JPH10268472A - ハロゲン化銀写真感光材料及び処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料及び処理方法

Info

Publication number
JPH10268472A
JPH10268472A JP7744197A JP7744197A JPH10268472A JP H10268472 A JPH10268472 A JP H10268472A JP 7744197 A JP7744197 A JP 7744197A JP 7744197 A JP7744197 A JP 7744197A JP H10268472 A JPH10268472 A JP H10268472A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silver halide
sensitive material
halide photographic
layer
silver
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7744197A
Other languages
English (en)
Inventor
Jun Miura
順 三浦
Masaru Nagahama
勝 長濱
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Paper Mills Ltd filed Critical Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority to JP7744197A priority Critical patent/JPH10268472A/ja
Publication of JPH10268472A publication Critical patent/JPH10268472A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の課題は、自動現像機を用いた処理によ
っても、溶解カブリあるいは二色カブリと称されるカブ
リや褐色銀汚染という新たな品質問題を生じることのな
い迅速処理に適した解像力に優れたハロゲン化銀感光材
料を提供することである。 【解決手段】支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀
乳剤層を有するハロゲン化銀感光材料に於いて、支持体
とハロゲン化銀乳剤層との間に少なくとも1層の非感光
性親水性コロイド層を有し、該非感光性親水性コロイド
層が二酸化チタンと少なくとも一種のメルカプト基を有
する含窒素複素環化合物を含有し、かつ前記ハロゲン化
銀乳剤層を有する側の合計のゼラチン量が5g/m2
下であることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動現像機処理に
適したハロゲン化銀写真感光材料に関するものである。
更に詳しくは、感度や階調等の写真特性を低下させずに
溶解物理現像カブリを防止する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、写真処理工程は、簡易化、処理時
間の短縮化、品質の安定化のために現像ならびにそれに
続く後処理工程、定着、水洗、乾燥を自動で行う、いわ
ゆる自動現像機処理が多く行われるようになってきた。
特に、10.5以上の高PHである現像能の高い現像液
を使用し、30℃以上の高温で迅速処理されることが多
い。
【0003】従って、ハロゲン化銀写真感光材料として
は、現像や定着速度といった処理速度が速いこと、更
に、自動現像機で処理を行っても、例えば感度や調子の
変化や最高濃度の低下などを生じることなく本来有して
いる写真性能を十分に示すことは勿論であるが、自動現
像機で処理されることによる新たな品質問題の発生によ
り不都合が生じないことも重要である。
【0004】しかしながら、ハロゲン化銀写真感光材料
を自動現像機処理すると、溶剤カブリ、二色カブリある
いは黄色カブリと称される銀汚染、いわゆる溶解物理現
像カブリをしばしば生じることがあり、最低濃度(Dm
in)の上昇や汚染による品質低下が重大問題となる。
【0005】自動現像機処理での溶解物理現像カブリ
は、現像処理から定着処理に移り、現像液の現像活性と
定着液からのハロゲン化銀溶剤とが共存する時に生じ
る。高PH現像液を使用した現像処理工程それに続く定
着処理工程が35℃あるいはそれ以上の高温で1分間以
内で終了されるようなライン速度の速い自動現像機処理
で特に生じ易い。
【0006】更に、現像や定着の処理速度が速く自動現
像機での迅速処理に適することからしばしばよく用いら
