JPH1025439A - 生分解性磁性インキ組成物 - Google Patents

生分解性磁性インキ組成物

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JPH1025439A
JPH1025439A JP18358296A JP18358296A JPH1025439A JP H1025439 A JPH1025439 A JP H1025439A JP 18358296 A JP18358296 A JP 18358296A JP 18358296 A JP18358296 A JP 18358296A JP H1025439 A JPH1025439 A JP H1025439A
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JP
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biodegradable
resin
magnetic
ink composition
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JP18358296A
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English (en)
Inventor
Kenji Kawamoto
憲治 河本
Masaaki Chino
正晃 地野
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プラスチック、紙などの各種基材の積層・ラミ
ネート・貼り合わせなどの加工に使用可能な接着強度を
有し、かつ接着剤自体にも生分解性を有する生分解性接
着剤及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 脂肪族ジカルボン酸またはその酸無水物
成分と、ジオール成分とを重縮合して得られる脂肪族ポ
リエステルを溶融状態とし、ジエポキシ類化合物を添加
し反応させ、一般式(1)、一般式(2)で示されるエ
ステル部を有する脂肪族ポリエステルをを主成分とする
生分解性接着剤が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生分解性を有する
磁性インキ組成物にかかり、とくに自然界における微生
物などによる生分解可能な高分子化合物からなる生分解
性磁性インキ組成物であり、プリペイドカード、定期
券、磁気テープ、フロッピーなどの各種媒体の磁気記録
層に用いることが可能な生分解性磁性インキ組成物に関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題において、問題とされて
いる廃棄物のうち、その多くをプラスチック製品を占め
ており、とくに半永久的に分解しない特性からきわめて
処理困難な素材として指摘されている。このような社会
的なニーズから、特開昭57−150393号公報、特
開昭59−220192号公報、特開平5−10573
6号公報、特開平5−148352公報、特開平5−1
79016号公報などに示されるような、土中の微生物
などによって自然分解可能な生分解性プラスチックが開
発されており、例えば英国・ゼネカ社の微生物ポリエス
テル系のバイオポール(商品名)、昭和高分子株式会社
の脂肪族ポリエステル系のビオノーレ(商品名)、さら
には株式会社島津製作所のポリ乳酸などを原料とする脂
肪族ポリエステル系のラクティー(商品名)、イタリア
・ノバモント社のでんぷんと変性PVAとを混合したマ
タービー(商品名)または米国エコスター社のノボン
(商品名)やデグラスター(商品名)などが商品化され
ている。これらの生分解性樹脂をプリペイドカード、定
期券、磁気テープ、フロッピー等の磁気記録媒体の基材
に用いることにより、これらの廃棄によるゴミ問題を解
決するものと期待され、環境に優しい商品として天然素
材であるとされる紙などとともに、生分解性カード、或
いは生分解性記録媒体の基材など用いたものが提案され
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、磁気記録媒
体は磁気的な記録を行なう磁気記録層を主に構成する磁
性インキはバインダー樹脂と、そのバインダー樹脂を溶
解することができる溶媒と、磁性材とからなり、とくに
バインダー樹脂は生分解性の無い合成高分子樹脂からな
るため、土中又は水中において、生分解性樹脂からなる
基材は、生分解により徐々に消失していくが、磁気記録
層は生分解されることなく、もとの状態で残存するとい
う問題を有する。このように製品全体が生分解性を有す
る自然界で分解消失するように、環境に対応した商品を
提供することはできなかった。。そこで、このような問
題に対して、現行の磁気記録層を構成する磁性インキは
バインダー樹脂に上記の従来の生分解性樹脂を用いるこ
とが考えられる。
【0004】しかしながら、上記の従来の生分解性樹脂
は、一般的に汎用の溶剤には不溶であるため、射出成形
などの溶融成型加工製品、溶融押し出しによるフィルム
基材など以外の用途では利用ができないものであり、塗
工用のインキの場合、有機溶剤系の溶媒に一旦溶解させ
るバインダー樹脂に用いることができなかった。さらに
上記の各種の磁気記録媒体の磁気記録層は記録特性、耐
久性など、常に安定した記録再生消去を可能とする特性
が要求されており、いずれもこれを満たす生分解性樹脂
は存在していなかった。そこで、本発明は磁性インキの
樹脂バインダーに汎用有機溶剤に可溶、かつ生分解性を
有する樹脂を用いてなり、記録特性、耐久性などに優れ
た磁気記録層を形成できる生分解性磁性インキ組成物を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされたものであり、請求項1に記載の発
明は、少なくとも、溶解度パラメータが8.0〜10.
