JPH08160566A - 印画紙用微細気泡含有積層ポリエステルフィルム - Google Patents

印画紙用微細気泡含有積層ポリエステルフィルム

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JPH08160566A
JPH08160566A JP6307705A JP30770594A JPH08160566A JP H08160566 A JPH08160566 A JP H08160566A JP 6307705 A JP6307705 A JP 6307705A JP 30770594 A JP30770594 A JP 30770594A JP H08160566 A JPH08160566 A JP H08160566A
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    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29KINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES B29B, B29C OR B29D, RELATING TO MOULDING MATERIALS OR TO MATERIALS FOR MOULDS, REINFORCEMENTS, FILLERS OR PREFORMED PARTS, e.g. INSERTS
    • B29K2995/00Properties of moulding materials, reinforcements, fillers, preformed parts or moulds
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  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Molding Of Porous Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面平滑性、白色度に優れ、しかも低コスト
で生産できる高品質印画紙用微細気泡含有積層ポリエス
テルフィルムを提供する。 【構成】 微細な独立気泡を多数含有し、密度が0.4
0〜1.30g/cm3であるポリエステルB層の片面
または両面に、密度が1.30g/cm3 より大きいポ
リエステルA層を共押出積層してなるフィルムであっ
て、一方の最表層表面のb値が2.0未満でかつ表面粗
度Raが0.030〜0.50μmであり、もう一方の
最表層の表面粗度Raが前記最表層表面のRaよりも大
きいことを特徴とする印画紙用微細気泡含有積層ポリエ
ステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、印画紙用積層ポリエス
テルフィルムに関する。詳しくは、本発明は微細な独立
気泡を含有させることにより単位体積当たりの重量が軽
減され、かつクッション性を持たせたフィルムであっ
て、表面平滑性、白色度に優れ、しかも低コストで生産
できる高品質印画紙用微細気泡含有積層ポリエステルフ
ィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】二軸
配向ポリエステルフィルムは、各種の特性を高度にバラ
ンス良く有し、コストパフォーマンスの点で優れるた
め、産業用資材として広く用いられている。ポリエステ
ルフィルムの中でも最近は、微細気泡を含有させて軽量
化し、クッション性を持たせた白色フィルムが用いられ
るようになってきた。かかるフィルムは例えば合成紙の
用途としてプリンター受像紙や無塵紙、ラベル、化粧
紙、トレーシング紙、あるいは白色フィルムとして磁気
カード用等において使用されるようになった。また、ポ
リオレフィンを添加したポリエステルを延伸、熱処理し
て得た不透明フィルムを写真印画紙用として使用するこ
とが、特開昭49−134755号公報等で提案されて
いる。しかしながら、かかるフィルムを印画紙用として
用いようとすると、表面が粗面であるためにその形状が
画像に悪影響を与えたり、白色度が不足して画像品質が
低下する問題があった。かかる問題を解決するために
は、高価な白色粒子や蛍光増白剤を添加したり、ボイド
形成材として高価な耐熱性樹脂を使用する等、コストの
増加を招いてしまう。コスト低減の要求が極めて強くな
っている最近では、かかるフィルムの使用範囲は極めて
狭く限定されてしまい、高品質、かつ低価格の白色フィ
ルムの必要性が増している。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題に鑑
み鋭意検討を行った結果、微細気泡を含有するフィルム
にポリエステル層を積層した特定構成のフィルムによれ
ば、印画紙としての各特性を満足したものが得られ、し
かもかかるフィルムは生産性良く極めて安価に製造でき
ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0004】すなわち、本発明の要旨は、微細な独立気
泡を多数含有し、密度が0.40〜1.30g/cm3
であるポリエステルB層の片面または両面に、密度が
1.30g/cm3 より大きいポリエステルA層を共押
出積層してなるフィルムであって、一方の最表層表面の
b値が2.0未満でかつ表面粗度Raが0.030〜
0.50μmであり、もう一方の最表層の表面粗度Ra
が前記最表層表面のRaよりも大きいことを特徴とする
印画紙用微細気泡含有積層ポリエステルフィルムに存す
る。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
いう積層フィルムは、それぞれの層を構成する樹脂が押
出機から共溶融押出しされる、いわゆる共押出法により
押し出されたものを、延伸および熱処理して得られる。
以下、積層フィルムとして、共押出2層または3層フィ
ルムについて説明するが、本発明の要旨を越えない限
り、本発明はこれらに限定されず、4層またはそれ以上
の多層であってもよい。本発明の積層フィルムの各層を
構成するポリエステルとは、芳香族ジカルボン酸または
そのエステルとグリコールとを主たる出発原料として得
られるポリエステルであり、繰り返し構造単位の80%
以上がエチレンテレフタレート単位またはエチレン−
2,6−ナフタレート単位を有するポリエステルを指
す。そして、上記の範囲を逸脱しない条件下であれば、
他の第三成分を含有していてもよい。芳香族ジカルボン
酸成分としては、例えば、テレフタル酸および2,6−
ナフタレンジカルボン酸以外に、例えば、イソフタル
酸、フタル酸、アジピン酸、セバシン酸、オキシカルボ
ン酸(例えば、p−オキシエトキシ安息香酸等)等を用
いることができる。グリコール成分としては、エチレン
グリコール以外に、例えば、ジエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の一
種または二種以上を用いることができる。
【0006】上記したポリエステルを用いて製造した本
発明のフィルムの特徴は、微細な独立気泡を多数含有す
る低密度のB層の片面または両面に気泡をほとんど含有
しないA層を積層する点にある。すなわちB層の密度は
0.40〜1.30g/cm 3の範囲であることが必要
であり、好ましくは0.50〜1.20g/cm3、さ
らに好ましくは0.70〜1.10g/cm3の範囲で
ある。また、A層の密度は1.30g/cm3より大き
いことが必要であり、好ましくは1.35〜1.50g
/cm3の範囲である。B層の密度が1.30g/cm3
を超えると、独立気泡の含有量が少なく、本発明のフィ
ルムの特徴であるクッション性や紙状の風合いが損なわ
れるようになる。一方、0.40g/cm3未満である
とフィルムの機械的強度が著しく低下し、生産性も著し
く悪化してしまうため好ましくない。また、A層の密度
が1.30g/cm3以下であると、A層表面の平坦性
が損なわれ、画像品質低下をもたらすようになるため好
ましくない。
【0007】本発明においては、フィルムの全厚みが通
常50〜250μmであり、独立微細気泡を含有するB
層の厚みは全厚みの60%以上が好ましく、80%以上
であることがさらに好ましい。B層厚みが60%未満の
場合は、本発明の特徴であるフィルムの軽量性やクッシ
ョン性が満足されない恐れがある。一方、平坦面を形成
するA層の厚みは通常30μm以下、好ましくは20μ
m以下、さらに好ましくは15μm以下である。A層厚
みが30μmを超えても表面の平滑性はもはや変化がほ
とんどないのに加え、フィルム全体の密度が大きくなっ
たり、クッション性が低下する問題が生ずる恐れがあ
る。また、A層表面の平滑性を満足させるため、A層厚
みは0.5μm以上、さらには1.0μm以上が好まし
い。
【0008】本発明においては、以上述べた要件を満足
する限り、その製造方法については特に限定されるもの
ではない。すなわち、微細気泡を含有するポリエステル
フィルム(B層)を製造する方法としては、例えば特開
昭50−38765号公報、特公昭57−46456号
公報、あるいは特開昭57−34931号公報等に記載
されているようなガスまたは気化可能な物質を添加して
発泡体化する方法や、特開昭52−43871号公報、
特公昭58−50625号公報等に記載されているよう
な、化学的に分解してガスを発生する物質を添加して発
泡体化する方法、さらには特開昭51−34963号公
報、特公昭52−27666号公報等に記載されている
ような、成形後、液体を含浸させ溶剤に可溶な物質を抽
出して発泡体化する方法等が挙げられ、いずれの方法を
採用しても構わない。しかしながら、これらの方法はい
ずれも特殊な成形装置や処理装置を必要とし、工程が煩
雑化することから、簡便に採用できる方法とは必ずしも
言い難い。
【0009】そこで、本発明者らが先に提案した特開昭
63−168441号公報や特開昭63−193938
