JP2807161B2 - 写真感光材料用ポリエチレンナフタレートフイルム - Google Patents

写真感光材料用ポリエチレンナフタレートフイルム

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JP2807161B2
JP2807161B2 JP32405193A JP32405193A JP2807161B2 JP 2807161 B2 JP2807161 B2 JP 2807161B2 JP 32405193 A JP32405193 A JP 32405193A JP 32405193 A JP32405193 A JP 32405193A JP 2807161 B2 JP2807161 B2 JP 2807161B2
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  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は写真感光材料用ポリエチ
レンナフタレートフイルムに関し、さらに詳しくは優れ
た透明性、色相および耐巻ぐせカール性を兼備した写真
感光材料用ポリエチレンナフタレートフイルムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】写真感光材料の基材フイルムとしては、
従来から、トリアセテートフイルムが広く使用されてき
た。このトリアセテートフイルムはその製造工程におい
て有機溶剤を使用することから、安全上、環境上の問題
をかかえている。また、機械的強度、および寸法安定性
に限界がある等の欠点もある。このため、代替素材とし
て、ポリエチレンテレフタレートフイルムが一部使用さ
れるようになったが、巻きぐせカールが強く残留するた
め、現像処理後の取扱性が悪く、その使用範囲が限定さ
れている。
【0003】そこで、特開昭53―146773号、特
開平1―244446号等において、水蒸気透過性の向
上、含水率の向上等を図った改質ポリエチレンテレフタ
レートフイルムが提案されている。これらは、巻ぐせカ
ールの減少の面では効果が認められるものの、吸湿によ
る寸法安定性の悪化、ガラス転移温度の低下によるフイ
ルム端面部の変形増大等の欠点を有しており、代替素材
としては不十分なものであった。
【0004】特に近年、写真感光材料の用途は多様化し
てきており、また撮影時のフイルム搬送の高速化、撮影
装置の小型化が進んでおり、写真感光材料用フイルムと
しては、優れた巻きぐせカール解消性と共に、強度、寸
法安定性、薄膜化の適応性等の性能が要求されている。
この要求に対して、トリアセテートフイルムおよび改質
ポリエチレンテレフタレートフイルムはともに十分対応
できず、優れた特性を有する写真感光材料用フイルムが
望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
た透明性、色相および耐巻きぐせカール性を兼備した写
真感光材料用ポリエチレンナフタレートフイルムを提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
本発明によれば、ナフタレンジカルボン酸を主たる酸成
分とし、エチレングリコールを主たるグリコール成分と
するポリエチレンナフタレートからなる二軸延伸フイル
ムであって、該フイルムのヘーズが2.0%以下であ
り、該フイルムをヘキサフルオロイソプロパノールとク
ロロホルムとの2:3混合溶媒に10mg/mlで溶解
させたときの400nm波長光の透過度(T400 )が9
5%/cm以上であり、かつ該透過度(T400 )と42
0nm波長光の透過度(T420 )との差(ΔT)が3%
/cm以下であり、該フイルムの固有粘度(オルソクロ
ロフェノール、35℃)が0.5dl/g以上であり、
そして該フィルムは二軸延伸後ポリエチレンナフタレー
トのガラス転移温度よりも60℃以上かつ120℃以下
の温度で熱固定されていることを特徴とする写真感光材
料用ポリエチレンナフタレートフイルムによって達成さ
れる。
【0007】本発明においてポリエチレンナフタレート
とはナフタレンジカルボン酸を主たる酸成分とし、エチ
レングリコールを主たるグリコール成分とするポリエチ
レンナフタレートである。
【0008】このナフタレンジカルボン酸としては、例
えば2,6―ナフタレンジカルボン酸、2,7―ナフタ
レンジカルボン酸、1,5―ナフタレンジカルボン酸等
を挙げることができるが、これらの中でも2,6―ナフ
タレンジカルボン酸が好ましい。主たる酸成分がナフタ
レンジカルボン酸でない場合、例えばフイルムに成形し
たときの耐巻ぐせカール性が不良となるため、好ましく
