JPH10313222A - 光受信回路 - Google Patents
光受信回路Info
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- JPH10313222A JPH10313222A JP10060817A JP6081798A JPH10313222A JP H10313222 A JPH10313222 A JP H10313222A JP 10060817 A JP10060817 A JP 10060817A JP 6081798 A JP6081798 A JP 6081798A JP H10313222 A JPH10313222 A JP H10313222A
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Abstract
路を実現すること。 【解決手段】 光信号受信により発生する電流信号から
所定の振幅を有する電圧信号を発生し、これを識別回路
に供給する光受信回路において、電流信号を電圧信号に
変換する前置増幅器の次段に、前置増幅器から入力され
る電圧信号の振幅が一定値よりも小さい場合は当該電圧
信号を線形増幅して出力し、一定値よりも大きい場合は
当該電圧信号に関係なく特定の電圧信号を出力する(リ
ミット増幅する)ように構成したリミット機能付き増幅
器を配置し、さらにリミット機能付き増幅器の次段に電
圧信号を一定振幅の電圧信号に増幅するAGC増幅器を
配置して光受信回路を構成する。
Description
もので、特に入力される信号の変化に対し、高感度かつ
広ダイナミックレンジで信号処理を行うに適した振幅調
整機能を有する光受信回路に関するものである。
00km)の光通信システムで使用される光受信回路の
一般的な構成を図2に示す。図2の構成の光受信回路に
よる光信号の識別動作の一例を、図17を参照して説明
する。光信号は、1ビット(bit)の信号伝送量に対し
てΔt毎に"1"、"0"に相当する光のオン・オフの矩形
状パターンを形成して光受信回路に備えられた受光器
(アバランシェフォトダイオ−ド:APD)に入射され
る(即ち、図17は6ビット分の光信号を示す)。AP
D内部では光信号により発生した電子、正孔対がアバラ
ンシェ増倍を起こし、信号電流が増幅される。このた
め、微弱な光信号でも検出することができる。APDか
ら出力された電流信号は、さらに前置増幅器で電圧信号
VPREに変換される。VPREはAGC増幅器(Auto
matic-gain-control amplifier:自動利得制御増幅器又
は利得調整増幅器とも称される)によりさらに増幅さ
れ、識別回路DECに入力される。ここで、例えば、図
に破線で示すように、光信号の強度が弱い場合でも、A
GC増幅器の自動利得制御機能により、AGC増幅器の
出力VAGCの振幅はほぼ一定に保たれる。これによ
り、識別回路での識別動作がより安定に行なわれる。識
別回路DECでは、クロック信号CLKに同期して、A
GC増幅器の出力信号VAGCがしきい値電位VTH
(DECにて設定されるため、以下VTH(DEC)と
表記)よりも高ければ"1"、低ければ"0"と判定してデ
ータを出力する。なお、クロック信号CLKはAGC増
幅器の出力信号VAGCからクロック抽出回路CEXT
により作られる。
・イー・イー ジャーナル オブソリッドステート サ
ーキッツ,第29巻第7号(1994年)815−822頁(IEEE J
ournal of Solid-State Circuits, vol.29,No.7(1994)
pp.815-822:以下、文献1と記す)に開示されている
(図15参照)。文献1のAGC増幅器の特徴は、前置
増幅器PREからの電圧信号VPREを利得可変型の増
幅器A1,A2と利得固定型の増幅器A3の3段で増幅
するところにある。まず、増幅器A3から出力される振
幅VA3の信号は、ピーク検出回路PDに入力される。
ピーク検出回路PDは、これに付設されたキャパシタC
PDにより振幅VA3に基づく直流電圧V3を発生す
る。一方、参照回路REFでは、独自にピーク電圧の公
称値VN(the Nominal value of the peak voltage:
以下、標準振幅電圧と呼ぶ)が発生される。このVN
は、参照回路REFに接続された可変電圧源Pにより調
整されるものである。利得制御回路ではV3とVNとの
比較が行われ、その差、即ち標準振幅電圧値からの信号
振幅のずれに応じて増幅器A1,A2の利得を制御する
電圧VGC1,VGC2が設定される。文献1が開示す
るAGC増幅器の特徴は、増幅器A1,A2の回路構成
の相違により、入力信号VPREの振幅変化に対するV
AGCのばらつきを抑えた、望ましくは振幅の均一な信
号を発生させるところにある。
mV及び300mVのいずれの入力信号も13Gb(ギ
ガ・ビット)/s(秒)の速度において振幅500mV
の電圧信号VAGCが出力される。これらの出力信号
は、2つのアウト・プット・バッファOBから出力され
て、その一方は図2の識別回路DECに、もう一方はク
ロック抽出回路CEXTに夫々入力される。
1,A2,A3のオフセットを制御するためのオフセッ
ト制御回路OC(外部キャパシタCOC付)も設けられ
ている。
し、識別回路DECでは出力信号の振幅電圧の上端と下
端との間の或る電位をしきい値電位VTH(DEC)と
してVAGCから"1"、"0"を判別する。ところで、光
ファイバ等の光伝送路から伝送される"1"又は"0"の光
信号が光受信回路の前置増幅器PREで電圧信号に変換
される様子を図16に示す。横軸は信号電圧値を、縦軸
は所定の電圧値の信号が発生する頻度を夫々示す。"1"
及び"0"の信号を光信号のオン、オフで授受すると、光
