JP3354187B2 - 自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

自動変速機の変速制御装置

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JP3354187B2
JP3354187B2 JP31790892A JP31790892A JP3354187B2 JP 3354187 B2 JP3354187 B2 JP 3354187B2 JP 31790892 A JP31790892 A JP 31790892A JP 31790892 A JP31790892 A JP 31790892A JP 3354187 B2 JP3354187 B2 JP 3354187B2
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康夫 北條
淳 田端
武 犬塚
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Toyota Motor Corp
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Aisin AW Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両の自動変速機を
制御するための装置に関し、特にソレノイドバルブを電
気的に制御して変速を実行する変速制御装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般の車両用自動変速機は、車速とエン
ジン負荷(スロットル開度)とに応じて変速段を決める
よう構成されており、またその変速は、車速やエンジン
負荷に基づく信号圧をシフトバルブに作用させてそのシ
フトバルブを切換え動作させ、これにより摩擦係合装置
の係合・解放状態を変えることにより実行している。そ
して最近では、車両の走行状態を各種のセンサーからの
入力データに基づいて、マイクロコンピュータを主体と
する電子制御装置により演算し、その演算結果に基づい
てソレノイドバルブを駆動することにより、前述した信
号圧を発生させるいわゆる電子制御式自動変速機が多用
されるようになってきている。
【0003】この種のソレノイドバルブを駆動すること
により変速を実行するタイプの自動変速機では、ソレノ
イドバルブがフェイルした場合においても走行を可及的
に可能にする対策を講じておくことが必要であり、例え
ば本出願人等が特願平4−106638号で提案した自
動変速機は、変速用の2つのソレノイドバルブがフェイ
ルした場合、Dレンジではオーバードライブ段である第
4速に、またSレンジでは第3速に、さらにLレンジで
は第1速に設定するよう構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】変速用のソレノイドバ
ルブがフェイルした場合に採られる対策は、運転者の意
図する走行を可及的に実現すること、フェイル時に実行
される変速の際のトルク変動が過剰ではないこと等の要
請を満たすことが望ましい。この点から上述した本出願
人等の提案に係る自動変速機を検討すると、Dレンジに
設定している場合にはフェイル時に変速比が“1”より
小さい第4速が設定されるから、フェイル時の駆動トル
クが不足し、アクセル操作に対する応答性が悪い問題が
あった。
【0005】この発明は上記の事情を背景としてなされ
たもので、変速用ソレノイドバルブのフェイル時の走行
を確保でき、しかもアクセル操作に対する応答性の良好
な走行を可能にする変速制御装置を提供することを目的
とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載された発
明は、上記の目的を達成するために、図1に示す構成と
したことを特徴とするものである。すなわちこの発明
は、複数の変速段に設定可能な歯車列1と、変速用ソレ
ノイドバルブ2と、エンジンブレーキ用ソレノイドバル
ブ3と、エンジンブレーキ用ソレノイドバルブ3に制御
されてエンジンブレーキ設定圧の出力状態を変更するバ
ルブ4と、そのエンジンブレーキ設定圧および前記変速
用ソレノイドバルブ2からの信号圧で切換え可能な変速
用バルブ5とを有する自動変速機Aの変速制御装置にお
いて、前記変速用ソレノイドバルブ2の異常を検出する
フェイル検出手段6と、変速用ソレノイドバルブ2の異
常が検出された場合に前記エンジンブレーキ用ソレノイ
ドバルブ3を制御し、該エンジンブレーキ用ソレノイド
バルブ3によって制御される前記バルブで前記エンジン
ブレーキ設定圧の出力状態を変更して前記変速用バルブ
5を駆動することにより最高速段より低速側の所定の変
速段を設定する切換え設定手段7と、手動操作によって
変速段を設定する手動変速モードを選択する手段8と、
前記変速用ソレノイドバルブの異常が検出された場合に
手動変速モードを禁止する手動変速モード禁止手段9と
を備えていることを特徴とするものである。上記の手動
変速モード禁止手段9は、請求項2に記載されているよ
うに、前記手動変速モードを禁止するとともに、所定の
変速段を自動的に設定する自動変速モードを設定する手
段を含む構成とすることができる。また、請求項3の発
明は、複数の変速段に設定可能な歯車列と、変速用ソレ
ノイドバルブと、エンジンブレーキ用ソレノイドバルブ
と、エンジンブレーキ用ソレノイドバルブに制御されて
エンジンブレーキ設定圧の出力状態を変更するバルブ
と、そのエンジンブレーキ設定圧および前記変速用ソレ
ノイドバルブからの信号圧で切換え可能な変速用バルブ
とを有する自動変速機の変速制御装置において、前記変
速用ソレノイドバルブの異常を検出するフェイル検出手
段と、変速用ソレノイドバルブの異常が検出された場合
に前記エンジンブレーキ用ソレノイドバルブを制御し、
エンジンブレーキ用ソレノイドバルブによって制御さ
れる前記バルブで前記エンジンブレーキ設定圧の出力状
態を変更して前記変速用バルブを駆動することにより最
高速段より低速側の所定の変速段を設定する切換え設定
手段とを備え、かつその切換え手段が、所定の低速側の
変速段では前記エンジンブレーキ設定圧をエンジンブレ
ーキ用摩擦係合装置に供給もしくは遮断するためにその
エンジンブレーキ用摩擦係合装置に連通された第1の油
圧系路と、所定の高速側の変速段では前記エンジンブレ
ーキ設定圧を前記変速用バルブに供給もしくは遮断する
ために前記変速用バルブに連通された第2の油圧系路と
を含み、前記異常が前記フェイル検出手段で検出されて
