JP2978331B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

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JP2978331B2
JP2978331B2 JP4135955A JP13595592A JP2978331B2 JP 2978331 B2 JP2978331 B2 JP 2978331B2 JP 4135955 A JP4135955 A JP 4135955A JP 13595592 A JP13595592 A JP 13595592A JP 2978331 B2 JP2978331 B2 JP 2978331B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、走行状態に基づいて
設定すべき変速段を判断しかつ変速を実行する自動変速
モードと手動操作に基づいて変速を実行する手動変速モ
ードとを選択することのできる自動変速機の変速制御装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように車両用の自動変速機は、ク
ラッチやブレーキなどの摩擦係合装置を油圧によって適
宜に係合させて歯車列における動力の伝達経路すなわち
変速比を変えて変速を行うよう構成されている。そして
一般には、設定すべき変速段を車速やエンジン負荷など
に基づいて判断し、その判断結果によって所定の摩擦係
合装置に油圧を供給して目的とする変速段を設定してい
る。したがってその歯車変速装置は、要は、摩擦係合装
置の係合・解放の状態を変えれば変速を実行できるので
あるから、手動操作に基づく信号によってそれらの摩擦
係合装置を適宜に係合させて所定の変速段を設定するこ
ともできる。そこで例えば特開平2−8545号に記載
されたシフト装置では、自動変速モードでのドライブ
(D)レンジの状態からシフトレバーを手動変速モード
位置に切換えるとともに、手動変速モードにおいてプラ
ススイッチもしくはマイナススイッチを操作する都度、
一段づつ変速を行うよう構成している。
【0003】また一方、従来、ある種の自動変速機では
遠心油圧の影響を補正する制御を行っている。すなわち
自動変速機のクラッチは、油圧を供給することによって
係合するようになっているが、ピストンを駆動するシリ
ンダはクラッチと共に回転するから、その内部のオイル
には遠心力が作用し、これが油圧を発生させてピストン
を押すことになり、その結果、クラッチの係合圧が遠心
力に基づいた圧力(遠心油圧)だけ高くなる。したがっ
て所定の圧力に調圧したライン圧をクラッチに供給して
も、クラッチにおける実質的な圧力はそれより高くなる
ので、変速の過渡状態では、クラッチのトルク容量が想
定した容量より高く推移し、その結果、変速ショックが
悪化する不都合がある。そこで、従来ではクラッチの回
転数もしくはこれに連結してある回転部材の回転数を検
出し、その回転数に応じてライン圧の調圧レベルを下げ
ることにより、遠心油圧による影響を是正している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】遠心油圧は、クラッチ
を係合させる油圧サーボ機構の内部のオイル量と回転数
とに応じた圧力となるが、直接検出できるデータは回転
数であるため、従来では、クラッチもしくはこれと一体
の回転部材の回転数を検出し、その値に基づいてライン
圧を制御している。具体的には、変速時にクラッチを係
合させるライン圧を遠心油圧に応じて低くなるよう調圧
している。このような遠心油圧の制御が、回転数センサ
ーや電気系統のフェイルなどによって行えない場合、変
速過渡状態での油圧が、遠心油圧の分だけ不適正になっ
て変速ショックが悪化する。特に手動変速モードでは、
例えば高速段に設定して高速走行している状態で第2速
などの低速段に急激に変速することも可能であるから、
このような場合には、遠心油圧の影響が顕著になって変
速ショックが極端に大きくなったり、クラッチの耐久性
が低下するなどの不都合があった。
【0005】この発明は上記の事情を背景としてなされ
たもので、遠心油圧の影響を解消する制御が不調の場合
