JPH10287657A - 放射線増感剤の製造方法 - Google Patents

放射線増感剤の製造方法

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JPH10287657A
JPH10287657A JP10518997A JP10518997A JPH10287657A JP H10287657 A JPH10287657 A JP H10287657A JP 10518997 A JP10518997 A JP 10518997A JP 10518997 A JP10518997 A JP 10518997A JP H10287657 A JPH10287657 A JP H10287657A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】放射線増感剤を高純度に効率良く製造する方法
を提供することを課題とする。 【解決手段】次の反応式に従い、化合物(3)に化合物
(4)を作用させて化合物(1)を製造中間体とするこ
とにより放射線増感剤として有用な化合物(5)を高純
度に効率良く製造するに至った。 【化1】 〔式(1)中、R1〜R4は各々独立に水素原子、炭素数
1〜3のアルキル基を3個有するシリル基、置換基を有
していても良いフェニルカルボニル基又は2−ニトロイ
ミダゾリルメチル基を示し、且つ、置換基を有していて
も良いフェニルカルボニル基を1〜2個、2−ニトロイ
ミダゾリルメチル基を少なくとも1個有する。式(3)
中、R6は置換基を有していても良いフェニルカルボニ
ル基を示す。式(4)中、R7は炭素数1〜3のアルキ
ル基を3個有するシリル基を示す。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は放射線増感剤として
有用なニトロイミダゾール誘導体の製造法及び製造中間
体に関する。
【0002】
【従来の技術】癌の治療において、低酸素性細胞の存在
は放射線や化学療法剤に極めて強い抵抗性を有してお
り、癌再発の原因であるとも言われ、治療の大きな障害
となっている。この低酸素性細胞の有力な処置法とし
て、2−ニトロイミダゾール誘導体を用いた放射線増感
治療が開発され、有望な放射線増感剤としてミソニダゾ
ールが開発されたが臨床試験においてその神経毒性の為
に開発中止となった。その後、ミソニダゾールの神経毒
性を低減した化合物が種々開発されている。
【0003】これらのうち次の式(5)で表される2−
ニトロイミダゾール誘導体は、腫瘍内にある低酸素性細
胞の放射線感受性を高める作用、すなわち優れた放射線
増感作用を有し、且つ代謝速度が速く安全性が高いた
め、有望な低酸素性細胞増感剤として注射剤形での臨床
試験が行われている。
【0004】
【化6】
【0005】この2−ニトロイミダゾール誘導体(5)
の製法としては以下の反応式(1)に示す方法が知られ
ている。
【0006】
【化7】
【0007】この方法は、原料化合物であるエリトリト
ールの4個の水酸基のうち、1級水酸基2個、2級水酸
基1個の計3個の水酸基を選択的にアシル化する工程を
経ており、1級水酸基と2級水酸基の反応性に差異を出
すためには、低温での反応が必要であるが、原料化合物
の溶解性が悪く、大量の溶媒を必要とする点で生産コス
ト及びその処理作業に問題があった。また、この工程の
生成物は、テトラアシル化物、トリアシル化物、ジアシ
ル化物、モノアシル化物及び未反応物の混合物として得
られ、目的とするトリアシル化物だけを得るにはカラム
クロマトグラフィー等による精製が必要であり、それに
起因して収率が低下してしまい、工業的な製造法として
は適当とは言えなかった。
【0008】この問題を解決する手段として反応式
(2)に示す方法が開発された。
【0009】
【化8】
【0010】しかし反応式(2)に示される方法は出発
物質である(11)や、中間体である(13)は油状物
質であり、減圧蒸留やカラムクロマトグラフィーによる
精製を必要とする為、これが収率低下と作業効率低下を
招いていた。また、この方法では(11)から(13)
