JP2010007767A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】急なアクセルペダルの戻し操作によりダウンシフトの開始を判定する場合において、ショック低減とエンジンブレーキの遅れ低減とを両立させる。
【解決手段】所定値以上の急なアクセルペダルの戻し操作が検出されときに、ダウンシフトの変速指令が出力される。この時点で、エンジンブレーキを早期に発生させるために、直ちに自動変速機の動力伝達力を所定値まで低下させて変速を開始させる。この後、エンジンが慣性で駆動力を出力している期間に自動変速機の動力伝達力を所定勾配で低下させる。この際、アクセルペダルの戻し速度が大きくなるほど、自動変速機の動力伝達力の低下割合を大きくすれば、車両加速度の低下割合も大きくなり、車両加速度が所定値以下に到達するまでの期間を短くすることができて、その分、早くエンジンブレーキを発生させることができる。
【選択図】図6
【解決手段】所定値以上の急なアクセルペダルの戻し操作が検出されときに、ダウンシフトの変速指令が出力される。この時点で、エンジンブレーキを早期に発生させるために、直ちに自動変速機の動力伝達力を所定値まで低下させて変速を開始させる。この後、エンジンが慣性で駆動力を出力している期間に自動変速機の動力伝達力を所定勾配で低下させる。この際、アクセルペダルの戻し速度が大きくなるほど、自動変速機の動力伝達力の低下割合を大きくすれば、車両加速度の低下割合も大きくなり、車両加速度が所定値以下に到達するまでの期間を短くすることができて、その分、早くエンジンブレーキを発生させることができる。
【選択図】図6
Description
本発明は、所定速度以上の急なアクセルペダルの戻し操作を検出した場合にシフトダウン領域を高車速側へ拡大する機能を備えた自動変速機の制御装置に関する発明である。
車両用の自動変速機では、一般に、車速とスロットル開度に応じて変速段を設定する変速マップを予め用意しておき、走行時に、車速とスロットル開度に応じて変速マップを検索して、変速段を決定するようにしている。
しかしながら、上記従来の変速マップに従った変速制御では、減速時にエンジンブレーキが必要なときに、運転者の意思に反してアップシフトが行われてエンジンブレーキが得られない場合があった。
この問題を解決するために、特許文献1(特開昭58−211061号公報)の自動変速機では、アクセルペダルの戻し速度が設定速度以上の急アクセル戻しが検出されたときに、変速マップを、通常の変速マップから急アクセル戻し用の変速マップに切り換えて、急アクセル戻し時の変速制御を行う技術が提案されている。この急アクセル戻し用の変速マップは、低速段領域を高車速側へ拡大したマップであり、急アクセル戻し時に急アクセル戻し用の変速マップに切り換えることで、ダウンシフトが実行されて、エンジンブレーキを得ることができるようになっている。
しかしながら、上記特許文献1の自動変速機では、アクセルペダルを戻した瞬間にダウンシフトを開始するため、強い変速ショックが発生するという問題があった。
しかしながら、上記特許文献1の自動変速機では、アクセルペダルを戻した瞬間にダウンシフトを開始するため、強い変速ショックが発生するという問題があった。
また、特許文献2(特開2006−69267号公報)の自動変速機では、アクセル全閉でのダウンシフト制御時に、エンジン出力を一時的に増大させるエンジン出力増大制御を実行する場合に、ダウンシフト制御開始時に解放側の油圧指令値を最低油圧又はその付近まで即座に低下させることで、ダウンシフトの変速時間を短縮するようにしているが、アクセルペダルを戻した瞬間に油圧指令値を最低油圧又はその付近まで即座に低下させると、急激なトルク抜けが発生してしまい、やはり強い変速ショックが発生するという問題があった。
これを改善するために、特許文献3(特許第3460244号公報)の自動変速機では、車両減速度がほぼ0になるまでの時間が経過するまで、変速開始を遅延させるようにしている。
特開昭58−211061号公報
特開2006−69267号公報
