JPH1030716A - 自動変速機のダウンシフト制御装置 - Google Patents

自動変速機のダウンシフト制御装置

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JPH1030716A
JPH1030716A JP8184902A JP18490296A JPH1030716A JP H1030716 A JPH1030716 A JP H1030716A JP 8184902 A JP8184902 A JP 8184902A JP 18490296 A JP18490296 A JP 18490296A JP H1030716 A JPH1030716 A JP H1030716A
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shaft torque
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 動力伝達機構にダウンシフトショック向上の
ために出力軸トルクが正となったときに働くワンウェイ
クラッチとエンジンブレーキ作用確保のための油圧クラ
ッチとが並列に設けられた自動変速機のダウンシフト制
御装置において、油圧制御型自動変速機にも電子制御型
自動変速機にも対応可能でありながら、アクセル足離し
状態での減速時にダウンシフトに伴うショックやワンウ
ェイクラッチガタ打ち音を防止すること。 【解決手段】 スロットル開度検出によるアクセル足離
し状態での減速時、車速が3−2ダウンシフト線を横切
る車速となったらオーバランクラッチO/Cを解放した
状態のまま3−2ダウンシフトを実行するに際し、3−
2ダウンシフト線を、3−2ダウンシフト後の2速ギヤ
位置での2速時出力軸トルクTQ が正となる車速よりも
高速側に設定した手段とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動力伝達機構にダ
ウンシフトショック向上のために出力軸トルクが正とな
ったときに働くワンウェイクラッチとエンジンブレーキ
作用確保のための油圧クラッチとが並列に設けられた自
動変速機のダウンシフト制御装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、アクセル足離し(コースト)での
ダウンシフト時に駆動系のワンウェイクラッチガタ打ち
音を低減する自動変速機のダウンシフト制御装置として
は、例えば、特開昭57−179460号公報に記載の
ものが知られている。
【0003】この公報には、エンジンブレーキが作用す
る変速段からエンジンブレーキが作用する他の変速段へ
のダウンシフト時、エンジンブレーキが作用しないさら
に一つ下の変速段へダウンシフトし、ある時間経過後
(ディレータイマを持つ)、アップシフトして駆動系の
ガタ打ち音を低減する技術が示されている。
【0004】すなわち、コーストでの3−2ダウンシフ
ト時には、3−1−2というシフトを行なうようにして
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の自動変速機のダウンシフト制御装置にあっては、下
記に列挙する問題がある。
【0006】(1) 車両減速時のガタ打ち音の発生原因
は、ダウンシフト後に締結されるワンウェイクラッチの
締結ショックによるもので、ワンウェイクラッチ締結ト
ルクを小さくするのが対策となるのに対し、ディレーに
より時間を遅らせているため、ワンウェイクラッチ締結
トルク(出力軸トルクに比例)を増大させる方向とな
り、ショックを悪化させることになる。
【0007】つまり、図8に示すように、3−1ダウン
シフト後、ディレー時間を待って1−2アップシフトを
行なうと、ディレー時間が長いほどワンウェイクラッチ
締結トルクが高トルクとなってしまう。
【0008】(2) ダウンシフト制御においてディレー時
間を設定するものであるため、変速制御として電子制御
が必要となり、変速制御がガバナ圧(車速対応圧)とス
ロットル圧(スロットル開度対応圧)により行なわれる
油圧自動変速機の場合には、対応不可能である。
【0009】本発明が解決しようとする課題を下記に列
挙する。
【0010】課題1は、動力伝達機構にダウンシフトシ
ョック向上のために出力軸トルクが正となったときに働