電変換素子及び前置増幅器PREで発生する雑音によ
り、例えば図16の実線のような分布を示す。この時、
識別回路DECで設定されるしきい値電位は、例えば"
1"の信号の平均電圧値V1と"0"の信号の平均電圧値
V0との中間値なるVth(A)に設定される。
分布を示す場合がある。即ち、"1"信号の電圧分布は図
16(a)の実線で示したものを縦軸方向に潰した形状
(破線で示したもの)になる。これは、受光素子(光電
変換素子)としてAPD、又はエルビウムドープ光ファ
イバ増幅器(EDFA)とPIN接合型受光素子(PI
Nダイオード)とを組み合わせて使用する場合に特に顕
著となる。この現象の詳細については、例えば、「光フ
ァイバ通信技術」(日刊工業新聞社)を参照されたい。
この場合、しきい値電位Vth(A)以下の電圧信号
は"1"信号でも"0"と判定される。このような誤った判
定がなされる確率を誤り率と呼ぶ。しきい値電位Vth
(A)の場合、破線で示す"1"信号の電圧分布曲線が囲
む領域の全面積に対する一点破線より低電位側に仕切ら
れた領域の面積の比率として誤り率は定義される。
と0信号の電圧分布曲線(実線)が重複する場合、0と
することはできない。但し、しきい値電位をV0側にあ
る程度シフトさせると、誤り率を低減することはでき
る。例えば、1信号の電圧分布曲線と0信号の電圧分布
曲線とが交わるにしきい値電位Vth(B)のを設定する。
その結果、0信号が1信号と誤認される可能性は残るも
のの、誤り率は図16に斜線で示す領域といずれかの電
圧分布曲線が囲む領域との面積比まで低減できる。しき
い値電位Vth(B)下において、真の0信号の幾つか
(Vth(B)より強度の大きいもの)は識別回路におい
て1信号と判定されるものの、このような誤認が生じる
割合はしきい値電位Vth(A)下に比べて可成り低減さ
れる。
(V1−V0)よりも大きく広がっており、しきい値電
位をどこに設定しても、誤り率を完全に0にすることは
できない。従って、光受信回路では非常に小さい或る一
定の誤り率(例えば、10-12)を許容し、その誤り率
を達成できる範囲にしきい値電位を設定する。なお、こ
の場合、非常に小さい確率で発生する伝送誤りは、誤り
訂正符号等により検出され且つ訂正される。
FAとPINダイオードとを組み合わせて使用する場合
のある誤り率の下でのしきい値電位の設定範囲と光信号
強度の関係を模式的に示したものである。上述のよう
に、"1"信号が"0"信号より広い電圧分布を示すため、
しきい値電位の設定範囲は"0"信号側に偏っている。ま
た、光信号強度が小さくなると、しきい値電位の設定範
囲は徐々に狭くなり、ついには、所望の誤り率を達成す
ることができなくなる。この時の光信号強度(図中のP
min0)を最小受信感度と呼ぶ。
る様々な距離で伝送された光信号を一つの受信器でカバ
ーするために、基幹伝送用受信器でも受信信号強度に対
する広いダイナミックレンジが要求されている。即ち、
伝送距離が短い場合には、光ファイバでの信号の減衰は
小さいため、強い光信号が受信器に入力される。一方、
伝送距離が長い場合には、受信器に入力される光信号は
非常に弱くなる。光受信器は、これら2種類の信号をと
もに扱わねばならない。
号が入力された場合には、以下に述べる前置増幅器のス
ルーレート(Slew Rate)に起因する問題が発生する。
図18に強い光信号が入力された場合の受信器の応答波
形を示す。光信号の強度が強いと受光素子の出力電流も
多くなり、前置増幅器の出力振幅も大きくなる。しか
し、前置増幅器の出力振幅が大きくなり過ぎると、同図
に示すように、出力信号が定常値に達する前に次の光信
号入力に因る出力信号変化が起こり、出力波形が三角波
となる部分が生じる。これは、前置増幅器の出力VPR
Eの変化の速度に上限があるためで、この上限の速度
(dV/dt)をスルーレートと呼ぶ。AGC増幅器の
スルーレートが前置増幅器のそれよりも充分大きけれ
ば、AGC増幅器の出力信号はVPREと相似形の波形
となる。
EC)をどこに設定しても、第1番目(図18左端の光
信号強度0)のビット及び第5番目(図18右から2番
目の光信号強度1)のビットの少なくとも一方は、誤っ
て識別される。なぜなら、上記第1番目のビットを0と
識別するにはしきい値電位VTH(DEC)を上記第5番
目のビットを1と認識するに高過ぎる値に設定せざるを
得ず、また、当該第5番目のビットを1と識別するには
VTH(DEC)を当該第1番目のビットを0と認識する
に低過ぎる値に設定せざるを得ないからである。また前
置増幅器の出力VPREの振幅が大きくなるため、前置
増幅器の出力段のトランジスタに掛かる電圧が増加し、
高耐圧のトランジスタを使用する必要がある。一般に、
高耐圧のトランジスタの動作速度は耐圧の低いものに比
べて遅いため、高速な光受信器には使用できないという
問題もあった。従って、図2の従来技術では、強度の強
い光信号を受信することは非常に難しかった。
を避けることができる光受信器としては、例えば、アイ
イー イー イー ジャーナル オブ ソリッドステ
ートサーキッツ,第30巻第9号(1995年)991−997頁
(IEEE Journal of Solid-State Circuits,vol.30,No.9
(1995), pp.991-997:以下、文献2と記す)に記載され
たものがある。図4に、文献2が開示する光受信回路の
構成を示す。この回路は、ローカルエリアネットワーク
(LAN)等で用いられるもので、伝送距離は最大でも
数km程度と短い。このため、APDの代わりにPIN
フォトダイオードPINを用いている。また、AGC増
幅器の代わりにリミット増幅器LAを用いている。
の振幅を一定に保つのに対し、リミット増幅器(リミッ