ない。
【0009】他の酸成分としては、芳香族ジカルボン酸
(例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルエタ
ンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニル
エーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン
酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、アンスラセンジカ
ルボン酸等);脂肪族ジカルボン酸(例えばアジピン
酸、セバチン酸等);脂環族ジカルボン酸(例えばシク
ロヘキサン―1,4―ジカルボン酸等)等を例示するこ
とができる。これら他の酸成分の割合は、全酸成分当
り、20モル%以下であることが好ましい。
【0010】ポリエチレンナフタレートを構成するエチ
レングリコール以外のグリコール成分としては、脂肪族
グリコール(例えばトリメチレングリコール、テトラメ
チレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサ
メチレングリコール、デカメチレングリコール等のごと
き炭素数3〜10のポリメチレングリコール、シクロヘ
キサンジメタノール等);芳香族ジオール(例えばハイ
ドロキノン、レゾルシン、2,2―ビス(4―ヒドロキ
シフェニル)プロパン等);ポリアルキレングリコール
(ポリオキシアルキレングリコール)(例えばポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテト
ラメチレングリコール等)などを例示することができ
る。これら他のグリコール成分の割合は、全グリコール
成分当り、20モル%以下であることが好ましい。
【0011】また、本発明におけるポリエチレンナフタ
レートには本発明の効果を損なわないかぎり、例えばヒ
ドロキシ安息香酸の如き芳香族オキシ酸、ω―ヒドロキ
シカプロン酸の如き脂肪族オキシ酸等のオキシカルボン
酸に由来する成分を、ジカルボン酸成分及びオキシカル
ボン酸成分の総量に対し20モル%以下で共重合あるい
は結合させることもできる。
【0012】さらに、本発明におけるポリエチレンナフ
タレートには実質的に線状である範囲の量であり、か
つ、本発明の効果を損なわないかぎり、例えば全酸成分
に対し2モル%以下の量で、3官能以上のポリカルボン
酸又はポリヒドロキシ化合物、例えばトリメリット酸、
ペンタエルスリトール等を共重合させることもできる。
【0013】さらに本発明におけるポリエチレンナフタ
レートには、フイルムの表面平坦性および熱安定性を損
なわない範囲であれば、例えば滑剤、顔料、染料、酸化
防止剤、光安定剤、遮光剤(例えばシリカ、架橋ポリス
チレン、テラゾールブルー、イルガノックス、コバルト
等)等の如き添加剤を必要に応じて含有させることもで
きる。
【0014】本発明におけるポリエチレンナフタレート
は、従来からのポリエステルの製造方法に従って製造す
ることができる。例えば、酸成分をグリコール成分と直
接エステル化反応するか、または酸成分としてジアルキ
ルエステルを用いる場合は、グリコール成分とエステル
交換反応し、その後減圧下に加熱重合して余剰グリコー
ル成分を除去することにより、ポリマーを得ることがで
きる。
【0015】本発明においてポリエチレンナフタレート
フイルムはヘーズが2.0%以下である必要がある。好
ましくは1.5%以下、さらに好ましくは1.0%以下
である。このヘーズが2.0%を超えると、フイルムの
透明性が低下し、写真感光材料用フイルムとして好まし
くない。
【0016】さらに、ポリエチレンナフタレートフイル
ムは、該フイルムをヘキサフルオロイソプロパノールと
クロロホルムとの2:3混合溶媒に10mg/mlで溶
解させたときの400nm波長光の透過度(T400 )が
95%/cm以上であることが必要であり、好ましくは
97%/cm以上である。さらに、この透過度
(T40 0 )と420nm波長光の透過度(T420 )との
差(ΔT)が3%/cm以下であることが必要である。
【0017】本発明におけるT400 およびΔTは、ポリ
エチレンナフタレートフイルム中の析出粒子、滑剤粒
子、触媒残渣、結晶化物、異物などの外乱、さらにはフ
イルム成形時熱劣化などに大きく影響される。T400
95%/cm未満、あるいはΔTが3%/cmを超えて
しまう場合、写真用基材として使用した際、低波長光に
おける感光状態が不良となり、カラー写真フイルム用基
材として使用したとき、偏った色調となってしまうため
好ましくない。
【0018】さらに本発明におけるポリエチレンナフタ
