JPH10306147A - ポリエチレンナフタレート共重合体および写真フイルム用ベースフイルム - Google Patents

ポリエチレンナフタレート共重合体および写真フイルム用ベースフイルム

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JPH10306147A
JPH10306147A JP11557297A JP11557297A JPH10306147A JP H10306147 A JPH10306147 A JP H10306147A JP 11557297 A JP11557297 A JP 11557297A JP 11557297 A JP11557297 A JP 11557297A JP H10306147 A JPH10306147 A JP H10306147A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた耐デラミネーション性、巻ぐせ解消
性、機械的強度、色相および透明性を兼備した、写真用
フイルムに適したポリエチレンナフタレート共重合体お
よび二軸配向フイルムを提供する。 【解決手段】ナフタレンジカルボン酸を主たる酸成分と
し、エチレングリコールを主たるグリコール成分とし、
そしてグリコール成分中の共重合成分としてエステル形
成性官能基を有するフルオレン化合物を全酸成分に対し
て0.5〜5モル%し、かつジエチレングリコール成分
を全酸成分に対して3モル%以下含有するポリエチレン
ナフタレート共重合体、並びにこの共重合体からなる抗
カーリング性、耐デラミネーション性に優れた写真フイ
ルム用ベースフイルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリエチレンナフタ
レート共重合体および写真フイルム用ベースフイルムに
関し、更に詳しくは優れた耐デラミネーション性、抗カ
ール性、機械的強度、色相および透明性を兼備したフイ
ルムを形成し得るポリエチレンナフタレート共重合体及
び該ポリエチレンナフタレート共重合体からなる写真フ
イルム用ベースフイルムに関する。
【0002】
【従来の技術】写真用フイルムの基材としては、従来か
ら、トリアセテートフイルムが使用されてきた。このト
リアセテートフイルムはその製造工程において、有機溶
剤を使用することから安全上、環境上の課題を抱えてい
る。また、機械的強度および寸法安定性に限界がある等
の欠点もある。このため、代替素材としてポリエチレン
テレフタレートフイルムが一部使用されるようになった
が、フイルムを巻いた状態で保管したとき、強い巻き癖
(カール)が残留する性質があり、かつ、これを取り除
くことが難しいため、現像処理後の取扱性が悪く、ロー
ルフイルムとして使用する写真フイルム用には使用する
ことは困難であった。
【0003】抗カール性を向上する技術として、特開昭
53−146773号公報、特開平1−244446号
公報等において、水蒸気透過性の向上、含水率の向上等
を図った改質ポリエチレンテレフタレートフイルムが提
案されている。これらはカールの減少の面で効果は認め
られるものの、吸湿による寸法安定性の低下、ガラス転
移温度の低下によるフイルム端面部の変形増大等の欠点
を有しており、不十分なものであった。
【0004】さらに近年、写真フイルムに対する品質要
求が高度化し、たとえばロールフイルムでは撮影時のフ
イルム搬送の高速化、撮影装置の小型化が進んでおり、
小さい巻径で巻いた場合にも優れた抗カール性を示すこ
と、薄膜化しても機械的強度、寸法安定性が良好である
こと等の性能が要求されてきている。これらの要求に対
して、トリアセテートフイルムおよび改質ポリエチレン
テレフタレートフイルムはともに十分対応できず、優れ
た特性を有する写真用フイルムが求められている。
【0005】これに応えるべく、ポリエチレンナフタレ
ート(PEN)フイルムの写真用フイルムへの応用が、
たとえば特公昭48−40414号公報、特開昭50−
109715号公報等に記載されている。これらのフイ
ルムでは、機械的強度、寸法安定性といった薄膜化の適
応性、小さい巻径で巻いた場合の抗カール性については
ある程度満足するものであったが、フイルムにデラミネ
ーション(層間剥離)が発生しやすく、特にロールフイ
ルムの場合パーフォレーション孔あけ時にデラミネーシ
ョンが発生するという新たな問題を抱えている。この場
合、層間剥離した部分が白化し写真フイルム用ベースフ
イルムとしての使用が困難になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは上記実情
に鑑み、写真フイルムのベースフイルムに適したポリマ
ーおよびフイルムを開発すべく鋭意研究した結果、特定
組成のポリエチレンナフタレート共重合体からなるフイ
ルムが写真フイルム用ベースフイルムとして優れた特性
を有し、上記問題点を解決することができることを見出
し、本発明に達した。
【0007】本発明の目的は、優れた耐デラミネーショ
ン性、抗カール性、機械的強度、色相および透明性を兼
備したフイルムを形成し得るポリエチレンナフタレート
共重合体および該共重合体からなる写真フイルム用ベー
スフイルムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、本発明
によれば、 1. ナフタレンジカルボン酸を主たる酸成分とし、エ
チレングリコールを主たるグリコール成分とし、そして
グリコール成分中の共重合成分としてエステル形成性官
能基を有するフルオレン化合物を全酸成分に対して0.
