JPH10262548A - 鮮度保持用ラベルとこれを用いた包装体 - Google Patents

鮮度保持用ラベルとこれを用いた包装体

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JPH10262548A
JPH10262548A JP7583097A JP7583097A JPH10262548A JP H10262548 A JPH10262548 A JP H10262548A JP 7583097 A JP7583097 A JP 7583097A JP 7583097 A JP7583097 A JP 7583097A JP H10262548 A JPH10262548 A JP H10262548A
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達夫 村井
Toshiro Maekawa
敏郎 前川
Minoru Fujishima
稔 藤島
Kazuo Tajima
一雄 田島
Kanae Muraki
可奈恵 村木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】青果物の呼吸速度を制御して、青果物の鮮度を
長期間保持させることが可能な鮮度保持用ラベルと、こ
れを用いた包装体を提供することである。 【構成】孔径が0.01〜0.5μmの範囲にある微多
孔膜と、平均孔径が100〜500μmの範囲にある有
孔フィルムとを重ね合わせて熱接着し、かつ微多孔膜ま
たは有孔フィルムの外面周囲に粘着層を設けた鮮度保持
用ラベルである。この鮮度保持用ラベルは、青果物を封
入した非通気性の包装材に穿設した孔の周囲に前記粘着
層で貼着され、孔を閉塞して使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、野菜、果物、草花等の
青果物等の鮮度保持用ラベルと、これを用いた包装容
器、包装袋等の包装体に関する。
【0002】
【従来の技術】収穫された野菜等の青果物は、酸素を吸
収し、炭酸ガスと熱を排出しながら自己体内の栄養を消
費し、次第に鮮度を失っていく。従って、流通過程にお
いて青果物の鮮度を維持するには、水分の逸散防止と共
に、呼吸作用のコントロール、具体的には呼吸量の抑制
が重要である。
【0003】一方、近時の流通機構の飛躍的発展ととも
に、産地や加工工場において、青果物等を直接または加
工して、非通気性の袋内に封入するか、あるいはプラス
チック製の容器内に封入して包装した形態で、そのまま
スーパーマーケット等の店頭に陳列され、販売されるこ
とが盛んに行われている。その際、上記のように青果物
の呼吸作用のコントロールが適切に行われていないと、
包装後、速やかに商品の品質や外観が悪くなり、鮮度を
長期間保持できなくなる。
【0004】そこで、従来より、青果物等の鮮度保持を
目的として、呼吸作用をコントロールするための種々の
提案がなされている。すなわち、特開昭63−1526
38号公報には、包装容器の壁面に、所定の通気量を有
する微孔質プラスチックメンブレンからなるガス透過性
パネルを設けて、容器内のCO2 /O2 の比を適正範囲
に設定するための包装用フィルムが開示されている。
【0005】また、特表平8−502659号公報に
は、上記と同様に包装容器内のCO2/O2 の比を制御
するために、所定の酸素透過性を有する多孔質基材の表
面を、酸素に対して実質的に不透過性であるコーティン
グ層で被覆し、キャリヤの酸素透過性を減少させた薄膜
が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】青果物の呼吸作用をコ
ントロールする上での大きな問題は、青果物はそれぞれ
が固有の呼吸速度を有しており、青果物の種類ごとに呼
吸速度が異なることである。従って、青果物の鮮度を長
期間保持させるには、その青果物の呼吸作用を遅らせる
のに最適な範囲にCO2 濃度およびO2 濃度を設定しな
ければならない。例えばイチゴやキノコ等では比較的高
レベルのCO2 濃度が適しているが、レタスやトマト等
では比較的低レベルのCO2 濃度が適しているといわれ
ている。
【0007】さらに、近時は、キャベツ等の野菜を細か
くスライスした、いわゆるカット野菜も広く流通してい
るが、このようなカット野菜は品質劣化が早く鮮度保持
が非常に困難であった。前記特開昭63−152638
号公報に開示の微孔質プラスチックメンブレンは広い範
囲の通気量を有するが、個々の青果物の呼吸速度を制御
するのは困難である。従って、個々の青果物に適用する
ためには、通気量の異なる多種類のメンブレンを準備し
ておく必要があり、煩雑である。
【0008】また、前記特表平8−502659号公報
では、呼吸速度を制御するために、多孔質基材の表面に
酸素不透過性のコーティング層を設けているが、コーテ
ィングによって呼吸速度を狙いどおりに制御するのは困
