JPH10280821A - 対地震用開き戸 - Google Patents

対地震用開き戸

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JPH10280821A
JPH10280821A JP8371597A JP8371597A JPH10280821A JP H10280821 A JPH10280821 A JP H10280821A JP 8371597 A JP8371597 A JP 8371597A JP 8371597 A JP8371597 A JP 8371597A JP H10280821 A JPH10280821 A JP H10280821A
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door
latch bolt
hinged door
frame
hinged
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Masayuki Matsunaga
松永  昌幸
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 既存の建物にも容易かつ安価に取付可能で、
地震後でも通常行う開放操作で開けることが可能な対地
震用開き戸を提供する。 【解決手段】 パネル部30は、開口部扉枠の寸法より
も小さく、パネル部と扉枠との間に形成された空間に緩
衝部50を配置するとともに、開き戸側に取り付けられ
る。側縁部31には、蝶番40が取り付けられている。
緩衝部50は、開き戸の外縁部となるフレーム部51・
52・53と、フレーム部とパネル部とをつなぐシリン
ダ部及び圧縮コイルばねとを有する。地震により建物及
び開き戸が揺れると、圧縮コイルばねが伸縮し、その応
力を消勢する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、部屋や建物の出入
り口に取り付けられる開閉式の回転扉であって、建具と
しての開き戸に関するものである。
【0002】
【従来の技術】開き戸は、一般に蝶番等で建物としっか
り固定されており、気密性確保のために隙間が狭くなる
ように寸法等が設計されている。
【0003】例えば震度5以下の地震が起こると建物が
揺れ、扉枠や開き戸に応力がかかって変形する場合があ
る。この場合には、開き戸が扉枠に圧迫され、わずかの
変形でも開かない事態になる。開き戸が金属製の場合に
は特殊な装備が必要で、緊急に避難する必要があるとき
でも、自力で開き戸をこじ開けて避難することは不可能
である。
【0004】例えば阪神淡路大震災において、いつも出
入りに使用している開き戸が開かなくなってしまい、建
物内に閉じ込められたという事実がある。自力では玄関
から脱出できずに、かといって窓からの脱出は、高層階
の場合には不可能である。
【0005】最終的には、レスキュー隊等により、開き
戸自体に孔をあけるか蝶番を壊して開き戸を取り除くか
して、玄関からの脱出経路を確保するが、かかる作業は
困難を極め、地震により一時的に大量の閉じ込めが発生
したときには、その対応に時間がかかり、すべての救出
には長時間を要する。閉じ込められていることがわかっ
ている場合には、待っていればやがて救出されるが、閉
じ込められているかどうか不明な場合には、尚更であ
る。また、建物内で火災が発生したときには、救出作業
は急を要する。
【0006】従来技術としては、例えば特願平7−61
997号(特開平8−232552号)に記載された発
明では、ドア等の建具側部位が開口するリップミゾ形鋼
形状に形成された上部枠材を有する建物の開口部に取り
付けられる建具枠本体と、この建物枠本体の上部枠材に
開口部より所定量突出するように取り付けられた上部ス
ライド枠材と、この上部スライド枠材を常時突出するよ
うに付勢するように前記上部枠材に取り付けられた付勢
スプリングとで建具枠を構成しているものである。
【0007】また、特願平7−116495号(特開平
