JPH10270653A - 酸化物積層構造およびその製造方法ならびに強誘電体不揮発性メモリ - Google Patents

酸化物積層構造およびその製造方法ならびに強誘電体不揮発性メモリ

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JPH10270653A
JPH10270653A JP9076272A JP7627297A JPH10270653A JP H10270653 A JPH10270653 A JP H10270653A JP 9076272 A JP9076272 A JP 9076272A JP 7627297 A JP7627297 A JP 7627297A JP H10270653 A JPH10270653 A JP H10270653A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強誘電体不揮発性メモリなどを最適構造で実
現可能な酸化物積層構造およびその製造方法ならびにそ
のような酸化物積層構造を利用した強誘電体不揮発性メ
モリを提供する。 【解決手段】 1トランジスタ1キャパシタ型の強誘電
体不揮発性メモリにおいて、(100)面方位のSi上
に(100)面方位のCeO2 膜を介して(001)面
方位の強誘電体薄膜8を積層し、この強誘電体薄膜8上
に電極9、10を設けてキャパシタを形成する。あるい
は、FETのドレイン領域上に単結晶Siからなるプラ
グを設け、このプラグ上に同様な構造のキャパシタを設
ける。また、FET型強誘電体不揮発性メモリにおい
て、ゲートおよびチャネル部を同様な酸化物積層構造に
より形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、酸化物積層構造
およびその製造方法ならびに強誘電体不揮発性メモリに
関し、特に、シリコン上で展開される酸化物エレクトロ
ニクスに適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】酸化物薄膜材料は、1986年に報告さ
れた高温超伝導酸化物に端を発し((1)Z. Phys. B.,64,1
89-193(1986)) 、この数年で驚異的に発展してきている
ことは周知の事実である(例えば、(2)MRS Bulletin,XV
II,No.8,16-54(1992) 、(3)MRSBulletin,XIX,No.9,21-5
5(1994))。
【0003】一方、1950年代の一時期に精力的に研
究されながら、強誘電体薄膜の界面制御の難しさなどに
より産業に浸透しなかった、強誘電体を用いたメモリデ
バイス(例えば、(4)Electrical Engineering,71,916-9
22(1952)、(5)Bell Labs. Record,33,335-342(1955))
が、最近、強誘電体不揮発性メモリとして新たに脚光を
浴びるようになり、その研究開発が急速に展開されてき
ている。この強誘電体不揮発性メモリの現状について
は、詳細に報告されている(例えば、(6)Appl. Phys. L
ett.,48,1439-1440(1986) 、(7) 米国特許第47131
57号、(8)IEDM Tech. Dig.,850-851(1987)、(9)IEEE
J. Solid State Circuits,23,1171-1175(1988)、(10)Te
ch. Dig. ISSCC 88,130-131(1988) 、(11)応用物理、第
62巻、第12号、1212-1215(1993) 、(12)エレクトロニク
・セラミクス、第24巻、7月号、6-10(1993)、(13)電子
材料、第33巻、第8号(1994)(「強誘電体薄膜の不揮発
性メモリへの応用」特集号) 、(14)セラミックス、第27
巻、720-727(1992))。
【0004】また、酸化物超伝導デバイス(文献(2) お
よび(3) を参照) は当然のことながら、酸化物非線形光
学素子などの応用についても同様に、近年多くの研究開
発が行われていることは、周知の通りである。
【0005】さて、強誘電体不揮発性メモリ(以下「F
eRAM」という)には、大きく分けて、メモリセルが
1個の電界効果トランジスタ(FET)と1個のキャパ
シタとからなるもの(以下「1トランジスタ1キャパシ
タ型FeRAM」という)とメモリセルがFETからな
るもの(以下「FET型FeRAM」という)との二種
類がある。1トランジスタ1キャパシタ型FeRAMの
例を図16に示す。また、FET型FeRAMの例を図
17、図18および図19に示す。
【0006】図16に示す1トランジスタ1キャパシタ
型FeRAMにおいては、シリコン(Si)基板101
上にゲート絶縁膜102を介してゲート電極103が設
けられている。ゲート電極103の両側の部分における
Si基板101中にはソース領域104およびドレイン
領域105が設けられている。これらのゲート電極10
3、ソース領域104およびドレイン領域105により
MIS(Metal-Insulator-Metal)FETが形成されてい
る。符号106は層間絶縁膜を示す。このMISFET
に隣接する部分における層間絶縁膜106上に金属薄膜
からなる下部電極107、強誘電体薄膜108および金
属薄膜からなる上部電極109が順次積層されている。
これらの下部電極107、強誘電体薄膜108および上
部電極109によりMFM(Metal-Ferroelectric-Meta
l)構造のキャパシタが形成されている。ここで、このキ
ャパシタの下部電極107は、MISFETのドレイン
領域105と電気的に接続されている。
【0007】なお、この1トランジスタ1キャパシタ型
FeRAMは、MISFETとキャパシタとを平面的に
並列配置した、いわゆるプレーナ型のものであるが、こ
のほかに、後述のような、ドレイン領域から直接プラグ
を介してMISFET部付近の上方にキャパシタを配置
した、いわゆるスタック型のものも知られている。
【0008】一方、図17に示すFET型FeRAMに
おいては、Si基板201上に強誘電体薄膜202およ
び金属薄膜203が順次積層され、MFS(Metal-Ferr
oelectric-Semiconductor)構造が形成されている。金属
薄膜203の両側の部分におけるSi基板201中には
ソース領域204およびドレイン領域205が設けられ
ている。
【0009】また、図18に示すFET型FeRAMに
おいては、Si基板301上に絶縁膜302、強誘電体
薄膜303および金属薄膜304が順次積層され、MF
IS(Metal-Ferroelectric-Insulator-Semiconductor)
構造が形成されている。金属薄膜304の両側の部分に
おけるSi基板301中にはソース領域305およびド
レイン領域306が設けられている。
【0010】さらに、図19に示すFET型FeRAM
においては、Si基板401上に絶縁膜402、金属薄
膜403、強誘電体薄膜404および金属薄膜405が
順次積層され、MFMIS(Metal-Ferroelectric-Meta
l-Insulator-Semiconductor)構造が形成されている。金
属薄膜405の両側の部分におけるSi基板401中に
はソース領域406およびドレイン領域407が設けら
れている。
【0011】ここで、図16および図19において点線
で示したMFMIS構造は、図16に示す1トランジス
タ1キャパシタ型FeRAMと図19に示すFET型F
eRAMとに共通する部分であり、この基本的積層構造
については、各種の文献でその最適化材料設計や有効性
が述べられている(例えば、(15)特開平8−33054
0号公報、(16)特開平8−335672号公報、(17)特
開平8−340087号公報、(18)特願平8−3361
58号)、(19)J. Ceram. Soc. Japan, Int. Edition,1
03,1088-1099(1995)、(20)Mater. Sci. Eng. B.,41,166
-173(1996)) 。
【0012】さて、FET型FeRAMにおいては、歴
史的には、図17に示すMFS構造から図18に示すM
FIS構造へ移行したが、それは、図17に示すMFS
構造ではSi基板201上に強誘電体薄膜202を直接
成長させた場合には良好な界面を形成することが難しい
のに対し、図18に示すMFIS構造ではSi基板30
1上に絶縁膜302を介して強誘電体薄膜303を成長
させることにより良好な界面を形成することができるか
らである。さらに、図18に示すMFIS構造から図1
9に示すMFMIS構造への移行は、主として、図18
に示すMFIS構造では強誘電体薄膜303からSi基
板301のチャネル部への元素の拡散の問題があるから
であるが(文献(4) 〜(14)参照)、この拡散の問題がな
ければ、図18に示すMFIS構造がFET型FeRA
Mにおいて現在最も理想的と考えられる。
【0013】一方、1トランジスタ1キャパシタ型Fe
RAMにおいては、メモリセルの高密度化に伴って、プ
レーナ型からスタック型への移行が考えられる。図20
および図21にそれぞれ典型的なプレーナ型およびスタ
ック型の1トランジスタ1キャパシタ型FeRAMを示
す。
【0014】図20に示すプレーナ型の1トランジスタ
1キャパシタ型FeRAMにおいては、n型Si基板5
01中にpウエル502が設けられている。pウエル5
02の表面にはSiO2 膜からなるフィールド絶縁膜5
03が選択的に設けられ、これによって素子間分離が行
われている。フィールド絶縁膜503で囲まれた部分に
おけるpウエル502の表面にはSiO2 膜からなるゲ
ート絶縁膜504が設けられている。ゲート絶縁膜50
4上に、不純物がドープされた多結晶Si膜からなるゲ
ート電極505が設けられている。ゲート電極505の
両側の部分におけるpウエル502中にはn+ 型のソー
ス領域506およびドレイン領域507が設けられてい
る。ゲート電極505、ソース領域506およびドレイ
ン領域507によりnチャネルMISFETが形成され
ている。符号508はSiO2 膜からなる層間絶縁膜を
示す。フィールド絶縁膜503の上方の部分における層
間絶縁膜508上には白金(Pt)薄膜からなる下部電
極509、強誘電体薄膜510およびPt薄膜からなる
上部電極511が順次積層されている。下部電極50
9、強誘電体薄膜510および上部電極511によりキ
ャパシタが形成されている。これらのnチャネルMIS
FETおよびキャパシタはSiO2 膜からなる層間絶縁
膜512により覆われている。nチャネルMISFET
のドレイン領域507の上側の部分におけるゲート絶縁
膜504、層間絶縁膜508および層間絶縁膜512に
はコンタクトホール513が設けられている。このコン
タクトホール513の部分におけるドレイン領域507
上には不純物がドープされた多結晶Siまたはタングス
テン(W)からなるプラグ514が設けられている。こ
のプラグ514は、上部電極511の上側の部分におけ
る層間絶縁膜512に設けられたコンタクトホール51
5を介して金属配線516により上部電極511と接続
されている。下部電極509の一端部の上側の部分にお
ける層間絶縁膜512にはコンタクトホール517が設
けられ、このコンタクトホール517を通じて金属配線
518が下部電極509と接続されている。
【0015】一方、図21に示すスタック型の1トラン
ジスタ1キャパシタ型FeRAMにおいては、図20に
示すプレーナ型の1トランジスタ1キャパシタ型FeR
AMと同様に、n型Si基板601中に設けられたpウ
エル602の表面にフィールド絶縁膜603が選択的に
設けられて素子間分離が行われているとともに、このフ
ィールド絶縁膜603で囲まれた部分におけるpウエル
602にゲート絶縁膜604、ゲート電極605、ソー
ス領域606およびドレイン領域607からなるnチャ
ネルMISFETが形成されている。符号608はSi
2 膜からなる層間絶縁膜を示す。nチャネルMISF
ETのドレイン領域607の上側の部分におけるゲート