れる塩化銀に富むハロゲン化銀写真乳剤からなるハロゲ
ン化銀写真感光材料に上述した如き問題が生じ易い。
【0007】現像処理時のかぶり防止剤として、メルカ
プト基を有する含窒素複素環化合物をハロゲン化銀感光
材料に含有することが知られており、その有効性から当
業界では極めて一般的に用いられている。本発明者らも
以前より種ゝのタイプのハロゲン化銀感光材料で、前述
した如き自動現像機処理により生じる溶解物理現像カブ
リの解決手段として抑制効果の高い該化合物を用いるこ
とを試みた。しかしながら、溶解物理現像カブリの抑制
効果は得られるものの、それに相応した弊害をも示し
た。即ち、該化合物の添加により溶解物理現像カブリが
抑制されてくるものの、弊害として特に現像性への悪影
響が顕著に現れ、現像速度の低下、減感、最高濃度の低
下などを生じた。更には、ハロゲン化銀感光材料の長期
保存によって、最高濃度や感度の低下、及び軟調化を生
じさせていた。
【0008】ハロゲン化銀感光材料の長期保存によるメ
ルカプト化合物の弊害を緩和するために、特開昭62−
174742号公報には、メルカプト化合物を非感光性
親水性コロイド層に含有させることが開示されている。
しかしながら、この方法も充分ではなく、長期保存中に
ハロゲン化銀乳剤層に影響を与えていた。
【0009】また、支持体と乳剤層の間に設けられた白
色顔料層にテトラゾール類を含有させて、定着処理時に
チオ硫酸塩が白色顔料層に吸着して汚染するのを防止す
る技術が特開昭53−69630号公報に開示されてい
るが、本発明が目的とする自動現像機処理における溶解
物理現像カブリを防止するというものではなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高P
H現像液及び30℃以上の高温での自動現像機を用いた
迅速処理における、溶剤カブリ、二色カブリあるいは黄
色カブリと称される銀汚染、いわゆる溶解物理現像カブ
リを防止し、かつ長期保存における写真特性の変化のな
いハロゲン化銀写真感光材料を提供することにある。本
発明の他の目的は、白地及び解像力に優れたハロゲン化
銀写真感光材料を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、支持体
上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を有するハロ
ゲン化銀写真感光材料に於て、支持体とハロゲン化銀乳
剤層との間に少なくとも1層の非感光性親水性コロイド
層を有し、該非感光性親水性コロイド層が二酸化チタン
と少なくとも一種のメルカプト基を有する含窒素複素環
化合物を含有し、かつ前記ハロゲン化銀乳剤層を有する
側の合計のゼラチン量が5g/m2以下であることを特徴
とするハロゲン化銀写真感光材料によって達成された。
【0012】本発明者は、支持体とハロゲン化銀乳剤層
との間に少なくとも1層の非感光性親水性コロイド層
(以降、下塗層と称す)を設け、該下塗層に二酸化チタ
ンとメルカプト基を有する含窒素複素環化合物(メルカ
プト化合物と称す)を含有させることによって、現像す
る前の感光材料の保存状態にあっては、メルカプト化合
物の乳剤層への影響を緩和させ、かつ現像及び定着処理
時においては溶解物理現像カブリに有効に働くことを見
いだした。更に、乳剤層が塗布された側の合計のゼラチ
ン量を5g/m2以下にすることと組み合わせることによ
って、よりその効果を顕著なものにした。
【0013】即ち、乳剤層が塗布された側のゼラチン量
を減らすことによって、構成皮膜中への現像液のしみこ
み量が減少し、現像処理から定着処理に移行するときの
構成皮膜中の現像液量が抑えられ、定着処理移行時に定
着液による現像活性が速やかに消失することによって、
溶解物理現像カブリが抑制できる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられる二酸化チタンは、ルチル型であって
も、アナターゼ型であっても良く、それらを混合して使
用しても良い。また、硫酸法で作られたもの、塩素法で
作られたものでも良い。さらに、二酸化チタンは、含水
アルミナ処理、含水二酸化珪素処理または酸化亜鉛処理
等の無機物質による表面被覆処理したものが好ましい。
二酸化チタン顔料の平均粒子径は、特に限定されない
が、電子顕微鏡法で測定した平均一次粒径が0.20μ
m以上のものが好ましい。特に0.25〜0.30μm
の範囲のものが好ましい。
【0015】これらの粒経を有する二酸化チタン顔料
は、ゼラチン量の少ない塗布液中においても分散状態が
安定しており、ゼラチン量の低減が図れる。更に下塗層
中において、二酸化チタンが均一に分散していること