8−333961号)に記載された発明では、コンクリ
ート内に支持されたアンカに固着される取付枠と、閉鎖
時の扉に対向するドア枠内側板とで形成される空間を、
モルタルなどを充填しない非充填領域とし、ほぼ台形状
に形成されてなる圧力消勢部材を非充填領域に介設させ
て、地震などによる押圧力を消勢するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】これらの発明は、いず
れも対地震構造であるが、扉枠側に地震などによる押圧
力を消勢する機能を持たせている。したがって、新たに
建てる建物については容易に対応可能であるものの、既
に建っている建物に対して施工するは、大掛かりな工事
が必要となり、工事中に玄関の使用が制限される等の
他、費用面や技術面で対応が難しい場合が多い。
【0009】また、地震の揺れにより開き戸が開かなく
なった場合には、内側から開き戸を足で蹴る等すること
で、開き戸が扉枠から外れて建物から脱出できるように
したものがある。その他、実願昭59−140115号
(実開昭61−53491号)に記載された考案におい
ては、開き戸に小さい非常扉が予め設けられており、開
き戸が開かなくなったときにはその非常扉から脱出する
ことができるようにしたものもある。
【0010】このような開き戸を足で蹴ったり小さい非
常扉を開放したりして脱出する方法は、男性や若者には
容易になし得るが、老人や小さな子供等では、通常と異
なるこれらの動作は、なかなか容易に行えない。まし
て、地震により建物が大きく揺れた場合には平常心をな
かなか保つことができないため、いつも使用している扉
が開かなくなると、動揺してしまい、開き戸を足で蹴る
等の脱出方法も一時的に忘れ、建物内に取り残されると
いう事態も想定される。
【0011】本発明は、かかる課題を解決するためにな
されたものであり、既存の建物にも容易かつ安価に取付
可能で、地震後においても通常行う開放操作で開き戸を
開けることが可能な対地震用開き戸を提供することを目
的とする。
【0012】本発明の別の目的は、さらにラッチボルト
を含む扉係止部が開き戸に設けられている場合において
も、地震後に開放可能な対地震用開き戸の提供にある。
【0013】本発明の別の目的は、さらに開き戸上部と
建物自体とをつなぎ閉扉の際に予め定められた速度を保
つドアアームが開き戸に設けられている場合において
も、地震後に開放可能な対地震用開き戸の提供にある。
【0014】本発明の別の目的は、上述の扉係止部及び
ドアアームが開き戸に取り付けられていても、既存の建
物にも容易かつ安価に取付可能で、地震後においても通
常行う開放操作で開き戸を開けることが可能で、しか
も、外観のために開き戸に化粧板を設けても前述の課題
が解決可能な対地震用開き戸を提供することを目的とす
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めになされた発明は、開口部を形成する扉枠に支持部材
で回動自在に取り付け可能なパネル部を有する開き戸に
おいて、閉扉状態での前記扉枠と前記パネル部との間に
おける地震の振動による応力を弾性体により消勢する緩
衝手段が前記パネル部側に設けられたことを特徴とする
対地震用開き戸である(請求項1)。
【0016】地震により建物が揺れたときには、扉枠と
パネル部との間に異なる方向異なる大きさの応力が生ず
るが、閉扉状態で両者の間に位置するように前記パネル
部側に取り付けられた緩衝手段の弾性体により消勢され
るので、地震の揺れにより両者同士が強く圧接すること
はなく、両者の隙間が確保される。よって、地震が収ま
った後でも開き戸を開けることができる。なお、ここに
いう扉枠は、扉が取り付けられる建物側開口部の内周縁
面に設けられた枠をいう。
【0017】緩衝手段がパネル部側に設けられているの
で、建物の扉枠に既に従来の開き戸が取り付けられてい
ても、従来の開き戸を取り外して代わりに本発明に係る
対地震用開き戸を取り付けるという簡単な作業で、地震
