
流体圧シリンダ51に流体を給排することによりピスト
ンを駆動させた場合、シリンダカバー55にはピストン
の荷重が全体的に加わることになる。また、前記ピスト
ンの荷重は、シリンダカバー55をシリンダチューブ5
2から抜け出させるような方向に作用する。
【0004】しかしながら、抜け止めリング53は図1
4(c)に示されるようにリング装着溝54に対して浅
く掛け止められているに過ぎず、しかもリング装着溝5
4の一方の側壁と抜け止めリング53の上面との間には
隙間56が存在している。従って、大きなピストン荷重
が加わると、抜け止めリング53が撓んでリング装着溝
54から脱落しやすい(図14(d) 参照)。このように
従来の流体圧シリンダ51では、シリンダチューブ52
からシリンダカバー53が抜け出しやすかったため、耐
荷重性の改善が要望されていた。なお、シリンダチュー
ブ52の材質が軟質であると、繰り返し荷重を受けるこ
とによってリング装着溝54が削り取られてしまい、上
記の問題がさらに顕著になることも予想されていた。
【0005】抜け止めリング53の脱落を解消する方策
としては、例えばリング装着溝54を深く形成すればよ
いとも考えられる。ところが、この構成であると装着時
に抜け止めリング53を大きく縮径させる必要があり、
それが原因となって抜け止めリング53を永久変形させ
てしまうおそれがあった。
【0006】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、シリンダカバーが抜けにくく耐荷
重性に優れた流体圧シリンダを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、シリンダチューブに形
成されたリング装着溝に抜け止めリングが装着され、そ
の抜け止めリングによってシリンダカバーが前記シリン
ダチューブの内周面側に保持されるように構成された流
体圧シリンダにおいて、前記抜け止めリングは自身の中
心軸線方向に向かって延びる複数の係止突片を備え、前
記リング装着溝は前記シリンダチューブの外周面におい
てその周方向に延びるように形成されるとともに、前記
各係止突片に対応する箇所に前記シリンダチューブの内
外周面を貫通する貫通部を備え、前記抜け止めリングを
前記リング装着溝に対して前記シリンダチューブの外周
面側から装着することにより前記各係止突片を前記貫通
部を介して前記シリンダチューブの内周面側に突出させ
たことを特徴とする流体圧シリンダをその要旨とする。
【0008】請求項2に記載の発明では、請求項1にお
いて、前記係止突片の幅は少なくとも前記シリンダチュ
ーブの肉厚よりも大きいとした。請求項3に記載の発明
では、請求項1または2において、前記係止突片は前記
抜け止めリングの中心軸線を隔てて対向する2箇所に形
成されているとした。
【0009】請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3
のいずれか1項において、前記リング装着溝の幅は前記
抜け止めリングの厚さと略等しいとした。請求項5に記
載の発明では、請求項1乃至4のいずれか1項におい
て、前記抜け止めリングは半円弧よりも若干長い円弧状
をなす弾性板材であり、かつ前記シリンダチューブより
も硬質の材料からなるとした。
【0010】請求項6に記載の発明では、請求項1乃至
5のいずれか1項において、前記係止突片の内側縁は角
部が丸くなるように形成されているとした。請求項7に
記載の発明では、請求項1乃至6のいずれか1項におい
て、着脱時に前記係止突片を摺動させて案内するための
摺動案内部を前記リング装着溝に形成することとした。
【0011】請求項8に記載の発明では、請求項1乃至
7のいずれか1項において、前記抜け止めリングが拡径
することを防止するためのスリーブを前記シリンダチュ
ーブの外周面側に装着した。
【0012】以下、本発明の「作用」について説明す
る。請求項1〜8に記載の発明によると、リング装着溝
における貫通部はシリンダチューブの肉厚に匹敵する長