レートフイルムは固有粘度(オルソクロロフェノール、
35℃)が0.5dl/g以上であることが必要であ
る。固有粘度が0.5dl/gに満たない場合、写真フ
イルム用基材として使用したときのカール回復性が不良
となり好ましくない。この固有粘度の上限は、特に制限
されないが、ポリエチレンナフタレートの製造方法とそ
の条件や製造コスト等から自ずと定まる。
【0019】本発明のポリエチレンナフタレートフイル
ムは、その製造方法によって特に制限されることはな
く、例えば以下の方法で好ましく製造される。
【0020】ポリエチレンナフタレートを融点(Tm:
℃)ないし(Tm+60)℃の温度でフイルム状に押し
出し、急冷して固有粘度0.5dl/g以上(好ましく
は0.5〜0.9dl/g)の未延伸フイルムとし、つ
いで該未延伸フイルムを一軸方向(縦方向又は横方向)
に(Tg−10)〜(Tg+50)℃の温度(但し、T
g:ポリエチレンナフタレートのガラス転移温度)で2
〜5倍の倍率で延伸し、続いて上記延伸方向と直角方向
(一段目延伸が縦方向の場合には、二段目延伸は横方向
となる)にTg(℃)〜(Tg+50)℃の温度で2〜
5倍の倍率で延伸する。その後さらに熱固定処理を行う
が、この処理はポリエチレンナフタレートのガラス転移
温度よりも60℃以上かつ120℃以下で熱固定行うこ
とが好ましい。該熱固定温度が(Tg+60)℃よりも
低い場合、フイルムの結晶化が不足するため、カール回
復性が不良となると同時にフイルムが層剥離(デラミ)
をおこしやすく、剥離した部分が白化してしまい、さら
にはパーフォレーション孔あけ時の層剥離、金属などと
の接触によって生ずる傷の成長などの問題が起こるた
め、好ましくない。他方熱固定温度が(Tg+120)
℃よりも高い場合、過度のフイルム結晶化のためにフイ
ルムが白化してしまい、透明性不良となるため、好まし
くない。
【0021】二軸延伸フイルムの厚みは写真感光材料と
しての使用態様によって適宜選択できるが、25〜25
0μm、更には40〜150μmが好ましい。
【0022】本発明のポリエチレンナフタレートには、
用途に応じて易滑性を付与することもできる。易滑性付
与の手段としては特に限定されるものではないが、ポリ
マーの不活性粒子の含有、またはフイルムへの易滑剤の
塗布等が一般的手法として知られており、これらを用い
ることができる。
【0023】不活性粒子を含有させる方法としては、S
iO2 、BaSO4 、CaCO3 、アルミナミリケー
ト、架橋有機粒子等をポリマー中に添加する方法、ポリ
エチレンナフタレートの重合反応時に触媒等を析出させ
る方法があげられる。なお、フイルムの透明性を確保す
る観点より、外部より添加する場合の粒子は、ポリエチ
レンナフタレートの屈折率に近い屈折率を有するものが
好ましく、例えばBaSO4 、アルミナシリケート、架
橋有機粒子(架橋ポリスチレン等)が好ましく挙げられ
る。
【0024】更には、不活性粒子を含有させる場合、フ
イルムの透明性を得るためには、粒子を実質的に含まな
いポリエチレンナフタレートフイルムの少なくとも片側
の面に不活性粒子含有した層を薄く積層する方法も好ま
しい。この手段としては、例えば複数の押出し機ならび
にフィードブロック、あるいはマルチマニフォールドダ
イによる共押出し法が有効な手段として挙げられる。
【0025】本発明のポリエチレンナフタレートフイル
ムは、優れた透明性、色相および耐巻きぐせカール性を
有するため、例えば撮影用フイルム、スチル写真用ロー
ルフイルム、映画用ロールフイルム、X線用ロールフイ
ルム、製版用フイルム等の幅広い写真用途のベースフイ
ルムとして利用できる。
【0026】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない範囲で実施例
に限定されるものではない。尚、実施例での「部」は重
量部を意味する。また実施例での各特性値の測定は下記
の方法による。
【0027】(1)400nmおよび420nm波長光
の透過光強度(T400 、T420 ) ポリエチレンナフタレートフイルム0.25gをヘキサ
フルオロイソプロパノールとクロロホルムとの2:3混
合溶媒に溶解させ、25ml溶液に調製後(10mg/
ml)、島津製作所製自記分光光度計UV―3101P
Cにより、400nmおよび420nm波長光の透過度
(T400 およびT420 、単位=%/cm)を測定する。
【0028】(2)フイルムヘーズ(曇り度) JIS―K6714に準じ、日本精密光学社製、積分球
式HTRメーターにより、フイルムのヘーズを求める。
【0029】(3)カール回復率 フイルムサンプルを120mm×32mmにカットし、