くワンウェイクラッチとエンジンブレーキ作用確保のた
めの油圧クラッチとが並列に設けられた自動変速機のダ
ウンシフト制御装置において、油圧制御型自動変速機に
も電子制御型自動変速機にも対応可能でありながら、ア
クセル足離し状態での減速時にダウンシフトに伴うショ
ックやワンウェイクラッチガタ打ち音を防止することに
ある。
【0011】課題2は、トルクコンバータ性能,ダウン
シフトの応答時間遅れ,エンジン回転数,車両減速度の
各ばらつきにかかわらず、課題1を達成することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】
(解決手段1)上記課題1の解決手段1(請求項1)
は、スロットル開度を検出するスロットル開度検出手段
と、車両の速度を計測する車速計測手段が設けられ、自
動変速機の動力伝達機構に、ダウンシフト時のショック
向上のために出力軸トルクが正となったときに働くワン
ウェイクラッチと、エンジンブレーキの作用を確保する
ために締結される油圧クラッチとが並列に設けられ、ス
ロットル開度検出によるアクセル足離し状態での減速
時、車速がダウンシフト線を横切る車速となったらダウ
ンシフトを実行する自動変速機のダウンシフト制御装置
において、前記ダウンシフト線を、ダウンシフト後の変
速位置での出力軸トルクが正となる車速よりも高速側に
設定したことを特徴とする。
【0013】作用を説明する。
【0014】スロットル開度検出によるアクセル足離し
状態での減速時、車速が次第に低下し、ダウンシフト後
の変速位置での出力軸トルクが正となる車速よりも高速
側に設定されたダウンシフト線を横切る車速となったら
油圧クラッチを解放した状態のままダウンシフトが実行
される。
【0015】よって、アクセル足離し状態での減速時に
油圧クラッチを解放した状態のままダウンシフトが行な
われても、ダウンシフト線を高速側に設定しているた
め、ダウンシフトに伴うショックやワンウェイクラッチ
ガタ打ち音が防止される。
【0016】なぜなら、ダウンシフト後の変速位置での
ワンウェイクラッチ締結トルクが大きいほどダウンシフ
トショックやワンウェイクラッチガタ打ち音が大きく発
生するが、ダウンシフト線を高速側に設定することで、
ワンウェイクラッチ締結トルクに比例する出力軸トルク
がダウンシフト後の変速位置で低く抑えられることによ
る。
【0017】また、ショックやワンウェイクラッチガタ
打ち音対策を、ダウンシフト線を車速方向にスライドす
ることにより行なっているため、車速センサからの検出
車速が高速側でシフトソレノイドを切り換える電子制御
型自動変速機のみならず、車速対応圧であるガバナ圧が
高圧側でシフトバルブを切り換える油圧制御型自動変速
機にも対応可能である。
【0018】(解決手段2)上記課題2の解決手段2
(請求項2)は、請求項1記載の自動変速機のダウンシ
フト制御装置において、前記ダウンシフト線を、ダウン
シフトによるショックが許容ショックレベル以下となる
出力軸トルクを設定出力軸トルクとし、トルクコンバー
タ性能,ダウンシフトの応答時間遅れ,エンジン回転
数,車両減速度の各ばらつきを考慮し、各ばらつきにか
かわらず実出力軸トルクが設定出力軸トルク以下となる
車速をダウンシフト車速とする手法により設定したこと
を特徴とする。
【0019】作用を説明すると、ダウンシフト線を設定
するにあたって、ダウンシフトによるショックが許容シ
ョックレベル以下となる出力軸トルクが設定出力軸トル
クとされ、トルクコンバータ性能,ダウンシフトの応答
時間遅れ,エンジン回転数,車両減速度の各ばらつきが
実験データ等により求められ、各ばらつきを考慮し、ば
らつきによる変動量にかかわらず実出力軸トルクが設定
出力軸トルク以下となる車速がダウンシフト車速とされ
る。
【0020】よって、トルクコンバータ性能,ダウンシ
フトの応答時間遅れ,エンジン回転数,車両減速度の各
ばらつきにかかわらず、スロットル開度検出によるアク
セル足離し状態での減速時にダウンシフトに伴うショッ
クやワンウェイクラッチガタ打ち音が防止される。
【0021】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)実施の形態1は、解決手段1及び解決
手段2に対応する自動変速機のダウンシフト制御装置で
ある。
【0022】まず、構成を説明する。
