JPH08142183A - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents
二軸配向ポリエステルフィルムInfo
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- JPH08142183A JPH08142183A JP28498694A JP28498694A JPH08142183A JP H08142183 A JPH08142183 A JP H08142183A JP 28498694 A JP28498694 A JP 28498694A JP 28498694 A JP28498694 A JP 28498694A JP H08142183 A JPH08142183 A JP H08142183A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 ポリエステルAを主成分とするポリエステル
フィルムであって、該ポリエステルAは、結晶化パラメ
−タ△Tcgの値が20℃以上80℃未満であり、部分
融解温度Tpが80〜180℃、部分融解温度における
部分融解熱量が0.10〜2.0cal/gであること
を特徴とするポリエステルフィルム。 【効果】 結晶化パラメ−タΔTcg、部分融解温度、
部分融解熱量を特定範囲としたので、寸法安定性がよく
なり、また優れた巻癖カ−ル、カ−ル回復性、引裂伝播
抵抗を得ることができる。
フィルムであって、該ポリエステルAは、結晶化パラメ
−タ△Tcgの値が20℃以上80℃未満であり、部分
融解温度Tpが80〜180℃、部分融解温度における
部分融解熱量が0.10〜2.0cal/gであること
を特徴とするポリエステルフィルム。 【効果】 結晶化パラメ−タΔTcg、部分融解温度、
部分融解熱量を特定範囲としたので、寸法安定性がよく
なり、また優れた巻癖カ−ル、カ−ル回復性、引裂伝播
抵抗を得ることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二軸配向ポリエステル
フィルムに関するものである。
フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】写真感光材料は一般的に、プラスチック
フィルム支持体上に少なくとも1層の写真感光層を塗布
することによって製造される。このプラスチックフィル
ムとしては一般的にトリアセチルセルロ−ス(以下「T
AC」という)に代表される繊維系ポリマ−とポリエチ
レンテレフタレ−ト(以下「PET」という)に代表さ
れるポリエステル系のポリマ−が使用されている(繊維
と工業,41(9),324−329)。
フィルム支持体上に少なくとも1層の写真感光層を塗布
することによって製造される。このプラスチックフィル
ムとしては一般的にトリアセチルセルロ−ス(以下「T
AC」という)に代表される繊維系ポリマ−とポリエチ
レンテレフタレ−ト(以下「PET」という)に代表さ
れるポリエステル系のポリマ−が使用されている(繊維
と工業,41(9),324−329)。
【0003】一般に写真感光材料としては、X線用フィ
ルム、製版用フィルム、カットフィルムのようなシ−ト
状の形態のものと、35mm幅またはそれ以下の幅でパ
トロ−ネ内に収められ、一般のカメラに装填され撮影に
用いられるロ−ル状の形態のものとがある。
ルム、製版用フィルム、カットフィルムのようなシ−ト
状の形態のものと、35mm幅またはそれ以下の幅でパ
トロ−ネ内に収められ、一般のカメラに装填され撮影に
用いられるロ−ル状の形態のものとがある。
【0004】従来より、PETフィルムは優れた生産
性、機械強度ならびに寸法安定性を有するため、シ−ト
状写真感光材料用支持体としてはTACに代替するもの
と考えられてきた。
性、機械強度ならびに寸法安定性を有するため、シ−ト
状写真感光材料用支持体としてはTACに代替するもの
と考えられてきた。
【0005】しかし、PETフィルムはロ−ル状写真感
光材料支持体としては、巻癖カ−ルが強く残留し、現像
後の写真印画紙への画像形成させる焼き付け工程等での
スリ傷の発生、焦点ボケ、搬送時のジャミング等の問題
が生じてしまうため、優れた機械強度、寸法安定性を有
していながらロ−ル状写真感光材料支持体としては用い
られず、カ−ル回復性に優れているTACフィルムが用
いられてきた。
光材料支持体としては、巻癖カ−ルが強く残留し、現像
後の写真印画紙への画像形成させる焼き付け工程等での
スリ傷の発生、焦点ボケ、搬送時のジャミング等の問題
が生じてしまうため、優れた機械強度、寸法安定性を有
していながらロ−ル状写真感光材料支持体としては用い
られず、カ−ル回復性に優れているTACフィルムが用
いられてきた。
【0006】また、近年の撮影時の高速化、撮影倍率の
高倍率化、ならびに撮影装置の小型化の進行に伴い、ロ
−ル状写真感光材料の用途も多様化しており、そのため
に、ロ−ル状写真感光支持体としては、カ−ル回復性と
ともに薄膜化に充分な機械強度や寸法安定性の性能が要
求される。
高倍率化、ならびに撮影装置の小型化の進行に伴い、ロ
−ル状写真感光材料の用途も多様化しており、そのため
に、ロ−ル状写真感光支持体としては、カ−ル回復性と
ともに薄膜化に充分な機械強度や寸法安定性の性能が要
求される。
【0007】しかし、TACフィルムはその剛直な分子
構造のため、製膜後のフィルムの膜質が脆弱であり、こ
のため、これらの用途の使用に対しては充分な機械強
度、寸法安定性が得られていないのが現状である。
構造のため、製膜後のフィルムの膜質が脆弱であり、こ
のため、これらの用途の使用に対しては充分な機械強
度、寸法安定性が得られていないのが現状である。
【0008】このカ−ル回復性と機械強度、寸法安定性
を両立させる手段としては、特開平4−93937号公
報や特開平4−220329号公報等に提案されてい
る。
を両立させる手段としては、特開平4−93937号公
報や特開平4−220329号公報等に提案されてい
る。
【0009】しかし、特開平4−93937号公報で
は、含水率の異なるポリエステル樹脂を積層したフィル
ムにより解決を図っているが、同実施例−1に示される
引き裂き強度は160(g/100μm)であり、同比
較例−2に示されているPETフィルムの引き裂き強度
である210(g/100μm)の約4分の3にしか満
たない。一方、特開平4−220329号公報では、金
属スルホネ−ト基を有する芳香族ジカルボン酸及び/又
はその誘導体と特定のポリエ−テルジカルボン酸及び/
又はその誘導体とを含むことを特徴とするポリエステル
フィルムにより解決を図っており、TACフィルムとほ
ぼ同等のカ−ル回復性およびPETフィルムとほぼ同等
の熱収縮率、引裂伝播抵抗を示すものの、弾性率、破断
強度がPETに比較し低い値を示している。
は、含水率の異なるポリエステル樹脂を積層したフィル
ムにより解決を図っているが、同実施例−1に示される
引き裂き強度は160(g/100μm)であり、同比
較例−2に示されているPETフィルムの引き裂き強度
である210(g/100μm)の約4分の3にしか満
たない。一方、特開平4−220329号公報では、金
属スルホネ−ト基を有する芳香族ジカルボン酸及び/又
はその誘導体と特定のポリエ−テルジカルボン酸及び/
又はその誘導体とを含むことを特徴とするポリエステル
フィルムにより解決を図っており、TACフィルムとほ
ぼ同等のカ−ル回復性およびPETフィルムとほぼ同等
の熱収縮率、引裂伝播抵抗を示すものの、弾性率、破断
強度がPETに比較し低い値を示している。
【0010】そのため、近年の撮影装置の著しい小型化
等に伴い、ロ−ル状写真感光材料用支持体として要求さ
れる機械強度、寸法安定性等の性能も年々高くなり、P
ETフィルムと同等以上の性能を要求されるに至ってい
る現状においては今一歩の改良が望まれていた。
等に伴い、ロ−ル状写真感光材料用支持体として要求さ
れる機械強度、寸法安定性等の性能も年々高くなり、P
ETフィルムと同等以上の性能を要求されるに至ってい
る現状においては今一歩の改良が望まれていた。
【0011】また、特開昭50−109715号公報に
は、TACやPETに替わるプラスチックフィルムとし
て、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレ
−トも提案されているが、未だ不十分であり、実用化に