トアンプ)は利得を非常に大きく設定しておき、出力振
幅が所望の値以上になる場合は出力をクランプして(所
定の出力電圧に抑えて)振幅を制限する。即ち、しきい
値電位VTH(LA)を入力信号の高電位(例えば、1
に相当)と低電位(例えば、0に相当)のちょうど真中
になるように、しきい値電位制御回路VCNTにより制
御しておき、入力信号とVTH(LA)を比較し、VT
H(LA)よりも高ければ、入力信号の振幅によらず一
定の電位VLA(0)を出力する。
利得を約60dBに設定してあり、入力信号の振幅が数
mVから1V程度の広い範囲で、一定振幅の出力信号が
得られる。このような構成では、リミットアンプの利得
が非常に高いので、前置増幅器の利得(出力電圧と入力
電流の比:トランスインピーダンスと呼ぶ)を余り高く
する必要がない。従って、強度の強い光信号が入力され
た場合でも、前置増幅器の出力VPREの振幅は上記の
構成ほど大きくはならないので、図18のように波形が
歪んで三角波になることがない。このため、スルーレー
トに起因する問題は発生しない。
を延ばすため、受光素子をPINフォトダイオードから
APD、又はEDFAとPINダイオードとを組み合わ
せた検出器に取り替えると、受信器の最小受信感度が劣
化するという問題がある。以下、この理由を図5を用い
て説明する。図5は前置増幅器出力VPREにおけるリ
ミット増幅器のしきい値電位VTH(LA)の設定範囲
を示したものである。増幅作用がある受光素子を使用す
るため、"1"信号が"0"信号より広い電圧分布を示し、
しきい値電位の設定範囲は"0"信号側に偏っている。リ
ミット増幅器の出力(VLA)は、VPREからVTH
(LA)±数mVの信号を取り出し、増幅したものとな
る(2重線のグラフはこの数mVの電圧幅を示す)。V
TH(LA)はVPRE(0)とVPRE(1)のちょ
うど真中に設定されるので、VTH(LA)は光信号強
度がPmin1以下の領域ではしきい値の設定範囲から
はずれてしまうことがわかる。従って、最小受信感度は
Pmin1となり、図2の構成よりも最小受信感度が劣
化する。
小受信感度の劣化は、文献2の構成では発生しないとい
うことである。これは、文献2の構成では、受光素子と
してPINダイオードを使用しているためである。PI
Nダイオードは増幅作用はないため、"1"信号は"0"信
号と同じ電圧分布を示し、VTH(LA)がVPRE
(0)とVPRE(1)のちょうど真中に設定されてい
ても、上述の問題は発生しない。
幅器のしきい値電位VTH(LA)をVPREの中心で
はなく、"0"レベル側に調整する方法が考えられる。し
かし、調整対象とする光信号の強度は弱く(特にPmi
n1未満の範囲)、VPREの振幅が小さい条件下で、
高精度でしきい値電位VTH(LA)を調整することが
要請されるため、実現は困難を極める。また、送信器や
光ファイバの特性の経年変動により、光信号の強度は変
動するので、定期的にしきい値VTH(LA)の再調整
を行なう必要が生じる。このように、文献2が開示する
LAN用の広ダイナミックレンジ受信回路をそのまま長
距離伝送用広ダイナミックレンジ受信器に適用すること
はできなかった。
クレンジを拡げる技術としては、識別回路の参照電位の
設定を改良する技術が特開平5-259752号に、所謂前置
増幅器の利得設定を改良する技術が特開平8-139526
号、特開平7-193437号、特開平7-38342号及び特開平
5-67930号に開示されているが、いずれも伝送周波数10
0MHzの光通信システムへの適用を意図したものであ
った。即ち、これらの技術は10ns(ナノ秒:10-9
秒)の間隔で受信される光パルスに対する応答特性は期
待できるものの、例えば10GHzの幹線用光通信システ
ムにて100ps(ピコ秒:10-12秒)の間隔で受信
される光信号には実用上応答できなかった。
8758号に開示される光受信回路に於ける電圧パルス幅の
劣化を抑止する技術からも、上記先行技術の問題を解決
する技術を見出せなかった。
クレンジの光受信回路を提供することにある。
に、本発明では、光信号を受けて電気信号に変換し且つ
これを出力する光受信回路において、光信号を電流信号
に変換する光電変換部と、該光電変換部の出力電流信号
を電圧信号に変換する前置増幅器と、該前置増幅器の出
力電圧信号を受ける増幅器であって、入力信号と参照電
位との差が所定の電圧よりも小さい場合は線型増幅し且
つ所定の電圧よりも大きい場合はリミット増幅するリミ
ット機能付き増幅器と、該リミット機能付き増幅器の出
力信号を増幅して一定振幅の信号を出力する自動利得増
幅器を含むことを特徴とする。
幅を始める所定の電圧は、上記前置増幅器の最小受信感
度における出力信号電圧と上記参照電位との差よりも大
きく設定されることが望ましい。上記最小受信感度にお
ける前置増幅器の出力信号電圧は、上記光電変換部と上
記前置増幅器とで決まり、その値は上記光受信回路に所
望される誤り率に依存する。
ンジの範囲内で、次の式1で規定される関係を満たすよ
うに該リミット機能付き増幅器の出力信号振幅を制限す
ることが望ましい。
の出力信号振幅、Δtは1ビットの光信号が占める時
間、Rsは該リミット機能付き増幅器のスルーレートを
夫々示す。
ダイオードあるいはエルビウムドープ光ファイバ増幅器
とPINフォトダイオードで構成すると、最小受信感度
を改善することができる。
は、これから生じた電圧信号VPREをリミット機能付
き増幅器及びその次段のAGC増幅器で線型増幅し、当
該AGC回路からの出力電圧VAGCを後段の識別回路
に入力する。識別回路は、これに入力された電圧信号V
AGCの1と0とを識別するためのしきい値電位を当該VA
GCの信号振幅(1と0との信号電圧差)に応じて設定す
る。従って、上記リミット機能付き増幅器及びAGC増