【0023】図1は実施の形態1のダウンシフト制御装
置が適用された自動変速機の制御系統図である。
【0024】この自動変速機は、マイクロンピュータを
内蔵したA/Tコントロールユニットからの指令により
変速制御,オーバランクラッチ制御,ロックアップ制
御,ライン圧制御を行なう電子制御型の自動変速機であ
る。
【0025】A/Tコントロールユニットには、入力情
報として、車速センサ2信号,A/TモードSW信号,
キックダウンSW信号,OD.SW信号,クルーズ信
号,OD解除信号,アイドルSW信号,フルスロットル
SW信号,スロットルセンサ信号,エンジン回転信号,
インヒビターSW信号,温度センサ信号,車速センサ1
信号が入力される。そして、シフトソレノイドA,シフ
トソレノイドB,オーバーランクラッチソレノイド,ロ
ックアップソレノイド,ライン圧ソレノイドに対してソ
レノイド駆動指令,ドロッピングレジスタに対してレジ
スタ指令,A/Tモードインジケータランプに対してラ
ンプ点灯指令が出力される。
【0026】図2は実施の形態1のダウンシフト制御装
置が適用された自動変速機の動力伝達機構を示す図、図
3は実施の形態1のダウンシフト制御装置が適用された
自動変速機の動力伝達機構に用いられた変速要素とその
作動状態を示す図である。
【0027】図2において、1はトルクコンバータ、2
はオイルポンプ、3はインプットシャフト、4はフロン
トサンギヤ、5はフロントピニオン、6はフロントリン
グギヤ、7はフロントピニオンキャリヤ、8はリヤサン
ギヤ、9はリヤピニオン、10はリヤリングギヤ、11
はリヤピニオンキャリヤ、12はアウトプットシャフ
ト、13はパーキングポール、14はパーキングギヤで
ある。
【0028】2組の遊星歯車により前進4速,後退1速
のギヤ位置を得る変速要素として、バンドブレーキB/
B、リバースクラッチR/C、ハイクラッチH/C、フ
ォワードクラッチF/C、フォワードワンウェイクラッ
チF/OWC、オーバランクラッチO/C、ロー&リバ
ースブレーキL&R/B、ローワンウェイクラッチL/
OWCが設けられている。
【0029】これらの変速要素は、図3に示す通り、各
レンジ位置及びDレンジ,2レンジ,1レンジの各シフ
ト位置で作動する。
【0030】この変速要素のうち前記フォワードワンウ
ェイクラッチF/OWC(請求項のワンウェイクラッチ
に相当)は、ダウンシフト時に回転同期タイミングで締
結させることで変速ショックを向上させるために設けら
れている。
【0031】このフォワードワンウェイクラッチF/O
WCは、エンジンからの駆動力を車輪へ伝達する加速時
には作動するが、車輪からの逆駆動力が伝わる減速時に
は空転するためにエンジンへ逆駆動力を伝えることがで
きず、エンジンブレーキが作用しなくなる。そこで、エ
ンジンブレーキ必要時(ODスイッチOFFのDレン
ジ,2レンジ,1レンジ)には、フォワードワンウェイ
クラッチF/OWCと並列に設けられているオーバラン
クラッチO/C(請求項の油圧クラッチに相当)を油圧
供給により締結し、エンジンブレーキの作用を確保して
いる。
【0032】次に、作用を説明する。
【0033】[変速制御作用]図4は実施の形態1のダ
ウンシフト制御装置が適用された自動変速機の変速制御
での各ギヤ位置とシフトソレノイドの関係を示す図であ
り、図5は実施の形態1のダウンシフト制御装置が適用
された自動変速機のA/Tコントロールユニット内に記
憶設定されている変速点特性モデル図である。
【0034】変速制御は、アクセル開度に相当するスロ
ットルセンサからの信号及び車速に相当する車速センサ
2からの信号により、A/Tコントロールユニットから
コントロールバルブユニットに設けられたシフトソレノ
イドA及びシフトソレノイドBに信号を送り、設定され
た変速点特性のアップシフト線及びダウンシフト線に従
い最適なギヤ位置に自動的に切り換えることで行なわれ
る。
【0035】前記シフトソレノイドAは、図外のシフト
バルブA(変速切換バルブ)の作動を制御し、シフトソ
レノイドBは、図外のシフトバルブB(変速切換バル
ブ)の作動を制御する。シフトバルブは、シフトソレノ
イドON信号によりバルブスプールの端面にパイロット
圧が作用し、反対方向からのスプリング力に打ち勝って
バルブスプールをストロークさせ、油路を切り換える。
【0036】そして、各ギヤ位置と2つのシフトソレノ