いない状態での前記所定の高速側の変速段では前記エン
ジンブレーキ設定圧の出力状態が変更されず、前記異常
が前記フェイル検出手段で検出されている状態での前記
所定の高速側の変速段では前記エンジンブレーキ設定圧
の前記変速用バルブに対する供給状態が変更されること
を特徴とするものである。さらに、請求項4の発明は、
複数の変速段に設定可能な歯車列と、変速用ソレノイド
バルブと、エンジンブレーキ用ソレノイドバルブと、エ
ンジンブレーキ用ソレノイドバルブに制御されてエンジ
ンブレーキ設定圧の出力状態を変更するバルブと、その
エンジンブレーキ設定圧および前記変速用ソレノイドバ
ルブからの信号圧で切換え可能な変速用バルブとを有す
る自動変速機の変速制御装置において、前記変速用ソレ
ノイドバルブの異常を検出するフェイル検出手段と、変
速用ソレノイドバルブの異常が検出された場合に前記エ
ンジンブレーキ用ソレノイドバルブを制御し、該エンジ
ンブレーキ用ソレノイドバルブによって制御される前記
バルブで前記エンジンブレーキ設定圧の出力状態を変更
して前記変速用バルブを駆動することにより、前記変速
用ソレノイドバルブの異常によって設定することのでき
ない変速段より高速側の変速段でかつ前記最高速段より
も前記設定することのできない変速段に近い変速段を設
定する切換え設定手段とを備えていることを特徴とする
ものである。そして、請求項5の発明は、請求項1ない
し4のいずれかの発明において、前記エンジンブレーキ
用ソレノイドバルブが、所定の変速レンジでかつ前記変
速用ソレノイドバルブに異常がない場合にはエンジンブ
レーキ用信号圧を出力することのないソレノイドバルブ
であり、かつ前記切換え設定手段は、前記所定の変速レ
ンジで前記変速用ソレノイドバルブの異常が検出された
場合に前記エンジンブレーキ用ソレノイドバルブがエン
ジンブレーキ用信号圧を出力するように制御する手段を
備えていることを特徴とするものである。他方、請求項
6の発明は、請求項3の発明において、変速用ソレノイ
ドバルブを電気的に制御して出力させた信号圧によって
変速用バルブを切換動作させて所定の変速段を設定する
とともに、手動操作に基づいて前記変速用ソレノイドバ
ルブおよびエンジンブレーキ用ソレノイドバルブを電気
的に制御して変速段を設定する手動変速モードを選択す
る手段と、前記エンジンブレーキ用ソレノイドバルブの
異常を検出する他のフェイル検出手段と、前記エンジン
ブレーキ用ソレノイドバルブの異常が検出された場合に
手動変速モードを禁止する手動変速モード禁止手段とを
更に備えていることを特徴とするものである。また、請
求項7の発明は、請求項6における前記手動変速モード
禁止手段が、前記手動変速モードを禁止するとともに、
所定の変速段を自動的に設定する自動変速モードを設定
する手段を含むことを特徴とするものである。
【0007】
【作用】この発明で対象とする自動変速機Aでは、各変
速段は、基本的には、変速用ソレノイドバルブ2を動作
させて変速用バルブ5に信号圧を送ることにより設定さ
れる。またエンジンブレーキ用ソレノイドバルブ3から
変速用バルブ5にエンジンブレーキ信号圧を送り、ある
いは反対にエンジンブレーキ信号圧の供給を止めること
により、エンジンブレーキ用の摩擦係合装置に油圧が送
られてこれが係合し、エンジンブレーキが効く。
【0008】上記の変速用ソレノイドバルブ2に異常が
生じると、これをフェイル検出手段6が検出し、それに
伴って切換え設定手段7が最高速段より低速側の変速段
を設定するようにエンジンブレーキ用ソレノイドバルブ
3を制御する。すなわちエンジンブレーキ設定圧の変
用バルブ5に対する供給状態が変更されるから、変速用
ソレノイドバルブ2のフェイル時にエンジンブレーキ設
定圧が変速用バルブ5に供給され、あるいは供給が止ま
ることによってこれが切換わり、最高速段より低速側の
変速段が設定され、これと併せて、変速段を手動操作に
基づいて設定する手動変速モードが禁止される。したが
ってこの変速段では駆動力が大きくなるので、アクセル
操作に対する応答性の良い走行を行うことができる。ま
た、いずれかの変速段を設定することのできない状態で
の手動変速モードを禁止するので、変速段を手動操作で
選択したにも拘わらず、その変速段を設定できないなど
の違和感を未然に防止できる。なお、請求項2の発明で
は、手動変速モードが禁止されることに加えて、自動変
速モードが設定され、所定の変速段が自動的に設定され
る。これに対して請求項3の発明では、上記の変速用ソ
レノイドバルブ2に異常が生じると、これをフェイル検
出手段6が検出し、それに伴って切換え設定手段7が最
高速段より低速側の変速段を設定するようにエンジンブ
レーキ用ソレノイドバルブ3を制御する。すなわちエン
ジンブレーキ設定圧の変速用バルブ5に対する供給状態
が変更されるから、変速用ソレノイドバルブ2のフェイ
ル時にエンジンブレーキ設定圧が変速用バルブ5に供給
され、あるいは供給が止まることによってこれが切換わ
り、最高速段より低速側の変速段が設定される。より具
体的には、通常時には第1の油圧系路を介してエンジン
ブレーキ用摩擦係合装置がエンジンブレーキ設定圧によ
って制御されているのに替えて、異常が検出されている
場合には、変速用バルブに対する第2の油圧系路を介し
たエンジンブレーキ設定圧の供給・遮断状態が変更さ
れ、その結果、最高速段より低速側の変速段が設定され
る。したがってこの変速段では駆動力が大きくなるの
で、アクセル操作に対する応答性の良い走行を行うこと
ができる。そのフェイル時に設定される変速段が、請求
項4の発明のように、フェイルによって設定できない変
速段より高速側でかつその変速段に近い変速段であるこ
とにより、アクセル操作に対する応答性が更に良好にな
る。また、請求項5の発明では、通常の走行時に切換え
制御されないエンジンブレーキ用ソレノイドバルブを切
換え制御することになる。さらにまた、請求項6の発明
では、請求項3の発明で得られる作用に加えて、エンジ
ンブレーキ用ソレノイドバルブに異常が生じた場合、手
動操作に基づいて変速段が設定される手動変速モードが
禁止されるので、手動操作で選択した変速段でエンジン
ブレーキが効かないなどの事態が未然に防止される。そ
して請求項7の発明では、エンジンブレーキ用ソレノイ
ドバルブに異常が生じた場合、手動変速モードが禁止さ
れることに加えて、自動変速モードが設定される。
【0009】
【実施例】つぎにこの発明の実施例を図面を参照して説
明すると、図2はこの発明の一実施例の基本的な構成を