幅器による電圧信号の線型増幅により、上記識別回路は
微弱な光信号に対しても適切なしきい値電位を設定する
ことができる。一方、光信号強度が強い場合には、リミ
ット機能付き増幅器は出力信号VAWLの振幅を抑えるこ
とで、上記前置増幅器の出力信号の歪を防ぎ且つ誤り率
の増加を抑制する。
捉えれば、光電変換部(受光素子)、当該光電変換部か
ら出力される電流信号を電圧信号に変換する第1の増幅
回路(前置増幅器)、当該前置増幅部から出力される電
圧信号の振幅ばらつきを低減する第2の増幅回路(利得
調整増幅器又はAGC増幅器)からなる光受信回路、又
はこれに第2の増幅回路から出力される電圧信号の処理
(識別)を行う識別回路と組み合わせて構成した光伝送
端末装置もしくは光伝送システムにおいて、第1の増幅
回路と第2の増幅回路との間に次の機能を有する第3の
増幅回路を設けることにある。上記第3の増幅回路に要
請される第1の機能は、その出力信号振幅ΔVAWLを
その(当該第3の増幅器の)スルーレートRsと1ビッ
トの光信号が占める時間Δtで規定されるRs・Δtよ
り小さくすることである。
機能は、上記第1の増幅回路から当該第3の増幅回路に
入力される電圧信号を所定の電圧振幅以下の振幅に線形
増幅を行うことである。この機能は、当該第1の増幅回
路から第3の増幅回路へ入力される電圧信号の振幅が特
に微小な場合、この信号検出において重要である。この
ため、第3の増幅回路による線形増幅範囲は従来のリミ
ット増幅器に比べ広く設定される。一般に線形増幅範囲
を広くすると利得が低下するが、第3の増幅回路が後段
の第2の増幅回路と組み合わせて利用されるために実用
的な問題を生じない。
よれば、光信号強度が弱い場合には、リミット機能付き
増幅器が線形増幅動作しているので、次段のAGC増幅
器でさらに線形増幅を行なうことにより、識別回路のし
きい値を最適点に設定することができる。また、光信号
強度が強い場合には、リミット機能付き増幅器がリミッ
ト動作し、前置増幅器の出力信号振幅が歪んで、誤り率
が増大するのを防止する。これにより、高感度、広ダイ
ナミックレンジの光受信回路を実現することができる。
例を詳しく説明する。
る。図2の従来技術(文献1)とは、前置増幅器PRE
と利得調整増幅器(以下、AGC増幅器とも記す)AG
Cの間にリミット機能付き増幅器AWL及び参照電位発
生回路VRGが挿入されている点が異なる。一方、図4
の従来技術(文献2)とは、前置増幅器PREからの入
力信号に基づき参照電位を発生する参照電位発生回路V
RGと、参照電位が入力されるリミット機能付き増幅器
AWLを組み合わせる点で一見類似するが、リミット機
能付き増幅器の電圧増幅利得に大きな差があり、従来技
術(文献2)が開示するリミット増幅器LAには微弱な
振幅を有する入力信号を線形増幅する配慮がなされてい
ない点が本発明のリミット機能付き増幅器AWLと大き
く異なる。即ち、本発明のリミット機能付き増幅器AW
Lは基本的には線形増幅器であり、出力振幅が一定値を
超えた場合のみリミット機能により、出力振幅をその回
路構成で定められた値に略一定に保つよう働く。
徴づけられる機能について、図6を参照しながら説明す
る。図6は前置増幅器出力VPREに対するしきい値電
位の設定範囲を示したものである。
Vrefは前置増幅器出力信号VPRE0(0)とVPR
E(1)(ともに破線グラフで示す)とのちょうど中心に
設定され、AWLの線形増幅範囲(太い斜め線グラフに
挟まれた縦軸方向の幅)は従来のリミット増幅器よりも
はるかに広い(数100mV)。このため、図6に示す
ように、光信号強度が最小受信感度Pmin0の場合
は、線形増幅動作してVAWLを出力し、且つ図2の従
来技術と同じように次段のAGC増幅器でさらに線形増
幅を行なうことにより、識別回路のしきい値を最適点
(光信号強度に対し決まる図6の斜線部内の電圧値VP
RE)に設定することができる。一方、光信号強度が大
きい場合には、リミット機能付き増幅器の出力信号振幅
が過大にならないようにVAWLの出力値をリミットす
る(VPREの大きさに係わらず所定の値に抑える)の
で、スルーレートの起因する波形歪を抑えて、受信器と
してのダイナミックレンジを広くできる。
文献2の従来技術と比較してみる。光信号強度は図5の
Pmin1とPmin0の間とする。同図(a)は文献
2の従来技術の光電変換素子をAPD或いはEDFA及
びPINダイオードに替えた場合における光信号、前置
増幅器出力及びリミット増幅器出力を模式的に示したも
のである。図中の信号に重畳している雑音は、図16の
信号分布に対応するものであり、光電変換部をAPDあ
るいはエルビウムドープ光ファイバ増幅器とPINフォ
トダイオードで構成するため、"1"信号に重畳する雑音
のほうが"0"信号のそれより大きくなっている。
きい値電位VTH(LA)は前置増幅器出力の"1"信号
出力の平均電位と"0"信号出力の平均電位のちょうど真
ん中に設定される。また、当該リミット増幅器の利得は
非常に大きく設定されるので、線形増幅範囲は高々数m
Vしかない。即ち、図の線形増幅範囲と示された2本の
太線で挟まれた部分の信号だけが線形に増幅され、その
外側に位置する信号がもつ情報は無視され、一定電位が
出力される。その結果、リミット増幅器出力VLAは図
に示すような波形となり、"0"信号の場合には正常に識
別できるが、"1"信号の場合には雑音に埋もれて識別で
きないことがわかる。
照)、参照電位は従来のVTH(LA)と同じ電位に設
定されるが、線形増幅範囲が数100mVと広いため、
前置増幅器出力VPREがそのまま線形増幅され、AG
C増幅器出さらに線形増幅され、所望の振幅を有する信
号(VAGC)となる。このため、AGC増幅器の出力