さであることから、そこに抜け止めリングの各係止突片
をシリンダチューブの外周面側から深く掛け止めること
ができる。従って、各係止突片を介してリング装着溝の
側壁に大きな荷重が加わったときでも、抜け止めリング
に撓みが生じることがなく、リング装着溝からの抜け止
めリングの脱落も回避される。ゆえに、シリンダカバー
が抜けにくく耐荷重性に優れた流体圧シリンダとするこ
とができる。さらに、抜け止めリングをシリンダチュー
ブの外周面側から装着する構成としたことにより、あえ
てリング装着溝の幅を大きく設定しなくても、簡単に抜
け止めリングを装着することができる。また、リング装
着溝の側壁と抜け止めリングとの間にできる隙間を極め
て小さくすることが可能である。
【0013】請求項2に記載の発明によると、係止突片
の幅を少なくともシリンダチューブの肉厚よりも大きく
したことから、係止突片と貫通部との間に大きな支持面
が確保され、抜け止めリングの脱落がより確実に回避さ
れる。
【0014】請求項3に記載の発明によると、シリンダ
カバーに加わる荷重が離間した2箇所において均等に受
け止められる。請求項4に記載の発明によると、リング
装着溝の幅が抜け止めリングの厚さと略等しいので、両
者間に隙間が殆どできなくなる。ゆえに、抜け止めリン
グに撓みが生じる余地がなくなり、抜け止めリングの脱
落がよりいっそう確実に回避される。
【0015】請求項5に記載の発明によると、弾性板材
からなる抜け止めリングであることから、装着時には弾
性変形によって簡単に拡径し、かつ装着完了後には縮径
して元の形状に復帰する。また、半円弧よりも若干長い
円弧状をなす抜け止めリングであることから、拡径の度
合いも少なくて済み、拡径による永久変形を回避するこ
とができる。さらに、シリンダチューブよりも硬質の材
料からなる抜け止めリングであることから、大きな荷重
を受けたとしても係止突片自身に破損・変形が生じにく
くなる。
【0016】請求項6に記載の発明によると、係止突片
の内側縁は角が丸くなるように形成されているため、装
着時における係止突片とリング装着溝との摺動抵抗を減
じることができる。従って、仮にシリンダチューブが軟
質な材料からなるときであっても、係止突片によってリ
ング装着溝が部分的に削り取られて変形することがな
い。
【0017】請求項7に記載の発明によると、係止突片
が摺動案内部に摺接することによってスムーズに案内さ
れながら移動するため、抜け止めリングの装着をより簡
単に行うことができる。
【0018】請求項8に記載の発明によると、前記スリ
ーブの存在によって抜け止めリングの拡径が防止される
ため、シリンダチューブの外周面側への抜け止めリング
の脱落がよりいっそう確実に回避される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
形態の流体圧シリンダ1を図1〜図8に基づき詳細に説
明する。
【0020】図1に示されるように、この流体圧シリン
ダ1を構成するシリンダチューブ2は円筒形状である。
ここで使用されるシリンダチューブ2は樹脂製であっ
て、より具体的にはポリアセタール製である。勿論、こ
の他にも四ふっ化エチレンやポリアミド等の樹脂材料を
使用してもよい。
【0021】図2に示されるように、シリンダチューブ
2の一方の端部開口は、シリンダカバーとしての円形状
のヘッドカバー3によって閉塞されている。シリンダチ
ューブ2の他方の端部開口は、シリンダカバーとしての
円形状のロッドカバー4によって閉塞されている。シリ
ンダチューブ2、ヘッドカバー3及びロッドカバー4
は、シリンダチューブ2の内周面2a側に1つの収容空
間を形成する。その収容空間のなかには、移動体の一部
であるピストン5がチューブ長手方向に沿って往復動可
能に収容されている。このピストン5は、収容空間内を
2つの圧力作用室に区画している。それぞれの圧力作用
室には、図示しないポートを介して加圧エア等の駆動用
流体が給排される。ピストン5の一方の端面中央部に
は、移動体の一部であるロッド6が固着されている。そ