難であり、精度が劣っているという欠点がある。本発明
の主たる目的は、上述の技術的課題を解決し、青果物等
の呼吸速度を制御するのが容易な食品の鮮度保持用ラベ
ルと、これを用いた包装体を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の鮮度保持用ラベ
ルは、孔径が0.01〜0.5μmの範囲にある微多孔
膜と、平均孔径が100〜500μmの範囲にある有孔
フィルムとを重ね合わせて熱接着し、かつ微多孔膜また
は有孔フィルムの外面周囲に粘着層を設けたことを特徴
とする。
【0010】すなわち、本発明の鮮度保持用ラベルは、
微多孔膜と有孔フィルムとを熱接着したものであるた
め、青果物の呼吸速度の制御は、熱接着時の温度で微多
孔膜が収縮するなどして気体透過度が低下するのと、有
孔フィルムの開孔面積とによって容易に制御することが
できる。かかる本発明の鮮度保持用ラベルは、二酸化炭
素を用いた等圧式気体透過度で1,000,000〜1
00,000cc/m2 ・日の範囲にあり、この範囲内
で上記熱接着時の温度および有孔フィルムの開孔面積を
調整することによって、任意な気体透過度が得られる。
【0011】本発明の鮮度保持用ラベルは、青果物を包
装するための包装容器や包装袋等の包装体に適用され、
包装体内に封入された青果物が鮮度を保持しうる程度に
呼吸を抑制することによって、長期にわたって鮮度を保
持させる作用を有する。すなわち、本発明の包装体は、
非通気性の包装材で収容物を封入したものであって、前
記包装材に孔が穿設されると共に、この孔の部分に前記
鮮度保持用ラベルを配置しかつ孔の周囲に前記粘着層で
貼着して孔を閉塞したことを特徴とする。
【0012】なお、本発明の包装体に収容される収容物
としては、野菜、果物、草花等の青果物が挙げられる
が、これらに限定されるものではなく、鮮度保持が必要
なすべての物を包含する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明において使用される、孔径
が0.01〜0.5μmの範囲にある微多孔膜として
は、特に制限されるものではないが、例えば無機充填剤
を含有したポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレ
フィンを延伸して微多孔を形成させる方法;ポリカーボ
ネート、ポリエステル等のポリマーからなるフィルムに
中性子を照射し、その後薬品でエッチングして細孔を形
成させる方法;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテ
トラフルオロエチレン等の結晶性ポリマーに熱をかけた
り、可塑剤を添加して可塑化後、延伸してフィルムに歪
みを与え、結晶領域の周辺に存在する非結晶領域を広げ
て細孔を形成させる方法;高温では溶媒となるが、低温
では非溶媒となるような溶媒とポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリテトラフルオロエチレン等の結晶性ポリマ
ーを高温で溶融し、均一溶液とし成膜した後、冷却し、
溶媒を抽出し細孔を形成させる方法;ポリビニルホルマ
ール等のポリマーに無機塩、シリカ、可塑剤、界面活性
剤、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロ
ース等を均一に混合分散させ成膜した後、水、酸、アル
カリ等でこれらの物質を抽出し細孔を形成させる方法;
酢酸セルロース、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、
ポリスルフォン、ポリアミド、ポリビニリデンフルオラ
イド等のポリマー、良溶媒および貧溶媒を混合して均一
溶液を作り、成膜し、乾燥等により良溶媒を選択的に除
外し、非溶媒中に浸漬し、溶媒交換によりポリマーのゲ
ル化を行わせて膜を形成させ、これらの過程で良溶媒の
比率が減少し、それにつれてミクロ相分離が生じ、ポリ
マーの小球が形成し、成長し、絡み合い、細孔を形成さ
せる方法等があげられる。
【0014】これらの各方法において、形成される通気
孔の孔径分布はできるだけシャープになるように制御す
ることが好ましい。その際、微多孔膜の孔径が0.01
〜0.5μm、好ましくは0.07〜0.2μmの範囲
にあるのがよい。前記孔径の最小値が0.01μm未満
である場合には、通気量が不足するため、包装された青
果物等が窒息し、悪臭を放って腐敗するようになる。一
方、孔径の最大値が0.5μmを超える場合は、たとえ
熱接着時の温度や有孔フィルムの開孔面積で通気量を制
御するにしても、酸素および炭酸ガスを鮮度保持に適し
た程度に遮断することができず、青果物の呼吸が活発に
なり、包装体内の温度が上昇し、湿度の上昇もあいまっ
て過度に成熟し、腐敗するおそれがある。
【0015】また、微多孔膜の平均孔径は0.1〜0.