対策を施すことができる。よって、大掛かりな改造工事
をする必要がない。
【0018】ここで、緩衝手段は、開き戸外縁枠(フレ
ーム部)とパネル部との間に形成された空間に設けられ
ている。弾性体は、例えばコイルばねや板ばね、弾性ゴ
ム等の弾性を有する部材をいい、弾性体が前記空間内で
変形することにより地震の振動による応力が消勢され
る。用いられる弾性体の形状やその種類、配置する位置
や数量等は、設置される建物や場所等に応じて適宜決定
すれば足りる。
【0019】なお、開き戸の扉としての機能を果たすた
めに、前記空間を覆う化粧板を設けることも考えられ
る。この場合の化粧板は、弾性体の変形を妨げないよう
に、プラスチック等の変形可能で一定以上の変形で破損
する部材を用いるようにすることも考えられる。
【0020】前述の発明を更に以下のようにすると、地
震により開き戸が開かなくなるのがより確実に防止でき
る。すなわち、閉扉状態で前記開き戸端面から突出する
ラッチボルト及びこのラッチボルトと係合する前記扉枠
の受座により前記開き戸を扉枠に係止する扉係止部にお
いて、前記ラッチボルトは、可撓性を有する可撓部材を
介して扉係止部本体と連結されたものであり、地震の振
動により前記可撓部材がたわんだときは、前記ラッチボ
ルトの姿勢をばねの付勢力で元に戻す姿勢保持部が前記
開き戸端面の内側に設けられたことを特徴とする対地震
用開き戸である(請求項2)。
【0021】開き戸端面から突出したラッチボルトは、
可撓部材のたわみにより開き戸に対して角度を変えるこ
とができる。また、角度が変わったラッチボルトは、姿
勢保持部のばねの付勢力により、元の方向すなわち、開
き戸端面に略垂直な方向に戻るようになっている。よっ
て、ラッチボルトが受座と係合した状態のときに地震が
起こっても、ラッチボルトと受座(扉枠)とのかじりが
防止でき、地震が収まった後でも開き戸を開けることが
できる。
【0022】可撓部材は、例えば変形可能なゴムやコイ
ルばね等の可撓性を有するものであれば良く、その種類
を問わない。
【0023】加えて、開き戸上部と建物自体とをつなぎ
閉扉の際に予め定められた速度を保つドアアームが取り
付けられている場合において、前記ドアアームは、自在
に回転及び揺動が可能なリンク機構により開き戸及び建
物と連結されたことを特徴とするように構成すると(請
求項3)、ドアアームの破損が防止され、開き戸が開か
なくなるのがより一層確実に防止される。
【0024】すなわち、リンク機構は、自在に回転及び
揺動が可能ゆえ、地震により開き戸と建物とがずれるよ
うに揺れても柔軟に変形するので、開き戸とドアアーム
及び建物とドアアームとの回動部が破損することを防止
することができる。よって、地震が収まった後でも開き
戸を開けることができる。開き戸には、ドアアームのみ
が取り付けられている場合や、更に扉係止部も取り付け
られている場合があり、これらにも対応可能である。
【0025】本発明の最も好ましい構成は、開口部を形
成する扉枠の内側面に蝶番で回動自在に取付可能なパネ
ル部と、閉扉状態には端面から突出するラッチボルト及
びこのラッチボルトと係合する前記扉枠の受座により前
記扉枠に係止する扉係止部と、開き戸上部と建物自体と
をつなぎ閉扉の際に予め定められた速度を保つドアアー
ムとを有する開き戸において、前記開き戸は、緩衝手段
と化粧板と可撓部材と姿勢保持部とリンクボールとを有
し、前記緩衝手段は、前記パネル部の端面外方に配置さ
れ、前記開き戸の上下縁部及び被取付面反対側の側縁部
を相互のリンク連結で形成するフレーム部と、軸方向に
伸縮可能なシリンダ部と、このシリンダ部に挿入される
圧縮コイルばねとからなり、前記圧縮コイルばねが自由
長の状態で前記シリンダ部の両端部がフレーム部及びパ
ネル部にそれぞれ取り付けられるものであり、前記化粧
板は、パネル部とフレーム部とで形成される空間の側面
部を覆い、地震の振動による応力が加わったときに破損
するものであり、前記可撓部材は、可撓性を有するゴム
製で、前記ラッチボルトと開き戸本体との間に挟まれて