のロッド6の自由端側は、ロッドカバー4の中央部に形
成されたロッド挿通孔7を介して流体圧シリンダ1の外
部に突出している。
【0022】次に、カバー3,4をシリンダチューブ2
の内周面2a側に保持させている抜け止め構造について
説明する。本実施形態における抜け止め構造は、抜け止
めリング11とリング装着溝12との組み合わせによっ
て構成されている。
【0023】図3に示されるように、抜け止めリング1
1は半円弧よりも若干長い円弧状(本実施形態では約2
40°)をなす弾性板材である。ここで使用される抜け
止めリング11は、シリンダチューブ2よりも硬質の材
料からなる。シリンダチューブ2をポリアセタール製と
した本実施形態の場合、それよりも硬質の材料として例
えば鉄などといった金属製の弾性板材が選択される。勿
論、この他にも銅等の金属材料を使用してもよい。
【0024】抜け止めリング11は自身の中心軸線方向
に向かって延びる複数(本実施形態では2つ)の係止突
片13を備えている。これらの係止突片13は連結部1
4の両端に位置しており、いわば抜け止めリング11の
中心軸線を隔てて対向する2箇所に形成されている。抜
け止めリング11における係止突片13の幅L1 は、少
なくともシリンダチューブ2の肉厚L2 よりも大きく形
成されていることがよい。本実施形態では、係止突片1
3の幅L1 はシリンダチューブ2の肉厚L2 の約1.5
倍程度に形成されている。逆に、抜け止めリング11に
おける連結部14の幅L3 は、少なくともシリンダチュ
ーブ2の肉厚L2 よりも小さく形成されていることがよ
い。本実施形態では、連結部14の幅L3 はシリンダチ
ューブ2の肉厚L2 の半分弱となるように形成されてい
る。
【0025】図1,図5等に示されるように、このシリ
ンダチューブ2はリング装着溝12を備えている。リン
グ装着溝12はここではシリンダチューブ2の2箇所
に、即ち両方の端部にそれぞれ形成されている。これら
のリング装着溝12は、シリンダチューブ2の外周面2
bにおいてその周方向に延びている。ただし、同リング
装着溝12は非環状であって、抜け止めリング11の円
弧の長さ分に対応している。即ち、本実施形態では約2
40°である。
【0026】リング装着溝12は2箇所に貫通部15を
備えている。これらの貫通部15は各係止突片14に対
応していて、シリンダチューブ2の内周面2a及び外周
面2bを貫通している。各々の貫通部15には、各々の
係止突片13がシリンダチューブ2の外周面2b側から
挿入可能になっている。
【0027】リング装着溝12において内周面2a及び
外周面2bを貫通していない箇所は、抜け止めリング1
1の連結部14が配置される連結部収容部16になって
いる。連結部収容部16の深さは、連結部14の幅L3
に等しくなっている。従って、図6に示されるように抜
け止めリング11は、装着時にシリンダチューブ2の外
周面2bに完全に埋没する。
【0028】また、リング装着溝12の幅L4 は、抜け
止めリング11の厚さL5 と略等しく(より詳細には、
抜け止めリング11の装着を考慮して僅かにリング装着
溝12の幅L4 のほうが大きく)なっている。ゆえに、
図8に示されるように、リング装着溝12と抜け止めリ
ング11との間に隙間は殆ど生じていない。
【0029】前記リング装着溝12は、例えばシリンダ
チューブ2の樹脂成形時に同時に形成されることが可能
であるほか、樹脂成形後になされる切削加工によっても
形成されることが可能である。ここでは前者の方法を採
用している。前者の利点は、工程数が少なくなることで
生産性の向上につながることである。
【0030】このような抜け止めリング11は、図1に
示されるように、リング装着溝12に対してシリンダチ
ューブ2の外周面2b側から装着される。抜け止めリン
グ11をリング装着溝12内に押し込むと、両係止突片
13の内側縁が連結部収容部16に対して摺動する。す
ると、全体に弾性変形が生じる結果、徐々に抜け止めリ
ング11が拡径する。抜け止めリング11の装着が完了
