JP3319041B2 - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

自動変速機の油圧制御装置

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JP3319041B2 JP14549793A JP14549793A JP3319041B2 JP 3319041 B2 JP3319041 B2 JP 3319041B2 JP 14549793 A JP14549793 A JP 14549793A JP 14549793 A JP14549793 A JP 14549793A JP 3319041 B2 JP3319041 B2 JP 3319041B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高速段と低速段とを
設定可能な変速機部と、3つ以上の変速段を設定可能な
他の変速機部とを連結した構成の自動変速機における油
圧制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、燃費を改善し、また高速走行時の
静粛性を良好にするために、この種の自動変速機が多用
されている。その一例は、第1の変速機部を変速比が
“1”以下のオーバードライブ段とそれより変速比が大
きい低速段とに変速することのできる構成とし、また第
2の変速機部を3速もしくは4速を達成できる構成とし
て、これらを中間軸で直接連結した自動変速機である。
また他の例は、3速に変速可能な第1の変速機部と、変
速比が“1”の高速段とそれより変速比の大きい低速段
とに変速可能な第2の変速機部とを、ギヤ比が“1”よ
り小さいカウンタギヤ対で連結した自動変速機である。
【0003】前者の例が特開平5−1763号公報に記
載されている。この公報に記載された自動変速機は、変
速比が“1”の低速段とオーバードライブ段とを設定可
能なオーバードライブ部と、直結段である第3速までの
変速段を設定できる3速変速部とを直列に連結したもの
であり、それぞれの変速機部の変速段の組み合わせによ
り前進6段・後進1段の変速段が設定可能とされてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで従来一般の自
動変速機では、車速の増大に伴うアップシフトを抑制し
て駆動力を高くし、またエンジンブレーキを効かせるた
めに、手動操作によって走行レンジを切り換えるよう構
成されている。例えばドライブ(D)レンジでは、オー
バードライブ段を含むすべての前進段を達成可能とし、
またセカンド(S)レンジでは第3速もしくは第2速あ
るいは第1速へのダウンシフトおよび第3速または第2
速までのアップシフトを可能とし、さらにロー(L)レ
ンジでは、第2速もしくは第1速へのダウンシフトのみ
を可能としている。これらのレンジの設定は、車速やス
ロットル開度などの走行状態に基づいて変速段を決定す
る変速線図を各レンジによって異ならせ、またシフトレ
バーによってレンジを選択することによりマニュアルバ
ルブが切り替わって所定の変速段を設定する油路構成と
なるようにして実行される。
【0005】したがって所定の高車速での走行中にDレ
ンジからLレンジに切り換えることにより、オーバード
ライブ段から第2速へ直接変速するダウンシフトが生じ
る場合がある。これは、エンジンのオーバーランを防止
するために第1速への変速を生じさせないためであり、
またマニュアルバルブが切り替わることによる油路構成
が第3速を達成しない構成のためである。このような変
速は、例えばオーバードライブ部のオーバードライブ状
態から直結状態への変速と、3速変速部の第3速状態か
ら第2速状態への変速とによって達成されるが、それら
の変速部で生じる変速のタイミングによっては、変速シ
ョックが悪化し、また摩擦係合装置の耐久性が低下す
る。
【0006】すなわち3速変速部の第3速から第2速へ
のダウンシフトが、オーバードライブ部の直結状態への
ダウンシフトに対して早く生じた場合、3速変速部の入
力要素が増速されるために、これに連結してあるオーバ
ードライブ部の出力要素が増速させられる。この状態で