特許第3460244号公報
ところで、従来の自動変速機では、アクセル全閉でのダウンシフト制御時に、燃料カット開始時のトルクショックを防止するために、燃料カット開始を遅延させる燃料カットディレーが行われるため、急なアクセルペダルの戻し操作を検出した場合でも、燃料カットディレーによりエンジンが慣性で駆動力を出力している期間はダウンシフト制御を開始しないようになっている。このため、運転者が要求するエンジンブレーキ力を得るまでに遅れが発生するという問題があった。
しかも、燃費向上等を目的として、アクセルペダルを戻してもロックアップクラッチを係合し続ける場合には、アクセル戻し時のショック対策として、一般的に燃料カットディレー時間の延長が行われるため、更に上記エンジンブレーキの遅れを助長するという問題があった。
本発明はこの様な事情を考慮してなされたものであり、本発明の目的は、急なアクセルペダルの戻し操作によりダウンシフトの開始を判定する場合において、ショック低減とエンジンブレーキの遅れ低減とを両立させることができる自動変速機の制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、複数の摩擦係合要素に作用させる油圧を油圧制御手段で個別に制御することで、各摩擦係合要素の係合と解放を選択的に切り換えて、変速機構の変速段を切り換える自動変速機の制御装置において、所定値以上の急なアクセルペダルの戻し操作(以下「急アクセル戻し」という)を検出した場合にダウンシフトする低速段領域を高車速側へ拡大する手段と、低速段領域へのダウンシフト指令が出されたときに直ちに低速段への変速を開始し、エンジンが慣性で駆動力を出力している期間に自動変速機の動力伝達力を低下させることで車両加速度を低下させる車両加速度低下制御手段とを備え、前記車両加速度低下制御手段は、前記動力伝達力の低下割合を変化させることで車両加速度が所定値以下に到達するまでの期間を変化させるようにしたものである。
急アクセル戻しによりダウンシフトを開始する場合は、運転者は素早くエンジンブレーキが利くことを期待していると考えられる。この場合は、自動変速機の動力伝達力を低下させれば、そうでない場合と比較して、車両加速度の低下割合を大きくすることができて、車両加速度が所定値以下に到達するまでの期間を短くすることができ、素早くエンジンブレーキを発生させることができる。また、急アクセル戻し時にエンジンで発生したショックは、自動変速機の動力伝達力によって車軸へと伝わるため、動力伝達力を低下させれば、ショックの低減も可能となる。これにより、急なアクセルペダルの戻し操作を行った時のショック低減とエンジンブレーキの遅れ低減とを両立させることができる。
この場合、請求項2のように、動力伝達力を低下させるために、解放側の摩擦要素に作用させる油圧を制御するようにしても良い。このように、解放側の摩擦要素に作用させる油圧を制御すれば、動力伝達力を低下させて車両加速度を低下させることが可能である。
また、請求項3のように、解放側の摩擦要素に作用させる油圧の初期圧を該摩擦要素が滑り始める付近の油圧に設定するようにしても良い。車両加速度の低下現象は、解放側の摩擦要素が滑ることで発生するため、上記請求項3のように設定すれば、変速開始後、すぐに車両加速度の低下を開始させることができて、運転者の減速意思に素早く対応できる。
また、請求項4のように、車両加速度が所定値以下に到達するまでの期間をアクセルペダルの戻し速度に応じて設定するようにしても良い。アクセルペダルの戻し速度が大きいほど、運転者の減速意思が強いと考えられるため、上記請求項4のように設定すれば、運転者の減速意思が強いほど、車両加速度の低下速度を大きくして、素早くエンジンブレーキを発生させるという制御が可能となり、運転者の減速意思に素早く対応できる。