した状態では、弾性変形が解消することにより、抜け止
めリング11が縮径して元の形状に復帰する。このと
き、両係止突片13は貫通部15を介してシリンダチュ
ーブ2の内周面2a側に突出し、抜け止めリング11は
殆ど移動不能な状態となる。そして、突出した2つの係
止突片13には、カバー3,4の外端面側の外縁部が係
止される。その結果、図7等に示されるように、両カバ
ー3,4がシリンダチューブ2の内周面2a側における
開口部に確実に保持されるようになっている。
【0031】さて、以下に本実施形態の流体圧シリンダ
1において特徴的な作用効果を列挙する。 (イ)この流体圧シリンダ1では、リング装着溝12に
おける貫通部15がシリンダチューブ2の肉厚L2 に匹
敵する長さになっている。そして、このような長い貫通
部15に対しては、抜け止めリング11の各係止突片1
3をシリンダチューブ2の外周面2b側から深く掛け止
めることができる。従って、各係止突片13を介してリ
ング装着溝12の側壁に大きな荷重が加わったときで
も、抜け止めリング11に撓みが生じることがない。そ
のため、従来問題であったリング装着溝12からの抜け
止めリング11の脱落も回避される。ゆえに、カバー
3,4が抜けにくく耐荷重性に優れた流体圧シリンダ1
とすることができる。勿論、シリンダチューブ2からピ
ストン5が抜け出してしまうこともない。
【0032】さらに、この流体圧シリンダ1では、抜け
止めリング11をシリンダチューブ2の外周面2b側か
ら装着する構成が採用されている。それゆえ、内周面2
a側から装着する必要があった従来とは異なり、あえて
リング装着溝12の幅L4 を大きく設定しなくても簡単
に抜け止めリング11を装着することができる。つま
り、製造が容易な流体圧シリンダ1となる。
【0033】(ロ)この流体圧シリンダ1では、係止突
片13の幅L1 がシリンダチューブ2の肉厚L2 よりも
いくぶん大きく形成されている。このため、係止突片1
3と貫通部15との間には、図14に示した従来装置に
比べて大きな支持面が確保される(図8参照)。このこ
とは、抜け止めリング11の脱落をより確実に回避し、
ひいては耐荷重性を向上させるうえで大きく貢献してい
る。
【0034】(ハ)この流体圧シリンダ1では、係止突
片13が抜け止めリング11の中心軸線を隔てて対向す
る2箇所に形成されていることから、カバー3,4に加
わる荷重が離間した2箇所において均等に受け止められ
る。このことは、耐荷重性の向上に対して好都合に作用
している。
【0035】(ニ)この流体圧シリンダ1では、リング
装着溝12の幅L4 が抜け止めリング11の厚さL5 と
略等しいので、両者11,12間には隙間が殆どできる
ことがない。ゆえに、抜け止めリング11に撓みが生じ
る余地がなくなり、抜け止めリング11の脱落をよりい
っそう確実に回避することができる。即ち、このことも
耐荷重性の向上につながる。
【0036】(ホ)この流体圧シリンダ1の抜け止めリ
ング11は弾性板材からなるものであるため、装着時に
は弾性変形によって簡単に拡径し、かつ装着完了後には
縮径して元の形状に復帰することができる。また、半円
弧よりも若干長い円弧状をなす抜け止めリング11であ
ることから、拡径の度合いも少なくて済み、拡径による
永久変形を回避することができる。さらに、シリンダチ
ューブ2よりも硬質の金属材料からなる抜け止めリング
11であることから、大きな荷重を受けたとしても係止
突片13自身に破損・変形が生じにくいという利点があ
る。つまり、このような抜け止めリング11の使用は、
組立性や耐荷重性の向上にとって有利なものとなる。
【0037】(ヘ)この流体圧シリンダ1のシリンダチ
ューブ2は樹脂製であるため、一体成形法によって少な
い部品で簡単にかつ生産効率よく製造されることがで
き、しかも軽量なものとすることができる。従って、流
体圧シリンダ1の低コスト化、構造単純化、軽量化等を
達成することができる。
【0038】(ト)この流体圧シリンダ1では、抜け止
めリング11において係止突片13を連結する連結部1