オーバードライブ状態を達成するために固定していた要
素を解放すると、出力要素が増速させられているため
に、この解放された固定要素が相対的に逆回転しようと
する。したがってこの状態からオーバードライブ部を直
結状態にするためには、その逆回転しようとする要素
を、これとは反対に正回転するようにトルクを与える必
要がある。したがってこのような作用をなすクラッチに
は、前記固定要素の逆回転分の負荷が余計にかかること
になり、その耐久性が低下するおそれがある。またそれ
に伴って出力軸トルクの変化が大きくなり、変速ショッ
クが悪化するおそれもある。
【0007】このような不都合を解消するためには、3
速変速部のうち第3速から第2速へのダウンシフトを実
行するために係合する摩擦係合装置に対して油圧を供給
する油路にオリフィス等の遅延手段を設けておき、オー
バードライブ部をダウンシフトさせるために係合する摩
擦係合装置に対する油圧の供給速度に対して、上記の3
速変速部の摩擦係合装置に対する油圧の供給速度を遅く
することが考えられる。このようにすれば、オーバーブ
ライブ部と3速変速部とを共にダウンシフトさせる変速
の場合、オーバードライブ部のダウンシフトが先行して
生じるので、上述したような不都合を未然に防止するこ
とが可能である。
【0008】しかしながらオーバードライブ部は変速さ
せずに3速変速部のみをダウンシフトさせて所定の変速
段を達成する場合もあり、このような場合、前述した遅
延手段を3速変速部に設けてあれば、その摩擦係合装置
が所定のトルク容量をもつまでの時間、すなわち摩擦係
合装置が係合して3速変速部のダウンシフトが終了する
までの時間が長くなってしまう。すなわち前述した遅延
手段を設けた場合には、3速変速部のみをダウンシフト
する変速の場合の変速遅れが顕著になる不都合が生じ
る。
【0009】この発明は上記の事情に鑑みてなされたも
ので、第1および第2の変速機部を共にダウンシフトす
るオーバードライブ段からのダウンシフトの際の変速シ
ョックの悪化を防止し、またクラッチなどの摩擦係合装
置の耐久性の維持に有利な自動変速機用の油圧制御装置
を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、図1に示す構成としたことを特徴と
するものである。すなわちこの発明は、低速段と高速段
とに変速可能な第1変速機部1と3つ以上の変速段に変
速可能な第2変速機部2とを有し、第1の摩擦係合装置
3のみを係合させることにより第1変速機部1を変速し
て達成する変速段と、第2の摩擦係合装置4のみを係合
させることにより第2変速機部2を変速して達成する変
速段と、第1および第2の摩擦係合装置3,4を係合さ
せて各変速機部1,2を変速して達成する変速段とを設
定することのできる自動変速機Aの油圧制御装置におい
て、前記第1および第2の摩擦係合装置3,4を係合さ
せて各変速機部1,2を共に変速する変速を検出する同
時変速検出手段5と、この同時変速検出手段5が上記の
変速を検出した場合に、第1の摩擦係合装置3に対する
油圧の供給を第2の摩擦係合装置4に対する油圧の供給
に対して相対的に速くする油圧供給調整手段6とを備え
ていることを特徴とするものである。
【0011】
【作用】この発明においては、第1の摩擦係合装置3に
油圧を供給してこれを係合させれば、第1変速機部1で
変速が生じ、また第2の摩擦係合装置4を係合させれ
ば、第2変速機部2で変速が生じる。これらの変速機部
1,2のうち第1変速機部1は、低速段と高速段とに設
定可能であって、オーバードライブ部とすることができ
る変速機部である。またこれらの変速機部1,2を共に
変速させれば、いずれか一方の変速機部のみを変速して
達成する変速段を飛び越す変速を実行することになる。
このような変速は、例えば走行レンジをDレンジからL
レンジに切り換えた場合に生じ、これは同時変速検出手
段5によって検出される。同時変速検出手段5が上述し
たいわゆる同時変速を検出した場合、油圧供給調整手段
6が、第1の摩擦係合装置3に対する油圧の供給を第2
の摩擦係合装置4に対する油圧の供給に対して相対的に
速くする。したがって第1変速機部1の変速が第2変速
機部2の変速に対して先行するために、第1変速機部1