を誘導する反応において化合物(13)と吸着特性が近
似しており、カラムクロマトグラフィーによる除去が困
難な2−ニトロイミダゾールが2個縮合した化合物(1
4)を生成する。このものは結晶性が悪く、精製が困難
である。さらに、この製造段階で取り除けなかった化合
物(14)は次の製造工程で脱アシル化されると化合物
(15)を生じ、このものは水溶性に乏しい為、製造過
程で除去しないと剤形化した場合に不溶物となり不都合
を生じてしまう危険性があった。この化合物は化合物
(5)とは親和性が高いため再結晶では取り除き難く、
製造工程でカラムクロマトグラフィーを繰り返し精製し
なければならないという製造工程の煩雑さと生産コスト
の面での欠点を有していた。
【0011】
【化9】
【0012】
【化10】
【0013】すなわち、純度が高い化合物(5)を効率
良く生産しうる製造方法が求められていた。
【0014】一方、一般式(1)で表される化合物は何
れも文献未記載の新規化合物である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこの様な状況
下で為されたものであり、純度の高い化合物(5)を効
率良く生産する手段を提供することを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】この様な状況に鑑みて、
鋭意検討を重ねた結果、以下に示される製造方法によれ
ば工業的に有利に高純度の2−ニトロイミダゾール誘導
体(5)を製造できることを見出し本発明を完成するに
至った。すなわち、本発明は、次の式(3)で表される
化合物と式(4)で表される化合物とを触媒存在下縮合
し、式(1)で表される化合物を製造中間体とする事を
特徴とする、前述した式(5)で表される化合物を得る
製造方法を提供するものである。
【0017】更に本発明はこの製造過程において重要な
中間体である式(1)に表される化合物を提供するもの
である。
【0018】
【化11】 〔式中、R6は置換基を有していても良いフェニルカル
ボニル基である〕
【0019】
【化12】 〔式中、R7は炭素数1〜3のアルキル基を3個有する
シリル基である〕
【0020】
【化13】 〔式中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に水素原
子、炭素数1〜3のアルキル基を3個有するシリル基、
置換基を有していても良いフェニルカルボニル基又は2
−ニトロイミダゾリルメチル基を示し、且つ、置換基を
有していても良いフェニルカルボニル基を1〜2個、2
−ニトロイミダゾリルメチル基を少なくとも1個有する
ものとする〕
【0021】以下、発明の実施の形態を中心に本発明に
ついて詳細に説明する。
【0022】
【発明の実施の形態】
1.本発明の製造方法 本発明の製造方法は、化合物(3)と化合物(4)とを
触媒存在下縮合し、得られた化合物(1)を製造中間体
とすることを特徴とする、化合物(5)の製造方法であ
る。
【0023】ここで化合物(3)は既知化合物であり、
その製造法は既に知られている。本発明において化合物
(3)の式中のR6は置換基を有していても良いフェニ
ルカルボニル基を示す。この様なフェニルカルボニル基
としてはベンゾイル基、p−クロロベンゾイル基、m−
ブロモベンゾイル基、p−メチルベンゾイル基、o−メ
トキシベンゾイル基、p−tert−ブチルベンゾイル
基等が挙げられ、このうちベンゾイル基が特に好まし
い。理由としてはR6がベンゾイル基である化合物
(3)は製造法が特に簡便であり、この化合物及びこの
化合物から導かれる化合物(1)は特に結晶性が良いこ
となどが挙げられる。
【0024】化合物(3)は、例えば、メゾエリスリト
ールに相当するフェニルカルボニル化剤を作用させ、
1、4位をアシル化し、次いで未反応の2個の水酸基を
ジメトキシメタンなどを用い、通常知られている方法で
縮合させてジオキソラン環を構築することにより製造す
ることができる。ここでフェニルカルボニル化剤として
は、例えばベンゾイルクロライド等が挙げられる。
