JP3094729B2 - 手動変速の可能な自動変速機用変速制御装置 - Google Patents

手動変速の可能な自動変速機用変速制御装置

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JP3094729B2
JP3094729B2 JP8937093A JP8937093A JP3094729B2 JP 3094729 B2 JP3094729 B2 JP 3094729B2 JP 8937093 A JP8937093 A JP 8937093A JP 8937093 A JP8937093 A JP 8937093A JP 3094729 B2 JP3094729 B2 JP 3094729B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、手動操作によって選
択した変速段を設定する手動変速と、車両の走行状態に
基づいて判断された変速段を自動的に設定する自動変速
とを行うことのできる自動変速機の変速制御装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように車両用の自動変速機は、車
速やこれに相当する所定の回転部材の回転数とスロット
ル開度で表わすことのできるエンジン負荷とに基づい
て、設定するべき変速段を判断するとともに、その変速
段を設定するよう変速信号を出力するよう構成されてい
る。最近では、この種の自動変速機における変速制御
は、走行状態の検出を含めて電気的に行われるようにな
ってきている。変速制御を電気的に行う自動変速機で
は、変速段の指示が電気的に行われればよいので、従
来、手動操作されることにより変速信号を出力する手段
を付加することにより、自動変速と手動変速との両方を
行うことのできる自動変速機が提案されている。
【0003】自動変速機は、通常、パーキングあるいは
ニュートラル、リバース、ドライブなどのレンジを選択
するためのシフトレバーを備えている。これは、各レン
ジに対応した油路構成となるようにマニュアルバルブを
切換えるものであるが、上記の手動変速をも可能な自動
変速機では、このシフトレバーに手動変速の際の変速段
の選択機能をもたせている。その一例が特開平4−18
5955号公報に記載されている。
【0004】このシフト装置では、自動変速の際の各レ
ンジ位置を直線状に配列することにより自動変速の際に
シフトレバーを移動させるシフト路をI字形に形成し、
また手動変速で選択可能な4つの変速段位置を四角形の
頂点位置にそれぞれ配置するとともに、これらの手動変
速段位置の間でシフトレバーを移動させるシフト路をH
字形に形成し、このH字形のシフト路の中心部を、I字
形のシフト路におけるドライブ(D)レンジ位置に重ね
合わせてある。そしてシフトレバーをH字形シフト路に
おけるいずれかの手動変速段位置に移動させれば、その
位置に設けられている変速段スイッチが動作させられて
信号を出力し、その結果、手動モードに切替わるととも
にその変速段スイッチに対応した変速段が設定される。
またシフトレバーを手動変速位置から移動させていずれ
の変速段スイッチも動作していない時間が所定時間継続
すると、自動モードに復帰させられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した自動変速のた
めのI字形シフト路と手動変速のためのH字形シフト路
とを組合わせた装置では、Dレンジ位置が、自動変速の
ためのシフトレバーの位置であると同時に、手動変速の
際の手動変速段位置同士の間でのシフトレバーの通過位
置であるから、シフトレバーの位置によって自動モード
か手動モードかの判定を行うことができない。そのため
上記の装置では、いずれかの変速段スイッチが動作させ
られることにより手動モードに切換え、またいずれの変
速段スイッチが動作していない時間が所定時間以上継続
することにより自動モードへ復帰させるように制御して
おり、そのために自動モードと手動モードとの切換えの
ためのシステムが複雑化する不都合がある。
【0006】また上記従来の装置では、自動モードへ復
帰する判断の基準となるタイマーの設定時間を適正な値
にすることが難しい。すなわち自動モードへの復帰は設
定時間を経過するまで待たなければならないので、迅速
な復帰を望む場合には、設定時間を短くすることになる
が、このようにすると、手動モードで変速段の切換えを
躊躇したり、操作に遅れがあると、その間に自動モード
に変わってしまい、運転者の意図しない変速段が設定さ
れてしまう不都合が生じる。
【0007】このような不都合を解消するために、運転
者が手動操作することにより、任意に自動モードと手動
モードとに切換えることのできるモード切換スイッチを
設けることが考えられる。しかしながらこのようなスイ
ッチは、操作の自由度が高いために誤操作の可能性も高
く、以下に述べるような不都合がある。
【0008】すなわち手動モードでの変速操作中に誤ま
ってモード切換スイッチに触れてしまうと、この種のス
イッチでは直ちに自動モードに切替わってしまい、その
結果、アップシフトが生じてトルクが不足したり、ある
いはエンジンブレーキが効かなくなってしまう。また手
動モードは、全ての変速段でエンジンブレーキを効かせ
るモードであるから、上記の例とは反対に、自動モード
で走行中に誤まってモード切換スイッチを操作して手動
モードに切換えてしまうと、エンジンブレーキが効いて
しまい、あるいはシフトレバーを自動モードでのエンジ
ンブレーキレンジにシフトしても、既に手動モードに切
替わっているために、エンジンブレーキの効く変速段へ
のダウンシフトが生じないなどのおそれがある。さらに
手動モードでの変速段の選択は、H字形のシフト路に設
けた変速段スイッチを動作させることにより行うのであ
るから、モード切換スイッチを手動モードに切換えたも
のの変速段スイッチを動作させない場合には、その時点
で設定するべき変速段を判断することが困難になるなど
の不都合がある。
