JPH08160565A - 写真感光材料用ポリエチレンナフタレートフイルム - Google Patents

写真感光材料用ポリエチレンナフタレートフイルム

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JPH08160565A
JPH08160565A JP30216094A JP30216094A JPH08160565A JP H08160565 A JPH08160565 A JP H08160565A JP 30216094 A JP30216094 A JP 30216094A JP 30216094 A JP30216094 A JP 30216094A JP H08160565 A JPH08160565 A JP H08160565A
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JP
Japan
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film
polyethylene naphthalate
acid
glycol
catalyst
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JP30216094A
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Manabu Kimura
学 木村
Hideyori Kurihara
英資 栗原
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた色相、透明性、熱安定性、表面平坦
性、および耐巻ぐせカール性を兼備した写真感光フイル
ム基材として有用なポリエチレンナフタレートフイルム
を提供する。 【構成】 エステル交換法で製造されたポリエチレンナ
フタレートからなるフイルムであって、該ポリエチレン
ナフタレートはエステル交換触媒及び重合触媒として用
いたゲルマニウム化合物によるゲルマニウム元素を10
〜500ppm含有し、該フイルムのヘーズが2.0%
以下、イエローインデックス(YID)が5以下であるこ
とを特徴とする写真感光材料用ポリエチレンナフタレー
トフイルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は写真感光材料用ポリエチ
レンナフタレートフイルムに関し、更に詳しくは、優れ
た透明性、色相、熱安定性、および巻ぐせカール性を兼
備した写真感光材料用ポリエチレンナフタレートフイル
ムに関する。
【0002】
【従来の技術】写真感光材料に用いられる基材フイルム
として、従来から、トリアセテートフイルムが広く使用
されてきた。このトリアセテートフイルムは、その製造
工程において有機溶剤を使用することから、安全上、環
境上の課題がある。また、機械的強度および寸法安定性
に限界がある等の問題をかかえている。このため、代替
素材として、ポリエチレンテレフタレートフイルムが一
部使用されるようになったが、巻きぐせカールが強く残
留するため、現像処理後の取扱性が悪く、その使用範囲
が限定されている。
【0003】これに対して、特開昭53―146773
号、特開平1―244446号等において、水蒸気透過
性の向上、含水率の向上等を図った改質ポリエチレンテ
レフタレートフイルムが提案されているが、これらは巻
ぐせカールの減少の面では効果が認められるものの、吸
湿による寸法安定性の悪化、ガラス転移温度の低下によ
るフイルム端面部の変形増大等の欠点を有しており、不
十分なものであった。
【0004】特に近年、写真感光材料の用途は多様化し
てきており、撮影時のフイルム搬送の高速化、撮影装置
の小型化が進んでおり、写真感光材料用フイルムとして
は、優れた巻きぐせカール解消性と共に、強度、寸法安
定性、薄膜化の適応性等の性能が要求されている。この
要求に対して、トリアセテートフイルム、および改質ポ
リエチレンテレフタレートフイルムともに十分対応でき
ず、優れた特性を有する写真感光材料用フイルムが望ま
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、優れ
た透明性、色相、熱安定性、および耐巻きぐせカール性
を兼備した写真感光材料用ポリエチレンナフタレートフ
イルムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
本発明によれば、エステル交換法で製造されたポリエチ
レンナフタレートからなるフイルムであって、該ポリエ