は、メルカプト化合物の溶解物理現像カブリ抑制の効
果、及び乳剤層への影響の緩和が好ましい方向に働くこ
とが分かった。更にエクストルージョンバー等で塗布し
た時にも塗布故障を生じず、高い解像力を示すだけの充
分な量の二酸化チタン顔料を少ないバインダーで塗布故
障なく薄層塗布することができる。
【0016】二酸化チタンは、下塗層を形成するゼラチ
ン等の親水性コロイドに対して約100重量%以上添加
することが好ましく、更に200〜600重量%が好ま
しい。1平方メートル当り換算では、約2〜6gの範囲
の塗設量が好ましい。2g以上含有させることによっ
て、メルカプト化合物との組合せに於て高い効果を発揮
する。
【0017】二酸化チタンの分散に際しては、界面活性
剤等の分散助剤を用いることは任意に可能であり、さら
に、各種の分散機(例えば、超音波分散機、ホモミキサ
ー、ホモジナイザー、ボールミル、コロイドミルなど)
を用いると好ましい微細な分散物を得ることができる。
【0018】二酸化チタン顔料を含有する親水性コロイ
ド層に用いられるバインダーとしては、ゼラチンが好ま
しく用いられるが、その他の親水性コロイド、例えば、
ポリビニルアルコール、カルビキシメチルセルロース等
を組み合わせて用いてもよい。ゼラチンとしては、例え
ば、石灰処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、酵素処理ゼラ
チン及び変性ゼラチンなどを単独であるいは組み合わせ
て任意に用いることができる。
【0019】下塗層中のゼラチン量は、2.5g/m2
下が好ましい。より好ましくは1.5g/m2以下であ
る。
【0020】下塗層には、更にポリマーラテックスを含
有させることは好ましい。好ましい例としては、スチレ
ン−ブタジエン系、アクリルニトリル−ブタジエン系、
アクリル系、スチレン−アクリル系、塩化ビニリデン
系、酢酸ビニル−塩化ビニル系またはエチレン−酢酸ビ
ニル系の共重合体及びそれらのホモポリマーからなるラ
テックス等が挙げられる。
【0021】本発明に用いられるメルカプト基を有する
含窒素複素環化合物は、下記一般式で表すことができ
る。
【0022】
【化1】
【0023】式中、ZはN原子を少なくとも1個有する
5ないし6員環の複素環を示し、Mは水素原子、アルカ
リ金属または四級アンモニウム基を表す。
【0024】5ないし6員環の具体的な例としては、イ
ミダゾール、イミダゾリン、チアゾール、チアゾリン、
オキサゾール、オキサゾリン、ピラゾリン、トリアゾー
ル、チアジアゾール、オキサジアゾール、テトラゾー
ル、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、ト
リアジン等であり、又これらの環は2個以上の縮合生成
した環であってもよく、ベンゼン環やナフタリン環と縮
合したものであってもよい。
【0025】前記5ないし6員環または縮合環は、アル
キル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ニ
トロ基、アミノ基、ハロゲン原子等の置換基を有しても
よい。
【0026】上記メルカプト化合物の中でも特に好まし
いのは、メルカプトテトラゾールもしくはその誘導体で
あり、下記の一般式に示す。
【0027】
【化2】
【0028】式中、Mは水素原子、アルカリ金属または
四級アンモニウム基を表し、R1及びR2は水素原子、ア
ルキル基、アルコキシ基、アシル基、カルバモイル基、
アミノ基、アシルアミノ基、ニトロ基、カルボキシ基、
スルホン酸基、ヒドロキシル基またはそれらの塩を表
す。nは1〜3あるいは0であっても良い。
【0029】本発明において特に有効な上記化2で示さ
れる化合物の代表例を示すが、これらに限定されるもの
ではない。
【0030】
【化3】
【0031】
【化4】
【0032】
【化5】
【0033】
【化6】
【0034】
【化7】
【0035】
【化8】
【0036】
【化9】
【0037】
【化10】
【0038】
【化11】
【0039】
【化12】
【0040】
【化13】
【0041】
【化14】
【0042】
【化15】
【0043】
【化16】
【0044】
【化17】
【0045】
【化18】
【0046】
【化19】
【0047】
【化20】
【0048】
【化21】
【0049】
【化22】
【0050】
【化23】
【0051】
【化24】
【0052】
【化25】
【0053】
【化26】
【0054】
【化27】
【0055】
【化28】
【0056】
【化29】
【0057】
【化30】
【0058】
【化31】
【0059】
【化32】
【0060】
【化33】
【0061】
【化34】
【0062】
【化35】
【0063】
【化36】