は至っていなかった。
は、TACやPETに替わるプラスチックフィルムとし
て、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレ
−トも提案されているが、未だ不十分であり、実用化に
は至っていなかった。
【0012】本発明はかかる課題を解決し、巻癖カ−
ル、カ−ル回復性に優れ、引裂伝播抵抗が大きく、薄膜
化に充分な機械強度と寸法安定性を有するポリエステル
フィルムを提供することにある。
ル、カ−ル回復性に優れ、引裂伝播抵抗が大きく、薄膜
化に充分な機械強度と寸法安定性を有するポリエステル
フィルムを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
ポリエステルフィルムは、ポリエステルAを主成分とす
るポリエステルフィルムであって、該ポリエステルA
は、結晶化パラメ−タ△Tcgの値が20〜80℃であ
り、部分融解温度Tpが80〜180℃、部分融解温度
における部分融解熱量が0.10〜2.0cal/gで
あることを特徴とするものからなる。
ポリエステルフィルムは、ポリエステルAを主成分とす
るポリエステルフィルムであって、該ポリエステルA
は、結晶化パラメ−タ△Tcgの値が20〜80℃であ
り、部分融解温度Tpが80〜180℃、部分融解温度
における部分融解熱量が0.10〜2.0cal/gで
あることを特徴とするものからなる。
【0014】本発明において、ポリエステルAとは、芳
香族二塩基酸とグリコ−ルを主要な構成成分とするポリ
エステルであり、二塩基酸としては、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェ
ニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエ−テルジカル
ボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、シクロヘキ
サンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニ
ルチオエ−テルジカルボン酸、ジフェニルケトンジカル
ボン酸、フェニルインダンジカルボン酸、5−ナトリウ
ムスルホイソフタル酸、5−リチウムスルホイソフタル
酸や4−ナトリウムスルホ−2,6−ナフタレンジカル
ボン酸といった金属スルホネ−トを有する芳香族ジカル
ボン酸などを挙げることができる。さらに、コハク酸、
アジピン酸、セバチン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ポ
リエチレンオキシジカルボン酸、ポリテトラメチレンオ
キシジカルボン酸などのポリエ−テルジカルボン酸等が
共重合されてもよい。
香族二塩基酸とグリコ−ルを主要な構成成分とするポリ
エステルであり、二塩基酸としては、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェ
ニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエ−テルジカル
ボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、シクロヘキ
サンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニ
ルチオエ−テルジカルボン酸、ジフェニルケトンジカル
ボン酸、フェニルインダンジカルボン酸、5−ナトリウ
ムスルホイソフタル酸、5−リチウムスルホイソフタル
酸や4−ナトリウムスルホ−2,6−ナフタレンジカル
ボン酸といった金属スルホネ−トを有する芳香族ジカル
ボン酸などを挙げることができる。さらに、コハク酸、
アジピン酸、セバチン酸などの脂肪族ジカルボン酸、ポ
リエチレンオキシジカルボン酸、ポリテトラメチレンオ
キシジカルボン酸などのポリエ−テルジカルボン酸等が
共重合されてもよい。
【0015】またグリコ−ルとしては、エチレングリコ
−ル、プロピレングリコ−ル、テトラメチレングリコ−
ル、シクロヘキサンジメタノ−ル、2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(ヒドロキ
シフェニル)スルホン、ジエチレングリコ−ル、ネオペ
ンチルグリコ−ル、ハイドロキノン、シクロヘキサンジ
オ−ル、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリ
コ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、ポリエチレン
グリコ−ル−ポリプロピレングリコ−ル共重合体等のポ
リアルキレングリコ−ル等を挙げることができる。
−ル、プロピレングリコ−ル、テトラメチレングリコ−
ル、シクロヘキサンジメタノ−ル、2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(ヒドロキ
シフェニル)スルホン、ジエチレングリコ−ル、ネオペ
ンチルグリコ−ル、ハイドロキノン、シクロヘキサンジ
オ−ル、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリ
コ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、ポリエチレン
グリコ−ル−ポリプロピレングリコ−ル共重合体等のポ
リアルキレングリコ−ル等を挙げることができる。
【0016】このうち、ポリアルキレングリコ−ルやポ
リエ−テルジカルボン酸の数平均分子量としては、好ま
しくは400〜40000であり、さらに好ましくは6
00〜20000、より好ましくは1000〜1000
0である。もちろん、複数の芳香族二塩基酸と複数のグ
リコ−ルからなる共重合体であってもよい。耐熱性、機
械強度、寸法安定性等の点から、エチレン−2,6−ナ
フタレンジカルボキシレ−トを主たる繰り返し単位と
し、カ−ル回復性を向上させるため、金属スルホネ−ト
を有する芳香族ジカルボン酸やポリアルキレングリコ−
ル、ポリエ−テルジカルボン酸などの吸水性を向上させ
る傾向のあるモノマを適量共重合したポリエステルとす
ることができる。
リエ−テルジカルボン酸の数平均分子量としては、好ま
しくは400〜40000であり、さらに好ましくは6
00〜20000、より好ましくは1000〜1000
0である。もちろん、複数の芳香族二塩基酸と複数のグ
リコ−ルからなる共重合体であってもよい。耐熱性、機
械強度、寸法安定性等の点から、エチレン−2,6−ナ
フタレンジカルボキシレ−トを主たる繰り返し単位と
し、カ−ル回復性を向上させるため、金属スルホネ−ト
を有する芳香族ジカルボン酸やポリアルキレングリコ−
ル、ポリエ−テルジカルボン酸などの吸水性を向上させ
る傾向のあるモノマを適量共重合したポリエステルとす
ることができる。
【0017】ポリエステルAは、結晶化パラメ−タ△T
cgの値が20℃以上80℃未満、好ましくは25℃以
上75℃未満、さらに好ましくは、30℃以上70℃未
満であることが必要である。結晶化パラメ−タ△Tcg
が上記以外の範囲であると、巻癖カ−ル、カ−ル回復性
が悪化したり、引裂伝播抵抗が小さくなり好ましくな
い。ポリエステルAの示差走査熱量計で測定された融解
熱(融解エンタルピ−変化)が7.5cal/g以上の
結晶性を示す場合に、カ−ル回復性、引裂伝播抵抗がよ
り一層良好となるので極めて望ましい。なお、本発明を
阻害しない範囲内で、2種以上のポリエステルを混合し
てもよいし、共重合ポリマを用いてもよい。
cgの値が20℃以上80℃未満、好ましくは25℃以
上75℃未満、さらに好ましくは、30℃以上70℃未
満であることが必要である。結晶化パラメ−タ△Tcg
が上記以外の範囲であると、巻癖カ−ル、カ−ル回復性
が悪化したり、引裂伝播抵抗が小さくなり好ましくな
い。ポリエステルAの示差走査熱量計で測定された融解
熱(融解エンタルピ−変化)が7.5cal/g以上の
結晶性を示す場合に、カ−ル回復性、引裂伝播抵抗がよ
り一層良好となるので極めて望ましい。なお、本発明を
阻害しない範囲内で、2種以上のポリエステルを混合し
てもよいし、共重合ポリマを用いてもよい。
【0018】また、ポリエステルAとして、重合時の触
媒組成を工夫することにより、結晶核剤効果を高め、結
晶化パラメ−タ△Tcgの値を小さくしたポリエチレン
−2,6−ナフタレンジカルボキシレ−トを用いること