チレンナフタレートはエステル交換触媒及び重合触媒と
して用いたゲルマニウム化合物によるゲルマニウム元素
を10〜200ppm含有し、該フイルムのヘーズが
2.0%以下、イエローインデックス(YID)が5以下
であることを特徴とする写真感光材料用ポリエチレンナ
フタレートフイルムによって達成される。
【0007】本発明においてポリエチレンナフタレート
とはナフタレンジカルボン酸を主たる酸成分とし、エチ
レングリコールを主たるグリコール成分とするポリエチ
レンナフタレートである。
【0008】このナフタレンジカルボン酸としては、例
えば2,6―ナフタレンジカルボン酸、2,7―ナフタ
レンジカルボン酸、1,5―ナフタレンジカルボン酸等
を挙げることができるが、これらの中でも特に2,6―
ナフタレンジカルボン酸が好ましい。主たる酸成分がナ
フタレンジカルボン酸でない場合、例えばフイルムに成
形したときの巻ぐせカール性が不良となるため、好まし
くない。
【0009】このナフタレンジカルボン酸成分と併用す
ることができる他の酸成分としては、芳香族ジカルボン
酸(例えばテレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルエ
タンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニ
ルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボ
ン酸、ジフェニルケトンジカルボン酸、アンスラセンジ
カルボン酸等);脂肪族ジカルボン酸(例えばアジピン
酸、セバチン酸等);脂環族ジカルボン酸(例えばシク
ロヘキサン―1,4―ジカルボン酸等)等を例示するこ
とができる。これら他の酸成分の割合は、全酸成分当
り、20モル%以下であることが好ましい。
【0010】ポリエチレンナフタレートを構成するエチ
レングリコール成分と併用することができる他のグリコ
ール成分としては、脂肪族グリコール(例えばトリメチ
レングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメ
チレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメ
チレングリコール等のごとき炭素数3〜10のポリメチ
レングリコール、シクロヘキサンジメタノール等);芳
香族ジオール(例えばハイドロキノン、レゾルシン、
2,2―ビス(4―ヒドロキシフェニル)プロパン
等);ポリアルキレングリコール(ポリオキシアルキレ
ングリコール)(例えばポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール
等)などを例示することができる。これら他のグリコー
ル成分の割合は、全グリコール成分当り、20モル%以
下であることが好ましい。
【0011】また、前記ポリエチレンナフタレートに
は、本発明の効果を損なわないかぎり、例えばヒドロキ
シ安息香酸の如き芳香族オキシ酸、ω―ヒドロキシカプ
ロン酸の如き脂肪族オキシ酸等のオキシカルボン酸に由
来する成分を、ジカルボン酸成分及びオキシカルボン酸
成分の総量に対し20モル%以下で共重合あるいは結合
させることもできる。
【0012】さらに、前記ポリエチレンナフタレートに
は、ポリマーが実質的に線状である範囲の量でかつ本発
明の効果を損なわないかぎり、例えば全酸成分に対し2
モル%以下の量で、3官能以上のポリカルボン酸及び/
又はポリヒドロキシ化合物、例えばトリメリット酸、ペ
ンタエルスリトール等を共重合させることもできる。
【0013】本発明におけるポリエチレンナフタレート
には、フイルムの表面平坦性および熱安定性を損なわな
い範囲であれば、例えば滑剤、顔料、染料、酸化防止
剤、光安定剤、遮光剤(例えばシリカ、架橋ポリスチレ
ン、テラゾールブルー、イルガノックス、コバルト等)
等の如き添加剤を必要に応じて含有させることもでき
る。
【0014】本発明におけるポリエチレンナフタレート
はエステル交換法で製造され、例えばナフタレンジカル
ボン酸の低級アルキルエステル(特にジメチルエステ
ル)とエチレングリコールとをエステル交換反応させ、
次いで重合反応させて製造される。その際、エステル交
換反応の反応性を高めるため、加圧下エステル交換反応
を行なう方法が好ましい。この方法では最高温度を30
0℃以下とし、加圧圧力を0.2〜5kg/cm2 とし
て行なうのが好ましい。エステル交換法以外の方法、例
えば直接重合法により得られたポリエチレンナフタレー
トである場合、フイルム中のジエチレングリコール(D