示すブロック図であって、ここに示す自動変速機Aは、
走行状態に応じて変速段を設定する自動変速モードと、
手動操作に基づいて変速段を設定する手動変速モードと
を選択できるよう構成されている。すなわち自動変速機
Aは、油圧制御装置10における変速用のソレノイドバ
ルブS1 ,S2 ,エンジンブレーキ用ソレノイドバルブ
S3 およびライン圧用ソレノイドバルブSLT、ロックア
ップクラッチ用ソレノイドバルブSLU、ならびにアキュ
ームレータ背圧用ソレノイドバルブSLNを自動変速機用
の電子制御装置(ECU)11によって制御するととも
にシフトレバー12によって操作するシフト装置13に
よりマニュアルバルブ(図示せず)を動作させて所定の
変速段に設定するよう構成されている。
【0010】このシフト装置13は、パーキング
(P)、リバース(R)、ニュートラル(N)、ドライ
ブ(D)、第1速〜第3速(“3”)、第1速〜第2速
(“2”)、第1速保持(L)の各レンジ位置と第1速
ないし第4速を手動操作で1段づつ変速して設定するマ
ニュアルシフト位置(ダイレクトモード位置:DM)と
をシフトレバー12によって選択するようになってお
り、各シフトポジションの配列は、図3に示すとおりで
ある。そのダイレクトモード位置にはシフトレバー12
でオン動作させられるダイレクトモードスイッチ(図示
せず)が設けられ、またそのシフトレバー12のグリッ
プ部にはアップシフトスイッチ14とダウンシフトスイ
ッチ15とが、互いに異なる指で操作する位置に設けら
れ、これらのスイッチ14,15は電子制御装置11に
接続されている。
【0011】前記電子制御装置11は、中央演算素子
(CPU)および記憶素子(ROM,RAM)ならびに
入出力インターフェースを主たる要素とするものであっ
て、車速Vやスロットル開度θ、ブレーキ信号、パター
ンセレクト信号、ならびにその他の信号が入力されてい
る。ここで、その他の信号には、上記のダイレクトモー
ドスイッチやアップシフトスイッチ14およびダウンシ
フトスイッチ15からの信号の他に、オーバードライブ
コンピュータからの信号、ニュートラルスタートスイッ
チからの信号、水温センサーからの信号、吸気管圧力信
号、トランスミッションインプットスピードセンサーか
らの信号、キックダウンスイッチからの信号、トランス
ミッションコントロールスイッチからの信号などが含ま
れる。そして電子制御装置11は、自動変速モードでは
走行状態に応じた変速段を設定するよう各ソレノイドバ
ルブS1 ,S2 ,S3 を制御し、また手動変速モードで
は、アップシフトスイッチ14を1回操作するごとに1
段づつアップシフトするよう油圧制御装置10のソレノ
イドバルブS1 ,S2 ,S3 を動作させ、またダウンシ
フトスイッチ15を1回操作するごとに1段づつダウン
シフトするよう油圧制御装置10のソレノイドバルブS
1 ,S2 ,S3 を動作させるようになっている。さらに
電子制御装置11は、エンジン制御用コンピュータに信
号を出力し、またダイアグノーシス信号を出力するよう
になっている。
【0012】上記の自動変速機Aにおける歯車列の一例
を図示すれば、図4のとおりであり、またこの歯車列を
対象として自動変速モードと手動変速モードとで変速を
実行する油圧制御装置10の主要回路部分を図示すれ
ば、図5のとおりである。
【0013】すなわち図4に示す自動変速機Aには、ロ
ックアップクラッチ20を有するトルクコンバータ21
と、一組の遊星歯車機構を有する第2変速部30と、二
組の遊星歯車機構によって複数の前進段および後進段を
設定する第1変速部40とが設けられている。
【0014】第2変速部30は、ハイ・ローの二段の切
換えを行うものであって、その遊星歯車機構のキャリヤ
31がトルクコンバータ21のタービンランナ22に連
結されており、またこのキャリヤ31とサンギヤ32と
の間にはクラッチC0 および一方向クラッチF0 が相互
に並列の関係となるよう設けられ、さらにサンギヤ32
とハウジングHu との間にブレーキB0 が設けられてい
る。
【0015】第1変速部40の各遊星歯車機構における
サンギヤ41,42は、共通のサンギヤ軸43に設けら
れており、この第1変速部40の図における左側(フロ
ント側)の遊星歯車機構におけるリングギヤ44と第2
変速部30におけるリングギヤ33との間に第1クラッ
チC1 が設けられ、また前記サンギヤ軸43と第2変速
部30のリングギヤ33との間に第2クラッチC2 が設
けられている。第1変速部40における図の左側の遊星
歯車機構のキャリヤ45と右側(リヤ側)の遊星歯車機
構のリングギヤ46とが一体的に連結されるとともに、
これらのキャリヤ45とリングギヤ46とに出力軸47
が連結されている。
【0016】そしてバンドブレーキである第1ブレーキ
B1 がサンギヤ軸43の回転を止めるように、より具体
的には第2クラッチC2 のクラッチドラムの外周側に設
けられており、またサンギヤ軸43とハウジングHu と
の間に、第1一方向クラッチF1 と第2ブレーキB2 と
が直列に配置されており、またリヤ側の遊星歯車機構に
おけるキャリヤ48とハウジングHu との間に第2一方
向クラッチF2 と第3ブレーキB3 とが並列に配置され
ている。
【0017】上記の歯車列を備えた自動変速機Aは、前
進段で第1速ないし第4速を設定することができ、これ
らのうち第1速および第2速は自動変速モードでエンジ
ンブレーキが効かず、手動変速モードでエンジンブレー
キを効かせる必要があるので、前記油圧制御装置10に
は図5に示す油圧回路が組み込まれている。
【0018】マニュアルバルブ100は、前記シフト装
置13によってスプール101を移動することにより油
圧の給排状態を切換えるものであって、プライマリーレ
ギュレータバルブ(図示せず)で調圧されたライン圧P
L を供給するライン圧油路60が入力ポート102に接
続されており、DレンジおよびDMレンジならびに
“3”レンジでは、スプール101が図示の位置にあっ
て入力ポート102をDポート103に連通させるよう
になっている。またSレンジではスプール101が図の
下側に移動して入力ポート102がDポート103とS
ポート104とに連通し、Lレンジではスプール101
が更に下側に移動して入力ポート102がDポート10
3、Sポート104およびLポート105の三者に連通
し、また反対にNレンジではスプール101が入力ポー
ト102を閉じ、Rレンジでは入力ポート102がRポ
ート106に連通し、Pレンジでは入力ポート102を
閉じるとともに、他のポートをドレンポートに連通する
ようになっている。