【0009】この発明は上記の事情を背景としてなされ
たもので、運転者の意図に即したモードの切換えを適切
に行うことのできる変速制御装置を提供することを目的
とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、図1に示す構成としたことを特徴と
するものである。すなわち本願発明は、前進段の設定を
走行状態に基づいて行うドライブレンジを含む複数のレ
ンジ位置が設けられ、それらのレンジ位置にシフトレバ
ー1を案内する自動変速モード用シフト路2と、所定の
前進段を設定するための複数の変速段位置3を備えかつ
前記ドライブレンジ位置と一部で交差して各変速段位置
にシフトレバー1を案内する手動モード用シフト路4と
を備え、前記各レンジ位置に対応した油路構成となるよ
う切替わるマニュアルバルブ機構5が、前記手動モード
用シフト路4内にシフトレバー1が位置する状態ではド
ライブレンジ位置に対応する油路構成となる状態に維持
される手動変速の可能な自動変速機Aのための変速制御
装置において、走行状態に基づいて変速段の設定を行う
自動モードと前記変速段位置3に対応した変速段の設定
を行う手動モードとを手動操作で選択するモード選択手
段6と、そのモード選択手段6で自動モードから手動モ
ードに切換えられかつ前記いずれかの変速段位置3にシ
フトレバー1が入れられたときにその変速段位置3によ
って指示されるエンジンブレーキの効く変速段を設定す
る変速出力手段7と、前記シフトレバー1が前記ドライ
ブレンジ位置にあることを検出するドライブ位置センサ
ー9と、そのドライブ位置センサー9が動作させられた
ときにスタートするタイマー11と、そのタイマー11
のカウント時間が予め定めた時間以上になったことによ
り前記自動モードでの変速を実行する信号を出力する自
動モード復帰手段12とを備えていることを特徴とする
ものである。
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【作用】この発明の変速制御装置においては、シフトレ
バー1は自動モード用シフト路2と手動モード用シフト
路4とのいずれにも移動させることができる。シフトレ
バー1を自動モード用シフト路2の中で移動させれば、
ドライブレンジを含む所定のレンジが選択されるが、手
動モード用シフト路4にシフトレバー1を移動させた場
合には、マニュアルバルブ機構5は、ドライブレンジに
対応する油路構成となる状態に維持される。このシフト
レバー1は、このようにレンジの切換えを行うととも
に、変速段位置3に動作させて手動モードでの変速段の
選択を行うものであるが、自動モードから手動モードへ
の切換えは、このシフトレバー1に依らずに、変速段位
置3へシフトレバー1を入れることとモード選択手段6
とによって行う。すなわちモード選択手段6が手動モー
ドに切換えられ、かついずれかの変速段位置3にシフト
レバー1が動作させられると、その変速段位置3に対応
する変速段を設定するように変速出力手段7が動作す
る。この変速段は、手動モードで設定される変速段であ
るから、エンジンブレーキの効く状態で設定される。
【0015】
【0016】
【0017】一方、手動モードから自動モードへの復帰
は以下のようにして行われる。この場合、シフトレバー
1がドライブレンジ位置にあることを条件にするので、
ドライブ位置センサー9が検出信号を出力することによ
りタイマー11がスタートする。そしてタイマー11の
カウント値が予め定めた時間以上になると、自動モード
復帰手段12が、自動モードでの変速を実行する信号を
出力する。この場合、モード選択手段6が自動モードに
切換えられることを条件とはしない。すなわちシフトレ
バー1をドライブレンジ位置に長時間、留めておくこと
は、運転者が自動モードでの走行を意図していることと
見做すことができるので、この運転者の意図を制御に反
映するためである。
【0018】
【実施例】つぎにこの発明の実施例を図2ないし図14
参照して説明する。図2はこの出願にかかる発明の一
実施例の基本的な構成を示すブロック図であって、ここ
に示す自動変速機Aは、走行状態に応じて変速段を設定
する自動モードと、手動操作に基づいて変速段を設定す
る手動モードとを選択できるように構成されている。す
なわち自動変速機Aは、油圧制御装置20における変速
用のソレノイドバルブS1 ,S2 ,S3 、およびライン
圧用ソレノイドバルブSLT,ロックアップクラッチ用ソ
レノイドバルブSLU、ならびにアキュームレータ背圧用
ソレノイドバルブSLNを自動変速機用の電子制御装置
(ECU)21によって制御するとともに、シフトレバ
ー22によって操作するシフト装置23によりマニュア
ルバルブを動作させて所定のレンジを設定し、また変速
段スイッチを動作させて所定の変速段を設定するように
構成されている。
【0019】このシフト装置23の一例を図3および
4に模式的に示してある。運転者によって手動操作され
るシフトレバー22を案内する溝として、I形溝24と
H形溝25とを組合わせたガイド溝が形成されている。
I形溝24は、自動モードにおいてパーキング(P)、
リバース(R)、ニュートラル(N)、ドライブ
(D)、第2速保持のセカンド(S)、第1速保持のロ
ー(L)の各レンジを選択するためにシフトレバー22
を案内するための自動モード用のシフト路を形成してお
り、このI形溝24には、これらの各レンジ位置が図3
上から順に割り当てられている。
【0020】またH形溝25は、手動モードにおいて4
つの前進段のいずれかを選択するためにシフトレバー2
2を案内するための手動モード用のシフト路を形成して
いるガイド溝であって、その中心位置でI形溝24にお
けるDレンジ位置に重ね合わされている。すなわちDレ
ンジ位置が、各シフト路に共通する位置となっており、
この位置にシフトレバー22がある場合に信号を出力す
るDポジションセンサーDs が設けられている。そして
このH形溝25の4つの頂点部分に、シフトレバー22
によって動作させられる変速段スイッチSW1,SW2,S