の変速がオーバードライブ段からのダウンシフトであっ
ても、第1変速機部1におけるいずれかの回転要素が、
変速後の回転方向とは反対方向に一時的に逆回転するこ
とが防止される。その結果、変速ショックの悪化が防止
され、また摩擦係合装置の負荷が軽減されてその耐久性
の維持に有利になる。
【0012】
【実施例】つぎにこの発明の実施例について説明する。
前述したようにこの発明は高低二段に変速可能な第1変
速機部と、3つ以上の変速段を設定可能な第2変速機部
とを備えた自動変速機を対象としており、この種の自動
変速機の歯車列の一例を図2に示してある。ここに示す
自動変速機Aは、変速機構として、ロックアップクラッ
チ10を有するトルクコンバータ11と、一組の遊星歯
車機構を有する第1変速部12と、二組の遊星歯車機構
によって複数の前進段および後進段を設定する第2変速
部13とを備えている。第1変速部12は、ハイ・ロー
の二段の切換えを行うものであって、その遊星歯車機構
のキャリヤ14がトルクコンバータ11のタービンラン
ナ15に連結されており、またこのキャリヤ14とサン
ギヤ16との間にはクラッチC0 および一方向クラッチ
F0 が相互に並列の関係となるよう設けられ、さらにサ
ンギヤ16とハウジングHu との間にブレーキB0 が設
けられている。
【0013】第2変速部13の各遊星歯車機構における
サンギヤ17,18は、共通のサンギヤ軸19に設けら
れており、この第2変速部13の図における左側(フロ
ント側)の遊星歯車機構におけるリングギヤ20と第1
変速部12におけるリングギヤ21との間に第1クラッ
チC1 が設けられ、また前記サンギヤ軸19と第1変速
部12のリングギヤ21との間に第2クラッチC2 が設
けられている。第2変速部13における図の左側の遊星
歯車機構のキャリヤ22と右側(リヤ側)の遊星歯車機
構のリングギヤ14とが一体的に連結されるとともに、
これらのキャリヤ22とリングギヤ23とに出力軸24
が連結されている。
【0014】そしてバンドブレーキである第1ブレーキ
B1 がサンギヤ軸19の回転を止めるように設けられ、
より具体的には第2クラッチC2 のクラッチドラムの外
周側に設けられており、またサンギヤ軸19とハウジン
グHu との間に、第1一方向クラッチF1 と第2ブレー
キB2 とが直列に配置されており、またリヤ側の遊星歯
車機構におけるキャリヤ25とハウジングHu との間に
第2一方向クラッチF2 と第3ブレーキB3 とが並列に
配置されている。
【0015】上記の自動変速機Aにおける各クラッチC
0 ,C1 ,C2 および各ブレーキB0 ,B1,B2,B3
に油圧を給排する油圧制御装置26は、第1速ないし第
4速および後進段を主に設定するための第1および第2
のソレノイドバルブS1 ,S2 と、ロックアップクラッ
チ10の制御およびブレーキB0 の供給圧の調圧を行う
リニアソレノイドバルブSLUと、ライン油圧PL をスロ
ットル開度に応じて制御するためのリニアソレノイドバ
ルブSLTと、アキュームレータ背圧を制御するためのリ
ニアソレノイドバルブSLNとを備えている。
【0016】これらのソレノイドバルブを制御するため
の電子制御装置(T−ECU)27が設けられており、
これは中央演算処理装置(CPU)および記憶素子(R
OM,RAM)ならびに入出力インターフェースを主体
とするものであって、車速センサーからの信号、インプ
ットスピードセンサーからの信号、油温センサーからの
信号、ニュートラルスタートスイッチからの信号、パタ
ーンセレクトスイッチからの信号、スロットルポジショ
ンセンサーからの信号ならびにその他の信号が入力され
ている。
【0017】上記の自動変速機用の電子制御装置27
は、入力される各信号および予め記憶させられているマ
ップに基づいて、設定するべき変速段やロックアップク
ラッチ10の係合・解放を判断して所定のソレノイドバ
ルブに信号を出力するようになっている。またこの電子
制御装置27および前記油圧制御装置26には、走行レ
ンジを選択するためのシフト装置(図示せず)が接続さ
れており、各レンジに応じて油圧制御装置26における
マニュアルバルブ(図示せず)を切り換えてそのレンジ
に応じた変速段を設定するための油路構成とし、また各