は、本発明のフィルムを得る上で、特に有効である。
媒組成を工夫することにより、結晶核剤効果を高め、結
晶化パラメ−タ△Tcgの値を小さくしたポリエチレン
−2,6−ナフタレンジカルボキシレ−トを用いること
は、本発明のフィルムを得る上で、特に有効である。
【0019】一例として、重合触媒として三酸化アンチ
モン、エステル交換触媒として、酢酸マグネシウム、リ
ン化合物としてジメチルフェニルホスホネ−トなどのホ
スホン酸塩などを用いることが本発明の目的を達成する
ために特に好ましいが、ポリエステルの製造方法として
は、上記に何等限定されるものではない。
モン、エステル交換触媒として、酢酸マグネシウム、リ
ン化合物としてジメチルフェニルホスホネ−トなどのホ
スホン酸塩などを用いることが本発明の目的を達成する
ために特に好ましいが、ポリエステルの製造方法として
は、上記に何等限定されるものではない。
【0020】本発明によるポリエステルフィルムには、
用途に応じて易滑性を付与することも可能であり、易滑
性付与手段としては特に限定されないが、ポリエステル
に不活性な無機系粒子、有機系架橋粒子のポリエステル
への配合、あるいは界面活性剤の塗布等が一般的手法と
して用いられる。
用途に応じて易滑性を付与することも可能であり、易滑
性付与手段としては特に限定されないが、ポリエステル
に不活性な無機系粒子、有機系架橋粒子のポリエステル
への配合、あるいは界面活性剤の塗布等が一般的手法と
して用いられる。
【0021】かかる不活性な粒子の代表的なものとし
て、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン、
酸化ケイ素、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、アル
ミナ、硫酸バリウム、ジルコニア、マイカ、リン酸カル
シウム、架橋ポリスチレン系粒子を挙げられる。また、
ポリエステル合成反応系に不活性な粒子を添加する以外
に、ポリエステル重合反応時に添加する触媒等を析出さ
せる内部粒子による易滑性付与方法も採用可能である。
て、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン、
酸化ケイ素、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、アル
ミナ、硫酸バリウム、ジルコニア、マイカ、リン酸カル
シウム、架橋ポリスチレン系粒子を挙げられる。また、
ポリエステル合成反応系に不活性な粒子を添加する以外
に、ポリエステル重合反応時に添加する触媒等を析出さ
せる内部粒子による易滑性付与方法も採用可能である。
【0022】これら易滑性付与手段は特に限定されない
が、写真用としては透明性が重要な要件となるため、ポ
リエステルと比較的近い屈折率をもつ炭酸カルシウム、
シリカ、架橋ポリスチレン系粒子あるいは内部粒子で粗
大粒子のないものが好ましい。粗大粒子とは、5μm以
上の径をもつものである。
が、写真用としては透明性が重要な要件となるため、ポ
リエステルと比較的近い屈折率をもつ炭酸カルシウム、
シリカ、架橋ポリスチレン系粒子あるいは内部粒子で粗
大粒子のないものが好ましい。粗大粒子とは、5μm以
上の径をもつものである。
【0023】本発明のポリエステルフィルムには、さら
に、本発明の目的を阻害しない範囲内で他種ポリマをブ
レンドしてもよいし、また酸化防止剤、難燃剤、熱安定
剤、滑剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、顔料、染料、ワ
ックスなどの各種添加剤が通常添加される程度添加され
ていてもよい。ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカ
ルボキシレ−トフィルムの場合、高屈折率であり、ライ
トパイピング現象を起こしやすい傾向がある。ライトパ
イピング現象を回避する方法として染料を添加する方法
が知られている。フィルム染色に使用する染料について
は特に限定されないが、色調は感光材料の一般的な性質
上グレ−染色が好ましく、また染料はポリエステルフィ
ルムの製膜領域での耐熱性に優れ、かつポリエステルと
の相溶性に優れたものが好ましい。染色濃度に関して
は、マクベス社製の色濃度計にて可視領域での色濃度を
測定し、少なくとも0.01以上であることが好まし
く、0.03以上がさらに好ましい。
に、本発明の目的を阻害しない範囲内で他種ポリマをブ
レンドしてもよいし、また酸化防止剤、難燃剤、熱安定
剤、滑剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、顔料、染料、ワ
ックスなどの各種添加剤が通常添加される程度添加され
ていてもよい。ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカ
ルボキシレ−トフィルムの場合、高屈折率であり、ライ
トパイピング現象を起こしやすい傾向がある。ライトパ
イピング現象を回避する方法として染料を添加する方法
が知られている。フィルム染色に使用する染料について
は特に限定されないが、色調は感光材料の一般的な性質
上グレ−染色が好ましく、また染料はポリエステルフィ
ルムの製膜領域での耐熱性に優れ、かつポリエステルと
の相溶性に優れたものが好ましい。染色濃度に関して
は、マクベス社製の色濃度計にて可視領域での色濃度を
測定し、少なくとも0.01以上であることが好まし
く、0.03以上がさらに好ましい。
【0024】本発明のポリエステルフィルムは、上記組
成物を二軸配向せしめたフィルムである。一軸あるいは
無配向フィルムでは、寸法安定性、カ−ル回復性、引裂
伝播抵抗が不良となるので好ましくない。この配向の程
度は特に限定されないが、高分子の分子配向の程度の目
安である弾性率が長手方向、幅方向ともに400kg/mm
2 以上である場合に、カ−ル回復性がより一層良好とな
るので特に好ましい。分子配向の程度の目安である弾性
率は通常、一方向、1500kg/mm2 程度が製造上の限
界である。
成物を二軸配向せしめたフィルムである。一軸あるいは
無配向フィルムでは、寸法安定性、カ−ル回復性、引裂
伝播抵抗が不良となるので好ましくない。この配向の程
度は特に限定されないが、高分子の分子配向の程度の目
安である弾性率が長手方向、幅方向ともに400kg/mm
2 以上である場合に、カ−ル回復性がより一層良好とな
るので特に好ましい。分子配向の程度の目安である弾性
率は通常、一方向、1500kg/mm2 程度が製造上の限
界である。
【0025】本発明のポリエステルフィルムは、ポリエ
ステルAを主成分とする二軸配向フィルム単層で用いら
れてもよいし、ポリエステルAを主成分とするフィルム
の少なくとも片面にポリエステルBを積層した積層フィ
ルムとして用いられてもよい。
ステルAを主成分とする二軸配向フィルム単層で用いら
れてもよいし、ポリエステルAを主成分とするフィルム
の少なくとも片面にポリエステルBを積層した積層フィ
ルムとして用いられてもよい。
【0026】この場合、B層を構成するポリエステルB
は特に限定されないが、エチレンテレフタレ−ト、エチ
レンα,β−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−
4,4’ジカルボキシレ−ト、エチレン−2,6−ナフ
タレンジカルボキシレ−ト単位等から選ばれた少なくと
も一種の構造単位を主要構成成分とする場合に、カ−ル
回復性、引裂伝播抵抗がより一層良好となるので好まし
い。また、本発明を構成するポリエステルBは結晶性で
ある場合に機械強度、寸法安定性などがより一層良好と
なるので望ましい。
は特に限定されないが、エチレンテレフタレ−ト、エチ
レンα,β−ビス(2−クロルフェノキシ)エタン−
4,4’ジカルボキシレ−ト、エチレン−2,6−ナフ
タレンジカルボキシレ−ト単位等から選ばれた少なくと
も一種の構造単位を主要構成成分とする場合に、カ−ル
回復性、引裂伝播抵抗がより一層良好となるので好まし
い。また、本発明を構成するポリエステルBは結晶性で
ある場合に機械強度、寸法安定性などがより一層良好と
なるので望ましい。
【0027】本発明のポリエステルフィルムは、単層で
あってもよいが、また、上記以外の積層構造であっても
よく、主体となるポリエステルA層がエチレン−2,6
−ジカルボキシレ−トを主体とするポリエステルからな
