JP3542401B2 - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、自動現像機処理に適したハロゲン化銀写真感光材料に関するものである。更に詳しくは、自動現像機処理による最低濃度の上昇や汚染などによる品質低下を生じないハロゲン化銀写真感光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、写真処理工程は、簡易化、処理時間の短縮化、品質の安定化のために現像ならびにそれに続く後処理工程、定着、水洗、乾燥を自動で行う、いわゆる自動現像機処理が多く行われるようになってきた。特に、高PHである現像能の高い現像液を使用し、30℃以上の高温で迅速処理される事が多い。
【0003】
ハロゲン化銀写真感光材料としては、現像や定着速度といった処理速度が速いこと、更に、自動現像機で処理を行っても、例えば感度や調子の変化や最高濃度の低下などを生じることなく本来有している写真性能を充分に示すことは勿論であるが、自動現像機で処理されることによる新たな品質問題の発生により不都合が生じないことも重要である。
【0004】
しかしながら、高PH現像液を用い高温で自動現像機処理を行うと、溶剤カブリあるいは二色カブリと称されるカブリや黄色味を帯びた褐色や茶褐色の銀汚染が発生することがあり、最低濃度(Dmin)の上昇や汚染による品質低下が問題となる。
【0005】
これらのカブリや銀汚染は、特に、感光材料を処理することや液経時による空気酸化によって処理液の劣化が進んだ時に生じることが多い。又、一般にブレンダーと称される処理液の補充装置で感光材料の処理量や液の経時時間に応じて一定量の処理液を補充しながらかなり長期間に渡り処理液を新しく交換せずに使用されることがある。このような場合は、新液で使用開始当初は比較的問題を生じることは少ないが、処理日数がたつにつれ問題を生じやすくなる。これらは特に、35℃あるいはそれ以上の高温で、さらに現像、定着処理工程が1分間以内で終了されるようなのライン速度の速い自動現像機で処理した時に生じやすい。さらには、現像や定着速度といった処理速度が速く迅速処理に適することからしばしばよく用いられる塩化銀の富むハロゲン化銀写真乳剤からなる写真感光材料において発生することが多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高PH現像液で30℃以上の高温での自動現像機を用いた迅速処理によっても、最低濃度の上昇や最高濃度の低下などを生じることなく本来有している写真性能を充分に示し、さらに、溶解カブリあるいは二色カブリと称されるカブリや褐色銀汚染の発生による品質問題を生じることのないハロゲン化銀写真感光材料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、支持体上にそれぞれ少なくとも一層のハロゲン化銀乳剤層および非感光性親水性コロイド層を有し、支持体から該乳剤層より外側に位置して、該乳剤層に隣接する非感光性親水性コロイド層に下記化4で示される化合物の少なくとも一つを含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料により達成される。
【0008】
【化4】
【0009】
化4中R1は、置換されていないアルキル基または、アリール基を表し、A1は、アルキレン基または、アリーレン基を表し、Mは、水素原子、アルカリ金属原子、またはアンモニウム基を表す。
【0011】
本発明に用いられる化4で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明に用いられる化合物は何等これらに限定されるものではない。
【0012】
【化7】
【0013】
【化8】
【0014】
【化9】
【0015】
【化10】
【0016】
【化11】
【0017】
【化12】
【0018】
【化13】
【0019】
【化14】
【0020】
【化15】
【0021】
【化16】
【0022】
【化17】
【0023】
【化18】
【0024】
【化19】
【0025】
【化20】
【0026】
【化21】
【0027】
化7の中間体(A)4.6−ジクロロ−2−(N−メチル−N−カルボキシメチル)アミノ−S−トリアジンの合成。
【0028】