は光信号波形をほぼ忠実に再現したもの、すなわち、光
信号が持つ情報を取りこぼすことなく忠実に電気信号に
変換したものとなる(ただし、前置増幅器、リミット機
能付き増幅器、AGC増幅器で発生する若干の雑音が付
加される)。従って、VAGCに対して、若干"0"信号
よりにVTH(DEC)を設定すれば、正常に信号を識
別することが可能になる。
の具体的な回路構成の例を図19に示す。図1に対して
図19が開示する回路構成では、受光素子APD(但
し、アバランシェ・フォトダイオードに限定されず)、
識別回路DEC及びクロック信号抽出回路の構成は省か
れている。
たIIN端子には受光素子APDからの信号電流が入力さ
れ、AGC増幅器の回路に備えられたVAGC端子は識
別回路DECの電圧信号入力端子及びクロック抽出回路
CEXTの電圧信号入力端子に、夫々電気的に接続され
る。図19に示す光受信回路を構成する各回路構成は、
後述の実施例の欄において前置増幅器PREは図10
を、リミット機能付き増幅器AWLは図7を、参照電位
発生回路VRGは図13を、利得調整増幅器AGCは図
12を、夫々参照して説明される。
成に限定されず、各回路の構成要素は例えば以下の実施
例1乃至4で紹介する種々の態様を取り得るものであ
る。そこで、本発明の光受信回路の構成要素たるリミッ
ト機能付き増幅器AWL、前置増幅器PRE、利得調整
増幅器AGC、及び参照電位発生回路VRGの夫々の詳
細について、関連図面を参照して詳しく説明する。
付き増幅器(以下、リミット増幅部AWLと略記もす
る)の実施例であり、バイポーラトランジスタで構成し
た差動増幅器を使用した例である。図7の端子INに入
力される入力信号が参照電位Vrefに近いときは、線
形増幅回路として動作し、その利得Aは概ね次の式2で
表せる。
エミッタ抵抗RE0の抵抗値、VT=q/kT、IAは
差動増幅器のバイアス電流である(但し、qは電子の電
荷量、kはボルツマン定数、Tは温度を夫々示す)。図
7に示す差動増幅回路には、接地電位(図の上部)から
定電流源IAに到る左側の回路(RC0,QA0,RE
0及びCE0からなる)と右側の回路(RC1,QA
1,RE1及びCE1からなる)とを対称的に構成する
ことが要請される。実用上、左右の回路に於ける夫々の
回路要素のパラメータ(抵抗値、容量等)間には最大3
%の誤差が許容されるが、回路設計においては、この誤
差を除去することが要請される。即ち、回路設計上、上
記RCはRC1にも且つ上記REはRE1にも夫々等し
く設定されるものである。また、線形増幅範囲VLRは
概ね次の式3で表せられる。
の利得を上げ帯域を向上させる働きを持っている。
例であり、カスコード接続を使用した差動増幅器の例を
示している。図7の実施例とはトランジスタQA0,Q
A1のコレクタにカスコード・トランジスタQCS0,
QCS1を接続した点だけが異なる。利得及び線形増幅
範囲は図7の実施例と同様に式2及び式3で表わされ
る。カスコードトランジスタを接続したことで、トラン
ジスタQA0のミラー容量を低減することができ、図7
の実施例よりも帯域を延ばすことができる。
例であり、負荷回路として抵抗の代わりにトランスイン
ピーダンス回路を用いた例を示している。トランジスタ
QF0,QF1,抵抗RF0,RF1,RC2,RC3
及び電流源IFはトランスインピーダンス回路を構成し
ており、トランジスタQA0,QA1のコレクタから見
た入力インピーダンスを下げ、ミラー容量を低減する働
きがある。これにより、図7の実施例よりも広帯域化を
図ることができる。本回路の利得Aは概ね次の式4で表
せる。
のそれと同様、接地電位(図の上部)から定電流源IA
に到る左右の回路を対称的に構成することが要請され
る。従って、RF0とRF1との抵抗値の間には実用
上、最大3%の誤差が許容されるが、回路設計において
は、RF0とRF1とを等しくすることが要請される。
また、線形増幅範囲は式3で表わされる。
幅器から直接出力を取り出す例を示しているが、必要に
応じてエミッタホロワ等のバッファ回路を介して出力を
取り出してもよい。
(前置増幅部PRE)の実施例を示したもので、トラン
スインピーダンス増幅回路を使用した例である。本回路
のトランスインピーダンスZTはほぼRF2の抵抗値に
等しい。その理由は、トランスインピーダンスZTを定
義する次の式5に基づき、以下のように説明される。
0と負荷抵抗RLからなる回路の利得を、RF2は図1
0に於けるRF2の抵抗値を夫々示す。図10の回路
は、利得A0が非常に大きくなるように構成されるた
め、次の近似式6が成り立つ。
の抵抗値で近似できることは明らかである。
(前置増幅器の入力容量とフォトダイオードの容量)C
inと前置増幅器の入力抵抗Zinの積で決まる極に支
配される。極は、時定数τ(τ=抵抗×容量)により
「−2π/τ」として定義される。そして、極が大きい
ほど(時定数が小さいほど)、前置増幅器は受信される
光信号パルスに対し高速で応答できる。換言すれば、極
が大きいほど、より短いパルス間隔(より高い周波数)
で送信される光信号の受信が可能となる。入力抵抗Zi
nはおよそ次の式7で表わされる。
ープ利得を示す。上記Zinを小さく設定した高周波領
域でもオープンループ利得を大きく保てるため、受信で
きる光信号の広帯域化を図ることができる。
もので、カスコード接続を使用した場合を示している。
図10の実施例とはトランジスタQP0のコレクタにカ
スコードトランジスタQCS2を接続した点だけが異な
る。カスコードトランジスタを接続することで、トラン
ジスタQP0のミラー容量を低減することができるの
で、前置増幅器の入力容量を低減できる。従って、図1
0の実施例よりも広帯域化が図れる。ただし、フィード
バック・ループの位相余裕が減少するため、周波数特性