また、請求項5のように、低速段への変速中に運転者のアクセル操作によらずエンジン出力を増大させるエンジン出力増大制御を実行するエンジン出力増大制御手段を備え、前記エンジン出力増大制御手段は、エンジン出力増大制御の開始タイミングを、車両加速度が所定値以下に到達したときとするようにしても良い。車両加速度が所定値以下になったときには、解放側の摩擦要素のトルク容量がほぼ0になっていると考えられるため、この時点で、エンジン出力増大制御を開始するようにすれば、ショックやギヤ比の戻りが発生することなく、エンジン出力増大制御により速やかに低速段へ変速することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を具体化した幾つかの実施例を説明する。
本発明の実施例1を図1乃至図7に基づいて説明する。
まず、図1に基づいて内燃機関であるエンジン11の制御システム全体の概略構成を説明する。
エンジン11の吸気管12の上流側にはエアクリーナ13が装着され、その下流側には吸入空気量Ga を測定するエアフローメータ14が設置され、更に、その下流側にスロットルバルブ15が設けられている。このスロットルバルブ15の回動軸15aにはDCモータ等のモータ17が連結され、このモータ17の駆動力によってスロットルバルブ15の開度(スロットル開度)が制御され、このスロットル開度がスロットル開度センサ18によって検出される。
まず、図1に基づいて内燃機関であるエンジン11の制御システム全体の概略構成を説明する。
エンジン11の吸気管12の上流側にはエアクリーナ13が装着され、その下流側には吸入空気量Ga を測定するエアフローメータ14が設置され、更に、その下流側にスロットルバルブ15が設けられている。このスロットルバルブ15の回動軸15aにはDCモータ等のモータ17が連結され、このモータ17の駆動力によってスロットルバルブ15の開度(スロットル開度)が制御され、このスロットル開度がスロットル開度センサ18によって検出される。
スロットルバルブ15を通過した吸入空気をエンジン11の各気筒に導入する吸気マニホールド19には、インジェクタ20が取り付けられ、また、エンジン11の各気筒のシリンダヘッドには点火プラグ21が取り付けられている。エンジン11のクランク軸22に嵌着されたシグナルロータ23の外周に対向してクランク角センサ24が設置され、このクランク角センサ24から出力されるエンジン回転速度信号NeのパルスがエンジンECU25(エンジン制御コンピュータ)に取り込まれ、このエンジン回転速度信号Neのパルス周波数によってエンジン回転速度が検出される。
一方、アクセルペダル26の踏込量(アクセル開度)がアクセルセンサ27(アクセル開度検出手段)によって検出され、このアクセル開度に応じた電圧信号Apが電子制御ユニット25にA/D変換器28を介して取り込まれる。また、エアフローメータ14で検出した吸入空気量Ga やスロットル開度センサ18で検出したスロットル開度TAの各電圧信号も、エンジンECU25にA/D変換器28を介して取り込まれる。
このエンジンECU25は、CPU29、ROM30、RAM31等を備えたマイクロコンピュータを主体として構成され、ROM30に記憶されているエンジン制御用の各種ルーチンをCPU29で実行することで、点火プラグ21の点火時期を制御すると共に、インジェクタ駆動回路45を介してインジェクタ20に与える噴射信号のパルス幅を制御し、燃料噴射量を制御する。
また、エンジンECU25は、ROM30に記憶されているスロットル制御用の各種ルーチンをCPU29で実行することで、スロットル開度センサ18で検出したスロットル開度を目標スロットル開度に一致させるように、モータ駆動回路32を介してスロットルバルブ15のモータ17をPID制御等によりフィードバック制御する。尚、電子スロットルシステムの異常時には、モータ駆動回路32からモータ17への通電路中に設けられた安全回路46が作動して、モータ17への通電がOFFされた状態に保たれる。この状態では、退避走行を可能にするために、スロットル開度が所定開度に保持される。
次に、図2及び図3に基づいて自動変速機51の概略構成を説明する。