0の範囲にある有機溶剤と、有機溶媒に可溶な生分解性
樹脂と、磁性材とからなることを特徴とする生分解性磁
性インキ組成物である。
【0006】請求項2に記載の請求項1に記載の生分解
性磁性インキ組成物において、生分解性樹脂がポリ乳酸
樹脂であることを特徴とするものである。
【0007】請求項3の発明は、請求項1に記載の生分
解性磁性インキ組成物において、生分解性樹脂を硬化さ
せる硬化剤を添加してなることを特徴とする生分解性磁
性インキ組成物である。
【0008】請求項4の発明は、請求項1に記載の生分
解性磁性インキ組成物において、生分解性樹脂がポリ乳
酸樹脂と脂肪族系ポリエステル樹脂の混合物であること
を特徴とするものである。
【0009】請求項5の発明は、請求項4に記載の生分
解性磁性インキ組成物において、生分解性樹脂の全量に
たいして前記脂肪族系ポリエステル樹脂の割合が5〜4
0重量%であることを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、多数存在する汎用性の有機溶剤と生分解性を
有する樹脂の中から、生分解性樹脂を可溶とする有機溶
剤と、これに適した生分解性樹脂と、磁性材をベースに
生分解性磁性インキを作製したものであり、さらに生分
解性に影響を及ぼすことなく、磁気記録特性や耐性を付
与する硬化剤により実用性を備えた生分解性磁性インキ
である。
【0011】本発明者によれば、溶解度パラメータが
8.0〜10.0の範囲にある有機溶剤が最も生分解性
樹脂を可溶とするものであることが判明し、これらに該
当する有機溶剤は汎用的に用いられる芳香族、ケトン類
などの溶剤を示し、例えばメチルイソブチルケトン
(8.4)、メチルエチルケトン(9.3)、酢酸エチ
ル(9.1)、トルエン(8.9)、キシレン(8.
8)、シクロヘキサノン(9.9)などが挙げられ、こ
れらを単独または混合して用いられる。
【0012】そして溶解度パラメータが8.0〜10.
0の範囲にある有機溶剤に最適な生分解性樹脂は、樹脂
の分子量は数平均分子量20000以上であり、好まし
くはポリ乳酸である。とくにポリマーの構造単位にD−
乳酸とL−乳酸の混合された組成が好ましい。L−乳酸
単位のみのホモポリマーはけっしょうせいが高く汎用性
有機溶剤に不要であるが、ポリマーの構造単位のD−乳
酸とL−乳酸の割合を何れか一方が約5%以上混合され
るようにすれば、非晶性部分が増加し、各種有機溶剤に
可溶となる。このように本発明ではポリ乳酸樹脂はポリ
マーの構造単位のD−乳酸とL−乳酸が一定の割合で混
合された組成であればよい。なお、D−乳酸は自然界に
存在せず、高価であるが、ポリ乳酸樹脂を合成する原料
にD−乳酸とL−乳酸(ラセミ混合物)を用いて重縮合
反応させて製造することにより、上記の条件を満たすポ
リ乳酸樹脂を得ることができる。
【0013】また、ポリ乳酸樹脂の合成に乳酸の環状二
量体のラクチドを経由し開環重合させる方法もあり、こ
の場合にもL−ラクチド、D−ラクチドを原料とし、D
−乳酸成分を約5%以上となるようにし、重合させて製
造することにより、上記の条件を満たすポリ乳酸樹脂を
得ることができる。重合時の開始剤に各種金属錯体触媒
を加えて、さらに多官能アルコールを少量添加すること
により、分岐鎖を有する樹脂とすることができ、硬化剤
を加える際の硬化剤と反応させる末端官能基の数を増や
すことができる。
【0014】次に上記の生分解性樹脂と有機溶剤に混合
される磁性材には、公知の磁性材料を用いることができ
る。例えば、いわゆるハード磁性材、例えばγ−酸化
鉄、、コバルト被着γ酸化鉄、バリウムフェライト、ス
トロンチウムフェライト、マグネタイト等の高保磁力材
等、鉄、ニッケル、クロム等の強磁性金属、いわゆるソ
フト磁性材、例えばパーマロイ、センダスト等の強磁性
合金等の粉末を使用することができる。なお、磁性材に
必要な保磁力、平均粒子径、軸比(長短/単軸)、比表
面積は必要に応じて適宜決定することができる。また、
通常、磁性インキはグラビア印刷、スクリーン印刷によ
り用いられるので、磁性材と上記の生分解性樹脂の混合