W3,SW4がそれぞれ設けられている。これらの変速段ス
イッチSW1,SW2,SW3,SW4は、手動モードにおいて
設定するべき変速段を指示する信号を出力するスイッチ
(あるいはセンサー)であって、その添字の数字が変速
段を表わしており、またその配列は一例として、図3に
示すようになっている。
【0021】図4は上記のシフトレバー22のグリップ
部を示しており、その頂点部分にモード選択スイッチ2
6が取付けられている。このスイッチ26は、1回押す
ごとにON・OFFが切替わるスイッチであって、ON
状態で手動モード選択信号を出力し、OFF状態で自動
モード選択状態となるようになっている。なお、ON・
OFF状態を視認できるようにするために、発光ダイオ
ード(LED)などのON状態で点灯する手段を有する
スイッチであることが好ましい。
【0022】上記のシフトレバー22は、シフトロッド
27を介してアウタレバー28に連結されている。この
アウタレバー28は、図5に示すように、マニュアルロ
ッド29にその半径方向へ延出させて一体化したレバー
であって、シフトレバー22に連動して図5の破線で示
す位置に回動する。このようなアウタレバー28の動作
を検出するニュートラルスタートスイッチ30が設けら
れており、このニュートラルスタートスイッチ30によ
って前記I形溝24内でのシフトレバー22の設定位置
を検出するようになっている。
【0023】なお、マニュアルロッド29が図示してな
いカムおよびレバーを介してマニュアルバルブに連結さ
れ、またシフトレバー22をH形溝25に移動させた場
合には、アウタレバー28は図5に符号Dで示す位置に
保持される。このような機能のシフト装置としては、例
えば特開平4−272570号公報に記載した装置を採
用することができる。
【0024】上記の各変速段スイッチSW1,〜SW4、モ
ード選択スイッチ26およびニュートラルスタートスイ
ッチ30は、電子制御装置21に接続されている。図6
その電子制御装置21の制御システムの概略図を示し
てあり、この電子制御装置21には、入力インターフェ
ース回路31を介して、各変速段スイッチSW1,〜SW4
からの信号、D・G・T信号、オートドライブコンピュ
ーターからの信号、ニュートラルスタートスイッチ30
からの信号、モード選択スイッチ26からの信号、水温
センサーからの信号、スロットルポジションセンサーか
らの信号、吸気管圧力の信号、スピードセンサーNO.1
およびNO.2からの信号、トランスミッション(TM)
インプットスピードセンサーからの信号、キックダウン
スイッチからの信号、トランスミッションコントロール
スイッチからの信号、ストップランプスイッチからの信
号、パターンセレクトスイッチからの信号がそれぞれ入
力されている。また出力インターフェース回路32を介
して燃料噴射制御コンピュータ(EFIコンピュータ)
に信号が出力され、また他の出力インターフェース回路
32を介して、変速用のソレノイドバルブS1 ,S2 ,
S3 、ライン圧制御用のソレノイドバルブSLT、ロック
アップクラッチ制御用のソレノイドバルブSLU、アキュ
ームレータ背圧制御用のソレノイドバルブSLNに信号が
出力され、さらにダイアグノーシス信号が出力されてい
る。なお、電子制御装置21は、定電圧電源33を介し
てバッテリー34に接続されている。
【0025】この電子制御装置21によって制御される
自動変速機Aの歯車列の一例を図示すれば、図7のとお
りであり、またこの歯車列を対象として自動モードと手
動モードとで変速を実行する油圧制御装置20の油圧回
路の主要部分を図示すれば図8のとおりである。
【0026】すなわち図7に示す自動変速機Aには、ロ
ックアップクラッチ35を有するトルクコンバータ36
と、一組の遊星歯車機構を有する第2変速部37と、二
組の遊星歯車機構によって複数の前進段および後進段を
設定する第1変速部38とが設けられている。
【0027】第2変速部37は、ハイ・ローの二段の切
換えを行うものであって、その遊星歯車機構のキャリヤ
39がトルクコンバータ36のタービンランナ40に連
結されており、またこのキャリヤ39とサンギヤ41と
の間にはクラッチC0 および一方向クラッチFo が相互
に並列の関係となるよう設けられ、さらにサンギヤ41
とハウジングHu との間にブレーキB0 が設けられてい
る。
【0028】第1変速部38の各遊星歯車機構における
サンギヤ42,43は、共通のサンギヤ軸44に設けら
れており、この第1変速部38の図における左側(フロ
ント側)の遊星歯車機構におけるリングギヤ45と第2
変速部37におけるリングギヤ46との間に第1クラッ
チC1 が設けられ、また前記サンギヤ軸44と第2変速
部37のリングギヤ46との間に第2クラッチC2 が設
けられている。第1変速部38における図の左側の遊星
歯車機構のキャリヤ47と右側(リヤ側)の遊星歯車機
構のリングギヤ48とが一体的に連結されるとともに、
これらのキャリヤ47とリングギヤ48とに出力軸49
が連結されている。
【0029】そしてバンドブレーキである第1ブレーキ
B1 がサンギヤ軸44の回転を止めるように、より具体
的には第2クラッチC2 のクラッチドラムの外周側に設
けられており、またサンギヤ軸44とハウジングHu と
の間に、第1一方向クラッチF1 と第2ブレーキB2 と
が直列に配置されており、またリヤ側の遊星歯車機構に
おけるキャリヤ50とハウジングHu との間に第2一方
向クラッチF2 と第3ブレーキB3 とが並列に配置され
ている。
【0030】上記の歯車列を備えた自動変速機Aは、前
進段で第1速ないし第4速を設定することができ、これ
らのうち第1速および第2速は自動モードでエンジンブ
レーキが効かず、手動モードでエンジンブレーキを効か
せる必要があるので、前記油圧制御装置20には図8に
示す油圧回路が組み込まれている。
【0031】マニュアルバルブ100は、前記シフトレ
バー22を操作してスプール101を移動することによ
り油圧の給排状態を切換えるものであって、プライマリ