5〜5モル%、かつジエチレングリコール成分を全酸成
分に対して3モル%以下含有することを特徴とするポリ
エチレンナフタレート共重合体、ならびに 2. 前記ポリエチレンナフタレート共重合体からなる
写真フイルム用ベースフイルムによって達成される。以
下本発明について詳細に説明する。
【0009】[ポリエステル共重合体]本発明において
ポリエチレンナフタレート共重合体を構成する主たるジ
カルボン酸成分はナフタレンジカルボン酸であり、主た
るグリコール成分はエチレングリコールである。
【0010】本明細書において、主たる酸成分とは全酸
成分に対して80モル%以上、好ましくは90モル%以
上をいい、主たるグリコール成分とは全グリコール成分
に対して80モル%以上、好ましくは90モル%以上を
いう。
【0011】前記ナフタレンジカルボン酸としては、た
とえば2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフ
タレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸
等を挙げることができ、この中2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸が好ましい。
【0012】本発明において、ポリエチレンナフタレー
ト共重合体はグリコール成分中の共重合成分としてエス
テル形成性官能基を有するフルオレン化合物を全酸成分
に対して0.5〜5モル%共重合されている必要があ
る。エステル形成性官能基を有するフルオレン化合物の
共重合量が全酸成分に対して0.5モル%より少ない場
合、フイルムの耐デラミネーション性が向上せず、逆に
5モル%を超える場合、フイルムとした場合の結晶性が
損なわれて機械的強度に劣るだけでなく、抗カール性が
低下する。
【0013】前記エステル形成性官能基を有するフルオ
レン化合物としては、9,9-ビス〔4-(2-ヒドロキシエト
キシ)フェニル〕フルオレンを好ましい例として挙げる
ことができる。
【0014】本発明において、ポリエチレンナフタレー
ト共重合体中に存在するジエチレングリコール成分の量
は、全酸成分に対して3モル%以下であることが必要で
ある。
【0015】このジエチレングリコール成分は、共重合
成分としてジエチレングリコールまたはそのエステル形
成性誘導体の形で添加されて共重合されたものではな
く、ポリエステル共重合体の製造過程で副生して共重合
されたものである。
【0016】前記ジエチレングリコール成分の共重合量
が3モル%を超えると、フイルムとしたときの耐デラミ
ネーション性の改良効果は大きくなるが、結晶性が損な
われるため機械的強度が大幅に低下し、好ましくない。
【0017】本発明におけるポリエチレンナフタレート
共重合体は、本発明の効果を損なわない範囲で、例えば
全酸成分の10モル%、好ましくは5モル%以下の割合
で他の二官能性カルボン酸成分や、全グリコール成分の
10モル%、好ましくは5モル%以下の割合で他のグリ
コール成分が共重合されていてもよい。この二官能性カ
ルボン酸成分としては、例えばテレフタル酸、イソフタ
ル酸等の芳香族ジカルボン酸;オキシ安息香酸等のオキ
シカルボン酸;アジピン酸等の脂肪族カルボン酸;シク
ロヘキサンジカルボン酸等の脂環族カルボン酸などを例
示することができる。また、このグリコール成分として
は、例えばトリメチレングリコール、テトラメチレング
リコール等の脂肪族グリコール;シクロヘキサンジメタ
ノール等の脂環族グリコール;ヒドロキノン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等の