るものが好ましい。他の層としては、易滑性、着色、帯
電防止性、接着性を付与する層、あるいは写真感材塗布
によるカ−ル発生を防止するため、感材類似の組成の層
を感材塗布層の反対面に設けたり、他のポリマ例えば共
重合ポリエステルなどの層を設けることもできる。この
場合、エチレン−2,6−ジカルボキシレ−トを主体と
するポリエステルA層の厚みが全体の少なくとも70%
以上であることが好ましい。ポリエステルA層の厚みが
全体の少なくとも70%未満になると弾性率などが低下
し、カールが生じやすくなる。
あってもよいが、また、上記以外の積層構造であっても
よく、主体となるポリエステルA層がエチレン−2,6
−ジカルボキシレ−トを主体とするポリエステルからな
るものが好ましい。他の層としては、易滑性、着色、帯
電防止性、接着性を付与する層、あるいは写真感材塗布
によるカ−ル発生を防止するため、感材類似の組成の層
を感材塗布層の反対面に設けたり、他のポリマ例えば共
重合ポリエステルなどの層を設けることもできる。この
場合、エチレン−2,6−ジカルボキシレ−トを主体と
するポリエステルA層の厚みが全体の少なくとも70%
以上であることが好ましい。ポリエステルA層の厚みが
全体の少なくとも70%未満になると弾性率などが低下
し、カールが生じやすくなる。
【0028】本発明のポリエステルフィルムの固有粘度
としては、好ましくは0.4以上、さらに好ましくは
0.5以上、特に好ましくは0.55以上である。
としては、好ましくは0.4以上、さらに好ましくは
0.5以上、特に好ましくは0.55以上である。
【0029】本発明のポリエステルフィルムのヘイズ値
は5%以下が好ましく、2%以下がさらに好ましい。ヘ
イズ値が5%を超えるとフィルムを写真感光材料として
用いた場合、画像がぼやけてしまい不鮮明になってく
る。
は5%以下が好ましく、2%以下がさらに好ましい。ヘ
イズ値が5%を超えるとフィルムを写真感光材料として
用いた場合、画像がぼやけてしまい不鮮明になってく
る。
【0030】本発明のポリエステルフィルムの150
℃、30分における熱収縮率は2%以下が好ましく、さ
らに好ましくは1.5%以下、特に好ましくは1.2%
以下である。また80℃、8時間における熱収縮率は
0.7%以下が好ましく、さらに好ましくは0.5%以
下、特に好ましくは0.3%以下である。150℃、3
0分における熱収縮率が2%を越えたり、80℃、8時
間における熱収縮率が0.7%を越えるとカール、カー
ル回復性が悪化する。
℃、30分における熱収縮率は2%以下が好ましく、さ
らに好ましくは1.5%以下、特に好ましくは1.2%
以下である。また80℃、8時間における熱収縮率は
0.7%以下が好ましく、さらに好ましくは0.5%以
下、特に好ましくは0.3%以下である。150℃、3
0分における熱収縮率が2%を越えたり、80℃、8時
間における熱収縮率が0.7%を越えるとカール、カー
ル回復性が悪化する。
【0031】本発明の二軸配向ポリエステルフィルムの
引裂伝播抵抗は、好ましくは200g/mm以上、さら
に好ましくは250g/mm以上、特に好ましくは30
0g/mm以上である。引裂伝播抵抗が低くなると、手
で引き裂けたり、また、パーフォレーションの打ち抜き
時の引き裂けの原因ともなる。
引裂伝播抵抗は、好ましくは200g/mm以上、さら
に好ましくは250g/mm以上、特に好ましくは30
0g/mm以上である。引裂伝播抵抗が低くなると、手
で引き裂けたり、また、パーフォレーションの打ち抜き
時の引き裂けの原因ともなる。
【0032】破断強度は、好ましくは10kg/mm2
以上、さらに好ましくは15kg/mm2 以上、特に好
ましくは、18kg/mm2 以上である。10kg/m
m2より小さいと、巻癖カール、カール回復性が悪化す
る。
以上、さらに好ましくは15kg/mm2 以上、特に好
ましくは、18kg/mm2 以上である。10kg/m
m2より小さいと、巻癖カール、カール回復性が悪化す
る。
【0033】さらに、弾性率は、好ましくは400kg
/mm2 以上、さらに好ましくは450kg/mm2 以
上、特に好ましくは500kg/mm2 以上である。4
00kg/mm2 未満であると、フィルム厚みを薄くし
た時にカールしたり、時にはフィルムがねじれたりする
問題が発生しやすい。
/mm2 以上、さらに好ましくは450kg/mm2 以
上、特に好ましくは500kg/mm2 以上である。4
00kg/mm2 未満であると、フィルム厚みを薄くし
た時にカールしたり、時にはフィルムがねじれたりする
問題が発生しやすい。
【0034】また38℃の蒸留水中に30分間浸漬した
時の弾性率は、好ましくは350kg/mm2 以上、特
に好ましくは、450kg/mm2 以上である。350
kg/mm2 以上であれば、現像時のフィルム乾燥時
に、感光層の収縮に伴うカールやねじれなどの問題が生
じにくくなる。
時の弾性率は、好ましくは350kg/mm2 以上、特
に好ましくは、450kg/mm2 以上である。350
kg/mm2 以上であれば、現像時のフィルム乾燥時
に、感光層の収縮に伴うカールやねじれなどの問題が生
じにくくなる。
【0035】本発明のポリエステルフィルムの表面形態
としては、中心線平均粗さRaが、好ましくは0.02
0μm以下、さらに好ましくは0.015μm以下、特
に好ましくは0.010μm以下、最大粗さRtは好ま
しくは0.3μm以下、さらに好ましくは0.2μm以
下、特に好ましくは0.15μm以下である。Raが
0.020μmを越えたり、Rtが0.3μmを越える
と鮮明な写真画像が得られにくくなる。
としては、中心線平均粗さRaが、好ましくは0.02
0μm以下、さらに好ましくは0.015μm以下、特
に好ましくは0.010μm以下、最大粗さRtは好ま
しくは0.3μm以下、さらに好ましくは0.2μm以
下、特に好ましくは0.15μm以下である。Raが
0.020μmを越えたり、Rtが0.3μmを越える
と鮮明な写真画像が得られにくくなる。
【0036】また、波長540nmの多重干渉法で測定
したとき、2次、3次、4次の干渉縞を示す突起の数が
それぞれ130個/mm2 以下、30個/mm2 以下、
15個/mm2 以下が好ましい。2次、3次、4次の干
渉縞を示す突起の数が上記範囲を越えると鮮明な写真画
像が得られにくくなる。
したとき、2次、3次、4次の干渉縞を示す突起の数が
それぞれ130個/mm2 以下、30個/mm2 以下、
15個/mm2 以下が好ましい。2次、3次、4次の干
渉縞を示す突起の数が上記範囲を越えると鮮明な写真画
像が得られにくくなる。
【0037】本発明のポリエステルフィルムは、通常厚
さが1000μm以下の膜状物であり、好ましくは3〜
500μm、さらに好ましくは4〜200μmの範囲で
ある。
さが1000μm以下の膜状物であり、好ましくは3〜
500μm、さらに好ましくは4〜200μmの範囲で
ある。
【0038】本発明のポリエステルフィルムは、部分融
解温度Tpが80〜180℃、好ましくは85℃から1
60℃、さらに好ましくは、90℃から150℃であ
り、部分融解温度における部分融解熱量が0.10〜
2.0cal/g、好ましくは、0.15〜1.0ca
l/gであることが必要である。Tpが80℃未満、あ
るいは部分融解熱量が0.10cal/g未満である
と、ポリエステル分子の安定性が不十分であるため、寸
法安定性、巻癖カ−ル、カ−ル回復性などが不良とな
る。一方、部分融解温度Tpが180℃を超えたり、部
分融解熱量が2.0cal/gを超えると、ポリエステ
ル層からのポリマあるいはそれに添加されている無機物
・有機物などの添加剤が脱落し、巻癖カ−ル、カ−ル回
復性、引裂伝播抵抗の大幅な悪化につながる。
解温度Tpが80〜180℃、好ましくは85℃から1
60℃、さらに好ましくは、90℃から150℃であ
り、部分融解温度における部分融解熱量が0.10〜
2.0cal/g、好ましくは、0.15〜1.0ca
l/gであることが必要である。Tpが80℃未満、あ
るいは部分融解熱量が0.10cal/g未満である
と、ポリエステル分子の安定性が不十分であるため、寸
法安定性、巻癖カ−ル、カ−ル回復性などが不良とな
る。一方、部分融解温度Tpが180℃を超えたり、部
分融解熱量が2.0cal/gを超えると、ポリエステ
ル層からのポリマあるいはそれに添加されている無機物
・有機物などの添加剤が脱落し、巻癖カ−ル、カ−ル回
