JPH08164592A - 積層フィルム - Google Patents

積層フィルム

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JPH08164592A
JPH08164592A JP6312195A JP31219594A JPH08164592A JP H08164592 A JPH08164592 A JP H08164592A JP 6312195 A JP6312195 A JP 6312195A JP 31219594 A JP31219594 A JP 31219594A JP H08164592 A JPH08164592 A JP H08164592A
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育 高田
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尚 三村
Jun Hirata
純 平田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 易接着性、印刷特性に優れ、磁気記録材料、
工業材料、包装材料などに好適な積層フィルムを提供す
る。 【構成】 熱可塑性樹脂A、熱可塑性樹脂Bからなる積
層フィルムの熱可塑性樹脂A層内含有の粒子により積層
フィルム表面に高密度かつ高さの均一な突起を形成し、
さらに該積層フィルムにアクリル樹脂とポリエステル樹
脂を主たる構成成分とするC層を積層したことを特徴と
する積層フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は積層フィルムに関し、詳
しくは易接着性に優れると同時に印刷特性に優れ、磁気
記録材料、工業材料、包装材料などに使用される基材フ
ィルムとして好適な積層フィルムに関するものである。
特に工業材料用途、中でも感熱転写材に使用される基材
フィルムとして好適な積層フィルムに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂としてポリエステル、特に
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−
ナフタレート、ポリブチレンテレフタレートあるいはポ
リ−1、4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート
及びこれらを主体とするポリエステルは優れた物理的、
化学的特性を有しており、繊維、フィルムあるいはシー
ト、更にはその成型品として広く使用されている。
【0003】特に、ポリエステルフィルムは耐熱性、耐
薬品性、機械的特性など優れた性質を有するために、磁
気記録材料、電気絶縁材料、感光材料、感熱材料、製図
材料、写真材料をはじめとした一般工業材料、包装材料
など多くの用途の基材フィルムとして使用されている。
【0004】これらの用途においてはポリエステルフィ
ルム単体で使用されることは無く、フィルム表面に種々
の被覆物、例えば磁性塗料、UVインキ、ケミカルマッ
ト塗料、ジアゾ感光塗料、昇華型インキ、ゼラチン組成
物、ヒートシール付与組成物などを塗布あるいは印刷し
て使用される。特に、感熱転写材用途、中でも昇華型感
熱転写材に用いられるフィルムには、各フィルム面に以
下のような機能が要求されている。昇華型インキ層を設
ける側には、昇華型インキと基材フィルムとの易接着性
が求められている。また、反対面のスティック防止層側
には、転写時のサーマルヘッドとの摩擦の低減ととも
に、熱伝導性の向上、即ち粗大突起の低減によるサーマ
ルヘッドとの接触面積の増大、ひいてはその印刷特性の
向上も強く求められている。
【0005】一般に二軸配向ポリエステルフィルムは表
面が高度に結晶配向しているため接着性に乏しく、直接
フィルム表面に種々の被覆物、例えば磁性塗料、UVイ
ンキ、ケミカルマット塗料、ジアゾ感光塗料、昇華型イ
ンキ、ゼラチン組成物、ヒートシール付与組成物などを
塗布あるいは印刷しても全く密着しない。このため塗布
あるいは印刷する際には、該被覆物との接着性を良好と
するためにフィルム表面上に各種ガス雰囲気下でのコロ
ナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理などの物理
的な処理やアルカリ、トリクロロ酢酸、アミン、フェノ
ール類などによる化学的処理、あるいはこれらを併用し
た処理方法などが試みられているがいずれも充分な密着
性が得られていない。またフィルム表面のプライマ処理
による易接着化が処理工程、作業上の安全性及びフィル
ム加工商品の高品質維持などの利点があることで広く行
われており、しかもフィルム製造工程内で一気にプライ
マ処理(ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹
脂などの水性塗料を塗布後、延伸して塗膜層を形成)を
行う方法が工程簡略化や製造コストの点で有力視され、
盛んに実施されている。
【0006】また、感熱転写材として使用した場合、転
写時のサーマルヘッドとの摩擦低減のためフッ素系やシ
リコーン系の易滑層が設けられているが、近年の感熱転
写機器の高速化に伴い、サーマルヘッドにかけられる熱
量が大きくなってきている。このためサーマルヘッドと
基材フィルムが融着するスティック現象を防止するため
スティック防止層を厚くする必要があるが、これは印字
の際の熱量不足につながり逆効果である。このため、従
来並の厚みで易滑性を出すため基材フィルムの突起を大
きくしたり、粗大突起を与えたりする方法が取られてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来技術においては次のような問題点がある。
【0008】例えば、被覆物との易接着性を付与するた
