JPH09106038A - 写真印画紙用支持体の製造方法 - Google Patents

写真印画紙用支持体の製造方法

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JPH09106038A
JPH09106038A JP7265828A JP26582895A JPH09106038A JP H09106038 A JPH09106038 A JP H09106038A JP 7265828 A JP7265828 A JP 7265828A JP 26582895 A JP26582895 A JP 26582895A JP H09106038 A JPH09106038 A JP H09106038A
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nonfoam
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和夫 尾崎
Tadahiro Kikazawa
忠宏 気賀沢
Yasuyuki Hosono
康幸 細野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融押出しラミネートにより平面性の改
良された発泡ラミネート層を含む写真用支持体を廉価に
製造し得る方法を提供する。 【解決手段】 紙基材の乳剤塗布面側に少なくとも発泡
樹脂層とそれより上層側に無発泡樹脂層を有する複数の
樹脂層を共押出しして設ける際に、該無発泡樹脂層の膜
厚を5μm以上とし、その樹脂粘度を前記発泡樹脂層の
樹脂粘度の1.3〜2.5倍の範囲にすることを特徴と
して構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発泡樹脂ラミネー
ト層を有する外観、特に平面性の優れた写真印画紙用支
持体に関する。
【0002】
【従来の技術】写真印画紙用支持体の構成として原紙の
写真画像形成側に発泡ポリオレフィンラミネート層を有
するものが特開平3−62028号公報に開示されてい
る。しかし、溶融押出し発泡方式でラミネート層を形成
した場合、表面の凹凸が大きいため、ぎらついた光沢面
状になる。表面の凹凸を小さくするために、2軸延伸法
などにより発泡フィルムを製膜してから原紙に貼り合わ
せたり、未発泡フィルムを原紙に貼り合わせてから発泡
するなどの対応も考えられるが、製造工程が多くコスト
高になる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、溶融
押出しラミネートにより平面性の改良された発泡ラミネ
ート層を含む写真用支持体を廉価に製造し得る方法を提
供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題につ
いて鋭意検討した結果、紙基材の乳剤塗布面側に少なく
とも発泡樹脂層とそれより上層側に無発泡樹脂層を有す
る複数の樹脂層を共押出しして設ける際に、該無発泡樹
脂層の膜厚を5μm以上とし、その樹脂粘度を前記発泡
樹脂層の樹脂粘度の1.3〜2.5倍の範囲にすること
を特徴とする写真印画紙用支持体の製造方法により達成
することを見出した。
【0005】例えば、2層のラミネート層構成を、発泡
剤を含まず白色顔料を含む高粘度樹脂層を上層側に、発
泡剤を含む低粘度樹脂層を下層側に形成することによ
り、平面性を維持した写真印画紙用支持体を提供するこ
とができる。
【0006】
【発明の実施の形態】図面により本発明を更に詳細に説
明すると、本発明では図1において紙基材3の乳剤塗布
両側に発泡樹脂層2とそれより上層側に無発泡樹脂層1
を有する複数の樹脂層を共押出しして設ける際に、無発
泡樹脂層1の膜厚を5μm以上とし、その樹脂粘度を発
泡樹脂層2の樹脂粘度の1.3〜2.5倍の範囲にする
ことを特徴としている。
【0007】本発明において、上層側無発泡層の膜厚を
5〜30μmとすることにより発泡層の凹凸を隠蔽して
平面性の優れた写真印画紙用支持体を製造することがで
きる。上記膜厚が5μmよりも薄い場合は発泡層の凹凸
の隠蔽効果が小さく、30μmよりも厚い場合は樹脂量
が多いため、コストダウン効果がない。好ましくは、上
層側無発泡層の膜厚を5〜20μmとすることにより、
ラミネート層発泡化による樹脂量減効果を生かしなが
ら、平面性の優れた写真印画紙用支持体を製造すること
ができる。より好ましくは、上層側無発泡層の膜厚を1
0〜20μmとすることにより、平面性がさらに優れた
写真印画紙用支持体を製造することができる。
【0008】下層側発泡層の膜厚は通常5〜50μm程
度、好ましくは10〜30μm程度である。
【0009】又、上層側無発泡層と下層側発泡層の粘度
比を1.3〜2.5倍にすることにより、エッジ部での
まわり込みなど耳ロスを増やすことなく、平面性のよい
写真印画紙用支持体を製造することができる。上記粘度
比が1.3倍よりも低い場合は発泡層の凹凸の隠蔽効果
が小さく、2.5倍よりも高い場合はエッジ部でのまわ
り込みが生じ、耳ロスが増える。好ましくは、上記粘度
比を1.5〜2.5倍にすることにより、平面性がさら
に優れた写真印画紙用支持体を製造することができる。
より好ましくは、上記粘度比を1.5〜2.0倍にする
ことにより、まわり込み防止効果が高くなり、平面性の
優れた写真印画紙用支持体を安定に製造することができ
る。
【0010】粘度比が上記の範囲になるように無発泡層
及び発泡層の粘度を調節する方法としては、樹脂の種類
の選択、メルトフローレート、密度等の異なる樹脂の使
用、2種以上のブレンド樹脂を用いてその混合比の変
更、顔料、充填剤等の添加による粘度の調整、各層の溶
融押出温度に差を設ける等がある。
【0011】発泡層の上層に、高粘度の無発泡層樹脂を
共押出しすることにより、発泡層表面のギラツキ感を少
なくすることができる。
【0012】本発明において使用される樹脂としては、
低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリ
エチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重
合体等のポリオレフィンが挙げられる。
【0013】発泡層に配合される発泡剤としては、プロ
パン、ブタン、ペンタン等の炭化水素ガス、アゾジカル
ボンアミド、ジニトロペンタメチレンテトラミン、アゾ
ジイソブチロニトリルや重炭酸ソーダ、炭酸アンモニウ
ム等が挙げられる。発泡倍率は1.1〜2.5程度、好
ましくは1.1〜2.0程度である。
【0014】後記実施例に示したように、樹脂として異
なる樹脂を用いた場合でも、同一の樹脂を用いて各層に
溶融温度差を付けた場合でも、上層無発泡層の粘度を発
泡層よりも高くすることにより、平面性の良好な写真印
画紙用支持体を製造することができる。
【0015】本発明に用いられる紙基材は通常の天然パ
ルプを成分とするもののほか、合成パルプや合成繊維等
でもよく、これらの混合物でもよい。
【0016】これらの中では針葉樹材パルプ、広葉樹材
パルプ、針葉樹広葉樹材混合パルプの木材パルプを主成
分とする天然パルプ紙が好ましく使用される。これらの
原紙中には各種の高分子化合物、添加剤を含有せしめる
ことができる。例えば乾燥低力増強剤、サイズ剤、顔
料、湿潤紙力増強剤、定着剤、pH調節剤などを適宜組
み合わせて含有せしめることができる。
【0017】上述の原料により作成した坪量50g/m
2〜200g/m2で密度0.90〜1.15g/m3
紙基材が写真用支持体の原紙として好ましい。
【0018】溶融押出温度は200〜340℃程度、好
ましくは280〜320℃程度でよい。 以下、実施例
により本発明を更に具体的に説明する。 実施例1 表1、2に示す条件にて、2層の樹脂を紙基材に共押出
しラミネートした。
【0019】上層無発泡層および下層発泡層にはそれぞ
れ一定量のマスターバッチを加えるものとし、LDP
E:TiO2=1:1および「ポリスレンEE−20
5」のマスターバッチに用いられているLDPEはいず
れも比重0.94、MFR=4である。尚、LDPEは
低密度ポリエチレンの略称である。
【0020】吐出温度は、ダイリップ下1mm地点で熱
電対により測定した時の膜温度である。
【0021】上下層に加えるLDPEの種類(MFRの
違うもの)および膜厚を変えた時のサンプル表面の平面
性評価結果を表3に示す。
【0022】平面性は10段階の目視評価による官能評
価点数とし、点数が高いほど平面性は良好である。ここ
では、膜厚40μmのラミネート面において、発泡層の
みを1点、無発泡層のみを10点と規定した。
【0023】エッジ部において低粘度樹脂が高粘度樹脂
をまわり込む現象(まわり込み現象)については、◎:
全くなし、○:発生限付近、△:発生、の3段階評価と
した。
【0024】また、発泡層の比重は0.6、無発泡層の
比重は1.05である。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】なお、LDPEの樹脂粘度は、キャピラリ
ーの長さ:10mm、キャピラリーの内径:1mmのキ
ャピラリーレオメーターを用いて、せん断速度:100
1/秒、吐出温度=300℃の条件下の溶融押出試験
により測定した場合、以下の通りであった。
【0029】MFR=2(粘度2000poise) MFR=5(粘度1500poise) MFR=20(粘度800poise) MFR=30(粘度600poise) 以上の評価結果より、以下の効果を確認できた。 ・発泡層に比べて、無発泡層の膜厚が大きくなるほど平
面性が優れる(〜) ・上下層粘度比が大きいほど平面性が優れる(〜) ・上下層粘度比が大きいほどまわり込みが生じやすく耳
ロスが増える(〜)
【0030】実施例2 実施例1において、上下層に加えるLDPEの種類をM
FR=3のもの1種類のみに限定し、2層の樹脂温度を
変えた以外は、実施例1と同じ条件下で2層の樹脂を原
紙に押出しラミネートした。樹脂温度はダイリップ下1
mm地点での溶融樹脂温度である。
【0031】以上の条件下で膜厚を変えた場合のサンプ
ル表面の平面性評価結果を表4に示す。
【0032】
【表4】
【0033】なお、LDPEの樹脂粘度は、キャピラリ
ーの長さ:10mm、キャピラリーの内径:1mmのキ
ャピラリーレオメーターを用いて、せん断速度:100
1/秒の条件下の溶融押出試験により測定した場合、
以下の通りである。
【0034】 以上の評価結果より、以下の効果を確認できた。 ・発泡層に比べて、無発泡層の膜厚が大きくなるほど平
面性が優れる(〜) ・上下層粘度比が大きいほど平面性が優れる(〜) ・上下層粘度比が大きいほどまわり込みが生じやすく耳
ロスが増える(〜)
【0035】
【発明の効果】発泡ラミネート層を含む平面性のよい写
真印画紙用支持体を、溶融押出しラミネートにより製造
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例である写真印画紙用支持体
の層構成を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1…無発泡層 2…発泡層 3…紙 4…裏面ラミネート層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 27/36 D21H 1/02 C // B29K 23:00 105:04

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙基材の乳剤塗布面側に少なくとも発泡
    樹脂層とそれより上層側に無発泡樹脂層を有する複数の
    樹脂層を共押出しして設ける際に、該無発泡樹脂層の膜
    厚を5μm以上とし、その樹脂粘度を前記発泡樹脂層の
    樹脂粘度の1.3〜2.5倍の範囲にすることを特徴と
    する写真印画紙用支持体の製造方法。
  2. 【請求項2】 発泡樹脂層及び無発泡樹脂層がいずれも
    ポリオレフィン樹脂層であり、共押出しされる層がこの
    2層よりなっている請求項1記載の写真印画紙用支持体
    の製造方法。
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