に変速ショックが悪化したり摩擦材の耐久性が低下した
りすること防止することのできる変速制御装置を提供す
ることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
上記の目的を達成するために、図1に示す構成としたも
のである。すなわち手動操作に基づいて変速段を設定す
る手動変速が可能で、かつ変速時に遠心油圧による影響
を補正する油圧制御装置2を備えた自動変速機Aの変速
制御装置において、クラッチ3の回転数に基づいて遠心
油圧を求める遠心油圧算定手段4と、遠心油圧を算定で
きないフェイル状態を検出するフェイル検出手段5と、
前記フェイル状態が検出された場合に、手動操作に基づ
いて変速段を設定する手動変速を制限する変速制限手段
6とを有することを特徴とするものである。また、請求
項2に係る発明は、請求項1の構成における前記変速制
限手段6が、少なくとも車速をパラメータに含む所定の
変速禁止領域を、前記フェイル状態が検出されない場合
より低車速側に拡大する手段を備えていることを特徴と
する変速制御装置である。さらに、請求項3の発明は、
請求項1の構成における前記変速制限手段が、手動操作
に基づいて変速段を設定する手動変速自体を禁止する手
段を備えていることを特徴とする変速制御装置である。
【0007】
【作用】請求項1に係る発明によれば、自動変速機Aの
変速時には回転部材の回転に伴う遠心油圧による影響を
補正する油圧の制御を油圧制御装置2によって行う。そ
の遠心油圧の影響は、クラッチ3の回転数に基づいて遠
心油圧算定手段4によって求められる。この遠心油圧の
算定を行えなくなるフェイルが生じると、これをフェイ
ル検出手段5が検出し、それに基づいて変速制限手段6
が手動変速を制限する。その制限内容は種々設定でき、
例えば変速を禁止し、あるいは所定の条件を満たすまで
はアップシフトあるいはダウンシフトを行わないなどの
制限とすることができる。また、請求項2に係る発明に
よれば、請求項1と同様の作用に加えて、遠心油圧を算
定できないフェイル状態が検出されると、所定の変速禁
止領域が低車速側に拡大され、その結果、前記回転部材
の回転数が高い状態での変速すなわち遠心油圧が高い状
態での変速が生じないので、変速ショックの悪化が防止
される。さらに、請求項3の発明では、遠心油圧を算定
できない状態になると、手動操作に基づいて変速段を設
定する手動変速自体が生じなくなるので、遠心油圧の影
響が顕著に現れる変速が生じず、変速ショックの悪化を
防止することができる。
【0008】
【実施例】つぎにこの発明の実施例を図面を参照して説
明すると、図2はこの発明の一実施例の基本的な構成を
示すブロック図であって、ここに示す自動変速機Aは、
走行状態に応じて変速段を設定する自動変速モードと、
手動操作に基づいて変速段を設定する手動変速モードと
を選択できるよう構成されている。すなわち自動変速機
Aは、油圧制御装置2における変速用のソレノイドバル
ブS1 ,S2 ,S3およびライン圧用ソレノイドバルブ
SLT、ロックアップクラッチ用ソレノイドバルブSLU、
ならびにアキュームレータ背圧用ソレノイドバルブSLN
を自動変速機用の電子制御装置(ECU)10によって
制御するとともにシフトレバー11によって操作するシ
フト装置12によりマニュアルバルブ(図示せず)を動
作させて所定の変速段に設定するよう構成されている。
このシフト装置12は、パーキング(P)、リバース
(R)、ニュートラル(N)、ドライブ(D)、第3速
保持(“3”)、第2速保持(“2”)、第1速保持
(L)の各レンジ位置と、第1速ないし第4速を手動操
作で1段づつ変速して設定するマニュアルシフト位置
(ダイレクトモード位置:DM)とをシフトレバー11
によって選択するようになっている。またそのシフトレ
バー11のグリップ部にはアップシフトスイッチ13と
ダウンシフトスイッチ14とが、互いに異なる指で操作
する位置に設けられている。
【0009】前記電子制御装置10は、中央演算素子
(CPU)および記憶素子(ROM,RAM)ならびに
入出力インターフェースを主たる要素とするものであっ
て、車速Vやスロットル開度θ、ブレーキ信号、パター
ンセレクト信号等の各種の信号が入力され、自動変速モ