号公報等に記載の方法またはそれに準じた方法をを採用
することが特に好ましい。すなわちポリエステルに、そ
れとは非相溶のポリマーを配合してシート状に押出成形
し、次いで得られたシートを少なくとも一軸方向に延伸
してフィルムとする方法である。この方法を採用すれば
本発明の微細な独立気泡を多数含有した密度が0.4〜
1.30g/cm3 のポリエステルフィルム(B層)を
生産性良く、安価に得ることができる。ポリエステルに
非相溶のポリマーの例としては、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリメチルペンテン、ポリメチルブテン等の
ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポ
リフェニレンサルファイド、液晶ポリエステル等が挙げ
られるが、これらの中でもコストや生産性の点からポリ
プロピレンが好ましい。かかる非相溶ポリマーの配合量
は、B層を構成するポリマーに対して通常5〜40重量
%、好ましくは5〜30重量%の範囲である。この含有
量が5重量%未満では気泡の含有量が少なくなるため、
本発明の特徴であるフィルムの軽量化、およびクッショ
ン性の付与が不十分になる傾向がある。一方、40重量
%を超えると延伸時のフィルム破断が発生し、生産性が
劣るようになる傾向がある。
【0010】このように、ポリエステルに非相溶のポリ
マーを配合するが、この方法ではさらに少なくとも一軸
方向に延伸することが必要である。これは先にも述べた
ように、フィルムの機械的強度を付与するためだけでは
なく、延伸工程を経て初めて十分な独立気泡を含有する
ことが出来るのである。この延伸方法自体は、特殊な操
作を必要とせず、通常のポリエステルフィルムを製造す
る条件の範囲内で行われる。非相溶ポリマーとしてポリ
プロピレンを使用する場合は、少なくとも95モル%以
上、好ましくは98モル%以上がプロピレン単位を有す
る結晶性ポリプロピレンホモポリマーであることが好ま
しい。このポリプロピレンが非晶性である場合、無定形
ポリエステルシートにした時該シート表面にポリプロピ
レンがブリードアウトし、冷却ドラムや延伸ロールなど
の表面を汚染することがある。また、プロピレン単位以
外の例えばエチレン単位が5モル%を超えて共重合され
ていると、独立気泡の形成が不足してしまうことがあ
る。
【0011】かかるポリプロピレンのメルトフローイン
デックス(MFI)は、通常0.5〜30g/10分、
好ましくは1.0〜15g/10分の範囲である。MF
Iが0.5g/10分未満であると、生成する気泡が極
めて大きくなり、延伸時の破断が起こるようになる傾向
があり、一方、30g/10分を超えるとテンターにお
けるクリップ外れを起こしたり、密度の経時的均一性が
悪く、密度コントロールが難しくなって生産性の悪化を
もたらすことがある。
【0012】上記したように非相溶のポリマーを配合し
て微細気泡を生成させる方法を用いる場合、気泡の大き
さをコントロールして、フィルムの密度およびクッショ
ン性を所望の範囲とするため、B層原料中に界面活性剤
を含有させることが好ましい。界面活性剤の例として
は、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両
性界面活性剤、非イオン性界面活性剤等が挙げられ、こ
れらの中でも非イオン性界面活性剤、特にシリコーン系
界面活性剤が好ましい。シリコーン系界面活性剤として
は、オルガノポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共
重合体や、ポリオキシアルキレン側鎖を有するアルケニ
ルシロキサン等が挙げられる。界面活性剤の含有量は、
B層原料に対して好ましくは0.001〜1.0重量
%、さらに好ましくは0.01〜0.5重量%である。
界面活性剤の含有量が1.0重量%を超えるともはやそ
の効果は向上しないのに加え、押出機でのトラブルや、
ポリマーの劣化を引き起こすことがある。
【0013】一方、微細な独立気泡をほとんど含有しな
いポリエステル層(A層)については、共押出法によ
り、B層を構成する樹脂組成物と積層して形成させる。
すなわち、A層を形成する原料とB層を形成する原料と
をそれぞれ個別の押出機により溶融し、次いで一つのダ
イに導きA層およびB層を溶融状態で積層してスリット
状に押出し、シートを得る方法である。A層を形成する
ポリエステルは、少なくともフィルムの片側の表面を形
成し、印画紙として使用する場合、A層表面上に写真画
像を形成させる。かかる画像の品質は、フィルム表面の
粗面度により影響を受けるためA層表面は、平滑である
ことが要求される。一方フィルム表面が平坦であると、
フィルム製造工程で各種ロールとの接触や巻取り工程で
表面に傷が入って、やはり写真画像品質に影響を与えて
しまう。この問題を解決するため、本発明のフィルムの
A層を形成するポリエステルに粒子を含有させ、フィル