図3に示すように、エンジン11の出力軸には、トルクコンバータ52の入力軸53が連結され、このトルクコンバータ52の出力軸54に、油圧駆動式の変速歯車機構55(変速機構)が連結されている。トルクコンバータ52の内部には、流体継手を構成するポンプインペラ71とタービンランナ72が対向して設けられ、ポンプインペラ31とタービンランナ72との間には、オイルの流れを整流するステータ73が設けられている。ポンプインペラ71は、トルクコンバータ52の入力軸53に連結され、タービンランナ32は、トルクコンバータ52の出力軸54に連結されている。
図3に示すように、エンジン11の出力軸には、トルクコンバータ52の入力軸53が連結され、このトルクコンバータ52の出力軸54に、油圧駆動式の変速歯車機構55(変速機構)が連結されている。トルクコンバータ52の内部には、流体継手を構成するポンプインペラ71とタービンランナ72が対向して設けられ、ポンプインペラ31とタービンランナ72との間には、オイルの流れを整流するステータ73が設けられている。ポンプインペラ71は、トルクコンバータ52の入力軸53に連結され、タービンランナ32は、トルクコンバータ52の出力軸54に連結されている。
また、トルクコンバータ52には、入力軸53側と出力軸54側との間を係合又は切り離しするためのロックアップクラッチ56が設けられている。エンジンの出力トルクは、トルクコンバータ52を介して変速歯車機構55に伝達され、変速歯車機構55の複数のギア(遊星歯車等)で変速されて、車両の駆動輪(前輪又は後輪)に伝達される。
変速歯車機構55には、複数の変速段を切り換えるための摩擦係合要素である複数のクラッチC0,C1,C2とブレーキB0,B1が設けられ、図4に示すように、これら各クラッチC0,C1,C2と各ブレーキB0,B1の係合/解放を油圧で切り換えて、動力を伝達するギアの組み合わせを切り換えることによって変速比を切り換えるようになっている。
尚、図4は4速自動変速機のクラッチC0,C1,C2とブレーキB0,B1の係合の組合せを示すもので、○印はその変速段で係合状態(トルク伝達状態)に保持されるクラッチとブレーキを示し、無印は解放状態を示している。例えば、Dレンジのアクセル踏み込み状態(スロットルが開いた状態)では、車速が上がるにつれて、1速、2速、3速、4速へとアップシフトしていく。1速から2速への変速では、C0及びB0の係合から、B0を解放し、新たにB1を係合する。2速から3速への変速では、C0及びB1の係合からB1を解放し、新たにC2を係合する。3速から4速への変速では、C0及びC2の係合からC0を解放し、新たにB1を係合する。
図2に示すように、変速歯車機構55には、エンジン動力で駆動される油圧ポンプ58が設けられ、作動油(オイル)を貯溜するオイルパン(図示せず)内には、油圧制御回路57が設けられている。この油圧制御回路57は、ライン圧制御回路59、自動変速制御回路60、ロックアップ制御回路61、手動切換弁66等から構成され、オイルパンから油圧ポンプ58で汲み上げられた作動油がライン圧制御回路59を介して自動変速制御回路60とロックアップ制御回路61に供給される。ライン圧制御回路59には、油圧ポンプ58からの油圧を所定のライン圧に制御するライン圧制御用の油圧制御弁(図示せず)が設けられ、自動変速制御回路60には、変速歯車機構55の各クラッチC0,C1,C2と各ブレーキB0,B1に供給する油圧を制御する複数の変速用の油圧制御弁(油圧制御手段)が設けられている。また、ロックアップ制御回路61には、ロックアップクラッチ56に供給する油圧を制御するロックアップ制御用の油圧制御弁(図示せず)が設けられている。
各油圧制御弁は、例えばリニアソレノイドバルブ等の電磁バルブにより構成され、所定のデューティにて電圧を印加して流れる電流により発生する吸引力にて油圧を制御している。このため、油圧制御弁の電流と油圧は、密接な関係となり、電流値を制御することにより油圧を制御している。また、デューティに対する電流値のばらつきを吸収するため、電流値を自動変速機電子制御回路(以下「AT−ECU」と表記する)70の図示しない電流検出手段によりモニタし、電流値をフィードバック制御するようにしている。