ードでは走行状態に応じた変速段を設定するよう各シフ
ト用ソレノイドバルブS1 ,S2 ,S3 を制御し、また
手動変速モードでは、アップシフトスイッチ13を1回
操作するごとに一段づつアップシフトするよう油圧制御
装置2の変速用ソレノイドバルブS1 ,S2 ,S3 を動
作させ、またダウンシフトスイッチ14を1回操作する
ごとに一段づつダウンシフトするよう油圧制御装置2の
変速用ソレノイドバルブS1 ,S2 ,S3 を動作させる
ようになっている。なお、シフト装置12における各レ
ンジのシフトポジションは、図3に示すように配列され
ている。
【0010】さらに電子制御装置10は変速時に遠心油
圧の影響を低減もしくは無くすよう構成されており、そ
のための制御を行うデータとして所定の回転部材、例え
ば所定のクラッチC0 の回転数を回転センサー15で検
出して入力されている。より具体的には、検出した回転
数から遠心油圧を算定し、その圧力に応じた分だけライ
ン圧の調圧レベルを下げてクラッチに給排される油圧を
所期どおりの圧力に制御するようになっている。
【0011】上記の自動変速機Aにおける歯車列の一列
を図示すれば、図4のとおりであり、またこの歯車列を
対象として自動変速モードと手動変速モードとで変速を
実行する油圧制御装置2の主要回路部分を図示すれば、
図5のとおりである。
【0012】すなわち図4に示す自動変速機Aには、ロ
ックアップクラッチ20を有するトルクコンバータ21
と、一組の遊星歯車機構を有する第2変速部30と、二
組の遊星歯車機構によって複数の前進段および後進段を
設定する第1変速部40とが設けられている。
【0013】第2変速部30は、ハイ・ローの二段の切
換えを行うものであって、その遊星歯車機構のキャリヤ
31がトルクコンバータ21のタービンランナ22に連
結されており、またこのキャリヤ31とサンギヤ32と
の間にはクラッチC0 および一方向クラッチFo が相互
に並列の関係となるよう設けられ、さらにサンギヤ32
とハウジングHu との間にブレーキB0 が設けられてい
る。そして遠心油圧制御のために、このクラッチC0 の
回転数を検出するセンサー15がクラッチC0の外周側
に配置されている。
【0014】第1変速部40の各遊星歯車機構における
サンギヤ41,42は、共通のサンギヤ軸43に設けら
れており、この第1変速部40の図における左側(フロ
ント側)の遊星歯車機構におけるリングギヤ44と第2
変速部30におけるリングギヤ33との間に第1クラッ
チC1 が設けられ、また前記サンギヤ軸43と第2変速
部30のリングギヤ33との間に第2クラッチC2 が設
けられている。第1変速部40における図の左側の遊星
歯車機構のキャリヤ45と右側(リヤ側)の遊星歯車機
構のリングギヤ46とが一体的に連結されるとともに、
これらのキャリヤ45とリングギヤ46とに出力軸47
が連結されている。
【0015】そしてバンドブレーキである第1ブレーキ
B1 がサンギヤ軸43の回転を止めるように、より具体
的には第2クラッチC2 のクラッチドラムの外周側に設
けられており、またサンギヤ軸43とハウジングHu と
の間に、第1一方向クラッチF1 と第2ブレーキB2 と
が直列に配置されており、またリヤ側の遊星歯車機構に
おけるキャリヤ48とハウジングHu との間に第2一方
向クラッチF2 と第3ブレーキB3 とが並列に配置され
ている。
【0016】上記の歯車列を備えた自動変速機Aは、前
進段で第1速ないし第4速を設定することができ、これ
らのうち第1速および第2速は自動変速モードでエンジ
ンブレーキが効かず、手動変速モードでエンジンブレー
キを効かせる必要があるので、前記油圧制御装置2には
図5に示す油圧回路が組み込まれている。なお、図5で
丸で囲んだ数字は、その数字を付した線同士が接続され
ていることを示す。
【0017】マニュアルバルブ100は、前記シフト装
置12によってスプール101を移動することにより油
圧の給排状態を切換えるものであって、プライマリーレ
ギュレータバルブ(図示せず)で調圧されたライン圧P
L を供給するライン圧油路60が入力ポート102に接
続されており、Dレンジではスプール101が図示の位
置にあって入力ポート102をDポート103に連通さ
せるようになっている。またSレンジではスプール10