【0019】第1速と第2速との間の変速を行う 1-2シ
フトバルブ200は、四つのランドを有するスプール2
01とその一端部に配置したスプリング202とを備え
ており、スプリング202とは反対側の端部に形成した
制御ポート203が第2ソレノイドバルブS2 に接続さ
れ、第2ソレノイドバルブS2 がOFFのときに、ライ
ン圧油路61からストレーナ62およびオリフィス63
を介して供給されるライン圧PL が制御ポート203に
生じるようになっている。
【0020】制御ポート203より図での下側に、最上
部のランドで開閉されるセカンドコーストポート204
と、このセカンドコーストポート204とドレンポート
205とに選択的に連通される第1ブレーキポート20
6とが順に形成され、この第1ブレーキポート206に
セカンドコーストモジュレータバルブ64を介して第1
ブレーキB1 が接続されている。またドレンポート20
5より図での下側に、マニュアルバルブ100のDポー
ト103に接続したDポート207が形成されており、
このDポート207と他のドレンポート208とに選択
的に連通される第2ブレーキポート209に第2ブレー
キB2 が接続されている。前記他のドレンポート208
より図での下側に更に他のドレンポート210が形成さ
れており、このドレンポート210とローコーストポー
ト211とに選択的に連通される第3ブレーキポート2
12に第3ブレーキB3 が接続されている。そしてスプ
リング202を配置してある最下端部にホールドポート
213が形成されている。
【0021】第2速と第3速との間の変速を行う 2-3シ
フトバルブ300は、六つのランドを形成したスプール
301と、その一端部(図の下端部)に配置したスプリ
ング302とを有しており、スプリング302とは反対
側の端部に形成した制御ポート303が第1ソレノイド
バルブS1 に接続され、第1ソレノイドバルブS1 がO
FFのときに、前記マニュアルバルブ100のDポート
103からストレーナ65およびオリフィス66を介し
て供給されるライン圧PL が制御ポート303に生じる
ようになっている。
【0022】この 2-3シフトバルブ300には、図の上
から順に、第1ドレンポート304、ブレーキポート3
05、第1Dポート306が形成されており、そのブレ
ーキポート305が前記 1-2シフトバルブ200のセカ
ンドコーストポート204に接続されるとともに、この
ブレーキポート305を第1ドレンポート304と第1
Dポート306とに選択的に連通させるようになってい
る。上記のポートに続けて、ホールド出力ポート30
7、入力ポート308、クラッチポート309、第2ド
レンポート310が順に形成されており、第1ドレンポ
ート304とブレーキポート305とが連通していると
きに、第1Dポート306とホールド出力ポート30
7、入力ポート308とクラッチポート309とがそれ
ぞれ連通し、ブレーキポート305が第1Dポート30
6に連通しているときに、ホールド出力ポート307と
入力ポート308、クラッチポート309と第2ドレン
ポート310とがそれぞれ連通するようになっている。
【0023】さらに第2ドレンポート310に続けてブ
レーキポート311、第2Dポート312が順に形成さ
れており、クラッチポート309が入力ポート308に
連通しているときに第2ドレンポート310がブレーキ
ポート311に連通し、また反対にクラッチポート30
9が第2ドレンポート310に連通しているときにブレ
ーキポート311と第2Dポート312とが連通するよ
うになっている。さらにまたスプリング302を配置し
てある最下端部にホールドポート313が形成されてい
る。
【0024】そして前記クラッチポート309に第2ク
ラッチC2 が接続される一方、前記1-2シフトバルブ2
00のホールドポート213とこのクラッチポート30
9とが接続されている。またブレーキポート311がロ
ーコーストモジュレータバルブ67を介して 1-2シフト
バルブ200のローコーストポート211に接続されて
いる。さらにホールドポート313がマニュアルバルブ
100のLポート105に接続され、Lレンジではスプ
ール301を図の右半分に示すように押し上げた位置に
保持するようになっている。
【0025】3-4シフトバルブ400は第2ソレノイド
バルブS2 および 2-3シフトバルブ300のホールド出
力ポート307から送られる油圧によって制御されて、
前述した第2変速部30の変速を実行するものであっ
て、四つのランドが形成されたスプール401とその一
端部に配置したスプリング402とを備えており、スプ
リング402とは反対側の端部に形成した制御ポート4
03が、前述した 1-2シフトバルブ200の制御ポート
203と同様に、第2ソレノイドバルブS2 に接続さ
れ、またスプリング402を配置してある端部に形成し
たホールドポート404が、 2-3シフトバルブ300に
おけるホールド出力ポート307に接続されている。
【0026】この 3-4シフトバルブ400は、第2ソレ
ノイドバルブS2 がOFFとなっていて制御ポート40
3にライン圧PL が作用している場合に、ライン圧油路
61に接続してある入力ポート405が、ブレーキB0
を接続してあるブレーキポート406に連通し、また反
対に制御ポート403から排圧されている場合あるいは
ホールドポート404に油圧が作用している場合に入力
ポート405が、クラッチC0 を接続してあるクラッチ
ポート407に連通するようになっている。
【0027】そしてマニュアルバルブ100のDポート
103に第1クラッチC1 が接続されるとともに、この
第1クラッチC1 から 2-3シフトバルブ300の第1お
よび第2のDポート306,312に至る油路68の途
中に、手動変速モードでの第1速と第2速とでエンジン
ブレーキを効かせるため、換言すれば自動変速モードで
の第1速と第2速とでのエンジンブレーキを阻止するた
めのコーストブレーキカットオフバルブ500が設けら
れている。
【0028】これは、第1クラッチC1 に接続してある
クラッチポート501と 2-3シフトバルブ300の第1
および第2のDポート306,312に接続してあるブ
レーキポート502とを選択的に連通させるものであっ
て、スプリング503によって一方向に押圧されたスプ
ール504を有するとともに、スプリング503を配置
した端部に形成されているホールドポート505が、オ
ーバードライブ(O/D)ロックアウトバルブ600を
介して、マニュアルバルブ100のSポート104に接