絶縁膜604および層間絶縁膜608にはコンタクトホ
ール609が設けられている。このコンタクトホール6
09の部分におけるドレイン領域607上には、不純物
がドープされた多結晶または単結晶のSiからなるプラ
グ610が設けられている。このプラグ610の上に、
不純物がドープされた多結晶または単結晶のSi膜61
1およびバリアメタルからなるバッファ層612を介し
て、Pt薄膜からなる下部電極613、強誘電体薄膜6
14およびPt薄膜からなる上部電極615が順次積層
されている。下部電極613、強誘電体薄膜614およ
び上部電極615によりキャパシタが形成されている。
【0016】図21および図22にそれぞれ示すプレー
ナ型およびスタック型の1トランジスタ1キャパシタ型
FeRAMの構造的な相違点の一つに、プラグ514、
610と下部電極509、613および上部電極51
1、615との配置がある。具体的には、図20に示す
プレーナ型の1トランジスタ1キャパシタ型FeRAM
においては、nチャネルMISFETのドレイン領域5
07とキャパシタの上部電極511との接続に金属配線
516が必要であるが、図21に示すスタック型の1ト
ランジスタ1キャパシタ型FeRAMにおいては、不純
物がドープされた多結晶Siからなるプラグ610によ
りnチャネルMISFETのドレイン領域607とキャ
パシタの下部電極613とを直接接続している。したが
って、図21に示すスタック型の1トランジスタ1キャ
パシタ型FeRAMにおけるキャパシタは、不純物がド
ープされたSiからなるプラグ610および不純物がド
ープされたSi膜611が金属であると考えると、単純
なMFM構造と考えることが可能である。しかしなが
ら、この場合、M部と考えている、不純物がドープされ
たSi膜611と下部電極613とを直接接触させる
と、Siの拡散の問題が生じる。したがって、FET型
FeRAMと同様に、この場合も、上述のように、良質
なバッファ層612がどうしても要望される。この結
果、スタック型の1トランジスタ1キャパシタ型FeR
AMにおいては、不純物がドープされたSiをM部とす
る良質のMFIM構造が要望されることになる。
【0017】しかしながら、これまで、この非常に重要
であるSi上の良好なバッファ層は見い出されていな
い。一般にSiと格子整合する材料としては、酸化マグ
ネシウム(MgO)、酸化セリウム(CeO2 )、α型
アルミナ(a−Al2 3 )、イットリウム安定化ジル
コニウム(YSZ)およびマグネシウム・アルミニウム
・スピネル(MgAl2 4 )が知られている。この中
で、拡散による問題やその上へのペロブスカイト型酸化
物のエピタキシャル成長の可能性が高いのがCeO2
MgAl2 4 である。ところが、この両者には一長一
短がある。図22に両者の格子定数の温度依存性を示
す。
【0018】図22から、格子整合の観点からは断然、
CeO2 の方がバッファ層の材料として有利であること
がわかる。しかしながら、格子整合した場合の結晶学的
積層構造に関しては、図23および図24に示すよう
に、MgAl2 4 では、その上へのペロブスカイト型
酸化物の成長が非常に容易であるが、CeO2 に関して
は大きな技術上の壁が存在していた。
【0019】すなわち、従来は、Si(100)上でも
CeO2 (100)はエピタキシャル成長せず、CeO
2 (110)がエピタキシャル成長すると多くの論文で
報告されている。これらの論文のうちCeO2 に関係す
るもののほとんどが、CeO2 (110)/Si(10
0)構造しか得られないという結果を示している。
【0020】しかしながら、本発明者は、CeO2 (1
00)/Si(100)の高配向膜をMOCVD(有機
金属化学気相成長)法で作製することに成功した。その
結果を図25のX線回折パターンに示す。図25におい
て、わずかに他の結晶面からの回折が認められるが、
(100)配向が非常に強いことが理解される。この研
究内容については、すでに報告されている((21)3rd TI
T International Symposium on Oxide Electronics(Yok
ohama,Dec.18-20,1996) 、(22)特願平8−337241
号)。
【0021】したがって、本発明者の知見によれば、C
eO2 (100)/Si(100)の実現に技術的な障
害はほとんど存在しないと言える。この結果、図26に
示すように、CeO2 (100)上にペロブスカイト型
のABO3 (100)を結晶学的に完全にエピタキシャ
ル成長させることが可能となった。
【0022】このような背景から、特願平8−3361
58号において本発明者が提案したCeO2 (100)
/Si(100)構造およびその製造方法が重要にな
る。この技術は、図18に示すMFIS構造のFET型
FeRAMや図21に示すスタック型の1トランジスタ
1キャパシタ型FeRAMなどにおいて、十分に活かさ
れるはずである。
【0023】次に、上部電極についてであるが、一般に
は強誘電体に対する電極としてPt電極が知られている
(例えば、(23)J. Appl. Phys.,70,382-388(1991))。こ
のPt電極を用いたFeRAMの代表例に、PZT薄膜
を一対のPt電極間にはさんだ構造を有するFeRAM
があるが、Pt電極のはがれが起きやすかったり、経時
変化を示すいわゆるファティーグ特性が悪いものが多か
った。これは、Pt電極との界面の近傍におけるPZT
薄膜の酸素欠損や、PZTの自発分極値が大きいこと、
すなわち格子変位量が大きいことに由来する結合力の疲
労などの因子が複雑に絡んで起こるものと考えられてい
る(例えば、(24)J. Appl. Phys.,70,382-388(1991))。
【0024】最近、上述のファティーグ特性を改善する
ために、ビスマス(Bi)系層状強誘電性酸化物薄膜を
強誘電体薄膜に用いたFeRAMが提案されている(例
えば、(25)国際公開番号WO93/12538、(26)国
際公開番号WO93/12542)。
【0025】しかしながら、このBi系層状強誘電体材
料は、強誘電体で最も重要な自発分極値を大きくするこ
とができない(例えば、PZTでは40μC/cm2
上の自発分極値を容易に得ることができるが、Bi系層
状強誘電体では15μC/cm2 程度の自発分極値しか
得ることができない)とか、層状物質であることにより
異方性が大きく、デバイス設計において難しい問題を残
す可能性が高いなどの問題がある。このため、既存のP
ZTを使いこなす方向での研究開発がなされている。そ
の一つが、導電性酸化物からなる電極の使用である。
【0026】すなわち、例えば、FeRAM用の電極と
して、SrRuO3 電極に関して多くの研究がなされて
いる((27)Science,258,1766-1769(1992) 、(28)Mater.
Res. Soc. Symp. Proc.,310,145-150(1993)、(29)App
l. Phys. Lett.,63,2570-2572(1993)、(30)Mater. Res.
Soc. Symp. Proc., 341,229-240 (1993)、(31)E6.8,MR
S Fall Meeting at Boston (Nov.28,1995)、(32)Appl.
Phys. Lett., 66, 2197-2199 (1995))。
【0027】また、同じくFeRAM用の電極として、
LaSrCoO3 電極についても多くの研究がなされて
いる((33)Appl. Phys. Lett.,63,3592-3594(1993)、(3
4)Appl. Phys. Lett.,64,1588-1590(1994)、(35)Appl.
Phys. Lett.,64,2511-2513(1994)、(36)Appl. Phys. Le
tt.,66,1337-1339(1995)) 。
【0028】さらに、同じくFeRAM用の電極とし
て、YBCO相やLSCO相などの超伝導酸化物電極に
ついても多くの研究がなされている((37)Science,252,
944-946(1991) 、(38)Appl. Phys. Lett.,61,1537-1539
(1992)、(39)Appl. Phys. Lett.,63,27-29(1993)、(40)
Appl. Phys. Lett.,63,30-32(1993)、(41)J. Am. Cera
m. Soc.,76,3141-3143(1993) 、(42)Appl. Phys. Let
t.,64,1050-1052(1994)、(43)Appl. Phys. Lett.,64,36
46-3648(1994)、(44)Appl. Phys. Lett.,66,2493-2495
(1995)、(45)Appl. Phys. Lett.,64,3181-3183(1994)、
(46)Appl. Phys. Lett.,66,2069-2071(1995)、(47)App
l. Phys. Lett.,67,554-556(1995)、(48)J. Appl. Phy
s.,77,6466-6471(1995) 、(49)J. Appl. Phys.,78,4591
-4595(1995) 、(50)5th Int. Supercond. Ele.Conf./IS
EC'95(Sept.18-21,Nagoya,Japan)(1995)pp.246-248、(5
1)Jpn. J. Appl. Phys.,33,5182-5186(1994)、(52)Phys
ica C,235-240,739-740(1994) 、(53)Appl. Phys. Let
t.,66,299-301(1995)、(54)Appl. Phys. Lett.,66,1172
-1174(1995)、(55)Appl. Phys. Lett.,67,58-60(1995))
【0029】特に、電極材料として、強誘電体層と同じ
ペロブスカイト関連構造を有する導電性酸化物を使用す
れば、残留分極値の向上(例えば、(56)Mater. Res. So
c. Symp. Proc.,401,139-149(1996)) だけでなく、ファ
ティーグ特性の回復および向上も図ることができること
が報告されている(例えば、(57)Jpn. J. Appl. Phys.,
33,5207(1994))。
【0030】しかしながら、上述のFeRAMや酸化物
超伝導デバイス、さらにはLiNbO3 、LiTa
3 、KTa1-x Nbx 3 などを用いた酸化物光学素
子などのこれまでの研究開発(例えば、(58)Mater. Re
s. Soc. Symp. Proc.,341,253(1994)、(59)Mater. Res.
Soc. Symp. Proc.,341,265(1994))では、それらの基
板に関する考察がほとんどなされておらず、問題があっ
た。実際、例えば従来のFeRAMにおいては、Si基
板上に成膜されたホウ素リンシリケートガラス(BPS
G)膜上に下部電極層を成膜し、その上に強誘電体層を
成膜しているが、この方法では、下部電極層が多結晶と
なり、したがってその上に成膜される強誘電体層も多結
晶となるため、この強誘電体層の結晶粒の高密度化に伴
う、いわゆるサイズ効果、すなわち分極値の低下などを
引き起こすことが懸念される。さらに、酸化物光学素子
は、これまではほとんど単体のものであり、シリコン基
板上に成長された膜を用いたものに関しては、ほとんど
知られていないのが現状である。
【0031】このような背景の下に、本発明者は先に、
Si基板上に酸化物薄膜を積層させた酸化物積層構造お
よびこれを用いたFeRAMについて提案した(文献(1
5)〜(20)) 。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者の知見によれば、これまでに提案されたFeRAM、
さらには、酸化物超伝導デバイスなどの電子素子や、酸
化物光変調素子などの酸化物光学素子は、その構造の最
適化に関しては、まだ十分とは言えない状況にある。
【0033】特に、これらのデバイスの構築のために
は、Si基板に格子整合した膜、より好適にはエピタキ