シアヌルクロライド18.44gとアセトン100mlと氷水100gの混合物を内温5℃以下に保ち、激しく攪拌する中にN−メチルグリシン8.91gをM/2−炭酸ナトリウム100mlに溶かした液と炭酸ナトリウム5.30gを水50mlに溶かした液を同時に20分で滴下した後、同温で2時間攪拌した。析晶物を濾過し、冷水で洗浄した後、濾液と洗浄液を合わせ氷零下6N−塩酸で酸性とした後、析晶物を濾取し、冷水で洗浄した後乾燥し、目的物15.7gを得た。融点:127.0℃〜(分解)であった。
【0029】
化7の合成
【0030】
化7の中間体(A)14.2gをジメチルホルムアミド120mlに溶かした溶液を内温15℃以下に保ち、攪拌下に70%−水酸化ナトリウム14.4gを少量宛て約20分間で加えた後、同温で1.5時間攪拌し、更に室温で1.5時間攪拌した後、水300mlを加え、更に6N−塩酸10mlを加えた後、その液をほとんど濃縮し、残渣に水を加え氷冷後、析晶物を濾取し、水で洗浄した後、メタノール50mlと加温洗浄後、氷冷後、析晶物を濾取乾燥し、目的物11.0gを得た。融点:174.0℃(分解)であった。
【0031】
他の例示化合物も同様の合成法又は既知の合成法で合成できる。
【0044】
化4で表される化合物は、ハロゲン化銀1モルに対し1×10-6〜1×10-2モル含有されるのが好ましく、特に1×10-5〜1×10-3モルの範囲が好ましい添加量である。化4で表される化合物は、水溶液あるいは、アルコール類、例えばメタノール、エタノールなど、エステル類、例えば酢酸エチルなど、ケトン類、例えばアセトンなどの水に混和しうる有機溶剤の溶液として、非感光性親水性コロイド溶液に添加すればよい。
【0045】
非感光性親水性コロイド層としては、支持体と該乳剤層との間に位置する、例えば、下塗あるいは下引層であり、支持体から該乳剤層より外側に位置する、例えば、中間層あるいは保護層を挙げることができる。
【0046】
化4で表される化合物は、支持体から該乳剤層より外側に位置して、該乳剤層に隣接する非感光性親水性コロイド層に含有される。
【0047】
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、公知の種々の方法によって調製することが出来る。
【0048】
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、さらにそれらに沃化銀を含んでいてもよく、いわゆるシングルジェット方式あるいはダブルジェット方式といわれる混合法のいずれを用いて調製されたものでもよい。ハロゲン化銀結晶の晶癖は、立方体、八面体のような規則的な結晶体でも、球状、板状の変則的なものでもよい。粒子径も特に制限はなく0.05〜1μmのものが用いられ、好ましくは0.1〜0.5μmの平均粒径のものである。
【0049】
一般的に、自動現像機を用いて行う迅速処理に適した写真感光材料のハロゲン化銀乳剤としては、ハロゲン組成は現像速度、定着速度が速いことから塩化銀に富む乳剤、例えば塩化銀が少なくとも60モル%以上のもので、いわゆるコントロールドダブルジェット方式で調製された平均粒径が0.3μm以下の単分散乳剤が好適である。
【0050】
しかしながら、上述した如く塩化銀に富むハロゲン化銀乳剤からなる写真感光材料は、自動現像機を用いての迅速処理に適しているものの、カブリや褐色銀汚染という問題を比較的生じやすい。従って、本発明を塩化銀に富むハロゲン化銀乳剤からなるハロゲン化銀写真感光材料に適用することは特に有効である。
【0051】
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は公知の方法によって化学熟成することが出来る。硫黄増感剤としては、例えばチオ硫酸塩、チオ尿素、アリルイソチアシアネート、シスチン、ローダニンや、米国特開1,574,944号、同2,278,947号、同2,410,689号、同2,440,206号、同3,187,458号、同3,415,649号、同3,501,313号等に記載されているような含硫黄化合物を用いることができる。また硫黄増感とともに、米国特開2,448,060号、同2,540,086号、同2,566,263号に記載されている白金パラジウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウムのような貴金属の塩を用いる増感法を組み合わせて用いることもできる。また、カリウムクロロオーレート、オーリックトリクロリド等の金化合物やパラジウムクロリド等のパラジウム化合物等による増感法を組み合わせて用いることができる。
