JP3625105B2 - 自動変速機のダウンシフト制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、動力伝達機構にダウンシフトショック向上のために出力軸トルクが正となったときに働くワンウェイクラッチとエンジンブレーキ作用確保のための油圧クラッチとが並列に設けられた自動変速機のダウンシフト制御装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、アクセル足離し(コースト)でのダウンシフト時に駆動系のワンウェイクラッチガタ打ち音を低減する自動変速機のダウンシフト制御装置としては、例えば、特開昭57−179460号公報に記載のものが知られている。
【0003】
この公報には、エンジンブレーキが作用する変速段からエンジンブレーキが作用する他の変速段へのダウンシフト時、エンジンブレーキが作用しないさらに一つ下の変速段へダウンシフトし、ある時間経過後(ディレータイマを持つ)、アップシフトして駆動系のガタ打ち音を低減する技術が示されている。
【0004】
すなわち、コーストでの3−2ダウンシフト時には、3−1−2というシフトを行なうようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の自動変速機のダウンシフト制御装置にあっては、下記に列挙する問題がある。
【0006】
(1) 車両減速時のガタ打ち音の発生原因は、ダウンシフト後に締結されるワンウェイクラッチの締結ショックによるもので、ワンウェイクラッチ締結トルクを小さくするのが対策となるのに対し、ディレーにより時間を遅らせているため、ワンウェイクラッチ締結トルク(出力軸トルクに比例)を増大させる方向となり、ショックを悪化させることになる。
【0007】
つまり、図8に示すように、3−1ダウンシフト後、ディレー時間を待って1−2アップシフトを行なうと、ディレー時間が長いほどワンウェイクラッチ締結トルクが高トルクとなってしまう。
【0008】
(2) ダウンシフト制御においてディレー時間を設定するものであるため、変速制御として電子制御が必要となり、変速制御がガバナ圧(車速対応圧)とスロットル圧(スロットル開度対応圧)により行なわれる油圧自動変速機の場合には、対応不可能である。
【0009】
本発明が解決しようとする課題を下記に列挙する。
【0010】
課題1は、動力伝達機構にダウンシフトショック向上のために出力軸トルクが正となったときに働くワンウェイクラッチとエンジンブレーキ作用確保のための油圧クラッチとが並列に設けられた自動変速機のダウンシフト制御装置において、油圧制御型自動変速機にも電子制御型自動変速機にも対応可能でありながら、アクセル足離し状態での減速時にダウンシフトに伴うショックやワンウェイクラッチガタ打ち音を防止することにある。
【0011】
課題2は、トルクコンバータ性能,ダウンシフトの応答時間遅れ,エンジン回転数,車両減速度の各ばらつきにかかわらず、課題1を達成することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
(解決手段1)
上記課題1の解決手段1(請求項1)は、スロットル開度を検出するスロットル開度検出手段と、車両の速度を計測する車速計測手段が設けられ、自動変速機の動力伝達機構に、ダウンシフト時のショック向上のために出力軸トルクが正となったときに働くワンウェイクラッチと、エンジンブレーキの作用を確保するために締結される油圧クラッチとが並列に設けられ、スロットル開度検出によるアクセル足離し状態での減速時、車速がダウンシフト線を横切る車速となったらダウンシフトを実行する自動変速機のダウンシフト制御装置において、前記油圧クラッチ解放状態におけるアクセル足離し状態での減速時、前記ダウンシフト線を、ダウンシフト後の変速位置での出力軸トルクが正となる車速よりも高速側に設定したことを特徴とする。