ーレギュレータバルブ(図示せず)で調圧されたライン
圧PL を供給するライン圧油路60が入力ポート102
に接続されており、Dレンジでは、スプール101が図
示の位置にあって入力ポート102をDポート103に
連通させるようになっている。またSレンジではスプー
ル101が図の下側に移動して入力ポート102がDポ
ート103とSポート104とに連通し、Lレンジでは
スプール101が更に下側に移動して入力ポート102
がDポート103、Sポート104およびLポート10
5の三者に連通し、また反対にNレンジではスプール1
01が入力ポート102を閉じ、Rレンジでは入力ポー
ト102がRポート106に連通し、Pレンジでは入力
ポート102を閉じるとともに、他のポートをドレンポ
ートに連通するようになっている。
【0032】第1速と第2速との間の変速を行う 1-2シ
フトバルブ200は、四つのランドを有するスプール2
01とその一端部に配置したスプリング202とを備え
ており、スプリング202とは反対側の端部に形成した
制御ポート203が第2ソレノイドバルブS2 に接続さ
れ、第2ソレノイドバルブS2 がOFFのときに、ライ
ン圧油路61からストレーナ62およびオリフィス63
を介して供給されるライン圧PL が制御ポート203に
生じるようになっている。
【0033】制御ポート203より図での下側に、最上
部のランドで開閉されるセカンドコーストポート204
と、このセカンドコーストポート204とドレンポート
205とに選択的に連通される第1ブレーキポート20
6とが順に形成され、この第1ブレーキポート206に
セカンドコーストモジュレータバルブ64を介して第1
ブレーキB1 が接続されている。またドレンポート20
5より図での下側に、マニュアルバルブ100のDポー
ト103に接続したDポート207が形成されており、
このDポート207と他のドレンポート208とに選択
的に連通される第2ブレーキポート209に第2ブレー
キB2 が接続されている。前記他のドレンポート208
より図での下側に更に他のドレンポート210が形成さ
れており、このドレンポート210とローコーストポー
ト211とに選択的に連通される第3ブレーキポート2
12に第3ブレーキB3 が接続されている。そしてスプ
リング202を配置してある最下端部にホールドポート
213が形成されている。
【0034】第2速と第3速との間の変速を行う 2-3シ
フトバルブ300は、六つのランドを形成したスプール
301と、その一端部(図の下端部)に配置したスプリ
ング302とを有しており、スプリング302とは反対
側の端部に形成した制御ポート303が第1ソレノイド
バルブS1 に接続され、第1ソレノイドバルブS1 がO
FFのときに、前記マニュアルバルブ100のDポート
103からストレーナ65およびオリフィス66を介し
て供給されるライン圧PL が制御ポート303に生じる
ようになっている。
【0035】この 2-3シフトバルブ300には、図の上
から順に、第1ドレンポート304、ブレーキポート3
05、第1Dポート306が形成されており、そのブレ
ーキポート305が前記 1-2シフトバルブ200のセカ
ンドコーストポート204に接続されるとともに、この
ブレーキポート305を第1ドレンポート304と第1
Dポート306とに選択的に連通させるようになってい
る。上記のポートに続けて、ホールド出力ポート30
7、入力ポート308、クラッチポート309、第2ド
レンポート310が順に形成されており、第1ドレンポ
ート304とブレーキポート305とが連通していると
きに、第1Dポート306とホールド出力ポート30
7、入力ポート308とクラッチポート309とがそれ
ぞれ連通し、ブレーキポート305が第1Dポート30
6に連通しているときに、ホールド出力ポート307と
入力ポート308、クラッチポート309と第2ドレン
ポート310とがそれぞれ連通するようになっている。
【0036】さらに第2ドレンポート310に続けてブ
レーキポート311、第2Dポート312が順に形成さ
れており、クラッチポート309が入力ポート308に
連通しているときに第2ドレンポート310がブレーキ
ポート311に連通し、また反対にクラッチポート30
9が第2ドレンポート310に連通しているときにブレ
ーキポート311と第2Dポート312とが連通するよ
うになっている。さらにまたスプリング302を配置し
てある最下端部にホールドポート313が形成されてい
る。
【0037】そして前記クラッチポート309に第2ク
ラッチC2 が接続される一方、前記1-2シフトバルブ2
00のホールドポート213とこのクラッチポート30
9とが接続されている。またブレーキポート311がロ
ーコーストモジュレータバルブ67を介して 1-2シフト
バルブ200のローコーストポート211に接続されて
いる。さらにホールドポート313がマニュアルバルブ
100のLポート105に接続され、Lレンジではスプ
ール301を図の右半分に示すように押し上げた位置に
保持するようになっている。
【0038】3-4シフトバルブ400は第2ソレノイド
バルブS2 および 2-3シフトバルブ300のホールド出
力ポート307から送られる油圧によって制御されて、
前述した第2変速部37の変速を実行するものであっ
て、四つのランドが形成されたスプール401とその一
端部に配置したスプリング402とを備えており、スプ
リング402とは反対側の端部に形成した制御ポート4
03が、前述した 1-2シフトバルブ200の制御ポート
203と同様に、第2ソレノイドバルブS2 に接続さ
れ、またスプリング402を配置してある端部に形成し
たホールドポート404が、 2-3シフトバルブ300に
おけるホールド出力ポート307に接続されている。
【0039】この 3-4シフトバルブ400は、第2ソレ
ノイドバルブS2 がOFFとなっていて制御ポート40
3にライン圧PL が作用している場合に、ライン圧油路
61に接続してある入力ポート405が、ブレーキB0