1が図の下側に移動して入力ポート102がDポート1
03とSポート104とに連通し、Lレンジではスプー
ル101が更に下側に移動して入力ポート102がDポ
ート103、Sポート104およびLポート105の三
者に連通し、また反対にNレンジではスプール101が
入力ポート102を閉じ、Rレンジでは入力ポート10
2がRポート106に連通し、Pレンジでは入力ポート
102を閉じるとともに、他のポートをドレンポートに
連通するようになっている。
【0018】第1速と第2速との間の変速を行う 1-2シ
フトバルブ200は、四つのランドを有するスプール2
01とその一端部に配置したスプリング202とを備え
てお、スプリング202とは反対側の端部に形成した制
御ポート203が第2ソレノイドバルブS2 に接続さ
れ、第2ソレノイドバルブS2 がOFFのときに、ライ
ン圧油路61からストレーナ62およびオリフィス63
を介して供給されるライン圧PL が制御ポート203に
生じるようになっている。制御ポート203より図での
下側に、最上部のランドで開閉されるセカンドコースト
ポート204と、このセカンドコーストポート204と
ドレンポート205とに選択的に連通される第1ブレー
キポート206とが順に形成され、この第1ブレーキポ
ート206にセカンドコーストモジュレータバルブ64
を介して第1ブレーキB1 が接続されている。またドレ
ンポート205より図での下側に、マニュアルバルブ1
00のDポート103に接続したDポート207が形成
されており、このDポート207と他のドレンポート2
08とに選択的に連通される第2ブレーキポート209
に第2ブレーキB2 が接続されている。前記他のドレン
ポート208より図での下側に更に他のドレンポート2
10が形成されており、このドレンポート210とロー
コーストポート211とに選択的に連通される第3ブレ
ーキポート212に第3ブレーキB3 が接続されてい
る。そしてスプリング202を配置してある最下端部に
ホールドポート213が形成されている。
【0019】第2速と第3速との間の変速を行う 2-3シ
フトバルブ300は、六つのランドを形成したスプール
301と、その一端部(図の下端部)に配置したスプリ
ング302とを有しており、スプリング302とは反対
側の端部に形成した制御ポート303が第1ソレノイド
バルブS1 に接続され、第1ソレノイドバルブS1 がO
FFのときに、前記マニュアルバルブ100のDポート
103からストレーナ65およびオリフィス66を介し
て供給されるライン圧PL が制御ポート303に生じる
ようになっている。この 2-3シフトバルブ300には、
図の上から順に、第1ドレンポート304、ブレーキポ
ート305、第1Dポート306が形成されており、そ
のブレーキポート305が前記 1-2シフトバルブ200
のセカンドコーストポート204に接続されるととも
に、このブレーキポート305を第1ドレンポート30
4と第1Dポート306とに選択的に連通させるように
なっている。上記のポートに続けて、ホールド出力ポー
ト307、入力ポート308、クラッチポート309、
第2ドレンポート310が順に形成されており、第1ド
レンポート304とブレーキポート305とが連通して
いるときに、第1Dポート306とホールド出力ポート
307、入力ポート308とクラッチポート309とが
それぞれ連通し、ブレーキポート305が第1Dポート
306に連通しているときに、ホールド出力ポート30
7と入力ポート308、クラッチポート309と第2ド
レンポート310とがそれぞれ連通するようになってい
る。
【0020】さらに第2ドレンポート310に続けてブ
レーキポート311、第2Dポート312が順に形成さ
れており、クラッチポート309が入力ポート308に
連通しているときに第2ドレンポート310がブレーキ
ポート311に連通し、また反対にクラッチポート30
9が第2ドレンポート310に連通しているときにブレ
ーキポート311と第2Dポート312とが連通するよ
うになっている。さらにまたスプリング302を配置し
てある最下端部にホールドポート313が形成されてい
る。そして前記クラッチポート309に第2クラッチC