復性、引裂伝播抵抗の大幅な悪化につながる。
【0039】次に本発明のフィルムの製造方法について
述べるが必ずしもこれに限定されるものではない。
述べるが必ずしもこれに限定されるものではない。
【0040】まず、ポリエステルの製造方法は、この分
野において周知であり、いずれの方法をも採用すること
ができる。例えば、2,6−ナフタレンジカルボン酸お
よび少量の他のジカルボン酸成分とエチレングリコ−ル
および少量の他のグリコ−ル成分とを直接エステル化反
応するか、または、ジカルボン酸成分のジアルキルエス
テルを用いる場合はグリコ−ル成分とでエステル交換反
応し、これを減圧下の加熱して余剰のグリコ−ル成分を
除去することにより、ポリエステルを得ることができ
る。この際必要に応じてエステル交換反応触媒あるいは
重合反応触媒を用い、あるいは安定剤を添加することが
好ましい。重合触媒としては、アンチモン化合物を用
い、安定剤としてはリン化合物をもちいることが好まし
い。アンチモン化合物としては、三酸化アンチモンなど
が挙げられる。また、リン化合物としては、ジメチルフ
ェニルホスホネ−トなどのホスホン酸塩が挙げられる。
また重合温度は、溶融状態を維持できれば、できるだけ
低温で行うことが好ましい。もちろん、着色防止剤、酸
化防止剤、結晶核剤、滑剤、安定剤、ブロッキング防止
剤、紫外線吸収剤、消泡剤、帯電防止剤などを添加して
もよい。
野において周知であり、いずれの方法をも採用すること
ができる。例えば、2,6−ナフタレンジカルボン酸お
よび少量の他のジカルボン酸成分とエチレングリコ−ル
および少量の他のグリコ−ル成分とを直接エステル化反
応するか、または、ジカルボン酸成分のジアルキルエス
テルを用いる場合はグリコ−ル成分とでエステル交換反
応し、これを減圧下の加熱して余剰のグリコ−ル成分を
除去することにより、ポリエステルを得ることができ
る。この際必要に応じてエステル交換反応触媒あるいは
重合反応触媒を用い、あるいは安定剤を添加することが
好ましい。重合触媒としては、アンチモン化合物を用
い、安定剤としてはリン化合物をもちいることが好まし
い。アンチモン化合物としては、三酸化アンチモンなど
が挙げられる。また、リン化合物としては、ジメチルフ
ェニルホスホネ−トなどのホスホン酸塩が挙げられる。
また重合温度は、溶融状態を維持できれば、できるだけ
低温で行うことが好ましい。もちろん、着色防止剤、酸
化防止剤、結晶核剤、滑剤、安定剤、ブロッキング防止
剤、紫外線吸収剤、消泡剤、帯電防止剤などを添加して
もよい。
【0041】このようにして製造した、結晶化パラメ−
タΔTcgの値が20℃以上80℃未満のポリエステル
Aのペレットを乾燥した後、公知の溶融押出機に供給
し、スリット状の口金から押し出し、キャスティングロ
−ルで冷却して未延伸フィルムを作る。また、積層フィ
ルムの場合は、ポリエステルAのペレットとポリエステ
ルBのペレットを乾燥した後、それぞれ別の溶融押出機
に供給し、2または3層のマニホ−ルドまたは合流ブロ
ックを用いて、ポリエステルBをポリエステルAの少な
くとも片面に積層し、スリット状の口金から2または3
層のシ−トを押し出す。この場合、合流断面が矩形の合
流ブロックを用いて積層する方法が、本発明のように結
晶化しやすい樹脂を薄く均一に積層するのに有効であ
る。
タΔTcgの値が20℃以上80℃未満のポリエステル
Aのペレットを乾燥した後、公知の溶融押出機に供給
し、スリット状の口金から押し出し、キャスティングロ
−ルで冷却して未延伸フィルムを作る。また、積層フィ
ルムの場合は、ポリエステルAのペレットとポリエステ
ルBのペレットを乾燥した後、それぞれ別の溶融押出機
に供給し、2または3層のマニホ−ルドまたは合流ブロ
ックを用いて、ポリエステルBをポリエステルAの少な
くとも片面に積層し、スリット状の口金から2または3
層のシ−トを押し出す。この場合、合流断面が矩形の合
流ブロックを用いて積層する方法が、本発明のように結
晶化しやすい樹脂を薄く均一に積層するのに有効であ
る。
【0042】次に、この未延伸のフィルムを二軸配向せ
しめる。延伸方法としては、逐次二軸延伸法または同時
二軸延伸法を用いることができる。また、これらの延伸
を行った後、再縦延伸、再横延伸を行ってもよい。ただ
し、最初に長手方向、次に幅方向の延伸を行う逐次二軸
延伸方法を用い、長手方向の延伸を3段階以上に分け
て、総縦延伸倍率を3.0〜7.0倍で行う方法は延伸
破れがなく望ましい。長手方向延伸温度は、ポリエステ
ルAのガラス転移温度Tgより5〜50℃高い温度が本
発明範囲のカ−ル回復性を得るのに有効である。長手方
向延伸速度は5000〜50000%/分の範囲が好適
である。
しめる。延伸方法としては、逐次二軸延伸法または同時
二軸延伸法を用いることができる。また、これらの延伸
を行った後、再縦延伸、再横延伸を行ってもよい。ただ
し、最初に長手方向、次に幅方向の延伸を行う逐次二軸
延伸方法を用い、長手方向の延伸を3段階以上に分け
て、総縦延伸倍率を3.0〜7.0倍で行う方法は延伸
破れがなく望ましい。長手方向延伸温度は、ポリエステ
ルAのガラス転移温度Tgより5〜50℃高い温度が本
発明範囲のカ−ル回復性を得るのに有効である。長手方
向延伸速度は5000〜50000%/分の範囲が好適
である。
【0043】幅方向の延伸方法としては例えばステンタ
を用いる方法が好ましく、幅方向延伸倍率は3.0倍〜
7.0倍、延伸速度は1000〜20000%/分、延
伸温度はポリエステルAのガラス転移温度Tgより10
℃から70℃高い温度が好適である。また、いったん二
軸延伸されたフィルムを少なくとも一方向にさらに延伸
してもよい。
を用いる方法が好ましく、幅方向延伸倍率は3.0倍〜
7.0倍、延伸速度は1000〜20000%/分、延
伸温度はポリエステルAのガラス転移温度Tgより10
℃から70℃高い温度が好適である。また、いったん二
軸延伸されたフィルムを少なくとも一方向にさらに延伸
してもよい。
【0044】次に、このフィルムを熱処理する。この場
合の熱処理条件としては、定長下、弛緩状態、微延伸状
態のいずれでもよく、本発明のポリエステルフィルムの
場合、熱処理温度はポリエステルAの融点より20〜8
0℃低い温度の範囲で、時間は0.5〜60秒の範囲で
行うのが好適である。また、さらにリラックス処理を施
すことも可能である。
合の熱処理条件としては、定長下、弛緩状態、微延伸状
態のいずれでもよく、本発明のポリエステルフィルムの
場合、熱処理温度はポリエステルAの融点より20〜8
0℃低い温度の範囲で、時間は0.5〜60秒の範囲で
行うのが好適である。また、さらにリラックス処理を施
すことも可能である。
【0045】さらに、この該ポリエステルフィルムをロ
−ルに巻き張力をかけた状態で、フィルムのガラス転移
温度以下の温度で熱処理を行う。処理温度は、フィルム
のガラス転移温度−50℃〜フィルムのガラス転移温
度、好ましくは、フィルムのガラス転移温度−30℃〜
フィルムのガラス転移温度−10℃の範囲である。処理
時間は10分〜48時間、好ましくは2〜10時間であ
る。例えば、該ポリエステルフィルムがポリエチレン−
2,6−ナフタレンジカルボキシレ−トからなるポリエ
ステルフィルムであれば、処理温度は110℃〜115
℃、処理時間は24時間が例示されるが、もっと低温で
長時間かけて処理を行ってもよいし、感剤等のコ−ティ
ング前後どちらでもこの処理を行ってもかまわない。
−ルに巻き張力をかけた状態で、フィルムのガラス転移
温度以下の温度で熱処理を行う。処理温度は、フィルム
のガラス転移温度−50℃〜フィルムのガラス転移温
度、好ましくは、フィルムのガラス転移温度−30℃〜
フィルムのガラス転移温度−10℃の範囲である。処理
時間は10分〜48時間、好ましくは2〜10時間であ
る。例えば、該ポリエステルフィルムがポリエチレン−
2,6−ナフタレンジカルボキシレ−トからなるポリエ
ステルフィルムであれば、処理温度は110℃〜115
℃、処理時間は24時間が例示されるが、もっと低温で
長時間かけて処理を行ってもよいし、感剤等のコ−ティ
ング前後どちらでもこの処理を行ってもかまわない。
【0046】フィルムにかける張力に関しては、処理温
度におけるフィルムの熱収応力にほぼ等しいことが好ま
しい。
度におけるフィルムの熱収応力にほぼ等しいことが好ま
しい。
【0047】または、該ポリエステルフィルムをロ−ル
に巻き取る時に、赤外ランプ(ハロゲンランプ)を用い
