JPH10263082A

JPH10263082A - 鼻腔用投薬器

Info

Publication number: JPH10263082A
Application number: JP8885897A
Authority: JP
Inventors: Hisatomo Oki; 久朝大木; Shigemi Nakamura; 茂巳中村; Kazunori Ishizeki; 一則石関; Yoshiyuki Tanizawa; 嘉行谷澤; Akira Yanagawa; 明柳川
Original assignee: DOT KK; Unisia Jecs Corp
Current assignee: DOT KK; Hitachi Unisia Automotive Ltd
Priority date: 1997-03-24
Filing date: 1997-03-24
Publication date: 1998-10-06

Abstract

(57)【要約】【課題】噴霧口内に鼻水が流入するのを防止して、患
者に安定して薬粉を投与する。【解決手段】噴霧ノズル２１の先端側に噴霧口２１Ａ
を囲むように環状溝２２を設け、環状溝２２によって鼻
腔２７の内壁２７Ａから噴霧口２１Ａを離間させる構成
としている。これにより、鼻腔２７の内壁２７Ａを伝っ
て流れる鼻水を環状溝２２内に流入させることができ、
鼻水が噴霧口２１Ａ内に流入するのを防止して、通路内
壁への薬粉の付着を防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、薬粉室内に収容し
た薬粉を患者の鼻腔内に投与するのに用いて好適な鼻腔
用投薬器に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、鼻アレルギー、喘息等の患者に
は薬粉（粉体状の薬品）を鼻腔を介して投与して治療す
る方法が採用されている。また、この治療法では専用の
噴霧器を用いて、例えば薬粉が充填されたカプセル等を
薬品収容室内に収容し、該カプセル内の薬粉を鼻腔内へ
投与するようになっている。

【０００３】さらに、この治療法に用いられる噴霧器と
して特開昭５９−３４２６７号公報（以下、従来技術と
いう）に示すものが知られている。

【０００４】この従来技術における噴霧器は、薬粉を収
容する薬粉室を有するホルダと、薬粉室を挟んで該ホル
ダの一側に設けられ、薬粉室に向け空気を供給するポン
プと、前記薬粉室を挟んで該ポンプと反対側に設けら
れ、噴霧口から鼻腔内に薬粉を噴霧するノズル等とから
構成されている。

【０００５】このように構成された従来技術による噴霧
器では、薬粉室内に薬粉を充填し、ノズルを鼻腔内に挿
入する。そして、この状態でポンプを押圧し、該ポンプ
から薬粉室に向け空気を供給することにより、この空気
によって薬粉室内の薬粉をノズルの噴霧口から鼻腔内に
噴霧する。そして、左，右の鼻腔へノズルを交互に挿入
してポンプの押圧動作を繰返すことにより、患者への薬
粉の投与を行う。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術による噴霧器では、ノズルを鼻腔内に挿入するよ
うにしているから、鼻腔の内壁を伝って流れる鼻水が該
ノズルの噴霧口に流入することがあり、この場合には、
噴霧口等の通路の内壁が鼻水によって湿り、投薬時に薬
粉が通路内壁に付着してしまう。

【０００７】この結果、患者への薬粉の投与量が不安定
になり、患者に規定量の薬粉を投与することができなく
なるから、薬粉の効能が低下してしまい、信頼性の低下
を招くという問題がある。

【０００８】本発明は、上述した従来技術の問題に鑑み
なされたもので、本発明の目的は、噴霧口内に鼻水が流
入するのを防止して、薬粉を患者に安定して投与するこ
とができるようにした鼻腔用投薬器を提供することにあ
る。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明による鼻腔用投薬
器は、薬粉を収容する薬粉室を有するホルダと、薬粉室
を挟んで該ホルダの一側に設けられ、薬粉室に向け空気
を供給するポンプと、前記薬粉室を挟んで該ポンプと反
対側に設けられ、噴霧口から鼻腔内に薬粉を噴霧するノ
ズルとからなる。

【００１０】そして、上述した課題を解決するために、
請求項１の発明が採用する構成の特徴は、前記ノズルの
先端外周側には噴霧口から鼻水が流入するのを防止する
ために、該噴霧口の外側に空隙部を設けたことにある。