2 が接続される一方、前記 1-2シフトバルブ200のホ
ールドポート213とこのクラッチポート309とが接
続されている。またブレーキポート311がローコース
トモジュレータバルブ67を介して 1-2シフトバルブ2
00のローコーストポート211に接続されている。さ
らにホールドポート313がマニュアルバルブ100の
Lポート105に接続され、Lレンジではスプール30
1を図の右半分に示すように押し上げた位置に保持する
ようになっている。
【0021】3-4シフトバルブ400は第2ソレノイド
バルブS2 および 2-3シフトバルブ300のホールド出
力ポート307から送られる油圧によって制御されて、
前述した第2変速部30の変速を実行するものであっ
て、四つのランドが形成されたスプール401とその一
端部に配置したスプリング402とを備えており、スプ
リング402とは反対側の端部に形成した制御ポート4
03が、前述した 1-2シフトバルブ200の制御ポート
203と同様に、第2ソレノイドバルブS2 に接続さ
れ、またスプリング402を配置してある端部に形成し
たホールドポート404が、 2-3シフトバルブ300に
おけるホールド出力ポート307に接続されている。そ
してこの 3-4シフトバルブ400は、第2ソレノイドバ
ルブS2 がOFFとなっていて制御ポート403にライ
ン圧PL が作用している場合に、ライン圧油路61に接
続してある入力ポート405が、ブレーキB0 を接続し
てあるブレーキポート406に連通し、また反対に制御
ポート403から排圧されている場合あるいはホールド
ポート404に油圧が作用している場合に入力ポート4
05が、クラッチC0 を接続してあるクラッチポート4
07に連通するようになっている。
【0022】そしてマニュアルバルブ100のDポート
103に第1クラッチC1 が接続されるとともに、この
第1クラッチC1 から 2-3シフトバルブ300の第1お
よび第2のDポート306,312に至る油路68の途
中に、手動変速モードでの第1速と第2速とでエンジン
ブレーキを効かせるため、換言すれば自動変速モードで
の第1速と第2速とでのエンジンブレーキを阻止するた
めのコーストブレーキカットオフバルブ500が設けら
れている。これは、第1クラッチC1 に接続してあるク
ラッチポート501と 2-3シフトバルブ300の第1お
よび第2のDポート306,312に接続してあるブレ
ーキポート502とを選択的に連通させるものであっ
て、スプリング503によって一方向に押圧されたスプ
ール504を有するとともに、スプリング503を配置
した端部に形成されているホールドポート505がマニ
ュアルバルブ100のSポート104に接続され、また
これとは反対側の端部に形成した制御ポート506が第
3ソレノイドバルブS3 に接続されている。そしてこの
第3ソノイドバルブS3 は、第1クラッチC1 と制御ポ
ート506とを、ストレーナ69およびオリフィス70
を介して接続している油路71に介装され、OFF状態
でドレンポートを閉じて制御ポート506にライン圧P
L を生じさせ、ON状態でドレンポートを開いて制御ポ
ート506から排圧するようになっている。
【0023】上記の各ソレノイドバルブS1 ,S2 ,S
3 が図6に示すようにONもしくはOFFとされるの
で、 1-2シフトバルブ200では、第1速で右半分に示
すようにスプール201が押し下げられ、それ以外の前
進段ではスプール201が図の左半分に示すように押し
上げられ、また 2-3シフトバルブ300では、第1速お
よび第2速で図の右半分に示すようにスプール301が
押し上げられ、第3速および第4速ではスプール301
が図の左半分に示すように押し下げられ、さらに3-4シ
フトバルブ400では、第1速ないし第3速でスプール
401が図の右半分に示すように押し上げられ、第4速
で図の左半分に示すように押し下げられる。その結果、
各摩擦係合装置が図6に示すように係合あるいは解放さ
れて各変速段が設定される。
【0024】なお、図6は作動表であって、○印はソレ
ノイドバルブについてON、摩擦係合装置については係
合を示し、また×印はソレノイドバルブについてOF
F、摩擦係合装置については解放を示す。
【0025】ここで特に手動変速モードでの第1速と第