て、波数600cm-1〜1000cm-1の赤外光を選択
的にフィルムに照射するという処理を行ってもよい。処
理時間は0.1〜300秒の範囲である。この処理はフ
ィルムを中間スプ−ルから製品幅にスリットする時に行
ってもよい。
に巻き取る時に、赤外ランプ(ハロゲンランプ)を用い
て、波数600cm-1〜1000cm-1の赤外光を選択
的にフィルムに照射するという処理を行ってもよい。処
理時間は0.1〜300秒の範囲である。この処理はフ
ィルムを中間スプ−ルから製品幅にスリットする時に行
ってもよい。
【0048】また、本発明のポリエステルフィルムは、
後で設ける感光層や保護層などとの接着性を向上させる
ため、コロナ放電処理、薬液処理、火炎処理、紫外線処
理、プラズマ処理などの各種表面処理を必要に応じて施
すことができる。
後で設ける感光層や保護層などとの接着性を向上させる
ため、コロナ放電処理、薬液処理、火炎処理、紫外線処
理、プラズマ処理などの各種表面処理を必要に応じて施
すことができる。
【0049】本発明が特に有効なのは、写真材料用途で
あるが、その他にも寸法安定性に優れていることから、
磁気記録媒体用、コンデンサ用、包装用、製図用等に用
いることもできる。
あるが、その他にも寸法安定性に優れていることから、
磁気記録媒体用、コンデンサ用、包装用、製図用等に用
いることもできる。
【0050】本発明の特性値の測定方法並びに効果の評
価方法は次のとおりである。
価方法は次のとおりである。
【0051】(1)結晶化パラメ−タ△Tcg、融解熱 示差熱量計(DSC、例えばパ−キンエルマ−社製DS
C−II型など)を用いて測定した。DSCの測定条件は
次の通りである。すなわち、試料10mgをDSC装置
にセットし、300℃の温度で5分間溶融した後、液体
窒素中に急冷する。この急冷試料を10℃/分で昇温
し、ガラス転移温度Tgを検知する。さらに昇温を続
け、ガラス状態からの結晶化発熱ピ−ク温度をもって冷
結晶化温度Tccとした。さらに昇温を続け、融解ピ−
クから融解熱を求めた。ここでTccとTgの差(Tc
c−Tg)を結晶化パラメ−タ△Tcgと定義する。
C−II型など)を用いて測定した。DSCの測定条件は
次の通りである。すなわち、試料10mgをDSC装置
にセットし、300℃の温度で5分間溶融した後、液体
窒素中に急冷する。この急冷試料を10℃/分で昇温
し、ガラス転移温度Tgを検知する。さらに昇温を続
け、ガラス状態からの結晶化発熱ピ−ク温度をもって冷
結晶化温度Tccとした。さらに昇温を続け、融解ピ−
クから融解熱を求めた。ここでTccとTgの差(Tc
c−Tg)を結晶化パラメ−タ△Tcgと定義する。
【0052】(2)部分融解温度Tp、部分融解熱量、
フィルムのガラス転移温度 フィルムサンプル10mg入れたDSCパンを走査熱量
計(DSC,例えばパ−キンエルマ−社製DSC−II型
など)にセットし、窒素気流下で20℃から昇温速度2
0℃/分で昇温して行き、少なくとも230℃まで測定
した。部分融解温度Tpは、測定したDSC曲線にベ−
スラインを引き、ベ−スラインより吸熱側にずれ始める
温度T1 と、吸熱側からベ−スラインに戻った温度T2
との算術平均値((T1 +T2 )/2)と定義する。部
分融解熱量は、DSC曲線において、T1 とT2 におけ
るベ−スラインとDSC曲線に囲まれた面積から求め
た。フィルムのガラス転移温度は常法にしたがって温度
−比熱曲線から求めた。
フィルムのガラス転移温度 フィルムサンプル10mg入れたDSCパンを走査熱量
計(DSC,例えばパ−キンエルマ−社製DSC−II型
など)にセットし、窒素気流下で20℃から昇温速度2
0℃/分で昇温して行き、少なくとも230℃まで測定
した。部分融解温度Tpは、測定したDSC曲線にベ−
スラインを引き、ベ−スラインより吸熱側にずれ始める
温度T1 と、吸熱側からベ−スラインに戻った温度T2
との算術平均値((T1 +T2 )/2)と定義する。部
分融解熱量は、DSC曲線において、T1 とT2 におけ
るベ−スラインとDSC曲線に囲まれた面積から求め
た。フィルムのガラス転移温度は常法にしたがって温度
−比熱曲線から求めた。
【0053】(3)極限粘度[η] ポリマ−をo−クロロフェノ−ルに溶かして測定したも
ので、ASTMD−1601に従う(単位dl/g)。
ので、ASTMD−1601に従う(単位dl/g)。
【0054】(4)引裂伝播抵抗 軽荷重式引裂試験機(東洋精機(株)製)を用いて、A
STM−D−1922に従って測定した。サンプルサイ
ズは51×64mmで13mmの切れ込みを入れ、残り
51mmを引き裂いた時の指示値を読みとった。。
STM−D−1922に従って測定した。サンプルサイ
ズは51×64mmで13mmの切れ込みを入れ、残り
51mmを引き裂いた時の指示値を読みとった。。
【0055】(5)表面粗さRa JIS B−0601−1976により粗さ曲線から測
定したもので、カットオフ値0.25mm、測定長4m
mで行なった。
定したもので、カットオフ値0.25mm、測定長4m
mで行なった。
【0056】(6)破断強度、引張弾性率 JIS−Z−1702−1976に準じて、サンプルサ
イズは幅10mm、長さ100mmの短冊片で、引張速
度は破断強度の測定の際には300mm/分、引張弾性
率測定の際には、20mm/分で測定した。
イズは幅10mm、長さ100mmの短冊片で、引張速
度は破断強度の測定の際には300mm/分、引張弾性
率測定の際には、20mm/分で測定した。
【0057】(7)熱収縮率 幅10mm、長さ250〜300mmのフィルムサンプ
ルを200mm間隔にマ−キングし、サンプル支持板に
一定張力下で固定し、万能投影機(日本光学製V16
A)を用いてマ−キング間隔の原長を測定した。測定し
たサンプルに3gのクリップを用いて荷重をかけ、80
℃に設定した熱風オ−ブン中で8時間回転させながら処
理した。処理したサンプルは、原長を測定した雰囲気下
に2時間放置後、原長測定法と同様にマ−キング間隔を
測定して収縮率を求めた。
ルを200mm間隔にマ−キングし、サンプル支持板に
一定張力下で固定し、万能投影機(日本光学製V16
A)を用いてマ−キング間隔の原長を測定した。測定し
たサンプルに3gのクリップを用いて荷重をかけ、80
℃に設定した熱風オ−ブン中で8時間回転させながら処
理した。処理したサンプルは、原長を測定した雰囲気下
に2時間放置後、原長測定法と同様にマ−キング間隔を
測定して収縮率を求めた。
【0058】同様の測定を、条件を150℃、30分で
も行った。
も行った。
【0059】(8)フィルムヘイズ フィルムヘイズは、ASTM−D1003−52に準じ
て測定した。
て測定した。
【0060】(9)積層フィルムの積層厚み 2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、表層か
ら深さ3000nmの範囲のフィルム中の粒子のうち最
も高濃度の粒子に起因する元素とポリエステルの炭素元
素の濃度比(M+ /C- )を粒子濃度とし、表面から深
さ3000nmまで厚さ方向の分析を行なう。表層では
表面という界面のために粒子濃度は低く表面から遠ざか
るにつれて粒子濃度は高くなる。本発明フィルムの場合
は、一旦極大値となった粒子濃度がまた減少し始める。
この濃度分布曲線をもとに表層粒子濃度が極大値の1/
2となる深さ(この深さは極大値となる深さよりも深
い)を求め、これを積層厚みとした。条件は次のとお
り。
ら深さ3000nmの範囲のフィルム中の粒子のうち最
も高濃度の粒子に起因する元素とポリエステルの炭素元
素の濃度比(M+ /C- )を粒子濃度とし、表面から深
さ3000nmまで厚さ方向の分析を行なう。表層では
表面という界面のために粒子濃度は低く表面から遠ざか
るにつれて粒子濃度は高くなる。本発明フィルムの場合
は、一旦極大値となった粒子濃度がまた減少し始める。
この濃度分布曲線をもとに表層粒子濃度が極大値の1/
2となる深さ(この深さは極大値となる深さよりも深
い)を求め、これを積層厚みとした。条件は次のとお
り。
【0061】測定装置 2次イオン質量分析装置(SIMS) 独、ATOMI
KA社製 A−DIDA3000 測定条件 1次イオン種 O2 + 1次イオン加速電圧 12kV 1次イオン電流 200nA ラスタ−領域 400μm□ 分析領域 ゲ−ト30% 測定真空度 6.0×10-9Torr E−GUN 0.5kV−3.0A なお、表層からの深さ3000nmの範囲に最も多く含