取り付けられたものであり、前記姿勢保持部は、前記開
き戸端面内側で前記ラッチボルトの上下の位置にそれぞ
れ自由長の状態で取り付けられたばねを有し、地震の振
動により前記可撓部材がたわんだときは前記ばねの付勢
力でラッチボルトの姿勢を元に戻すものであり、前記リ
ンクボールは、リンク部において相互に自在に回転及び
揺動が可能なものであって、前記ドアアームと開き戸及
び建物との連結部分にそれぞれ用いられたものであるこ
とを特徴とする対地震用開き戸である(請求項4)。
【0026】化粧板は、一定以上の応力が加わると破損
するので、地震により揺れているときには、緩衝手段や
可逆部材等により振動を吸収するとともに、さらに化粧
板が破損することにより、開き戸が扉枠とかじることが
防止できる。よって、地震が収まった後でも開き戸を開
けることができる。なお、可撓部材はゴム製のものを採
用している。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態のうち最良と
思われるものを含めて、図面を参照しつつ説明する。
【0028】本発明に係る対地震用開き戸は、図7に示
すような外観である。ドアノブ10は、図面における略
中央左寄りに設けられており、また、扉の裏表両面の周
囲は、それぞれ化粧板としてのプラスチックカバー20
で覆われている。なお、本実施形態においては、プラス
チックカバー20は、装飾的意味合いから木目調のもの
を用いている。
【0029】プラスチックカバー20を外した状態を示
す図1から明らかなように、対地震用開き戸1は、パネ
ル部30、蝶番40、緩衝手段としての緩衝部50を備
えている。パネル部30には、側縁部31の上下2か所
に蝶番40がそれぞれ取り付けられており、建物側開口
部において一般的に用いられる扉枠に蝶番40で回動自
在に取り付けることができる。蝶番40は通常用いられ
ているもので良い。
【0030】パネル部30は、扉枠に対し通常用いられ
る扉よりも外形寸法が小さくなるように製造されてい
る。緩衝部50は、閉扉状態において扉枠との間にでき
た空間に配置されるとともに、パネル部30側に取り付
けられる。この空間は、蝶番40により扉枠と取り付け
られた側縁部31を除く3方向に、ほぼ同様の広さが形
成されている。なお、パネル部30自体の構造や材質等
は通常用いられるもので足りる。
【0031】緩衝部50は、フレーム部51・52・5
3、シリンダ部54及び圧縮コイルばね55を有する。
フレーム部51・52・53は、開き戸の上縁部32、
下縁部33および被取付面反対側の側縁部34を形成す
るものであって、隣り合うもの同士が相互にリンク連結
されて一体的に構成されている。
【0032】フレーム部51・52・53とパネル部3
0とをつなぐのは、シリンダ部54であり、図2(a)
に示すように、それぞれねじ固定される。シリンダ部5
4は軸方向に伸縮可能な構造であり、抜け防止のための
ストッパ56が設けられている。
【0033】シリンダ部54は、その伸縮によりフレー
ム部51・52・53とパネル部30との間隔が変わる
ように配置される。その際、図2(b)に示すように、
圧縮コイルばね55がシリンダ部54に挿入される。両
者の組み合わせにより、それ自体には弾性がないシリン
ダ部54の伸縮に伴い圧縮コイルばね55の付勢力が付
加される。
【0034】圧縮コイルばね55は、自由長のときに扉
枠と開き戸との隙間が従来のものと同様になるような長
さである。また、ばね定数は、想定する地震の大きさや
建物自体の構造、パネル部30とフレーム部51・52
・53との空間の長さ等を考慮して決定する。
【0035】本実施形態において、このようなシリンダ
部54と圧縮コイルばね55とを組み合わせたものは、
フレーム部(上縁部)51およびフレーム部(下縁部)
53にはそれぞれ2個ずつ、フレーム部(側縁部)52
には3個、ほぼ等間隔で取り付けられている。実施する
上での具体的な数量や取付位置は、設置や使用の条件を
考慮して決定すれば足りる。