また、ライン圧制御回路59と自動変速制御回路60との間には、シフトレバー65の操作に連動して切り換えられる手動切換弁66が設けられている。シフトレバー65がニュートラルレンジ(Nレンジ)又はパーキングレンジ(Pレンジ)に操作されているときには、自動変速制御回路60の油圧制御弁への通電が停止(OFF)された状態になっていても、手動切換弁66によって変速歯車機構55に供給する油圧が変速歯車機構55をニュートラル状態とするように切り換えられる。
一方、変速歯車機構55には、変速歯車機構55の入力軸回転速度Nt(トルクコンバータ52の出力軸回転速度)を検出する入力軸回転速度センサ68(入力軸回転速度検出手段)と、変速歯車機構55の出力軸回転速度Noを検出する出力軸回転速度センサ69(出力軸回転速度検出手段)が設けられている。
これら各種センサの出力信号は、AT−ECU70に入力される。このAT−ECU70は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各ルーチンを実行することで、予め設定した図5の変速パターンに従って変速歯車機構55の変速が行われるように、シフトレバー65の操作位置や運転条件(スロットル開度、車速等)に応じて自動変速制御回路60の各油圧制御弁への通電を制御して、変速歯車機構55の各クラッチC0,C1,C2と各ブレーキB0,B1に作用させる油圧を制御することによって、図4に示すように、各クラッチC0,C1,C2と各ブレーキB0,B1の係合/解放を切り換えて、動力を伝達するギアの組み合わせを切り換えることで、変速歯車機構55の変速比を切り換える。
この際、AT−ECU70は、アクセルセンサ27の出力信号に基づいてアクセルペダル26の戻し速度が所定速度以上の急なアクセルペダル26の戻し操作(以下「急アクセル戻し」という)が検出されときにダウンシフトを行う場合は、エンジンブレーキを早期に発生させるために、通常のダウンシフトよりも低速段領域を高車速側へ拡大する。以下の説明では、クラッチC0,C1,C2とブレーキB0,B1を総称して単に「クラッチ」と簡略化して表記する。また、ダウンシフト制御時に係合状態から解放状態に切り換えるクラッチを「解放側クラッチ」と表記し、解放状態から係合状態に切り換えるクラッチを「係合側クラッチ」と表記する。
図6は、急アクセル戻し時のダウンシフト制御の一例を示すタイムチャートである。
アクセルセンサ27の出力信号に基づいて急アクセル戻しが検出されると、運転者の減速意思に基づくダウンシフトと判断されて、ダウンシフトの変速指令が出力される。この時点t0 で、エンジンブレーキを早期に発生させるために、通常のダウンシフトよりも低速段領域を高車速側へ拡大すると共に、直ちに自動変速機51の動力伝達力を所定の初期値まで低下させて変速を開始させる。この後、エンジン11が慣性で駆動力を出力している期間に自動変速機51の動力伝達力を所定勾配で低下させる。これにより、自動変速機51の動力伝達力が低下するに従って、車両加速度も低下する。
アクセルセンサ27の出力信号に基づいて急アクセル戻しが検出されると、運転者の減速意思に基づくダウンシフトと判断されて、ダウンシフトの変速指令が出力される。この時点t0 で、エンジンブレーキを早期に発生させるために、通常のダウンシフトよりも低速段領域を高車速側へ拡大すると共に、直ちに自動変速機51の動力伝達力を所定の初期値まで低下させて変速を開始させる。この後、エンジン11が慣性で駆動力を出力している期間に自動変速機51の動力伝達力を所定勾配で低下させる。これにより、自動変速機51の動力伝達力が低下するに従って、車両加速度も低下する。
また、ダウンシフトの変速指令が出力された時点t0 で、係合側クラッチが係合力を発生する直前の状態になるように、係合側クラッチの油圧指令値を所定の充填油圧Po に設定して、係合側クラッチに作動油を充填する充填制御を実行する。この充填制御を所定時間だけ実行して係合側クラッチが係合力を発生する直前の状態になった時点t1 で、係合側クラッチの油圧指令値を待機油圧まで低下させて充填制御を終了する。この後は、この待機油圧によって係合側クラッチが係合力を発生する直前の状態に保持される。この待機油圧は、係合側クラッチのリターンスプリングのセット荷重相当油圧付近に設定されている。