レンジに応じた信号に基づいて電子制御装置27がそれ
ぞれのレンジに応じた変速線図(マップ)を読み出すよ
うになっている。この変速線図は、車速とスロットル開
度とをパラメータとして変速段領域を定めたものであ
り、したがって走行状態が変化することによって変速が
生じる以外に、走行レンジを切り換えることによっても
変速が生じる。
【0018】ここで設定可能な走行レンジと前進走行の
ためのレンジに対応させた変速線図とについて簡単に説
明すると、上記の自動変速機Aは、従来の自動変速機と
同様に、P,R,N,D,S,Lの5つのレンジを設定
できるように構成されている。これらのうちDレンジに
対して前進4段の全ての前進段を設定可能な変速線図が
用意されており、またSレンジについて第3速からのダ
ウンシフト線と第2速へのアップシフト線とを設けた変
速線図が用意されている。さらにLレンジについては、
第2速から第1速へのダウンシフト線のみを設けた変速
線図が用意されている。その一例を図3に示してある。
【0019】したがってDレンジの第4速で走行してい
るときにLレンジにシフトすると、第4速から直接第2
速へ変速するダウンシフトが生じる。この場合、第4速
は、第1変速部12をオーバードライブ段とし、かつ第
2変速部13を第3速状態として設定され、また第2速
は、第1変速部12を直結状態の低速段とし、かつ第2
変速部13を第2速状態として設定されるから、第4速
から第2速への変速は、第1変速部12と第2変速部1
3とを共にダウンシフトする同時変速となる。より具体
的には、第1変速部12において、ブレーキB0 を解放
するとともにクラッチC0 を係合し、また第2変速部1
3においては第2クラッチC2 を解放するとともに第1
ブレーキB1 を係合する。
【0020】このような変速を実行するにあたって、第
1変速部12のダウンシフトを先行させるために、図4
に示す油圧回路が設けられている。図4において符号4
0は、アキュームレータコントロールバルブを示し、こ
れは、通常時は、ライン圧制御用リニアソレノイドバル
ブSLTからの信号圧およびスプリング力によってライン
圧PL を調圧してアキュームレータ背圧PACC を出力
し、変速時には、アキュームレータ背圧用リニアソレノ
イドバルブSLNからの信号圧によって調圧レベルを下げ
てアキュームレータ背圧PACC を低くするようになって
いる。このアキュームレータ背圧PACC は、一方で、セ
カンドコーストモジュレータバルブ41の制御ポート4
2に供給されている。このセカンドコーストモジュレー
タバルブ41はLレンジの第2速を設定する際に、第1
ブレーキB1 を係合させる油圧を調圧するバルブであ
り、その制御ポート42に供給される油圧とスプリング
力とにライン圧PL を対抗させてセカンドコースト圧P
SCを出力するようになっている。
【0021】さらに図4において符号43はカットオフ
バルブを示し、ライン圧制御用リニアソレノイドバルブ
SLTで調圧されたライン圧PL が制御ポート44に入力
され、また第1入力ポート45には、大オリフィス46
を介してセカンドコースト圧PSCが入力され、さらに第
2入力ポート47には小オリフィス48を介してセカン
ドコースト圧PSCが入力されている。これらの入力ポー
ト45,47のうち第2入力ポート47に常時連通され
かつ第1入力ポート45に選択的に連通される第1出力
ポート49に第1ブレーキB1 が連通されている。さら
にアキュームレータ背圧PACC が入力されている第3入
力ポート50と、この第3入力ポート50に選択的に連
通させられる第2出力ポート51とが、形成されてお
り、この第2出力ポート51がアキュームレータ52の
背圧室53に連通されている。そして第1変速部12の
クラッチC0 は、このアキュームレータ52に接続され
ている。
【0022】したがってカットオフバルブ43は、その
制御ポート44に入力されるライン圧PL が低い圧力の
場合には、スプール54が図4に示す位置に押し上げら
れて、第1および第2の入力ポート45,47が第1出
力ポート49に連通し、その結果、第1ブレーキB1 へ
の油圧の供給が促進されるようになっている。またこの
状態では、第3入力ポート50が第2出力ポート51に