2速とについて説明すると、これらの変速段を設定する
場合、第3ソレノイドバルブS3 はONとされるので、
コーストブレーキカットオフバルブ500の制御ポート
506から排圧され、そのスプール504がスプリング
503によって図の左半分に示す位置へ押し上げられ
る。その結果、クラッチポート501とブレーキポート
502とが連通するので、 2-3シフトバルブ300の第
1Dポート306と第2Dポート312とにライン圧P
L が供給される。一方、 2-3シフトバルブ300は、第
1速および第2速を設定する際に、第1ソレノイドバル
ブS1 がONとされて制御ポート303から排圧され、
それに伴ってスプール301が図の右半分に示す位置に
押し上げられているから、第1Dポート306がブレー
キポート305に連通し、第2Dポート312がブレー
キポート311に連通する。すなわちこれらのブレーキ
ポート305,311にそれぞれ接続されている 1-2シ
フトバルブ200のセカンドコーストポート204とロ
ーコーストポート211とにライン圧PL が供給され
る。
【0026】この 1-2シフトバルフ200は、第1速の
ときに第2ソレノイドバルブS2 がOFFとなって制御
ポート203に油圧が供給されることによりスプール2
01が図の右半分に示す位置に押し下げられるから、ロ
ーコーストポート211が第3ブレーキポート212に
連通し、その結果、ここに接続してある第3ブレーキB
3 に油圧が供給されてこれが係合する。すなわち図4に
示す歯車列において、第2一方向クラッチF2 と並列の
関係にある第3ブレーキB3 が係合するためにキャリヤ
48の正逆両方向への回転が阻止され、エンジンブレー
キを効かせることができる。
【0027】また 1-2シフトバルブ200は第2速の際
に、第2ソレノイドバルブS2 がONとなって制御ポー
ト203から排圧され、そのスプール201が図の左半
分に示す位置へ押し上げられるから、セカンドコースト
ポート204が第1ブレーキポート206に連通し、そ
の結果、ここに接続してある第1ブレーキB1 が係合す
る。すなわち図4に示す歯車列において、第1一方向ク
ラッチF1 および第2ブレーキB2 に対して並列の関係
にある第1ブレーキB1 が係合することにより、第1変
速部40におけるサンギヤ41,42の正逆両方向の回
転が阻止され、エンジンブレーキを効かせることができ
る。
【0028】図4に示す歯車列および図5に示す油圧回
路を備えた自動変速機Aは、上述したように自動変速モ
ードによる変速と手動変速モードによる変速とを行うこ
とができ、そのモードの切換えおよび手動変速モードで
の各変速段の選択は、前述したシフト装置12によって
行う。すなわちシフトレバー11によってDレンジを選
択すれば、車速やスロットル開度などの走行状態に基づ
いて自動的に各変速段に設定され、またシフトレバー1
1をダイレクトモード位置DMに設定し、その状態でア
ップシフトスイッチ13もしくはダウンシフトスイッチ
14を操作すれば、その都度、一段づつアップシフトも
しくはダウンシフトするよう電子制御装置10が油圧制
御装置2のソレノイドバルブS1 ,S2 ,S3 に信号を
出力して、現在の変速段に対して1段高速側もしくは低
速側の変速段段への変速指令信号を出力する。
【0029】変速を実行する場合、遠心油圧による影響
を避けるために、回転センサー15によってクラッチC
0 の回転数を検出し、その回転数に応じてライン圧の調
圧レベルを下げている。これは回転数センサー15から
入力される信号に基づいて電子制御装置10が演算して
行うが、これらの遠心油圧の制御系統にフェイルが生じ
た場合、手動変速モードで変速操作が行われても、変速
が禁止もしくは制限される。そのための制御は図7に示
すフローチャートに従って行われる。
【0030】先ずステップ1でアクセル操作量θ、車速
V、シフト装置12からのシフトポジション信号および
アップシフトスイッチ13やダウンシフトスイッチ14
からの信号、シフトパターンセレクト信号などの各信号
の入力処理を行う。ついでステップ2で手動変速モード
(すなわちダイレクトモード)が選択されているか否か
を判断し、その判断結果が“ノー”であれば、制御プロ