割合は重量比で1:1〜10:1程度である。
【0015】さらに本発明の生分解性磁性インキ組成物
には、必要に応じて顔料の分散性を向上させるために、
分散剤としてレシチン、高級脂肪酸、リン酸エステル、
スルホン酸エステル、高級アルコール、その他界面活性
剤等を適宜添加することができる。また、所望の印刷特
性を実現するために、粘度調整剤を添加することができ
る。更に、シリコーンオイル、二硫化モリブデン等の潤
滑剤、カーボンブラック、グラファイト等の帯電防止剤
等を添加することができる。
【0016】また、本発明の生分解性磁性インキ組成物
には、必要に応じて硬化剤(架橋剤)を配合することが
できる。硬化剤には熱硬化型のイソシアネート系化合
物、とくに生分解性の面で脂肪族系ジイソシアネートが
好ましい。この硬化剤の添加の理由には、形成される磁
気記録層の機械的物性や化学的特性の向上を図ることが
できるとともに、磁気記録層の塗工形成後に設けられる
保護層などのオーバーコートの塗膜形成の際又はその後
の耐溶剤性が要求されているためである。
【0017】このような硬化剤としては、バインダーを
構成する樹脂の種類に応じて適宜選択することができ、
例えばエチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシ
アネート、ブチレンジイソシアネート、ペンタメチレン
ジイソシアネート、メチルペンタメチレンジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネート、オクタメチレ
ンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、
デカメチレンジイソシアネート、ウンデカメチレンジイ
ソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネートなどが
挙げられる。とくにヘキサメチレンジイソシアネート以
下の分子量のものが生分解性が良好であり好ましい。ま
た三官能のイソシアネート化合物ではヘキサメチレンジ
イソシアネートのイソシアヌレート変性の三量体なども
使用することができ、これも比較的生分解性が良好であ
る。これらの硬化剤の添加量は生分解性の点から、生分
解性樹脂成分に対して約3〜6重量%の範囲で添加する
ことが望ましい。さらに必要に応じて硬化を促進させる
触媒を用いてもよい。
【0018】さらに本発明の生分解性磁性インキ組成物
の生分解性樹脂としては、上記ポリ乳酸樹脂に脂肪族ポ
リエステル樹脂を混合した樹脂を熱硬化させることによ
り、形成される磁気記録層を適度な硬さと柔軟性を有す
る、磁気記録特性に優れたものとすることができる。こ
れはポリ乳酸樹脂自体が非常に硬く脆い性質であるため
単独では柔軟性に劣り、一方のポリブチレンサクシネー
トに代表される脂肪族ポリエステル樹脂は柔らかい性質
であるため、この樹脂系のみでは強度が不足しているた
めであり、ポリ乳酸樹脂と脂肪族ポリエステル樹脂とを
一定割合で混合したものをバインダー樹脂とし、磁性材
とともに熱硬化させると上記特性を有する磁気記録層と
することができる。この脂肪族ポリエステル樹脂は本発
明で用いる溶剤に溶解するものであればよく、例えばポ
リブチレンアジペート、ポリヘキサメチレンサクシネー
トなどのホモポリマー、またポリブチレンサクシネート
とポリエチレンサクシネートの共重合物等の各種脂肪族
ポリエステル樹脂の共重合物を用いることができる。脂
肪族ポリエステル樹脂の添加割合は生分解性の全量に対
して約5〜40%、好ましくは10〜25%程度であ
る。脂肪族ポリエステル樹脂が5%を下回ると柔軟性を
付与する効果が少なくなり、また40%を越えると混合
した樹脂が非相溶性を示す可能性があり、形成される磁
気記録層は適度な硬さと柔軟性、磁気記録特性に劣るも
のとなる。
【0019】本発明の生分解性磁性インキ組成物は常法
により製造することができる。磁性材、バインダー樹脂
及び溶剤、更に必要に応じて他の成分、例えば分散剤と
してレシチン、高級脂肪酸、リン酸エステル、スルホン