【0052】
本発明のハロゲン化銀写真感光材料には、例えばメルカプトテトラゾール、メルカプトトリアゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾール等の公知の安定剤、カブリ防止剤やポリアルキレンオキサイド、チオエーテル化合物、ジヒドロキシベンゼン系化合物、3−ピラゾリドン化合物等の各種の現像促進剤などを目的により選択して含有させることが出来る。
【0053】
本発明で用いられる親水性コロイドとしては、ゼラチン、コロイド状アルブミン、カゼインなどの蛋白質カルボキシメチルセルローズ等のセルロース誘導体、寒天、アルギン酸ナトリウム、デンプン等の糖誘導体、ポリビニールアルコール、ポリアクリルアミド等の合成ポリマー等を単独あるいは適当な比率で混合して用いることができる。
【0054】
本発明のハロゲン化銀写真感光材料には、イラジエーション、ハレーション等を抑えて画質やその他の要求される性能を高める目的で、乳剤層や下塗層、保護層、さらにバッキング層等の親水性コロイド層に、当業者で知られるフィルター染料を含有させることができる。
【0055】
本発明においては、当業者で知られているいかなる支持体をも、用いることができる。支持体としては、ガラス、酢酸セルロースフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、紙、バライタ塗布紙、ポリオレフィン(例えばポリエチレン、ポリプロピレンなど)ラミネート紙、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、アルミ等の金属板等が挙げられる。これらの支持体は、公知の方法でコロナ処理されてもよく、また必要に応じて公知の方法で下引き加工されてもよい。
【0056】
本発明のハロゲン化銀写真感光材料にはこれらの他に硬膜剤、界面活性剤、帯電防止剤、可塑剤、マット剤等の各種化合物が、材料の性質をコントロールするために含むことができる。
【0057】
本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、その用途により種々選択して調製されればよく、特に限定されるものではない。該感光材料は、例えば、分光増感されていない白黒写真印画紙であってもよく、オルソあるいはパンクロ増感された各種感光材料であってもよい。さらに、印刷業界で多く用いられる、紫外線に富む光源により露光されるいわゆる明室感材でもよく、また、オプトエレクトロニクスの発展に伴いデジタル化した画像情報を例えばHe−Neレーザー、アルゴンレーザー、赤色LEDレーザー、及び半導体レーザーなどのレーザービームを用いて露光されるいわゆるスキャナー用あるいは電算写植用の感光材料であることができる。
【0058】
以下に実施例により本発明を具体的に説明するが、勿論この記述により本発明が制限されるものではない。
【0059】
【実施例】塩化銀が70モル%である塩臭沃化銀乳剤をコントロールダブルジェット法で平均粒径0.25μmの単分散乳剤を調製した。その後、通常のフロキュレーション法により脱塩、水洗を行い、新たにゼラチン水溶液を加え溶解した。その乳剤にチオ硫酸ナトリウムと塩化金酸の水溶液を加え加熱することにより硫黄+金増感をほどこした。この乳剤にカブリ防止剤として化32、活性剤として化33、フィルター染料として化34、増感色素として化35を加え半導体レーザー用写真乳剤を調製した。次に、ゼラチン溶液に活性剤として化33を加えさらにマット剤を加えて分割した。そのままの溶液(比較)と例示化合物の化7、化9、化11、化13、化15、化19及び化21をそれぞれ加えた溶液(本発明)とを調製し保護層となる塗布液とした。乳剤塗液とそれぞれの保護層となるゼラチン溶液に硬膜剤を加え、ポリエチレンをラミネートした紙支持体上に、2層同時塗布し各サンプルを得た。サンプルは、1平方メートル当たり、ハロゲン化銀は硝酸銀に換算して2.0g、ゼラチンは3g、例示化合物はいずれも3×10-5となるように塗布した。
【0060】
【化32】
【0061】
【化33】
【0062】
【化34】
【0063】