ム表面に適度な突起を形成させる。かかる粒子の例とし
ては、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、シリカ、カ
オリン、タルク、二酸化チタン、アルミナ、硫酸バリウ
ム、フッ化カルシウム、フッ化リチウム、ゼオライト、
硫化モリブデン等の無機粒子、架橋高分子粒子、シュウ
酸カルシウム等の有機粒子、およびポリエステル重合時
に生成させる析出粒子を挙げることができる。
【0014】印画紙用として使用する場合、フィルムは
白色でかつ隠蔽度の高いものが画像の鮮明さを向上する
上で好ましく、本発明のフィルムのB層は微細気泡を含
有するためある程度の隠蔽度と白色度を有している。し
かしながら画像の鮮明さは特にフィルム表面近傍の特性
に大きく依存しているため、本発明のフィルムにおいて
はA層の隠蔽度と白色度を向上することが望ましい。か
かる目的のため、A層のポリエステルに含有させる粒子
としては上記した例の中でも二酸化チタン、硫酸バリウ
ムが特に好ましい。また粒子を2種類以上含有させるこ
ともでき、そのうちの少なくとも1種類を二酸化チタ
ン、または硫酸バリウムとすることが特に好ましい。ま
た、B層を形成するポリエステルにもA層と同じかまた
は異なる粒子を含有させてもよい。
【0015】本発明のフィルムに含有させる粒子の平均
粒径は、好ましくは0.005〜5.0μm、さらに好
ましくは0.01〜3.0μmの範囲である。平均粒径
が5.0μmを超えると、表面が粗面化して写真画像の
品質が低下したり、粒子がフィルム表面から脱落しやす
くなる等の問題が生ずるようになる恐れがある。また、
平均粒径が0.005μm未満では、突起形成が不十分
なためフィルムの表面に傷が発生したり、フィルムの取
扱い性が低下してしまう傾向がある。また、A層中の粒
子含有量はA層を構成するポリエステルに対し、通常
0.3〜30.0重量%、好ましくは0.5〜20.0
重量%、さらに好ましくは1.0〜20.0重量%であ
る。A層中の粒子含有量が0.3重量%未満では、フィ
ルム表面の白色度不足し、写真画像の品質特にコントラ
ストや鮮明さにおいて不十分となる傾向がある。一方、
A層中の粒子含有量が30.0重量%を超えると、粒子
の脱落が起こりやすくなったり、粒子が凝集して粗大突
起を形成する等の問題が生ずるようになる恐れがある。
【0016】B層中の粒子含有量は、特に制限は無い
が、コストの点およびフィルム生産性の点から10重量
%未満が好ましい。粒子を2種以上用いる場合は、粒子
の含有量は合計の量が上記した範囲であることが好まし
い。本発明のA層およびB層を構成する、粒子を含むポ
リエステルの製造に際して、粒子はポリエステルの合成
反応中に添加してもポリエステルに直接添加してもよ
い。合成反応中に添加する場合は、粒子をエチレングリ
コール等に分散させたスラリーとして、ポリエステル合
成の任意の段階で添加する方法が好ましい。一方、ポリ
エステルに直接添加する場合は、乾燥した粒子として、
または、水あるいは沸点が200℃以下の有機溶媒中に
分散したスラリーとして、2軸混練押出機を用いてポリ
エステルに添加混合する方法が好ましい。なお、添加す
る粒子は、必要に応じ、事前に解砕、分散、分級、濾過
等の処理を施しておいてもよい。
【0017】粒子の含有量を調節する方法としては、上
記した方法で高濃度に粒子を含有するマスター原料を作
っておき、それを製膜時に、実質的に粒子を含有しない
原料で希釈して粒子含有量を調節する方法が有効であ
る。かくして得られるフィルムの一方の表面(通常はA
層により構成される)の粗度Raは、0.030〜0.
50μm、好ましくは0.040〜0.40μm、さら
に好ましくは0.050〜0.30μmの範囲である。
Raが0.030μm未満では、傷発生やフィルム同士
のブロッキングによる取扱い性悪化の問題が生ずるよう
になる。Raが0.50μmを超えると写真画像品質の
低下をもたらすため好ましくない。かかる平滑な表面を
有するな面に写真画像を形成させるが、その裏側の面
は、通常、何らかの印刷記録や記載を行うことが多く、
例えば鉛筆での筆記が可能であるような状態であること
が便利である。このため、本発明においては平滑な表面
の反対側の面は粗面化されている必要がある。すなわ
ち、平滑な面の反対側の表面の表面粗度Raは、平滑面
のRaよりも大きいことが必要であり、好ましくは0.
1μm以上、さらに好ましくは0.2μm以上である。
【0018】本発明の積層フィルムは、B層の片面また
は両面にA層を積層した構造を有する。A層が片側に存
在する場合、すなわちA/Bの構造の場合は、平滑面は
A層となる。また、両側にA層を設けた場合はA/B/
Aの構造となるが、片側のA層の厚みを厚くして平坦面
を形成させ、反対側のA層の厚みを薄くし、B層に存在
する微細気泡の影響を反映させて表面粗度を大きくする
方法が採用できる。また、A、B以外の層を設けて例え
ばA/B/Cの構造とし、C層の表面粗度を大きくする