【００１１】このように構成することにより、ノズルを
鼻腔内に挿入したときには、鼻腔の内壁を伝って鼻水が
ノズルに向けて流れることがあるが、噴霧口の外側には
空隙部が確保されているから、該噴霧口を鼻腔内壁から
離間させ、鼻水を空隙部に流入させることができ、噴霧
口への鼻水の流入を防止することができる。

【００１２】請求項２の発明は、空隙部をノズルの噴霧
口を囲む環状溝として形成したことにある。

【００１３】このように構成することにより、空隙部に
よってノズルの噴霧口を鼻腔内壁から全周に亘って離間
させることができるから、鼻腔の内壁を伝って流れる鼻
水が噴霧口に流入するのを確実に防止することができ
る。

【００１４】請求項３の発明は、空隙部をノズルの噴霧
口を囲む段差部として形成したことにある。

【００１５】このように構成することにより、空隙部を
構造が簡単な段差部によって形成することができる。

【００１６】請求項４の発明は、ノズルには噴霧口の外
周側に着脱可能な筒体を設け、該筒体を噴霧口の外周側
に嵌着することにより空隙部を形成する構成としたこと
にある。

【００１７】このように構成することにより、噴霧口の
外周側に筒体を嵌着したときには、ノズル手段の先端側
に空隙部を形成でき、噴霧口への鼻水の流入を防止する
ことができる。また、投薬終了後には、筒体を取外すこ
とにより、噴霧口の外周側や筒体に付着した鼻水を容易
に洗浄することができる。

【００１８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
鼻腔用投薬器として、左，右の鼻腔に同時に投薬を行な
う鼻腔用投薬器を例に挙げ添付図面に従って詳細に説明
する。

【００１９】まず、図１ないし図５は本発明の第１の実
施例を示すに、１は鼻腔用投薬器の本体をなし後述する
カプセルＫを保持するホルダとしてのカプセルホルダ
で、該カプセルホルダ１は、二重筒状に形成された後述
の固定部材２と、該固定部材２の内周側に位置して固定
部材２に対して軸方向に移動可能に設けられた可動部材
８とからなる。

【００２０】２はカプセルホルダ１の固定部材で、該固
定部材２は、段付筒状に形成された外筒部２Ａと、該外
筒部２Ａ内に設けられた内筒部２Ｂと、前記外筒部２Ａ
の下端側を閉塞する底部２Ｃと、該底部２Ｃから下向き
に延設された開弁量規制部２Ｄと、前記外筒部２Ａの開
口側に位置して形成されたフランジ部２Ｅとから大略構
成され、前記内筒部２Ｂ内はカプセルＫから落下する薬
粉を捕捉する薬粉受室３となっている。また、前記フラ
ンジ部２Ｅは外筒部２Ａの内周面を軸方向に移動する可
動部材８の抜止めを図ると共に、当該固定部材２を外周
側から覆うように設けられた後述するポンプ１４の位置
決めを行うものである。また、外筒部２Ａと内筒部２Ｂ
とは、該外筒部２Ａの軸方向中間に内筒部２Ｂの開口部
が連結されており、該筒部２Ａ，２Ｂ間には空気流入室
４が形成されている。

【００２１】さらに、前記固定部材２の底部２Ｃには前
記空気流入室４と連通する空気供給通路５が形成され、
内筒部２Ｂの底部となる開弁量規制部２Ｄには後述する
第１の穴あけピン１６が一側カプセル穴１１側に向けて
突出形成されている。また、内筒部２Ｂには薬粉受室３
と空気流入室４とを連通する連通孔６，６が径方向に穿
設され、外筒部２Ａの内周面には後述する回止めピン１
０が係合する係合溝７が軸方向に伸長して形成されてい
る。