【0064】前記メルカプト化合物は、ハロゲン化銀1
モルあたり5×10-4〜2×10-2モル含有するのが好
ましく、2×10-3〜1×10-2モルの範囲の添加量が
特に有用である。これらのメルカプト化合物は、例えば
メタノール、エタノールなどのアルコール類、例えば酢
酸エチルなどのエステル類、例えばアセトンなどのケト
ン類などの水に混和しうる有機溶媒の溶液として、二酸
化チタン白色顔料下塗層のための塗布液調製中あるいは
塗布までの任意の時期に添加すればよい。
【0065】前記メルカプト化合物と二酸化チタンを含
有する下塗層は、支持体とハロゲン化銀乳剤層との間に
位置するよう塗布されるが、該下塗層と支持体あるいは
該下塗層とハロゲン化銀乳剤層との間に別の親水性コロ
イド層を有していてもよい。該下塗層とハロゲン化銀乳
剤層との間に別の親水性コロイド層を有する場合は、親
水性コロイド層の厚みはできる限り薄く、好ましくは2
μm以下がよい。厚いと解像力の著しい低下、迅速処理
適性の低下を招く。該下塗層とハロゲン化銀乳剤層とは
隣接することが好ましい。他に、支持体から乳剤層より
外側に位置する、例えば中間層、保護層などの親水性コ
ロイド層を有することができる。
【0066】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、
公知の種々の方法によって調製することが出来る。
【0067】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、
塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、さらにそれらに沃化銀を含
んでいてもよく、いわゆるシングルジェット方式あるい
はダブルジェット方式といわれる混合法のいずれを用い
て調製されたものでもよい。ハロゲン化銀結晶の晶癖
は、立方体、八面体のような規則的な結晶体でも、球
状、板状の変則的なものでもよい。粒子径も特に制限は
なく0.05〜1μmのものが用いられ、好ましくは
0.1〜0.5μmの平均粒径のものである。
【0068】一般的に、自動現像機を用いて行う迅速処
理に適したハロゲン化銀感光材料のハロゲン化銀乳剤と
しては、ハロゲン組成は現像速度、定着速度が速いこと
から塩化銀に富むハロゲン化銀乳剤、例えば塩化銀が少
なくとも60モル%以上のもので、いわゆるコントロー
ルドダブルジェット方式で調製された平均粒径が0.3
μm以下の単分散乳剤が好適である。
【0069】塩化銀に富むハロゲン化銀乳剤からなるハ
ロゲン化銀感光材料は、自動現像機を用いての迅速処理
に適しているものの、臭化銀に富むハロゲン化銀乳剤
が、本発明の課題である前述した溶解物理現像カブリい
う問題を比較的発生しにくいのに比べ塩化銀に富むハロ
ゲン化銀乳剤は格段に生じやすい。従って、本発明を塩
化銀に富むハロゲン化銀乳剤からなるハロゲン化銀感光
材料に適用することは極めて有用である。
【0070】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は公
知の方法によって化学熟成することが出来る。硫黄増感
剤としては、例えばチオ硫酸塩、チオ尿素、アリルイソ
チアシアネート、シスチン、ローダニンや、米国特開
1,574,944号、同2,278,947号、同
2,410,689号、同2,440,206号、同
3,187,458号、同3,415,649号、同
3,501,313号等に記載されているような含硫黄
化合物を用いることができる。また硫黄増感とともに、
米国特開2,448,060号、同2,540,086
号、同2,566,263号に記載されている白金パラ
ジウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウムのような貴
金属の塩を用いる増感法を組み合わせて用いることもで
きる。また、カリウムクロロオーレート、オーリックト
リクロリド等の金化合物やパラジウムクロリド等のパラ
ジウム化合物等による増感法を組み合わせて用いること
ができる。
【0071】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は公
知の方法によって分光増感することが出来る。分光増感
色素としては、例えばジメチン色素、トリメチンシアニ
ン色素、ハロゲン置換ヒドロキシフタレイン色素、フェ
ナジン色素、ベンゾチアゾール、ベンゾセレナゾール核
を含むシアニン色素、ナフトオキサゾール核を含むシア
ニン色素、トリフェニルメタン系色素、インドレニン核
を含むシアニン色素、チアゾール核を含むシアニン色素
などを用いることができる。
【0072】本発明において、ハロゲン化銀乳剤層のゼ