めに、ポリエステル樹脂をポリエステルフィルムに積層
あるいは塗布したものは基材フィルムとの接着性は非常
に優れているものの、反面被覆物との密着性が劣る傾向
がある。特に、被覆物として昇華型インキを用いた場合
には、バインダ中の染料によって易接着層が染着されや
すいため受像紙に転写した時に本来の色濃度や転写性が
不十分であるなどの問題などを生じる。また、アクリル
樹脂をポリエステルフィルムに積層あるいは塗布したも
のは、上記したポリエステル樹脂の被覆物との密着性で
生じる問題点はクリアされるものの、逆に基材フィルム
との密着性が劣るという欠点がある。
【0009】一方、スティック防止のため、基材フィル
ムの突起を大きくしたり、粗大突起を与えたりする方法
が取られているが、この方法はサーマルヘッドとの接触
面積の減少を招き、印字の際の熱量不足につながり、印
刷特性を低下させる。このような理由から、粗大突起の
無い均一な突起を有し、印刷特性に優れた基材フィルム
が求められている。
【0010】本発明はこれらの欠点を解消せしめるとと
もに、熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bとの積層構成の
二軸配向熱可塑性樹脂フィルムであって、熱可塑性樹脂
Aに特定サイズの粒子を集中させて含有させることによ
り、熱可塑性樹脂A側のフィルム表面特性の改良をはか
った二軸配向熱可塑性樹脂フィルムを採用することによ
り、フィルム表面に効率よく、高密度でかつ高さの均一
な突起を形成できるようになり、粗大突起の無い均一な
突起とすることで、基材フィルムの易滑性が良好である
ばかりでなく、特に感熱転写材用途では転写時の熱伝導
性を高めることで印刷特性が向上するものである。更
に、アクリル樹脂とポリエステル樹脂を主たる構成成分
とする層(C層)を設けることで被覆物との密着性にも
優れた積層フィルムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は 熱可塑性樹脂
Aと粒子とを主成分とするフィルムAを熱可塑性樹脂B
を主成分とするフィルムBの少なくとも片面に積層し、
前記フィルムのAの厚さが0.005〜5μm、該フィ
ルムA中に含有される前記粒子の平均粒径がフィルムA
の厚さの0.1〜10倍、該粒子のフィルムA中の含有
量が0.05〜50重量%である二軸配向熱可塑性樹脂
積層フィルムであって、該積層フィルムの少なくとも片
面にアクリル樹脂とポリエステル樹脂を主たる構成成分
とする層(C層)が形成されてなる積層フィルムをその
骨子とするものである。
【0012】本発明における熱可塑性樹脂Aはポリエス
テル、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリフェニレンス
ルフィドなど特に限定されるものではないが、特にポリ
エステル、中でもエチレンテレフタレート、エチレン−
2,6−ナフタレート、ブチレンテレフタレート、エチ
レン−α、β−ビス(2−クロロフェノキシ)エタン−
4,4’−ジカルボキシレートなどから選ばれた少なく
とも1種の構成成分を主要構成成分とする場合に、フィ
ルム表面に高密度かつ均一高さの突起の形成がより一層
良好となるので好ましい。また、本発明を構成する熱可
塑性樹脂は結晶性である場合に、熱可塑性樹脂Aは層表
面に目標とする突起を形成し易くなるので極めて望まし
い。ここでいう結晶性とはいわゆる非晶質ではないこと
を示すものであり、定量的には結晶化パラメータにおけ
る冷結晶化温度Tccが検出され、かつ結晶化パラメー
タ△Tcgが150℃以下のものである。更に、示差走
査熱量計で測定された融解熱(融解エンタルピ変化)が
7.5cal/g以上の結晶性を示す場合に、熱可塑性
樹脂A層の表面突起形成能に優れるので極めて望まし
い。また、エチレンテレフタレートを主要構成成分とす
るポリエステルの場合に、熱可塑性樹脂A層の表面突起
形成特性がより一層良好となるので特に好ましい。尚、
本発明を阻害しない範囲内で、2種以上の熱可塑性樹脂
を混合しても良いし、共重合ポリマを用いても良いし、
また酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外線吸収剤などの
有機添加剤が通常添加される程度添加されていてもよ
い。
【0013】本発明の熱可塑性樹脂A中の粒子の形状
は、特に限定されないが、フィルム中での粒径比(粒子
の長径/短径)が1.0〜1.3の粒子、特に、球形状
の粒子の場合に、均一高さのフィルム表面突起を形成し
易いので望ましい。
【0014】また、本発明の熱可塑性樹脂A中の粒子は
フィルム中での単一粒子指数が0.7以上、好ましくは
0.9以上である場合に均一高さの突起を高密度で形成
し易いので特に望ましい。
【0015】本発明の熱可塑性樹脂A中の粒子の種類は
特に限定されないが、上記の好ましい粒子特性を満足さ
せるには、アルミナ珪酸塩、1次粒子が凝集した状態の
シリカ、内部析出粒子などは好ましくない。好ましい粒
子として、コロイダルシリカに起因する実質的に球形の
シリカ粒子、架橋高分子による粒子(例えば架橋ポリス
チレン)などがあるが、特に10重量%減量時温度(窒
素中で熱重量分析装置島津TG−30Mを用いて測定。
昇温速度20℃/分)が380℃以上になるまで架橋度
を高くした架橋高分子粒子の場合にフィルム表面突起形
成特性がより一層良好となるので特に望ましい。なお、
コロイダルシリカに起因する球状シリカの場合にはアル
コキシド法で製造された、ナトリウム含有量が少ない、
実質的に球形のシリカが望ましい。しかしながら、その
他の粒子、例えば炭酸カルシウム、二酸化チタン、アル
ミナ等の粒子でもフィルム厚さと平均粒径の適切なコン
トロールにより十分使いこなせるものである。
【0016】本発明の熱可塑性樹脂Aを主成分とするフ
ィルム層の厚さは0.005〜5μm、好ましくは0.