【化35】
【0064】
こうして得られた各サンプルをキセノンランプを用い、782nmに透過光ピークを有する干渉フィルターを通して10−3秒で露光し、その後、富士フィルム現像液LD−745と富士フィルム定着液LF−308の未使用の処理液で富士フィルム製自動現像機FG710PTSを用いて、現像条件35゜C20秒で現像処理し、所定の黒白像をもつストリップスを得た。同時に未露光の各サンプルを10メートル処理しカブリや銀汚染の発生をテストした。
【0065】
黒白画像のストリップスは、MACBETH,TD−504濃度計(米国マクベスコーポレイション製)により濃度測定をし、センシトメトリーを行った。結果は、いずれのサンプルも感度や調子等に問題はなく、また、例示化合物を含有しない比較サンプルと例示化合物を含有する本発明のサンプルとに差はなかった。
【0066】
同時に処理した10メートルの各サンプルは、例示化合物を含有しない比較サンプルでは、自動現像機に通紙した先頭から約5m処理された所より最後まで、サンプルの流れ方向の中央部周辺に極めて薄いものではあるが、カブリの発生が認められた。本発明のサンプルのいずれにもカブリの発生はなかった。
【0067】
上記処理テストの後、比較サンプルを現像液1Lあたり2m2の処理を5日間続けた。サンプルの半分は未露光で、もう半分は室内光に晒した後に処理した。自動現像機の稼働時間は、毎日8時間とした。更に、現像液、定着液の補充は行わなかった。6日目に上記と同様の処理テストを実施した。
【0068】
黒白画像のストリップスを前回同様にセンシトメトリーをした結果は、いずれも若干の感度低下と軟調化を示していたが、比較サンプルと本発明のサンプルとの差はなかった。同時に処理した10メートルの各サンプルでは、比較サンプルに先頭から2m付近より黄色味を帯びた流れ状の汚れがほぼ全面にわたって発生した。本発明のサンプルのいずれにもカブリや汚れなどの発生はなかった。
【0069】
【発明の効果】
この結果より本発明は、自動現像機を用いた処理によっても、溶解カブリあるいは二色カブリと称されるカブリや褐色銀汚染という新たな品質問題を生じることのない迅速処理に適したハロゲン化銀写真感光材料を得ることが出来る。
【産業上の利用分野】
本発明は、自動現像機処理に適したハロゲン化銀写真感光材料に関するものである。更に詳しくは、自動現像機処理による最低濃度の上昇や汚染などによる品質低下を生じないハロゲン化銀写真感光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、写真処理工程は、簡易化、処理時間の短縮化、品質の安定化のために現像ならびにそれに続く後処理工程、定着、水洗、乾燥を自動で行う、いわゆる自動現像機処理が多く行われるようになってきた。特に、高PHである現像能の高い現像液を使用し、30℃以上の高温で迅速処理される事が多い。
【0003】
ハロゲン化銀写真感光材料としては、現像や定着速度といった処理速度が速いこと、更に、自動現像機で処理を行っても、例えば感度や調子の変化や最高濃度の低下などを生じることなく本来有している写真性能を充分に示すことは勿論であるが、自動現像機で処理されることによる新たな品質問題の発生により不都合が生じないことも重要である。
【0004】
しかしながら、高PH現像液を用い高温で自動現像機処理を行うと、溶剤カブリあるいは二色カブリと称されるカブリや黄色味を帯びた褐色や茶褐色の銀汚染が発生することがあり、最低濃度(Dmin)の上昇や汚染による品質低下が問題となる。
【0005】
これらのカブリや銀汚染は、特に、感光材料を処理することや液経時による空気酸化によって処理液の劣化が進んだ時に生じることが多い。又、一般にブレンダーと称される処理液の補充装置で感光材料の処理量や液の経時時間に応じて一定量の処理液を補充しながらかなり長期間に渡り処理液を新しく交換せずに使用されることがある。このような場合は、新液で使用開始当初は比較的問題を生じることは少ないが、処理日数がたつにつれ問題を生じやすくなる。これらは特に、35℃あるいはそれ以上の高温で、さらに現像、定着処理工程が1分間以内で終了されるようなのライン速度の速い自動現像機で処理した時に生じやすい。