【0013】
作用を説明する。
【0014】
スロットル開度検出によるアクセル足離し状態での減速時、車速が次第に低下し、ダウンシフト後の変速位置での出力軸トルクが正となる車速よりも高速側に設定されたダウンシフト線を横切る車速となったら油圧クラッチを解放した状態のままダウンシフトが実行される。
【0015】
よって、アクセル足離し状態での減速時に油圧クラッチを解放した状態のままダウンシフトが行なわれても、ダウンシフト線を高速側に設定しているため、ダウンシフトに伴うショックやワンウェイクラッチガタ打ち音が防止される。
【0016】
なぜなら、ダウンシフト後の変速位置でのワンウェイクラッチ締結トルクが大きいほどダウンシフトショックやワンウェイクラッチガタ打ち音が大きく発生するが、ダウンシフト線を高速側に設定することで、ワンウェイクラッチ締結トルクに比例する出力軸トルクがダウンシフト後の変速位置で低く抑えられることによる。
【0017】
また、ショックやワンウェイクラッチガタ打ち音対策を、ダウンシフト線を車速方向にスライドすることにより行なっているため、車速センサからの検出車速が高速側でシフトソレノイドを切り換える電子制御型自動変速機のみならず、車速対応圧であるガバナ圧が高圧側でシフトバルブを切り換える油圧制御型自動変速機にも対応可能である。
【0018】
(解決手段2)
上記課題2の解決手段2(請求項2)は、請求項1記載の自動変速機のダウンシフト制御装置において、
前記ダウンシフト線を、ダウンシフトによるショックが許容ショックレベル以下となる出力軸トルクを設定出力軸トルクとし、トルクコンバータ性能,ダウンシフトの応答時間遅れ,エンジン回転数,車両減速度の各ばらつきを考慮し、各ばらつきにかかわらず実出力軸トルクが設定出力軸トルク以下となる車速をダウンシフト車速とする手法により設定したことを特徴とする。
【0019】
作用を説明すると、ダウンシフト線を設定するにあたって、ダウンシフトによるショックが許容ショックレベル以下となる出力軸トルクが設定出力軸トルクとされ、トルクコンバータ性能,ダウンシフトの応答時間遅れ,エンジン回転数,車両減速度の各ばらつきが実験データ等により求められ、各ばらつきを考慮し、ばらつきによる変動量にかかわらず実出力軸トルクが設定出力軸トルク以下となる車速がダウンシフト車速とされる。
【0020】
よって、トルクコンバータ性能,ダウンシフトの応答時間遅れ,エンジン回転数,車両減速度の各ばらつきにかかわらず、スロットル開度検出によるアクセル足離し状態での減速時にダウンシフトに伴うショックやワンウェイクラッチガタ打ち音が防止される。
【0021】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
実施の形態1は、解決手段1及び解決手段2に対応する自動変速機のダウンシフト制御装置である。
【0022】
まず、構成を説明する。
【0023】
図1は実施の形態1のダウンシフト制御装置が適用された自動変速機の制御系統図である。
【0024】
この自動変速機は、マイクロンピュータを内蔵したA/Tコントロールユニットからの指令により変速制御,オーバランクラッチ制御,ロックアップ制御,ライン圧制御を行なう電子制御型の自動変速機である。
【0025】
A/Tコントロールユニットには、入力情報として、車速センサ2信号,A/TモードSW信号,キックダウンSW信号,OD.SW信号,クルーズ信号,OD解除信号,アイドルSW信号,フルスロットルSW信号,スロットルセンサ信号,エンジン回転信号,インヒビターSW信号,温度センサ信号,車速センサ1信号が入力される。そして、シフトソレノイドA,シフトソレノイドB,オーバーランクラッチソレノイド,ロックアップソレノイド,ライン圧ソレノイドに対してソレノイド駆動指令,ドロッピングレジスタに対してレジスタ指令,A/Tモードインジケータランプに対してランプ点灯指令が出力される。
【0026】