01〜1μm、さらに好ましくは0.03〜0.5μm
であることが必要である。フィルム厚さが上記の範囲よ
り小さいと積層フィルム層としての耐久性が確保できな
くなり、逆に大きいと含有粒子との関係から、適切な高
さの表面突起を高密度に形成するのが困難になる。
【0017】上記熱可塑性樹脂Aのフィルム中に含有さ
れる粒子の大きさは、該粒子を含有する積層フィルム中
での平均粒径が該積層フィルム厚さの0.1〜10倍、
好ましくは0.5〜5倍、さらに好ましくは1.1〜3
倍の範囲とされる。平均粒径/フィルム厚さ比が上記の
範囲より小さいと、形成されるフィルム表面突起のバラ
ツキが大きくなって、また易滑性が低下しフィルムのハ
ンドリング性が低下したりする。逆に大きくても突起高
さの不均一化、後述のフィルム表面の粒子濃度比の低下
を招きやすくなって、印刷特性が不良となるので好まし
くない。
【0018】また、熱可塑性樹脂A中の粒子のフィルム
中での平均粒径(直径)が0.005〜3μm、好まし
くは0.02〜0.45μmの範囲である場合に、印刷
特性がより一層良好となるので望ましい。
【0019】そして、このような粒子が、0.05〜5
0重量%、好ましくは0.075〜10重量%、より好
ましくは0.1〜5重量%熱可塑性樹脂Aのフィルム中
に含有される。これより小さいと、フィルム表面突起形
成密度が低くなりすぎるので易滑性が十分に得られず、
逆に高すぎると、含有粒子の割合が高くなりすぎ、積層
フィルム層自身が脆くなりすぎるので好ましくない。
【0020】さらに、上記粒子により形成される、熱可
塑性樹脂Aの積層フィルム層の表面突起の平均高さは、
好ましくは粒子の平均粒径の1/3.5以上である。こ
のような平均高さの表面突起は、前述の範囲から、積層
フィルム厚さに対し含有粒子の平均粒径を適切に選択、
設定することにより得られる。
【0021】つまり、本発明における熱可塑性樹脂Aの
積層フィルム層には、該フィルム厚さ近傍あるいはそれ
よりも大きな平均粒径の粒子が含有される。換言すれ
ば、極薄積層フィルムに、そのフィルム厚さ近傍あるい
はそれよりも大きな平均粒径の微小粒子が含有される。
したがって、二軸配向熱可塑性樹脂フィルム全体に対
し、その厚さ方向に、実質的に積層フィルム層のみに集
中して粒子を分布させることができる。その結果、積層
フィルム中に置ける粒子密度を容易に高くすることがで
き、該粒子により形成されるフィルム表面の突起の密度
も容易に高めることができる。また、粒子は、上記積層
フィルム中に含有されることで、二軸配向熱可塑性樹脂
フィルム全体に対し、その厚さ方向に位置規制されるこ
とになり、しかも積層フィルムの厚さと平均粒径とは前
述の如き関係にあるから、該粒子により形成される表面
突起の高さは、極めて均一になる。高密度かつ均一高さ
の表面突起形成により、易滑性はもとよりその平滑性に
より印刷特性が大幅に高められる。
【0022】上記熱可塑性樹脂Aと粒子とを主成分とす
るフィルムが、可塑性樹脂Bを主成分とするフィルムに
積層される。
【0023】熱可塑性樹脂Bは、前述の熱可塑性樹脂A
と同様のものからなり、熱可塑性樹脂Bと熱可塑性樹脂
Aとは同じ種類のものでも異なるものでもよい。熱可塑
性樹脂Aのフィルム層は、熱可塑性樹脂Bからなるフィ
ルム層の片面、又は両面に積層される。つまり、積層構
成がA/B、A/B/Aの場合である(ここで、A、B
それぞれの熱可塑性樹脂の種類は同種でも、異種でもよ
い)。
【0024】熱可塑性樹脂Bとしても、結晶性ポリマが
望ましく、特に、結晶化パラメータ△Tcgが20〜1
00℃の範囲の場合に、例えば感熱転写材としての基材
フィルム全体の耐久性がより一層良好となるので望まし
い。具体例として、ポリエステル、ポリアミド、ポリフ
ェニレンスルフィド、ポリオレフィンが挙げられるが、
ポリエステルの場合にフィルム全体としての耐久性がよ
り一層良好となるので特に望ましい。また、ポリエステ
ルとしては、エチレンテレフタレート、エチレン−2,
6−ナフタレート、エチレン−α、β−ビス(2−クロ
ロフェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレート
などから選ばれた少なくとも一種の構成単位を主要構成
成分とするものが、感熱転写材用フィルムとしては好ま
しい。ただし、本発明を阻害しない範囲内、望ましい結
晶性を損なわない範囲内で、好ましくは5モル%以内で
あれば他成分が共重合されていてもよい。
【0025】また、本発明の熱可塑性樹脂Bにも、本発
明の目的を阻害しない範囲内で、他種ポリマをブレンド
してもよいし、また酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫外
線吸収剤などの有機添加剤が通常添加される程度添加さ
れていてもよい。
【0026】熱可塑性樹脂Bを主成分とするフィルム中
には粒子を含有している必要は特にないが、平均粒径が
0.007〜2μm、特に0.02〜0.45μmの粒
子が0.001〜0.2重量%、特に0.005〜0.
15重量%、更には0.005〜0.12重量%含有さ
れていると、例えばフィルムの巻姿が良好となるなどの
点で好ましい。含有する粒子の種類は熱可塑性樹脂Aに
望ましく用いられるものを使用することが望ましい。熱
可塑性樹脂AとBに含有される粒子の種類、大きさは同
じでも異なっていても良い。
【0027】上述の如き粒子を含有する熱可塑性樹脂A
と、熱可塑性樹脂Bとが共押し出しにより積層され、シ
ート状に成型された後、二軸に延伸され、二軸配向熱可
塑性樹脂フィルムとされる。本発明における共押出によ
る積層とは、粒子を含有する熱可塑性樹脂Aと、熱可塑
性樹脂Bとをそれぞれ異なる押出装置で押出し、口金か
ら積層シートを吐出する前にこれらを積層することをい
う。この積層は、シート状に成型、吐出するための口金
内(例えばマニホルド)で行ってもよいが、前述の如く
積層フィルム層が極薄であることから、口金に導入する
前のポリマ管内で行うことが好ましい。特にポリマ管内
の積層部を、矩形に形成しておくと、幅方向に均一に積
層できるので特に好ましい。ポリマ管内矩形積層部で積
層された溶融ポリマは、口金内マニホルドでシート幅方
向に所定幅まで拡幅され、口金からシート状に吐出され
た後、二軸に延伸される。従って、たとえ二軸配向後の
積層フィルムが極薄であっても、ポリマ管内矩形積層部
では、粒子含有熱可塑性ポリマを、かなりの厚さで積層
することになるので、容易にかつ精度よく積層できる。
【0028】また、上記熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂
Bとからなる二軸配向熱可塑性樹脂フィルムにおいて
は、粒子を含む積層フィルム側の表層の粒子による粒子
濃度比が0.1以下であることが好ましい。この表層粒
子濃度比は、後述の測定法に示す如く、フィルム表面突
起を形成する粒子がフィルム表面において如何に熱可塑
性樹脂Aの薄膜で覆われているかを示すものであり、粒