【００２２】８は固定部材２の外筒部２Ａ内を軸方向に
移動可能に設けれた可動部材で、該可動部材８は、筒部
８Ａと、該筒部８Ａの下端側に設けられ、前記外筒部２
Ａ内に軸方向に移動可能に保持される大径な底部８Ｂ
と、該底部８Ｂ中央から内筒部２Ｂ内に延びる小径突部
８Ｃとから構成され、前記筒部８Ａの外周面には全周に
亘って雄ねじ８Ｄが刻設されている。また、前記小径突
部８Ｃの軸方向には底部８Ｂを貫通して筒部８Ａ内に連
通し、第１の穴あけピン１６が挿通するピン挿通穴９が
穿設されている。さらに、前記筒部８Ａの外周側には回
止めピン１０が径方向外向きに突出形成され、該回止め
ピン１０は固定部材２に形成された係合溝７に係合する
ことにより、該固定部材２に対して可動部材８が軸方向
に移動するのを許しつつ、固定部材２に対する可動部材
８の回転を規制している。

【００２３】一方、前記可動部材８の筒部８Ａ内周側は
一側カプセル穴１１となり、該一側カプセル穴１１は後
述する他側カプセル穴１９と一体化することにより薬粉
室をなすカプセル収容穴１２を構成している。

【００２４】このように、本実施例によるカプセルホル
ダ１においては、可動部材８を固定部材２の外筒部２Ａ
に沿って軸方向に移動可能とし、しかも、可動部材８の
雄ねじ８Ｄを後述する可動部材螺着穴１８の雌ねじ１８
Ａに螺着させたときには、固定部材２に対する可動部材
８の回転が回止めピン１０によって規制されているた
め、該可動部材８は後述する薬粉噴霧部１７側に自動的
に引上げられる。

【００２５】１３は空気流入室４内に設けられた供給弁
で、該供給弁１３は固定部材２に形成された空気供給通
路５を開，閉するもので、ポンプ１４から空気が供給さ
れたときに開弁し、ポンプ１４内に空気を吸込むときに
は着座して空気供給通路５を閉塞するようになってい
る。

【００２６】１４はゴム材料により有底円筒状に形成さ
れたポンプで、該ポンプ１４は、厚肉な開口部１４Ａ、
底部１４Ｂおよび該開口部１４Ａ、底部１４Ｂ間の押圧
部１４Ｃからなり、前記開口部１４Ａは固定部材２の外
筒部２Ａに気密に装着されている。また、ポンプ１４内
にはカプセルホルダ１の大部分が収容されており、これ
によって当該鼻腔用投薬器を軸方向に小型化している。

【００２７】１５はポンプ１４の底部１４Ｂに設けられ
た吸込弁で、該吸込弁１５は、中央部に位置してポンプ
１４内と連通した吸込通路１５Ａと、該吸込通路１５Ａ
を開，閉する弁体１５Ｂとから大略構成され、該弁体１
５Ｂはポンプ１４から空気が供給されるときには閉弁
し、外部からポンプ１４内に空気を吸込むときには図４
中に二点鎖線で示すように開弁する。

【００２８】１６は固定部材２に設けられた第１の穴あ
けピンで、該第１の穴あけピン１６は基端側が開弁量規
制部２Ｄに固着されると共に、先端側がピン挿通穴９を
介して一側カプセル穴１１側に向けて突出形成され、そ
の先端が鋭利に形成されている。そして、第１の穴あけ
ピン１６は、可動部材８がポンプ１４側に位置している
ときにその先端が一側カプセル穴１１内に突出するよう
になっており、この状態で該一側カプセル穴１１内にカ
プセルＫを押込むことによって該カプセルＫに空気流入
穴Ｈ1 （図４に図示）を穿設できる。一方、可動部材８
が薬粉噴霧部１７側に位置しているときには、第１の穴
あけピン１６の先端がピン挿通穴９内に引っ込むから、
この先端が空気流入穴Ｈ1 から抜取られた状態となる。

【００２９】一方、１７はカプセルホルダ１の可動部材
８に螺着される薬粉噴霧部で、該薬粉噴霧部１７は、カ
プセルホルダ１側となる一側が小径部１７Ａとなり、他
側が大径部１７Ｂとなっている。また、大径部１７Ｂに
は後述する左，右の噴霧ノズル２１，２１が設けられて
いる。