酸エステル、高級アルコール、その他界面活性剤、所望
の印刷特性を実現するための粘度調整剤、シリコーンオ
イル、二硫化モリブデン等の潤滑剤、静電気除去のため
のカーボンブラック、グラファイト等の帯電防止剤等
を、例えばボールミル法、三本ロールミル法、ロッドミ
ル法、サンドミル法、バイブレーションミル法、ペイン
トシェーカー法等の適当な分散方法により均一に分散さ
せることにより製造することができる。
【0020】本発明の生分解性磁性インキ組成物は、従
来のインキ組成物と同様に使用することができる。例え
ば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法等の一般的な印
刷法や、ワイヤーバーコーティング法、ドクターブレー
ド法などの一般的なコーティング方法等により、オーデ
ィオ用カセットテープ、ビデオテープ、フロッピーディ
スク、磁気切符、定期券、プリペイドカード、クレジッ
トカードなどの磁気記録層として基材の表面に印刷又は
塗工することができる。
【0021】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例を挙げて、詳
細に説明する。 <実施例1>生分解性樹脂としてポリ乳酸樹脂(L体/
D体=7:3;分子量約35000)を用いて以下の組
成からなる生分解性磁性インキ組成物を作製した。 (生分解性磁性インキ組成物) 樹 脂:ポリ乳酸樹脂 10部 磁性材:バリウムフェライト 30部 (保磁力2750Oe、戸田工業社製、商品名:MC127) 分散材:ECTD−6NEX(日光ケミカルズ社製) 0.5部 溶 剤:メチルエチルケトン/トルエン(1:1) 27.1部 硬化剤:ヘキサメチレンジイソシネート 0.5部
【0022】硬化剤を除く、この組成物をサンドミルに
より十分に分散混合させた後に、硬化剤を加えてさらに
混合させ、インキとして適当な粘度になるまで、溶剤を
添加した。これを厚さ約188μmのポリ乳酸樹脂シー
ト上にワイヤーバーコーターにより、約11μmの厚さ
に塗布し磁気記録層を形成した。さらにこの磁気記録層
を磁気配向器により配向させ、磁化容易軸方向を設け
た。次に磁気記録層を形成したシートを70℃で約3時
間エージングし、生分解性磁気インキシートを作製し
た。エージング後、この生分解性磁気インキシートの磁
気記録層にインキ組成物に用いた溶剤(メチルエチルケ
トン/トルエン)を染み込ませた綿棒で擦ったところ、
磁気記録層に変化がなく、耐溶剤性を有することがわか
った。また、生分解性を比較するために、同様にガラス
基板上に生分解性磁性インキ組成物からなる磁気記録層
を形成したサンプルを作製した。
【0023】<実施例2>生分解性樹脂としてポリ乳酸
樹脂(L体/D体=7:3;分子量約35000)と脂
肪族ポリエステル樹脂(ポリヘキサメチレンサクシネー
ト;分子量約20000)の混合物を用いて以下の組成
からなる生分解性磁性インキ組成物を作製した。 (生分解性磁性インキ組成物) 樹 脂:ポリ乳酸樹脂 8部 脂肪族ポリエステル樹脂 2部 (ポリヘキサメチレンサクシネート) 磁性材:バリウムフェライト 30部 (保磁力2750Oe、戸田工業社製、商品名:MC127) 分散材:ECTD−6NEX(日光ケミカルズ社製) 0.5部 溶 剤:メチルエチルケトン/トルエン(1:1) 27.1部 硬化剤:ヘキサメチレンジイソシネート 0.5部
【0024】硬化剤を除く、この組成物をサンドミルに
より十分に分散混合させた後に、硬化剤を加えてさらに
混合させ、インキとして適当な粘度になるまで、溶剤を
添加した。これを厚さ約188μmのポリ乳酸樹脂シー
ト上にワイヤーバーコーターにより、約11μmの厚さ
に塗布し磁気記録層を形成した。さらにこの磁気記録層
を磁気配向器により配向させ、磁化容易軸方向を設け
た。次に磁気記録層を形成したシートを70℃で約3時
間エージングし、生分解性磁気インキシートを作製し
た。エージング後、この生分解性磁気インキシートの磁
気記録層にインキ組成物に用いた溶剤(メチルエチルケ