【0036】ここで、前述したプラスチックカバー20
は板厚が薄く、地震によりシリンダ部54と圧縮コイル
ばね55とが連続的に伸縮しようとしたときには、その
伸縮を妨げることなく破損するものである。このように
することにより、地震により建物が振動しても、開き戸
が扉枠とかじることはない。よって、揺れたときに閉扉
状態であっても開き戸を開放することができ、地震が収
まった後には、通常と同様の操作でドアノブ10を回し
てから開き戸を開けて建物外へ避難することができる。
なお、プラスチックカバーは脱着が容易であるため、地
震の際に破損したとしても、容易に新しいものに交換す
ることが可能である。
【0037】図1及び図2(c)から明らかなように、
表面と裏面のそれぞれのプラスチックカバー20に挟ま
れるように弾性スポンジ21が6か所に設けられてい
る。前述したように、プラスチックカバー20は、いっ
たん地震が起きたときには破損することを前提とするも
のであるが、開き戸の通常の開け閉めや不用意に脚が開
き戸に当たっただけで破損するのでは不都合であるた
め、弾性スポンジ21によりプラスチックカバー20同
士が一体となり、ある程度の強度が確保される。
【0038】実際に対地震用開き戸1を蝶番40で扉枠
2に取り付けた状態の平面視の断面図を図3(a)に示
す。また、その部分拡大図を図3(b)に示す。
【0039】次に、開き戸と扉枠との係止に関して説明
する。開き戸内部には、従来の開き戸にも備えられてい
るような扉係止部60、すなわちドアノブやロックノブ
等を回転させることにより、開き戸端面からラッチボル
ト61を突出させたり没入させたりする機構部が設けら
れている。ラッチボルト61が突出すると、閉扉状態に
おいては、扉枠側の受座と係合するため、ドアノブ等を
回さない限り開き戸が開放できないようになっている。
なお、常時ラッチボルトが開き戸端面から突出して単に
開き戸を閉めるだけで係止されるものは従来から存在す
るが、これについても応用可能である。
【0040】図4(a)に示すように、突出させたり没
入させたりしてラッチボルト61を移動させる扉係止部
本体62と、ラッチボルト61との間に、可撓部材63
をねじ締結させている。可撓部材63は、本体部の材質
が弾性ゴムで、その両端部にはねじ部64が形成されて
いる。したがって、ラッチボルト61と扉係止部本体6
2とは相対的にたわませることができる。
【0041】また、ラッチボルト61の上下には、姿勢
保持部70が設けられている。姿勢保持部70は、図5
に示すように、シリンダ部71と圧縮コイルばね72と
で構成されており、圧縮コイルばね72はシリンダ部7
1に挿入されるように組み合わされる。上述の緩衝部4
0におけるものと同様の構造である。加えて、シリンダ
部71の先端部は、ステンレス製の板材73が取り付け
られており、板材73とシリンダ部71との間に硬質ゴ
ム74が介在されている。
【0042】姿勢保持部70は、板材73がラッチボル
ト61に接するように、ラッチボルト61の上下にそれ
ぞれ取り付けられる。その際、圧縮コイルばね72は自
由長の状態で、すなわち付勢力が生じない状態で取り付
けられる。
【0043】ラッチボルト61が扉枠の受座に係合して
いる状態で開き戸自体が地震により揺れたときには、緩
衝部50により扉枠と開き戸とが異なる動きをするが、
図4(b)に示すように、可撓部材63がたわむことに
よりラッチボルト61は動きの違いを吸収するため、ラ
ッチボルト61が受座(扉枠2)とかじることが防止さ
れる。
【0044】一方、地震の振動によりラッチボルト61
が受座(扉枠2)に対して傾くようなときには、図4
(b)に示すように、傾く前の姿勢となるように姿勢保
持部70が作用する。すなわち、通常の状態(図4
(a))では、姿勢保持部70はラッチボルト61に対
して付勢力がないものの、ラッチボルト61がいずれか
一方向に傾いたときには、傾いた方向の姿勢保持部70
の圧縮コイルばね72が圧縮され、ラッチボルト61が
元の姿勢に戻るように付勢力が発生する。このときに