シャル膜によりデバイスを構成するのが最もよいが、そ
のためには、通常、原子層成長法による成長法が用いら
れる。その最有力候補が、分子線エピタキシー(MB
E)法、反応性蒸着法あるいはレーザアブレーション法
(これはパルスレーザデポジション法またはレーザMB
E法と呼ばれることもある)である。
【0034】したがって、この発明の目的は、強誘電体
不揮発性メモリのほか、酸化物超伝導デバイスなどの電
子素子や、酸化物光変調素子などの酸化物光学素子を最
適構造で実現することができる酸化物積層構造およびそ
のような酸化物積層構造を容易に製造することができる
酸化物積層構造の製造方法を提供することにある。
【0035】この発明の他の目的は、最適構造で実現す
ることができる強誘電体不揮発性メモリを提供すること
にある。
【0036】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成すべく、強誘電体不揮発性メモリ、酸化物超伝導デ
バイスなどの酸化物電子素子や酸化物光変調素子などの
酸化物光学素子の実現に最適な材料系などについて詳細
な検討を行った。以下にその概要を述べる。
【0037】まず、基板としては、半導体メモリの基本
的材料であり、また、安価かつ入手容易で結晶性にも優
れた単結晶のシリコン基板が選択される。
【0038】次に、バッファ層の酸化物材料としては、
蛍石型結晶構造を有する酸化セリウム(CeO2 )が選
択される。これは次のような理由による。すなわち、強
誘電性酸化物薄膜をシリコン基板上に直接エピタキシャ
ル成長させることは一般には難しい。そこで、シリコン
基板上にまず、このシリコン基板と格子整合する材料か
らなるバッファ層をエピタキシャル成長させ、その上に
このバッファ層と格子整合する強誘電性酸化物薄膜をエ
ピタキシャル成長させることを考えなくてはならない。
したがって、ここで使われるバッファ層は、その上に導
電性酸化物薄膜をエピタキシャル成長させることができ
るものである必要がある。このような構造を構築するに
は、最低でもバッファー層として酸化物からなるものが
好ましい。これらの条件を満たす酸化物として、酸化セ
リウム(CeO2 )と、マグネシウム・アルミニウム・
スピネル(MgAl2 4 )との二種類が挙げられる
が、すでに述べた通り、後者は拡散によってシリコンと
の界面を劣化させるので、FET型FeRAMには不向
きであると推察できる。また、図22に示したCeO2
の格子定数の温度依存性から、CeO2 がバッファ層の
材料として最も優れているという結論が得られる。ま
た、成膜の観点からも、CeO2 は金属元素が一種であ
ることから、二種類の金属元素を用いるMgAl2 4
に比べて現実的に容易かつ有利であることが明らかであ
る。
【0039】次に、CeO2 からなるバッファ層上に積
層される強誘電性酸化物薄膜材料に関しては、格子定数
がCeO2 の格子定数に近いこと、ペロブスカイト関連
結晶構造を有していること、誘電率が高い、あるいは強
誘電性に優れていること、そして、現実的な問題ではあ
るが、下地であるCeO2 からなるバッファ層との間で
拡散の問題が生じないこと、の四点を満足する必要があ
る。これに関しては、多くのペロブスカイト型誘電性酸
化物ABO3 がこれらの諸条件を満足し得ると考えられ
る。このことは上述の通りである。
【0040】特に、シリコン上に基本結晶学的積層配置
ABO3 (001)/CeO2 (100)/Si(10
0)を実現し得ることは、後述するいくつかの種類のF
eRAMに十分適合するものであるだけでなく、これに
よって、多くの利点が得られる。
【0041】さらに、ABO3 (001)/CeO
2 (100)の界面を良好なものにすることが、電気的
に問題となるトラップを生じさせないためにも必要であ
るという観点から、これらの界面に、第2のバッファ層
として、同じペロブスカイト型結晶構造を有し、しかも
BサイトがCeで占められている物質、すなわちRCe
3 (R=Ba,Sr,Ca,Pb,Mg,Bi,L
i,Ag,Na,K,Y,Ln)を形成すれば、良好な
界面を形成することができるはずである。これは格子整
合の観点からも元素拡散の観点からも支持される材料設
計である。このようなより改善されたSi上の基本結晶
学的積層配置はABO3 (001)/RCeO 3 (00
1)/CeO2 (100)/Si(100)となる。こ
の積層配置は、CeO2 からなるバッファ層の最表面に
最初に堆積させる元素をR原子とすることにより実現す
ることができる。その際、あまりR原子のみを堆積させ
すぎないことが肝要であり、また、適度な基板温度ある
いは熱処理温度により、Ce原子の拡散を促進させるこ
とも重要である。
【0042】この発明は、本発明者による上記考察に基
づいて、案出されたものである。
【0043】すなわち、上記目的を達成するために、こ
の発明の第1の発明による酸化物積層構造は、シリコン
基板と、シリコン基板上の、酸化セリウムからなり、か
つ、(100)面方位を有するバッファ層と、バッファ
層上の、ペロブスカイト型結晶構造、イルメナイト型結
晶構造またはGdFeO3 型結晶構造を有する(Ba,
Sr,Ca,Pb,Mg,Bi,Li,Ag,Na,
K,Y,Ln)(Ti,Zr,Hf,Sn,Th,C
e,Ru,Rh,Ir,Cu,Ga,Al,Nb,T
a,Sb,Bi,Pb,W,V)O3(ただし、Ba+
Sr+Ca+Pb+Mg+Bi+Li+Ag+Na+K
+Y+Ln=1、Ti+Zr+Hf+Sn+Th+Ce
+Ru+Rh+Ir+Cu+Ga+Al+Nb+Ta+
Sb+Bi+Pb+W+V=1)からなる強誘電性酸化
物薄膜とを有することを特徴とするものである。
【0044】この発明の第1の発明において、好適に
は、バッファ層と強誘電性酸化物薄膜との間に(Ba,
Sr,Ca,Pb,Mg,Bi,Li,Ag,Na,
K,Y,Ln)CeO3 (ただし、Ba+Sr+Ca+
Pb+Mg+Bi+Li+Ag+Na+K+Y+Ln=
1)または(Ba,Sr,Ca,Pb,Mg)CeO3
((ただし、Ba+Sr+Ca+Pb+Mg=1)から
なるもう一つのバッファ層が存在する。
【0045】この発明の第2の発明による酸化物積層構
造の製造方法は、シリコン基板上に、酸化セリウムから
なり、かつ、(100)面方位を有する第1のバッファ
層を成長させる工程と、第1のバッファ層上に、ペロブ
スカイト型結晶構造、イルメナイト型結晶構造またはG
dFeO3 型結晶構造を有する(Ba,Sr,Ca,P
b,Mg,Bi,Li,Ag,Na,K,Y,Ln)C
eO3 (ただし、Ba+Sr+Ca+Pb+Mg+Bi
+Li+Ag+Na+K+Y+Ln=1)からなる第2
のバッファ層を成長させる工程と、第2のバッファ層上
に、ペロブスカイト型結晶構造、イルメナイト型結晶構
造またはGdFeO3 型結晶構造を有する(Ba,S
r,Ca,Pb,Mg,Bi,Li,Ag,Na,K,
Y,Ln)(Ti,Zr,Hf,Sn,Th,Ce,R
u,Rh,Ir,Cu,Ga,Al,Nb,Ta,S
b,Bi,Pb,W,V)O3 (ただし、Ba+Sr+
Ca+Pb+Mg+Bi+Li+Ag+Na+K+Y+
Ln=1、Ti+Zr+Hf+Sn+Th+Ce+Ru
+Rh+Ir+Cu+Ga+Al+Nb+Ta+Sb+
Bi+Pb+W+V=1)からなる強誘電性酸化物薄膜
を成長させる工程とを有することを特徴とするものであ
る。
【0046】この発明の第3の発明による酸化物積層構
造の製造方法は、シリコン基板上に、酸化セリウムから
なり、かつ、(100)面方位を有する第1のバッファ
層を成長させる工程と、第1のバッファ層上に、ペロブ
スカイト型結晶構造、イルメナイト型結晶構造またはG
dFeO3 型結晶構造を有する(Ba,Sr,Ca,P
b,Mg,Bi,Li,Ag,Na,K,Y,Ln)
(Ti,Zr,Hf,Sn,Th,Ce,Ru,Rh,
Ir,Cu,Ga,Al,Nb,Ta,Sb,Bi,P
b,W,V)O3 (ただし、Ba+Sr+Ca+Pb+
Mg+Bi+Li+Ag+Na+K+Y+Ln=1、T
i+Zr+Hf+Sn+Th+Ce+Ru+Rh+Ir
+Cu+Ga+Al+Nb+Ta+Sb+Bi+Pb+
W+V=1)からなる強誘電性酸化物薄膜を成長させる
とともに、バッファ層と強誘電性酸化物薄膜との間にバ
ッファ層および強誘電性酸化物薄膜からの構成元素の拡
散により(Ba,Sr,Ca,Pb,Mg)CeO
3 (ただし、Ba+Sr+Ca+Pb+Mg=1)から
なる第2のバッファ層を成長させる工程とを有すること
を特徴とするものである。
【0047】この発明の第4の発明は、電界効果トラン
ジスタからなるメモリセルを有する強誘電体不揮発性メ
モリにおいて、シリコン基板と、シリコン基板上の、酸
化セリウムからなり、かつ、(100)面方位を有する
バッファ層と、バッファ層上の、ペロブスカイト型結晶
構造、イルメナイト型結晶構造またはGdFeO3 型結
晶構造を有する(Ba,Sr,Ca,Pb,Mg,B
i,Li,Ag,Na,K,Y,Ln)(Ti,Zr,
Hf,Sn,Th,Ce,Ru,Rh,Ir,Cu,G
a,Al,Nb,Ta,Sb,Bi,Pb,W,V)O
3(ただし、Ba+Sr+Ca+Pb+Mg+Bi+L
i+Ag+Na+K+Y+Ln=1、Ti+Zr+Hf
+Sn+Th+Ce+Ru+Rh+Ir+Cu+Ga+
Al+Nb+Ta+Sb+Bi+Pb+W+V=1)か
らなる強誘電性酸化物薄膜と、上記強誘電性酸化物薄膜
上の電極とを有することを特徴とするものである。
【0048】この発明の第5の発明は、1個の電界効果
トランジスタと1個のキャパシタとからなるメモリセル
をシリコン基板上に有する強誘電体不揮発性メモリにお
いて、キャパシタが、強誘電性酸化物薄膜とこの強誘電
性酸化物薄膜上に互いに分離して設けられた第1の電極
および第2の電極とからなることを特徴とするものであ
る。
【0049】この発明の第6の発明は、1個の電界効果
トランジスタと1個のキャパシタとからなるメモリセル
をシリコン基板上に有する強誘電体不揮発性メモリにお
いて、キャパシタが、シリコン基板と、シリコン基板上
に、酸化セリウムからなり、かつ、(100)面方位を
有するバッファ層を介して積層された、ペロブスカイト
型結晶構造、イルメナイト型結晶構造またはGdFeO
3 型結晶構造を有する(Ba,Sr,Ca,Pb,M
g,Bi,Li,Ag,Na,K,Y,Ln)(Ti,
Zr,Hf,Sn,Th,Ce,Ru,Rh,Ir,C
u,Ga,Al,Nb,Ta,Sb,Bi,Pb,W,
V)O3 (ただし、Ba+Sr+Ca+Pb+Mg+B
i+Li+Ag+Na+K+Y+Ln=1、Ti+Zr
+Hf+Sn+Th+Ce+Ru+Rh+Ir+Cu+
Ga+Al+Nb+Ta+Sb+Bi+Pb+W+V=
1)からなる強誘電性酸化物薄膜と、強誘電性酸化物薄
膜上に互いに分離して設けられた第1の電極および第2
の電極とからなることを特徴とするものである。
【0050】この発明の第7の発明は、1個の電界効果
トランジスタと1個のキャパシタとからなるメモリセル
をシリコン基板上に有する強誘電体不揮発性メモリにお
いて、電界効果トランジスタのドレイン領域上に設けら
れた単結晶シリコンからなるプラグ上に、酸化セリウム
からなり、かつ、(100)面方位を有するバッファ層
を介して積層された、ペロブスカイト型結晶構造、イル
メナイト型結晶構造またはGdFeO3 型結晶構造を有
する(Ba,Sr,Ca,Pb,Mg,Bi,Li,A
g,Na,K,Y,Ln)(Ti,Zr,Hf,Sn,
Th,Ce,Ru,Rh,Ir,Cu,Ga,Al,N
b,Ta,Sb,Bi,Pb,W,V)O3 (ただし、
Ba+Sr+Ca+Pb+Mg+Bi+Li+Ag+N
a+K+Y+Ln=1、Ti+Zr+Hf+Sn+Th
+Ce+Ru+Rh+Ir+Cu+Ga+Al+Nb+
Ta+Sb+Bi+Pb+W+V=1)からなる強誘電
性酸化物薄膜と、強誘電性酸化物薄膜上に互いに分離し
て設けられた第1の電極および第2の電極とからなるこ
とを特徴とするものである。
【0051】この発明の第8の発明は、1個の電界効果
トランジスタと1個のキャパシタとからなるメモリセル