の平坦性に注意して設計する必要がある。
ミッタホロワ1段を介して出力する例を示しているが、
必要に応じてエミッタホロワの段数を増やしてもよい。
に好適なAGC増幅器の一例を示したものである。ここ
では、負荷回路としてトランスインピーダンス回路を使
用した場合を示しているが、負荷回路は抵抗でも構成で
きる。
は図7乃至9の出力端子VAWL0が、入力端子IN1
には図7乃至9の出力端子VAWL1が夫々接続され
る。制御信号VCNT0,VCNT1の電位差を大きく
すると、AGC増幅器の利得は増加し、電位差を小さく
すると利得は減少する。本回路1段では利得が不足する
場合には複数段縦続接続してもよい。また、この制御信
号VCNT0,VCNT1の制御は、例えばVAGCの
振幅を検知して公称電圧VNと比較して設定する上述の
文献1に記載されたピーク検出回路PD、参照回路RE
F及び利得制御回路GCを組み合わせた技術を利用する
とよい。
直接出力を取り出す例を示しているが、必要に応じてエ
ミッタホロワ等のバッファ回路を介して出力を取り出し
てもよい。
(参照電位発生部VRG)の実施例を示したものであ
り、低域通過フィルタで構成した例である。低域通過フ
ィルタは抵抗RLPと容量CLPで構成する。なお、容
量CLPは半導体チップの内部に設けてもよいし、外部
に接続しても構わない。前置増幅器出力VPREを低域
通過フィルタを通して直流成分を取り出すことで、VP
REの中心電位が得られる。
示したものである。本回路は前置増幅器出力VPREの
高電位を検出する回路THと低電位を検出する回路BH
及び抵抗RA1,RA2からなる。抵抗RA1,RA2
の抵抗値は等しく設定する。前置増幅器出力が高電位に
なったときには、トランジスタQTHにより容量CTH
がVPRE(H)−VBEの電位まで充電される(VB
EはトランジスタQTHのベース・エミッタ間のバイア
ス電圧)。また、前置増幅器出力が低電位になったとき
には、ダイオードDBHにより容量CBHがVPRE
(L)+VBEの電位まで放電される。これら2つの電
位を抵抗RA1,RA2で分割すれば、前置増幅器出力
VPREの高電位と低電位のちょうど中心の電位が得ら
れる。
に代わる光受信回路を紹介する。本実施例の光受信回路
の概要は図20に示される。図1に対して図20が開示
する構成では、受光素子APD(但し、アバランシェ・
フォトダイオードに限定されず)、AGC増幅器、識別
回路DEC、及びクロック信号抽出回路の構成は省かれ
ている。但し、前置増幅器PREの回路に備えられたI
IN端子には受光素子APDからの信号電流が入力され、
リミット機能付き増幅器AWLの回路に備えられたVA
WL端子はAGC増幅器の電圧信号入力端子に電気的に
接続される。
(ギガ・ビット/秒)で伝送される光信号により光電変
換素子で発生する信号電流IINを最大2mAの振幅電流
値に至る広いダイナミック・レンジで受信する機能を有
するものである。この光受信回路は、広いダイナミック
レンジの入力電流信号IINを高いトランス・インピー
ダンス利得で受信するために、前置増幅部PREからな
るトランス・インピーダンス増幅段、リミット増幅部A
WLからなるリミット増幅段、及びリミット増幅部AW
Lに参照電圧Vrefを供給する参照電位発生部VRG
を備えて構成される。なお、本実施例においてリミット
増幅段と記述される回路段は、上述の説明にあるリミッ
ト機能付き増幅器の機能を示す回路段を略称するもので
ある。
圧を供給するバイアス電圧供給部Vbiasが接続され
ている。各部分には、電源電圧VCC及びVEE(但
し、VEE<VCC)の端子が設けられ、トランジスタ
のエミッタ側には定電流源(矢印を円で囲む記号で表
示)が設けられている。
フィルタを含めて構成される参照電位発生部は、トラン
ス・インピーダンス増幅段による出力振幅電圧の中間値
を参照電圧Vrefとして出力する。リミット増幅部A
WLにて差動増幅器を構成する一方のトランジスタT4
のベースには前置増幅部の出力電圧VPREが、他方の
トランジスタT5のベースには参照電圧Vrefが夫々
印加される。これにより、信号電流IINに対するトラン
ス・インピーダンス増幅段とリミット増幅段による増幅
において、IIN値が小さい場合には双方の増幅段で線形
増幅が行なわれて高いインピーダンス利得が得られ、ま
たIIN値が大きい場合にはリミット増幅段がリミット増
幅機能を示すことでインピーダンス利得は所望の値に抑
えられる。
段は、この回路構成により予め定められた約400μA以
下の小さいIINに対して線形増幅機能を示し、且つ400
μAより大きいIINに対しては、その値に係わらず予め
リミット増幅部AWLの回路構成で定められたVAWL
の値(400mV)を出力する所謂リミット機能を示すよ
うに構成される。これにより、リミット増幅段において
は、微弱な信号IINを取りこぼすことなくAGC増幅部
(図示せず)に伝達でき、且つIINのダイナミック・レ
ンジが数μAから2mAに亘っても出力信号波形の歪み
を抑制できる。その結果、識別回路部DEC(図示せ
ず)に於ける"1"−"0"の信号識別精度は維持され且つ
向上され得るのである。
ンジスタT1と抵抗R2を有するエミッタ接地増幅器と
トランジスタT2、ダイオードD1及び抵抗R1を配列
して成るシャント・フィードバック・ループ(Shunt Fe
edback Loop)から構成される。リミット増幅部AWL
は広帯域差動増幅器と出力バッファから構成される。ま
た、双方の増幅部の周波数応答特性を向上させるため、
前置増幅部PREにはバイアス電圧供給部Vbias
が、リミット増幅部AWLにはピーキング・ネットワー
ク(Peaking Network)が夫々接続されている。
対するトランス・インピーダンス変動を抑えてアイ・ダ