EG)量がエステル交換法に比べ多くなり、フイルムの
カール回復性が不良となるため、好ましくない。
【0015】共重合ポリエチレンナフタレートを製造す
る場合、上記エステル交換反応においてナフタレンジカ
ルボン酸の低級アルキルエステルの一部(例えば20モ
ル%以下)を他の酸成分で、またはエチレングリコール
の一部(例えば20モル%以下)を他のグリコール成分
で置換するとよい。
【0016】かかるナフタレンジカルボン酸の低級アル
キルエステルとしては、例えば、ジメチルエステル、ジ
エチルエステル、ジプロピルエステル等を挙げることが
でき、特にジメチルエステルが好ましい。
【0017】本発明におけるポリエチレンナフタレート
は、その製造においてエステル交換触媒及び重合触媒と
してゲルマニウム化合物、特に反応系に可溶なゲルマニ
ウム化合物を用いたものである。
【0018】また、ナフタレンジカルボン酸の低級アル
キルエステルとエチレングリコールとのエステル交換反
応は、酸成分106 gに対して0.5〜5.0モルのゲ
ルマニウム化合物、特に反応系に可溶なゲルマニウム化
合物を添加し、0.2〜5kg/cm2 、特に0.3〜
3kg/cm2 の加圧下エステル交換反応を行なうのが
好ましい。(以下、モルとは酸成分106 g当りのモル
数を示す。)
【0019】この触媒量は、1.0〜4.0モルである
ことが好ましい。該エステル交換反応を常圧下で行う場
合、あるいはゲルマニウム化合物の添加量が0.5モル
未満の場合、ゲルマニウム化合物の活性が小さいため、
エステル交換反応率が不良となり、その結果、ポリマー
の重合度が上がらなくなるため好ましくない。この問題
を解決するべくゲルマニウム化合物の添加量を増やそう
とすると、すなわち酸成分に対するゲルマニウム化合物
の添加量が上記の5.0モルを超えると、常圧下のエス
テル交換反応は可能となるが、ポリエチレンナフタレー
トを溶融工程で使用する際の熱安定性が不良となり、ポ
リエチレンナフタレートが黄色く着色してしまうため好
ましくない。
【0020】次いで、エステル交換反応が実質的に完結
した後に、反応生成物を重縮合反応させてポリマーとす
るが、エステル交換反応触媒として用いたゲルマニウム
化合物を重縮合反応の触媒として継続して使用すること
により目的とするポリエチレンナフタレートを得るのが
本発明の特徴の一つである。
【0021】このとき、ポリエチレンナフタレートの熱
安定性を向上させるために、リン化合物を添加するのが
好ましい。ゲルマニウム化合物の量(Ge)に対するリ
ン化合物の添加量(P)のモル比[P/Ge]は、0.
1〜1.2が好ましい。特に好ましくは0.2〜1.0
の範囲である。このモル比が1.2を超えると、リン触
媒残渣により析出粒子の影響で、フイルムに成形した場
合に表面平坦性が悪化し、かつ透明性が不良となるため
好ましくない。
【0022】本発明においてポリエチレンナフタレート
中の前記ゲルマニウム化合物によるゲルマニウム元素の
量は10〜200ppm、好ましくは20〜170pp
mである。また前記リン化合物によるリン元素の量は0
〜100ppm、好ましくは2〜50ppmである。な
お、ゲルマニウム化合物は重合反応中にその一部が系外
へ排出されることが多いが、上記元素の量は、ポリエチ
レンナフタレート中に残存しているものであってこの排
出されたものを含まない量である。
【0023】本発明に用いられるゲルマニウム化合物
は、特に限定されないが、特にエチレングリコールに可
溶な非晶性の酸化ゲルマニウムが好ましい。
【0024】また、リン化合物としては、例えばトリメ
チルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリ―n
―ブチルホスフェート、リン酸等が挙げられる。好まし
くはトリメチルホスフェートである。
【0025】本発明においては、ポリエチレンナフタレ
ートをさらに過酷な繰返し溶融工程で使用することもあ
るが、この場合には熱安定性が十分でないことがあるた
め、例えばチップ化したポリエチレンナフタレートを水
処理し、反応触媒を失活させるのが好ましい。
【0026】この水処理の方法としては、例えば、重縮
合反応終了後のポリエチレンナフタレートを、4×4×
2mm程度のサイズにチップ化した後、水分率が0.5
重量%以上になるまで常圧下で約80℃の蒸溜水にした
後、チップ表面の水分を除去する方法が挙げられる。
【0027】本発明において、ポリエチレンナフタレー
トの固有粘度(フェノール/テトラクロロエタン混合溶
媒、35℃)は0.3〜0.9、さらに0.4〜0.7
であることが好ましい。