をシリコン基板上に有する強誘電体不揮発性メモリにお
いて、キャパシタが、電界効果トランジスタ上に、酸化
セリウムからなり、かつ、(100)面方位を有するバ
ッファ層を介して積層された、ペロブスカイト型結晶構
造、イルメナイト型結晶構造またはGdFeO3 型結晶
構造を有する(Ba,Sr,Ca,Pb,Mg,Bi,
Li,Ag,Na,K,Y,Ln)(Ti,Zr,H
f,Sn,Th,Ce,Ru,Rh,Ir,Cu,G
a,Al,Nb,Ta,Sb,Bi,Pb,W,V)O
3 (ただし、Ba+Sr+Ca+Pb+Mg+Bi+L
i+Ag+Na+K+Y+Ln=1、Ti+Zr+Hf
+Sn+Th+Ce+Ru+Rh+Ir+Cu+Ga+
Al+Nb+Ta+Sb+Bi+Pb+W+V=1)か
らなる強誘電性酸化物薄膜と、強誘電性酸化物薄膜上に
互いに分離して設けられた第1の電極および第2の電極
とからなることを特徴とするものである。
【0052】この発明において、好適には、シリコン基
板上に直接積層されるバッファ層はシリコン基板とほぼ
格子整合し、強誘電性酸化物薄膜はバッファ層とほぼ格
子整合している。これらのバッファ層および強誘電性酸
化物薄膜は、好適には、シリコン基板上にエピタキシャ
ル成長されたものである。また、好適には、シリコン基
板は(100)面方位を有し、バッファ層は(100)
面方位を有し、強誘電性酸化物薄膜は(001)面方位
を有する。シリコン基板とバッファ層との間には厚さが
20nm以下、典型的には厚さが数nm〜十数nmのア
モルファス層が存在することもある。
【0053】この発明において、バッファ層と強誘電性
酸化物薄膜との間に(Ba,Sr,Ca,Pb,Mg,
Bi,Li,Ag,Na,K,Y,Ln)CeO3 また
は(Ba,Sr,Ca,Pb,Mg)CeO3 からなる
もう一つのバッファ層が存在する場合、シリコン基板上
に直接積層されるバッファ層はシリコン基板とほぼ格子
整合し、もう一つのバッファ層はそのバッファ層と格子
整合し、強誘電性酸化物薄膜はもう一つのバッファ層と
ほぼ格子整合している。また、好適には、これらのバッ
ファ層、もう一つのバッファ層および強誘電性酸化物薄
膜はシリコン基板上にエピタキシャル成長されたもので
ある。また、典型的には、シリコン基板は(100)面
方位を有し、バッファ層は(100)面方位を有し、も
う一つのバッファ層は(001)面方位を有し、強誘電
性酸化物薄膜は(001)面方位を有する。
【0054】この発明において、典型的には、強誘電性
酸化物薄膜上に金属薄膜または導電性酸化物薄膜が電極
として設けられている。この場合、電極を構成する金属
薄膜または導電性酸化物薄膜はエピタキシャル成長され
たものである。
【0055】この発明において、強誘電性酸化物薄膜は
二種類以上の強誘電性酸化物薄膜からなる強誘電性酸化
物超格子であってもよいし、二種類以上の強誘電性酸化
物薄膜の積層構造を有するものであってもよい。
【0056】この発明においては、必要に応じて、バッ
ファ層とシリコン基板および/または強誘電性酸化物薄
膜との格子整合やバッファ層中の酸素量の調整などの目
的でバッファ層に微量のZrO2 を固溶させてもよい。
【0057】ここで、上述の記述における( ,・・
・, )は、括弧内に列挙された複数の元素からなる群
より選ばれた一種類の元素または括弧内に列挙された複
数の元素からなる群より選ばれた二種類以上の元素を固
溶させたものを意味する。後者のように二種類以上の元
素を固溶させる場合、これらの元素の組成比の合計は1
である。例えば、(Ba,Sr,Ca,Pb,Mg)
は、Ba,Sr,Ca,Pb,Mgからなる群より選ば
れた一種類の元素またはBa,Sr,Ca,Pb,Mg
からなる群より選ばれた二種類以上の元素を固溶させた
ものを意味し、後者の場合、Ba,Sr,Ca,Pb,
Mgの組成比の合計は1であり、これをBa+Sr+C
a+Pb+Mg=1と略記した。
【0058】次に、この発明における強誘電体不揮発性
メモリの電極の材料について説明する。すでに述べたよ
うに、従来は、白金電極が多用されてきたが、加工性に
問題があるため、酸化物電極が好ましい。この酸化物電
極の材料については、ペロブスカイト型結晶構造を有す
る酸化物には多くの導電性酸化物群があり、これら全て
がその候補と言える。これらの導電性酸化物のうち、一
般式ABO3 で表される単純ペロブスカイト型酸化物の
具体例を挙げると、下記の通りである。
【0059】
【化1】
【0060】
【化2】
【0061】
【化3】
【0062】
【化4】
【0063】
【化5】
【0064】
【化6】
【0065】
【化7】
【0066】また、導電性酸化物のうち層状ペロブスカ
イト型酸化物としては、
【0067】
【化8】
【0068】が挙げられる。その具体例をいくつか挙げ
ると、SrRuO3 、SrIrO3 、Sr2 RuO4
Sr2 IrO4 などである。
【0069】層状ペロブスカイト型酸化物としては、こ
れらのほかに例えばBa2 RuO4などもある。
【0070】電極材料としては、上に挙げたもののほか
に、いわゆる高温超伝導酸化物も候補と考えられる。そ
の具体例をいくつか挙げると、下記の通りである。
【0071】
【化9】
【0072】
【化10】
【0073】
【化11】
【0074】
【化12】
【0075】
【化13】
【0076】このように、電極材料としては実に多くの
候補があるが、このうち特に興味深いのは、その非拡散
性によるSr−Ru(Ir)−O系および超伝導酸化物
群である。前者では、SrRuO3 、Sr2 RuO4
SrIrO3 、Sr2 IrO4 などがそのペロブスカイ
ト型結晶構造のコヒーレンシーを維持し、拡散も少ない
ことから最良の電極材料の一つである。後者の超伝導酸
化物を電極として使用した場合、動作温度が超伝導転移
温度以下であればサイズ効果を少なくし得るという報告
もあり、今後に期待がもてる材料である((60)Phys. So
lid State,36,1778-1781(1994)) 。
【0077】特に、(Nd1-x Cex 2 CuO4-d
すなわちいわゆるT´相は、本発明者らによって、Nd
2 CuO4 からなる母体材料へのCe固溶と酸素欠陥と
の導入により超伝導になることが発見された物質でもあ
り(例えば、(61)特開平02−212302号公報、(6
2)第44回日本物理学会年会(平塚市)、1989年3
月31日、31a−PS−101)、このような高真空
を要するデバイスプロセスには好適な材料系である。
【0078】上述のように構成された、この発明による
酸化物積層構造によれば、バッファ層、必要に応じても
う第2のバッファ層および強誘電性酸化物薄膜の全てを
シリコン基板とほぼ格子整合させることができる。この
場合、第2のバッファ層は、第1のバッファ層と強誘電
性酸化物薄膜との結晶学的コヒーレンシーを維持しつ
つ、結晶欠陥をなくすことにより、電気的なトラップを
消滅させる働きがある。さらに、強誘電性酸化物薄膜上
に導電性酸化物薄膜を電極として積層する場合、この導
電性酸化物薄膜の強誘電性酸化物薄膜に対する密着性及
び結晶学的コヒーレンシーは良好であるので、はがれの
問題や、空間電荷層などに由来すると考えられている疲
労(ファティーグ)の問題はない。このことは、強誘電
体不揮発性メモリだけでなく、シリコン上へ構築される
超伝導デバイスや光学デバイスなどにも同様に言える。
【0079】上述のように構成された、この発明による
酸化物積層構造の製造方法によれば、バッファ層、必要
に応じてもう第2のバッファ層および強誘電性酸化物薄
膜の全てがシリコン基板とほぼ格子整合した上述のよう
な酸化物積層構造を製造することができる。この場合、
強誘電性酸化物薄膜の成長時の熱処理プロセスを利用す
ることにより、第2のバッファ層を元素拡散により強誘
電性酸化物薄膜の成長と同時に成長させることができ
る。
【0080】上述のように構成された、この発明による
強誘電体不揮発性メモリによれば、上述のような最適化
された酸化物積層構造をゲートおよびチャネル部または
キャパシタ部に利用することにより、最適な構造で強誘
電体不揮発性メモリを実現することができる。
【0081】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態につい
て図面を参照しながら説明する。図1はこの発明の第1
の実施形態によるプレーナ型の1トランジスタ1キャパ
シタ型FeRAMを示す断面図である。
【0082】図1に示すように、このプレーナ型の1ト
ランジスタ1キャパシタ型FeRAMにおいては、(1
00)面方位を有するn型Si基板1中にpウエル2が
設けられている。pウエル2の表面には、(100)面
方位を有するCeO2 膜からなるフィールド絶縁膜3が
選択的に設けられ、これによって素子間分離が行われて
いる。フィールド絶縁膜3で囲まれた部分におけるpウ
エル2の表面にはSiO2 膜からなるゲート絶縁膜4が
設けられている。ゲート絶縁膜4上に、不純物がドープ
された多結晶Si膜からなるゲート電極5が設けられて
いる。ゲート電極5の両側の部分におけるpウエル2中
にはn+ 型のソース領域6およびドレイン領域7が設け
られている。ゲート電極5、ソース領域6およびドレイ
ン領域7によりnチャネルMISFETが形成されてい
る。フィールド絶縁膜3上には、(001)面方位を有
するABO3 型結晶構造の強誘電体薄膜8が積層されて
いる。この強誘電体薄膜8の平坦な表面上の一端部およ
び他端部にそれぞれ電極9、10が設けられている。こ
れらの電極9、10の材料としてはPtなどの金属また
は導電性酸化物が用いられる。これらの強誘電体薄膜8
および電極9、10によりキャパシタが形成されてい
る。これらのnチャネルMISFETおよびキャパシタ
は例えばSiO2 膜からなる層間絶縁膜11により覆わ
れている。nチャネルMISFETのドレイン領域7の
上側の部分におけるゲート絶縁膜4および層間絶縁膜1
1にはコンタクトホール12が設けられている。このコ
ンタクトホール12の部分におけるドレイン領域7上に
は不純物がドープされた多結晶SiまたはWからなるプ
ラグ13が設けられている。このプラグ13は、電極9
の上側の部分における層間絶縁膜11に設けられたコン
タクトホール14を介して金属配線15により電極9と
接続されている。電極10の上側の部分における層間絶
縁膜11にはコンタクトホール16が設けられ、このコ
ンタクトホール16を通じて金属配線17が電極10と
接続されている。この場合、キャパシタ部におけるフィ
ールド絶縁膜3および強誘電体薄膜8は単結晶Siから
なるpウエル2上にエピタキシャル成長されたものであ
る。
【0083】強誘電体薄膜8としては、一般には、(B
a,Sr,Ca,Pb,Mg,Bi,Li,Ag,N
a,K,Y,Ln)(Ti,Zr,Hf,Sn,Th,
Ce,Ru,Rh,Ir,Cu,Ga,Al,Nb,T
a,Sb,Bi,Pb,W,V)O3 (ただし、Ba+
Sr+Ca+Pb+Mg+Bi+Li+Ag+Na+K
+Y+Ln=1、Ti+Zr+Hf+Sn+Th+Ce
+Ru+Rh+Ir+Cu+Ga+Al+Nb+Ta+
Sb+Bi+Pb+W+V=1)薄膜が用いられる。こ
こで、後述のサイズ効果をなくすとともに、より強い強
誘電性を発現させる観点からは、この強誘電体薄膜8と
して強誘電性単結晶人工超格子を用いるのか好ましい。
この強誘電性単結晶人工超格子の一例を挙げると、
[(BaTiO3 n (PbTiO3 m ]薄膜であ
る。
【0084】電極9、10の材料としては、Ptなどの
金属を用いてもよいが、好適には導電性酸化物が用いら
れる。この導電性酸化物の具体例をいくつか挙げると、
SrRuO3 、(SrCa)RuO3 、Sr2 RuO4
などである。これらの導電性酸化物の比抵抗値は100
〜300μΩ・cmであ、電極9、10の材料として用
いるのに全く問題のない値である。
【0085】CeO2 膜からなるフィールド絶縁膜3と
強誘電体薄膜8との膜厚比は、このFeRAMの使い方
にもよるが、基本的には制限はない。ただし、これは、
駆動電圧や所望のゲート部容量や、強誘電体薄膜8の部