方法も採用できる。要するに本発明においては、フィル
ムの片側を形成し表面が平滑なA層と、微細気泡を含有
するB層が存在し、かつ前記A層の反対側の面が粗面化
されている。
【0019】A/B構造の場合、A層表面を平滑にすれ
ば、B層は微細気泡を含有しているので表面は粗面とな
り、本発明のフィルムを得るためには簡便である。ただ
し2層の収縮特性が異なるため、このような構造のフィ
ルムを使用する場合、熱によりカールが発生する問題が
起こることがある。したがって、A層の反対側の面にも
気泡を含有しない層を形成させることが好ましく、この
ためA層と同じ原料からなる薄い層を設けたA/B/A
構造のフィルムとすることがカール防止の点で好まし
い。A/B/C構造の場合も同様にカール防止の点で好
ましいが、C層を粗面化するために多量の粒子を含有す
ると、粒子の脱落が起こりやすくなる。かかる問題を防
ぐため、C層を形成させる場合でも、C層の厚みを薄
く、例えば3μm以下程度とし、粗面化に対してB層の
影響が存在するようにしておくことが好ましい。
【0020】本発明のフィルムの平坦面表面は写真画像
の品質の点から白色度が高いことが好ましく、具体的に
はb値が2.0未満であることが必要である。b値が
2.0以上では写真画像の色彩に影響を与え、印画紙と
しての品質は低下する。かかる白色度を達成するため、
A層ポリエステルは白色の粒子と共に蛍光増白剤を含有
することが好ましい。蛍光増白剤の例としては、商品名
「ユビテック」OB、MD(チバガイギー社製)、「O
B−1」(イーストマン社製)等が挙げられる。一方、
平坦面と反対側の面は特に高度な白色度を必要としな
い。かかる白色度の要件に加え、平坦面の光沢度が高い
場合、特に優れた写真画像品質を与える。具体的には光
沢度は30%以上が好ましく、さらには40%以上、特
には50%以上であることが望ましい。光沢度が30%
未満では、写真画像の解像度が不足して、品質の低下を
招くことがある。
【0021】本発明においては、フィルムに、本フィル
ム自身の再生原料を配合することは、原料コストの点で
有利である。かかる再生原料は、ポリエステルと非相溶
のポリマーを含有するため、B層を形成する原料のみに
配合される。また、さらに原料コスト面で有利な方法と
して、B層に安価なポリエステル原料を用いることが挙
げられる。かかる原料としては、例えば種々の用途から
発生する再生ポリエステル、直重ポリエステル等が挙げ
られる。特に、B層は気泡を含有し、大きな表面粗度を
与えるものであるため、かかる原料が大きな粒子を含有
していたり、多少の色を有していても差し支えない。し
たがって、フィルムの大部分を占めるB層に使用できる
ポリマーの許容範囲は極めて広く、コスト的なメリット
は大きい。 一方、A層の原料は、かかる再生ポリマー
の使用は制限される。A層中の再生原料の含有量は、そ
の着色の程度にもよるが、通常40%を超えないことが
好ましい。
【0022】本発明のフィルムのB層を形成するポリエ
ステルの末端カルボキシル基濃度は、好ましくは45等
量/トン以上、さらに好ましくは50等量/トン以上で
ある。末端カルボキシル基濃度が45等量/トン以上の
場合、理由は必ずしも定かではないが、B層に形成され
る微細気泡の大きさが均一になり、フィルム密度コント
ロールが容易となるため、生産性向上の点で有利であ
る。また、B層のポリエステルの極限粘度は、通常0.
50以上であり、0.53以上がさらに好ましい。極限
粘度が0.50未満の場合は、製膜時にフィルム破断が
起こりやすくなり、かつ気泡の大きさが不均一になって
密度のコントロールが難しくなるため生産性が低下する
傾向がある。一方、極限粘度の上限は、ポリマー製造時
の生産性の点から、通常1.0以下である。A層ポリエ
ステルの極限粘度とB層の極限粘度とは同じであっても
異なっていてもよいが、表面層の方が内層より高い極限
粘度を有する場合に製膜時の破断が防止され、かつ表面
からの粒子脱落も起こり難くなるため好ましい。
【0023】次に、本発明のフィルムの製造法を具体的
に説明する。本発明において、積層フィルムを得る方法
としては、共押出法が用いられる。以下、共押出法によ
る例について説明する。それぞれの層を構成するポリエ
ステル原料を、共押出積層用押出装置に供給する。すな
わち、2または3台以上の押出機、2または3層以上の
マルチマニホールドまたはフィードブロックを用いて積
層し、スリット状のダイから溶融シートとして押し出
す。A/B/Aの構造を有するフィルムの場合、A層と
B層とを構成するポリマーは、それぞれ一つの押出機か
ら押し出され、メルトラインの途中で分割される。分割
後のメルトラインにギヤポンプ等の定量フィーダーを設
置し、A層用のポリマーとB層用のポリマーの流量をそ
れぞれに調整して、B層の両側に積層する。それぞれの
厚みは、その流量によりコントロールされる。もちろ
ん、B層ポリマーのメルトラインにもギヤポンプを設置
することは、厚み調節の上で有効である。
【0024】次に、ダイから押し出された溶融シート