【００３０】また、前記小径部１７Ａには可動部材螺着
穴１８が形成され、該可動部材螺着穴１８の開口側内周
には、可動部材８の雄ねじ８Ｄに螺着される雌ねじ１８
Ａが形成されている。さらに、可動部材螺着穴１８の奥
所には一側カプセル穴１１と共にカプセル収容穴１２を
構成する他側カプセル穴１９が形成されている。

【００３１】２０，２０は薬粉噴霧部１７に形成された
左，右の薬粉通路で、該各薬粉通路２０は、他側カプセ
ル穴１９と連通しつつ分岐した分岐通路部２０Ａと、該
分岐通路部２０Ａから噴霧ノズル２１に向けて直線的に
伸長した直線通路部２０Ｂとから構成されている。

【００３２】２１，２１は薬粉噴霧部１７の大径部１７
Ｂに設けられたノズルとしての左，右の噴霧ノズルで、
該各噴霧ノズル２１は、後述する左，右の鼻腔２７内に
挿入されるもので、前記大径部１７Ｂの他端面から徐々
に縮径して突出するテーパ状に形成されている。また、
各噴霧ノズル２１には、その中央に位置して薬粉通路２
０の直線通路部２０Ｂに連通し、薬粉を鼻腔２７内に噴
霧する噴霧口２１Ａが形成されている。

【００３３】２２，２２は左，右の噴霧ノズル２１，２
１の先端側に設けられた空隙部となる環状溝で、該環状
溝２２は、図２、図３に示すように噴霧口２１Ａを囲む
円環状の溝として形成されている。そして、環状溝２２
は、噴霧ノズル２１を患者の鼻腔２７内に挿入したとき
に、噴霧口２１Ａを鼻腔２７の内壁２７Ａから離間させ
るもので、鼻腔２７の内壁２７Ａを伝って流れる鼻水が
噴霧口２１Ａ内に流入するのを防止している。

【００３４】２３は第１の穴あけピン１６と対向するよ
うに薬粉噴霧部１７に設けられた第２の穴あけピンで、
該第２の穴あけピン２３の基端側は軸方向に摺動可能に
設けられた摺動ブロック２４に固着され、先端側はシー
ルゴム２５を貫通するように伸長し、その先端が鋭利に
形成されている。また、前記摺動ブロック２４は、第２
の穴あけピン２３を操作するために薬粉噴霧部１７外に
設けられた操作板２６，２６（図３中に図示）に接続さ
れている。そして、第２の穴あけピン２３は、操作板２
６が一側に移動されることにより、摺動ブロック２４と
共にカプセルＫに向って一側に移動し、その先端によっ
て該カプセルＫに空気流出穴Ｈ2 を穿設するものであ
る。

【００３５】本実施例による鼻腔用投薬器は上述の如き
構成を有するもので、次に、その使用動作について説明
する。

【００３６】まず、カプセルホルダ１の可動部材８をポ
ンプ１４側に位置させることにより、第１の穴あけピン
１６の先端を一側カプセル穴１１内に突出させた状態と
する。この状態でカプセルＫを一側カプセル穴１１内に
押込むと、該カプセルＫには第１の穴あけピン１６の先
端が突き刺さり、カプセルＫに空気流入穴Ｈ1 が穿設さ
れる。

【００３７】次に、カプセルホルダ１に薬粉噴霧部１７
を組付けるべく、該カプセルホルダ１側の雄ねじ８Ｄに
薬粉噴霧部１７側の雌ねじ１８Ａを螺着する。これによ
り、薬粉噴霧部１７の螺着によってカプセルホルダ１の
可動部材８は当該薬粉噴霧部１７側に移動するから、カ
プセルＫはカプセル収容穴１２内で軸方向に若干押圧さ
れた状態で保持される。また、このときにはカプセルＫ
に空気流入穴Ｈ1 を穿設した第１の穴あけピン１６の先
端が抜き取られ、カプセルＫ内は空気流入穴Ｈ1 、ピン
挿通穴９および各連通孔６を介して空気流入室４と連通
する。さらに、カプセルＫに空気流入穴Ｈ1 をあけたと
きには、該空気流入穴Ｈ1 からカプセルＫ内の薬粉が落
下するものの、この薬粉は固定部材２に形成された薬粉
受室３内に捕捉され、ポンプ１４側への逆流が阻止され
る。