続され、またこれとは反対側の端部に形成した制御ポー
ト506が第3ソレノイドバルブS3 に接続されてい
る。そしてこの第3ソノイドバルブS3 は、第1クラッ
チC1 と制御ポート506とを、ストレーナ65および
オリフィス70を介して接続している油路71に介装さ
れ、OFF状態でドレンポートを閉じて制御ポート50
6にライン圧PL を生じさせ、ON状態でドレンポート
を開いて制御ポート506から排圧するようになってい
る。
【0029】O/Dロックアウトバルブ600は、弁体
601の位置を、制御ポート602に作用するライン圧
PL とこの制御圧に対抗するスプリング603とによっ
て制御することにより、出力ポート604を入力ポート
605とドレンポート606とに選択的に連通させるよ
う構成されている。すなわち弁体601は、中間部の外
径を両端部の外径より小さくしたものであって、図5の
右半分に示すように弁体601がスプリング603を圧
縮して押し下げられている状態では、出力ポート604
と入力ポート605とが弁体601の外周側の隙間を介
して連通し、また弁体601が図5の左半分に示す位置
に押し上げられている状態では、入力ポート605が閉
じられるとともに、出力ポート604がドレンポート6
06に連通する。
【0030】そしてその出力ポート604にコーストブ
レーキカットオフバルブ500のホールドポート505
が接続され、また入力ポート605はマニュアルバルブ
100のSポート104に接続され、さらに制御ポート
602は第1ソレノイドバルブS1 に接続されている。
【0031】上記の各ソレノイドバルブS1 ,S2 ,S
3 が図6に示すようにONもしくはOFFとされるの
で、 1-2シフトバルブ200では、第1速で右半分に示
すようにスプール201が押し下げられ、それ以外の前
進段ではスプール201が図の左半分に示すように押し
上げられ、また 2-3シフトバルブ300では、第1速お
よび第2速で図の右半分に示すようにスプール301が
押し上げられ、第3速および第4速ではスプール301
が図の左半分に示すように押し下げられ、さらに3-4シ
フトバルブ400では、第1速ないし第3速でスプール
401が図の右半分に示すように押し上げられ、第4速
で図の左半分に示すように押し下げられる。その結果、
各摩擦係合装置が図6に示すように係合あるいは解放さ
れて各変速段が設定される。
【0032】なお、図6は作動表であって、○印はソレ
ノイドバルブについてON、摩擦係合装置については係
合を示し、また×印はソレノイドバルブについてOF
F、摩擦係合装置については解放を示す。
【0033】図6の作動表から知られるように、第3ソ
レノイドバルブS3 は、自動変速モードのDレンジでは
常にOFFとされ、自動変速モードのSレンジやLレン
ジあるいは手動変速モードの第1速や第2速などのエン
ジンブレーキを効かせる必要のある場合にONとされ
る。したがって第3ソレノイドバルブS3 は、いわゆる
エンジンブレーキ用ソレノイドバルブとなっている。
【0034】上述した電子制御装置11を含む変速制御
装置は、自動変速モードでのDレンジにおいて、実質的
な変速用ソレノイドバルブである第1および第2のソレ
ノイドバルブS1 ,S2 のうち、少なくとも第2ソレノ
イドバルブS2 がフェイルしてOFF状態のままとなっ
た場合、エンジンブレーキ用ソレノイドバルブS3 を有
効に利用して直結段である第3速を設定する。
【0035】すなわち第2ソレノイドバルブS2 がOF
F状態となった場合、図6の作動表から知られるよう
に、第1ソレノイドバルブS1 をONとすれば、エンジ
ンブレーキの効かない第1速となり、また反対に第1ソ
レノイドバルブS1 をOFFにすれば、第4速となる。
したがって自動変速モードのDレンジで第2ソレノイド
バルブS2 がOFF状態にフェイルすると、第1速もし
くは第4速しか設定できず、第1速ではエンジンブレー
キが効かないうえに、トルクが大きくなり過ぎ、第4速
ではエンジンブレーキの効きが悪く、アクセル操作に対
する応答性に劣る。そこで上記の制御装置は、第1およ
び第2のソレノイドバルブS1 ,S2 のうち、少なくと
も第2ソレノイドバルブS2 がOFF状態でフェイルす
ると、電子制御装置11がそのフェイルを検出するとと
もに、第3ソレノイドバルブS3 あるいは第3ソレノイ
ドバルブS3 と第1ソレノイドバルブS1 とを制御して
第3速を設定する。
【0036】図7はそのための制御ルーチンを示すフロ
ーチャートであって、データ読み込みなどの初期設定を
行った後、ステップ1では第1ソレノイドバルブS1 が
フェイルしているか否かを判定し、第1ソレノイドバル
ブS1 がフェイルしている場合には、ステップ2でフラ
グFs1を“1”に設定した後にステップ3に進み、また
第1ソレノイドバルブS1 がフェイルしていなければ、
直ちにステップ3に進む。ステップ3では第2ソレノイ
ドバルブS2 がフェイルしているか否かを判定し、その
判断結果が“イエス”であれば、ステップ4でフラグF
s2を“1”に設定した後、ステップ5に進み、また判断
結果が“ノー”であれば直ちにステップ5に進む。ステ
ップ5は第3ソレノイドバルブS3 についての判断過程
であって、第3ソレノイドバルグS3 がフェイルしてい
れば、フラグFs3を“1”に設定(ステップ6)した
後、ステップ7に進み、第3ソレノイドバルブS3 がフ
ェイルしていなければ直ちにステップ7に進む。
【0037】ステップ7においては上述したフラグFs
1,Fs2,Fs3の状態からフェイルのパターンを判定す
る。上述した自動変速機では3つのソレノイドバルブS
1 ,S2 ,S3 を備えているから、フェイルのパターン
として、第1ソレノイドバルブS1 のフェイル(パター
ン1)、第2ソレノイドバルブS2 のフェイル(パター
ン2)、第3ソレノイドバルブS3 のフェイル(パター
ン3)、第1ソレノイドバルブS1 および第2ソレノイ
ドバルブS2 のフェイル(パターン4)、第1ソレノイ
ドバルブS1 および第3ソレノイドバルブS3 のフェイ
ル(パターン5)、第2ソレノイドバルブS2 および第
3ソレノイドバルブS3 のフェイル(パターン6)、第
1ソレノイドバルブS1 および第2ソレノイドバルブS
2 ならびに第3ソレノイドバルブS3 のフェイル(パタ
ーン7)の7つのパターンがある。なお、ステップ7に
おいて、いずれのフラグFs1,Fs2,Fs3も“1”に設
定されていないと判断された場合には、このルーチンか
ら抜ける。
【0038】いずれかのソレノイドバルブS1 ,S2 ,