急アクセル戻しにより、ダウンシフトを開始する場合は、運転者は素早くエンジンブレーキが利くことを期待していると考えられる。そこで、本実施例1では、ダウンシフトの変速指令が出力された時点t0 で、直ちに自動変速機51の動力伝達力を初期値まで低下させて変速を開始させると共に、その後、エンジン11が慣性で駆動力を出力している期間に自動変速機51の動力伝達力を所定勾配で低下させて、車両加速度を低下させる。この際、アクセルペダル26の戻し速度が大きくなるほど、自動変速機51の動力伝達力の低下割合を大きくすれば、車両加速度の低下割合も大きくなり、車両加速度が所定値以下に到達するまでの期間(t0 〜t2 )を短くすることができて、その分、早くエンジンブレーキを発生させることができる。
以上説明した本実施例1のダウンシフト制御は、AT−ECU70によって図7の急アクセル戻し時ダウンシフト制御プログラムによって実行される。本プログラムは、エンジン運転中に所定周期で繰り返し実行され、特許請求の範囲でいう車両加速度低下制御手段としての役割を果たす。
本プログラムが起動されると、まず、ステップ101で、アクセルペダル26の戻し速度が所定速度以上であるか否かを判定し、アクセルペダル26の戻し速度が所定速度未満であると判定されれば、何もせずにそのまま本プログラムを終了する。
一方、上記ステップ101で、アクセルペダル26の戻し速度が所定速度以上であると判定されれば、急アクセル戻しと判断して、ステップ102に進み、ダウンシフトを開始する。この後、ステップ103に進み、アクセルペダル26の戻し速度が大きくなるほど、自動変速機51の動力伝達力の低下割合を大きくするように設定する。
このようにすれば、急アクセル戻し時にアクセルペダル26の戻し速度が大きくなるほど、自動変速機51の動力伝達力の低下割合を大きくして、車両加速度の低下割合を大きくすることができ、車両加速度が所定値以下に到達するまでの期間を短くすることができて、その分、早くエンジンブレーキを発生させることができる。また、急アクセル戻し時にエンジン11で発生したショックは、自動変速機51の動力伝達力によって車軸へと伝わるため、動力伝達力を低下させれば、ショックの低減も可能となる。これにより、急アクセル戻し時のショック低減とエンジンブレーキの遅れ低減とを両立させることができる。
尚、上記ステップ101で、アクセルペダル26の戻し量が所定値以上で且つアクセルペダル26の戻し速度が所定速度以上であるか否かを判定し、アクセルペダル26の戻し量が所定値以上で且つアクセルペダル26の戻し速度が所定速度以上である場合にステップ102、103の処理を実行するようにしても良い。
図8及び図9に示す本発明の実施例2では、急アクセル戻し時のダウンシフト制御において、エンジン11が慣性で駆動力を出力している期間に自動変速機51の動力伝達力を低下させる具体的手段として、解放側クラッチに作用させる油圧を低下させるようにしている。その他の事項は、前記実施例1と同じである。
本実施例2では、AT−ECU70によって図9の急アクセル戻し時ダウンシフト制御プログラムを実行する。本プログラムでも、前記実施例1と同様に、アクセルペダル26の戻し速度が所定速度以上であると判定されたときにダウンシフトを開始する(ステップ101→102)。この後、ステップ103aに進み、アクセルペダル26の戻し速度が大きくなるほど、解放側クラッチの油圧の低下割合を大きくするように設定する。このようにすれば、前記実施例1と同様に、アクセルペダル26の戻し速度が大きくなるほど、車両加速度の低下割合を大きくして、車両加速度が所定値以下に到達するまでの期間を短くすることができ、その分、早くエンジンブレーキを発生させることができる。
図10に示す本発明の実施例3では、急アクセル戻し時のダウンシフト制御において、解放側クラッチに作用させる油圧の初期圧を、該解放側クラッチが滑り始める付近の油圧に設定するようにしている。その他の事項は、前記実施例2と同じである。