子がフィルム表面に実質的に直接露出している度合いが
高いほど表層粒子濃度比が高く、表面突起は形成するが
熱可塑性樹脂Aの薄膜に覆われている度合いが高いほど
表層粒子濃度比は低い。突起を形成する粒子が熱可塑性
樹脂Aの薄膜で覆われていることにより、粒子が高密度
に極薄積層フィルム層に分布している状態にあっても、
該粒子が該積層フィルム層、ひいては熱可塑性樹脂Bの
ベースフィルム層にしっかりと保持されることになる。
従って表層粒子濃度比を上記値以下とすることにより、
粒子の脱落等が防止されて、フィルム表面の耐久性が高
く維持される。このような表層粒子濃度比は、共押出に
よる積層を行うことによって達成可能となる。
【0029】そして、上記のような熱可塑性樹脂Aのフ
ィルム層と熱可塑性樹脂Bのフィルム層との積層構成の
フィルムに、アクリル樹脂とポリエステル樹脂を主たる
構成成分とする層(C層)が積層されて本発明の積層フ
ィルムが完成する。
【0030】積層構成としては、考え得るいずれの積層
構成でもよいが、積層フィルム上に被覆物を設ける場合
は、少なくとも易接着層(C層)上に被覆物を設けるの
が望ましく、特に感熱転写材として用いる時には、A層
上に直接スティック防止層が、その反対面(少なくとも
C層が設けられている)に昇華型インキ層が設けられた
状態が望ましい。
【0031】上記C層の積層は、二軸配向熱可塑性樹脂
フィルム製造工程における、各工程で可能であるが、C
層が極薄層であることから、C層積層後C層またはフィ
ルム全体として成型固定されるまでに、C層表面にロー
ル等が接触しないようにするのが好ましい。従って、例
えば長手方向延伸、続いて幅方向延伸を行う逐次二軸延
伸における幅方向延伸前あるいは幅方向延伸後、あるい
は同時二軸延伸における延伸前等においてC層を積層す
ることが好ましい。積層は、フィルム連続製造工程中で
コーティングする、いわゆるインラインコーティング等
が工業的には好ましいが、オフラインで専用の別工程に
て行っても良い。
【0032】C層として本発明のアクリル樹脂とポリエ
ステル樹脂を主たる構成成分とする層を積層することに
より、二軸配向熱可塑性樹脂フィルムとの相乗効果によ
り、易接着性に優れ、かつ印刷特性にも優れるものであ
る。
【0033】本発明の易接着層の構成成分であるアクリ
ル樹脂は、従来公知のもので特に限定されない。アクリ
ル樹脂を構成するモノマ成分としては公知の物を使用す
ることができる。例えば、アルキルアクリレート、アル
キルメタクリレート(アルキル基としてはメチル基、エ
チル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、イソブチル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル
基、ラウリル基、ステアリル基、シクロヘキシル基、フ
ェニル基、ベンジル基、フェニルエチル基等)、2−ヒ
ドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、
2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のヒドロキシ
基含有モノマ、アクリルアミド、メタクリルアミド、N
−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミ
ド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメ
タクリルアミド、N,N−ジメチロールアクリルアミ
ド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシ
メチルメタクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド
等のアミド基含有モノマ、N,N−ジエチルアミノエチ
ルアクリレート、N,N−ジエチルアミノエチルメタク
リレート等のアミノ基含有モノマ、グリシジルアクリレ
ート、グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有モ
ノマ、アクリル酸、メタクリル酸及びそれらの塩(リチ
ウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等)等のカルボキシ
ル基またはその塩を含有するモノマなどが挙げられ、こ
れらは1種もしくは2種以上を用いて共重合される。更
に、これらは他種のモノマと併用することができる。
【0034】他種のモノマとしては例えば、アリルグリ
シジルエーテル等のエポキシ基含有モノマ、スチレンス
ルホン酸、ビニルスルホン酸及びそれらの塩(リチウム
塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩等)等
のスルホン酸基またはその塩を含有するモノマ、クロト
ン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸及びそれら
の塩(リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモ
ニウム塩等)等のカルボキシル基またはその塩を含有す
るモノマ、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水
物を含有するモノマ、ビニルイソシアネート、アリルイ
ソシアネート、スチレン、ビニルメチルエーテル、ビニ
ルエチルエーテル、ビニルトリスアルコキシシラン、ア
ルキルマレイン酸モノエステル、アルキルフマール酸モ
ノエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、
アルキルイタコン酸モノエステル、塩化ビニリデン、酢
酸ビニル、塩化ビニル等が挙げられる。
【0035】また、本発明のアクリル樹脂としては、変
性ポリエステル共重合体、例えばアクリル、ウレタン、
エポキシ等で変性したブロック共重合体、グラフト共重
合体等を用いることも可能である。
【0036】本発明のアクリル樹脂の分子量は10万以
上が好ましく、更に好ましくは30万以上とするのが密
着性の点で望ましい。
【0037】本発明において、前記した結晶配向が完了
する前のポリエステルフィルムに塗布し、延伸、熱処理
により結晶配向を完了させる方法によって易接着層を設
ける場合(インラインコーティング)には、高温での熱
処理が可能であることや、均一で薄膜の易接着層が得ら
れるので特に好ましい。上記方法によって易接着層を積
層する場合には、アクリル系樹脂は水に溶解あるいは乳
化、懸濁し得るものが環境汚染や防爆性の点で好まし
く、このようなアクリル系樹脂は親水性基を有するモノ
マ(アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、ビニ
ルスルホン酸およびその塩など)との共重合や反応性乳
化剤や界面活性剤を用いた乳化重合、懸濁重合、ソープ