【0025】化合物(3)は何れも結晶性が良く、再結
晶で精製する事が可能であり、この製造段階で反応物を
高純度に作業性、生産効率良く精製できる。
【0026】式(4)に表される化合物は2−ニトロイ
ミダゾールと例えばN,O−ビス(トリメチルシリル)
アセトアミドやヘキサメチルジシラザン等のシリル化剤
を通常の方法に従って作用させて製造することができ
る。式中、R7は炭素数1〜3のアルキル基を3個有す
るシリル基を示し、何れの炭素数をとることも可能であ
るが、このうちトリメチルシリル基が好ましい。これは
相当するシリル化剤が安価で且つ安定である為である。
得られた式(4)に表される化合物は単離・精製するこ
となく、イン・シチュで式(3)に表される化合物と反
応させることができるが、単離・精製してもかまわな
い。
【0027】式(3)に表される化合物と式(4)に表
される化合物を反応させるときに用いる触媒としては酸
触媒が好ましく、ルイス酸が特に好ましい。ルイス酸と
しては例えば3フッ化ホウ素、3フッ化ホウ素エーテラ
ート、無水塩化亜鉛、無水塩化アルミニウム、無水塩化
スズ、無水塩化鉄、無水塩化チタン、トリメチルシリル
トリフレート、シルバートリフレート等が挙げられ、3
フッ化ホウ素エーテラートが好ましい。添加する触媒量
は触媒量から2倍等量程度が好ましい。
【0028】式(3)に表される化合物と式(4)に表
される化合物の使用割合は任意に定めることができる
が、通常は後者に対し前者を等モルないし小過剰用いる
のがよい。反応溶媒としては種々のものが使用できる
が、例えばアセトニトリル、塩化メチレン、ベンゼン、
トルエン等が使用される。反応は−30〜50℃で行い
得るが、通常は氷冷下ないし室温で行うのが好ましい。
反応時間は反応試薬、温度、反応溶媒、触媒等によって
異なり、反応が平衡に達するまで行うのが好ましく、通
常は30分〜6時間が好ましい。
【0029】式(3)に表される化合物と式(4)に表
される化合物を上述した方法で作用させると次の式
(1)で表される化合物が得られる。化合物(1)は一
般的な方法、例えば溶媒抽出等により単離する事ができ
る。
【0030】
【化14】 〔式中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に炭素数
1〜3のアルキル基を3個有するシリル基、置換基を有
していても良いフェニルカルボニル基又は2−ニトロイ
ミダゾリルメチル基を示し、且つ、置換基を有していて
も良いフェニルカルボニル基を1〜2個、2−ニトロイ
ミダゾリルメチル基を少なくとも1個有するものとす
る〕
【0031】得られた化合物(1)のうち、2−ニトロ
イミダゾリルメチル基を1個有するものが主生成物であ
る。このものを製造中間体として次いで脱シリル化、脱
アシル化すれば化合物(5)が得られる。
【0032】得られた化合物(1)のうち、2−ニトロ
イミダゾリルメチル基を2個以上有するものは副生成物
である。この副生成物は純度の指標として用いることが
できる。また、この副生成物に起因する物質も以後の反
応の生成物、及び最終品である化合物(5)の純度の指
標に用いることができる。従って、この副生成物は重要
な化合物である。
【0033】得られた化合物(1)は何れも結晶性が良
く、再結晶で容易に精製する事が可能である。この為、
化合物(3)と化合物(4)を縮合した段階及び/又は
縮合物を脱シリル化した段階で再結晶で精製し、化合物
(5)を製造する事を本発明は特徴とする。精製はどち
らか一方でも両方でも良いが両段階で行うのが好まし
い。この様に精製することにより高純度の化合物(5)
が容易に得られる。
【0034】ここで脱シリル化や脱アシル化は通常の方
法に従って行えばよい。例えば、脱シリル化はアルコー
ル中で酸を作用すれば良く、脱アシル化はアルコール中
で塩基と作用させればよい。
【0035】脱アシル化の終了後、式(5)に表される
化合物は常法によって反応液から分離精製される。例え
ば反応液を濃縮後、残留物に溶媒を加えて結晶を析出さ
せれば高純度の化合物(5)が得られる。
【0036】2.本発明の化合物 本発明の化合物は、次の式(1)で表される。