【００３８】この状態で、カプセルＫに空気流出穴Ｈ2
を形成するには、操作板２６を一側に移動させることに
より、第２の穴あけピン２３をカプセルＫに向けて移動
し、その先端でカプセルＫに空気流出穴Ｈ2 を穿設す
る。その後、操作板２６を元の位置へ戻して穴あけピン
２３の先端をカプセルＫより抜き取る。これにより、投
薬準備となる穴あけが行われたことになる。

【００３９】次に、穴あけが行われたカプセルＫ内の薬
粉を患者の鼻腔に噴霧するための投薬動作について述べ
る。

【００４０】まず、図５に示す如く、左，右の噴霧ノズ
ル２１，２１を患者の左，右の鼻腔２７，２７内に挿入
し、図４に示すように、ポンプ１４の押圧部１４Ｃを押
し潰すことにより、ポンプ１４から空気流を発生させ、
この空気を空気供給通路５に作用させて供給弁１３を内
筒部２Ｂの開弁量規制部２Ｄに押付けて開弁させ、空気
流入室４、各連通孔６、ピン挿通穴９および空気流入穴
Ｈ1 を介してカプセルＫに流入させる。これによって、
カプセルＫに流入した空気は薬粉を攪拌して薬粉の混入
した空気となるから、この薬粉の混入した空気を空気流
出穴Ｈ2 、左，右の薬粉通路２０，２０を介して左，右
の噴霧ノズル２１，２１の噴霧口２１Ａから噴霧するこ
とにより、患者の左，右の鼻腔２７，２７に同時に薬粉
を投与することができる。

【００４１】ここで、上述した投薬動作時において左，
右の噴霧ノズル２１，２１を患者の左，右の鼻腔２７，
２７内に挿入したときには、噴霧ノズル２１に向け鼻腔
２７の内壁２７Ａを伝って鼻水が流れることがある。し
かし、本実施例では、噴霧ノズル２１の先端側に噴霧口
２１Ａを囲むように環状溝２２を形成し、該環状溝２２
によって噴霧口２１Ａを鼻腔２７の内壁２７Ａから離間
させているから、鼻腔２７の内壁２７Ａを伝って流れる
鼻水が噴霧口２１Ａ内に流入するのを防止することがで
きる。

【００４２】かくして、本実施例によれば、噴霧ノズル
２１の先端側に噴霧口２１Ａを囲むように環状溝２２を
設けているから、該環状溝２２により鼻腔２７の内壁２
７Ａを伝って流れる鼻水が噴霧口２１Ａに流入するのを
防止することができる。

【００４３】従って、薬粉通路２０、噴霧口２１Ａの内
壁が鼻水によって湿るのを防止することができ、通路内
壁への薬粉の付着を防止できるから、患者に規定量の薬
粉を安定して投与することができ、薬粉の効能を高め
て、鼻腔用投薬器に対する信頼性を向上することができ
る。

【００４４】また、環状溝２２によって空隙部を構成し
ているから、鼻水がいかなる方向から流れてきた場合で
も、環状溝２２によって噴霧口２１Ａへの鼻水の流入を
阻止することができる。

【００４５】次に、図６は本発明の第２の実施例を示す
に、本実施例の特徴は、噴霧ノズルに噴霧口の外周側に
着脱可能な筒体を設け、該筒体を噴霧口の外周側に嵌着
することにより空隙部を形成する構成としたことにあ
る。なお、本実施例では、前述した第１の実施例と同一
の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するも
のとする。