トン/トルエン)を染み込ませた綿棒で擦ったところ、
磁気記録層に変化がなく、耐溶剤性を有することがわか
った。また、生分解性を比較するために、同様にガラス
基板上に生分解性磁性インキ組成物からなる磁気記録層
を形成したサンプルを作製した。
【0025】<実施例3>生分解性樹脂としてポリ乳酸
樹脂(L体/D体=7:3;分子量約35000)と脂
肪族ポリエステル樹脂(ポリブチレンアジペート;分子
量約20000)の混合物を用いて以下の組成からなる
生分解性磁性インキ組成物を作製した。 (生分解性磁性インキ組成物) 樹 脂:ポリ乳酸樹脂 8部 脂肪族ポリエステル樹脂 2部 (ポリブチレンアジペート) 磁性材:バリウムフェライト 30部 (保磁力2750Oe、戸田工業社製、商品名:MC127) 分散材:ECTD−6NEX(日光ケミカルズ社製) 0.5部 溶 剤:メチルエチルケトン/トルエン(1:1) 27.1部 硬化剤:イソシアヌレート変性(HMDI) 0.5部 (旭化成工業社製、商品名:TPA100)
【0026】硬化剤を除く、この組成物をサンドミルに
より十分に分散混合させた後に、硬化剤を加えてさらに
混合させ、インキとして適当な粘度になるまで、溶剤を
添加した。これを厚さ約188μmのポリ乳酸樹脂シー
ト上にワイヤーバーコーターにより、約11μmの厚さ
に塗布し磁気記録層を形成した。さらにこの磁気記録層
を磁気配向器により配向させ、磁化容易軸方向を設け
た。次に磁気記録層を形成したシートを70℃で約3時
間エージングし、生分解性磁気インキシートを作製し
た。エージング後、この生分解性磁気インキシートの磁
気記録層にインキ組成物に用いた溶剤(メチルエチルケ
トン/トルエン)を染み込ませた綿棒で擦ったところ、
磁気記録層に変化がなく、耐溶剤性を有することがわか
った。また、生分解性を比較するために、同様にガラス
基板上に生分解性磁性インキ組成物からなる磁気記録層
を形成したサンプルを作製した。
【0027】さらに、比較例を挙げ、本発明の実施例と
比較検証する。 <比較例1>樹脂バインダーとして通常の磁性インキに
用いられている塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂とポ
リウレタン樹脂の混合物を用いて以下の組成からなる磁
性インキ組成物を作製した。 (磁性インキ組成物) 樹 脂:塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂 8部 (米UCC社製、商品名:VAGH) ポリウレタン樹脂 2部 (日本ポリウレタン工業、商品名:ニッポラン2304) 磁性材:バリウムフェライト 30部 (保磁力2750Oe、戸田工業社製、商品名:MC127) 分散材:ECTD−6NEX(日光ケミカルズ社製) 0.5部 溶 剤:メチルエチルケトン/トルエン(1:1) 27.1部 硬化剤:イソシアヌレート変性(HMDI) 0.5部 (旭化成工業社製、商品名:TPA100)
【0028】硬化剤を除く、この組成物をサンドミルに
より十分に分散混合させた後に、硬化剤を加えてさらに
混合させ、インキとして適当な粘度になるまで、溶剤を
添加した。これを厚さ約188μmのポリ乳酸樹脂シー
ト上にワイヤーバーコーターにより、約11μmの厚さ
に塗布し磁気記録層を形成した。さらにこの磁気記録層
を磁気配向器により配向させ、磁化容易軸方向を設け
た。次に磁気記録層を形成したシートを70℃で約3時
間エージングし、磁気インキシートを作製した。エージ
ング後、この生分解性磁気インキシートの磁気記録層に
インキ組成物に用いた溶剤(メチルエチルケトン/トル
エン)を染み込ませた綿棒で擦ったところ、磁気記録層
に変化がなく、耐溶剤性を有することがわかった。ま
た、生分解性を比較するために、同様にガラス基板上に
生分解性磁性インキ組成物からなる磁気記録層を形成し
たサンプルを作製した。
【0029】〔磁気特性評価〕実施例1〜3、比較例1
の磁気インキシートをカード状(縦86mm×横54m
m)に打ち抜き、磁気記録層の振動試料型磁力計を用い
て静磁気特性を測定したところ、表1に示すような結果