【0028】本発明において、ポリエチレンナフタレー
トフイルムのヘーズは2.0%以下である必要がある。
好ましくは1.5%以下、さらに好ましくは1.0%以
下である。このヘーズが2.0%を超えると、フイルム
の透明性が低下し、写真感光材料用フイルムとして好ま
しくない。
【0029】本発明においてポリエチレンナフタレート
フイルムのイエローインデックス(YID)は5以下であ
る必要がある。YIDが5を超えると、カラー写真フイル
ムとして使用したときに画像が偏った色調となるため、
好ましくない。
【0030】本発明のポリエチレンナフタレートフイル
ムは、その製造方法によって特に制限されることはな
く、例えば以下の方法で好ましく製造される。
【0031】ポリエチレンナフタレートを融点Tm+1
0℃ないしTm+30℃の温度で溶融押し出し急冷して
未延伸フイルムを得、該未延伸フイルムを一軸方向(縦
方向又は横方向)に(Tg−10)〜(Tg+50)℃
の温度(但し、Tg:ポリエチレンナフタレートのガラ
ス転移温度)で2〜5倍の倍率で延伸し、次いで上記延
伸方向と直角方向(一段目延伸が縦方向の場合には、二
段目延伸は横方向となる)にTg(℃)〜(Tg+5
0)℃の温度で2〜5倍の倍率で延伸する。その後、さ
らに熱固定処理を行うが、この処理はポリエチレンナフ
タレートのガラス転移温度よりも60℃以上かつ120
℃以下で熱固定を行うことが好ましい。この熱固定温度
がTg+60℃よりも低い場合、フイルムの結晶化が不
足するため、カール回復性が不良となると同時にフイル
ムが層剥離(デラミ)をおこしやすく、剥離した部分が
白化してしまい、さらにはパーフォレーション孔あけ時
の層剥離、金属などとの接触によって生ずる傷の成長な
どの問題が起こるため好ましくない。またこの熱固定温
度がTg+120℃よりも高い場合、過度のフイルム結
晶化のためにフイルムが白化してしまい、透明性不良と
なるため、好ましくない。
【0032】二軸延伸フイルムの厚みは写真感光材料と
しての使用態様によって適宜選択できるが、25〜25
0μm、更には40〜150μmが好ましい。
【0033】本発明のポリエチレンナフタレートフイル
ムには、使用態様に応じて易滑性を付与することもでき
る。易滑性付与の手段としては特に限定されるものでは
ないが、ポリマーの不活性粒子の含有、またはフイルム
への易滑剤の塗布等が一般的手法として知られており、
これらを用いることができる。
【0034】不活性粒子を含有させる方法としては、S
iO2 、BaSO4 、CaCO3 、アルミナシリケー
ト、架橋有機粒子等をポリマー中に添加する方法、ポリ
エチレンナフタレートの重合時に触媒等を析出させる方
法があげられる。なお、フイルムの透明性を確保する観
点より、外部より添加する場合の粒子は、ポリエチレン
ナフタレートの屈折率に近い屈折率を有するものが好ま
しく、例えばBaSO4、アルミナシリケート、架橋有
機粒子(架橋ポリスチレン等)が好ましく挙げられる。
【0035】更には、不活性粒子を含有させる場合、フ
イルムの透明性を得るためには、粒子を実質的に含まな
いポリエチレンナフタレートフイルムの少なくとも片側
の面に不活性粒子を含有した層を薄く積層する方法も好
ましい。この手段としては、例えば複数の押出し機なら
びにフィードブロック、あるいはマルチマニフォールド
ダイによる共押出し法が有効な手段として挙げられる。
【0036】本発明のポリエチレンナフタレートフイル
ムは、優れた透明性、色相、熱安定性および耐巻ぐせカ
ール性を有するため、例えば撮影用フイルム、スチル写
真用ロールフイルム、映画用ロールフイルム、X線用ロ
ールフイルム、製版用フイルム等の幅広い写真用途のベ
ースフイルムとして利用できる。
【0037】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はその要旨を越えない範囲で実施例
に限定されるものではない。尚、実施例での「部」は重
量部を意味する。また実施例での各特性値の測定は下記
の方法による。
【0038】(1)フイルムヘーズ(曇り度) JIS―K6714に準じ、日本精密光学社製、積分球
式HTRメーターにより、フイルムのヘーズを求める。
【0039】(2)フイルムイエローインデックス(Y
ID) 日本電色工業(株)製色差計SZ―Σ90を用い、フイ
ルムのYIDを下記式により求める。
【0040】
【数1】
【0041】ここで、X、Y、Zは国際CIE規格に定
められる光の3刺激値。
【0042】(3)熱安定性 フイルム作製前後のポリマー固有粘度より下記式を用い