分への実効電界を考えたときの両者の誘電率比などによ
って大きく左右される。
【0086】この第1の実施形態においては、キャパシ
タの強誘電体薄膜8の上に電極9、10が互いに分離し
て設けられていることが特徴的である。動作時にこれら
の電極9、10間に電圧が印加された場合、強誘電体薄
膜8内にはその面にほぼ平行な方向に電界が発生し、圧
電振動が生じる。本発明者の知見によれば、このような
電極配置でも強誘電体薄膜8に十分な分極を生じさせる
ことができ、支障なく動作させることが可能である。
【0087】次に、上述のように構成されたこの第1の
実施形態によるプレーナ型の1トランジスタ1キャパシ
タ型FeRAMの製造方法について説明する。
【0088】図1に示すように、まず、(100)面方
位を有するn型Si基板1中にpウエル2を形成した
後、このpウエル2の表面に例えば熱酸化法によりSi
2 膜からなるゲート絶縁膜3を形成する。次に、素子
間分離領域となる部分におけるゲート絶縁膜3をエッチ
ング除去し、さらにこの部分のpウエル2の上部を所定
深さだけエッチング除去する。
【0089】次に、例えば有機金属化学気相成長(MO
CVD)法により、全面にCeO2膜を成長させる。こ
の場合、露出しているpウエル2上には、(100)面
方位を有するCeO2 膜がエピタキシャル成長する。こ
の後、FET形成領域におけるこのCeO2 膜をエッチ
ング除去する。これによって、フィールド絶縁膜3が形
成される。なお、MOCVD法によるCeO2 膜の具体
的な成長方法の一例について説明すると、ホットウォー
ル型反応容器を用い、有機金属化合物原料であるCe
(DPM)4 (これはCe(thd)4 と略記されるこ
とがある。DPMはジピバロイルメタン、thdは2,
2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオンを
意味する。)をCe原料として用いる。キャリアガスと
してはアルゴン(Ar)と酸素(O2 )との混合ガスを
用いる。反応容器は通常、10Torr以下に減圧され
る。このMOCVD法によるCeO2 薄膜のエピタキシ
ャル成長においては、成長時の基板温度が700℃を超
えると、その上にエピタキシャル成長されるCeO2
膜の面方位は徐々に(100)ではなくなり、(11
1)面方位のCeO2 薄膜が成長するようになる。した
がって、成長時の基板温度は、700℃以下が好まし
い。一方、基板温度が600℃を下回ると、その上に成
長するCeO2 薄膜の結晶性が著しく悪化するので、上
述のように基板温度は600〜700℃の範囲が最適で
ある。このようにして成長されるCeO2 膜の膜厚は3
0〜100nmの程度である。
【0090】次に、例えばCVD法により全面に多結晶
Si膜を形成し、この多結晶Si膜に不純物をドープし
て抵抗化した後、この多結晶Si膜をエッチングにより
所定形状にパターニングする。これによって、ゲート電
極5が形成される。次に、このゲート電極5をマスクと
してpウエル2中にn型不純物をイオン注入することに
よりソース領域6およびドレイン領域7を形成する。
【0091】次に、全面に強誘電体薄膜8を成長させ
る。この場合、フィールド絶縁膜3上の部分におけるこ
の強誘電体薄膜8はエピタキシャル成長する。この後、
この強誘電体薄膜8をエッチングにより所定形状にパタ
ーニングする。
【0092】強誘電体薄膜8の成長には、MOCVD
法、分子線エピタキシー(MBE)法、反応性蒸着法、
スパッタリング法、レーザアブレーション法などを用い
ることができる。このうち反応性蒸着法は、抵抗加熱お
よび電子ビーム加熱の併用により基板付近に酸化力の強
いオゾンや活性酸素ガスなどの雰囲気を作って蒸着を行
う蒸着法の一種であり、活性化反応性蒸着法とも呼ばれ
る(例えば、(63)日本セラミックス学会誌、第98巻、74
9-753(1990))。この反応性蒸着法やレーザアブレーショ
ン法などの高真空を用いる成膜時には、1単位胞毎の原
子レベルでの膜厚制御が、いわゆるRHEED(反射高
速電子回折)振動をモニタすることにより可能である。
【0093】強誘電体薄膜8として強誘電性単結晶人工
超格子[(BaTiO3 n (PbTiO3 m ]薄膜
を用いる場合、その成長は例えばMBE法により次のよ
うにして行うことができる。すなわち、MBE装置の超
高真空容器において、電子ビームガンによるTiの蒸発
源とクヌーセンセル(Kセル)によるBaおよびPbの
蒸発源を用意する。そして、この超高真空容器内にO2
ガスを制御性よく導入し、全圧を10-4Torr程度に
保持して、電子ビームガンで常時Tiを蒸発させなが
ら、PbおよびBaのKセルのシャッターを交互に制御
して、RHEED振動を検出し、フィードバックさせな
がら成長を行う。この際、得られた膜は(001)面方
位にエピタキシャル成長している。この成長時の基板温
度は、例えば500〜900℃の範囲であるが、より良
質な膜を得るには、700℃以上が好ましい。ただし、
後述のように、RCeO3 膜からなる第2のバッファ層
を形成するためにポストアニールを施す場合には、基板
温度を500〜700℃の範囲に抑制してもなんら問題
とならない。
【0094】次に、全面に例えば導電性酸化物薄膜を成
長させる。この場合、強誘電体薄膜8上の部分において
は、この導電性酸化物薄膜はエピタキシャル成長する。
この場合、例えば導電性酸化物としてSrRuO3 を用
いると、これは元来斜方晶であるが、エピタキシャル成
長時にはその結晶構造がペロブスカイト類似構造からペ
ロブスカイト構造となって成長する。この際の結晶方位
は(100)である。導電性酸化物としてSr2 RuO
4 を用いた場合には、その結晶方位は(001)であ
る。この導電性酸化物薄膜の成長には、MBE法、MO
CVD法、反応性蒸着法、スパッタリング法、レーザア
ブレーション法などを用いることができる。次に、この
導電性酸化物薄膜をエッチングにより所定形状にパター
ニングして電極9、10を形成する。ここで、これらの
電極9、10を形成する導電性酸化物薄膜を強誘電体薄
膜8上にエピタキシャル成長させることにより、この導
電性酸化物薄膜の強誘電体薄膜8との界面に酸素欠陥に
よるファティーグ減少を防止することができる。
【0095】次に、例えばCVD法により全面にSiO
2 膜のような層間絶縁膜11を形成した後、この層間絶
縁膜11およびゲート絶縁膜4の所定部分をエッチング
除去してコンタクトホール12を形成する。次に、例え
ばCVD法によりコンタクトホール12の部分における
ドレイン領域7上に多結晶SiまたはWを成長させてプ
ラグ13を形成する。プラグ13を多結晶Siにより形
成する場合には、プラグ13の形成後に例えばn型不純
物をイオン注入法によりドープして低抵抗化する。次
に、層間絶縁膜11の所定部分をエッチング除去してコ
ンタクトホール14、16を形成する。次に、例えばス
パッタリング法や真空蒸着法により全面に例えばAl膜
のような金属膜を形成した後、この金属膜をエッチング
により所定形状にパターニングして金属配線15、17
を形成する。
【0096】ここで、FeRAMにおける強誘電体薄膜
の厚さが減少したときのリーク電流(あるいは絶縁破
壊)およびいわゆるサイズ効果の問題について論じてお
く。
【0097】リーク電流を防止するため、電極間にはさ
まれた強誘電体薄膜には、その厚さ方向に10個以上の
結晶粒が存在するようにすることが望まれている。これ
は、電極間に入っている結晶粒の数が少なくなると、リ
ーク電流が著しく増大するためである。このときの強誘
電体薄膜(厚さ1μm程度)の様子を図2に模式的に示
し、そのときのFeRAMの電流−電圧(I−V)特性
を図3に示す。
【0098】厚さが100nm程度に減少したときの強
誘電体薄膜の様子を図4に模式的に示す。このとき、こ
の強誘電体薄膜の厚さ方向に存在する結晶粒の数は10
よりも少ない。このときのFeRAMのI−V特性を図
5に示す。図5を図3と比較すると明らかなように、電
極間に入っている結晶粒の数が10よりも少ないときの
リーク電流は、電極間に入っている結晶粒の数が10個
以上であるときのリーク電流よりも多くなっている。
【0099】厚さがさらに減少して50nm以下になっ
たときの強誘電体薄膜の様子を図6に模式的に示す。こ
のとき、この強誘電体薄膜は単結晶である。このときの
FeRAMのI−V特性を図7に示す。図7を図3およ
び図5と比較すると明らかなように、強誘電体薄膜が単
結晶であるときのリーク電流は、強誘電体薄膜が多結晶
であるときのリーク電流に比べて大幅に減少している。
【0100】次に、強誘電体のサイズ効果について説明
する。このサイズ効果とは、強誘電体薄膜の厚さを減少
させたとき、この強誘電体薄膜は強誘電性を保持するこ
とができるか、というものである。これは、室温で正方
晶(強誘電性)が安定である物質の粒径が非常に小さく
なると、ある値を境にしてそれ以下の粒径で急に立方晶
に変化して強誘電性を失う現象で、従来はもっぱら微粒
子に対して議論されてきた。つまり、三次元的なサイズ
縮小による物性変化と言える。このサイズ効果は、具体
的には、例えばBaTiO3 多結晶薄膜の場合は0.1
μm以下である。PZT多結晶薄膜の場合も、同様な結
果が得られている。
【0101】以上のようなリーク電流およびサイズ効果
の問題を考慮すると、この第1の実施形態において強誘
電体薄膜8として[(BaTiO3 n (PbTi
3 m]薄膜のような強誘電性単結晶人工超格子を用
いることは、強誘電体薄膜の厚さが100〜200nm
程度に減少したときに有利になると考えられる。
【0102】この第1の実施形態によれば、キャパシタ
部にSi(100)上の酸化物積層構造を用いているこ
とにより、構造の最適化を図ることができる。また、キ
ャパシタの強誘電体薄膜8上に電極9、10が互いに対
向して設けられていることにより、次のような利点を得
ることができる。すなわち、強誘電体薄膜8上に電極
9、10が設けられていることにより、従来の1トラン
ジスタ1キャパシタ型FeRAMにおけるようにSi上
に強誘電体薄膜を設ける場合に生ずる拡散の問題を回避
することができ、また、バリアメタルの成膜工程をなく
すことができる。さらに、一般に、FeRAMにおいて
は、動作時に圧電による振動応力が生じるため、これが
FETに悪影響を与えて誤動作の原因となる可能性があ
り、特に、これはスタック型の1トランジスタ1キャパ
シタ型FeRAMにおけるようにキャパシタがFETの
近傍に配置される場合には問題を生じやすいと考えられ
る。これに対し、この第1の実施形態によれば、強誘電
体薄膜8上に電極9、10が設けられているため、圧電
振動は強誘電体薄膜8の面内方向に生じることから、こ
の圧電振動がFET部に直接悪影響を及ぼすことがな
い。
【0103】さらに、強誘電体薄膜8として強誘電性単
結晶人工超格子[(BaTiO3 n (PbTiO3
m ]薄膜を用いた場合には、その厚さが減少しても、リ
ーク電流が極めて少なく、また、三次元サイズ効果によ
る強誘電性の劣化を防止することができるだけでなく、
従来知られていないような飽和分極値を示す可能性もあ
る。これに関し、格子歪誘起強誘電性の概念のイメージ
を図8および図9に示す。これは下地格子との格子不整
合により導入された2次元圧縮応力によるキュリー点の
著しい上昇の結果現われる驚異的な強誘電性が期待され
るからである。この物性は一般には下地からの膜厚に依
存するため、格子緩和しない範囲での超格子の周期が好
適である。
【0104】以上のように、この第1の実施形態によれ
ば、構造の最適化により、優れた特性を有し、かつ信頼
性の高いプレーナ型の1トランジスタ1キャパシタ型F
eRAMを実現することができる。
【0105】図10はこの発明の第2の実施形態による
プレーナ型の1トランジスタ1キャパシタ型FeRAM
を示す断面図である。
【0106】図2に示すように、この第2の実施形態に
おいては、キャパシタの強誘電体薄膜8の両端部の上部
が所定深さだけ除去されて段部が設けられ、これらの段
部の底部に電極9、10が設けられている。その他のこ