フリー重合など公知の方法によって作成することができ
る。
【0038】本発明の易接着層の構成成分であるポリエ
ステル樹脂は、従来公知のもので特に限定されない。ポ
リエステル樹脂のジカルボン酸成分としては、テレフタ
ル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,5−ジメチルテレ
フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニ
ルジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、
1,2−ビスフェノキシエタン−p,p’−ジカルボン
酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸等及びそれ
らのエステル形成性誘導体が挙げられる。
【0039】ポリエステル樹脂のグリコール成分として
は、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、
1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ジ
エチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール、トリメチロールプロパン等を挙げることができ
る。
【0040】また、ポリエステル樹脂の水溶性化を容易
にするため、カルボン酸塩基を含む化合物や、スルホン
酸塩基を含む化合物を共重合することが好ましい。
【0041】カルボン酸塩基を含む化合物としては、例
えばトリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリッ
ト酸、無水ピロメリット酸、4−メチルシクロヘキセン
−1,2,3−トリカルボン酸、トリメシン酸、1,
2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4
−ペンタンテトラカルボン酸、3,3´,4,4´−ベ
ンゾフェノンテトラカルボン酸、5,(2,5−ジオキ
ソテトラヒドロフルフリル)−3−メチル−3−シクロ
ヘキセン−1,2−ジカルボン酸、5−(2,5−ジオ
キソテトラヒドロフルフリル)−3−シクロヘキセン−
1,2−ジカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン
酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、
1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、エチレ
ングリコールビストリメリテート、2,2´,3,3´
−ジフェニルテトラカルボン酸、チオフェン−2,3,
4,5−テトラカルボン酸、エチレンテトラカルボン酸
等あるいはこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属
塩、アンモニウム塩が挙げられるが、これに限定される
ものではない。
【0042】スルホン酸塩基を含む化合物としては、例
えばスルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4
−スルホイソフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7
−ジカルボン酸、スルホ−p−キシリレングリコール、
2−スルホ−1,4−ビス(ヒドロキシエトキシ)ベン
ゼン等あるいはこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類
金属塩、アンモニウム塩が挙げられるが、これに限定さ
れるものではない。
【0043】また、ポリエステル樹脂としては、変性ポ
リエステル共重合体、例えばアクリル、ウレタン、エポ
キシ等で変性したブロック共重合体、グラフト共重合体
等を用いることも可能である。
【0044】本発明のポリエステル樹脂は、従来から公
知の製造技術によって製造することができる。例えば、
ジカルボン酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸、
トリメリット酸、グリコール成分としてエチレングリコ
ール、ネオペンチルグリコールからなるポリエステル樹
脂について説明すると、テレフタル酸、イソフタル酸、
トリメリット酸とエチレングリコール、ネオペンチルグ
リコールとを直接エステル化反応させるか、テレフタル
酸、イソフタル酸、トリメリット酸及びエチレングリコ
ール、ネオペンチルグリコールとをエステル交換反応さ
せる第一段階と、この第一段階の反応生成物を重縮合反
応させる第二段階とによって製造する方法等を挙げるこ
とができる。
【0045】この際、反応触媒として、従来公知のアル
カリ金属、アルカリ土類金属、マンガン、コバルト、亜
鉛、アンチモン、ゲルマニウム、チタン化合物等が用い
られる。
【0046】また、本発明のポリエステル樹脂の固有粘
度は特に限定されないが、接着性の点で0.3dl/g
以上、好ましくは0.35dl/g以上、更に好ましく
は0.4dl/g以上が望ましい。
【0047】前記アクリル樹脂とポリエステル樹脂は任
意の比率で混合してもよいが、本発明の効果をより顕著
に発現させるには以下の比率(固形分重量比とする)で
混合するとよい。アクリル樹脂/ポリエステル樹脂が9
0/10〜2/98、好ましくは80/20〜5/9
5、更に好ましくは60/40〜10/90であるのが
望ましい。
【0048】本発明においては、アクリル樹脂とポリエ
ステル樹脂を主たる構成成分とする易接着層を設けるこ
とを特徴とするものであるが、メラミン系架橋剤を添加
することにより密着性が更に向上するので好ましい。
【0049】メラミン系架橋剤としては、従来公知のも
ので特に限定されないが、例えば官能基としてイミノ
基、メチロール基、あるいはメトキシメチル基やブトキ
シメチル基等のアルコキシメチル基を1分子中に有する
もので、イミノ基型メチル化メラミン樹脂、メチロール
基型メラミン樹脂、メチロール基型メチル化メラミン樹
脂、完全アルキル型メチル化メラミン樹脂等が挙げられ
る。その中でもヘキサメチロール化メラミン樹脂が最も
好ましい。更に、メラミン系架橋剤の熱硬化を促進する
ため、例えばp−トルエンスルホン酸等の酸性触媒を用
いることが好ましい。
【0050】メラミン系架橋剤の添加量としては、前記
アクリル樹脂とポリエステル樹脂100重量部に対し、
メラミン系架橋剤を1〜50重量部、好ましくは2〜4
0重量部、更に好ましくは5〜20重量部であるのが望
ましい。
【0051】本発明の易接着層は前記アクリル樹脂とポ
リエステル樹脂の2種の構成成分を主成分とした塗剤を
塗布し、乾燥、硬化させたものであり、主成分とは上記
2種が易接着層中において50重量%以上、好ましくは
80重量%以上、更に好ましくは90重量%以上を占め
ることをいう。
【0052】また、易接着層中には本発明の効果を阻害