は、もう一方の姿勢保持部70では付勢力が発生しな
い。したがって、ラッチボルト61は、地震により揺れ
たときには、上下2つの姿勢保持部70の間を行き来
し、いわゆるキャッチボールの状態で、やがて元の姿勢
に収束していく。
【0045】換言すると、地震により建物が揺れても、
前述の緩衝部50の作用により開き戸自体は扉枠とかじ
ることはないが、ラッチボルト61においても、可撓部
材63と姿勢保持部70により受座(扉枠)とかじるこ
とはなく、地震が収まった後には元の姿勢に戻る。この
ように、地震が起きたときの振動を吸収する緩衝部50
を開き戸側に備えても、ラッチボルト61と受座とのか
じりが防止される。
【0046】次に、開き戸にドアアーム80が取り付け
られている場合について説明する。図6(a)に示すよ
うに、ドアアーム80の取り付けにはリンクボール81
が用いられる。リンクボール81は、図6(b)に示す
ように、球面内輪とホルダーとを組み合わせたものであ
り、すべり面が鏡面仕上げされているため、両者は、相
対的に滑らかな回転及び揺動運動を行う。
【0047】リンクボール81を用いることにより、地
震により開き戸が揺れても、建物と開き戸上部とをつな
ぐドアアーム80はリンクボール81により揺れを吸収
することができ、ドアアーム80の回動部やアーム部の
破損を防ぐことができる。したがって、建物に対して開
き戸自体が揺れるようにする構造を採用しても、ドアア
ーム80が地震で破損することを防止することができ
る。
【0048】
【発明の効果】請求項1に記載された発明によれば、建
物が揺れても地震による開き戸と扉枠との間の応力が緩
衝手段により消勢されるので、両者が強く圧接すること
はなく、両者の隙間が確保される。よって、地震が収ま
った後でも開き戸を開けることができる。また、このよ
うな開き戸を簡単な作業で取り付けることができ、地震
対策の際の費用面や技術面での問題が解消される。
【0049】請求項2に記載された発明によれば、ラッ
チボルトが受座と係合した状態のときに地震が起こって
も、ラッチボルトと受座(扉枠)とのかじりが防止で
き、地震が収まった後でも開き戸を開けることができ
る。
【0050】請求項3に記載された発明によれば、リン
ク機構により、開き戸とドアアーム及び建物とドアアー
ムとの回動部が破損することを防止することができ、地
震が収まった後でも開き戸を開けることができる。
【0051】請求項4に記載された発明によれば、緩衝
手段や可逆部材等により振動を吸収するとともに、さら
に化粧板が破損することにより、開き戸が扉枠とかじる
ことが防止でき、地震が収まった後でも開き戸を開ける
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る対地震用開
き戸の単体を表した説明図であり、実際に使用する状態
においてプラスチックカバーを取り外した場合を表して
いる。
【図2】図2(a)は、図1中の緩衝部50において、
シリンダ部54のみを抽出して表した説明図である。図
2(b)は、同図(a)に圧縮コイルばね55を加えた
説明図である。図2(c)は、図1中の緩衝部50にお
ける弾性スポンジ21が取り付けられている状態を表し
た説明図である。
【図3】図3(a)は、図1における断面図を表したも
のであり、図3(b)は、同図(a)の部分拡大図であ
る。
【図4】図4は、扉係止部60において、可撓部材63
及び姿勢保持部70との動作を表した説明図である。図
4(a)は通常の状態、同図(b)は地震により揺れて
いる状態をそれぞれ表す。
【図5】図5は、図4における姿勢保持部70の拡大図
である。
【図6】図6(a)は、ドアアーム80にリンクボール
81が取り付けられた状態を示す説明図である。図6
(b)は、リンクボール81の拡大図である。
【図7】図7は、図1に示す対地震用開き戸にプラスチ