【0037】
【化15】 〔式中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に水素原
子、炭素数1〜3のアルキル基を3個有するシリル基、
置換基を有していても良いフェニルカルボニル基又は2
−ニトロイミダゾリルメチル基を示し、且つ、置換基を
有していても良いフェニルカルボニル基を1〜2個、2
−ニトロイミダゾリルメチル基を少なくとも1個有する
ものとする〕
【0038】ここで炭素数1〜3のアルキル基を3個有
するシリル基としては例えばトリメチルシリル基、トリ
エチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリイソプロ
ピルシリル基等が挙げられ、なかでもトリメチルシリル
基が好ましい。また、置換基を有していても良いフェニ
ルカルボニル基としては例えばベンゾイル基、p−クロ
ロベンゾイル基、m−ブロモベンゾイル基、p−メチル
ベンゾイル基、o−メトキシベンゾイル基、p−ter
t−ブチルベンゾイル基等が挙げられ、なかでもベンゾ
イル基が好ましい。
【0039】化合物(1)を具体的に例示すれば、例え
ば、2−トリメチルシリルオキシ−3−(2−ニトロ−
イミダゾール−1−イル−メチルオキシ)−1,4−ブ
タンジオール−1,4−ジベンゾエート、3−(2−ニ
トロ−イミダゾール−1−イル−メチルオキシ)−1,
2,4−ブタントリオール−1,4−ジベンゾエート、
2,3−ビス(2−ニトロイミダゾール−1−イル−メ
チルオキシ)−1,4−ブタンジオール−1,4−ジベ
ンゾエート等が挙げられる。
【0040】本発明化合物のうち2−ニトロイミダゾリ
ルメチル基を1個有するものは、高純度の化合物(5)
を製造する重要な中間体である。
【0041】また、本発明化合物のうち2−ニトロイミ
ダゾリルメチル基を2個以上有するものは2−ニトロイ
ミダゾリルメチル基を1個有するものの純度の指標とし
て用いることができる。さらには、2−ニトロイミダゾ
リルメチル基を2個以上有する物質は、最終品である化
合物(5)の純度の指標として用いることができる。こ
れは前述の如くこれらの脱保護体の量が最終製剤の品質
に大きく関わるためである。
【0042】
【実施例】
【0043】
【実施例1】 2−トリメチルシリルオキシ−3−(2−ニトロ−イミ
ダゾール−1−イル−メチルオキシ)−1,4−ブタン
ジオール−1,4−ジベンゾエートの製造:メゾエリス
リトール75.0gをピリジン700mlに分散し、攪
拌しながら塩化ベンゾイル172.8gを氷冷下徐々に
滴下した。2昼夜反応させた後溶媒を減圧留去した。酢
酸エチルで抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、次
いで水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を減圧留
去し、結晶化させ、1,2,3,4−ブタントリオール
−1,4−ジベンゾエートを108.09g(収率5
3.2%)得た。このもの23.71g、ジメトキシエ
タン30mlの懸濁溶液に室温下5酸化燐を少量ずつ添
加した。5酸化燐の添加とともに原料は溶解した。薄層
クロマトグラフィーで原料が消失するまで5酸化燐の添
加を続けた。次いで酢酸エチルを加えて抽出し、このも
のを水で数回洗浄し、さらに飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液を加え中和水洗した。有機層を硫酸ナトリウムで乾
燥後、エバポレーターで溶媒を減圧濃縮した。残渣にエ
タノールを加えて結晶化させ、2,3−ジメトキシメト
キシ−1,4−ブタンジオール−1,4−ジベンゾエー
トを26.88g(収率89.5%)得た。このもの2
6.49gをベンゼン100mlに溶解し3フッ化ホウ
素エーテラート約20mlを1度に加え室温下攪拌し
た。反応終了後酢酸エチルで抽出し、飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液、次いで水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾
燥後溶媒を減圧留去した。残渣にエタノール100ml
を加え結晶化させ4,5−ジベンゾイルオキシメチル−
1,3−ジオキソランを22.06g(収率92.4
%)得た。
【0044】m.p. 74〜75℃ 1H−NMR(CDCl3,ppm)4.65〜4.43
(m,4H,[−CH2O−CO−C6H5]×2),
5.29及び4.96(s,2H,−OCH2O−),
7.49〜7.40(dt,2H,[m−H−C6H4−
CO−]×2),7.59〜7.57(t,2H,[p
−H−C6H4−CO−]×2),8.06〜8.04
(d,2H,[o−H−C6H4−CO−]×2)
【0045】一方、2−ニトロイミダゾール11.3g
にN,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド20
mlを加え数分間攪拌し、さらにN,O−ビス(トリメ
チルシリル)アセトアミド10mlを加え数分間攪拌し
た。過剰のN,O−ビス(トリメチルシリル)アセトア
ミドを減圧留去した。4,5−ジベンゾイルオキシメチ
ル−1,3−ジオキソラン34.2gを加え、次いでベ
ンゼン20mlを加えて室温下攪拌しながら無水塩化ス
ズを徐々に滴下した。赤黒色透明になるまで無水塩化ス
ズを加えた。合計約30gを要した。一晩攪拌したとこ
ろ反応液は固化していた。酢酸エチルを加え溶解し、水
洗した。次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、さらに
水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後溶媒を減圧留去し
た。得られた残渣を<粗生成物・実1>とする。<粗生
成物・実1>に酢酸エチル500mlを加えて加熱溶解
し、濾過後室温放置し再結晶を行った。結晶を濾取、乾
燥し目的化合物を44.87g(収率85.0%)得
た。得られた結晶を<精製品・実1>とする。<精製品
・実1>の物理恒数を次に示す。<粗生成物・実1>及
び<精製品・実1>のHPLC分析結果を表1に示す。
【0046】m.p. 140〜141℃ 1H−NMR(CDCl3,ppm)0.00(s,9
H,(CH3)3−Si),3.94〜3.90(m,1
H,>CH−O−Si),4.06〜4.00(m,1
H,>CH−OCH2),4.34〜4.16(m,3
H,−CH2OBz、−CH2OBz),4.58〜4.
53(dd,1H,−CH2OBz),5.83(s,
2H,−OCH2−N),6.87(s,1H,2−ニ
トロイミダゾリル環プロトン),7.14(s,1H,
2−ニトロイミダゾリル環プロトン),7.84〜7.
27(m,10H,[−CO−C6H5]×2)
【0047】
【表1】
【0048】
【実施例2】 3−(2−ニトロ−イミダゾール−1−イル−メチルオ
キシ)−1,2,4−ブタントリオール−1,4−ジベ
ンゾエートの製造: <粗生成物・実1> 1gをエタノール200ml、水
50mlの混液に溶解し、さらに酢酸1mlを加え約4
0℃で1時間攪拌した。溶媒を減圧留去し、さらに水に
ついてはエタノールを2〜3度加えて共沸混合物として
除去した。残渣として粉末状結晶が得られた。この粉末
状結晶を<粗生成物・実2>とする。この粉末状結晶を
熱エタノールに溶解し再結晶を行った。結晶を濾取、乾
燥し精製品を0.86g(収率:定量的)得た。精製後
の結晶を<精製品・実2>とする。<精製品・実2>の
物理恒数を次に示す。<粗生成物・実2>及び<精製品
・実2>のHPLC分析結果を表2に示す。
【0049】m.p. 140〜141℃ 1H−NMR(CDCl3,ppm)3.10,3.08
(d,1H,−OH),4.17〜4.06(m,2
H,−CH(OH)−及び−CH(OCH2−N<)
−),4.47〜4.40(dd,1H,−CH2−O
−Bz),4.78〜4.73(dd,1H,−CH2
−O−Bz),4.60〜4.51(m,2H,−CH
2−O−Bz),6.04,6.00,5.96,5.