芳香族グリコールなどを例示することができる。
【0018】本発明におけるポリエチレンナフタレート
共重合体は実質的に線状であるが、本発明の効果を損な
わないかぎり、たとえば全酸成分に対し2モル%以下の
範囲で、3官能基以上のポリカルボン酸またはポリヒド
ロキシ化合物、例えばトリメリット酸、ペンタエリスリ
トールが共重合されていてもよい。
【0019】[添加剤]本発明におけるポリエチレンナ
フタレート共重合体には、フイルムの透明性、表面平坦
性、および熱安定性を損なわない程度であれば、例えば
滑剤、顔料、染料、酸化防止剤、光安定剤、遮光剤の添
加剤を必要に応じて配合することもできる。
【0020】[滑剤]本発明のフイルムには、その使用
の態様によっては易滑性を付与することが好ましい。易
滑性を付与する手段としては公知の方法を用いることが
でき、例えば、ポリマー中へ滑剤粒子を分散させる方
法、易滑性を有する層をフイルムの表面に設ける方法等
を好ましく用いることができる。
【0021】ポリマー中へ滑剤粒子を分散させる方法と
して、例えばSiO2、BaSO4、CaCO3、アルミ
ノシリケート、架橋有機粒子等の1種以上をポリマー中
に添加する方法、ポリエチレンナフタレートの重合時に
触媒残さ等を析出させる方法を挙げることができる。
【0022】ポリマー中に滑剤粒子を分散させる方法と
して好ましい方法は、滑剤粒子をポリマー中に添加する
方法である。この方法によると易滑性付与の効果が顕著
である。
【0023】この方法において特に好ましい方法は、ポ
リエチレンナフタレート共重合体の屈折率に近い屈折率
を有する滑剤粒子、例えばBaSO4、アルミノシリケ
ート、架橋有機粒子(例えば架橋ポリスチレン)を添加
する方法である。この方法によると、易滑性を効果的に
付与することができ、かつフイルムの透明性を高く保つ
ことができる。
【0024】易滑性を有する層をフイルムの表面に設け
る方法としては、好ましくは滑剤粒子を実質的に含まな
いポリエチレンナフタレートフイルムの少なくとも片面
に滑剤粒子を有する層を薄く積層する方法である。この
方法によると、易滑性と透明性の良好なフイルムを得る
ことができる。この方法はその積層において、複数の押
出機とフィードブロックやマルチマニフォールドとを組
み合わせて共押出しすることにより積層することが好ま
しい。
【0025】[厚み]本発明におけるフイルムの厚みは
ベースフイルムとして使用する写真フイルムの使用形態
によって適宜選択できるが、好ましくは25〜250μ
m、とくに好ましくは40〜150μmである。
【0026】[抗カーリング性]本発明の写真フイルム
用ベースフイルムは巻きぐせカールが付き難い性質すな
わち抗カーリング性を有することが必要であり、具体的
には80℃における抗カーリング性がANSIカール値
で50[m-1]以下であることが必要である。この80
℃は、日常生活において写真フイルムが通常曝される可
能性がある最高温度の概略値である。ANSIカール値
が50[m-1]を超えると、写真の現像処理工程でのハ
ンドリングが困難となり好ましくない。
【0027】従来、写真フイルムの巻きぐせの評価は、
巻きぐせカールが通常の写真フイルムの現像あるいは乾
燥工程を経て、どの程度解消されるかにかかっていた
が、上記のANSIカール値である写真フイルム用ベー
スフイルムであれば、巻癖カールが付き難い性質、即ち
抗カーリング性に優れており、かつ一旦生成した巻きぐ
せカールが容易に解消されるというカール解消性にも優
れたものとなる。
【0028】[耐デラミネーション性]本発明において
耐デラミネーション性は、折目デラミ白化率を指標とし
て表される。本発明において折目デラミ白化率とは、フ