S3 にフェイルが生じていた場合には、ステップ8にお
いてダイレクトモード(DMモード)が設定されている
か否かを判断し、ダイレクトモードが設定されていた場
合には、ダイレクトモード禁止のフラグFDMを“1”に
設定(ステップ9)するとともに、自動変速モード(A
Tモード)に切換え(ステップ10)、しかる後にステ
ップ11に進む。またステップ8の判断結果が“ノー”
の場合には、直ちにステップ11に進む。
【0039】ステップ11では、Dレンジが設定されて
いるか否かを判断し、その判断結果が“イエス”であれ
ば、ステップ12において変速段を判定し(読み込
み)、そしてステップ13では、フェイルのパターンお
よび変速段に応じたフェイルセーフモードを実行する。
またステップ11の判断結果が“ノー”の場合には、ス
テップ14に進んで、各レンジに応じたフェイルセーフ
モードのサブルーチンに移行する。
【0040】フェイルのパターンのうち特に、第3ソレ
ノイドバルブS3 にフェイルが生じていずに、かつ少な
くとも第2ソレノイドバルブS2 がフェイルしてOFF
状態のままとなる場合(パターン2、パターン4)につ
いて説明すると、第2ソレノイドバルブS2 は、図6の
作動表から知られるように、第2速と第3速とを設定す
る際にONとされ、また第1ソレノイドバルブS1 は第
1速と第2速とを設定する際にONとされるから、第2
ソレノイドバルブS2 のみがフェイルしている場合には
第2速と第3速とでフェイルモードが実行され、第1お
よび第2のソレノイドバルブS1 ,S2 がフェイルして
いる場合には、第1速ないし第3速でフェイルモードが
実行される。これらいずれの場合においても、通常はO
FFとされる第3ソレノイドバルブS3 をONにし、ま
た第1ソレノイドバルブS1 が制御可能であれば、これ
を制御する。
【0041】すなわち先ず第2ソレノイドバルブS2 の
みが、断線やショートなどによってOFF状態にフェイ
ルした場合について説明すると、第1速では、元来、第
2ソレノイドバルブS2 をOFFにするから特に支障が
なく第1速を設定できるが、第2速の場合には、第1ソ
レノイドバルブS1 および第2ソレノイドバルブS2を
ONにすべきにも拘らず、第2ソレノイドバルブS2 が
OFFのままとなってしまうので、第2速を設定するよ
う制御しても、第1速が設定されてしまう。これを図5
の油圧回路において説明すると、Dレンジを選択した状
態で第1ソレノイドバルブS1 をONにすると、そのド
レンポートが開いて 2-3シフトバルブ300における制
御ポート303から排圧され、そのスプール301が図
の左半分に示す位置に押し上げられる。これは第1速も
しくは第2速を設定するための状態である。これに対し
て第2ソレノイドバルブS2 がOFFの状態であれば、
1-2シフトバルブ200の制御ポート203に油圧が供
給されるため、そのスプール201が図の右半分に示す
位置に押し下げられる。これは第1速を設定するための
状態である。さらに 3-4シフトバルブ400では、その
制御ポート403に油圧が供給されるもののホールドポ
ート404に 2-3シフトバルブ300を介して油圧が供
給されるから、スプール401が図の右半分に示す位置
に押し上げられる。その結果、クラッチC0 と第1クラ
ッチC1 とに油圧が供給され、第1速になってしまう。
【0042】この状態で第3ソレノイドバルブS3 をO
Nにするとともに、第1ソレノイドバルブS1 をOFF
にする。したがって第1ソレノイドバルブS1 のドレン
ポートが閉じて 2-3シフトバルブ300の制御ポート3
03に油圧が供給され、そのスプール301が図の左半
分に示す位置に押し下げられる。したがって 2-3シフト
バルブ300のライン圧PL が供給されている入力ポー
ト308がクラッチポート309に連通するから、第2
クラッチC2 に油圧が供給されてこれが係合する。また
第3ソレノイドバルブS3 のドレンポートが開いてコー
ストブレーキカットオフバルブ500の制御ポート50
6から排圧され、そのスプール504が図の左半分に示
す位置に押し上げられる。その結果、Dレンジ圧の供給
されているクラッチポート501とブレーキポート50
2とが連通するので、Dレンジ圧が、このブレーキポー
ト502から 2-3シフトバルブ300の第1Dポート3
06およびホールド出力ポート307を介して 3-4シフ
トバルブ400のホールドポート404に供給される。
そのため 3-4シフトバルブ400のスプール401が図
の右半分に示す位置に押し上げられたままとなり、入力
ポート405に供給されているライン圧PL がクラッチ
ポート407を介してクラッチC0 に供給され、これが
係合する。したがってクラッチC0 および第1クラッチ
C1 ならびに第2クラッチC2 が係合するために、第3
速が設定される。この変速段は、第2ソレノイドバルブ
S2 のフェイルによって設定することのできない第2速
より高速側でかつその第2速に最高速段よりも近い変速
段であり、歯車列の全体が一体となって回転し、しかも
一方向クラッチを係合させずに設定されるので、エンジ
ンブレーキが効き、かつアクセル操作に対する応答性が
よくなる。
【0043】またDレンジの第3速を設定する場合、通
常は、第1ソレノイドバルブS1 をOFF、第2ソレノ
イドバルブS2 をONにするが、第2ソレノイドバルブ
S2がOFF状態のままとなるフェイルが生じると、第
1および第2のソレノイドバルブS1 ,S2 が共にOF
Fとなるから、図6の作動表から知られるように第4速
が設定されてしまう。そこでこのような場合には、第3
ソレノイドバルブS3がONに切換えられる。すなわち
第2ソレノイドバルブS2 がOFF状態になるフェイル
が生じた状態で第3速を設定しようとすると、1-2 シフ
トバルブ200では、そのホールドポート213に油圧
が供給されて、スプール201が図の左半分に示す位置
に押し上げられ、また 2-3シフトバルブ300ではその
制御ポート303に油圧が供給されて、そのスプール3
01が図の左半分に示す位置に押し下げられ、さらに 3
-4シフトバルブ400ではその制御ポート403に油圧
が供給されることによりスプール401が図の左半分に
示す位置に押し下げられる。これは第4速を設定する状
態であり、この状態で第3ソレノイドバルブS3 をON
にすると、上述した場合と同様に、コーストブレーキカ
ットオフバルブ500を介して 2-3シフトバルブ300
の第1Dポート306に油圧が供給されるため、これに
連通しているホールド出力ポート307を介して 3-4シ