図2は実施の形態1のダウンシフト制御装置が適用された自動変速機の動力伝達機構を示す図、図3は実施の形態1のダウンシフト制御装置が適用された自動変速機の動力伝達機構に用いられた変速要素とその作動状態を示す図である。
【0027】
図2において、1はトルクコンバータ、2はオイルポンプ、3はインプットシャフト、4はフロントサンギヤ、5はフロントピニオン、6はフロントリングギヤ、7はフロントピニオンキャリヤ、8はリヤサンギヤ、9はリヤピニオン、10はリヤリングギヤ、11はリヤピニオンキャリヤ、12はアウトプットシャフト、13はパーキングポール、14はパーキングギヤである。
【0028】
2組の遊星歯車により前進4速,後退1速のギヤ位置を得る変速要素として、バンドブレーキB/B、リバースクラッチR/C、ハイクラッチH/C、フォワードクラッチF/C、フォワードワンウェイクラッチF/OWC、オーバランクラッチO/C、ロー&リバースブレーキL&R/B、ローワンウェイクラッチL/OWCが設けられている。
【0029】
これらの変速要素は、図3に示す通り、各レンジ位置及びDレンジ,2レンジ,1レンジの各シフト位置で作動する。
【0030】
この変速要素のうち前記フォワードワンウェイクラッチF/OWC(請求項のワンウェイクラッチに相当)は、ダウンシフト時に回転同期タイミングで締結させることで変速ショックを向上させるために設けられている。
【0031】
このフォワードワンウェイクラッチF/OWCは、エンジンからの駆動力を車輪へ伝達する加速時には作動するが、車輪からの逆駆動力が伝わる減速時には空転するためにエンジンへ逆駆動力を伝えることができず、エンジンブレーキが作用しなくなる。そこで、エンジンブレーキ必要時(ODスイッチOFFのDレンジ,2レンジ,1レンジ)には、フォワードワンウェイクラッチF/OWCと並列に設けられているオーバランクラッチO/C(請求項の油圧クラッチに相当)を油圧供給により締結し、エンジンブレーキの作用を確保している。
【0032】
次に、作用を説明する。
【0033】
[変速制御作用]
図4は実施の形態1のダウンシフト制御装置が適用された自動変速機の変速制御での各ギヤ位置とシフトソレノイドの関係を示す図であり、図5は実施の形態1のダウンシフト制御装置が適用された自動変速機のA/Tコントロールユニット内に記憶設定されている変速点特性モデル図である。
【0034】
変速制御は、アクセル開度に相当するスロットルセンサからの信号及び車速に相当する車速センサ2からの信号により、A/Tコントロールユニットからコントロールバルブユニットに設けられたシフトソレノイドA及びシフトソレノイドBに信号を送り、設定された変速点特性のアップシフト線及びダウンシフト線に従い最適なギヤ位置に自動的に切り換えることで行なわれる。
【0035】
前記シフトソレノイドAは、図外のシフトバルブA(変速切換バルブ)の作動を制御し、シフトソレノイドBは、図外のシフトバルブB(変速切換バルブ)の作動を制御する。シフトバルブは、シフトソレノイドON信号によりバルブスプールの端面にパイロット圧が作用し、反対方向からのスプリング力に打ち勝ってバルブスプールをストロークさせ、油路を切り換える。
【0036】
そして、各ギヤ位置と2つのシフトソレノイドの作動・非作動関係は、図4に示す通りであり、2つのシフトソレノイドに対するON・OFFの組み合わせにより1速〜4速のギヤ位置を得るようにしている。
【0037】
ギヤ位置は、図5に示す変速点特性モデル上において、検出される走行状態点(検出スロットル開度と検出車速により決まる点)が属する領域に従って決定され、そして、車速上昇等により検出される走行状態点の移動でアップシフト線を横切ると変速指令が出され、この変速指令に基づいてシフトソレノイドへ信号が送られアップシフトが実行される。また、車速低下等により検出される走行状態点の移動でダウンシフト線を横切ると変速指令が出され、この変速指令に基づいてシフトソレノイドへ信号が送られダウンシフトが実行される。