本実施例3では、AT−ECU70によって図10の急アクセル戻し時ダウンシフト制御プログラムを実行する。本プログラムにおいても、前記実施例2と同様に、アクセルペダル26の戻し速度が所定速度以上であると判定されたときにダウンシフトを開始する(ステップ201→202)。この後、ステップ203に進み、解放側クラッチの油圧の初期圧を設定する前か否かを判定し、解放側クラッチの油圧の初期圧を設定する前であれれば、ステップ204に進み、解放側クラッチの油圧の初期圧を、該解放側クラッチが滑り始める付近の油圧に設定して、ステップ205に進む。一方、解放側クラッチの油圧の初期圧が既に設定されている場合には、前記ステップ203の処理を飛び越してステップ205に進む。そして、このステップ205で、アクセルペダル26の戻し速度が大きくなるほど、解放側クラッチの油圧の低下割合を大きくするように設定する。
以上説明した本実施例3では、解放側クラッチが滑ることで車両加速度が低下することを考慮して、急アクセル戻し時のダウンシフト制御を開始する際に、解放側クラッチの油圧の初期圧を、該解放側クラッチが滑り始める付近の油圧に設定するようにしたので、ダウンシフトの変速開始後、すぐに車両加速度の低下を開始させることができて、運転者の減速意思に素早く対応できる。
図11乃至図14に示す本発明の実施例4では、急アクセル戻し時のダウンシフト制御において、車両加速度が所定値以下に到達するまでの期間をアクセルペダル26の戻し速度等に応じて設定するようにしている。その他の事項は、前記実施例1と同じである。
本実施例4では、AT−ECU70によって図11の急アクセル戻し時ダウンシフト制御プログラムを実行する。本プログラムにおいても、前記実施例1と同様に、アクセルペダル26の戻し速度が所定速度以上であると判定されたときにダウンシフトを開始する(ステップ101→102)。この後、ステップ103bに進み、アクセルペダル26の戻し速度とアクセルペダル26の戻し前のエンジントルクに応じて図12のマップを検索して車両加速度が所定値以下に到達するまでの期間を設定する。この際、アクセルペダル26の戻し速度が大きくなるほど、車両加速度が所定値以下に到達するまでの期間を短く設定し、また、アクセルペダル26の戻し前のエンジントルクが大きくなるほど、車両加速度が所定値以下に到達するまでの期間を長く設定する。
アクセルペダルの戻し速度が大きいほど、運転者の減速意思が強いと考えられるため、本実施例4のように車両加速度が所定値以下に到達するまでの期間をアクセルペダルの戻し速度に応じて設定すれば、図12〜図14に示すように、運転者の減速意思が強いほど、車両加速度の低下速度を大きくして、素早くエンジンブレーキを発生させるという制御が可能となり、運転者の減速意思に素早く対応できる。
図15及び図16に示す本発明の実施例5では、急アクセル戻し時のダウンシフト制御において、車両加速度が所定値以下に到達した時点で、運転者のアクセル操作によらずエンジン出力を増大させるエンジン出力増大制御を開始するようにしている。このエンジン出力増大制御は、スロットル開き制御と燃料噴射復帰制御(燃料カット復帰制御)を実施してエンジン出力を増大させても良いし、更に燃料増量制御又は点火遅角制御を追加しても良い。その他の事項は、前記実施例1と同じである。
本実施例5では、AT−ECU70によって図16の急アクセル戻し時ダウンシフト制御プログラムを実行する。本プログラムにおいても、前記実施例1と同様に、アクセルペダル26の戻し速度が所定速度以上であると判定されたときにダウンシフトを開始し(ステップ101→102)、次のステップ103で、アクセルペダル26の戻し速度が大きくなるほど、自動変速機51の動力伝達力の低下割合を大きくするように設定する。
この後、ステップ104に進み、車両加速度が所定値以下に到達したか否かを判定し、まだ車両加速度が所定値以下に到達していなければ、そのまま本プログラムを終了する。その後、車両加速度が所定値以下に到達した時点で、ステップ104で「Yes」と判定されて、ステップ105に進み、エンジン出力増大制御を開始する。これらステップ104、105の処理が特許請求の範囲でいうエンジン出力増大制御手段としての役割を果たす。このステップ105の処理は、エンジンECU25によって実行させるようにしても良い。