フトバルブ400のホールドポート404に油圧が供給
される。その結果、 3-4シフトバルブ400のスプール
401が図の右半分に示す位置に押し上げられてクラッ
チC0に油圧が供給される。したがってこの場合もクラ
ッチC0 および第1クラッチC1 ならびに第2クラッチ
C2 が係合するので、直結段である第3速が設定され
る。
【0044】つぎに第1ソレノイドバルブS1 および第
2ソレノイドバルブS2 の両方が、断線やショートなど
のためにOFF状態のままとなるフェイルが生じた場合
について説明する。このようなフェイルが生じると、図
6の作動表から知られるように、第4速だけしか設定す
ることができなくなるので、選択された変速段が第1速
ないし第3速のいずれの場合であっても、通常、Dレン
ジではOFFに維持される第3ソレノイドバルブS3 を
ONにする。この制御は、上述したDレンジの第3速で
第2ソレノイドバルブS2 がOFF状態にフェイルし、
それに伴って第3ソレノイドバルブS3 をONにする制
御と同じであって、第3速が設定される。
【0045】なお、第1ソレノイドバルブS1 のみにフ
ェイルが生じてこれがOFF状態とままになっても、第
1ソレノイドバルブS1 は第1速および第2速でONに
されるものであるから、第2ソレノイドバルブS2 が正
常であれば、第3速および第4速を設定でき、フェイル
時の走行を確保できる。
【0046】以上述べた実施例では、常閉タイプのソレ
ノイドバルブを使用した例について説明したが、この発
明は上記の実施例に限定されないのであって、必要に応
じて常開タイプのソレノイドバルブを使用することがで
き、その場合には、ON・OFFの制御が上述の実施例
とは反対になる。またこの発明で対象とする自動変速機
は、図4に示す歯車列や図5に示す油圧回路を備えた自
動変速機に限定されないのであり、この発明は、他の歯
車列や油圧回路を備えた自動変速機に適用することがで
きる。さらにフェイル時に設定する低速段は第3速に限
定されないのであって、最高速段より低速側の変速段で
あればよい。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載され
た発明の変速制御装置によれば、変速用のソレノイドバ
ルブに異常が生じて所期の変速段を設定できない場合
に、通常の走行時には切換え制御されないエンジンブレ
ーキ用のソレノイドバルブを切換え制御して最高速段よ
り低速側の変速段に設定するから、アクセル操作に対す
る応答性の良い走行を行うことができる。また、いずれ
かの変速段を設定することのできない状態での手動変速
モードを禁止するので、変速段を手動操作で選択したに
も拘わらず、その変速段を設定できないなどの違和感を
未然に防止できる。これに加えて請求項2の発明によれ
ば、手動変速モードの禁止と併せて、自動的に変速段が
設定される自動変速モードに切り換えることができる。
また、請求項3の発明による変速制御装置によれば、変
速用ソレノイドバルブのフェイル時にエンジンブレーキ
設定圧が変速用バルブに供給され、あるいは供給が止ま
ることによってこれが切換わり、通常時には第1の油圧
系路を介してエンジンブレーキ用摩擦係合装置に対して
エンジンブレーキ設定圧が供給もしくは遮断されるのに
替えて、異常が検出されている場合には、変速用バルブ
にエンジンブレーキ設定圧が第2の油圧系路を介して供
給もしくは遮断され、その結果、最高速段より低速側の
変速段が設定される。したがってこの変速段では駆動力
が大きくなるので、アクセル操作に対する応答性の良い
走行を行うことができる。さらに、請求項4の発明によ
る変速制御装置によれば、フェイル時に設定される変速
段が、フェイルによって設定できない変速段より高速側
でかつその変速段に近い変速段であることにより、アク
セル操作に対する応答性が更に良好になる。そして、請
求項5の発明によれば、所定のレンジで走行中に変速用
ソレノイドバルブに異常が生じた場合、当該所定の変速
レンジで使用されないエンジンブレーキ用ソレノイドバ
ルブを使用して、最高速段よりも低速側の変速段を設定
することができる。これに対して請求項6の発明によれ
、請求項3の発明で得られる効果に加えて、エンジン
ブレーキ用ソレノイドバルブに異常が生じた場合、手動
操作に基づいて変速段を設定する手動変速モードが禁止
されるので、変速段を手動操作で選択したにも拘わら
ず、その変速段を設定できないなどの違和感を未然に防
止できる。これに加えて請求項7の発明によれば、手動
変速モードの禁止と併せて、自動的に変速段が設定され
る自動変速モードに切り換えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の基本的な構成を概略的に示すブロッ
ク図である。
【図2】この発明の一実施例の基本的な構成を示すブロ
ック図である。
【図3】シフト装置における各レンジの位置を示す図で
ある。
【図4】実施例における自動変速機の歯車列を示すスケ
ルトン図である。
【図5】実施例における油圧回路の一部を示す油圧回路
図である。
【図6】摩擦係合装置の係合作動表である。
【図7】実施例の装置によるフェイル時の制御ルーチン
を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 歯車列 2 変速用ソレノイドバルブ 3 エンジンブレーキ用ソレノイドバルブ 4 バルブ 5 変速用バルブ 6 フェイル検出手段 7 直結段設定手段 A 自動変速機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北條 康夫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 田端 淳 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 犬塚 武 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 服部 雅士 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−98059(JP,A) 特開 平1−288654(JP,A) 特開 昭62−159839(JP,A) 特開 昭62−101953(JP,A)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の変速段に設定可能な歯車列と、変
    速用ソレノイドバルブと、エンジンブレーキ用ソレノイ