ラチン量は2.5g/m2以下が好ましい。より好ましく
は、2.0g/m2以下である。ハロゲン化銀乳剤層の上
に保護層を設けるのが好ましく、保護層のゼラチン量は
1.5g/m2以下が好ましい。
【0073】本発明において、ハロゲン化銀乳剤層を有
する側の総ゼラチン量は5g/m2以下にすることが重要
である。即ち、支持体上に、例えば下塗層、ハロゲン化
銀乳剤層及び保護層を塗設する場合、これらの各層に含
有するゼラチン量の合計が5g/m2以下である。好まし
くは4g/m2以下であり、溶解物理現像カブリ抑制の効
果を顕著なものにする。
【0074】ハロゲン化銀乳剤層には、前記メルカプト
化合物は実質的に含有しないことが好ましが、長期保存
における感度、最高濃度、階調等に影響しない程度の量
は含有してもよい。
【0075】本発明のハロゲン化銀写真感光材料には、
イラジエーション、ハレーション等を抑えて画質やその
他の要求される性能を高める目的で、乳剤層や下塗層、
保護層等の親水性コロイド層に、当業者で知られるフィ
ルター染料を含有させることができる。
【0076】本発明においては、当業者で知られている
いかなる支持体をも、用いることができる。支持体とし
ては、ガラス、酢酸セルロースフィルム、ポリエチレン
テレフタレートフィルム、紙、バライタ塗布紙、ポリオ
レフィン(例えばポリエチレン、ポリプロピレンなど)
ラミネート紙、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネー
トフィルム、アルミ等の金属板等が挙げられる。これら
の支持体は、公知の方法でコロナ処理されてもよく、ま
た必要に応じて公知の方法で下引き加工されてもよい。
【0077】本発明のハロゲン化銀写真感光材料にはこ
れらの他に硬膜剤、界面活性剤、帯電防止剤、可塑剤、
マット剤等の各種化合物が、材料の性質をコントロール
するために含むことができる。
【0078】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、そ
の用途により種々選択して調製されればよく、特に限定
されるものではない。該感光材料は、例えば、分光増感
されていない白黒写真印画紙であってもよく、オルソあ
るいはパンクロ増感された各種感光材料であってもよ
い。特に、ベースの白色度及び高い解像力が要求される
スキャナー感材、電算写植用感材及び写真用印画紙に好
ましく適用できる。
【0079】本発明の感光材料は、自動現像機を用いて
迅速処理する場合に好適である。特に、現像処理とそれ
に続く定着処理工程、即ち、感光材料が現像槽に入る時
点から定着槽から出るまでの時間が60秒以内の迅速処
理において、溶解物理現像カブリを効果的に抑制するこ
とができる。
【0080】以下に実施例により本発明を具体的に説明
するが、勿論この記述により本発明が制限されるもので
はない。
【0081】
【実施例】
ハロゲン化銀乳剤塗液の調製。 塩化銀が70モル%である塩臭沃化銀乳剤をコントロー
ルダブルジェット法で平均粒径0.25μmの単分散乳
剤を調製した。その後、通常のフロキュレーション法に
より脱塩、水洗を行い、新たにゼラチン水溶液を加え溶
解した。その乳剤にチオ硫酸ナトリウムと塩化金酸の水
溶液を加え加熱することにより硫黄+金増感をほどこし
た。活性剤として化37、フィルター染料として化3
8、増感色素として化39及び硬膜剤を加え半導体レー
ザー用写真乳剤を調製した。
【0082】
【化37】
【0083】
【化38】
【0084】
【化39】
【0085】保護層用ゼラチン塗液の調製。 6%ゼラチン溶液に活性剤として化37を加え、さらに
マット剤及び硬膜剤を加えて保護層となる塗布液とし
た。
【0086】二酸化チタン白色顔料下塗液の調製。 A液:平均粒子サイズが0.28μmのルチル型二酸化
チタン(石原産業製タイペークCR−58)13Kgに
対し、分散剤としてポリカルボン酸ナトリウム塩(東亜
合成(株)製、アロンT−40)の10%水溶液を二酸
化チタンの5%相当量添加し、30%の二酸化チタン水
分散液を作り、ホモミキサーによる高速微分散を行っ
た。分散後、10%ゼラチン溶液45Kg及びポリマー
ラテックス(アクリル酸アルキルエステル)1.5Kg
及び硬膜剤を加えて合計を100Lとし二酸化チタン白
色顔料下塗液A液を調製した。 B液:A液の平均粒子サイズ0.28μmの二酸化チタ
ンを、平均粒子サイズ0.25μmのもの(石原産業
(株)製タイペークCR−50)に代えA液と同様にし
て下塗液を作成した。 C液:A液の平均粒子サイズ0.28μmの二酸化チタ
ンを、平均粒子サイズ0.21μmのもの(石原産業
(株)製タイペークCR−60)に代えA液と同様にし
て下塗液を作成した。 D液:A液から二酸化チタンを除く以外は、A液と同様