を接続してあるブレーキポート406に連通し、また反
対に制御ポート403から排圧されている場合あるいは
ホールドポート404に油圧が作用している場合に入力
ポート405が、クラッチC0 を接続してあるクラッチ
ポート407に連通するようになっている。
【0040】そしてマニュアルバルブ100のDポート
103に第1クラッチC1 が接続されるとともに、この
第1クラッチC1 から 2-3シフトバルブ300の第1お
よび第2のDポート306,312に至る油路68の途
中に、手動モードでの第1速と第2速とでエンジンブレ
ーキを効かせるため、換言すれば自動モードでの第1速
と第2速とでのエンジンブレーキを阻止するためのコー
ストブレーキカットオフバルブ500が設けられてい
る。
【0041】これは、第1クラッチC1 に接続してある
クラッチポート501と 2-3シフトバルブ300の第1
および第2のDポート306,312に接続してあるブ
レーキポート502とを選択的に連通させるものであっ
て、スプリング503によって一方向に押圧されたスプ
ール504を有するとともに、スプリング503を配置
した端部に形成されているホールドポート505が、オ
ーバードライブ(O/D)ロックアウトバルブ600を
介して、マニュアルバルブ100のSポート104に接
続され、またこれとは反対側の端部に形成した制御ポー
ト506が第3ソレノイドバルブS3 に接続されてい
る。そしてこの第3ソノイドバルブS3 は、第1クラッ
チC1 と制御ポート506とを、ストレーナ65および
オリフィス70を介して接続している油路71に介装さ
れ、OFF状態でドレンポートを閉じて制御ポート50
6にライン圧PL を生じさせ、ON状態でドレンポート
を開いて制御ポート506から排圧するようになってい
る。
【0042】O/Dロックアウトバルブ600は、弁体
601の位置を、制御ポート602に作用するライン圧
PL とこの制御圧に対抗するスプリング603とによっ
て制御することにより、出力ポート604を入力ポート
605とドレンポート606とに選択的に連通させるよ
う構成されている。すなわち弁体601は、中間部の外
径を両端部の外径より小さくしたものであって、図8の
右半分に示すように弁体601がスプリング603を圧
縮して押し下げられている状態では、出力ポート604
と入力ポート605とが弁体601の外周側の隙間を介
して連通し、また弁体601が図8の左半分に示す位置
に押し上げられている状態では、入力ポート605が閉
じられるとともに、出力ポート604がドレンポート6
06に連通する。
【0043】そしてその出力ポート604にコーストブ
レーキカットオフバルブ500のホールドポート505
が接続され、また入力ポート605はマニュアルバルブ
100のSポート104に接続され、さらに制御ポート
602は第1ソレノイドバルブS1 に接続されている。
【0044】上記の各ソレノイドバルブS1 ,S2 ,S
3 が図9に示すようにONもしくはOFFとされるの
で、 1-2シフトバルブ200では、第1速で右半分に示
すようにスプール201が押し下げられ、それ以外の前
進段ではスプール201が図の左半分に示すように押し
上げられ、また 2-3シフトバルブ300では、第1速お
よび第2速で図の右半分に示すようにスプール301が
押し上げられ、第3速および第4速ではスプール301
が図の左半分に示すように押し下げられ、さらに3-4シ
フトバルブ400では、第1速ないし第3速でスプール
401が図の右半分に示すように押し上げられ、第4速
で図の左半分に示すように押し下げられる。その結果、
各摩擦係合装置が図9に示すように係合あるいは解放さ
れて各変速段が設定される。
【0045】なお、図9は作動表であって、○印はソレ
ノイドバルブについてON、摩擦係合装置については係
合を示し、また×印はソレノイドバルブについてOF
F、摩擦係合装置については解放を示す。
【0046】ここで特に手動モードでの第1速と第2速
とについて説明すると、これらの変速段を設定する場
合、第3ソレノイドバルブS3 はONとされるので、コ
ーストブレーキカットオフバルブ500の制御ポート5
06から排圧され、そのスプール504がスプリング5
03によって図の左半分に示す位置へ押し上げられる。
その結果、クラッチポート501とブレーキポート50
2とが連通するので、 2-3シフトバルブ300の第1D
ポート306と第2Dポート312とにライン圧PL が
供給される。一方、 2-3シフトバルブ300は、第1速
および第2速を設定する際に、第1ソレノイドバルブS
1 がONとされて制御ポート303から排圧され、それ
に伴ってスプール301が図の右半分に示す位置に押し
上げられているから、第1Dポート306がブレーキポ
ート305に連通し、第2Dポート312がブレーキポ
ート311に連通する。すなわちこれらのブレーキポー
ト305,311にそれぞれ接続されている 1-2シフト
バルブ200のセカンドコーストポート204とローコ
ーストポート211とにライン圧PL が供給される。
【0047】この 1-2シフトバルフ200は、第1速の
ときに第2ソレノイドバルブS2 がOFFとなって制御
ポート203に油圧が供給されることによりスプール2
01が図の右半分に示す位置に押し下げられるから、ロ
ーコーストポート211が第3ブレーキポート212に
連通し、その結果、ここに接続してある第3ブレーキB
3 に油圧が供給されてこれが係合する。すなわち図7に
示す歯車列において、第2一方向クラッチF2 と並列の
関係にある第3ブレーキB3 が係合するためにキャリヤ
50の正逆両方向への回転が阻止され、エンジンブレー
キを効かせることができる。
【0048】また 1-2シフトバルブ200は第2速の際
に、第2ソレノイドバルブS2 がONとなって制御ポー
ト203から排圧され、そのスプール201が図の左半
分に示す位置へ押し上げられるから、セカンドコースト
ポート204が第1ブレーキポート206に連通し、そ
の結果、ここに接続してある第1ブレーキB1 が係合す