17μm、好ましくは0.12〜0.14μmであるの
がよい。なお、微多孔膜の孔径は、ASTM F−31
6−80のバブルポイント法を測定原理とするコールタ
ー社製ポロメーターを用いて測定することができる。前
記微多孔膜の厚さは、使用されるポリマーの種類によっ
て異なるが、通常70〜250μm程度であるのがよ
い。ポリマーとしてポリエチレンまたはポリプロピレン
が使用される場合は、厚さ100μmで透気度(JIS
P 8117)が1,000〜2,500秒/100
cc、水蒸気透過率(JIS Z 0208)が2,0
00〜4,000g/m2 ・24hであるのが好まし
い。
【0016】また、本発明において使用される、平均孔
径が100〜500μmの範囲にある有孔フィルムの材
質としては、特に制限されるものではないが、例えばポ
リオレフィン系樹脂(ポリエチレン系樹脂、ポリプロピ
レン系樹脂等)、スチレン系樹脂、EVA(エチレン−
酢酸ビニル共重合体)、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹
脂(脂肪族ポリアミド等)、ポリエステル樹脂(脂肪族
ポリエステル等)、ポリエステルアミド、あるいはそれ
らの2種またはそれ以上の複合フィルムなどがあげられ
る。
【0017】有孔フィルムの厚さは、特に制限されるも
のではないが、通常20〜100μm程度であるのが好
ましい。上記のフィルムへ穿孔加工を施すことによって
前記有孔フィルムが製造される。穿孔加工は、例えばフ
ィルムの溶融点以上で分解点以下の温度に加熱した複数
の加熱ピンを用いて、フィルムに孔をあける方法;フィ
ルムに超音波周波数の機械的振動を与え、この超音波振
動をしているフィルムに針を挿入する方法(特開平5−
31700号公報)などがあげられる。
【0018】有孔フィルムに設けられる孔は、使用する
微多孔膜の孔径との関係から、目的とする呼吸速度が得
られるように、平均で100〜500μm、好ましくは
150〜400μmの孔径を有する。有孔フィルムの平
均孔径が100μm未満である場合は、通気量が過度に
抑制されるため、包装体内が窒息状態に近くなり、青果
物が腐敗しやすくなる。一方、有孔フィルムの平均孔径
が500μmを超える場合は、実質的に有孔フィルムで
通気量を抑制することが困難になる。
【0019】有孔フィルムの孔数は、1m2 あたり2,
000〜1,000,000個、好ましくは10,00
0〜200,000個であるのがよい。また、孔のピッ
チは1.0〜25mmの間隔であるのがよい。微多孔膜
と有孔フィルムとは熱接着によって一体化される。熱接
着には、例えば両方を重ね合わせ、ヒートプレス、熱ロ
ール等にて加熱加圧して一体に接着する方法が好適に採
用される。加熱温度は、使用する微多孔膜および有孔フ
ィルムの材質に応じて適宜決定されるが、通常90〜2
00℃程度の範囲内であるのがよい。ただし、熱接着を
いかなる温度で行うかは、得られる鮮度保持用ラベルの
気体透過量を制御するうえで重要である。すなわち、例
えば微多孔膜の材料としてポリプロピレンを使用し、か
つ有孔フィルムの材料としてポリエチレンテレフタレー
トとEVAとの複合フィルムを使用した場合、後述する
実施例の記載から明らかなように、熱接着時の加熱温度
が高いほど、気体通過量は小さくなる傾向にある。これ
は、特に微多孔膜の熱収縮により微多孔膜の気体通過量
が低下したためと考えられる。従って、所望の気体透過
量が得られるように加熱温度を選択すればよい。
【0020】図1および図2に示すように、熱接着され
た前記微多孔膜1と有孔フィルム2とは、ラベルの形状
に打ち抜き等によってカットされる。そして、有孔フィ
ルム2の外面周囲に粘着層3が設けられ、この粘着層3
を離型シート4で被覆して、本発明の鮮度保持用ラベル