が得られ、いずれも実用上問題のない磁気特性を有する
ものである。また、電磁変換特性を測定したところ、表
2に示すような結果が得られ、いずれも実用上問題のな
い磁気特性を有するものである。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】〔生分解性試験〕実施例1〜3、比較例1
において、ガラス基板上に磁気記録層を形成したサンプ
ルを市販の生ゴミコンポスト中に入れて約10日間保存
したところ、実施例1〜3のサンプルはいずれもガラス
基板上の磁気記録層は分解消失していたが、比較例のガ
ラス基板上の磁気記録層は全く変化せずに残存してい
た。
【0033】さらに実施例1〜3、比較例1のポリ乳酸
樹脂シート上に磁気記録層を形成し作製したカードを同
様に市販の生ゴミコンポスト中に約2か月間保存したと
ころ、実施例1〜3のカードは、シートとともに磁気記
録層は完全に分解消失していたが、比較例1のカード
は、シートのみが分解消失していたが、磁気記録層はフ
ィルムの状態で変化せずに残存していた。
【0034】また、実施例1〜3、比較例1において、
ガラス基板上に磁気記録層を形成したサンプルを土中
(埼玉県北葛飾郡杉戸町凸版印刷株式会社総合研究所
内)、深さ約10cmに埋設し、土中埋め込みによる生
分解性試験を行った。その結果、約4か月で埋設した実
施例2と実施例3のガラス基板上の磁気記録層は分解消
失していることが確認され、実施例1のガラス基板上の
磁気記録層も6か月で完全に分解消失していることが確
認された。比較例1のガラス基板上の磁気記録層は全く
変化せずに残存していた。
【0035】
【発明の効果】本発明の生分解性磁性インキ組成物は、
有機溶剤に可溶であり、生分解性を有するとともに磁気
記録特性や耐溶剤性を有する磁気記録層を形成可能とす
ることができ、さらに硬化剤の添加により、形成される
磁気記録層の機械的物性や化学的特性の向上を図ること
ができ、磁気記録層の塗工形成後に設けられる保護層な
どのオーバーコートの塗膜形成の際又はその後の耐溶剤
性を付与することができる。
【0036】この生分解性磁性インキ組成物は、オーデ
ィオ用カセットテープ、ビデオテープ、フロッピーディ
スク、磁気切符、定期券、プリペイドカード、クレジッ
トカードなどの磁気記録層として、生分解性を有する樹
脂、紙などの各種基材上に形成することにより、磁気記
録媒体を完全な生分解性を有する物品とすることが可能
となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11B 5/702 G11B 5/702

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも、溶解度パラメータが8.0〜
    10.0の範囲にある有機溶剤と、該有機溶媒に可溶な
    生分解性樹脂と、磁性材とからなることを特徴とする生
    分解性磁性インキ組成物。
  2. 【請求項2】前記生分解性樹脂がポリ乳酸樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の生分解性磁性インキ組成
    物。
  3. 【請求項3】前記生分解性樹脂を硬化させる硬化剤を添
    加してなることを特徴とする請求項1に記載の生分解性
    磁性インキ組成物。
  4. 【請求項4】前記生分解性樹脂がポリ乳酸樹脂と脂肪族
    系ポリエステル樹脂の混合物であることを特徴とする請
    求項1記載の生分解性磁性インキ組成物。
  5. 【請求項5】前記生分解性樹脂の全量に対して前記脂肪
    族系ポリエステル樹脂の割合が5〜40重量%であるこ
    とを特徴とする請求項4記載の生分解性磁性インキ組成
    物。
JP18358296A 1996-07-12 1996-07-12 生分解性磁性インキ組成物 Pending JPH1025439A (ja)

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