る。すなわち図7に示す歯車列において、第1一方向ク
ラッチF1 および第2ブレーキB2 に対して並列の関係
にある第1ブレーキB1 が係合することにより、第1変
速部40におけるサンギヤ41,42の正逆両方向の回
転が阻止され、エンジンブレーキを効かせることができ
る。
【0049】上記の歯車列および油圧回路を備えた自動
変速機Aでの自動モードと手動モードとの切換えは、前
記のモード選択スイッチ26および変速段スイッチSW
1,〜SW4の出力信号に基づいて行われる。なおここ
で、自動モードとは、通常の車両用自動変速機における
変速制御と同様に、車両の走行状態に基づいて設定すべ
き変速段を判断し、その変速段への変速を実行するモー
ドである。したがって自動モードでDレンジを選択して
いれば、第1速ないし第4速が走行状態に応じて設定さ
れ、かつ第1速および第2速ではエンジンブレーキが効
かない。またSレンジを選択していれば、第1速ないし
第3速が走行状態に応じて設定され、かつ第2速でエン
ジンブレーキが効くようになる。さらにLレンジを選択
していれば、第1速および第2速が走行状態に応じて設
定され、かつこれら両方の変速段でエンジンブレーキが
効く。
【0050】これに対して手動モードとは、運転者のマ
ニュアル操作によって変速段を選択し、その変速段への
変速を実行し、さらに選択される全ての変速段でエンジ
ンブレーキを効かせるモードである。したがってこの手
動モードにおいては、第1速あるいは第2速を設定する
場合、変速用のソレノイドバルブS1 ,S2 ,S3 は、
図9の作動表のうち「手動」の欄に示すようにONもし
くはOFFとされる。
【0051】モードの切換え制御のうち、先ず、自動モ
ードから手動モードへの切換えの制御について説明す
る。図10はその制御ルーチンを示すフローチャートで
あって、ステップ1で入力信号の処理を行った後に、ス
テップ2でモード選択スイッチ26がONか否かを判断
する。このスイッチ26がOFFであれば、自動モード
が選択されていることになるので、特に制御を行わずに
リターンし、反対にONであれば手動モードが選択され
ていることになるので、ステップ3に進んでニュートラ
ルスタートスイッチ30がDレンジ位置にシフトレバー
22があることを検出してその検出信号を出力している
か否かを判断する。その判断結果が“ノー”であれば、
シフトレバー22が前述したI形溝24内でDレンジ位
置以外の位置にあることになり、これは、自動変速を行
うことあるいは車両を停止もしくは後退させることのい
ずれかを、運転者が意図していることになるので、図
0の制御を行わずにリターンする。
【0052】一方、ニュートラルスタートスイッチ30
がDレンジを検出していれば、シフトレバー22がDレ
ンジ位置にあり、あるいは手動モード用シフト路である
H形溝25内のいずれかの位置にあることになる。この
状態では、マニュアルバルブ100は、図8に示す状態
になっていて、全ての前進段を設定可能な油路構成とな
っている。したがってステップ3の判断結果が“イエ
ス”の場合には、手動モードを設定する(ステップ
4)。この制御は、車速やスロットル開度などの走行状
態に基づく変速制御に替えて、変速段スイッチSW1,〜
SW4からの入力信号に基づいて変速制御を行うように設
定する制御であり、したがってステップ5において第1
速用の変速段スイッチSW1がONになっていることが判
断されると、手動モードの初期段として第1速を設定す
る変速信号が出力される(ステップ6)。この場合の第
1速はエンジンブレーキの効く第1速であり、したがっ
て具体的には、第1と第3とのソレノイドバルブS1 ,
S3 がONとされる。あるいは第2速用の変速段スイッ
チSW2がONとなっていることが判断されると(ステッ
プ7で“イエス”)、エンジンブレーキの効く第2速を
設定するように変速信号が出力される(ステップ8)。
具体的には、第1ないし第3のソレノイドバルブS1 ,
S2 ,S3 がONとされる。以下同様に、第3速用の変
速段スイッチSW3がONとなっていれば(ステップ9で
“イエス”)、第3速を設定するように変速信号が出力
され(ステップ10)、また第4速用の変速段スイッチ
SW4がONとなっていれば(ステップ11で“イエ
ス”)、第4速を設定するように変速信号が出力され
る。(ステップ12)。
【0053】そしていずれの変速段スイッチSW1,〜S
W4もONとされない場合、すなわちステップ11の判断
結果が“ノー”の場合には、自動モードの自動変速パタ
ーンに基づき手動モードの初期段が決定される。この場
合、その変速段ではエンジンブレーキが効くように制御
される。
【0054】なお、上述した装置では、手動モードで変
速段を設定する場合、モード選択スイッチ26のONと
変速段スイッチSW1,〜SW4のONとの前後は問わない
から、シフトレバー22をいずれかの変速段スイッチS
W1,〜SW4の位置に移動させてそのスイッチをONに
し、しかる後、希望するタイミングでモード選択スイッ
チ26をONにしてもよい。このようにすれば、モード
選択スイッチ26のON操作とほぼ同時に手動モードに
切替わるので、応答の遅れが殆んど生じない。
【0055】つぎに手動モードでの変速制御について図
11のフローチャートを参照して説明する。先ず、ステ
ップ20で入力信号の処理を行った後、ステップ21で
手動モード中か否かを判断する。その判断結果が“ノ
ー”であればリターンし、“イエス”であれば、いずれ
かの変速段スイッチSW1,〜SW4がONとされているか
否かを順に判断する。
【0056】すなわち第1速用の変速段スイッチSW1が
ONとなっていれば(ステップ22で“イエス”)、エ
ンジンブレーキの効く状態での第1速を設定するように
変速信号を出力する(ステップ23)。また第2速用の
変速段スイッチSW2がONとなっていれば(ステップ2
4で“イエス”)、エンジンブレーキの効く状態での第
2速を設定するように変速信号を出力する(ステップ2
5)。以下同様に、第3速用の変速段スイッチSW3がO