とは第1の実施形態と同様であるので、説明を省略す
る。
【0107】この第2の実施形態によれば、キャパシタ
の強誘電体薄膜8の両端部の段部の底部に電極9、10
が設けられていることにより、動作時にこれらの電極
9、10間に電圧が印加された場合、強誘電体薄膜8内
に発生する電界をよりその面に平行にすることができ、
より大きな分極値を得ることができるという利点を得る
ことができる。
【0108】図11はこの発明の第3の実施形態による
スタック型の1トランジスタ1キャパシタ型FeRAM
を示す断面図である。
【0109】図11に示すように、このスタック型の1
トランジスタ1キャパシタ型FeRAMにおいては、
(100)面方位を有するn型Si基板21中にpウエ
ル22が設けられている。pウエル22の表面には、
(100)面方位を有するCeO2 膜からなるフィール
ド絶縁膜23が選択的に設けられ、これによって素子間
分離が行われている。フィールド絶縁膜23で囲まれた
部分におけるpウエル22の表面にはSiO2 膜からな
るゲート絶縁膜24が設けられている。ゲート絶縁膜2
4上に、不純物がドープされた多結晶Si膜からなるゲ
ート電極25が設けられている。ゲート電極25の両側
の部分におけるpウエル22中にはn+ 型のソース領域
26およびドレイン領域27が設けられている。ゲート
電極25、ソース領域26およびドレイン領域27によ
りnチャネルMISFETが形成されている。符号28
は例えばSiO2 膜からなる層間絶縁膜を示す。ドレイ
ン領域27の上側の部分におけるゲート絶縁膜24およ
び層間絶縁膜28にはコンタクトホール29が設けられ
ている。このコンタクトホール29の部分におけるドレ
イン領域27上には、(100)面方位を有するアンド
ープまたは不純物がドープされた単結晶のSiからなる
プラグ30が設けられている。このプラグ30の上に
(100)面方位を有する単結晶Si膜31および(1
00)面方位を有するCeO2 膜からなるバッファ層3
2を介して(001)面方位を有するABO3 型結晶構
造の強誘電体薄膜33が積層されている。この強誘電体
薄膜33の平坦な表面上の一端部および他端部にそれぞ
れ電極34、35が設けられている。これらの強誘電体
薄膜28および電極34、35によりキャパシタが形成
されている。ここで、このキャパシタの電極34、35
の一方は、nチャネルMISFETのドレイン領域27
と電気的に接続されている。その他のことは第1の実施
形態と同様である。
【0110】この第3の実施形態によるスタック型の1
トランジスタ1キャパシタ型FeRAMを製造するに
は、第1の実施形態と同様にしてゲート電極25まで形
成した後、例えばCVD法により全面に層間絶縁膜28
を形成する。次に、この層間絶縁膜28にコンタクトホ
ール29を形成した後、このコンタクトホール29の部
分におけるドレイン領域27上に例えばCVD法により
単結晶Siをエピタキシャル成長させ、プラグ30を形
成する。さらに、このプラグ30上に単結晶Si膜31
をエピタキシャル成長させる。次に、この単結晶Si膜
31上にバッファ層32を介して強誘電体薄膜33をエ
ピタキシャル成長させ、その上に電極34、35を形成
する。
【0111】この第3の実施形態によれば、第1の実施
形態と同様な利点を得ることができる。
【0112】図12はこの発明の第4の実施形態による
スタック型の1トランジスタ1キャパシタ型FeRAM
を示す断面図である。
【0113】図12に示すように、この第4の実施形態
においては、キャパシタの強誘電体薄膜8の両端部の上
部が所定深さだけ除去されて段部が設けられ、これらの
段部の底部に電極34、35が設けられている。その他
のことは第3の実施形態と同様であるので、説明を省略
する。
【0114】この第4の実施形態によれば、キャパシタ
の強誘電体薄膜28の両端部の段部の底部に電極34、
35が設けられていることにより、動作時にこれらの電
極34、35間に電圧が印加された場合、強誘電体薄膜
28内に発生する電界をよりその面に平行にすることが
でき、より大きな分極値を得ることができるという利点
を得ることができる。
【0115】図13はこの発明の第5の実施形態による
スタック型の1トランジスタ1キャパシタ型FeRAM
を示す断面図である。
【0116】図5に示すように、このスタック型の1ト
ランジスタ1キャパシタ型FeRAMにおいては、ゲー
ト電極25の真上の部分における層間絶縁膜28上に、
コンタクトホール29の部分におけるドレイン領域27
上に設けられた(100)面方位を有する単結晶Siか
らなるプラグ30と接触して、(100)面方位を有す
る単結晶Si膜31が積層されている。そして、この単
結晶Si膜31上に、(100)面方位を有するCeO
2 膜からなるバッファ層32、(001)面方位を有す
るRCeO3 膜からなるバッファ層36を介して(00
1)面方位を有するABO3 型結晶構造の強誘電体薄膜
33が積層されている。この強誘電体薄膜33の平坦な
表面上の一端部および他端部にそれぞれ電極34、35
が設けられている。これらの強誘電体薄膜28および電
極34、35によりキャパシタが形成されている。この
場合、キャパシタ部におけるプラグ30は単結晶Siか
らなるドレイン領域27上にエピタキシャル成長された
ものであり、単結晶Si膜31はプラグ30上にエピタ
キシャル成長されたものであり、バッファ層32、バッ
ファ層36および強誘電体薄膜33は単結晶Si膜31
上にエピタキシャル成長されたものである。その他のこ
とは第3の実施形態と同様であるので、説明を省略す
る。
【0117】強誘電体薄膜33として例えば強誘電性単
結晶人工超格子[(BaTiO3 n (PbTiO3
m ]薄膜を用いる場合、バッファ層36を構成するRC
eO3 薄膜としては例えばBaCeO3 薄膜を用いるこ
とができる。この場合、このBaCeO3 薄膜は、例え
ばMBE法により次のようにして成長させることができ
る。
【0118】すなわち、第1の手法としては、CeO2
膜上への最初のMBE法による成長をBaTiO3 側か
ら開始することである。これによって、ポストアニール
なしに、数ユニット層のBaCeO3 が形成される。第
2の手法は、ポストアニールを施し、両層へ相互にCe
を拡散させてBaCeO3 を作製する方法である。この
際、MBE法による超格子の作製の際の基板温度を拡散
可能温度域に保つことで、成長と同時進行の形でBaC
eO3 膜を成長させることもできる。当然ながら、MB
E法により超格子を形成した後、ポストアニールにより
拡散を起こさせてBaCeO3 膜を成長させることも可
能である。
【0119】この第5の実施形態によれば、第3の実施
形態と同様な利点を得ることができほか、次のような利
点をも得ることができる。すなわち、CeO2 膜からな
るバッファ層32と強誘電体薄膜33との間にRCeO
3 膜、例えばBaCeO3 膜が形成されていることによ
り、界面における格子欠陥はほとんどなく、かつ結晶コ
ヒーレンシーに優れ、電気物性におけるトラップ準位も
形成されない良質な積層構造を得ることができる。この
ため、キャパシタの特性の向上を図ることができ、ひい
てはFeRAMの特性の向上を図ることができる。さら
に、キャパシタがFETの真上に配置されていることに
より、メモリセルの占有面積を小さくすることができ、
メモリセルの高密度化を図ることができるという利点を
も得ることができる。
【0120】図14はこの発明の第6の実施形態による
スタック型の1トランジスタ1キャパシタ型FeRAM
を示す断面図である。
【0121】図14に示すように、このスタック型の1
トランジスタ1キャパシタ型FeRAMにおいては、
(100)面方位を有するn型Si基板41中にpウエ
ル42が設けられている。pウエル42の表面にはSi
2 膜からなるゲート絶縁膜43が選択的に設けられて
いる。ゲート絶縁膜43上に、不純物がドープされた多
結晶Si膜からなるゲート電極44が設けられている。
ゲート電極44の両側の部分におけるpウエル42中に
はn+ 型のソース領域45およびドレイン領域46が設
けられている。ゲート電極44、ソース領域45および
ドレイン領域46によりnチャネルMISFETが形成
されている。符号47は(100)面方位を有するCe
2 膜からなる層間絶縁膜を示す。この層間絶縁膜47
は、ゲート絶縁膜43が設けられていない部分において
pウエル42の表面と接触している。ゲート電極44の
真上の部分における層間絶縁膜47上に、(001)面
方位を有するRCeO3 膜からなるバッファ層48を介
して(001)面方位を有する強誘電体薄膜49が積層
されている。この強誘電体薄膜49の平坦な表面上の一
端部および他端部にそれぞれ電極50、51が設けられ
ている。これらの強誘電体薄膜49および電極50、5
1によりキャパシタが形成されている。この場合、層間
絶縁膜47、バッファ層48および強誘電体薄膜49は
単結晶Siからなるpウエル42上にエピタキシャル成
長されたものである。その他のことは第3の実施形態と
同様である。
【0122】この第6の実施形態によれば、第3の実施
形態と同様な利点を得ることができほか、第5の実施形
態と同様に、キャパシタがFETの真上に配置されてい
ることにより、メモリセルの占有面積を小さくすること
ができ、メモリセルの高密度化を図ることができるとい
う利点をも得ることができる。
【0123】図15はこの発明の第7の実施形態による
MFIS構造のFET型FeRAMを示す断面図であ
る。
【0124】図15に示すように、このFET型FeR
AMにおいては、(100)面方位を有する例えばp型
のSi基板61上に、(100)面方位を有するCeO
2 膜62、(001)面方位を有するRCeO3 膜63
および(001)面方位を有するABO3 型結晶構造の
強誘電体薄膜64が順次積層されている。ここで、Ce
2 膜62は第1のバッファ層を構成し、RCeO3
63は第2のバッファ層を構成する。また、これらのS
i基板61、CeO2 膜62、RCeO3 膜63および
強誘電体薄膜64は相互にほぼ完全に格子整合してお
り、エピタキシャルな関係を有している。強誘電体薄膜
64上には電極65が積層されている。この電極65と
しては好適には導電性酸化物薄膜が用いられ、この導電
性酸化物薄膜は強誘電体薄膜64上にエピタキシャル成
長される。この電極65の両側の部分におけるSi基板
61中には例えばn+ 型のソース領域66およびドレイ
ン領域67が設けられている。
【0125】RCeO3 膜63としては、具体的には、
(Ba,Sr,Ca,Pb,Mg,Bi,Li,Ag,
Na,K,Y,Ln)CeO3 膜が用いられるが、一例
を挙げると、BaCeO3 膜である。また、強誘電体薄
膜64としては、(Ba,Sr,Ca,Pb,Mg,B
i,Li,Ag,Na,K,Y,Ln)(Ti,Zr,
Hf,Sn,Th,Ce,Ru,Rh,Ir,Cu,G
a,Al,Nb,Ta,Sb,Bi,Pb,W,V)O
3 (ただし、Ba+Sr+Ca+Pb+Mg+Bi+L
i+Ag+Na+K+Y+Ln=1、Ti+Zr+Hf
+Sn+Th+Ce+Ru+Rh+Ir+Cu+Ga+
Al+Nb+Ta+Sb+Bi+Pb+W+V=1)薄
膜が用いられるが、一例を挙げると、PbTiO3 膜で
ある。
【0126】この第7の実施形態によれば、FET部に
Si(100)上の酸化物積層構造を用いていることに
より、構造の最適化を図ることができる。そして、この
構造の最適化により、優れた特性を有し、かつ信頼性の
高いFET型FeRAMを実現することができる。
【0127】以上、この発明の実施形態につき具体的に
説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定される
ものでなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形
が可能である。
【0128】例えば、上述の第5および第7の実施形態
において、RCeO3 膜からなるバッファ層36として
は、SrCeO3 膜を用いてもよい。また、第1〜第7