92(q,2H,−OCH2−N<),7.07(s,
1H,2−ニトロイミダゾリル環プロトン),7.29
(s,1H,2−ニトロイミダゾリル環プロトン),
8.01〜7.43(m,10H,[−CO−C6H5]
×2)
【0050】
【表2】
【0051】
【実施例3】 3−(2−ニトロ−イミダゾール−1−イル−メチルオ
キシ)−1,2,4−ブタントリオール−1,4−ジベ
ンゾエートの製造・その2:<精製品・実1>を原料に
用いて実施例2と同様の操作で粗生成物及び精製後の結
晶を得た。それぞれ<粗生成物・実3>、<精製品・実
3>とする。<粗生成物・実3>及び<精製品・実3>
のHPLC分析結果を表3に示す。
【0052】
【表3】
【0053】
【実施例4】 3−(2−ニトロ−イミダゾール−1−イル−メチルオ
キシ)−1,2,4−ブタントリオールの製造:実施例
1〜3で得られた3−(2−ニトロ−イミダゾール−1
−イル−メチルオキシ)−1,2,4−ブタントリオー
ル−1,4−ジベンゾエート、すなわち<粗生成物・実
2>、<精製品・実2>、<粗生成物・実3>及び<精
製品・実3>のそれぞれ4.5gをメタノール100m
lに溶解し、28%ナトリウムメトキシド水溶液0.2
mlを加え室温下1時間攪拌した。酢酸0.1mlを加
えて中和し溶媒を減圧留去した。得られた残渣にエタノ
ール15mlを加えて加熱溶解し、濾過後室温放置し再
結晶を行った。結晶を濾取、乾燥し精製品を2.0g
(収率79.6%)得た。精製後の結晶をそれぞれ順に
<最終品1>、<最終品2>、<最終品3>及び<最終
品4>とする。<最終品1>の物理恒数を次に示す。<
最終品1>、<最終品2>、<最終品3>及び<最終品
4>のHPLC分析結果を表4に示す。又、参考例とし
て従来の製造法及びその最終物の分析結果も表4に示
す。
【0054】m.p. 135℃ 1H−NMR(DMSO−d6,ppm)3.15〜3.
64(m,6H,−CH2−、−CH<),4.43
(t,1H,CH2OH),4.64(t,1H,CH2
OH),4.75(d,1H,−CH(OH)−),
7.19(s,1H,2−ニトロイミダゾリル環プロト
ン),7.81(s,1H,2−ニトロイミダゾリル環
プロトン)
【0055】
【表4】
【0056】
【比較例1】 3−(2−ニトロ−イミダゾール−1−イル−メチルオ
キシ)−1,2,4−ブタントリオールの製造(その
2):1,2,3,4−ブタントリオール−1,4−ジ
ベンゾエートの代わりに1,2,3,4−ブタンテトラ
オール−1,4−ジアセテートを原料に用いて、参考例
1と同様の操作で製造し、生成物が油状物であったので
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ベン
ゼン−酢酸エチル系)で精製して、4,5−ビス(アセ
トキシメチル)−1,3−ジオキソランを油状物として
得た。一方、2−ニトロイミダゾール5.6gにN,O
−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド11.1gを
加え室温下攪拌反応させた。TLC上で2−ニトロイミ
ダゾールが完全に消失したことを確認した後に、前記し
た4,5−ビス(アセトキシメチル)−1,3−ジオキ
ソラン21.8gをベンゼン20mlに溶かした溶液を
加えた。次いで無水四塩化チタン20gを徐々に滴下し
た。滴下終了後3時間攪拌反応させた。反応終了後酢酸
エチル300mlで抽出し、水20mlで洗浄後、飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液で中和した。無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥後溶媒をエバポレーターで減圧留去し、黄色
油状残渣を得た。この残渣にメタノール100ml、水
100ml、トリエチルアミン10mlを加え、室温下
攪拌反応させ脱アシル化した。反応終了後エタノール2
0mlを3回加えながらエバポレーターで溶媒を減圧留
去した。得られた残渣にエタノール100mlを加えて