イルムを折り曲げた際に生じる白化部分の長さのフイル
ム折り曲げ部分の全長に占める割合で定義される。
【0029】本発明のフイルムは耐デラミネーション性
が、折目デラミ白化率で表わして10%以下であること
が必要である。耐デラミネーション性が10%以下であ
れば、写真用ベースフイルムとしてパーフォレーション
孔あけ時等に発生する白化現象の発生割合を低く抑える
ことができる。
【0030】[製造方法]本発明におけるポリエチレン
ナフタレート共重合体は、前記のナフタレンジカルボン
酸またはその低級アルキルエステルを主成分とする酸成
分と、エチレングリコールおよびエステル形成性官能基
を有するフルオレン化合物を主成分とするグリコール成
分とを重縮合させることにより製造できる。好ましく
は、ナフタレンジカルボン酸の低級アルキルエステルを
主成分とする酸成分と、エチレングリコールおよびエス
テル形成性官能基を有するフルオレン化合物を主成分と
するグリコール成分とをエスエル交換反応させて得られ
る反応生成物を重縮合させて製造する。この方法で製造
したポリエチレンナフタレート共重合体を用いてフイル
ムを製膜すると色相が良好で透明性の良いフイルムを得
ることができる。
【0031】上記ナフタレンジカルボン酸の低級アルキ
ルエステルとしては、例えばジメチルエステル、ジエチ
ルエステル、ジプロピルエステルを挙げることができ
る。好ましくは、ジメチルエステルである。
【0032】本発明のフイルムを製造するには従来公知
の方法を適用できる。たとえば、ポリエチレンナフタレ
ート共重合体を溶融し、シート状に押し出し、冷却ドラ
ムで冷却して未延伸フイルムを得、次いで該未延伸フイ
ルムを二軸方向に延伸し、熱固定し、必要であれば熱弛
緩処理することによって製造することができる。その際
のフイルムの表面特性、密度、熱収縮率の性質は、延伸
条件その他の製造条件により変わるので、必要に応じて
適宜条件を選択して製膜する。
【0033】その中、上記の製造方法において、ポリエ
チレンナフタレート共重合体を、Tm+10℃〜Tm+
30℃(但し、Tmはポリエチレンナフタレート共重合
体の融点を表わす)の温度で溶融し、押し出して未延伸
フイルムを得、該未延伸フイルムを一軸方向(縦方向ま
たは横方向)にTg−10℃〜Tg+50℃の温度(た
だし、Tgはポリエチレンナフタレート共重合体のガラ
ス転移温度を表わす)で2〜5倍の倍率で延伸し、次い
で上記延伸方向と直角方向(1段目延伸が縦方向の場合
には2段目は横方向となる)にTg〜Tg+50℃の温
度で2〜5倍の倍率で延伸するのが好ましい。
【0034】その後、好ましくは該ポリエチレンナフタ
レート共重合体のTg+60℃〜Tg+120℃の温度
で0.2〜20秒間フィルムを熱固定する。熱固定の温
度、時間がこの範囲であれば、良好な耐デラミネーショ
ン性、抗カール性を備え、透明性の高いフイルムを得る
ことができる。
【0035】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明する。なお、実施例中の各特性値はつぎの方法によ
り測定した。また、実施例中「部」とあるのは「重量
部」を表わす。ジエチレングリコールをDEGと略称す
ることがある。ガスクロマトグラフィーには日立製作所
製263−70型を用い、また1H−NMRには日立製
作所製R−1900を用いた。
【0036】(1)固有粘度 フェノール/テトラクロロエタン(重量比6:4)混合
溶媒中、35℃にて測定した。
【0037】(2)エステル形成性官能基を有するフル
オレン化合物の共重合量 ポリマーを重水素化トリフルオロ酢酸に溶解し、1H−
NMRにより定量した。