の実施形態において、強誘電体薄膜8、33、49、6
4としては、例えば、Bi2SrTa2 9 などのいわ
ゆるBi系層状強誘電体物質からなる薄膜を用いてもよ
い。さらに、第7の実施形態において、強誘電体薄膜6
4として、例えば人工超格子[(SrTiO3 n (P
bTiO3 m ]薄膜を用いてもよい。この場合、当然
のことながら、バルクでの格子定数よりもこのペロブス
カイトPbTiO3 (001)膜は十分に格子歪を受け
てエピタキシャル成長していることも少なくない。
【0129】
【発明の効果】以上説明したように、この発明による酸
化物積層構造によれば、シリコン基板と、シリコン基板
上の、酸化セリウムからなり、かつ、(100)面方位
を有するバッファ層と、バッファ層上の導電性酸化物薄
膜とを有することにより、これを用いて、強誘電体不揮
発性メモリのほか、酸化物超伝導デバイスなどの電子素
子や、酸化物光変調素子などの酸化物光学素子を最適構
造で実現することができる。
【0130】また、この発明による酸化物積層構造の製
造方法によれば、最適化された酸化物積層構造を容易に
製造することができる。
【0131】さらに、この発明による強誘電体不揮発性
メモリによれば、上述のような最適化された酸化物積層
構造をゲートおよびチャネル部またはキャパシタ部に利
用した最適な構造で強誘電体不揮発性メモリを実現する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態によるプレーナ型の
1トランジスタ1キャパシタ型FeRAMを示す断面図
である。
【図2】FeRAMにおける強誘電体薄膜の厚さの減少
に伴うリーク電流の問題を説明するための断面図であ
る。
【図3】図2に示すFeRAMの電流−電圧特性を示す
グラフである。
【図4】FeRAMにおける強誘電体薄膜の厚さの減少
に伴うリーク電流の問題を説明するための断面図であ
る。
【図5】図4に示すFeRAMの電流−電圧特性を示す
グラフである。
【図6】FeRAMにおける強誘電体薄膜の厚さの減少
に伴うリーク電流の問題を説明するための断面図であ
る。
【図7】図6に示すFeRAMの電流−電圧特性を示す
グラフである。
【図8】格子歪誘起強誘電性の概念を説明するための略
線図である。
【図9】格子歪誘起強誘電性の概念を説明するための略
線図である。
【図10】この発明の第2の実施形態によるプレーナ型
の1トランジスタ1キャパシタ型FeRAMを示す断面
図である。
【図11】この発明の第3の実施形態によるスタック型
の1トランジスタ1キャパシタ型FeRAMを示す断面
図である。
【図12】この発明の第4の実施形態によるスタック型
の1トランジスタ1キャパシタ型FeRAMを示す断面
図である。
【図13】この発明の第5の実施形態によるスタック型
の1トランジスタ1キャパシタ型FeRAMを示す断面
図である。
【図14】この発明の第6の実施形態によるスタック型
の1トランジスタ1キャパシタ型FeRAMを示す断面
図である。
【図15】この発明の第7の実施形態によるMFIS構
造のFET型FeRAMを示す断面図である。
【図16】従来の1トランジスタ1キャパシタ型FeR
AMを示す断面図である。
【図17】従来のMFS構造のFET型FeRAMを示
す断面図である。
【図18】従来のMFIS構造のFET型FeRAMを
示す断面図である。
【図19】従来のMFMIS構造のFET型FeRAM
を示す断面図である。
【図20】従来のプレーナ型の1トランジスタ1キャパ
シタ型FeRAMを示す断面図である。
【図21】従来のスタック型の1トランジスタ1キャパ
シタ型FeRAMを示す断面図である。
【図22】MgAl2 4 およびCeO2 の格子定数の
温度依存性をシリコンの格子定数の温度依存性とともに
示す略線図である。
【図23】ABO3 /MgAl2 4 /Si(100)
の結晶学的積層構造を示す略線図である。
【図24】ABO3 /CeO2 /Si(100)の結晶
学的積層構造を示す略線図である。
【図25】(100)Si基板上の(100)CeO2
のX線回折パターンを示す略線図である。
【図26】ABO3 (001)/CeO2 (100)/
Si(100)の結晶学的積層構造を示す略線図であ
る。
【符号の説明】
1、21、41・・・n型Si基板、2、22、42・
・・pウエル、3、23・・・フィールド絶縁膜、4、
24、43・・・ゲート絶縁膜、5、25、44・・・
ゲート電極、6、26、45・・・ソース領域、7、2
7、46・・・ドレイン領域、8、33、49・・・強
誘電体薄膜、9、10、34、35、50、51・・・
電極、13、30・・・プラグ、31・・・単結晶Si
膜、32、36、48・・・バッファ層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 29/788 29/792

Claims (44)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン基板と、 上記シリコン基板上の、酸化セリウムからなり、かつ、
    (100)面方位を有するバッファ層と、 上記バッファ層上の、ペロブスカイト型結晶構造、イル
    メナイト型結晶構造またはGdFeO3 型結晶構造を有
    する(Ba,Sr,Ca,Pb,Mg,Bi,Li,A
    g,Na,K,Y,Ln)(Ti,Zr,Hf,Sn,
    Th,Ce,Ru,Rh,Ir,Cu,Ga,Al,N
    b,Ta,Sb,Bi,Pb,W,V)O3 (ただし、
    Ba+Sr+Ca+Pb+Mg+Bi+Li+Ag+N
    a+K+Y+Ln=1、Ti+Zr+Hf+Sn+Th
    +Ce+Ru+Rh+Ir+Cu+Ga+Al+Nb+
    Ta+Sb+Bi+Pb+W+V=1)からなる強誘電
    性酸化物薄膜とを有することを特徴とする酸化物積層構
    造。
  2. 【請求項2】 上記バッファ層は上記シリコン基板とほ
    ぼ格子整合し、上記強誘電性酸化物薄膜は上記バッファ
    層とほぼ格子整合していることを特徴とする請求項1記
    載の酸化物積層構造。
  3. 【請求項3】 上記バッファ層および上記強誘電性酸化
    物薄膜は上記シリコン基板上にエピタキシャル成長され
    たものであることを特徴とする請求項1記載の酸化物積
    層構造。
  4. 【請求項4】 上記シリコン基板は(100)面方位を
    有し、上記強誘電性酸化物薄膜は(001)面方位を有
    することを特徴とする請求項1記載の酸化物積層構造。
  5. 【請求項5】 上記シリコン基板と上記バッファ層との
    間に厚さが20nm以下のアモルファス層が存在するこ
    とを特徴とする請求項1記載の酸化物積層構造。
  6. 【請求項6】 上記バッファ層と上記強誘電性酸化物薄
    膜との間に(Ba,Sr,Ca,Pb,Mg,Bi,L
    i,Ag,Na,K,Y,Ln)CeO3 (ただし、B
    a+Sr+Ca+Pb+Mg+Bi+Li+Ag+Na
    +K+Y+Ln=1)からなるもう一つのバッファ層が
    存在することを特徴とする請求項1記載の酸化物積層構
    造。
  7. 【請求項7】 上記バッファ層と上記強誘電性酸化物薄
    膜との間に(Ba,Sr,Ca,Pb,Mg)CeO3
    (ただし、Ba+Sr+Ca+Pb+Mg=1)からな
    るもう一つのバッファ層が存在することを特徴とする請
    求項1記載の酸化物積層構造。
  8. 【請求項8】 上記シリコン基板と上記バッファ層との
    間に厚さが20nm以下のアモルファス層が存在し、上
    記バッファ層と上記強誘電性酸化物薄膜との間に(B
    a,Sr,Ca,Pb,Mg,Bi,Li,Ag,N
    a,K,Y,Ln)CeO3 (ただし、Ba+Sr+C
    a+Pb+Mg+Bi+Li+Ag+Na+K+Y+L
    n=1)からなるもう一つのバッファ層が存在すること
    を特徴とする請求項1記載の酸化物積層構造。
  9. 【請求項9】 上記シリコン基板と上記バッファ層との
    間に厚さが20nm以下のアモルファス層が存在し、上
    記バッファ層と上記強誘電性酸化物薄膜との間に(B
    a,Sr,Ca,Pb,Mg)CeO3 (ただし、Ba
    +Sr+Ca+Pb+Mg=1)からなるもう一つのバ
    ッファ層が存在することを特徴とする請求項1記載の酸
    化物積層構造。
  10. 【請求項10】 上記バッファ層は上記シリコン基板と
    ほぼ格子整合し、上記もう一つのバッファ層は上記バッ
    ファ層と格子整合し、上記強誘電性酸化物薄膜は上記も
    う一つのバッファ層とほぼ格子整合していることを特徴
    とする請求項6記載の酸化物積層構造。
  11. 【請求項11】 上記バッファ層、上記もう一つのバッ
    ファ層および上記強誘電性酸化物薄膜は上記シリコン基
    板上にエピタキシャル成長されたものであることを特徴
    とする請求項6記載の酸化物積層構造。
  12. 【請求項12】 上記シリコン基板は(100)面方位
    を有し、上記バッファ層は(100)面方位を有し、上
    記もう一つのバッファ層は(001)面方位を有し、上
    記強誘電性酸化物薄膜は(001)面方位を有すること
    を特徴とする請求項6記載の酸化物積層構造。
  13. 【請求項13】 上記強誘電性酸化物薄膜上に金属薄膜
    または導電性酸化物薄膜からなる電極が設けられている
    ことを特徴とする請求項1記載の酸化物積層構造。
  14. 【請求項14】 上記電極を構成する上記金属薄膜また
    は上記導電性酸化物薄膜は上記強誘電性酸化物薄膜上に
    エピタキシャル成長されたものであることを特徴とする
    請求項13記載の酸化物積層構造。
  15. 【請求項15】 上記強誘電性酸化物薄膜は二種類以上
    の上記強誘電性酸化物薄膜からなる強誘電性酸化物超格
    子であることを特徴とする請求項1記載の酸化物積層構
    造。
  16. 【請求項16】 上記強誘電性酸化物薄膜は二種類以上
    の上記強誘電性酸化物薄膜の積層構造を有することを特
    徴とする請求項1記載の酸化物積層構造。
  17. 【請求項17】 シリコン基板上に、酸化セリウムから
    なり、かつ、(100)面方位を有する第1のバッファ
    層を成長させる工程と、 上記第1のバッファ層上に、(Ba,Sr,Ca,P
    b,Mg,Bi,Li,Ag,Na,K,Y,Ln)C
    eO3 (ただし、Ba+Sr+Ca+Pb+Mg+Bi
    +Li+Ag+Na+K+Y+Ln=1)からなる第2
    のバッファ層を成長させる工程と、 上記第2のバッファ層上に、ペロブスカイト型結晶構
    造、イルメナイト型結晶構造またはGdFeO3 型結晶
    構造を有する(Ba,Sr,Ca,Pb,Mg,Bi,
    Li,Ag,Na,K,Y,Ln)(Ti,Zr,H
    f,Sn,Th,Ce,Ru,Rh,Ir,Cu,G
    a,Al,Nb,Ta,Sb,Bi,Pb,W,V)O
    3 (ただし、Ba+Sr+Ca+Pb+Mg+Bi+L
    i+Ag+Na+K+Y+Ln=1、Ti+Zr+Hf
    +Sn+Th+Ce+Ru+Rh+Ir+Cu+Ga+
    Al+Nb+Ta+Sb+Bi+Pb+W+V=1)か
    らなる強誘電性酸化物薄膜を成長させる工程とを有する
    ことを特徴とする酸化物積層構造の製造方法。
  18. 【請求項18】 シリコン基板上に、酸化セリウムから
    なり、かつ、(100)面方位を有する第1のバッファ
    層を成長させる工程と、 上記第1のバッファ層上に、(Ba,Sr,Ca,P
    b,Mg,Bi,Li,Ag,Na,K,Y,Ln)
    (Ti,Zr,Hf,Sn,Th,Ce,Ru,Rh,
    Ir,Cu,Ga,Al,Nb,Ta,Sb,Bi,P
    b,W,V)O3 (ただし、Ba+Sr+Ca+Pb+