イドの作動・非作動関係は、図4に示す通りであり、2
つのシフトソレノイドに対するON・OFFの組み合わ
せにより1速〜4速のギヤ位置を得るようにしている。
【0037】ギヤ位置は、図5に示す変速点特性モデル
上において、検出される走行状態点(検出スロットル開
度と検出車速により決まる点)が属する領域に従って決
定され、そして、車速上昇等により検出される走行状態
点の移動でアップシフト線を横切ると変速指令が出さ
れ、この変速指令に基づいてシフトソレノイドへ信号が
送られアップシフトが実行される。また、車速低下等に
より検出される走行状態点の移動でダウンシフト線を横
切ると変速指令が出され、この変速指令に基づいてシフ
トソレノイドへ信号が送られダウンシフトが実行され
る。
【0038】[変速点特性モデルの3−2ダウンシフト
線設定作用]上記変速制御で用いられる変速点特性モデ
ルの3−2ダウンシフト線の設定について説明する。
【0039】まず、本発明者は、3−2実変速車速を変
え、各車速での2速時出力軸トルクTQ と前後G(ショ
ックを評価する前後加速度)とを測定した。
【0040】この測定結果が図6に示すグラフであり、
トルク特性線上にG変化によるショック評価を書き込ん
だ。この測定結果により、変速後の2速時出力軸トルク
TQが小さいほど3−2ショックが発生しにくい(G変
動量が小さい)ということが判明した。
【0041】同時に、前後Gの実車波形を測定した結
果、一発目は突き上げ方向であり、これは3−2ダウン
シフト時のフォワードワンウェイクラッチF/OWCの
締結ショックと思われる。よって、2速時出力軸トルク
TQ とフォワードワンウェイクラッチF/OWCの締結
トルクとは比例関係にあるため、2速時に出力軸トルク
TQ が小さいほどショックが発生しにくいことの裏付け
となった。
【0042】この図6の測定結果により、3−2ダウン
シフトによるショックが許容ショックレベル以下、つま
り、2速時出力軸トルクTQ がTQA以下のトルク領域と
なるのは、3−2実変速車速V3-2 がV3-2A以上の車速
領域であると分かった。
【0043】以上により、ショックが抑えられたアクセ
ル足離し3−2ダウンシフトを得るには、3−2実変速
車速V3-2 がV3-2A以上となるように変速点特性モデル
の3−2ダウンシフト線設定する必要がある。
【0044】この場合、車速が低下している車両減速状
態で、変速指令が出力されてから3−2ダウンシフトが
終了するまでには所定の時間を要することで、少なくと
も変速時間の間に車両がどの程度減速するかを考慮する
必要がある。
【0045】簡単な3−2ダウンシフト車速の設定は、
通常の3−2ダウンシフトに要する変速時間の間での車
速低下量V0 を決め、3−2実変速車速V3-2Aにこの車
速低下量V0 を加えて3−2ダウンシフト車速V3-2D
(=V3-2A+V0 )とする手法がある。
【0046】しかし、この場合、トルクコンバータ性能
のばらつきやエンジンアイドル回転のばらつきに対しG
変動がないことを保証することはできない。
【0047】そこで、本発明者は、トルクコンバータ性
能,ダウンシフトの応答時間遅れ,エンジン回転数,車
両減速度の各ばらつきを実験データにより求め、各ばら
つきを考慮してばらつきによる車速変動量V0Aを決め、
3−2実変速車速V3-2Aにこの車速変動量V0Aを加えて
3−2ダウンシフト車速V3-2D(=V3-2A+V0A)とす
る手法により設定した。尚、2速時出力軸トルクTQ が
TQ =0となる車速をV3-20とした場合、V3-2A<V3-
20<V3-2Dという関係になり、3−2ダウンシフト車速
V3-2Dは、ダウンシフト後の2速ギヤ位置での2速時出
力軸トルクTQがTQ >0となる車速よりも高速側に設
定される。
【0048】さらに、3−2ダウンシフト車速V3-2Dは
大きな車速に設定すれば応答時間遅れ等に影響されず必
ず3−2実変速車速V3-2Aより大きな車速にて3−2ダ
ウンシフトを実行することができるが、この場合、燃
費,排気,運転性,変速頻度等に対する影響が大きくな
るため、車両に対する成立性を失う。
【0049】この結果、3−2ダウンシフト車速V3-2D
は、各ばらつきによる影響排除と車両に対する成立性と
を両立する値に設定されるもので、具体的には、図5に
示すように、3−2ダウンシフト線(点線)が従来の3