に分散剤、ラテックス等からなるゼラチンを下塗液を作
成した。 これら各下塗液を用いて、下記表1に示す例示化合物お
よびその添加量を含有させた各下塗液を調製した。
【0087】多層同時塗布。 各下塗液とハロゲン化乳剤塗液と保護層となるゼラチン
塗液を、ポリエチレンをラミネートした紙支持体上に、
エクストルージョンバーにより塗布速度250m/mi
nでそれぞれ3層同時塗布し、下記表1に示す各試料を
得た。塗布された試料には、1平方メートル当たり、二
酸化チタンは3g、ハロゲン化銀は硝酸銀に換算して
1.8g、ゼラチンは全層で総量3.5g塗布されてい
る。
【0088】更に、試料3を作成した下塗液、ハロゲン
化乳剤塗液及び保護層となるゼラチン塗液の各塗液にゼ
ラチンのみ(硬膜剤も対ゼラチン比で増量した)を追加
するかたちでそれぞれの塗布液を調製し、それらを同様
に3層同時塗布して、1平方メートル当たりの二酸化チ
タン量、ハロゲン化銀量等は試料3と同じで、塗布され
ているゼラチンのみが全層で総量5.5gと異なる試料
16を作成した。
【0089】こうして得られた各試料をキセノンランプ
を用い、782nmに透過光ピークを有する干渉フィル
ターを通して10-3秒で露光し、その後、三菱製紙
(株)製の現像液MRA−CD401及び定着液MRA
−CF901の処理液を用いて、現像、定着、水洗、乾
燥の各パートを備えた自動現像機(大日本スクリーン製
LD−281Q)で、現像38゜C20秒、定着35゜
C20秒で処理し、所定の黒白像をもつストリップスを
得た。同時に未露光の巾31cmのロール状の各試料を
長さ10メートル処理しカブリや銀汚染の発生をテスト
した。ストリップスは、MACBETH,TD−504
濃度計(米国マクベスコーポレイション製)により濃度
測定をし、センシトメトリーを行った。得られた結果を
表1に示す。
【0090】
【表1】
【0091】溶解物理現像カブリ試験のために処理した
長さ10メートルの各試料の内、比較試料1は、自動現
像機通紙先頭から約2m処理された所より試料の流れ方
向の中央部周辺に筋状にうっすらとカブリ状の汚れの発
生が認められ、試料の最終付近に至っては帯状あるいは
流れ状の若干黄色味を帯びた汚れがほぼ全面に広がって
発生していた。また、比較試料16は、試料の最終部分
約3mにうっすらとカブリ状の汚れの発生が認められ
た。比較試料2および本発明試料3から15には、先頭
から最終までいずれにも汚れの発生はなかった。
【0092】更に、試料1から16の各試料を35℃相
対湿度70%の環境下に2ヶ月間保管した後、前記と同
様のセンシトメトリー及び自動現像機による溶解物理現
像カブリ試験を行った。そのセンシトメトリー結果は、
比較試料2が感度、最高濃度の更なる低下と軟調化を示
した。その他の試料の写真特性にはほとんど変化は認め
られなかった。溶解物理現像カブリ試験の結果は、いず
れも2ヶ月間保管する前と同様の状況を示していた。
【0093】
【発明の効果】この結果より本発明は、自動現像機を用
いた処理によっても、溶解カブリあるいは二色カブリと
称されるカブリや褐色銀汚染という新たな品質問題を生
じることのない迅速処理に適した解像力に優れたハロゲ
ン化銀感光材料を得ることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化
    銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料に於て、支
    持体とハロゲン化銀乳剤層との間に少なくとも1層の非
    感光性親水性コロイド層を有し、該非感光性親水性コロ
    イド層が二酸化チタンと少なくとも一種のメルカプト基
    を有する含窒素複素環化合物を含有し、かつ前記ハロゲ
    ン化銀乳剤層を有する側の合計のゼラチン量が5g/m
    2以下であることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材
    料。
  2. 【請求項2】 前記メルカプト基を有する含窒素複素環
    化合物がメルカプトテトラゾールまたはその誘導体であ
    る請求項1に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  3. 【請求項3】 前記ハロゲン化銀乳剤層が少なくとも6
    0モル%の塩化銀乳剤で構成さることを特徴とする請求
    項1に記載のハロゲン化銀写真感光材料。
  4. 【請求項4】 前記請求項のいずれかに記載のハロゲン
    化銀写真感光材料を、現像処理と定着処理を連続して行
    う自動現像機で、現像及び定着を60秒以内で処理する