6が製造される。有孔フィルム2には多数の孔5が一定
のピッチで形成されている。なお、図2は図1に示すラ
ベル6から離型シート4を剥離した状態の底面図であ
る。
【0021】ラベル6の有効面積(ラベルの全表面積か
ら粘着層の面積を除いた面積)は、目的とする気体通過
量に応じて決定されるが、通常0.2〜20cm2 、好
ましくは0.8〜7.1cm2 程度の大きさで使用され
る。また、微多孔膜1の表面には、包装する商品等に係
わる表示をするための印刷を施してもよい。その際、印
刷部分が通気性を有しない場合、印刷部分だけラベル6
の有効面積を広くとる必要がある。
【0022】図3は、本発明の鮮度保持用ラベル6の使
用形態の一例を示している。すなわち、本発明の前記ラ
ベル6は、非通気性の包装材7に穿設された孔8の周囲
に粘着層3によって接着され、孔8を閉塞する。従っ
て、包装材7に穿設される孔8は、ラベル6の有効面積
にほぼ等しい大きさである。なお、粘着層3は、微多孔
膜1の外面周囲に設けてもよい。その場合もラベル6は
包装材7の外側より包装材7に貼着すればよい。
【0023】図4は、本発明の鮮度保持用ラベル6およ
び前記包装材7を使用した包装体9の全体を示す説明図
であり、包装体9内にはキャベツ等の青果物10が封入
されている。この状態では、包装体9内に封入された青
果物10は、呼吸によって酸素O2 を消費し、二酸化炭
素CO2 を排出する。そのため、包装体9内の酸素分圧
は低下し、二酸化炭素分圧は増加する。その結果、外気
との間に分圧差が生じ、酸素は外からラベル6を通って
包装体9内に、二酸化炭素は包装体9内からラベル6を
通って外部へそれぞれ移動する。
【0024】その際、本発明の鮮度保持用ラベルは、二
酸化炭素を用いた等圧式気体透過度で1,000,00
0〜100,000cc/m2 ・日の範囲内にあるよう
に、熱接着時の温度および有孔フィルム2の開孔面積等
を設定するのが好ましく、この範囲内で青果物の種類に
応じた気体透過度を設定して、包装体9内に封入された
青果物10が鮮度を保持しうる程度に呼吸を抑制し、長
期にわたって鮮度を保持させる。前記二酸化炭素を用い
た等圧式気体透過度は、後述する実施例に記載の方法に
よって測定される。
【0025】ラベルの前記等圧式気体透過度が1,00
0,000cc/m2 ・日を越えるときは、包装体内の
酸素濃度が低下せず呼吸量制御ができなくなるおそれが
ある。一方、ラベルの前記等圧式気体透過度が100,
000cc/m2 ・日未満のときは、包装体内の酸素濃
度が0%に近づき、その結果、青果物等が嫌気呼吸とな
るおそれがある。
【0026】なお、本発明において、等圧式気体透過度
の測定に二酸化炭素を用いたのは、上記微多孔膜がフィ
ルムなどとは異なり、気体による選択透過性を有しない
こと、濃度調整が容易で安全なことなどの理由に基づ
く。本発明の包装体9は、図5に示すような包装容器1
1および図6に示すような包装袋12を包含している。
図5に示す包装容器11は、ポリ塩化ビニルなどの非通
気性の容器本体13の開口部を透明な非通気性のフィル
ム14(包装材)で閉塞して、容器本体13内に収容さ
れた青果物(図示せず)を封入するものであって、前記
フィルム14に穿設された孔の部分に前記した鮮度保持
用ラベル6を配置しかつ孔の周囲に前記粘着層3で貼着
されている。
【0027】また、図6に示す包装袋12は、非通気性
のフィルム材14(包装材)で袋状に形成され、開口部
をシールして(シール部を15で示す)、内部に青果物
(図示せず)を封入したものであって、前記フィルム材
14に穿設した孔の部分に前記した鮮度保持用ラベル6
を配置しかつ孔の周囲に前記粘着層3で貼着されてい
る。
【0028】なお、図1では、粘着層3を有孔フィルム