しない範囲内で公知の添加剤、例えば酸化防止剤、耐熱
安定剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、有機の易滑剤、顔
料、染料、有機または無機の微粒子、充填剤、帯電防止
剤、核剤、メチロール化あるいはアルキロール化された
尿素系、エポキシ系、ブロック化イソシアネート化合
物、オキサゾリン化合物など各種架橋剤などを配合して
も良い。
【0053】塗膜の厚みは特に限定しないが、通常は
0.03〜5μm、好ましくは0.05〜2μm、更に
好ましくは0.07μm〜0.5μmの範囲が好まし
い。特に薄すぎると密着性不良となる場合がある。
【0054】基材フィルム上への塗布の方法は公知の塗
布方法、例えばリバースコート法、グラビアコート法、
ロッドコート法、ダイコート法等を用いることができ
る。
【0055】次に本発明フィルムの製造方法について説
明する。
【0056】まず、熱可塑性樹脂Aに粒子を含有せしめ
る方法としては、重合後、重合中、重合前のいずれでも
良いが、ポリマにベント方式の二軸押出機を用いて練り
込む方法が、本発明範囲の表面形態のフィルムを得るの
に有効である。また、粒子の含有量を調節する方法とし
ては、上記方法で高濃度マスタを作っておき、それを製
膜時に粒子を実質的に含有しない熱可塑性樹脂で希釈し
て粒子の含有量を調節する方法が、本発明範囲の表面形
態のフィルムを得るのに有効である。さらにこの粒子高
濃度マスタポリマの溶融粘度、共重合成分などを調節し
て、その結晶化パラメータ△Tcgを30〜80℃の範
囲にしておく方法は延伸破れが少なく、本発明範囲の表
面形態のフィルムを得るのに有効である。
【0057】かくして、粒子を含有するペレットAを十
分乾燥した後、公知の溶融押出機に供給し、スリット状
のダイからシート状に押出し、キャスティングロール上
で冷却固化せしめて未延伸フィルムを作る。すなわち、
2または3台の押出機、2または3層用の合流ブロック
あるいは口金を用いて、これらの熱可塑性樹脂を積層す
る。合流ブロック方式を用いる場合は積層部分を前述の
如く矩形のものとし、両者の熱可塑性樹脂の粘度の差
(絶対値)を0〜2000ポイズ、好ましくは0〜10
00ポイズの範囲にしておくことが本発明範囲の表面形
態のフィルムを安定して、幅方向の斑なく、工業的に製
造するのに有効である。
【0058】次にこの多層の未延伸フィルムを二軸延伸
し、二軸配向せしめる。二軸延伸の方法は同時二軸延
伸、逐次二軸延伸法のいずれでもよいが、長手方向、幅
方向の順に延伸する逐次二軸延伸法の場合に本発明範囲
の表面形態のフィルムを安定して、幅方向の斑なく、工
業的に製造するのに有効である。逐次二軸延伸の場合、
長手方向の延伸を、3段階、特に4段階以上に分けて、
40〜150℃の範囲で、かつ、1000〜5000%
/分の延伸速度で、3〜6倍行う方法は本発明範囲の表
面形態を有するフィルムを得るのに有効である。幅方向
の延伸温度、速度は80〜170℃、1000〜200
00%/分の範囲が好適である。延伸倍率は3〜10倍
が好適である。また、必要に応じてさらに長手方向、幅
方向の少なくとも一方向に延伸することもできる。また
必要に応じて粒子を含有する極めて薄い層を設けてか
ら、面積延伸倍率(長手方向倍率×幅方向倍率)として
9倍以上の延伸を行う方法を用いることもできる。次に
この延伸フィルムを熱処理する。この場合の熱処理条件
としては、幅方向に弛緩、微延伸、定長下のいずれかの
状態で、140〜280℃、好ましくは160〜260
℃の範囲で0.5〜60秒間が好適であるが、熱処理に
マイクロ波加熱を併用すると、本発明の表面形態を有す
るフィルムが得られ易くなるので望ましい。
【0059】本発明におけるC層の積層時期は、フィル
ムの製造工程中に塗布し、基材と共に延伸する方法が最
も好ましい。例えば、溶融押し出しされた結晶配向前の
フィルムを長手方向に2.5〜5倍程度延伸し、連続的
に塗布する面にコロナ放電処理を施し、その処理面に塗
布液を塗布する。塗布されたフィルムは段階的に加熱さ
れたゾーンを通過しつつ乾燥され、幅方向に2.5〜5
倍程度延伸される。さらに連続的に150〜250℃の
加熱ゾーンに導かれ結晶配向を完了させる方法によって
得られる。この熱処理工程中で必要に応じて幅方向ある
いは長手方向に3〜12%の弛緩熱処理を施してもよ
い。この場合に用いる塗布液は環境汚染や防爆性の点で
水系が好ましい。
【0060】かくして得られた積層フィルムは、用途に
応じた塗剤を塗布することにより、各種用途、例えば磁
気記録材料、昇華型インキ用、セロファン用インク、オ
フセット用インク、紫外線硬化インキなどの各種インク
印刷用、電子写真トナー易接着用、ケミカルマット塗料
易接着用、ジアゾ塗料易接着用、蒸着用などの無機質被
覆用などの基材フィルムとして好適に使用されるもので
ある。
【0061】特にフィルム表面に効率良く、高密度でか
つ高さの均一な突起を形成できるようになり、粗大突起
の無い均一な突起とすることにより基材フィルムの易滑
性が良好であるばかりでなく、感熱転写材用途では転写
時の熱伝導性を高めることによって印刷特性が向上す
る。さらに、アクリル樹脂とポリエステル樹脂を主たる
構成成分とする層を設けることによって昇華型インキと
の密着性にも優れ、昇華型感熱転写材として特に好適に
使用される。
【0062】
【特性値の測定方法および評価方法】本発明における特
性の測定方法および効果の評価方法は次の通りである。
【0063】(1)粒子の平均粒径、粒子数 フィルムからポリマをプラズマ低温灰化処理法で除去
し、粒子を露出させる。処理条件はポリマは灰化される
が粒子は極力ダメージを受けない条件を選択する。その
粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、粒子の画
像をイメージアナライザで処理する。SEMの倍率はお
よそ2000〜10000倍、また1回の測定で視野は
1辺がおよそ10〜50μmから適宜選択する。観察箇
所を変えて粒子数5000個以上で、粒径とその体積分
率から次式で体積平均径dを得る。 d=Σdi ・Nvi ここで、di は粒径、Nvi はその体積分率である。
【0064】粒子数は、積層厚みと平均粒径の関係を満
たすものについて、体積分率から求め、mm2 当りに換
算する。
【0065】粒子が有機粒子などで、プラズマ低温灰化
処理法で大幅にダメージを受ける場合には、以下の方法
を用いてもよい。
【0066】フィルム断面を透過型電子顕微鏡(TE
M)を用い、3000〜100000倍で観察する。T
EMの切片厚さは約1000オングストロームとし、場
所を変えて500視野以上測定し、上記の式から体積平
均径dを求める。
【0067】(2)粒子の含有量 熱可塑性樹脂は溶解し粒子は溶解させない溶媒を選択
し、粒子を熱可塑性樹脂から遠心分離し、粒子の全体重
量に対する比率(重量%)をもって粒子含有量とする。
場合によっては赤外分光法の併用も有用である。