【0038】
[変速点特性モデルの3−2ダウンシフト線設定作用]
上記変速制御で用いられる変速点特性モデルの3−2ダウンシフト線の設定について説明する。
【0039】
まず、本発明者は、3−2実変速車速を変え、各車速での2速時出力軸トルクTQ と前後G(ショックを評価する前後加速度)とを測定した。
【0040】
この測定結果が図6に示すグラフであり、トルク特性線上にG変化によるショック評価を書き込んだ。この測定結果により、変速後の2速時出力軸トルクTQ が小さいほど3−2ショックが発生しにくい(G変動量が小さい)ということが判明した。
【0041】
同時に、前後Gの実車波形を測定した結果、一発目は突き上げ方向であり、これは3−2ダウンシフト時のフォワードワンウェイクラッチF/OWCの締結ショックと思われる。よって、2速時出力軸トルクTQ とフォワードワンウェイクラッチF/OWCの締結トルクとは比例関係にあるため、2速時に出力軸トルクTQ が小さいほどショックが発生しにくいことの裏付けとなった。
【0042】
この図6の測定結果により、3−2ダウンシフトによるショックが許容ショックレベル以下、つまり、2速時出力軸トルクTQ がTQA以下のトルク領域となるのは、3−2実変速車速V3−2 がV3−2A以上の車速領域であると分かった。
【0043】
以上により、ショックが抑えられたアクセル足離し3−2ダウンシフトを得るには、3−2実変速車速V3−2 がV3−2A以上となるように変速点特性モデルの3−2ダウンシフト線設定する必要がある。
【0044】
この場合、車速が低下している車両減速状態で、変速指令が出力されてから3−2ダウンシフトが終了するまでには所定の時間を要することで、少なくとも変速時間の間に車両がどの程度減速するかを考慮する必要がある。
【0045】
簡単な3−2ダウンシフト車速の設定は、通常の3−2ダウンシフトに要する変速時間の間での車速低下量V0 を決め、3−2実変速車速V3−2Aにこの車速低下量V0 を加えて3−2ダウンシフト車速V3−2D(=V3−2A+V0 )とする手法がある。
【0046】
しかし、この場合、トルクコンバータ性能のばらつきやエンジンアイドル回転のばらつきに対しG変動がないことを保証することはできない。
【0047】
そこで、本発明者は、トルクコンバータ性能,ダウンシフトの応答時間遅れ,エンジン回転数,車両減速度の各ばらつきを実験データにより求め、各ばらつきを考慮してばらつきによる車速変動量V0Aを決め、3−2実変速車速V3−2Aにこの車速変動量V0Aを加えて3−2ダウンシフト車速V3−2D(=V3−2A+V0A)とする手法により設定した。尚、2速時出力軸トルクTQ がTQ =0となる車速をV3−20とした場合、V3−2A<V3−20<V3−2Dという関係になり、3−2ダウンシフト車速V3−2Dは、ダウンシフト後の2速ギヤ位置での2速時出力軸トルクTQ がTQ >0となる車速よりも高速側に設定される。
【0048】
さらに、3−2ダウンシフト車速V3−2Dは大きな車速に設定すれば応答時間遅れ等に影響されず必ず3−2実変速車速V3−2Aより大きな車速にて3−2ダウンシフトを実行することができるが、この場合、燃費,排気,運転性,変速頻度等に対する影響が大きくなるため、車両に対する成立性を失う。
【0049】
この結果、3−2ダウンシフト車速V3−2Dは、各ばらつきによる影響排除と車両に対する成立性とを両立する値に設定されるもので、具体的には、図5に示すように、3−2ダウンシフト線(点線)が従来の3−2ダウンシフト線(1点鎖線)に比べてΔVだけ高速側に移動して設定されることになる。
【0050】
[3−2ダウンシフト作用]