4の幅L3 は、シリンダチューブ2の肉厚L2 の半分弱
の大きさに設定されている。従って、リング装着溝12
の形成によるシリンダチューブ2の強度低下を未然に防
止することができる。
【0039】(チ)この流体圧シリンダ1では、装着時
に抜け止めリング11がシリンダチューブ2の外周面2
bに完全に埋没することから、シリンダチューブ2の外
周面2bには凹凸が生じない。従って、流体圧シリンダ
1が図1に示されるように全体的にすっきりとした外観
となり、意匠性に優れたものとすることができる。
【0040】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ことはなく、例えば次のような別の形態に変更すること
が可能である。 ◎ 図9に示される別例の流体圧シリンダ21では、摺
動案内部としての切欠部22が2箇所に形成されてい
る。これらの切欠部22は、連結部14側にある貫通部
15の近傍に存在している。両切欠部22の摺動面は、
互いに平行関係にある。この別例では、両係止突片13
は、切欠部22に摺接することによってスムーズに案内
されながら移動することができる。また、装着時におけ
る両係止突片13の拡開幅W2 は、前記実施形態のとき
の拡開幅W1 に比べていくぶん小さくて済む。従って、
係止突片13がシリンダチューブ2側から受ける抗力も
小さく、このことも摺動抵抗を減じる1つの要因となっ
ている。ゆえに、この構成であると抜け止めリング11
の装着をより簡単に行うことができる。
【0041】◎ 図10に示される別例の抜け止めリン
グ31のように、内側縁の角部13aが丸くなるように
面取り加工されていることがよい。この構成であると、
装着時における係止突片13とリング装着溝12との摺
動抵抗を減じることができ、抜け止めリング11の装着
を簡単に行うことができ、組み立ても簡単になる。ま
た、実施形態のようにシリンダチューブ2が樹脂製であ
っても、係止突片13によってリング装着溝12が部分
的に削り取られて変形することがない。それゆえ、樹脂
製シリンダの製造に極めて有利な構成となる。
【0042】◎ 図11に示される別例の抜け止めリン
グ36のように、両端に拡開用治具作用部37を突出さ
せるようにして形成してもよい。また、このような拡開
用治具作用部37には、治具の一部を挿通させることが
できる貫通孔が設けられていてもよい。かかる別例のよ
うに構成しておくと、治具を用いて抜け止めリング36
を拡径することができるため、抜け止めリング36を簡
単にリング装着溝12から取り外すことができる。な
お、図11に示されるように、拡開用治具作用部37に
ついても、削り取られ防止のために面取り加工が施され
ていることが好ましい。
【0043】◎ 図12に示される別例の抜け止めリン
グ41のように、係止突片13を3箇所に設けてもよ
い。このようにすると、荷重を受ける面積が増えるの
で、より耐荷重性の向上を図ることが可能である。勿
論、係止突片13は4箇所以上に設けられてもよい。
【0044】◎ 図13に示される別例の流体圧シリン
ダ46のように、スリーブ47をシリンダチューブ2の
外周面2b側に装着してもよい。上記のようなスリーブ
47があると、抜け止めリング11の拡径が防止される
からである。そのため、シリンダチューブ2の外周面2
b側への抜け止めリング11の脱落をよりいっそう確実
に回避することができる。
【0045】◎ シリンダチューブ2の断面形状は円形
に限定されることはないので、抜け止めリングの形状も
それに応じて変更することができる。例えば、シリンダ
チューブ2が断面楕円形状であれば、抜け止めリングを
略U字状にすればよい。
【0046】◎ 抜け止めリングをシリンダチューブ2
の外周面2bに埋没させた実施形態等の構成に代え、抜
け止めリングの一部を積極的にそこから突出させかつ当
該突出部分にシリンダスイッチ等を支持させてもよい。
また、このような突出部分を上記のような拡開用治具作
用部として使用してもよい。
【0047】◎ シリンダチューブ2は樹脂製でなくて