さらには、現像や定着速度といった処理速度が速く迅速処理に適することからしばしばよく用いられる塩化銀の富むハロゲン化銀写真乳剤からなる写真感光材料において発生することが多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高PH現像液で30℃以上の高温での自動現像機を用いた迅速処理によっても、最低濃度の上昇や最高濃度の低下などを生じることなく本来有している写真性能を充分に示し、さらに、溶解カブリあるいは二色カブリと称されるカブリや褐色銀汚染の発生による品質問題を生じることのないハロゲン化銀写真感光材料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、支持体上にそれぞれ少なくとも一層のハロゲン化銀乳剤層および非感光性親水性コロイド層を有し、支持体から該乳剤層より外側に位置して、該乳剤層に隣接する非感光性親水性コロイド層に下記化4で示される化合物の少なくとも一つを含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料により達成される。
【0008】
【化4】
【0009】
化4中R1は、置換されていないアルキル基または、アリール基を表し、A1は、アルキレン基または、アリーレン基を表し、Mは、水素原子、アルカリ金属原子、またはアンモニウム基を表す。
【0011】
本発明に用いられる化4で表される化合物の具体例を挙げるが、本発明に用いられる化合物は何等これらに限定されるものではない。
【0012】
【化7】
【0013】
【化8】
【0014】
【化9】
【0015】
【化10】
【0016】
【化11】
【0017】
【化12】
【0018】
【化13】
【0019】
【化14】
【0020】
【化15】
【0021】
【化16】
【0022】
【化17】
【0023】
【化18】
【0024】
【化19】
【0025】
【化20】
【0026】
【化21】
【0027】
化7の中間体(A)4.6−ジクロロ−2−(N−メチル−N−カルボキシメチル)アミノ−S−トリアジンの合成。
【0028】
シアヌルクロライド18.44gとアセトン100mlと氷水100gの混合物を内温5℃以下に保ち、激しく攪拌する中にN−メチルグリシン8.91gをM/2−炭酸ナトリウム100mlに溶かした液と炭酸ナトリウム5.30gを水50mlに溶かした液を同時に20分で滴下した後、同温で2時間攪拌した。析晶物を濾過し、冷水で洗浄した後、濾液と洗浄液を合わせ氷零下6N−塩酸で酸性とした後、析晶物を濾取し、冷水で洗浄した後乾燥し、目的物15.7gを得た。融点:127.0℃〜(分解)であった。
【0029】
化7の合成
【0030】
化7の中間体(A)14.2gをジメチルホルムアミド120mlに溶かした溶液を内温15℃以下に保ち、攪拌下に70%−水酸化ナトリウム14.4gを少量宛て約20分間で加えた後、同温で1.5時間攪拌し、更に室温で1.5時間攪拌した後、水300mlを加え、更に6N−塩酸10mlを加えた後、その液をほとんど濃縮し、残渣に水を加え氷冷後、析晶物を濾取し、水で洗浄した後、メタノール50mlと加温洗浄後、氷冷後、析晶物を濾取乾燥し、目的物11.0gを得た。融点:174.0℃(分解)であった。
【0031】
他の例示化合物も同様の合成法又は既知の合成法で合成できる。
【0044】
化4で表される化合物は、ハロゲン化銀1モルに対し1×10-6〜1×10-2モル含有されるのが好ましく、特に1×10-5〜1×10-3モルの範囲が好ましい添加量である。化4で表される化合物は、水溶液あるいは、アルコール類、例えばメタノール、エタノールなど、エステル類、例えば酢酸エチルなど、ケトン類、例えばアセトンなどの水に混和しうる有機溶剤の溶液として、非感光性親水性コロイド溶液に添加すればよい。
【0045】
非感光性親水性コロイド層としては、支持体と該乳剤層との間に位置する、例えば、下塗あるいは下引層であり、支持体から該乳剤層より外側に位置する、例えば、中間層あるいは保護層を挙げることができる。
【0046】
化4で表される化合物は、支持体から該乳剤層より外側に位置して、該乳剤層に隣接する非感光性親水性コロイド層に含有される。
【0047】
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、公知の種々の方法によって調製することが出来る。
【0048】