連通し、アキュームレータ52の背圧室53に、アキユ
ームレータコントロールバルブ40で調圧されたアキュ
ーレータ背圧PACC が供給される。またカットオフバル
ブ43の制御ポート44に供給されるライン圧PL が高
い場合には、スプール54が図4に示す位置より下側に
押し下げられて、第1および第3の入力ポート45,5
0が閉じられ、その結果、第1ブレーキB1 には小オリ
フィス48を経て第2入力ポート47を介してのみ油圧
が供給され、第1ブレーキB1 への油圧の供給が抑制さ
れる。またこのとき、アキュームレータ52の背圧室5
3には、アキュームレータ背圧PACC は供給されない。
【0023】このように各オリフィス46,48は、第
1ブレーキB1 の実質的な係合開始のタイミングを調整
するものであり、大オリフィス46は第2変速部13の
みの変速で実行される第3速から第2速へのダウンシフ
トの特性(主にタイムラグ)を最適にするように設定さ
れている。また小オリフィス48は、第4速から第2速
へのダウンシフトの際に、クラッチC0 が第1ブレーキ
B1 に先行して係合するように設定されている。
【0024】つぎに上述した制御装置による第4速から
第2速へのダウンシフトの際の制御ルーチンについて説
明する。図5において、車速Vおよびスロットル開度θ
を順に読み込み(ステップ1,2)、ついでLレンジが
設定されているか否かを判断する(ステップ3)。Lレ
ンジが設定されている場合には、第2速へのダウンシフ
トを実行する状態か否かを判断し(ステップ4)、第2
速へのダウンシフを行うべき状態にあれば、そのダウン
シフトがDレンジの第4速からのダウンシフトか否かを
判断する(ステップ5)。すなわち第3速を経ないダウ
ンシフトの場合には、クラッチC0 の係合を第1ブレー
キB1 の係合に先行させる必要があるからである。
【0025】ステップ5の判断結果が“イエス”であれ
ば、スロットル開度θが予め定めた値αより小さいか否
かを判断する(ステップ6)。前述したようにカットオ
フバルブ43のスプール54は、ライン圧PL が高い場
合に図4に示す位置より下側に押し下げられるが、その
ライン圧PL はスロットル開度θに応じて調圧されてい
るから、スロットル開度θがある程度大きければ、特別
な制御を行わなくても、スプール54が押し下げられて
カットオフバルブ43の第1入力ポート45が閉じら
れ、第1ブレーキB1 への油圧の供給が抑制される。そ
のためスロットル開度θが小さくてライン圧PL が低く
調圧される場合においてもカットオフバルブ43の第1
入力ポート45を閉じるように制御するべくステップ6
の判断を行う。すなわちステップ6の判断結果が“イエ
ス”であれば、ステップ7に進んで変速終了を判断し、
変速が未だ終了していなければ、バルブ切換制御用デュ
ーティ比の出力を行う(ステップ8)。これは前述した
ライン圧制御用ソレノイドバルブSLTに対する信号の出
力であって、前記カットオフバルブ43のスプール54
が図4に示す位置より下側に押し下げられる程度にライ
ン圧PL を高めるようにデューティ比を制御する。な
お、図5に示す判断ステップのうちステップ3ないしス
テップ6の判断結果が“ノー”の場合、およびステップ
7の判断結果が“イエス”の場合には制御プロセスはリ
ターンする。
【0026】したがってDレンジの第4速で走行中にL
レンジに切り換えて第2速へのダウンシフトが判断さ
れ、かつその時のスロットル開度θが所定値αより小さ
ければ、ライン圧PL が一時的に昇圧制御され、その結
果、カットオフバルブ43の第1入力ポート45が閉じ
られて、第1ブレーキB1 には小オリフィス48のみを
介して油圧が供給される。そのため、第1ブレーキB1
の係合の開始が遅れて、第1変速部12のクラッチC0
が先に係合する。すなわち第1変速部12がオーバード
ライブ状態から直結状態にダウンシフトされ、ついで第
2変速部13が直結状態の第3速状態から第2速状態に
ダウンシフトされ、全体として第2速にダウンシフトさ
れる。
【0027】このような制御を行った場合の第1変速部
12のサンギヤ16の回転数および出力軸トルクならび
に各摩擦係合装置の油圧の時間的変化を示せば図6のと
おりである。図6のうち実線が上記の制御例を示してお