セスはリターンし、また“イエス”であれば、ステップ
3に進んで遠心油圧の算定手段がフェイルしているか否
か、具体的にはクラッチC0 の回転数の検出系統がフェ
イルしているか否かを判断し、フェイルしていれば変速
禁止領域Aを設定し(ステップ4)、またフェイルして
いなければ変速禁止領域Bを設定する(ステップ5)。
【0031】これらの変速禁止領域は、車速とスロット
ル開度とをパラメータとして決めた領域であって、一例
として第3速から第2速へのダウンシフトについての変
速禁止領域Aおよび変速禁止領域Bを示せば、図8のと
おりである。この図8に示すように、変速禁止領域Aは
変速禁止領域Bに対して低車速および低スロットル開度
側に広がっている。なお、この変速禁止領域A、Bは各
変速の種類に応じて領域が変更される。変速禁止領域を
このように設定した後、ステップ6で第3速から第2速
への変速状態が生じたか否かを判断し、その判断結果が
“イエス”であれば、ステップ7において図8に基づき
走行状態が変速許可領域にあるか否かを判断し、変速許
可領域にあればステップ8において、変速信号を出力し
て第2速へのダウンシフトを実行する。これに対して変
速禁止領域にあれば、第2速へのダウンシフトを禁止す
る(ステップ9)。
【0032】一方、ステップ6の判断結果が“ノー”で
あれば、ステップ10においてその他の変速を行うべき
状態か否かを判断し、その判断結果が“ノー”であれ
ば、制御プロセスはリターンし、また“イエス”であれ
ば、ステップ8に進んで必要な変速のための出力を行
う。
【0033】したがって図7に示す制御を行うことによ
り、遠心油圧に応じてライン圧の調圧を行えない状態で
は、高車速および高スロットル開度での変速が生じない
ので、変速の際にクラッチのトルク容量が大きくなって
変速ショックが悪化したり、またクラッチの過剰な滑り
が生じてその耐久性が低下したりすることが防止され
る。
【0034】上述した変速制御装置による他の制御例を
図9に示してある。ここに示す例は、遠心油圧の制御が
不可能な場合には、手動変速そのものを禁止するよう構
成した制御例である。すなわちステップ21で入力信号
の処理を行った後、ステップ22でクラッチC0 の回転
数を検出するセンサー15のフェイルを判断し、またス
テップ23でライン圧の制御系統のフェイルを判断す
る。これらいずれの判断過程においても判断結果が“ノ
ー”であれば、ステップ24においてダイレクトモード
の設定を許可し、手動変速を許可する処理を行う。これ
に対してステップ22もしくはステップ23の判断結果
のいずれかが“イエス”であれば、遠心油圧の影響を補
正する制御を行えないことになるので、この場合はステ
ップ25においてダイレクトモードを設定することを禁
止し、手動による変速を行えないようにする。
【0035】したがって図9に示す制御によれば、遠心
油圧が高い状態でしかもその遠心油圧に応じたライン圧
の調圧を行えない状態での、運転者の自由意思によるク
ラッチに過酷な状況での変速が防止されるので、変速シ
ョックが大きく悪化したり、クラッチの耐久性が低下し
たりすることが防止される。
【0036】なお、以上の制御例は、手動変速での変速
を制限もしくは禁止する例であるが、この実施例では、
自動変速モードにおいても変速を制限することも考えら
れる。これは例えば第3速と第2速とのアップシフト線
とダウンシフト線とを図10に示すように低車速側に移
動させた変速線図を使用することにより実行することが
できる。図10に示す変速線図に基づいて、自動変速機
Aの変速制御が行われた場合は、遠心油圧を算定できな
いフェイル状態が検出されると、通常時に比べて第3速
の設定領域が拡大される。つまり、フェイル状態におい
ては、通常時よりも高速段側が設定され易くなり、クラ
ッチにより伝達するべきトルクが抑制されて、変速ショ
ックの悪化を防止する機能、およびクラッチの耐久性の
低下を防止する機能が一層向上する。
【0037】また上記の実施例では、第3速と第2速と
の間の変速を例に採って説明したが、この発明は、他の
変速の際にも同様に実施することができ、さらにこの発
明は、図4に示すギヤトレン以外のギヤトレンや図5に
示す油圧回路以外の油圧回路を備えた自動変速機を対象
とする変速制御装置にも適用することができる。