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、さらにそれらに沃化銀を含んでいてもよく、いわゆるシングルジェット方式あるいはダブルジェット方式といわれる混合法のいずれを用いて調製されたものでもよい。ハロゲン化銀結晶の晶癖は、立方体、八面体のような規則的な結晶体でも、球状、板状の変則的なものでもよい。粒子径も特に制限はなく0.05〜1μmのものが用いられ、好ましくは0.1〜0.5μmの平均粒径のものである。
【0049】
一般的に、自動現像機を用いて行う迅速処理に適した写真感光材料のハロゲン化銀乳剤としては、ハロゲン組成は現像速度、定着速度が速いことから塩化銀に富む乳剤、例えば塩化銀が少なくとも60モル%以上のもので、いわゆるコントロールドダブルジェット方式で調製された平均粒径が0.3μm以下の単分散乳剤が好適である。
【0050】
しかしながら、上述した如く塩化銀に富むハロゲン化銀乳剤からなる写真感光材料は、自動現像機を用いての迅速処理に適しているものの、カブリや褐色銀汚染という問題を比較的生じやすい。従って、本発明を塩化銀に富むハロゲン化銀乳剤からなるハロゲン化銀写真感光材料に適用することは特に有効である。
【0051】
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は公知の方法によって化学熟成することが出来る。硫黄増感剤としては、例えばチオ硫酸塩、チオ尿素、アリルイソチアシアネート、シスチン、ローダニンや、米国特開1,574,944号、同2,278,947号、同2,410,689号、同2,440,206号、同3,187,458号、同3,415,649号、同3,501,313号等に記載されているような含硫黄化合物を用いることができる。また硫黄増感とともに、米国特開2,448,060号、同2,540,086号、同2,566,263号に記載されている白金パラジウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウムのような貴金属の塩を用いる増感法を組み合わせて用いることもできる。また、カリウムクロロオーレート、オーリックトリクロリド等の金化合物やパラジウムクロリド等のパラジウム化合物等による増感法を組み合わせて用いることができる。
【0052】
本発明のハロゲン化銀写真感光材料には、例えばメルカプトテトラゾール、メルカプトトリアゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾイミダゾール等の公知の安定剤、カブリ防止剤やポリアルキレンオキサイド、チオエーテル化合物、ジヒドロキシベンゼン系化合物、3−ピラゾリドン化合物等の各種の現像促進剤などを目的により選択して含有させることが出来る。
【0053】
本発明で用いられる親水性コロイドとしては、ゼラチン、コロイド状アルブミン、カゼインなどの蛋白質カルボキシメチルセルローズ等のセルロース誘導体、寒天、アルギン酸ナトリウム、デンプン等の糖誘導体、ポリビニールアルコール、ポリアクリルアミド等の合成ポリマー等を単独あるいは適当な比率で混合して用いることができる。
【0054】
本発明のハロゲン化銀写真感光材料には、イラジエーション、ハレーション等を抑えて画質やその他の要求される性能を高める目的で、乳剤層や下塗層、保護層、さらにバッキング層等の親水性コロイド層に、当業者で知られるフィルター染料を含有させることができる。
【0055】
本発明においては、当業者で知られているいかなる支持体をも、用いることができる。支持体としては、ガラス、酢酸セルロースフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、紙、バライタ塗布紙、ポリオレフィン(例えばポリエチレン、ポリプロピレンなど)ラミネート紙、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、アルミ等の金属板等が挙げられる。これらの支持体は、公知の方法でコロナ処理されてもよく、また必要に応じて公知の方法で下引き加工されてもよい。
【0056】
本発明のハロゲン化銀写真感光材料にはこれらの他に硬膜剤、界面活性剤、帯電防止剤、可塑剤、マット剤等の各種化合物が、材料の性質をコントロールするために含むことができる。
【0057】