ックカバーを取り付けた状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 対地震用開き戸 2 扉枠 10 ドアノブ 20 プラスチックカバー 21 弾性スポンジ 30 パネル部 31 側縁部 32 上縁部 33 下縁部 34 側縁部 40 蝶番 50 緩衝部 51 フレーム部(上縁部) 52 フレーム部(側縁部) 53 フレーム部(下縁部) 54 シリンダ部 55 圧縮コイルばね 56 ストッパ 60 扉係止部 61 ラッチボルト 62 扉係止部本体 63 可撓部材 64 ねじ部 70 姿勢保持部 71 シリンダ部 72 圧縮コイルばね 73 板材 74 硬質ゴム 80 ドアアーム 81 リンクボール

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開口部を形成する扉枠に支持部材で回動
    自在に取り付け可能なパネル部を有する開き戸におい
    て、 閉扉状態での前記扉枠と前記パネル部との間における地
    震の振動による応力を弾性体により消勢する緩衝手段が
    前記パネル部側に設けられたことを特徴とする対地震用
    開き戸。
  2. 【請求項2】 閉扉状態で前記開き戸端面から突出する
    ラッチボルト及びこのラッチボルトと係合する前記扉枠
    の受座により前記開き戸を扉枠に係止する扉係止部にお
    いて、 前記ラッチボルトは、可撓性を有する可撓部材を介して
    扉係止部本体と連結されたものであり、 地震の振動により前記可撓部材がたわんだときは、前記
    ラッチボルトの姿勢をばねの付勢力で元に戻す姿勢保持
    部が前記開き戸端面の内側に設けられたことを特徴とす
    る請求項1に記載の対地震用開き戸。
  3. 【請求項3】 開き戸上部と建物自体とをつなぎ閉扉の
    際に予め定められた速度を保つドアアームが取り付けら
    れている場合において、 前記ドアアームは、自在に回転及び揺動が可能なリンク
    機構により開き戸及び建物と連結されたことを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の対地震用開き戸。
  4. 【請求項4】 開口部を形成する扉枠の内側面に蝶番で
    回動自在に取付可能なパネル部と、閉扉状態には端面か
    ら突出するラッチボルト及びこのラッチボルトと係合す
    る前記扉枠の受座により前記扉枠に係止する扉係止部
    と、開き戸上部と建物自体とをつなぎ閉扉の際に予め定
    められた速度を保つドアアームとを有する開き戸におい
    て、 前記開き戸は、緩衝手段と化粧板と可撓部材と姿勢保持
    部とリンクボールとを有し、 前記緩衝手段は、前記パネル部の端面外方に配置され、
    前記開き戸の上下縁部及び被取付面反対側の側縁部を相
    互のリンク連結で形成するフレーム部と、軸方向に伸縮
    可能なシリンダ部と、このシリンダ部に挿入される圧縮
    コイルばねとからなり、前記圧縮コイルばねが自由長の
    状態で前記シリンダ部の両端部がフレーム部及びパネル
    部にそれぞれ取り付けられるものであり、 前記化粧板は、パネル部とフレーム部とで形成される空
    間の側面部を覆い、地震の振動による応力が加わったと
    きに破損するものであり、 前記可撓部材は、可撓性を有するゴム製で、前記ラッチ
    ボルトと開き戸本体との間に挟まれて取り付けられたも
    のであり、 前記姿勢保持部は、前記開き戸端面内側で前記ラッチボ
    ルトの上下の位置にそれぞれ自由長の状態で取り付けら
    れたばねを有し、地震の振動により前記可撓部材がたわ
    んだときは前記ばねの付勢力でラッチボルトの姿勢を元
    に戻すものであり、 前記リンクボールは、リンク部において相互に自在に回
    転及び揺動が可能なものであって、前記ドアアームと開
    き戸及び建物との連結部分にそれぞれ用いられたもので
    あることを特徴とする対地震用開き戸。
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