Nとなっていれば(ステップ26で“イエス”)、第3
速を設定するように変速信号を出力し(ステップ2
7)、また第4速用の変速段スイッチSW4がONとなっ
ていれば(ステップ28で“イエス”)、第4速を設定
するように変速信号を出力する。(ステップ29)。そ
してシフトレバー22をH形溝25のいずれかの頂点部
分から他の位置に移動させる過渡状態にあるなどのこと
により、全ての変速段用スイッチSW1,〜SW4がOFF
の場合、すなわちステップ28の判断結果が“ノー”の
場合には、手動モードで設定されている直前の変速段を
保持する(ステップ30)。
【0057】前述したように手動モードの設定は、基本
的には、モード選択スイッチ26といずれかの変速段用
スイッチSW1,〜SW4とがONとなることにより設定さ
れるのであるが、一旦手動モードが設定されて手動モー
ドで変速段が設定されている状態では、変速段用スイッ
チSW1,〜SW4がOFFとなっても手動モードでの変速
段の設定を行い、自動モードへの復帰は行わない。この
ような制御を行うことにより、モード選択スイッチ26
を設けたことに伴う制御の煩雑さを避けることができ
る。
【0058】つぎに自動モードへの復帰制御すなわち手
動モードの解除の制御について説明する。図12および
13において、先ず入力信号の処理(ステップ40)
を行った後に手動モードでの変速制御が行われているか
否かを判断し(ステップ41)、手動モード中であれ
ば、モード選択スイッチ26がOFFか否かを判断する
(ステップ42)。このスイッチ26がOFFの場合に
は、DポジションセンサーDs がONか否かを判断する
(ステップ43)。その判断結果が“イエス”であって
も直ちには手動モードを解除しないで、変速段用スイッ
チSW1,〜SW4がONとなっているか否かを判断する。
すなわち第1速用の変速段スイッチSW1から第4速用の
変速段スイッチSW4の順にこれらがONか否かを判断
し、ONとなっている変速段用スイッチSW1,〜SW4に
対応する変速段を設定する(ステップ44〜51)。こ
のステップ44からステップ51までの制御は、図11
示すステップ22からステップ29までの制御と同じ
である。
【0059】そしてステップ50の判断結果が“ノー”
であればステップ52に進んでフラグFが“0”か否か
を判断する。このフラグFは“1”に設定されることに
よりタイマーtによる時間のカウントが行われているこ
とを示すフラグであり、したがってステップ52の判断
結果が“イエス”であれば、タイマーtをゼロリセット
してスタートさせ(ステップ53)、かつフラグFを
“1”にセット(ステップ54)した後にリターンす
る。
【0060】またフラグFが既に“1”にセットされて
いることによりステップ52の判断結果が“ノー”とな
った場合には、タイマーtのカウント値が予め定めた値
T1以上か否かを判断し(ステップ55)、その設定時
間T1 を経過していない場合にはリターンし、またその
設定時間T1 を経過した場合には、手動モードを解除す
る(ステップ56)とともに、フラグFをゼロリセット
する(ステップ57)。
【0061】一方、ステップ41,42,43の判断結
果が“ノー”の場合、もしくはステップ51で第4速の
変速信号を出力した後は、ステップ58でフラグFをゼ
ロリセットしてリターンする。
【0062】したがって上記の制御によれば、モード選
択スイッチ26がOFFになることのみによっては自動
モードに復帰せずに、シフトレバー22が自動モード用
シフト路であるI形溝24に戻されることをも条件にし
て自動モードに復帰するので、モード選択スイッチ26
の誤操作による自動モードへの復帰を防止でき、また自
動モードに復帰した後のレンジ変更操作を誤りなく行う
ことができる。
【0063】さらに図14はシフトレバー22がDレン
ジ位置に長時間、放置されることによる自動モードへの
復帰制御を示している。すなわち先ずステップ60で入
力信号の処理を行った後に手動モードでの変速制御が行
われているか否かを判断する(ステップ61)。手動モ
ードとなっている場合には、DポジションセンサーDs
がONとなっているか否かを判断する(ステップ6
2)。DポジションセンサーDs がONであれば、全て
の変速段スイッチSW1,〜Sw4がOFFであることを確
認(ステップ63で“イエス”)した後、フラグFc が
“0”か否かを判断する(ステップ64)。
【0064】このフラグFc は“1”にセットされるこ
とによりタイマーtc による時間のカウントの行われて
いることを示すフラグであり、このフラグFc が“0”
であれば、タイマーtc をゼロリセットして時間のカウ
ントを開始(ステップ65)するとともに、フラグFc
を“1”にセット(ステップ66)し、リターンする。
またステップ64の判断結果が“ノー”の場合、すなわ
ちフラグFc が“0”でなければ、タイマーtc のカウ
ント値が予め設定した時間Tc 以上となったか否かを判
断する(ステップ67)。その判断結果が“ノー”の場
合にはリターンし、これとは反対に設定時間Tc を経過
した場合には、手動モードを強制的に解除して自動モー
ドに復帰する(ステップ68)。そしてモード選択スイ
ッチ26をOFFにするとともに(ステップ69)、フ
ラグFc をゼロリセットする(ステップ70)。
【0065】また前記のステップ61,62,63のい
ずれかの判断結果が“ノー”の場合には、ステップ71
に進んでフラグFc をゼロリセットし、リターンする。
【0066】すなわち上記の制御では、いずれの変速段
スイッチSw1,〜SW4もOFFとなっていること、ある
いはシフトレバー22がDレンジ位置にあることが長時
間継続していることをもって自動モードへの復帰と判断
し、モード選択スイッチ26が手動モードに切換えられ
なくても自動モードに強制復帰し、したがって運転者が
自動モードへ切換えることを意図しているものの、モー
ド選択スイッチ26の操作を失念してしまっている場合
に、運転者の意図に則した制御を行うことになる。