本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、その用途により種々選択して調製されればよく、特に限定されるものではない。該感光材料は、例えば、分光増感されていない白黒写真印画紙であってもよく、オルソあるいはパンクロ増感された各種感光材料であってもよい。さらに、印刷業界で多く用いられる、紫外線に富む光源により露光されるいわゆる明室感材でもよく、また、オプトエレクトロニクスの発展に伴いデジタル化した画像情報を例えばHe−Neレーザー、アルゴンレーザー、赤色LEDレーザー、及び半導体レーザーなどのレーザービームを用いて露光されるいわゆるスキャナー用あるいは電算写植用の感光材料であることができる。
【0058】
以下に実施例により本発明を具体的に説明するが、勿論この記述により本発明が制限されるものではない。
【0059】
【実施例】塩化銀が70モル%である塩臭沃化銀乳剤をコントロールダブルジェット法で平均粒径0.25μmの単分散乳剤を調製した。その後、通常のフロキュレーション法により脱塩、水洗を行い、新たにゼラチン水溶液を加え溶解した。その乳剤にチオ硫酸ナトリウムと塩化金酸の水溶液を加え加熱することにより硫黄+金増感をほどこした。この乳剤にカブリ防止剤として化32、活性剤として化33、フィルター染料として化34、増感色素として化35を加え半導体レーザー用写真乳剤を調製した。次に、ゼラチン溶液に活性剤として化33を加えさらにマット剤を加えて分割した。そのままの溶液(比較)と例示化合物の化7、化9、化11、化13、化15、化19及び化21をそれぞれ加えた溶液(本発明)とを調製し保護層となる塗布液とした。乳剤塗液とそれぞれの保護層となるゼラチン溶液に硬膜剤を加え、ポリエチレンをラミネートした紙支持体上に、2層同時塗布し各サンプルを得た。サンプルは、1平方メートル当たり、ハロゲン化銀は硝酸銀に換算して2.0g、ゼラチンは3g、例示化合物はいずれも3×10-5となるように塗布した。
【0060】
【化32】
【0061】
【化33】
【0062】
【化34】
【0063】
【化35】
【0064】
こうして得られた各サンプルをキセノンランプを用い、782nmに透過光ピークを有する干渉フィルターを通して10−3秒で露光し、その後、富士フィルム現像液LD−745と富士フィルム定着液LF−308の未使用の処理液で富士フィルム製自動現像機FG710PTSを用いて、現像条件35゜C20秒で現像処理し、所定の黒白像をもつストリップスを得た。同時に未露光の各サンプルを10メートル処理しカブリや銀汚染の発生をテストした。
【0065】
黒白画像のストリップスは、MACBETH,TD−504濃度計(米国マクベスコーポレイション製)により濃度測定をし、センシトメトリーを行った。結果は、いずれのサンプルも感度や調子等に問題はなく、また、例示化合物を含有しない比較サンプルと例示化合物を含有する本発明のサンプルとに差はなかった。
【0066】
同時に処理した10メートルの各サンプルは、例示化合物を含有しない比較サンプルでは、自動現像機に通紙した先頭から約5m処理された所より最後まで、サンプルの流れ方向の中央部周辺に極めて薄いものではあるが、カブリの発生が認められた。本発明のサンプルのいずれにもカブリの発生はなかった。
【0067】
上記処理テストの後、比較サンプルを現像液1Lあたり2m2の処理を5日間続けた。サンプルの半分は未露光で、もう半分は室内光に晒した後に処理した。自動現像機の稼働時間は、毎日8時間とした。更に、現像液、定着液の補充は行わなかった。6日目に上記と同様の処理テストを実施した。
【0068】
黒白画像のストリップスを前回同様にセンシトメトリーをした結果は、いずれも若干の感度低下と軟調化を示していたが、比較サンプルと本発明のサンプルとの差はなかった。同時に処理した10メートルの各サンプルでは、比較サンプルに先頭から2m付近より黄色味を帯びた流れ状の汚れがほぼ全面にわたって発生した。本発明のサンプルのいずれにもカブリや汚れなどの発生はなかった。
【0069】
【発明の効果】
この結果より本発明は、自動現像機を用いた処理によっても、溶解カブリあるいは二色カブリと称されるカブリや褐色銀汚染という新たな品質問題を生じることのない迅速処理に適したハロゲン化銀写真感光材料を得ることが出来る。
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