【0068】(3)ガラス転移点Tg、冷結晶化温度T
cc、結晶化パラメータ△Tcg、及び融点 パーキンエルマ社製のDSC(示差走査熱量計)II型を
用いて測定した。DSCの測定条件は次の通りである。
即ち、試料10mgをDSC装置にセツトし、300℃
の温度で5分間溶融した後、液体窒素中で急冷する。こ
の急冷試料を10℃/分で昇温し、ガラス転移点Tgを
検知する。更に昇温を続け、ガラス状態からの結晶化発
熱ピーク温度をもって冷結晶化温度Tccとした。さら
に昇温を続け融解ピーク温度を融点とした。また、Tc
cとTgの差(Tcc−Tg)を結晶化パラメータ△T
cgと定義する。
【0069】(4)表面突起の平均高さ 2検出器方式の走査型電子顕微鏡[ESM−3200、
エリオニクス(株)製]と断面測定装置[PMS−1、
エリオニクス(株)製]においてフィルム表面の平坦面
の高さを0として走査した時の突起の高さ測定値を画像
処理装置[IBAS2000、カールツァイス 製]に
送り、画像処理装置上にフィルム表面突起画像を再構築
する。次に、この表面突起画像で突起部分を2値化して
得られた個々の突起の面積から円相当径を求め、これを
その突起の平均径とする。また、この2値化された個々
の突起部分の中で最も高い値をその突起の高さとし、こ
れを個々の突起について求める。この測定を場所を変え
て500回繰り返し、突起個数を求め、測定された全突
起についてその高さの平均値を平均高さとした。また、
走査型電子顕微鏡の倍率は、1000〜8000倍の間
の値を選択する。なお、場合によっては、高精度光干渉
式3次元表面解析装置(WYKO社製TOPO−3D、
対物レンズ:40〜200倍、高解像カメラ使用が有
効)を用いて得られる高さ情報を上記SEMの値に読み
替えて用いてもよい。
【0070】(5)表層粒子濃度比 2次イオンマススペクトル(SIMS)を用いて、フィ
ルム中の粒子に起因する元素の内の最も高濃度の元素と
熱可塑性樹脂の炭素元素の濃度比を粒子濃度とし、厚さ
方向の分析を行う。SIMSによって測定される最表層
粒子濃度(深さ0の点)における粒子濃度Aとさらに深
さ方向の分析を続けて得られる最高濃度Bの比、A/B
を表層粒子濃度比と定義した。測定装置、条件は下記の
通りである。
【0071】測定装置 2次イオン質量分析装置(SIMS) 西独、ATOMIKA社製 A−DIDA3000 測定条件 1次イオン種 : O2 + 1次イオン加速電圧 : 12kV 1次イオン電流 : 200nA ラスタ領域 : 400μm□ 分析領域 : ゲート30% 測定真空度: 6.0×109 Torr E−GUN: 0.5kV−3.0A (6)単一粒子指数 フィルムの断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で写真観
察し、粒子を検知する。観察倍率を100000倍程度
にすれば、それ以上分けることができない1個の粒子が
観察できる。粒子の占める全面積をA、その内2個以上
の粒子が凝集している凝集体の占める面積をBとした
時、(A−B)/Aをもって、単一粒子とする。TEM
条件は下記の通りであり1視野面積:2μm2 の測定を
場所を変えて、500視野測定する。
【0072】・装置:日本電子製JEM−1200EX ・観察倍率:100000倍 ・切片厚さ:約1000オングストローム (7)粒径比 上記(1)の測定において個々の粒子の長径の平均値/
短径の平均値の比である。即ち、下式で求められる。
【0073】長径=ΣD1i/N 短径=ΣD2i/N D1i、D2iはそれぞれ個々の粒子の長径(最大
径)、短径(最短径)、Nは総個数である。
【0074】(8)積層されたフィルム中の熱可塑性樹
脂A層の厚さ 2次イオン質量分析装置(SIMS)を用いて、表層か
ら深さ3000nmの範囲のフィルム中の粒子の内、最
も高濃度の粒子に起因する元素とポリエステルの炭素元
素濃度比(M+ /C+ )を粒子濃度とし、表面から深さ
3000nmまで厚さ方向の分析を行う。表層では表面
という界面のために粒子濃度は低く表面から遠ざかるに
つれて粒子濃度は高くなる。本発明フィルムの場合は、
一旦極大値となった粒子濃度がまた減少し始める。この
濃度分布曲線をもとに表層粒子濃度が極大値の1/2に
なる深さ(この深さは極大値となる深さよりも深い)を
求め、これを積層厚さとした。条件は(5)と同様であ
る。
【0075】尚、表層から深さ3000nmの範囲に最
も多く含有する粒子が有機高分子粒子の場合はSIMS
では測定が難しいので、表面からエッチングしながらX
PS(X線光電子分光法)、IR(赤外分光法)などで
上記同様デプスプロファイルを測定し積層厚さを求めて
もよいし、また電子顕微鏡などによる断面観察で粒子濃
度の変化状態やポリマの違いによるコントラストの差か
ら界面を認識し積層厚さを求めることもできる。更には
積層ポリマを剥離後、薄膜段差測定機を用いて積層厚さ
を求めることができる。
【0076】(9)共重合ポリエステルの極限粘度:
[η] o−クロロフェノール溶媒を用い、25℃で測定した。
【0077】(10)昇華型インキ密着性 以下の昇華型インキを乾燥後の厚みが約5μmとなるよ
うにバーコータを用いて塗布する。塗布後120℃で2
分間乾燥し、25℃、相対湿度60%下で24時間放置
後、昇華型インキ層上にスコッチ・メンディングテープ
(住友3M(株)製)を貼付け、手で強く圧着した後、
180℃方向に剥離する。この時の基材フィルム側に残
存した昇華型インキの状態により以下の5段階評価をし
た。(◎)、(○)を密着性良好とする。
【0078】 ◎ :剥離面のインキが100%残存しているもの ○ : 〃 80%以上残存しているもの △ : 〃 50%以上残存しているもの × : 〃 50%未満残存しているもの ××:全く無抵抗に剥離するもの 「昇華型インキ組成」 ・分散染料KST−B−136(日本火薬(株)製) 4重量% ・エチルヒドロキシエチルセルロース 6重量% ・メチルエチルケトン 45重量% ・トルエン 45重量% (11)感熱転写材の印刷特性 前記(10)で、スティック防止層を設けて作成した昇
華型感熱転写材の印刷特性を、シャープカラービデオプ
リンタGZ−P11W(シャープ(株)製)を用いて印
刷状態を目視で行い、以下の基準で評価した。
【0079】 ◎:印刷状態が極めて良好 ○:印刷特性良好 △:やや不良 ×:著しく不良 (12)塗布層の厚み 日立製作所(株)製透過型電子顕微鏡HU−12型を用
い、積層フィルムの超薄膜面切片を観察し、厚みを求め
た。
【0080】
【実施例】次に実施例に基づいて本発明を説明するが、
必ずしもこれに限定されるものではない。
【0081】実施例1〜11、比較例1〜7 平均粒径の異なる架橋ポリスチレン粒子、コロイダルシ
リカに起因する球状シリカ粒子を含有するエチレングリ
コールスラリを調製し、このエチレングリコールスラリ
を190℃で1.5時間熱処理した後、テレフタル酸ジ
メチルとエステル交換反応後、重縮合し、該粒子を0.