直径10mmの巻芯に長手方向に巻いた後、80℃で2
時間処理した後、巻芯から解放する。その後40℃の蒸
留水に15分間浸漬した後、サンプルを長手方向に垂直
に垂らし、5gの荷重下55℃の空気恒温槽で3分間乾
燥する。続いて荷重を除いて、フイルムの上端部と下端
部の距離(A:mm)を求める。カール回復率を下記の
式で表わす。
【0030】
【数1】
【0031】(4)フイルムの折り目デラミ白化率 80mm×80mmの大きさにフイルムサンプルを切り
出し、手で軽く2つ折りしながら、平坦な一対の金属板
ではさんだ後、プレス機により所定の圧力P1(kg/
cm2 G)で20秒間プレスする。プレス後、2つ折り
のフイルムを手で元の状態に戻し、前記金属板にはさん
で、圧力P1 (kg/cm2 G)で20秒間プレスす
る。その後、サンプルフイルムを取り出し、折り目に現
われた白化部分の長さ(mm)を測定して合計する。
【0032】それぞれ新しいフイルムサンプルを使用
し、プレス圧力P1 =1,2,3,4,5,6(kg/
cm2 G)について上記測定を繰り返す。
【0033】各プレス圧力における白化部分の長さ(m
m)の合計の平均値が、折り目の全長(80mm)に占
める割合をもって、折り目デラミ白化率とし、この値を
フイルムの層剥離(デラミ)の起こり易さを示す指標と
して使用する。
【0034】
【数2】
【0035】(5)ガラス転位温度 示差熱測定装置(Du pont製 DSC2100
型)を用い、20℃/分の昇温速度でガラス転移ピーク
温度を求める。
【0036】[実施例1]2,6―ナフタレンジカルボ
ン酸ジメチルエステル100部とエチレングリコール6
0部とを、エステル交換触媒として酢酸マンガン4水塩
0.03部(1.23モル)を使用して常法に従ってエ
ステル交換反応させ、その後トリメチルフォスフェート
0.023部(1.64モル)を添加し、実質的にエス
テル交換反応を終了させた。
【0037】更に三酸化アンチモン0.024部(0.
82モル)を添加後、引き続き高温高真空下で常法通り
重縮合反応を行ない、固有粘度(o―クロロフェノー
ル、35℃)0.62dl/gのポリエチレンナフタレ
ートを得た。
【0038】このポリエチレンナフタレートのペレット
を180℃で3時間乾燥後、押出ホッパーに供給し、溶
融温度300℃で溶融し、この溶融ポリマーを1mmの
スリット状ダイを通して表面温度40℃の回転冷却ドラ
ム上に押出し、未延伸フイルムを得た。このようにして
得られた未延伸フイルムを120℃に予熱し、更に低
速、高速のロール間で15mm上方より900℃の表面
温度のIRヒーター1本にて加熱して3.0倍に延伸
し、続いてステンターに供給し、140℃にて横方向に
3.3倍に延伸した。得られた二軸配向フイルムを22
0℃の温度で5秒間熱固定し、厚み75μmのポリエチ
レンナフタレートフイルムを得た。このフイルムの固有
粘度は0.60dl/gであった。
【0039】得られたフイルムを100℃にて2日間熱
処理し、フイルム特性を測定したが、この結果は表1に
示すとおり、良好であった。
【0040】[実施例2]二軸配向フイルムの熱固定温
度を200℃とする以外は実施例1と同様の条件で行っ
てフイルムを得た。
【0041】フイルムの各特性は表1に示すとおり、い
ずれも良好であった。
【0042】[実施例3]固有粘度0.53dl/gの
ポリエチレンナフタレートペレットを溶融温度290℃
で溶融押出し、かつ二軸配向フイルムの熱固定温度を1
95℃とする以外は、実施例1と同様に行った。
【0043】得られたフイルムの固有粘度は0.52d
l/gであった。また、フイルムの各特性は表1に示す
とおり、いずれも良好であり、透明性についてはさらに
改良効果が確認された。
【0044】[実施例4]酸成分として表1に示す割合
のテレフタル酸ジメチルを共重合させ、かつ二軸配向フ
イルムの熱固定温度を190℃とする以外は、実施例1
と同様に行った。得られたフイルムはカール回復性が若
干劣るものの、写真フイルム用基材として使用可能であ
り、特にデラミ特性についてはさらに改良効果が確認さ
れた。
【0045】[実施例5]平均粒径0.30μmの球状
バテライト炭酸カルシウム0.3重量%を含有し、固有
粘度0.62dl/gのポリエチレンナフタレートを実
施例1と同様に行って製造し、ポリエチレンナフタレー
トAとした。また固有粘度0.62dl/gの実質的に
粒子を含有しないポリエチレンナフタレートを製造し、
ポリエチレンナフタレートBとした。
【0046】ポリエチレンナフタレートAおよびBを、
夫々180℃で3時間乾燥した後、ポリエチレンナフタ
レートAを押出し機1に供給し300℃で溶融し、一方
ポリエチレンナフタレートBを押出し機2に供給し30