2の外面に設けたが、微多孔膜1の外面周囲に設けてよ
い。その場合も、ラベルの貼着は包装体の外側から行え
ばよい。
【0029】
【実施例】
試験例1 (気体透過度の検討)微多孔膜として、積水化学工業
(株)製の「セキスイセルポア」を用いた。このものは
ポリエチレンを主体としたものであって、孔は平均孔径
0.13μm、最大孔径0.2μm、最小孔径0.07
μm、孔数2×108 /cm2 である。
【0030】有孔フィルムとして、ポリエチレンテレフ
タレートとEVAとの複合フィルム(厚さ50μm)に
加熱ピンロールにて、平均孔径300μm、最大孔径4
00μm、最小孔径200μm、孔数8/cm2 の孔あ
け加工を施したフィルムを使用した。これらを重ね合わ
せ、一対の加熱ロールを用いて、表1に示す各加熱温度
で、かつロールとの接触時間13秒間で一体に熱接着
し、ついで直径40mmの円形ラベルの形状に打ち抜い
た。さらに、有孔フィルムの外面周囲に幅7.0mmの
粘着剤(アクリル系樹脂粘着剤)を塗布した。
【0031】得られた各ラベルについてYANACO法による
酸素透過度および等圧式気体透過度をそれぞれ測定し
た。前記YANACO法による酸素透過度の測定は、柳本製作
所(株)製のガス透過率測定装置「GTR−10」を使
用して行った。前記等圧式気体透過度を測定した理由は
以下のとおりである。すなわち、本発明において使用さ
れる微多孔膜はフィルムに比べると気体透過のメカニズ
ムが異なるため、通常の気体透過度測定のように、試験
体の内外に圧力差を設けると、その影響で透過度の値が
異常に大きくなり、気体透過面積を小さくしても値のバ
ラツキが大きいこと、並びに実際のパッケージでは等圧
の透過であることを考慮して検討された測定方法であ
る。測定装置を図7に示す。同図に示すように、プラス
チック製の容器20(デシケータ容器、内容積:400
0ml)の上部開口部にOリング21を介してポリエチ
レンフィルム22(厚さ0.3mm)を配置して、上部
開口を塞いだ。さらにポリエチレンフィルム22の上部
に、上部が開口したプラスチック製の蓋体23を配置し
た。容器20内には微圧計25が設置されている。
【0032】ポリエチレンフィルム22の中央部には直
径26mmの孔24が穿設され、この孔24に前記のよ
うにして製造されたラベル6を外面周囲の粘着層で孔2
4の周囲に接着し、孔24を塞いだ。この状態で、容器
20に接続した赤外線CO2 分析計24(理研計器
(株)製のポータブル赤外線ガス分析計「RI−550
A」、CO2 最大20%)にて容器20内のCO2 濃度
を測定し、記録計25にて測定値を読み取った。なお、
測定温度は20℃で、かつCO2 濃度は15%を中心と
して1%変化時の値より透過度を算出した。
【0033】測定結果を表1に示す。なお、ブランクと
して微多孔膜だけのラベルを用いた測定結果も併せて同
表に示す。
【0034】
【表1】
【0035】表1から、微多孔膜に有孔フィルムを熱接
着することにより、気体透過度が低下し、しかも熱接着
時の加熱温度によって気体透過度を任意に制御できるこ
とがわかる。なお、等圧式気体透過度の測定では、気体
として二酸化炭素を用いたが、微多孔膜は選択透過性が
ないため、酸素の場合もほぼ同等の値が得られる。 試験例2 (カットキャベツの鮮度保持試験)カットキャベツは、
通常、収穫したキャベツを加工工場でスライス後、水洗
し、ついで次亜塩素酸ナトリウムで殺菌し、水切り後、
ポリエチレンの袋に封入して製造される。
【0036】このポリエチレンの包装袋に直径26mm
の孔を穿設し、この孔に前記のようにして製造されたラ
ベルを外面周囲の粘着層で孔の周囲に接着し、孔を塞い
だ(図6を参照)。そして、8℃の恒温槽内に貯蔵し、
包装袋内の酸素濃度および二酸化炭素濃度の変化を調べ