有する粒子が有機高分子粒子の場合は、SIMSでは測
定が難しいので、表層からエッチングしながらXPS
(X線光電子分光法)、IR(赤外分光法)などで上記
同様のデプスプロファイルを測定し積層厚みを求めても
良いし、また、電子顕微鏡等による断面観察で粒子濃度
の変化状態やポリマの違いによるコントラストの差から
界面を認識し積層厚みを求めることもできる。さらには
積層ポリマを剥離後、薄膜段差測定機を用いて積層厚み
を求めることもできる。
KA社製 A−DIDA3000 測定条件 1次イオン種 O2 + 1次イオン加速電圧 12kV 1次イオン電流 200nA ラスタ−領域 400μm□ 分析領域 ゲ−ト30% 測定真空度 6.0×10-9Torr E−GUN 0.5kV−3.0A なお、表層からの深さ3000nmの範囲に最も多く含
有する粒子が有機高分子粒子の場合は、SIMSでは測
定が難しいので、表層からエッチングしながらXPS
(X線光電子分光法)、IR(赤外分光法)などで上記
同様のデプスプロファイルを測定し積層厚みを求めても
良いし、また、電子顕微鏡等による断面観察で粒子濃度
の変化状態やポリマの違いによるコントラストの差から
界面を認識し積層厚みを求めることもできる。さらには
積層ポリマを剥離後、薄膜段差測定機を用いて積層厚み
を求めることもできる。
【0062】(10)巻癖カ−ル、カ−ル回復性 感光層を塗布したフィルムから、幅35mm、長手方向
135mmの試料を作り、感光層が内面となるように直
径10mmの巻芯に巻き付け、30%RH下に70℃で
72時間の加熱処理を行った。その後、処理したフィル
ムを巻芯から開放し、平面上に置いたときに形成される
円筒の直径を測定し、巻き癖カ−ルとした。
135mmの試料を作り、感光層が内面となるように直
径10mmの巻芯に巻き付け、30%RH下に70℃で
72時間の加熱処理を行った。その後、処理したフィル
ムを巻芯から開放し、平面上に置いたときに形成される
円筒の直径を測定し、巻き癖カ−ルとした。
【0063】また、巻芯から開放したフィルムを38℃
の蒸留水に30分間浸漬後、30gの張力をかけた状態
で、50℃の熱風オ−ブン中で5分間乾燥し、フィルム
の作る円筒の直径を測定し、カ−ル回復性とした。
の蒸留水に30分間浸漬後、30gの張力をかけた状態
で、50℃の熱風オ−ブン中で5分間乾燥し、フィルム
の作る円筒の直径を測定し、カ−ル回復性とした。
【0064】巻き癖カ−ル、カ−ル回復性は、以下の5
段階で評価した。巻き癖カ−ルは評価4および5のもの
が写真用として最適であるが、評価2および3でも実用
上問題ないが評価1は使用不可である。カ−ル回復性は
評価4および5のものが写真用として使用でき、評価1
〜3は使用不可である。
段階で評価した。巻き癖カ−ルは評価4および5のもの
が写真用として最適であるが、評価2および3でも実用
上問題ないが評価1は使用不可である。カ−ル回復性は
評価4および5のものが写真用として使用でき、評価1
〜3は使用不可である。
【0065】5:フィルムがカ−ルせず、平らになった 4:円筒の直径が60mm以上 3:円筒の直径が40mm以上 60mm未満 2:円筒の直径が30mm以上 40mm未満 1:円筒の直径が30mm未満 (11)拡大評価 ベ−スフィルムにジアゾ層を塗布し、ジアゾマイクロフ
ィルム解像チャ−トを得、これをプロジェクタ−により
200倍に拡大し、写し出された画質を次の3段階に評
価した。
ィルム解像チャ−トを得、これをプロジェクタ−により
200倍に拡大し、写し出された画質を次の3段階に評
価した。
【0066】Aランク:線画や白黒の地肌色合いのコン
トラストが鮮明で、微小黒班点状の影が見られず、画像
も極めて明るく、特に印刷製版、マイクロフィルムとし
て最適のフィルム Bランク:微小黒班点状の影が若干見られるが、線画や
白黒の地肌色合いのコントラストが鮮明で画像も明る
く、実用上問題のないフィルム Cランク:微小黒班点状の影が多く認められ、線画や白
黒の地肌色合いのコントラストが不鮮明で、実用上問題
となるフィルム (12)中心線平均表面粗さRa、最大高さRt 小坂研究所製の高精度薄膜段差測定器ET−10を用い
て測定した。条件は下記のとおりである。20回の測定
の平均値をもって値とした。
トラストが鮮明で、微小黒班点状の影が見られず、画像
も極めて明るく、特に印刷製版、マイクロフィルムとし
て最適のフィルム Bランク:微小黒班点状の影が若干見られるが、線画や
白黒の地肌色合いのコントラストが鮮明で画像も明る
く、実用上問題のないフィルム Cランク:微小黒班点状の影が多く認められ、線画や白
黒の地肌色合いのコントラストが不鮮明で、実用上問題
となるフィルム (12)中心線平均表面粗さRa、最大高さRt 小坂研究所製の高精度薄膜段差測定器ET−10を用い
て測定した。条件は下記のとおりである。20回の測定
の平均値をもって値とした。
【0067】・触針先端半径 : 0.5μm ・触針荷重 : 5mg ・測定長 : 1mm ・カットオフ値 : 0.08mm なお、Ra、Rtの定義は、例えば、奈良治郎著「表面
粗さの測定・評価法」(総合技術センタ−、1983)
に示されているものである。
粗さの測定・評価法」(総合技術センタ−、1983)
に示されているものである。
【0068】
【実施例】次に実施例に基づき、本発明をさらに詳細に
説明する。
説明する。
【0069】実施例1 結晶性パラメ−タΔTcgが55℃のポリエチレン−
2,6−ナフタレンジカルボキシレ−トのチップ(ポリ
エステルA、固有粘度0.65dl/g)を、180℃
で3時間減圧乾燥(3Torr)した後、押出機に供給
し、300℃で溶融押出を行い、静電印加キャスト法を
用いて冷媒温度20℃のキャスティングドラムに巻き付
て冷却固化し未延伸フィルムを作った。この未延伸フィ
ルムを、130℃に加熱されたロ−ル上に接触させて長
手方向に4.4倍延伸後、冷却し、つづいて140℃に
加熱されたスタンタ内で4.5倍幅方向に延伸後、21
0℃で2%のリラックスを許しながら熱処理を行った。
フィルム厚さ90μmのフィルムをワインダにて巻取っ
た。このフィルムの表面粗さRaは、0.008μmと
平滑であった。このフィルムをフィルム幅が1500m
m以下になるようにスリットしロ−ルに巻取った。この
ロ−ルをフィルム長手方向に張力がかかった状態で、1
10℃の熱風オ−ブン中で24時間熱処理を行った。こ
のフィルムの特性は表1、表2に示したとおり、寸法安
定性、巻癖カ−ル、引裂伝播抵抗が良好であった。
2,6−ナフタレンジカルボキシレ−トのチップ(ポリ
エステルA、固有粘度0.65dl/g)を、180℃
で3時間減圧乾燥(3Torr)した後、押出機に供給
し、300℃で溶融押出を行い、静電印加キャスト法を
用いて冷媒温度20℃のキャスティングドラムに巻き付
て冷却固化し未延伸フィルムを作った。この未延伸フィ
ルムを、130℃に加熱されたロ−ル上に接触させて長
手方向に4.4倍延伸後、冷却し、つづいて140℃に
加熱されたスタンタ内で4.5倍幅方向に延伸後、21
0℃で2%のリラックスを許しながら熱処理を行った。
フィルム厚さ90μmのフィルムをワインダにて巻取っ
た。このフィルムの表面粗さRaは、0.008μmと
平滑であった。このフィルムをフィルム幅が1500m
m以下になるようにスリットしロ−ルに巻取った。この
ロ−ルをフィルム長手方向に張力がかかった状態で、1
10℃の熱風オ−ブン中で24時間熱処理を行った。こ
のフィルムの特性は表1、表2に示したとおり、寸法安
定性、巻癖カ−ル、引裂伝播抵抗が良好であった。
【0070】実施例2 結晶性パラメ−タΔTcgが55℃のポリエチレン−
2,6−ナフタレンジカルボキシレ−ト(ポリエステル
A、固有粘度[η]=0.60dl/g)と結晶性パラ
メ−タΔTcgが45℃のポリエチレン−テレフタレ−
トマスタペレットを常法により得た。
2,6−ナフタレンジカルボキシレ−ト(ポリエステル
A、固有粘度[η]=0.60dl/g)と結晶性パラ
メ−タΔTcgが45℃のポリエチレン−テレフタレ−
トマスタペレットを常法により得た。
【0071】これらのポリマを、180℃で8時間減圧
乾燥(3Torr)した後、それぞれ押出機1、押出機
2に供給し300℃、290℃で溶融した。これらのポ
リマを高精度瀘過した後、矩形合流部にて2層積層とし
た(A/B)。
乾燥(3Torr)した後、それぞれ押出機1、押出機