−2ダウンシフト線(1点鎖線)に比べてΔVだけ高速
側に移動して設定されることになる。
【0050】[3−2ダウンシフト作用]ODスイッチ
をONにしたDレンジで、スロットル開度検出によるア
クセル足離し状態での減速時、車速が次第に低下し、ダ
ウンシフト後の2速ギヤ位置での2速時出力軸トルクT
Q が正となる車速よりも高速側に設定された3−2ダウ
ンシフト線を横切る車速となったら(図7のA点)、オ
ーバランクラッチO/Cを解放した状態のまま3−2ダ
ウンシフトが実行される。
【0051】よって、スロットル開度検出によるアクセ
ル足離し状態での減速時にオーバランクラッチO/Cを
解放した状態のまま3−2ダウンシフトが行なわれて
も、3−2ダウンシフト線を高速側に設定しているた
め、フォワードワンウェイクラッチF/OWCの締結は
図7のB点で行なわれ、この時の2速時出力軸トルクT
Qはほぼゼロであり、3−2ダウンシフトに伴うショッ
クやワンウェイクラッチガタ打ち音が防止される。
【0052】なぜなら、3−2ダウンシフトが図7のC
点で行なわれた場合には、2速時出力軸トルクTQ が大
きく、3−2ダウンシフトショックやワンウェイクラッ
チガタ打ち音が大きく発生する。これに対し、3−2ダ
ウンシフト線を高速側に設定することで、フォワードワ
ンウェイクラッチF/OWCの締結トルクに比例する2
速時出力軸トルクTQ が3−2ダウンシフト後の2速ギ
ヤ位置で低く抑えられることによる。
【0053】次に、効果を説明する。
【0054】(1)動力伝達機構にダウンシフトショッ
ク向上のためのフォワードワンウェイクラッチF/OW
Cとエンジンブレーキ作用確保のためのオーバランクラ
ッチO/Cとが並列に設けられた自動変速機のダウンシ
フト制御装置において、スロットル開度検出によるアク
セル足離し状態での減速時、車速が3−2ダウンシフト
線を横切る車速となったらオーバランクラッチO/Cを
解放した状態のまま3−2ダウンシフトを実行するに際
し、3−2ダウンシフト線を、3−2ダウンシフト後の
2速ギヤ位置での2速時出力軸トルクTQ が正となる車
速よりも高速側に設定したため、実施の形態1で示した
電子制御型自動変速機以外に油圧制御型自動変速機にも
対応可能でありながら、スロットル開度検出によるアク
セル足離し状態での減速時に3−2ダウンシフトに伴う
ショックやワンウェイクラッチガタ打ち音を防止するこ
とができる。
【0055】尚、油圧制御型自動変速機に対応する時
は、車速対応圧であるガバナ圧が高圧側でシフトバルブ
のバルブスプールがストロークして油路を切り換えるよ
うに、ガバナ圧受圧面積やスプリングを設定する。
【0056】(2)3−2ダウンシフト線を、3−2ダ
ウンシフトによるショックが許容ショックレベル以下と
なる2速時出力軸トルクTQAを設定出力軸トルクとし、
トルクコンバータ性能,ダウンシフトの応答時間遅れ,
エンジン回転数,車両減速度の各ばらつきを考慮し、各
ばらつきにかかわらず実2速時出力軸トルクTQ が設定
2速時出力軸トルクTQA以下となる車速をダウンシフト
車速V3-2Dとする手法により設定したため、トルクコン
バータ性能,3−2ダウンシフトの応答時間遅れ,エン
ジン回転数,車両減速度の各ばらつきにかかわらず、ス
ロットル開度検出によるアクセル足離し状態での減速時
に3−2ダウンシフトに伴うショックやワンウェイクラ
ッチガタ打ち音を防止することができる。
【0057】(その他の実施の形態)実施の形態1で
は、3−2ダウンシフトの例を示したが、2−1ダウン
シフトや3−1ダウンシフトでも同様の考え方により適
用することができる。
【0058】実施の形態1では、電子制御型自動変速機
への適用例を示したが、上記のガバナ圧受圧面積の設定
やスプリングの設定を行なうことで、油圧制御型自動変
速機にも適用することができる。
【0059】
【発明の効果】請求項1記載の発明にあっては、動力伝
達機構にダウンシフトショック向上のために出力軸トル
クが正となったときに働くワンウェイクラッチとエンジ
ンブレーキ作用確保のための油圧クラッチとが並列に設
けられた自動変速機のダウンシフト制御装置において、
スロットル開度検出によるアクセル足離し状態での減速
時、車速がダウンシフト線を横切る車速となったらダウ
ンシフトを実行するに際し、ダウンシフト線を、ダウン
シフト後の変速位置での出力軸トルクが正となる車速よ