【0038】(3)ジエチレングリコール(DEG)の
含有量 抱水ヒドラジンを用いてポリマーを分解し、ガスクロマ
トグラフィにより定量した。
【0039】(4)折り目デラミ白化率(耐デラミネー
ション性) 80×80mmの大きさにフイルムサンプルを切り出し手
で軽く2つに折りながら、平坦な一対の金属板で挟んだ
後、プレス機により所定の圧力P1(kg/cm2G)で20秒
間プレスした。プレス後、2つ折りのフイルムサンプル
を手でもとの状態に戻し、前記金属板に挟んで、圧力P
1(kg/cm2G)で20秒間プレスした。その後、フイルム
サンプルを取り出し、折り目にあらわれた白化部分の長
さ(mm)を測定して合計した。
【0040】それぞれ新しいフイルムサンプルを使用
し、プレス圧力P1=1,2,3,4,5,6(kg/cm
2G)について上記測定を繰り返した。
【0041】各プレス圧力における白化部分の長さ(m
m)の合計の平均値が、折り目の全長(80mm)に占め
る割合(%)をもって、折目デラミ白化率(%)とし、
この値をフイルムの層間剥離(デラミネーション)の起
こり難さ(耐デラミネーション性)を示す指標として使
用した。
【0042】(5)抗カーリング性(ANSIカール
値) 120×25mmの大きさのフイルムサンプルを平坦な状
態で23℃、50%RHの雰囲気にて24時間調整後、
直径7mmの巻芯に長手方向に巻き付け、巻き戻らないよ
うに仮固定し、80℃にて2時間加熱処理した後、巻芯
から開放した。次いで40℃の蒸留水に15分間浸漬し
た後、サンプルを長手方向を鉛直にして吊るし、33.
5gの荷重下55℃の空気恒温槽で3分間加熱乾燥し
た。カールが残っている状態のサンプルをANSI P
H 1.29−1971の試験方法Aに準じて測定し、
インチをメートル法に換えてカール値を算出し、抗カー
ル性を示す指標とした。
【0043】(6)ヤング率 引張試験機に幅10mmのサンプルフイルムを、チャック
間距離100mmとなるようセットし、23℃、50%R
Hの条件下、引張速度10mm/分で引張試験を行い、縦
方向(MD)および横方向(TD)のヤング率を測定し
た。
【0044】[実施例1]ナフタレン−2,6−ジカル
ボン酸ジメチルエステル100部、エチレングリコール
60部および9,9-ビス〔4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェ
ニル〕フルオレン5.4部(全ジカルボン酸成分に対し
3モル%)を、エステル交換触媒として酢酸マンガン四
水塩0.03部を使用して、常法に従ってエステル交換
反応させた後、トリメチルフォスフェート0.023部
を添加し実質的にエステル交換反応を終了させた。
【0045】さらに、三酸化アンチモン0.024部を
添加し、高温高真空下で常法にて重縮合反応を行い、固
有粘度0.62dl/g、DEG共重合量1.3モル%の
ポリエチレンナフタレート共重合体を得た。
【0046】このポリエチレンナフタレート共重合体の
ぺレットを180℃で3時間乾燥後、押出機ポッパーに
供給し、溶融温度300℃で溶融し、1mmのスリット状
ダイを通して表面温度40℃の回転冷却ドラム上に押出
し、未延伸フイルムを得た。このようにして得られた未
延伸フイルムを120℃にて予熱し、さらに低速、高速
のロール間で15mm上方より900℃のIRヒータにて
加熱して縦方向に3.0倍に延伸し、続いてステンター
に供給し、140℃にて横方向に3.3倍に延伸した。
得られた二軸延伸フイルムを210℃の温度で5秒間熱
固定し、厚み75μmの共重合ポリエチレンナフタレー
トフイルムを得た。
【0047】得られたフイルムを110℃で2日間熱処