2に供給し300℃、290℃で溶融した。これらのポ
リマを高精度瀘過した後、矩形合流部にて2層積層とし
た(A/B)。
【0072】これを静電印加キャスト法を用いて表面温
度25℃のキャスティング・ドラムに巻き付けて冷却固
化し、未延伸フィルムを作った。この時、口金スリット
間隙/未延伸フィルム厚さの比を10とした。また、そ
れぞれの押出機の吐出量を調節し総厚さ、熱可塑性樹脂
A層の厚さを調節した。
度25℃のキャスティング・ドラムに巻き付けて冷却固
化し、未延伸フィルムを作った。この時、口金スリット
間隙/未延伸フィルム厚さの比を10とした。また、そ
れぞれの押出機の吐出量を調節し総厚さ、熱可塑性樹脂
A層の厚さを調節した。
【0073】この未延伸フィルムを温度140℃に加熱
されたロ−ル上に接触させて長手方向に4.6倍延伸
後、冷却し、つづいて135℃に加熱されたステンタ−
内で4.5倍幅方向に延伸後、210℃で2%のリラッ
クスを許しながら熱固定し、90μmのフィルムをワイ
ンダ−にてロ−ル状に巻取った。このフィルムをフィル
ム幅が1500mm以下になるようにスリットしロ−ル
に巻いた。そのロ−ルをフィルムに張力がかかった状態
で、100℃の熱風オ−ブン中で30時間熱処理を行っ
た。このフィルムの特性は表1、表2に示したとおり、
寸法安定性、巻癖カ−ル、引裂伝播抵抗が良好であっ
た。
されたロ−ル上に接触させて長手方向に4.6倍延伸
後、冷却し、つづいて135℃に加熱されたステンタ−
内で4.5倍幅方向に延伸後、210℃で2%のリラッ
クスを許しながら熱固定し、90μmのフィルムをワイ
ンダ−にてロ−ル状に巻取った。このフィルムをフィル
ム幅が1500mm以下になるようにスリットしロ−ル
に巻いた。そのロ−ルをフィルムに張力がかかった状態
で、100℃の熱風オ−ブン中で30時間熱処理を行っ
た。このフィルムの特性は表1、表2に示したとおり、
寸法安定性、巻癖カ−ル、引裂伝播抵抗が良好であっ
た。
【0074】実施例3 実施例2において、フィルム幅を1500mm以下の製
品幅にスリットする時に、赤外ランプ(6kW)の60
0〜1000cm-1の波数の赤外光を200秒間フィル
ムに照射しながら、ロ−ルに巻いた。このフィルムの特
性は表1、表2に示したとおり、寸法安定性、巻癖カ−
ル、引裂伝播抵抗が良好であった。
品幅にスリットする時に、赤外ランプ(6kW)の60
0〜1000cm-1の波数の赤外光を200秒間フィル
ムに照射しながら、ロ−ルに巻いた。このフィルムの特
性は表1、表2に示したとおり、寸法安定性、巻癖カ−
ル、引裂伝播抵抗が良好であった。
【0075】比較例1〜2 実施例1において、熱風オ−ブンでの処理前のフィルム
を比較例1とする。
を比較例1とする。
【0076】実施例1において、熱風オ−ブンでの処理
温度を70℃とし、10時間熱処理を行ったフィルムを
比較例2とする。
温度を70℃とし、10時間熱処理を行ったフィルムを
比較例2とする。
【0077】実施例4〜6、比較例3〜8 実施例1と同様にして、結晶化パラメ−タ△Tcg、部
分融解温度、部分融解熱量、積層厚み等を変更したポリ
エステルフィルムを得た。表1〜表4に示すように本発
明範囲のポリエステルフィルムは、寸法安定性、カ−ル
回復性、巻癖カ−ル、引裂伝播抵抗、拡大評価が良好で
あるが、そうでないものは、寸法安定性、拡大評価が良
好でないことがわかる。
分融解温度、部分融解熱量、積層厚み等を変更したポリ
エステルフィルムを得た。表1〜表4に示すように本発
明範囲のポリエステルフィルムは、寸法安定性、カ−ル
回復性、巻癖カ−ル、引裂伝播抵抗、拡大評価が良好で
あるが、そうでないものは、寸法安定性、拡大評価が良
好でないことがわかる。
【0078】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【0079】
【発明の効果】上記、結晶化パラメ−タΔTcg、部分
融解温度、部分融解熱量を特定範囲としたので、これを
用いたポリエステルフィルムは次のような優れた効果を
生じる。
融解温度、部分融解熱量を特定範囲としたので、これを
用いたポリエステルフィルムは次のような優れた効果を
生じる。
【0080】(1)ポリエステルフィルムからの剥離物
や脱落物などがなく、モノマ−、オリゴマ−などの低分
子量物、添加剤などが表面にブリ−ドアウトすることな
く、耐熱性、寸法安定性に優れ、写真用フィルムとして
優れた性能を有する。
や脱落物などがなく、モノマ−、オリゴマ−などの低分
子量物、添加剤などが表面にブリ−ドアウトすることな
く、耐熱性、寸法安定性に優れ、写真用フィルムとして
優れた性能を有する。
【0081】(2)巻癖カ−ルがつき難く、カ−ル回復
性、引裂伝播抵抗に優れることから、一般用ロ−ル状写
真フィルムとして、好適である。
性、引裂伝播抵抗に優れることから、一般用ロ−ル状写
真フィルムとして、好適である。
【0082】(3)また、X線写真用、印刷製版用、マ
イクロフィルム用、電子写真、ジアゾ写真等の複写用な
どの写真用として使用することができる。
イクロフィルム用、電子写真、ジアゾ写真等の複写用な
どの写真用として使用することができる。
【0083】(4)また、白色化すれば、印画紙などに
も使用することができる。
も使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 7:00 9:00 C08L 67:03
Claims (4)
- 【請求項1】 ポリエステルAを主成分とするポリエス
テルフィルムであって、該ポリエステルAは、結晶化パ
ラメ−タ△Tcgが20℃〜80℃であり、部分融解温
度Tpが80〜180℃、部分融解温度における部分融
解熱量が0.10〜2.0cal/gであることを特徴
とする二軸配向ポリエステルフィルム。 - 【請求項2】 ポリエステルAがポリエチレン−2,6
−ナフタレンジカルボキシレ−トからなることを特徴と
する請求項1記載の二軸配向ポリエステルフィルム。 - 【請求項3】 請求項1〜2に記載のポリエステルフィ
ルムの少なくとも片面に、ポリエステルBが積層されて
なることを特徴とする二軸配向ポリエステルフィルム。 - 【請求項4】 写真材料用である請求項1〜3いずれか
に記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28498694A JPH08142183A (ja) | 1994-11-18 | 1994-11-18 | 二軸配向ポリエステルフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28498694A JPH08142183A (ja) | 1994-11-18 | 1994-11-18 | 二軸配向ポリエステルフィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08142183A true JPH08142183A (ja) | 1996-06-04 |
Family
ID=17685663
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28498694A Pending JPH08142183A (ja) | 1994-11-18 | 1994-11-18 | 二軸配向ポリエステルフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08142183A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013049791A (ja) * | 2011-08-31 | 2013-03-14 | Fujifilm Corp | ポリエステルフィルムとその製造方法、太陽電池用バックシートおよび太陽電池モジュール |
-
1994
- 1994-11-18 JP JP28498694A patent/JPH08142183A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013049791A (ja) * | 2011-08-31 | 2013-03-14 | Fujifilm Corp | ポリエステルフィルムとその製造方法、太陽電池用バックシートおよび太陽電池モジュール |
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