加熱溶解し熱時濾過した。エバポレーターにて溶媒量が
30ml程度になるまで濃縮し、室温にて放置して再結
晶を行った。結晶を濾取、乾燥し、目的物を7.0g
(収率56.3%)得た。一度目の結晶を<最終品5−
1>とする。<最終品5−1>の物理恒数を次に示す。
<最終品5−1>をエタノールから再結晶をして<最終
品5−2>なる結晶を得た。次いで<最終品5−2>を
メタノールから再結晶して<最終品5−3>なる結晶を
得た。更に、<最終品5−3>を水から再結晶して<最
終品5−4>なる結晶を得た。そして<最終品5−4>
をエタノールから再結晶して<最終品5−5>なる結晶
を得た。最後に<最終品5−5>をエタノールから再結
晶して<最終品5−6>なる結晶を得た。<最終品5−
1>〜<最終品5−6>のHPLC分析結果を表5に示
す。
【0057】m.p. 135℃ 1H−NMR(DMSO−d6,ppm)3.15〜3.
64(m,6H,−CH2−、−CH<),4.43
(t,1H,CH2OH),4.64(t,1H,CH2
OH),4.75(d,1H,−CH(OH)−),
7.19(s,1H,2−ニトロイミダゾリル環プロト
ン),7.81(s,1H,2−ニトロイミダゾリル環
プロトン)
【0058】
【表5】
【0059】実施例及び比較例のHPLC操作条件は全
て以下の通りである。 カラム;東ソー TSK gel ODS−80TM、
4.6×250mm 移動相;メタノール・5mMリン酸塩緩衝液pH6.0
(2:7) 温度;40℃ 検出;UV320nm 注入;10μL
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、放射線増感剤として有
用な2−ニトロイミダゾール誘導体の新規な製造法を提
供することができる。また、本製造法が経由する新規化
合物を提供することができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の式(1) 【化1】 〔式中、R1、R2、R3及びR4はそれぞれ独立に水素原
    子、炭素数1〜3のアルキル基を3個有するシリル基、
    置換基を有していても良いフェニルカルボニル基又は2
    −ニトロイミダゾリルメチル基を示し、且つ、置換基を
    有していても良いフェニルカルボニル基を1〜2個、2
    −ニトロイミダゾリルメチル基を少なくとも1個有する
    ものとする〕で表される化合物。
  2. 【請求項2】炭素数1〜3のアルキル基を3個有するシ
    リル基がトリメチルシリル基であり、置換基を有してい
    ても良いフェニルカルボニル基がベンゾイル基であるこ
    とを特徴とする、請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】式(1)で表される化合物が次の式(2) 【化2】 〔式中、R5は水素原子又はトリメチルシリル基を示
    す〕で表される化合物である事を特徴とする、請求項1
    記載の化合物。
  4. 【請求項4】次の式(3) 【化3】 〔式中、R6は置換基を有していても良いフェニルカル
    ボニル基である〕で表される化合物と次の式(4) 【化4】 〔式中、R7は炭素数1〜3のアルキル基を3個有する
    シリル基である〕で表される化合物とを触媒存在下縮合
    し、請求項1〜3何れか1項記載の化合物を製造中間体
    とする事を特徴とする、次の式(5) 【化5】 で表される化合物の製造方法。
  5. 【請求項5】R6は置換基がベンゾイル基であり、R7は
    トリメチルシリル基である事を特徴とする、請求項4記
    載の製造方法。
  6. 【請求項6】反応によって生成した請求項1〜3記載の
    化合物を再結晶で精製することを特徴とする請求項4又
    は5記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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