【００４６】図中、３１，３１は薬粉噴霧部１７の大径
部１７Ｂに設けられたノズルとしての本実施例による
左，右の噴霧ノズルで、該各噴霧ノズル３１は、前記大
径部１７Ｂの他端面から突出した小径円筒状のノズル筒
３２と、該ノズル筒３２の外周側に着脱可能に設けられ
た筒体３３とから構成されている。ここで、ノズル筒３
２は、内周側が薬粉通路２０の直線通路部２０Ｂに連通
する噴霧口３２Ａとなり、外周側には、基端寄りに位置
して環状の係止突起３２Ｂが形成されている。

【００４７】また、筒体３３は、基端側から先端側に向
けて徐々に縮径するテーパ状の外面を有し、基端寄りの
内周にはノズル筒３２の係止突起３２Ｂに係脱可能に係
止する環状の係止溝３３Ａが形成されている。また、筒
体３３の先端側内周には、内周面を拡径するように段部
３３Ｂが形成され、該段部３３Ｂはノズル筒３２外面と
の間で後述する環状溝３４を形成するものである。

【００４８】３４，３４は左，右の噴霧ノズル３１，３
１の先端側に位置してノズル筒３２外面と筒体３３の段
部３３Ｂとの間に形成された空隙部となる環状溝で、該
環状溝３４は、前述した第１の実施例による環状溝２２
と同様に、円環状に形成され、噴霧ノズル３１を患者の
鼻腔２７内に挿入したときに、該鼻腔２７の内壁２７Ａ
から噴霧口３２Ａを離間させ、鼻腔２７の内壁２７Ａを
伝って流れる鼻水が噴霧口３２Ａ内に流入するのを防止
するものである。

【００４９】かくして、このように構成された本実施例
においても、前述した第１の実施例とほぼ同様の作用効
果を得ることができるが、特に、本実施例では、噴霧ノ
ズル３１をノズル筒３２と、該ノズル筒３２の外周側に
着脱可能に取付けられる筒体３３とから構成し、筒体３
３をノズル筒３２に取付けることにより、噴霧口３２Ａ
の外周側に環状溝３４を形成することができる。また、
投薬時に環状溝３４内に鼻水が流入しても、投薬終了後
に筒体３３を取外すことにより、ノズル筒３２外面や筒
体３３の段部３３Ｂ等に付着した鼻水を容易、かつ確実
に洗浄することができ、衛生面を向上することができ
る。

【００５０】次に、図７は本発明の第３の実施例を示す
に、本発明の特徴は、空隙部を段差部によって形成した
ことにある。なお、本実施例では、前述した第１の実施
例と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省
略するものとする。

【００５１】４１，４１は薬粉噴霧部１７の大径部１７
Ｂに設けられたノズルとしての本実施例による左，右の
噴霧ノズルで、該各噴霧ノズル４１は、前記大径部１７
Ｂの他端面から徐々に縮径して突出するテーパ状に形成
されている。また、各噴霧ノズル４１には、その中央に
位置して各薬粉通路２０の直線通路部２０Ｂに連通する
噴霧口４１Ａが形成されている。

【００５２】４２，４２は左，右の噴霧ノズル４１，４
１の先端外周側に設けられた空隙部となる段差部で、該
各段差部４２は、噴霧ノズル４１の先端側を縮径するこ
とにより形成されている。そして、段差部４２は噴霧ノ
ズル４１を患者の鼻腔２７内に挿入したときに、噴霧口
４１Ａを鼻腔２７の内壁２７Ａから離間させるものであ
る。

【００５３】かくして、このように構成された本実施例
においても、前述した各実施例とほぼ同様の作用効果を
得ることができるが、特に、本実施例では、段差部４２
は噴霧ノズル４１の先端を縮径することにより形成して
いるから、構成を簡略化でき、付着した鼻水の洗浄を容
易に行なうことができる上に、製造コストを低減するこ
とができる。

【００５４】なお、前記各実施例では、二又に分岐した
左，右の薬粉通路２０、左，右の噴霧ノズル２１，３
１，４１を有し、患者の左，右の鼻腔に同時に投薬する
鼻腔用投薬器を例に挙げて説明したが、本発明はこれに
限らず、例えば、単一の薬粉通路、噴霧ノズルを有し、
この噴霧ノズルを左，右の鼻腔内に交互に挿入して投薬
するようになった投薬器にも適用することができる。