ODスイッチをONにしたDレンジで、スロットル開度検出によるアクセル足離し状態での減速時、車速が次第に低下し、ダウンシフト後の2速ギヤ位置での2速時出力軸トルクTQ が正となる車速よりも高速側に設定された3−2ダウンシフト線を横切る車速となったら(図7のA点)、オーバランクラッチO/Cを解放した状態のまま3−2ダウンシフトが実行される。
【0051】
よって、スロットル開度検出によるアクセル足離し状態での減速時にオーバランクラッチO/Cを解放した状態のまま3−2ダウンシフトが行なわれても、3−2ダウンシフト線を高速側に設定しているため、フォワードワンウェイクラッチF/OWCの締結は図7のB点で行なわれ、この時の2速時出力軸トルクTQ はほぼゼロであり、3−2ダウンシフトに伴うショックやワンウェイクラッチガタ打ち音が防止される。
【0052】
なぜなら、3−2ダウンシフトが図7のC点で行なわれた場合には、2速時出力軸トルクTQ が大きく、3−2ダウンシフトショックやワンウェイクラッチガタ打ち音が大きく発生する。これに対し、3−2ダウンシフト線を高速側に設定することで、フォワードワンウェイクラッチF/OWCの締結トルクに比例する2速時出力軸トルクTQ が3−2ダウンシフト後の2速ギヤ位置で低く抑えられることによる。
【0053】
次に、効果を説明する。
【0054】
(1)動力伝達機構にダウンシフトショック向上のためのフォワードワンウェイクラッチF/OWCとエンジンブレーキ作用確保のためのオーバランクラッチO/Cとが並列に設けられた自動変速機のダウンシフト制御装置において、スロットル開度検出によるアクセル足離し状態での減速時、車速が3−2ダウンシフト線を横切る車速となったらオーバランクラッチO/Cを解放した状態のまま3−2ダウンシフトを実行するに際し、3−2ダウンシフト線を、3−2ダウンシフト後の2速ギヤ位置での2速時出力軸トルクTQ が正となる車速よりも高速側に設定したため、実施の形態1で示した電子制御型自動変速機以外に油圧制御型自動変速機にも対応可能でありながら、スロットル開度検出によるアクセル足離し状態での減速時に3−2ダウンシフトに伴うショックやワンウェイクラッチガタ打ち音を防止することができる。
【0055】
尚、油圧制御型自動変速機に対応する時は、車速対応圧であるガバナ圧が高圧側でシフトバルブのバルブスプールがストロークして油路を切り換えるように、ガバナ圧受圧面積やスプリングを設定する。
【0056】
(2)3−2ダウンシフト線を、3−2ダウンシフトによるショックが許容ショックレベル以下となる2速時出力軸トルクTQAを設定出力軸トルクとし、トルクコンバータ性能,ダウンシフトの応答時間遅れ,エンジン回転数,車両減速度の各ばらつきを考慮し、各ばらつきにかかわらず実2速時出力軸トルクTQ が設定2速時出力軸トルクTQA以下となる車速をダウンシフト車速V3−2Dとする手法により設定したため、トルクコンバータ性能,3−2ダウンシフトの応答時間遅れ,エンジン回転数,車両減速度の各ばらつきにかかわらず、スロットル開度検出によるアクセル足離し状態での減速時に3−2ダウンシフトに伴うショックやワンウェイクラッチガタ打ち音を防止することができる。
【0057】
(その他の実施の形態)
実施の形態1では、3−2ダウンシフトの例を示したが、2−1ダウンシフトや3−1ダウンシフトでも同様の考え方により適用することができる。
【0058】
実施の形態1では、電子制御型自動変速機への適用例を示したが、上記のガバナ圧受圧面積の設定やスプリングの設定を行なうことで、油圧制御型自動変速機にも適用することができる。
【0059】
【発明の効果】
請求項1記載の発明にあっては、動力伝達機構にダウンシフトショック向上のために出力軸トルクが正となったときに働くワンウェイクラッチとエンジンブレーキ作用確保のための油圧クラッチとが並列に設けられた自動変速機のダウンシフト制御装置において、スロットル開度検出によるアクセル足離し状態での減速時、車速がダウンシフト線を横切る車速となったらダウンシフトを実行するに際し、油圧クラッチ解放状態では、ダウンシフト線を、ダウンシフト後の変速位置での出力軸トルクが正となる車速よりも高速側に設定したため、油圧制御型自動変速機にも電子制御型自動変速機にも対応可能でありながら、アクセル足離し状態での減速時にダウンシフトに伴うショックやワンウェイクラッチガタ打ち音を防止することができるという効果が得られる。