01〜55重量%含有するポリエチレンテレフタレート
(以下PETと略称する)のペレットを作った。このペ
レットを用いて熱可塑性樹脂Aを調製し、また、常法に
よって、0.03μm径の球状シリカ粒子を0.3重量
%含有するPETを製造し、熱可塑性樹脂Bとした。こ
れらのポリマをそれぞれ180℃で3時間減圧乾燥(3
Torr)した。熱可塑性樹脂Aを押出機1に供給し2
85℃で溶融し、さらに、熱可塑性樹脂Bを押出機2に
供給、280℃で溶融し、これらのポリマを矩形積層部
を備えた合流ブロックで合流積層し、静電印加キャスト
法を用いて表面温度30℃のキャスティング・ドラムに
巻き付けて冷却固化し、2層又は両面に熱可塑性樹脂A
層を有する3層構造の未延伸フィルムを作った。この
時、それぞれの押出機の吐出量を調節し総厚さ、熱可塑
性樹脂A層の厚さを調節した。この未延伸フィルムを温
度90℃にて長手方向に3.5倍延伸した。この延伸は
2組ずつのロールの周速差で、4段階で行った。この一
軸延伸フィルムにインラインコーティングし、そのコー
ティング一軸延伸フィルムをステンタを用いて延伸速度
2000%/分で100℃で幅方向に4.0倍延伸、長
手方向に2kg/mの張力下で、220℃にて5秒間熱
処理し、総厚さ7μm、熱可塑性樹脂A層厚さ0.05
〜6μmの二軸配向積層フィルムを得た。これらのフィ
ルムのパラメータ及び積層構成は表1及び表2に示した
通りである。
【0082】本発明の積層フィルムに積層するC層とし
ては、アクリル樹脂とポリエステル樹脂を主たる構成成
分とするものであれば特に限定されるものではないが、
水系の塗剤が好ましい。C層を構成する塗剤組成は、表
1及び表2にしめした通りである。但し、アクリル樹脂
として、メチルメタクリレート/エチルアクリレート/
アクリル酸/N−メチロールアクリルアミドを72/2
5/2/1(重量比)で共重合させた水系アクリル樹脂
塗剤。ポリエステル樹脂としてテレフタル酸/イソフタ
ル酸/5−ナトリウムスルホイソフタル酸/エチレング
リコール/1,4−ブタンジオールを30/15/5/
25/25(重量比)で縮合重合させた水系ポリエステ
ル樹脂塗剤を用いた。
【0083】結果を表1及び表2に示す。
【0084】実施例12 基材フィルムとして、ポリエチレンテレフタレートの代
わりに、ポリエチレン−2,6−ナフタレートを用いた
以外は、実施例1と同様にしてC層を積層した本発明の
積層フィルムを得た。結果を表1に示す。
【0085】
【表1】
【表2】
【0086】
【発明の効果】熱可塑性樹脂Aと粒子とを主成分とする
フィルムAを、熱可塑性樹脂Bを主成分とするフィルム
Bの少なくとも片面に積層し、前記フィルムAの厚さが
0.005〜5μm、該フィルムA中に含有される前記
粒子の平均粒径が積層厚さの0.1〜10倍、該粒子の
フィルムA中の含有量が0.1〜50重量%である二軸
配向熱可塑性樹脂フィルムであって、該積層フィルムの
少なくとも片面にアクリル樹脂とポリエステル樹脂を主
たる構成成分とする層(C層)が積層されてなる積層フ
ィルムであって、易接着性、印刷特性に優れ、磁気記録
材料、工業材料、包装材料などに好ましく用いられる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/20 Z 9349−4F 27/36 9349−4F B44C 1/17 B 7361−3K // B41M 5/38 B29K 67:00 105:16 B29L 9:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂Aと粒子とを主成分とする
    フィルムAを、熱可塑性樹脂Bを主成分とするフィルム
    Bの少なくとも片面に積層し、前記フィルムAの厚さが
    0.005〜5μm、該フィルムA中に含有される前記
    粒子の平均粒径がフィルムAの厚さの0.1〜10倍、
    該粒子のフィルムA中の含有量が0.05〜50重量%
    である二軸配向熱可塑性樹脂積層フィルムであって、該
    積層フィルムの少なくとも片面にアクリル樹脂とポリエ
    ステル樹脂を主たる構成成分とする層(C層)が形成さ
    れてなる積層フィルム。
  2. 【請求項2】 前記二軸配向熱可塑性樹脂積層フィルム
    が、ポリエチレンテレフタレートフィルム又はポリエチ
    レン−2,6−ナフタレートフィルムからなることを特
    徴とする請求項1記載の積層フィルム。
  3. 【請求項3】 感熱転写材用に用いられてなることを特
    徴とする請求項1または2に記載の積層フィルム。
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