イヤグラム(Eye-Diagram)の揺らぎを低減するために
抵抗R2に印加されるバイアス電圧を安定化させる必要
がある。前置増幅部PREを構成するエミッタ・コモン
増幅器はトランジスタT1の電流変動の影響を受けやす
く且つ前置増幅部の周波数応答特性を決めてしまうた
め、上述のバイアス電圧を安定化するためには、これが
VCCの変動の影響を受けないようにする必要がある。
図20に示すバイアス電圧供給部Vbiasから供給さ
れるバイアス電圧は接地電位と回路構成素子により決ま
るため、VCCの変動から独立している。
部PRE以上に広い周波数帯域に応答できる特性が要請
されるため、抵抗R3,R4とキャパシタCPからなる
ピーキング・ネットワークが接続されている。トランジ
スタT6,T7と抵抗R5,R6からなる負荷回路は、
R5,R6を介したフィードバックにより低い入力イン
ピーダンスを示すため、差動入力回路を構成するトラン
ジスタ対T4,T5のミラー効果は抑制され、リミット
増幅部AWLの広い周波数帯域での応答が実現できる。
ノード出力の高速化とトランス・インピーダンス変動の
低減のために、2段のエミッタ・フォロア(トランジス
タT8−T10又はT9−T11)とダンピング抵抗
(R10、R11)を備えている。前置増幅部PREの
出力信号はエミッタ・フォロアのトランジスタT12に
より分岐され、参照電位発生部VRGに入力される。参
照電位発生部VRGは、抵抗R14、及びキャパシタC
LP、CEXTを有する低域通過フィルタとエミッタ・
フォロアトランジスタT13とを含めて構成され、その
出力電圧Vrefは前置増幅部PREの出力電圧VPR
Eの中間値を示す。
ポーラトランジスタを用いたが、これをMOSFET、
MESFET等の電界効果形トランジスタに置き換えて
も本発明の光受信回路を実現できることは言うまでもな
い。
回路のバイポーラトランジスタを全てMOS型の電界効
果トランジスタに置き換えた構成を示す。
ランジスタQP0,QEF、、リミット増幅部(リミッ
ト機能付き増幅器)AWLのトランジスタQA0,QA
1、及びAGC増幅部AGCのトランジスタQIN(0),
QIN(1),QAMP(1),QAMP(2),QAMP(3),QAMP(4),
QF0並びにQF(1)の全てをNPN型のバイポーラトラ
ンジスタ(N型のコレクタ及びエミッタとP型のベース
を有する)で構成したが、図23では、これら全てをN
チャネル型の電界効果トランジスタに置き換えてある。
P型の半導体層中にN型のドース領域及びドレイン領域
を離間して形成し、この2つの領域に挟まれた上記P型
半導体層上に酸化膜(絶縁膜)を介してゲート電極を形
成したものである。信号処理速度に関しては、バイポー
ラトランジスタが優るものの、電界効果トランジスタは
各々の素子間の分離が容易にできるため、本発明の光受
信回路を同一の半導体基板上に集積化する上でバイポー
ラトランジスタより優るものである。
トランジスタは、N型のソース及びドレイン間に挟まれ
たP型半導体層の電位を低電位側(ドレイン電位)に設
定してあるが、P型半導体層の電位の設定は、この実施
態様に限定されないものである。
た光通信システムの一例を、図24に示す。
かにするため、図24にTS(A),TS(B)及びTS(C)
として示される電話局A,B,Cには光ファイバケーブ
ルLINE A, LINE B, LINE Cによる電話局R(TS(R))
への光信号送信機能のみを示す。また、電話局Rには、
電話局A,B,Cからの光受信機能のみを示す。図24
において、USERS(A), (B), (C), 又は(R)として示した
電話機及びコンピュータは、夫々の電話局の回線加入者
(Subscriber)を示す。
(R)に送信する例で、本発明による光通信システムを説
明する。前者の各加入者からの情報は、夫々の電話局
(Telephone Station)において波長1.3乃至1.6μmの
光信号に置き換えられ、電話局Rに通じる光ファイバケ
ーブルLINE A, LINE B又はLINE Cに入力される。このと
きの、光信号強度(Intensity of Opt. Sig.)の時間軸
方向に対するスペクトルを各電話局毎に図示する。各電
話局から伝送される情報は、強度Itrsの光パルスからな
る1信号と光パルスのない0信号からなるディジタル情
報に符号化(encode)される。
される光信号、時刻tb0からtb1の間に電話局Bから送
信される光信号、及び時刻tc0からtc1の間に電話局C
から送信される光信号は全て、電話局R又はこれに到る
幹線系伝送路(Trunk Line)に設けられた合波器(Star
Coupler等のOptical Coupler)CLを経て、電話局R
の光受信回路に設けられた受光素子PDに光学的に接続
された光ファイバへ入る。そして、各電話局から受信し
た光信号は、電話局Rにおいて送信局毎に宛われた時間
に応じてシリアルに伝送情報に復号化(decode)され
る。伝送情報を複合化する装置は、電話局に備えられた
識別回路DECの後段に配置され、伝送形態に応じ、電
話局R内又は加入者の端末(Terminal)に備えられる。
局Rとの距離AR,BR,CRを20km,100km,500kmに
夫々設定した場合を考える。このとき、電話局Rで受信
した光信号は、前置増幅器PREにより図25(a)に
示す電圧信号に変換される。図25(a)の縦軸は、前
置増幅器PREからの出力信号の電圧値VPREを示す。
この出力信号が、電圧振幅VDETを越えると後段のAG
C増幅器で信号波形の劣化が生じ、誤り率が実用上許容
されるレベルを越える。電話局Rに近い電話局Aから時
刻ta0からta1の間に送信された光信号は、光ファイバ
伝播中に於いて殆ど損失しないため、前置増幅器PRE