りも高速側に設定したため、油圧制御型自動変速機にも
電子制御型自動変速機にも対応可能でありながら、アク
セル足離し状態での減速時にダウンシフトに伴うショッ
クやワンウェイクラッチガタ打ち音を防止することがで
きるという効果が得られる。
【0060】請求項2記載の発明にあっては、請求項1
記載の自動変速機のダウンシフト制御装置において、ダ
ウンシフト線を、ダウンシフトによるショックが許容シ
ョックレベル以下となる出力軸トルクを設定出力軸トル
クとし、トルクコンバータ性能,ダウンシフトの応答時
間遅れ,エンジン回転数,車両減速度の各ばらつきを考
慮し、各ばらつきにかかわらず実出力軸トルクが設定出
力軸トルク以下となる車速をダウンシフト車速とする手
法により設定したため、トルクコンバータ性能,ダウン
シフトの応答時間遅れ,エンジン回転数,車両減速度の
各ばらつきにかかわらず、上記効果を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1のダウンシフト制御装置が適用さ
れた自動変速機の制御系統図である。
【図2】実施の形態1のダウンシフト制御装置が適用さ
れた自動変速機の動力伝達機構を示す図である。
【図3】実施の形態1のダウンシフト制御装置が適用さ
れた自動変速機の動力伝達機構に用いられた変速要素と
その作動状態を示す図である。
【図4】実施の形態1のダウンシフト制御装置が適用さ
れた自動変速機の変速制御での各ギヤ位置とシフトソレ
ノイドの関係を示す図である。
【図5】実施の形態1のダウンシフト制御装置が適用さ
れた自動変速機のA/Tコントロールユニット内に記憶
設定されている変速点特性モデル図である。
【図6】3−2実変速車速を変え、各車速での2速時出
力軸トルクTQ とショックを評価する前後Gとの測定結
果を示すグラフである。
【図7】3−2ダウンシフト時にダウンシフト車速を高
速側とするか低速側とするかの違いにより2速時出力軸
トルクが大きく異なることを示す車速−出力軸トルク特
性図である。
【図8】3−2ダウンシフトを3−1ダウンシフト→1
−2アップシフトにより行なう場合のフォワードワンウ
ェイクラッチの締結トルクを示す車速−締結トルク特性
図である。
【符号の説明】
1 トルクコンバータ 12 アウトプットシャフト(出力軸) F/OWC フォワードワンウェイクラッチ(ワンウェ
イクラッチ) O/C オーバランクラッチ(油圧クラッチ)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スロットル開度を検出するスロットル開
    度検出手段と、車両の速度を計測する車速計測手段が設
    けられ、 自動変速機の動力伝達機構に、ダウンシフト時のショッ
    ク向上のために出力軸トルクが正となったときに働くワ
    ンウェイクラッチと、エンジンブレーキの作用を確保す
    るために締結される油圧クラッチとが並列に設けられ、 スロットル開度検出によるアクセル足離し状態での減速
    時、車速がダウンシフト線を横切る車速となったらダウ
    ンシフトを実行する自動変速機のダウンシフト制御装置
    において、 前記ダウンシフト線を、ダウンシフト後の変速位置での
    出力軸トルクが正となる車速よりも高速側に設定したこ
    とを特徴とする自動変速機のダウンシフト制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の自動変速機のダウンシフ
    ト制御装置において、 前記ダウンシフト線を、ダウンシフトによるショックが
    許容ショックレベル以下となる出力軸トルクを設定出力
    軸トルクとし、トルクコンバータ性能,ダウンシフトの
    応答時間遅れ,エンジン回転数,車両減速度の各ばらつ
    きを考慮し、各ばらつきにかかわらず実出力軸トルクが
    設定出力軸トルク以下となる車速をダウンシフト車速と
    する手法により設定したことを特徴とする自動変速機の
    ダウンシフト制御装置。
JP18490296A 1996-07-15 1996-07-15 自動変速機のダウンシフト制御装置 Expired - Lifetime JP3625105B2 (ja)

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