もよく、例えばアルミニウム等のような金属製であって
もよい。 ◎ 本発明はロッド6を有する流体圧シリンダ1に適用
されるのみならず、ロッドレスシリンダについて適用さ
れても勿論よい。
【0048】ここで、特許請求の範囲に記載された技術
的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される
技術的思想をその効果とともに以下に列挙する。 (1) 請求項5において、前記シリンダチューブは樹
脂製であることを特徴とする流体圧シリンダ。この構成
であると、流体圧シリンダの低コスト化、構造単純化、
軽量化等を達成することができる。
【0049】(2) 請求項5において、前記シリンダ
チューブはポリアセタール製であることを特徴とする流
体圧シリンダ。この構成であると、流体圧シリンダの低
コスト化、構造単純化、軽量化等を達成することができ
る。
【0050】(3) 請求項1乃至8、技術的思想1,
2のいずれか1項において、前記抜け止めリングの両端
には拡開用治具作用部が形成されていることを特徴とす
る流体圧シリンダ。この構成であると、治具を用いて抜
け止めリングを簡単に取り外すことができる。
【0051】(4) 請求項1乃至8、技術的思想1,
2,3のいずれか1項において、前記抜け止めリングに
おいて前記係止突片を連結する連結部の幅は、前記シリ
ンダチューブの肉厚の半分程度の大きさに設定されてい
ることを特徴とする流体圧シリンダ。この構成である
と、リング装着溝の形成によるシリンダチューブの強度
低下を未然に防止することができる。
【0052】(5) 請求項1乃至8、技術的思想1,
2,3,4のいずれか1項において、前記リング装着溝
の深さは、前記抜け止めリングが前記シリンダチューブ
の外周面に完全に埋没する程度の深さに設定されている
ことを特徴とする流体圧シリンダ。この構成であると、
全体的にすっきりとした外観となり、意匠性に優れた流
体圧シリンダとすることができる。
【0053】なお、本明細書中において使用した技術用
語を次のように定義する。「弾性板材: 鉄、鉄合金、
銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケ
ル、ニッケル合金等といった各種金属からなりかつ弾性
を有する板材をいう。」
【0054】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜8に記
載の発明によれば、シリンダカバーが抜けにくく耐荷重
性に優れた流体圧シリンダを提供することができる。
【0055】請求項2に記載の発明によれば、係止突片
と貫通部との間に大きな支持面が確保されて抜け止めリ
ングの脱落がより確実に回避されることから、より耐荷
重性に優れたものとすることができる。
【0056】請求項4に記載の発明によると、抜け止め
リングに撓みが生じる余地がなくなり、抜け止めリング
の脱落がよりいっそう確実に回避されることから、さら
に耐荷重性に優れたものとすることができる。
【0057】請求項5に記載の発明によると、拡径によ
る抜け止めリングの永久変形を回避することができると
ともに、係止突片自身に破損・変形が生じにくくするこ
とができる。
【0058】請求項6に記載の発明によると、係止突片
によってリング装着溝が部分的に削り取られて変形する
ことを防止することができる。請求項7に記載の発明に
よると、抜け止めリングの装着をより簡単に行うことが
できるため、組立容易化を図ることができる。
【0059】請求項8に記載の発明によると、抜け止め
リングの拡径が防止されるため、抜け止めリングの脱落
がよりいっそう確実に回避される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施形態の流体圧シリン
ダの分解斜視図。
【図2】流体圧シリンダの断面図。
【図3】抜け止めリングの平面図。
【図4】流体圧シリンダの部分断面図。
【図5】リング装着前における図4のA−A線における
断面図。