を、回転冷却ドラム上でガラス転移温度以下の温度にな
るように急冷固化し、実質的に非晶状態の未配向シート
を得る。この場合、シートの平面性を向上させるため、
シートと回転冷却ドラムとの密着性を高めることが好ま
しく、本発明においては静電印加密着法および/または
液体塗布密着法が好ましく採用される。静電印加密着法
とは、通常、シートの上面側にシートの流れと直交する
方向に線状電極を張り、該電極に約5〜10kVの直流
電圧を印加することによりシートに静電荷を与え、ドラ
ムとの密着性を向上させる方法である。また、液体塗布
密着法とは、回転冷却ドラム表面の全体または一部(例
えばシート両端部と接触する部分のみ)に液体を均一に
塗布することにより、ドラムとシートとの密着性を向上
させる方法である。本発明においては必要に応じ両者を
併用してもよい。
【0025】本発明においてはこのようにして得られた
シートを少なくとも一軸方向に延伸してフィルム化す
る。先にも述べたように、本発明のB層の微細気泡は、
かかる延伸によって生成させることができること、およ
びフィルムの強度や寸法安定性を適度に満足するため、
好適な条件で延伸することが必要である。二軸延伸条件
について具体的に述べると、前記未延伸シートを好まし
くは70〜150℃、さらに好ましくは75〜130℃
の温度範囲で、まず一方向にロールもしくはテンター方
式の延伸機により3.0〜7倍、好ましくは3.2〜6
倍に延伸する。次に一段目と直交する方向に好ましくは
75〜150℃、さらに好ましくは80〜140℃の温
度範囲で3.2〜7倍、好ましくは3.5〜6倍に延伸
を行い、二軸に配向したフィルムを得る。なお、一方向
の延伸を2段階以上で行う方法も用いることができる
が、その場合も最終的な延伸倍率が上記した範囲に入る
ことが望ましい。また、前記未延伸シートを面積倍率が
10〜40倍になるように同時二軸延伸することも可能
である。
【0026】かくして得られたフィルムを150〜25
0℃で、30%以内の伸長、制限収縮、または定長下で
1秒〜5分間熱処理する。二軸延伸した後さらに110
℃〜180℃の温度で縦方向に1.05〜2.0倍再延
伸を行った後、熱処理する方法も採り得る。この際、再
縦延伸前熱固定、再縦延伸後縦弛緩、再縦延伸前または
後微小倍率縦延伸等の手法を適宜採用も可能である。ま
た、同様に横方向に再延伸を行ってもよい。また、必要
に応じて製膜工程内で各種の表面処理等を施しても構わ
ない。また、本発明のフィルムは、写真画像形成層との
接着性を高めるため、フィルム表面に塗布層を設けても
よい。塗布層は、フィルム製造工程内で設けてもよい
し、フィルム製造後に塗布してもよい。特に塗布厚みの
均一性や、生産効率の点で、フィルム製造工程の縦方向
延伸後、横延伸工程にはいる前に塗布する方法が好まし
い。
【0027】塗布剤の例としては、ポリエステル、ポリ
アミド、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリカーボ
ネート、ポリアリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコー
ル、ポリウレタンなどの樹脂およびこれらの樹脂の共重
合体や混合体などを挙げることができるが、これらに限
定されるわけではない。これらの中で最も好ましい塗布
剤樹脂は、ポリエステル系樹脂である。
【0028】本発明で用いる塗布剤は、水を媒体とする
塗布剤であることが望ましい。水を媒体とする場合は、
界面活性剤などによって強制分散化した塗布剤であって
もよいが、好ましくはポリエ−テル類のような親水性の
ノニオン成分や、四級アンモニウム塩のようなカチオン
性基を有する自己分散型塗布剤であり、さらに好ましく
は、アニオン性基を有する水溶性または水分散性樹脂塗
布剤である。なお、本発明においては、ポリエステルま
たは非相溶ポリマー中に必要に応じ、酸化防止剤、熱安
定剤、潤滑剤、帯電防止剤、染料、顔料等の添加剤を配
合してもよい。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げてさらに詳細に
説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下
の実施例によって限定されるものではない。なお実施例
における種々の物性および特性の測定方法、定義は下記
のとおりである。実施例および比較例中「部」とあるは
「重量部」を示す。 (1)各層の層厚み 透過型電子顕微鏡(TEM)によるフィルム断面の観察
にて行った。すなわち、フィルムサンプルの小片を、エ
ポキシ樹脂に硬化剤、加速剤を配合した樹脂に包埋処理
し、ウルトラミクロトームにて厚み約200nmの切片
を作成し、観察用サンプルとした。得られたサンプルを
日立(株)製透過型電子顕微鏡H−9000を用いて断
面の顕微鏡写真を撮影し、各層の厚みを測定した。ただ
し、加速電圧は300kV、倍率は最表層厚みに応じ、