車両加速度が所定値以下になったときには、解放側クラッチのトルク容量がほぼ0になっていると考えられるため、この時点(図15のt2 )で、エンジン出力増大制御を開始するようにすれば、ショックやギヤ比の戻りが発生することなく、エンジン出力増大制御により速やかに低速段へ変速することができる。
11…エンジン(内燃機関)、12…吸気管、14…エアフローメータ、15…スロットルバルブ、17…モータ、18…スロットル開度センサ、24…クランク角センサ(エンジン回転速度検出手段)、25…エンジンECU(エンジン制御コンピュータ,エンジン出力増大制御手段)、26…アクセルペダル、27…アクセルセンサ(アクセル開度検出手段)、51…自動変速機、52…トルクコンバータ、53…変速歯車機構(変速機構)、56…ロックアップクラッチ、57…油圧制御回路、58…油圧ポンプ、59…ライン圧制御回路、60…自動変速制御回路、61…ロックアップ制御回路、66…手動切換弁、68…入力軸回転速度センサ、69…出力軸回転速度センサ、70…AT−ECU(車両加速度低下制御手段,エンジン出力増大制御手段)、C0〜C2…クラッチ(摩擦係合要素)、B0,B1…ブレーキ(摩擦係合要素)
Claims (5)
- 複数の摩擦係合要素に作用させる油圧を油圧制御手段で個別に制御することで、各摩擦係合要素の係合と解放を選択的に切り換えて、変速機構の変速段を切り換える自動変速機の制御装置において、
所定値以上の急なアクセルペダルの戻し操作を検出した場合にダウンシフトする、低速段領域を高車速側へ拡大する手段と、
低速段領域へのダウンシフト指令が出されたときに直ちに低速段への変速を開始し、エンジンが慣性で駆動力を出力している期間に自動変速機の動力伝達力を低下させることで車両加速度を低下させる車両加速度低下制御手段とを備え、
前記車両加速度低下制御手段は、前記動力伝達力の低下割合を変化させることで車両加速度が所定値以下に到達するまでの期間を変化させることを特徴とする自動変速機の制御装置。 - 前記車両加速度低下制御手段は、前記動力伝達力を低下させるために、解放側の摩擦要素に作用させる油圧を制御することを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。
- 前記車両加速度低下制御手段は、前記解放側の摩擦要素に作用させる油圧の初期圧を、該摩擦要素が滑り始める付近の油圧に設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の自動変速機の制御装置。
- 前記車両加速度低下制御手段は、前記車両加速度が所定値以下に到達するまでの期間をアクセルペダルの戻し速度に応じて設定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
- 前記低速段への変速中に運転者のアクセル操作によらずエンジン出力を増大させるエンジン出力増大制御を実行するエンジン出力増大制御手段を備え、
前記エンジン出力増大制御手段は、エンジン出力増大制御の開始タイミングを、前記車両加速度が所定値以下に到達したときとすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
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EP3056771A1 (de) | 2015-02-11 | 2016-08-17 | Volkswagen Aktiengesellschaft | Verfahren zum steuern eines selbsttätig schaltenden getriebes und kraftfahrzeug |
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