【0060】
請求項2記載の発明にあっては、請求項1記載の自動変速機のダウンシフト制御装置において、ダウンシフト線を、ダウンシフトによるショックが許容ショックレベル以下となる出力軸トルクを設定出力軸トルクとし、トルクコンバータ性能,ダウンシフトの応答時間遅れ,エンジン回転数,車両減速度の各ばらつきを考慮し、各ばらつきにかかわらず実出力軸トルクが設定出力軸トルク以下となる車速をダウンシフト車速とする手法により設定したため、トルクコンバータ性能,ダウンシフトの応答時間遅れ,エンジン回転数,車両減速度の各ばらつきにかかわらず、上記効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1のダウンシフト制御装置が適用された自動変速機の制御系統図である。
【図2】実施の形態1のダウンシフト制御装置が適用された自動変速機の動力伝達機構を示す図である。
【図3】実施の形態1のダウンシフト制御装置が適用された自動変速機の動力伝達機構に用いられた変速要素とその作動状態を示す図である。
【図4】実施の形態1のダウンシフト制御装置が適用された自動変速機の変速制御での各ギヤ位置とシフトソレノイドの関係を示す図である。
【図5】実施の形態1のダウンシフト制御装置が適用された自動変速機のA/Tコントロールユニット内に記憶設定されている変速点特性モデル図である。
【図6】3−2実変速車速を変え、各車速での2速時出力軸トルクTQ とショックを評価する前後Gとの測定結果を示すグラフである。
【図7】3−2ダウンシフト時にダウンシフト車速を高速側とするか低速側とするかの違いにより2速時出力軸トルクが大きく異なることを示す車速−出力軸トルク特性図である。
【図8】3−2ダウンシフトを3−1ダウンシフト→1−2アップシフトにより行なう場合のフォワードワンウェイクラッチの締結トルクを示す車速−締結トルク特性図である。
【符号の説明】
1 トルクコンバータ
12 アウトプットシャフト(出力軸)
F/OWC フォワードワンウェイクラッチ(ワンウェイクラッチ)
O/C オーバランクラッチ(油圧クラッチ)

Claims (2)

  1. スロットル開度を検出するスロットル開度検出手段と、車両の速度を計測する車速計測手段が設けられ、
    自動変速機の動力伝達機構に、ダウンシフト時のショック向上のために出力軸トルクが正となったときに働くワンウェイクラッチと、エンジンブレーキの作用を確保するために締結される油圧クラッチとが並列に設けられ、
    スロットル開度検出によるアクセル足離し状態での減速時、車速がダウンシフト線を横切る車速となったらダウンシフトを実行する自動変速機のダウンシフト制御装置において、
    前記油圧クラッチ解放状態におけるアクセル足離し状態での減速時、前記ダウンシフト線を、ダウンシフト後の変速位置での出力軸トルクが正となる車速よりも高速側に設定したことを特徴とする自動変速機のダウンシフト制御装置。
  2. 請求項1記載の自動変速機のダウンシフト制御装置において、
    前記ダウンシフト線を、ダウンシフトによるショックが許容ショックレベル以下となる出力軸トルクを設定出力軸トルクとし、トルクコンバータ性能,ダウンシフトの応答時間遅れ,エンジン回転数,車両減速度の各ばらつきを考慮し、各ばらつきにかかわらず実出力軸トルクが設定出力軸トルク以下となる車速をダウンシフト車速とする手法により設定したことを特徴とする自動変速機のダウンシフト制御装置。
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