0℃で溶融し、これらのポリエチレンナフタレートをA
が最外層、Bが中間層となるように合流積層させ、40
℃に保持したキャスティングドラム上に急冷固化せしめ
て未延伸フイルムを得た。それぞれの押出し機の吐出量
を調節し、積層フイルムの厚さが1μmとなるようにポ
リエチレンナフタレートA層の厚さを調節し、実施例2
と同じ条件下にて75μm厚さのポリエチレンナフタレ
ート積層フイルムを得た。このフイルムの固有粘度は該
積層フイルムのポリエチレンナフタレートA層およびB
層をそれぞれ剥離して測定した。
【0047】このフイルムの特性を表1に示すが、各特
性はいずれも良好であり、さらに添加粒子がフイルム表
層に均一に分散しているため、特に摩擦係数の低い写真
フイルム用基材として有用なものであった。
【0048】[実施例6]2,6―ナフタレンジカルボ
ン酸100部とエチレングリコール50部とを、加圧下
直接エステル化反応させ、更に三酸化アンチモン0.0
24部(0.82モル)を添加後、引き続き高温高真空
下で重縮合反応を行ない、固有粘度(o―クロロフェノ
ール、35℃)0.62dl/gのポリエチレンナフタ
レートを得た。
【0049】その後、実施例2と同様に行い、厚み75
μmのポリエチレンナフタレートフイルムを得た。この
フイルムの固有粘度は0.60dl/gであった。
【0050】得られたフイルムを100℃にて2日間熱
処理し、フイルム特性を測定した。この結果は表1に示
すが、実施例2のフイルムよりもさらに特性のすぐれた
ものであった。
【0051】[実施例7]中間層に実施例6のポリエチ
レンナフタレートを用い、かつ最外層に実施例5のポリ
エチレンナフタレートAを用いる以外は、実施例5と同
様に行った。得られたフイルムは直接重合法によるポリ
エチレンナフタレートを中間層として使用しているた
め、実施例5のものよりもさらに特性のすぐれたもので
あった。
【0052】[実施例8]中間層に実施例6のポリエチ
レンナフタレートを用い、かつ最外層に実施例6におけ
る固有粘度0.53dl/gのポリエチレンナフタレー
トを用いる以外は、実施例5と同様に行った。得られた
フイルムはカール回復性およびデラミ特性においてさら
に優れたものであった。
【0053】[比較例1]二軸配向フイルムの熱固定温
度を250℃とする以外は、実施例1と同様に行った。
得られたフイルムはフイルム表面の結晶化が過剰に進
み、フイルムの透明性および低波長領域での透過光特性
(T400 )が不良であった。
【0054】[比較例2]固有粘度0.45dl/gの
ポリエチレンナフタレートペレットを溶融温度280℃
で溶融し、かつ二軸配向フイルムの熱固定温度を200
℃とする以外は、実施例1と同様に行った。得られたフ
イルムは固有粘度が0.44dl/gであってカール回
復性およびデラミ特性に劣り、写真フイルム用基材とし
ての要求特性を満足することができなかった。
【0055】[比較例3]二軸配向フイルムの熱固定温
度を170℃とする以外は、実施例1と同様に行った。
得られたフイルムはカール回復性およびデラミ特性に劣
り、写真フイルム用基材としての要求特性を満足するこ
とができなかった。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、優れた色相、透明性、
および耐巻ぐせカール性を兼備した写真感光フイルム用
基材として有用なポリエチレンナフタレートフイルムを
提供することができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ナフタレンジカルボン酸を主たる酸成分
    とし、エチレングリコールを主たるグリコール成分とす
    るポリエチレンナフタレートからなる二軸延伸フイルム
    であって、該フイルムのヘーズが2.0%以下であり、
    該フイルムをヘキサフルオロイソプロパノールとクロロ
    ホルムとの2:3混合溶媒に10mg/mlで溶解させ
    たときの400nm波長光の透過度(T400 )が95%
    /cm以上であり、かつ該透過度(T400 )と420n
    m波長光の透過度(T420 )との差(ΔT)が3%/c
    m以下であり、該フイルムの固有粘度(オルソクロロフ
    ェノール、35℃)が0.5dl/g以上であり、そし
    て該フィルムは二軸延伸後ポリエチレンナフタレートの
    ガラス転移温度よりも60℃以上かつ120℃以下の温
    度で熱固定されていることを特徴とする写真感光材料用
    ポリエチレンナフタレートフイルム。
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