1万倍〜10万倍の範囲で設定した。厚み測定は50点
行い、測定値の厚い方から10点、薄い方から10点を
削除して30点を平均して測定値とした。
【0030】(2)フィルム密度(g/cm3) フィルムの任意の部分から10cm×10cmの正方形
のサンプルを切り出し、重量を測定した。次いでマイク
ロメーターで任意の点9点の厚みを測定し、その平均値
と重量とから単位体積当たりの重量を計算した。測定数
は5回とし、その平均値をフィルム密度とした。それぞ
れの層厚み測定後、フィルム表面のA層をミクロトーム
にて切削し、密度勾配管を用いてA層の密度を測定し、
それぞれの層の密度値を算出した。 (3)白色度(b値) 東京電色(株)製カラーアナライザー TC−1800
MKII型を用いて、JIS Z−8722の方法に準じ
てフィルムの色調(L、a、b)を測定し、b値をもっ
て白色度とした。b値が+側に大きいと黄色味が強いこ
とを示す。測定は3点行い、その平均値を測定値とし
た。
【0031】(4)中心線平均粗さ(Ra) (株)小坂研究所製表面粗さ測定機(SE−3F)を用
いて次のようにして求めた。すなわち、フィルム断面曲
線からその中心線の方向に基準長さL(2.5mm)の
部分を抜きとり、この抜き取り部分の中心線をx軸、縦
倍率の方向をy軸として粗さ曲線y=f(x)で表した
とき、次式で与えられた値を〔μm〕で表した。中心線
平均粗さは、試料フィルム表面から10本の断面曲線を
求め、これらの断面曲線から求めた抜き取り部分の中心
線平均粗さの平均値で表した。なお、触針の先端半径は
2μm、荷重は30mgとし、カットオフ値は0.08
mmとした。
【数1】
【0032】(5)光沢度 (%) 日本電色(株)社製グロスメーター 1001DP型を
用いて、JIS Z−8741の方法に準じて光沢度を
測定した。入射角、反射角60度における黒色標準板の
反射角を基準に資料の反射率を求め、光沢度とした。 (6)粒子の平均粒径および粒度分布値 島津製作所製遠心沈降式粒度分布測定装置(SA−CP
3型)で測定した等価球形分布における積算体積分率5
0%の粒径を平均粒径とした。
【0033】(7)ポリマーの極限粘度〔η〕 (dl
/g) ポリマ−1gをフェノール/テトラクロロエタン=50
/50(重量比)の混合溶媒100ml中に溶解し、3
0℃で測定した。 (8)カルボキシル末端基濃度 (等量/トン) A.Conixの方法[Makromol.Che
m.,26,226(1958)]に従って測定した。 (9)メルト・フロー・インデックス M・F・I
(g/10min) JIS K−6758−1981に準じて測定した。こ
の値が高いほどポリマーの溶融粘性が低いことを示す。
【0034】(10)印画紙としての実用特性 フィルムの片側に感光体を含有するゼラチン乳剤を塗布
して感光層を形成し、露光、現像して画像を形成させ、
得られた画像の品質を以下の項目について評価した。 (i)解像度 ランクA:高度な解像度が得られ、高品質であった。 ランクB:やや解像度が劣るが、実用上差し支えない。 ランクC:解像度が劣るため実用上問題がある。 (ii)コントラスト ランクA:コントラストが鮮明で、高品質な画像が得ら
れた。 ランクB:コントラストの鮮明さがやや劣るが、実用可
能。 ランクC:コントラストが鈍く、画像品質が劣る。 (iii )色調 ランクA:良好な色調を示した。 ランクB:黄色味が影響して色調が劣る。
【0035】実施例1および比較例1 ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール
60部および酢酸マグネシウム4水塩0.09部を反応
器にとり、加熱昇温するとともにメタノールを留去して
エステル交換反応を行い、反応開始から4時間を要して
230℃まで昇温し、実質的にエステル交換反応を終了
した。次いで、粒径1.5μmのシリカ粒子0.5部を
エチレングリコールスラリ−として添加した。
【0036】スラリー添加後、さらにリン酸0.03
部、三酸化アンチモン0.04部を加え、徐々に反応系
を減圧とし、温度を高めて重縮合反応を4時間行い、極
限粘度0.62のポリエステル(a)を得た。また、別
途、上記のシリカ粒子を添加しない以外は、上記と同様
にエステル交換反応、重縮合反応を行い、実質的に不活
性粒子を含まない極限粘度0.70のポリエステル
(b)、および極限粘度0.64のポリエステル(c)
を得た。平均粒径0.30μmの二酸化チタン粒子35
部とポリエステル(b)55部とを二軸押出機を用いて
ブレンドし、ポリエステル(d)を得た。ポリエステル
(d)の極限粘度は0.59であった。また、同様に二
軸押出機を用いて蛍光増白剤としてOB−1を1重量%
含有する、極限粘度0.60のポリエステル(e)を製
造した。
【0037】ポリエステル(c)、ポリエステル
(d)、ポリエステル(e)をそれぞれ、85:10:
5(重量比)の割合でブレンドして、ポリエステル原料
とした。該ポリエステル原料100部に、M.F.I.