た。その結果を表2、図8および9に示す。なお、試験
に使用したラベルは試験例1で製造した各ラベルと同じ
ものを使用したので、同じ試料番号を付した。また、各
数値は試料数3での平均値である。
【0037】また、包装袋内の酸素濃度と二酸化炭素濃
度は、Hitech Instrument 社製の「MAP TEST 4000 」に
より求めた。
【0038】
【表2】
【0039】また、9日間貯蔵後のカットキャベツの外
観および臭いの変化を調べた。その結果、試料2では全
体に褐色に変色する傾向が見られたが、臭いは良好であ
った。これは、酸素量が多いためと推測される。試料3
では、全体に色および臭いは良好であった。試料4で
は、色は良好であったが、アルコール臭がした。これは
酸素量が少ないので嫌気呼吸になったためと推測され
る。
【0040】表2、図8および9から、貯蔵日数が2日
経過後から酸素濃度および二酸化炭素濃度が一定のレベ
ルに維持されていることがわかる。カットキャベツの場
合、その鮮度保持に最適な酸素濃度範囲が低くかつ制御
幅も狭いことから、熱接着時の温度が107℃であるラ
ベルが最もカットキャベツの鮮度保持に有効であり、こ
のことは外観、臭いの試験結果でも確認された。
【0041】
【発明の効果】本発明の鮮度保持用ラベルは、微多孔膜
と有孔フィルムとを熱接着することにより、気体の透過
速度の制御が容易となり、その結果、包装体に封入され
た青果物が鮮度を保持しうる最適範囲に青果物の呼吸を
抑制することができ、長期にわたって鮮度を保持させる
ことができるという効果がある。
【0042】従って、本発明の鮮度保持用ラベルは、青
果物を包装するための包装容器や包装袋等の包装体に好
適に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鮮度保持用ラベルの一例を示す断面図
である。
【図2】離型シート4を剥がした状態での図1に示す鮮
度保持用ラベルの底面図である。
【図3】図1に示す鮮度保持用ラベルの使用形態を示す
断面図である。
【図4】青果物を収容した本発明の包装体の概略説明図
である。
【図5】本発明の包装体の一実施形態である包装容器の
斜視図である。
【図6】本発明の包装体の一実施形態である包装袋の斜
視図である。
【図7】等圧式気体透過度の測定装置を示す分解斜視図
である。
【図8】試験例2における包装体内の酸素濃度の変化を
示すグラフである。
【図9】試験例2における包装体内の二酸化炭素濃度の
変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 微多孔膜 2 有孔フィルム 3 粘着層 4 離型シート 6 鮮度保持用ラベル 9 包装体 11 包装容器 12 包装袋

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】孔径が0.01〜0.5μmの範囲にある
    微多孔膜と、平均孔径が100〜500μmの範囲にあ
    る有孔フィルムとを重ね合わせて熱接着し、かつ微多孔
    膜または有孔フィルムの外面周囲に粘着層を設けたこと
    を特徴とする鮮度保持用ラベル。
  2. 【請求項2】二酸化炭素を用いた等圧式気体透過度が
    1,000,000〜100,000cc/m2 ・日で
    ある請求項1記載の鮮度保持用ラベル。
  3. 【請求項3】非通気性の包装材で収容物を封入する包装
    体において、前記包装材に孔が穿設されると共に、この
    孔の部分に請求項1記載の鮮度保持用ラベルを配置しか
    つ孔の周囲に前記粘着層で貼着して、孔を閉塞したこと
    を特徴とする包装体。
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