て熱劣化指数を求め、ポリマーの熱安定性評価を行う。 判定基準: 熱劣化指数≦0.05:熱安定性○ 0.05<熱劣化指数≦0.10:熱安定性△ 0.10<熱劣化指数 :熱安定性×
【0043】
【数2】熱劣化指数=([ηO ]/[ηx ])−1 ここで、[ηo ]:フイルム作製前のポリマー固有粘
度、 [ηx ]:フイルム作製後のポリマー固有粘度 である。
【0044】[実施例1]2,6―ナフタレンジカルボ
ン酸ジメチルエステル100部とエチレングリコール6
5部とを、エステル交換触媒として非晶性酸化ゲルマニ
ウムを酸成分10 6 gに対して2.0モルを添加し、
3.0kg/cm2 の圧力エステル交換反応(EI反
応)を行なった。
【0045】引き続き高温高真空下で常法通り重縮合反
応を行ない、固有粘度(フェノール/テトラクロロエタ
ン混合溶媒、35℃)0.63dl/gのポリエチレン
ナフタレートペレット(サイズ=4×4×2mm程度)
を得た。
【0046】このペレットを180℃で3時間乾燥後、
押出機ホッパーに供給し、溶融温度295℃で溶融し、
この溶融ポリマーを1mmのスリット状ダイを通して表
面温度40℃の回転ドラム上に押出し、未延伸フイルム
を得た。
【0047】このようにして得られた未延伸フイルムを
130℃に予熱し、更に低速、高速のロール間で15m
m上方より880℃の表面温度のIRヒーター1本にて
加熱して3.0倍に延伸し、続いてステンターに供給
し、140℃にて横方向に3.3倍に延伸した。得られ
た二軸配向フイルムを220℃の温度で10秒間熱固定
し、厚み90μmのポリエチレンナフタレートフイルム
を得た。このフイルムの固有粘度は0.60dl/gで
あった。
【0048】得られたフイルムを110℃にて2日間熱
処理し、フイルム特性を測定したが、この結果は表1に
示す通り良好であった。
【0049】[実施例2]エステル交換反応終了後、ト
リメチルフォスフェートを酸成分106 gに対して0.
6モル添加し、引き続き高温高真空下で常法通り重縮合
反応を行う以外は実施例1と同様の条件で行ない、フイ
ルム特性を測定したが、表1に示す通り良好であった。
【0050】[実施例3]非晶性酸化ゲルマニウムを酸
成分106 gに対して4.0モル添加し、大気圧力下エ
ステル交換反応を行う以外は、実施例1と同様に行なっ
て、ポリエチレンナフタレートフイルムを得たが、実施
例1ほどのエステル交換反応率が達成できないため、固
有粘度の低いフイルムとなってしまうものの、写真フイ
ルム用基材としては使用可能なレベルであった。同触媒
量で3.0kg/cm2 の圧力下エステル交換反応を行
なえば、十分な特性が得られる。
【0051】[比較例1]非晶性酸化ゲルマニウムを酸
成分106 gに対して5.5モル添加する以外は実施例
1と同様の条件で行ない、ポリエチレンナフタレートフ
イルムを得たが、溶融製膜時の劣化が激しく、写真フイ
ルム用基材としての要求を満足することができなかっ
た。
【0052】[比較例2]エステル交換反応終了後、ト
リメチルフォスフェートを酸成分106 gに対して2.
0モル添加し、引き続き重縮合反応を行なう以外は、比
較例1と同様の条件で行なったが、溶融製膜時の劣化を
抑制することはできたものの、透明性および色相不良と
なり、写真フイルム用基材としての要求特性を満足する
ことができなかった。
【0053】[比較例3]非晶性酸化ゲルマニウムを酸
成分106 gに対して0.45モル添加する以外は、実
施例1と同様の条件で行なったが、エステル交換反応が
不十分であり、重縮合反応に長時間を要するため、色相
不良となり、写真フイルム用基材としての要求特性を満
足することができなかった。
【0054】
【表1】

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エステル交換法で製造されたポリエチレ
    ンナフタレートからなるフイルムであって、該ポリエチ
    レンナフタレートはエステル交換触媒及び重合触媒とし
    て用いたゲルマニウム化合物によるゲルマニウム元素を
    10〜200ppm含有し、該フイルムのヘーズが2.
    0%以下、イエローインデックス(Y ID)が5以下であ
    ることを特徴とする写真感光材料用ポリエチレンナフタ
    レートフイルム。
JP30216094A 1994-12-06 1994-12-06 写真感光材料用ポリエチレンナフタレートフイルム Pending JPH08160565A (ja)

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