    ことを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処理方
    法。
JP7744197A 1997-03-28 1997-03-28 ハロゲン化銀写真感光材料及び処理方法 Pending JPH10268472A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7744197A JPH10268472A (ja) 1997-03-28 1997-03-28 ハロゲン化銀写真感光材料及び処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7744197A JPH10268472A (ja) 1997-03-28 1997-03-28 ハロゲン化銀写真感光材料及び処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10268472A true JPH10268472A (ja) 1998-10-09

Family

ID=13634124

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7744197A Pending JPH10268472A (ja) 1997-03-28 1997-03-28 ハロゲン化銀写真感光材料及び処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10268472A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004010216A1 (ja) * 2002-07-18 2004-01-29 Konica Minolta Photo Imaging, Inc. ハロゲン化銀写真感光材料及び画像形成方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004010216A1 (ja) * 2002-07-18 2004-01-29 Konica Minolta Photo Imaging, Inc. ハロゲン化銀写真感光材料及び画像形成方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH10268472A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料及び処理方法
JP2002207272A (ja) 光熱写真画像形成材料
JPH02103537A (ja) 画像形成方法
JPS6217216B2 (ja)
JPS6024457B2 (ja) 写真乳剤の増感法
JP3372423B2 (ja) ハロゲン化銀白黒印画紙の現像処理方法
US5240826A (en) Silver halide photographic light-sensitive materials
JPH06118544A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JP3542401B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JP2000171937A (ja) 熱現像感光材料
JPS5830568B2 (ja) ハロゲン化銀写真乳剤
JPH01108123A (ja) ハロゲン化銀乳剤の製造方法
JP2003255484A (ja) 熱現像感光材料及び画像形成方法
JPS6011343B2 (ja) ハロゲン化銀写真乳剤
JPH0610728B2 (ja) 新規な界面活性剤を含有するハロゲン化銀写真感光材料
JPS5854379B2 (ja) 直接ポジ型ハロゲン化銀写真感光材料
JPH06208189A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JP2003043615A (ja) 熱現像写真感光材料、画像記録方法及び処理方法
JPH08248556A (ja) ハロゲン化銀写真材料
JPH0117140B2 (ja)
JPH1124198A (ja) 直接ポジ用ハロゲン化銀写真感光材料
EP0506876A1 (en) Super-high contrast silver halide material
JPH04199144A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH09304864A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH05273681A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料