    Mg+Bi+Li+Ag+Na+K+Y+Ln=1、T
    i+Zr+Hf+Sn+Th+Ce+Ru+Rh+Ir
    +Cu+Ga+Al+Nb+Ta+Sb+Bi+Pb+
    W+V=1)からなる強誘電性酸化物薄膜を成長させる
    とともに、上記バッファ層と上記強誘電性酸化物薄膜と
    の間に上記バッファ層および上記強誘電性酸化物薄膜か
    らの構成元素の拡散により(Ba,Sr,Ca,Pb,
    Mg)CeO3 (ただし、Ba+Sr+Ca+Pb+M
    g=1)からなる第2のバッファ層を成長させる工程と
    を有することを特徴とする酸化物積層構造の製造方法。
  19. 【請求項19】 電界効果トランジスタからなるメモリ
    セルを有する強誘電体不揮発性メモリにおいて、 シリコン基板と、 上記シリコン基板上の、酸化セリウムからなり、かつ、
    (100)面方位を有するバッファ層と、 上記バッファ層上の、ペロブスカイト型結晶構造、イル
    メナイト型結晶構造またはGdFeO3 型結晶構造を有
    する(Ba,Sr,Ca,Pb,Mg,Bi,Li,A
    g,Na,K,Y,Ln)(Ti,Zr,Hf,Sn,
    Th,Ce,Ru,Rh,Ir,Cu,Ga,Al,N
    b,Ta,Sb,Bi,Pb,W,V)O3 (ただし、
    Ba+Sr+Ca+Pb+Mg+Bi+Li+Ag+N
    a+K+Y+Ln=1、Ti+Zr+Hf+Sn+Th
    +Ce+Ru+Rh+Ir+Cu+Ga+Al+Nb+
    Ta+Sb+Bi+Pb+W+V=1)からなる強誘電
    性酸化物薄膜と、 上記強誘電性酸化物薄膜上の電極とを有することを特徴
    とする強誘電体不揮発性メモリ。
  20. 【請求項20】 上記シリコン基板は(100)面方位
    を有し、上記強誘電性酸化物薄膜は(001)面方位を
    有することを特徴とする請求項19記載の強誘電体不揮
    発性メモリ。
  21. 【請求項21】 上記バッファ層と上記強誘電性酸化物
    薄膜との間に(Ba,Sr,Ca,Pb,Mg,Bi,
    Li,Ag,Na,K,Y,Ln)CeO3(ただし、
    Ba+Sr+Ca+Pb+Mg+Bi+Li+Ag+N
    a+K+Y+Ln=1)からなるもう一つのバッファ層
    が存在することを特徴とする請求項19記載の強誘電体
    不揮発性メモリ。
  22. 【請求項22】 上記バッファ層と上記強誘電性酸化物
    薄膜との間に(Ba,Sr,Ca,Pb,Mg)CeO
    3 (ただし、Ba+Sr+Ca+Pb+Mg=1)から
    なるもう一つのバッファ層が存在することを特徴とする
    請求項19記載の強誘電体不揮発性メモリ。
  23. 【請求項23】 1個の電界効果トランジスタと1個の
    キャパシタとからなるメモリセルをシリコン基板上に有
    する強誘電体不揮発性メモリにおいて、 上記キャパシタが、強誘電性酸化物薄膜とこの強誘電性
    酸化物薄膜上に互いに分離して設けられた第1の電極お
    よび第2の電極とからなることを特徴とする強誘電体不
    揮発性メモリ。
  24. 【請求項24】 上記強誘電性酸化物薄膜は、ペロブス
    カイト型結晶構造、イルメナイト型結晶構造またはGd
    FeO3 型結晶構造を有する(Ba,Sr,Ca,P
    b,Mg,Bi,Li,Ag,Na,K,Y,Ln)
    (Ti,Zr,Hf,Sn,Th,Ce,Ru,Rh,
    Ir,Cu,Ga,Al,Nb,Ta,Sb,Bi,P
    b,W,V)O3 (ただし、Ba+Sr+Ca+Pb+
    Mg+Bi+Li+Ag+Na+K+Y+Ln=1、T
    i+Zr+Hf+Sn+Th+Ce+Ru+Rh+Ir
    +Cu+Ga+Al+Nb+Ta+Sb+Bi+Pb+
    W+V=1)からなることを特徴とする請求項23記載
    の強誘電体不揮発性メモリ。
  25. 【請求項25】 上記シリコン基板上に、酸化セリウム
    からなり、かつ、(100)面方位を有するバッファ層
    を介して、上記強誘電性酸化物薄膜が積層されているこ
    とを特徴とする請求項24記載の強誘電体不揮発性メモ
    リ。
  26. 【請求項26】 上記キャパシタは上記電界効果トラン
    ジスタのほぼ真上に設けられていることを特徴とする請
    求項23記載の強誘電体不揮発性メモリ。
  27. 【請求項27】 1個の電界効果トランジスタと1個の
    キャパシタとからなるメモリセルをシリコン基板上に有
    する強誘電体不揮発性メモリにおいて、 上記キャパシタが、 上記シリコン基板上に、酸化セリウムからなり、かつ、
    (100)面方位を有するバッファ層を介して積層され
    た、ペロブスカイト型結晶構造、イルメナイト型結晶構
    造またはGdFeO3 型結晶構造を有する(Ba,S
    r,Ca,Pb,Mg,Bi,Li,Ag,Na,K,
    Y,Ln)(Ti,Zr,Hf,Sn,Th,Ce,R
    u,Rh,Ir,Cu,Ga,Al,Nb,Ta,S
    b,Bi,Pb,W,V)O3 (ただし、Ba+Sr+
    Ca+Pb+Mg+Bi+Li+Ag+Na+K+Y+
    Ln=1、Ti+Zr+Hf+Sn+Th+Ce+Ru
    +Rh+Ir+Cu+Ga+Al+Nb+Ta+Sb+
    Bi+Pb+W+V=1)からなる強誘電性酸化物薄膜
    と、 上記強誘電性酸化物薄膜上に互いに分離して設けられた
    第1の電極および第2の電極とからなることを特徴とす
    る強誘電体不揮発性メモリ。
  28. 【請求項28】 上記シリコン基板は(100)面方位
    を有し、上記強誘電性酸化物薄膜は(001)面方位を
    有することを特徴とする請求項27記載の強誘電体不揮
    発性メモリ。
  29. 【請求項29】 上記第1の電極および上記第2の電極
    は上記強誘電性酸化物薄膜の平坦な表面に設けられてい
    ることを特徴とする請求項27記載の強誘電体不揮発性
    メモリ。
  30. 【請求項30】 上記第1の電極および上記第2の電極
    は上記強誘電性酸化物薄膜の表面に設けられた段部の底
    部に設けられていることを特徴とする請求項27記載の
    強誘電体不揮発性メモリ。
  31. 【請求項31】 上記キャパシタは上記電界効果トラン
    ジスタのほぼ真上に設けられていることを特徴とする請
    求項27記載の強誘電体不揮発性メモリ。
  32. 【請求項32】 上記電界効果トランジスタのドレイン
    領域上に導電材料からなるプラグが設けられ、このプラ
    グと上記キャパシタの上記第1の電極および上記第2の
    電極のうちの一方とが電気的に接続されていることを特
    徴とする請求項27記載の強誘電体不揮発性メモリ。
  33. 【請求項33】 1個の電界効果トランジスタと1個の
    キャパシタとからなるメモリセルをシリコン基板上に有
    する強誘電体不揮発性メモリにおいて、 上記キャパシタが、 上記電界効果トランジスタのドレイン領域上に設けられ
    た単結晶シリコンからなるプラグ上に、酸化セリウムか
    らなり、かつ、(100)面方位を有するバッファ層を
    介して積層された、ペロブスカイト型結晶構造、イルメ
    ナイト型結晶構造またはGdFeO3 型結晶構造を有す
    る(Ba,Sr,Ca,Pb,Mg,Bi,Li,A
    g,Na,K,Y,Ln)(Ti,Zr,Hf,Sn,
    Th,Ce,Ru,Rh,Ir,Cu,Ga,Al,N
    b,Ta,Sb,Bi,Pb,W,V)O3 (ただし、
    Ba+Sr+Ca+Pb+Mg+Bi+Li+Ag+N
    a+K+Y+Ln=1、Ti+Zr+Hf+Sn+Th
    +Ce+Ru+Rh+Ir+Cu+Ga+Al+Nb+
    Ta+Sb+Bi+Pb+W+V=1)からなる強誘電
    性酸化物薄膜と、 上記強誘電性酸化物薄膜上に互いに分離して設けられた
    第1の電極および第2の電極とからなることを特徴とす
    る強誘電体不揮発性メモリ。
  34. 【請求項34】 上記シリコン基板は(100)面方位
    を有し、上記プラグを構成する上記単結晶シリコンは
    (100)面方位を有し、上記強誘電性酸化物薄膜は
    (001)面方位を有することを特徴とする請求項33
    記載の強誘電体不揮発性メモリ。
  35. 【請求項35】 上記電界効果トランジスタの上記ドレ
    イン領域と上記キャパシタの上記第1の電極および上記
    第2の電極のうちの一方とが電気的に接続されているこ
    とを特徴とする請求項33記載の強誘電体不揮発性メモ
    リ。
  36. 【請求項36】 上記第1の電極および上記第2の電極
    は上記強誘電性酸化物薄膜の平坦な表面に設けられてい
    ることを特徴とする請求項33記載の強誘電体不揮発性
    メモリ。
  37. 【請求項37】 上記第1の電極および上記第2の電極
    は上記強誘電性酸化物薄膜の表面に設けられた段部の底
    部に設けられていることを特徴とする請求項33記載の
    強誘電体不揮発性メモリ。
  38. 【請求項38】 上記キャパシタは上記電界効果トラン
    ジスタのほぼ真上に設けられていることを特徴とする請
    求項33記載の強誘電体不揮発性メモリ。
  39. 【請求項39】 1個の電界効果トランジスタと1個の
    キャパシタとからなるメモリセルをシリコン基板上に有
    する強誘電体不揮発性メモリにおいて、 上記キャパシタが、 上記電界効果トランジスタ上に、酸化セリウムからな
    り、かつ、(100)面方位を有するバッファ層を介し
    て積層された、ペロブスカイト型結晶構造、イルメナイ
    ト型結晶構造またはGdFeO3 型結晶構造を有する
    (Ba,Sr,Ca,Pb,Mg,Bi,Li,Ag,
    Na,K,Y,Ln)(Ti,Zr,Hf,Sn,T
    h,Ce,Ru,Rh,Ir,Cu,Ga,Al,N
    b,Ta,Sb,Bi,Pb,W,V)O3 (ただし、
    Ba+Sr+Ca+Pb+Mg+Bi+Li+Ag+N
    a+K+Y+Ln=1、Ti+Zr+Hf+Sn+Th
    +Ce+Ru+Rh+Ir+Cu+Ga+Al+Nb+
    Ta+Sb+Bi+Pb+W+V=1)からなる強誘電
    性酸化物薄膜と、 上記強誘電性酸化物薄膜上に互いに分離して設けられた
    第1の電極および第2の電極とからなることを特徴とす
    る強誘電体不揮発性メモリ。
  40. 【請求項40】 上記シリコン基板は(100)面方位
    を有し、上記プラグを構成する上記単結晶シリコンは
    (100)面方位を有し、上記強誘電性酸化物薄膜は
    (001)面方位を有することを特徴とする請求項39
    記載の強誘電体不揮発性メモリ。
  41. 【請求項41】 上記電界効果トランジスタの上記ドレ
    イン領域と上記キャパシタの上記第1の電極および上記
    第2の電極のうちの一方とが電気的に接続されているこ
    とを特徴とする請求項39記載の強誘電体不揮発性メモ
    リ。
  42. 【請求項42】 上記第1の電極および上記第2の電極
    は上記強誘電性酸化物薄膜の平坦な表面に設けられてい
    ることを特徴とする請求項39記載の強誘電体不揮発性
    メモリ。
  43. 【請求項43】 上記第1の電極および上記第2の電極
    は上記強誘電性酸化物薄膜の表面に設けられた段部の底
    部に設けられていることを特徴とする請求項39記載の
    強誘電体不揮発性メモリ。
  44. 【請求項44】 上記キャパシタは上記電界効果トラン
    ジスタのほぼ真上に設けられていることを特徴とする請
    求項39記載の強誘電体不揮発性メモリ。
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