り、第1変速部12のクラッチC0 が先行して係合する
ために、サンギヤ16の回転数はそのクラッチC0 が係
合し始めるに従って次第に正回転方向に増大する。そし
て出力軸トルクも滑らかに変化する。一方、図6の破線
は、上記の制御を行わない例を示しており、第2変速部
13が先にダウンシフトすることになるため、前記サン
ギヤ16はリングギヤ21の回転数の増大に伴って一時
的に逆回転させられ、その後、クラッチC0 がトルク容
量をもち始めて次第に正回転方向に増速されられる。そ
のため出力軸トルクは前後2回大きく変化し、これが変
速ショックを悪化させることになる。またクラッチC0
が吸収するエネルギ量が多くなってその耐久性が低下す
る。
【0028】ところで上記の制御は、第4速から第2速
へ直接ダウンシフトする際に限って実行されるので、第
2変速部13のみのダウンシフトの際は、大小2つのオ
リフィス46,48を介して第1ブレーキB1 に油圧が
供給され、その係合が遅れることはない。
【0029】なお、この発明は上記の実施例に限られる
ものではないのであって、図2に示す歯車列以外の歯車
列を備えた自動変速機を対象とする油圧制御装置にも適
用することができ、したがって第4速から第2速へのダ
ウンシフト以外の変速の場合にも上述した制御を実施す
ることができる。
【0030】
【発明の効果】以上の説明から明らかなようにこの発明
の油圧制御装置によれば、第1変速機部と第2変速機部
とを共に変速させて自動変速機の全体としての変速を達
成する場合、第1変速機部の変速を先行するシーケンス
を確保でき、その結果、変速ショックや摩擦係合装置の
耐久性を悪化させることを未然に防止することができ
る。また第2変速機部のみの変速の際には摩擦係合装置
への油圧の供給を遅らせないので、その変速の応答遅れ
を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の基本的な構成を示すブロック図であ
る。
【図2】この発明の一実施例を示す模式的なブロック図
である。
【図3】Lレンジについての変速線図である。
【図4】油圧回路の一部を示す図である。
【図5】第4速から第2速へのダウンシフトの際のライ
ン圧の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】第4速から第2速へのダウンシフトの際に図5
に示す制御を実行した場合の第1変速部のサンギヤの回
転数および出力軸トルクならびに各摩擦係合装置の油圧
の時間的変化を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 第1変速機部 2 第2変速機部 3 第1の摩擦係合装置 4 第2の摩擦係合装置 5 同時変速検出手段 6 油圧供給調整手段 A 自動変速機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−1763(JP,A) 特開 平2−154859(JP,A) 特許2712909(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 低速段と高速段とに変速可能な第1変速
    機部と3つ以上の変速段に変速可能な第2変速機部とを
    有し、第1の摩擦係合装置のみを係合させることにより
    第1変速機部を変速して達成する変速段と、第2の摩擦
    係合装置のみを係合させることにより第2変速機部を変
    速して達成する変速段と、第1および第2の摩擦係合装
    置を係合させて各変速機部を変速して達成する変速段と
    を設定することのできる自動変速機の油圧制御装置にお
    いて、 前記第1および第2の摩擦係合装置を係合させて各変速
    機部を共に変速する変速を検出する同時変速検出手段
    と、この同時変速検出手段が上記の変速を検出した場合
    、第1の摩擦係合装置に対する油圧の供給を第2の摩
    擦係合装置に対する油圧の供給に対して相対的に速くす
    る油圧供給調整手段とを備えていることを特徴とする自
    動変速機の油圧制御装置。
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