が5の結晶性ポリプロピレンホモポリマーチップを12
部ブレンド配合し、さらにシリコーン系界面活性剤(商
品名;SH193 東レシリコーン(株)製)を0.3
部加えた原料を押出機にて290℃で溶融し、40℃の
冷却ドラム上にシート上に押出し、厚さ1.3mmの無
定形シートを得た。次いで、上記の無定形シートをフィ
ルムの流れ方向(縦方向)に85℃で3.2倍、横方向
に110℃で3.3倍延伸し、240℃で5秒間熱処理
を行い、二軸配向フィルムを得た。フィルムの全厚さは
170μmであった(比較例1)。比較例1のフィルム
の場合、製造時のフィルム密度の経時的安定性がやや不
良であり、密度と厚みをコントロールするために、製膜
条件の調節が必要となってしまい、生産性が低下した。
得られたフィルムに写真画像形成層を塗布して印画紙を
得、その特性を評価した。フィルム表面の粗度が大きす
ぎるため、その表面形状が写真画像に影響を与え、鮮明
さ、解像度が劣るものであった。
【0038】比較例1のフィルムを製造する際に発生し
たスクラップを二軸押出機にて溶融押出により再生チッ
プ化し、再生原料(f)とした。A層原料として、ポリ
エステル(a)、ポリエステル(c)、ポリエステル
(d)、ポリエステル(e)をそれぞれ、20:35:
40:5(重量比)の割合でブレンドしたポリエステル
原料を用いた。また、B層原料としてポリエステル
(c)、再生原料(f)、M.F.I.が5の結晶性ポ
リプロピレンホモポリマーをそれぞれ、50:40:1
0(重量比)の割合でブレンドし、SH193を0.3
重量%添加したものを用いた。A層原料と、B層原料と
をそれぞれ別の押出機にて溶融押出し、それぞれの層の
押出量を調節して、A/Bの2層構造を有する合計厚み
1.2mmの無定形シートを得た。延伸、熱処理条件は
比較例1と同様にして、合計厚み170μmの二軸延伸
積層フィルムを得た(実施例1)。A層厚みは8μmで
あった。フィルムのA層表面上に写真画像形成層を設け
て評価したところ、高品質な画像形成が認められた。ま
た、B層表面についても、HBの鉛筆で十分に筆記がで
き、この点においても好ましい特性であった
【0039】実施例2 A層は実施例1と同じ原料を用い、B層のポリエステル
(c)、再生原料(f)、ポリプロピレンの重量比を4
3:40:17とし、A/B/Aの3層構造を有する積
層フィルムを製造した。ただし、片側のA層の厚みは1
4μm(A1層とする)、反対側のA層の厚みは1μm
(A2層とする)、フィルム全体の厚みは170μmで
あった。A1層表面に写真画像形成層を設けて評価した
ところ、高品質な画像形成が認められた。一方A2層表
面は、HBの鉛筆での筆記は実施例1の場合よりはやや
不鮮明になるものの、十分可能であった。
【0040】実施例3 実施例1において、B層原料のうちポリエステル(c)
の代わりに本フィルム以外の種々の成形体から再生され
た安価なポリエステル原料を使用した以外は実施例1と
同様にして、積層フィルムを得た。使用した安価なポリ
エステル原料は、大きな粒子を含有するものや、染料を
含有して多少着色したものも含まれていたが、A層表面
の白色度にはほとんど影響はなかった。また、用いた再
生原料の平均の極限粘度は0.60であった。このフィ
ルムは製造コストの点で、極めて大きな優位性を有する
ものである。 実施例4 実施例2において、ポリプロピレンの代わりにポリメチ
ルペンテンを用い、各層の原料の押出量を調節し、実施
例2と同様にして、A1層厚み15μm、A2層厚み
1.5μm、全厚み175μmの積層フィルムを得た。
本フィルムは製造コストの点でやや劣るものの、印画紙
用としての特性は良好であった。実施例2および実施例
4の場合、印画紙実用特性評価において、画像形成後の
乾燥工程においてカール発生が全く無く、この点におい
て良好な特性であった。
【0041】比較例2 実施例1において、A層原料を、ポリエステル(a)、
ポリエステル(c)、ポリエステル(d)をそれぞれ、
20:40:40(重量比)の割合でブレンドしたポリ
エステル原料としたこと以外は実施例1と同様にして微
細気泡含有積層ポリエステルフィルムを得た。A層厚み
は13μm、フィルム全厚みは170μmであった。得
られたフィルムのA層表面は、白色度に劣るものであっ
た。 比較例3 実施例1において、A層原料を、ポリエステル(c)の
みとしたこと以外は実施例1と同様にして微細気泡含有
積層ポリエステルフィルムを得た。A層厚みは20μ
m、フィルム全厚みは170μmであった。該フィルム
のA層表面は、極めて平坦であるため、製膜時にロール
との接触や巻取り時の摩擦により、A層表面に傷が発生
し、写真画像に悪影響を与えるものであった。
【0042】比較例4 ポリエステル(a)、ポリエステル(c)、ポリエステ
ル(d)、ポリエステル(e)をそれぞれ、20:3
5:40:5(重量比)の割合でブレンドしたポリエス
テル原料を用い、製膜条件は比較例1と同様にして、厚
み160μmの微細気泡を含有しない単層のフィルムを
製造した。該フィルムは、剛性が強く、クッション性も
無いため、印画紙としての取扱い性に劣り、裏面の筆記
性も無く、本用途に関しては本発明のフィルムよりも適
性が低いものであった。以上、得られた結果をまとめて
下記表1〜3に示す。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【発明の効果】本発明のフィルムは、独立微細気泡を多
数含有するため軽量かつクッション性を有し、しかも表
面が平滑で白色度が高く、写真印画紙用ベースフィルム
として用いたときの、画像品質を高度に満足でき、しか
も生産性、コスト面で優れたものであり、その工業的価
値は非常に大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 67:00 B29L 9:00 11:00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微細な独立気泡を多数含有し、密度が
    0.40〜1.30g/cm3 であるポリエステルB層
    の片面または両面に、密度が1.30g/cm3より大
    きいポリエステルA層を共押出積層してなるフィルムで
    あって、一方の最表層表面のb値が2.0未満でかつ表
    面粗度Raが0.030〜0.50μmであり、もう一
    方の最表層の表面粗度Raが前記最表層表面のRaより
    も大きいことを特徴とする印画紙用微細気泡含有積層ポ
    リエステルフィルム。
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