    ドバルブと、エンジンブレーキ用ソレノイドバルブに制
    御されてエンジンブレーキ設定圧の出力状態を変更する
    ルブと、そのエンジンブレーキ設定圧および前記変速
    用ソレノイドバルブからの信号圧で切換え可能な変速用
    バルブとを有する自動変速機の変速制御装置において、 前記変速用ソレノイドバルブの異常を検出するフェイル
    検出手段と、変速用ソレノイドバルブの異常が検出され
    た場合に前記エンジンブレーキ用ソレノイドバルブを制
    し、該エンジンブレーキ用ソレノイドバルブによって
    制御される前記バルブで前記エンジンブレーキ設定圧の
    出力状態を変更して前記変速用バルブを駆動することに
    より最高速段より低速側の所定の変速段を設定する切換
    え設定手段と、手動操作によって変速段を設定する手動
    変速モードを選択する手段と、前記変速用ソレノイドバ
    ルブの異常が検出された場合に手動変速モードを禁止す
    る手動変速モード禁止手段とを備えていることを特徴と
    する自動変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 前記手動変速モード禁止手段が、前記手
    動変速モードを禁止するとともに、所定の変速段を自動
    的に設定する自動変速モードを設定する手段を含むこと
    を特徴とする請求項1に記載の自動変速機の変速制御装
    置。
  3. 【請求項3】 複数の変速段に設定可能な歯車列と、変
    速用ソレノイドバルブと、エンジンブレーキ用ソレノイ
    ドバルブと、エンジンブレーキ用ソレノイドバルブに制
    御されてエンジンブレーキ設定圧の出力状態を変更する
    ルブと、そのエンジンブレーキ設定圧および前記変速
    用ソレノイドバルブからの信号圧で切換え可能な変速用
    バルブとを有する自動変速機の変速制御装置において、 前記変速用ソレノイドバルブの異常を検出するフェイル
    検出手段と、変速用ソレノイドバルブの異常が検出され
    た場合に前記エンジンブレーキ用ソレノイドバルブを制
    し、該エンジンブレーキ用ソレノイドバルブによって
    制御される前記バルブで前記エンジンブレーキ設定圧の
    出力状態を変更して前記変速用バルブを駆動することに
    より最高速段より低速側の所定の変速段を設定する切換
    え設定手段とを備え、かつその切換え手段が、所定の低
    速側の変速段では前記エンジンブ レーキ設定圧をエンジ
    ンブレーキ用摩擦係合装置に供給もしくは遮断するため
    にそのエンジンブレーキ用摩擦係合装置に連通された第
    1の油圧系路と、所定の高速側の変速段では前記エンジ
    ンブレーキ設定圧を前記変速用バルブに供給もしくは遮
    断するために前記変速用バルブに連通された第2の油圧
    系路とを含み、前記異常が前記フェイル検出手段で検出
    されていない状態での前記所定の高速側の変速段では前
    記エンジンブレーキ設定圧の出力状態が変更されず、前
    記異常が前記フェイル検出手段で検出されている状態で
    の前記所定の高速側の変速段では前記エンジンブレーキ
    設定圧の前記変速用バルブに対する供給状態が変更され
    ことを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  4. 【請求項4】 複数の変速段に設定可能な歯車列と、変
    速用ソレノイドバルブと、エンジンブレーキ用ソレノイ
    ドバルブと、エンジンブレーキ用ソレノイドバルブに制
    御されてエンジンブレーキ設定圧の出力状態を変更する
    バルブと、そのエンジンブレーキ設定圧および前記変速
    用ソレノイドバルブからの信号圧で切換え可能な変速用
    バルブとを有する自動変速機の変速制御装置において、 前記変速用ソレノイドバルブの異常を検出するフェイル
    検出手段と、変速用ソレノイドバルブの異常が検出され
    た場合に前記エンジンブレーキ用ソレノイドバルブを制
    御し、該エンジンブレーキ用ソレノイドバルブによって
    制御される前記バルブで前記エンジンブレーキ設定圧の
    出力状態を変更して前記変速用バルブを駆動することに
    より、 前記変速用ソレノイドバルブの異常によって設定
    することのできない変速段より高速側の変速段でかつ前
    記最高速段よりも前記設定することのできない変速段に
    近い変速段を設定する切換え設定手段とを備えているこ
    とを特徴とする自動変速機の変速制御装置。
  5. 【請求項5】 前記エンジンブレーキ用ソレノイドバル
    ブが、所定の変速レンジでかつ前記変速用ソレノイドバ
    ルブに異常がない場合にはエンジンブレーキ用信号圧を
    出力することのないソレノイドバルブであり、かつ前記
    切換え設定手段は、前記所定の変速レンジで前記変速用
    ソレノイドバルブの異常が検出された場合に前記エンジ
    ンブレーキ用ソレノイドバルブがエンジンブレーキ用信
    号圧を出力するように制御する手段を備えていることを
    特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の自動変
    速機の変速制御装置。
  6. 【請求項6】 変速用ソレノイドバルブを電気的に制御
    して出力させた信号圧によって変速用バルブを切換動作
    させて所定の変速段を設定するとともに、手動操作に基
    づいて前記変速用ソレノイドバルブおよびエンジンブレ
    ーキ用ソレノイドバルブを電気的に制御して変速段を設
    定する手動変速モードを選択する手段と、前記エンジン
    ブレーキ用ソレノイドバルブの異常を検出する他のフェ
    イル検出手段と、前記エンジンブレーキ用ソレノイドバ
    ルブの異常が検出された場合に手動変速モードを禁止す
    る手動変速モード禁止手段とを更に備えていることを特
    徴とする請求項3に記載の自動変速機の変速制御装置。
  7. 【請求項7】 前記手動変速モード禁止手段が、前記手
    動変速モードを禁止するとともに、所定の変速段を自動
    的に設定する自動変速モードを設定する手段を含むこと
    を特徴とする請求項6に記載の自動変速機の変速制御装
    置。
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