【００５５】

【発明の効果】以上詳述した如く、請求項１の発明によ
れば、ノズルを鼻腔内に挿入したときには、鼻腔の内壁
を伝って鼻水がノズルに向けて流れることがあるが、噴
霧口の外側に空隙部を設けているから、この鼻水を空隙
部に流入させることができ、噴霧口への鼻水の流入を防
止することができる。これにより、噴霧口等の内壁が鼻
水によって湿るのを防止でき、通路内壁への薬粉の付着
を防止できるから、患者に規定量の薬粉を安定して投与
することができ、薬粉の効能を高めて、鼻腔用投薬器に
対する信頼性を向上することができる。

【００５６】請求項２の発明によれば、環状溝として形
成した空隙部によってノズルの噴霧口を鼻腔内壁から全
周に亘って離間させることができるから、鼻腔の内壁を
伝って流れる鼻水が噴霧口に流入するのを確実に防止
し、投薬効率を高めることができる。

【００５７】請求項３の発明によれば、空隙部を構造が
簡単な段差部によって形成することができ、付着した鼻
水の洗浄を容易に行なうことができる上に、製造コスト
を低減することができる。

【００５８】請求項４の発明によれば、噴霧口の外周側
に筒体を嵌着することにより、ノズル手段の先端側に空
隙部を形成して鼻水が噴霧口に流入するのを防止するこ
とができる。また、投薬終了後には、筒体を取外すこと
により、付着した鼻水を容易に洗浄することができ、衛
生面を向上することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施例による鼻腔用投薬器を示
す断面図である。

【図２】噴霧ノズル、環状溝を薬粉噴霧部の一部と共に
示す要部拡大断面図である。

【図３】図２に示す噴霧ノズル、環状溝を上方より示す
平面図である。

【図４】ポンプを押し潰すことによりカプセル内の薬粉
を噴霧している状態を示す断面図である。

【図５】鼻腔内に噴霧ノズルを挿入して投薬を行なって
いる状態を示す要部拡大断面図である。

【図６】本発明の第２の実施例による噴霧ノズル、環状
溝を薬粉噴霧部の一部と共に示す要部拡大断面図であ
る。

【図７】本発明の第３の実施例による噴霧ノズル、段差
部を薬粉噴霧部の一部と共に示す要部拡大断面図であ
る。

【符号の説明】

１カプセルホルダ（ホルダ）１２カプセル収容穴（薬粉室）１４ポンプ２１，３１，４１噴霧ノズル（ノズル）２１Ａ，３２Ａ，４１Ａ噴霧口２２，３４環状溝（空隙部）２７鼻腔２７Ａ内壁３３筒体４２段差部（空隙部）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者石関一則神奈川県厚木市恩名1370番地株式会社ユニシアジェックス内 (72)発明者谷澤嘉行神奈川県厚木市恩名1370番地株式会社ユニシアジェックス内 (72)発明者柳川明神奈川県横浜市都筑区富士見が丘５−３

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】薬粉を収容する薬粉室を有するホルダ
と、薬粉室を挟んで該ホルダの一側に設けられ、薬粉室
に向け空気を供給するポンプと、前記薬粉室を挟んで該
ポンプと反対側に設けられ、噴霧口から鼻腔内に薬粉を
噴霧するノズルとからなる鼻腔用投薬器において、前記
ノズルの先端外周側には噴霧口から鼻水が流入するのを
防止するために、該噴霧口の外側に空隙部を設けたこと
を特徴とする鼻腔用投薬器。
【請求項２】前記空隙部は前記ノズルの噴霧口を囲む
環状溝として形成してなる請求項１に記載の鼻腔用投薬
器。
【請求項３】前記空隙部は前記ノズルの噴霧口を囲む
段差部として形成してなる請求項１に記載の鼻腔用投薬
器。
【請求項４】前記ノズルには前記噴霧口の外周側に着
脱可能な筒体を設け、該筒体を噴霧口の外周側に嵌着す
ることにより前記空隙部を形成する構成としてなる請求
項１または２に記載の鼻腔用投薬器。