【0067】なお、上述した実施例は、図7に示す歯車
列や図8に示す油圧回路を有する自動変速機を対象とす
る例であるが、この発明は上記の実施例に限定されない
のであって、変速段を手動操作によって選択することの
できる各種の自動変速機に適用することができる。した
がってこの発明におけるモード選択スイッチは、手動操
作することのできるスイッチであればよいので、シフト
レバーのグリップ部の頂部に設けたものに限定されな
い。
【0068】そしてこの発明では、Dポジションセンサ
ーを省いた構成とすることもできるのであって、その場
合、自動モードへの復帰は、全ての変速段スイッチがO
FFの状態の継続時間に基づいて行うことができる。こ
のような制御は、シフトレバーをH形溝の四つの頂点部
分から外した場合にシフトレバーがDレンジ位置に戻る
ように付勢力を与えてあるシフト装置を使用する場合に
有効である。
【0069】
【発明の効果】以上の説明から明らかなようにこの発明
によれば、モード選択スイッチを設けるのみならず、こ
のモード選択スイッチと変速段を指示する変速段スイッ
チとの両方のスイッチからの信号に基づいて手動モード
へ切換えるように構成したので、手動モードへの切換え
のための制御システムを簡素化することができることに
加え、モード選択スイッチの誤操作による手動モードへ
の切換え、あるいはそれに伴う車両の急激な挙動変化を
防止することができる。またこの発明によれば、シフト
レバーがドライブレンジ位置にあることを検出するセン
サーと、そのセンサーが動作させられたときにスタート
するタイマーと、そのタイマーのカウント時間が設定時
間以上になったことにより自動モードでの変速を実行す
る信号を出力する自動モード復帰手段とを備えているか
ら、モード選択スイッチの誤操作による自動モードへの
復帰を防止でき、また反対に運転者がモード選択スイッ
チを操作することを失念しても、自動モードに復帰させ
て運転者の意図を、より良く制御に反映させることがで
きる。
【0070】
【0071】
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に記載した発明の概念的なブロック図
である。
【図2】この発明の一実施例を説明するためのブロック
図である。
【図3】シフトレバーを移動させるシフト路の一例を示
す図である。
【図4】シフトレバーのグリップ部の一例を示す斜視図
である。
【図5】ニュートラルスイッチ付近の側面図である。
【図6】電子制御装置を中心とした制御システムを示す
概略図である。
【図7】歯車列の一例を示すスケルトン図である。
【図8】油圧制御装置における油圧回路の主要部分を示
す図である。
【図9】各変速段を設定するための作動表を示す図であ
る。
【図10】手動モードへ切換えるための制御ルーチンの
一例を示すフローチャートである。
【図11】手動モード中での変速制御のためのルーチン
を示すフローチャートである。
【図12】自動モードへの復帰の制御のためのルーチン
の一例の一部を示すフローチャートである。
【図13】自動モードへの復帰の制御のための図12に
示すルーチンに続く他の部分を示 すフローチャートであ
る。
【図14】自動モードへの自動復帰の制御のためのルー
チンの示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 シフトレバー 2 自動変速モード用シフト路 3 変速段位置 4 手動モード用シフト路 5 マニュアルバルブ機構 6 モード選択手段 7 変速出力手段 8 変速段保持手段 9 ドライブ位置センサー 10 自動モード復帰手段 11 タイマー 12 自動モード復帰手段
フロントページの続き (72)発明者 犬塚 武 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (72)発明者 服部 雅士 愛知県安城市藤井町高根10番地 アイシ ン・エィ・ダブリュ株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−153957(JP,A) 特開 平5−44824(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前進段の設定を走行状態に基づいて行う
    ドライブレンジを含む複数のレンジ位置が設けられ、そ
    れらのレンジ位置にシフトレバーを案内する自動変速モ
    ード用シフト路と、所定の前進段を設定するための複数
    の変速段位置を備えかつ前記ドライブレンジ位置と一部
    で交差して各変速段位置にシフトレバーを案内する手動
    モード用シフト路とを備え、前記各レンジ位置に対応し
    た油路構成となるよう切替わるマニュアルバルブ機構
    が、前記手動モード用シフト路内にシフトレバーが位置
    する状態ではドライブレンジ位置に対応する油路構成と
    なる状態に維持される手動変速の可能な自動変速機用変
    速制御装置において、 走行状態に基づいて変速段の設定を行う自動モードと前
    記変速段位置に対応した変速段の設定を行う手動モード
    とを手動操作で選択するモード選択手段と、そのモード
    選択手段で自動モードから手動モードに切換えられかつ
    前記いずれかの変速段位置にシフトレバーが入れられた
    ときにその変速段位置によって指示されるエンジンブレ
    ーキの効く変速段を設定する変速出力手段と、前記シフ
    トレバーが前記ドライブレンジ位置にあることを検出す
    るドライブ位置センサーと、そのドライブ位置センサー
    が動作させられたときにスタートするタイマーと、その
    タイマーのカウント時間が予め定めた時間以上になった
    ことにより前記自動モードでの変速を実行する信号を出
    力する自動モード復帰手段とを備えていることを特徴と
    する手動変速の可能な自動変速機用変速制御装置。
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