理し、フイルムの特性を測定した結果、表1に示す通り
写真フイルム用ベースフイルムとして良好であった。
【0048】[実施例2〜4]エステル形成性官能基を
有するフルオレン化合物の共重合量を表1に示す量に変
更した以外は実施例1と同様に行なって二軸延伸フイル
ムを得た。得られたフイルムの特性を表1に示す。実施
例1と同様に写真フイルム用ベースフイルムとして良好
な特性であった。
【0049】[比較例1]エステル形成性官能基を有す
るフルオレン化合物を添加しないこと以外は実施例1と
同様に行って二軸延伸フイルムを得た。得られたフイル
ムの特性を表1に示す。デラミネーション特性、カール
解消性において満足できるフイルムは得られなかった。
【0050】[比較例2、3]エステル形成性官能基を
有するフルオレン化合物の共重合量を表1に示す量、す
なわち5モル%を超える量に変更する以外は実施例1と
同様に行って二軸延伸フイルムを得た。得られたフイル
ムの特性を表1に示す。デラミネーション特性は十分で
あったが、ヤング率およびカール解消性は不十分であっ
た。
【0051】[比較例4、5]DEGを2部添加する以
外は実施例1と同様に行なって、二軸延伸フイルムを得
た(比較例4)。ポリエステル共重合体中に存在するD
EGの共重合量は4.1モル%であった。
【0052】DEGを添加することなく、重合条件にお
いて三酸化アンチモン添加後に常圧で25分間反応させ
ることに変更する以外は実施例1と同様に行なって、二
軸延伸フイルムを得た(比較例5)。ポリエステル共重
合体に存在するDEGの共重合量は3.5モル%であっ
た。このDEGは重合反応の副生成物として生成し共重
合成分として含有されたものである。
【0053】DEGの共重合量が3モル%を超えた場合
には、実施例1と同様のエステル形成性官能基を有する
フルオレン化合物が共重合されていても、ヤング率およ
びカール解消性は不十分であった。
【0054】
【表1】
【0055】
【発明の効果】本発明のポリエチレンナフタレート共重
合体および写真フイルム用ベースフイルムは、優れた耐
デラミネーション性、抗カール性、機械的強度、良好な
色相および透明性を兼備しているため、たとえば撮影用
フイルム、スチル写真用ロールフイルム、映画用ロール
フイルム、X線用ロールフイルム、製版用フイルム等、
幅広い写真用途で写真フィルム用ベースフイルムとして
特に好適に使用することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ナフタレンジカルボン酸を主たる酸成分
    とし、エチレングリコールを主たるグリコール成分と
    し、さらにグリコール成分中の共重合成分としてエステ
    ル形成性官能基を有するフルオレン化合物を全酸成分に
    対して0.5〜5モル%含有し、かつジエチレングリコ
    ール成分を全酸成分に対して3モル%以下含有すること
    を特徴とするポリエチレンナフタレート共重合体。
  2. 【請求項2】 請求項1の共重合体からなるフイルムで
    あって、80℃における抗カーリング性がANSIカー
    ル値で50[m-1]以下であり、かつ耐デラミネーショ
    ン性が折り目デラミ白化率で10%以下であることを特
    徴とする写真フイルム用ベースフイルム。
JP11557297A 1997-05-06 1997-05-06 ポリエチレンナフタレート共重合体からなる写真フイルム用ベースフイルム Expired - Fee Related JP3318230B2 (ja)

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