【0038】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に係る発明によれば、遠心油圧に応じてライン圧の調
圧レベルを下げる制御が不可能な場合に、手動操作に基
づいて変速段を設定する変速を制限してクラッチに過酷
な状況が生じないようにするから、変速ショックの悪化
やクラッチの耐久性の低下を防止することができる。ま
た、請求項2に係る発明によれば、請求項1と同様の効
果に加えて、遠心油圧を算定できないフェイル状態が検
出されると、遠心油圧が高くなる高車速での変速が禁止
されるので、クラッチなどの摩擦係合装置の係合油圧が
適正値から外れた状態での変速が回避され、変速ショッ
クの悪化を防止することができる。さらに請求項3に係
る発明によれば、遠心油圧を算定できない状態になる
と、手動操作に基づいて変速段を設定する手動変速自体
が生じなくなるので、遠心油圧の影響が顕著に現れる変
速が生じず、変速ショックの悪化を防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の要旨を図面として示すブロック図で
ある。
【図2】この発明の一実施例の基本的な構成を示すブロ
ック図である。
【図3】シフト装置における各レンジの配列を示す図で
ある。
【図4】実施例における自動変速機の歯車列を示すスケ
ルトン図である。
【図5】実施例における油圧回路の一部を示す油圧回路
図である。
【図6】摩擦係合装置の係合作動表である。
【図7】実施例の装置による制御ルーチンの一例を示す
フローチャートである。
【図8】変速禁止領域の一例を示すマップである。
【図9】実施例の装置による制御ルーチンの他の例を示
すフローチャートである。
【図10】自動変速モードでのフェイル時の変速線図の
変更例を示す変速線図である。
【符号の説明】
1 手動変速機構 2 油圧制御装置 3 クラッチ 4 遠心油圧算定手段 5 フェイル検出手段 6 変速制限手段 A 自動変速機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 孝幸 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 犬塚 武 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 服部 雅士 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−292566(JP,A) 特開 平2−217661(JP,A) 特開 平2−89857(JP,A) 特開 平4−46262(JP,A) 特開 平4−83964(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 手動操作に基づいて変速段を設定する手
    動変速が可能で、かつ変速時に遠心油圧による影響を補
    正する油圧制御を行う油圧制御装置を備えた自動変速機
    の変速制御装置において、 クラッチの回転数に基づいて遠心油圧の影響を求める遠
    心油圧算定手段と、遠心油圧を算定できないフェイル状
    態を検出するフェイル検出手段と、前記フェイル状態が
    検出された場合に、手動操作に基づいて変速段を設定す
    る手動変速を制限する変速制限手段とを有することを特
    徴とする自動変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 前記変速制限手段は、少なくとも車速を
    パラメータに含む所定の変速禁止領域を、前記フェイル
    状態が検出されない場合より低車速側に拡大する手段を
    備えていることを特徴とする請求項1に記載の自動変速
    機の変速制御装置。
  3. 【請求項3】 前記変速制限手段は、手動操作に基づい
    て変速段を設定する手動変速自体を禁止する手段を備え
    ていることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の
    変速制御装置。
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