によりVDETを越える電圧振幅Vaの強い電圧パルスV
PREに変換されている。
き増幅器AWLを前置増幅器PREとAGC増幅器との
間に配置し、その回路をVPREの電圧振幅が第1の電位
V1以上となるとき、出力VAWLを電圧振幅V1にリミッ
トするように構成する(図25(b)参照)。これによ
り、電話局Aから送信されたディジタル情報は、AGC
増幅器での信号波形の劣化を殆ど受けることなく、電圧
信号VAGCとして識別回路に送られる(図25(c)参
照)。
しきい値電圧VTH(DEC)は、上記第1の電位とゼロ電位
との間に人為的に設定される。その電圧は、例えば、第
1の電位の半分に設定される。これに対し、AGC増幅
器は、これに入力される電圧信号に応じて、増幅利得を
自動的に調整することができる。AGC増幅器における
実用上の自動利得調整は、電話局A,B,Cの各々から
送信すべき情報を載せた光信号の前に伝送されるダミー
光信号により生成される電圧振幅(図示せず)に基づい
て行われる。しかし、AGC増幅器の自動利得調整機能
は完全とはいえない。なぜなら、AGC増幅器は、これ
に入力される電圧パルスが所定の電位(例えば、第2の
電位V2)以下の場合、その電圧振幅をVTH(DEC)以上に
増幅することが不可能となる。
刻tc0からtc1の間に送信された光信号は、光ファイバ
伝播中に於ける損失により大きく減衰されるため、前置
増幅器PREで増幅してもV2未満の電圧振幅Vcの弱い
電圧パルスVPREにしか変換できない(図25(a)参
照)。この問題を解決するためには、識別回路DECに
おけるVTH(DEC)を入力される電圧信号に応じて変動さ
せるように設定しなければならない。しかし、この手法
では非常に短いパルス間隔で供給される電圧信号を識別
する応答性に限界がある。
能付き増幅器AWLによる線形増幅で電圧振幅Vcの電
圧パルスを電圧振幅V2以上に増幅できる(図25
(b)参照)。このため、増幅後の電圧振幅が上記VTH
(DEC)に到らなくとも、その後段のAGC増幅器で更に
増幅することにより、識別回路DECで識別するに十分
な(VTH(DEC)以上の)電圧振幅を有するパルスに変換
される(図25(c)参照)。
ムは、前置増幅器PREとAGC増幅器AGCとの間に
AGC増幅器を補助する線形増幅器を挿入する構成し、
上記線形増幅器の動作をこれに入力される電圧信号の振
幅に応じて制限する。即ち、前置増幅器からAGC増幅
器に到る電圧信号の伝送過程で、少なくとも上述のV
DET以上の電圧振幅を有する電圧信号を所定の電圧振幅
に抑え且つこれ以外の電圧信号を選択的に増幅する。こ
のため、特に電圧信号の伝送速度を制限する前置増幅器
PREの利得調整や識別回路のしきい値電位調整を行う
ことなく、光信号の受信強度のダイナミックレンジを拡
大することができる。
高感度かつ広ダイナミックレンジの光受信回路及び光通
信システムを提供することができる。従って、特に光フ
ァイバにより長距離の光信号伝送を行う幹線系の光通信
システムにおいて、受信される光信号の処理("1"−"
0"判定)を低い誤り率で行うことができる。また、伝
送距離の異なる光ファイバからの光信号に対しても信号
処理の誤り率を格段に低減できる。
図。
た図。
図。
図。
図。
した図。
した図。
した図。
の図。
電圧出力の対応を説明するための図。
図。
態を示す図。
形態(実施例5)を示す図。
力電流に対する出力信号振幅の関係を示した図。
比較した説明図。
形態(実施例6)を示す図。
ステムの一実施形態を示す図。
れた光受信回路における電圧信号の波形の変化を示す
図。(a)は前置増幅器から、(b)はリミット機能付
き増幅器から、(c)はAGC増幅器から夫々出力され
た電圧波形を模式的に示す。
増幅器、AWL…リミット機能付き増幅器、AGC…A
GC増幅器、DEC…識別回路、CEXT…クロック抽
出回路、VRG…参照電位発生回路。
Claims (5)
- 【請求項1】光信号を受けて電気信号に変換し出力する
光受信回路において、光信号を電流信号に変換する光電
変換部と、該光電変換部の出力電流信号を電圧信号に変
換する前置増幅器と、該前置増幅器の出力電圧信号を受
ける増幅器であって、入力信号と参照電位の差が所定の
電圧よりも小さい場合は線形増幅し、所定の電圧よりも
大きい場合はリミット増幅するリミット機能付き増幅器
と、該リミット機能付き増幅器の出力電圧信号を増幅し
て一定振幅の信号を出力する自動利得制御増幅器を含む
ことを特徴とする光受信回路。 - 【請求項2】上記請求項1記載の光受信回路において、
該リミット機能付き増幅器がリミット増幅を始める所定
の電圧は、所望の誤り率の下での該光電変換部及び該前
置増幅回路で決まる最小受信感度における該前置増幅回
路の出力信号と該参照電位の差よりも大きく設定されて
いることを特徴とする光受信回路。 - 【請求項3】上記請求項1あるいは2記載の光受信回路
において、該光信号の所望のダイナミックレンジの範囲
内で、 ΔVAWL<Rs・Δt (ここで、ΔVAWLは該リミット機能付き増幅器の出
力信号振幅、Δtは1ビットの光信号が占める時間、R
sは該リミット機能付き増幅器のスルーレート)を満た
すように該リミット機能付き増幅器の出力信号振幅を制
限することを特徴とした光受信回路。 - 【請求項4】上記請求項1から3記載の光受信回路にお
いて、該光電変換部はアバランシェフォトダイオードで
構成されたことを特徴とする光受信回路。 - 【請求項5】上記請求項1から3記載の光受信回路にお
いて、該光電変換部は光ファイバ増幅器とPINフォト
ダイオードで構成されたことを特徴とする光受信回路。
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