【図6】リング装着完了後における図4のA−A線にお
ける断面図。
【図7】リング装着完了後における流体圧シリンダの底
面図。
【図8】抜け止めリング及びリング装着溝を示す要部拡
大部分断面図。
【図9】別例の流体圧シリンダを示す部分断面図。
【図10】別例の抜け止めリングを示す平面図。
【図11】別例の抜け止めリングを示す平面図。
【図12】別例の抜け止めリングを示す平面図。
【図13】別例の流体圧シリンダを示す部分断面図。
【図14】(a)は従来の流体圧シリンダの部分断面
図、(b)は(a)のB−B線における断面図、
(c),(d)は抜け止めリング及びリング装着溝を示
す要部拡大部分断面図。
【符号の説明】
1,21,46…流体圧シリンダ、2…シリンダチュー
ブ、2a…シリンダチューブの内周面、2b…シリンダ
チューブの外周面、3…シリンダカバーとしてのヘッド
カバー、4…シリンダカバーとしてのロッドカバー、1
1,31,3641…抜け止めリング、12…リング装
着溝、13…係止突片、13a…角部、15…貫通部、
22…摺動案内部としての切欠部、47…スリーブ、L
1 …係止突片の幅、L2 …シリンダチューブの肉厚、L
4 …リング装着溝の幅、L5 抜け止めリングの厚さ。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダチューブに形成されたリング装着
    溝に抜け止めリングが装着され、その抜け止めリングに
    よってシリンダカバーが前記シリンダチューブの内周面
    側に保持されるように構成された流体圧シリンダにおい
    て、 前記抜け止めリングは自身の中心軸線方向に向かって延
    びる複数の係止突片を備え、前記リング装着溝は前記シ
    リンダチューブの外周面においてその周方向に延びるよ
    うに形成されるとともに、前記各係止突片に対応する箇
    所に前記シリンダチューブの内外周面を貫通する貫通部
    を備え、前記抜け止めリングを前記リング装着溝に対し
    て前記シリンダチューブの外周面側から装着することに
    より前記各係止突片を前記貫通部を介して前記シリンダ
    チューブの内周面側に突出させたことを特徴とする流体
    圧シリンダ。
  2. 【請求項2】前記係止突片の幅は少なくとも前記シリン
    ダチューブの肉厚よりも大きいことを特徴とする請求項
    1に記載の流体圧シリンダ。
  3. 【請求項3】前記係止突片は前記抜け止めリングの中心
    軸線を隔てて対向する2箇所に形成されていることを特
    徴とする請求項1または2に記載の流体圧シリンダ。
  4. 【請求項4】前記リング装着溝の幅は前記抜け止めリン
    グの厚さと略等しいことを特徴とする請求項1乃至3の
    いずれか1項に記載の流体圧シリンダ。
  5. 【請求項5】前記抜け止めリングは半円弧よりも若干長
    い円弧状をなす弾性板材であり、かつ前記シリンダチュ
    ーブよりも硬質の材料からなることを特徴とする請求項
    1乃至4のいずれか1項に記載の流体圧シリンダ。
  6. 【請求項6】前記係止突片の内側縁は角部が丸くなるよ
    うに形成されていることを特徴とする請求項1乃至5の
    いずれか1項に記載の流体圧シリンダ。
  7. 【請求項7】装着時に前記係止突片を摺動させて案内す
    るための摺動案内部を前記リング装着溝に形成したこと
    を特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の流
    体圧シリンダ。
  8. 【請求項8】前記抜け止めリングが拡径することを防止
    するためのスリーブを前記シリンダチューブの外周面側
    に装着したことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか
    1項に記載の流体圧シリンダ。
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