JPH08281878A - 生分解性カード - Google Patents

生分解性カード

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JPH08281878A
JPH08281878A JP7113990A JP11399095A JPH08281878A JP H08281878 A JPH08281878 A JP H08281878A JP 7113990 A JP7113990 A JP 7113990A JP 11399095 A JP11399095 A JP 11399095A JP H08281878 A JPH08281878 A JP H08281878A
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biodegradable
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acid
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JP7113990A
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English (en)
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Toshifumi Imai
敏文 今井
Kanshin Ri
漢森 李
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Toppan Inc
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 汎用の揮発性非ハロゲン系有機溶剤に易溶性
あるいは易分散性のバインダー樹脂を使用する印刷層が
基材上に設けられたカード類を土中に廃棄した場合に、
カード全体が生分解されるようにする。 【構成】 生分解性基材1及びその上に形成された印刷
層2からなるカードにおいて、印刷層2に含有させるバ
インダー樹脂として、ポリカプロラクトン、ポリグリコ
ール酸、ポリ乳酸、乳酸とオキシカルボン酸とのコポリ
マーなどの生分解性の樹脂を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、定期券、回数券、プリ
ペイドカード、入場券、会員証等として用いられ、基材
上に印刷層が形成された構造のカードに関する。より詳
しくは、基材及び印刷層の双方が共に生分解性である生
分解性カードに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、身分を証明するためのIDカード
や会員カード、あるいは金銭的価値を有するキャッシュ
カード、クレジットカード、プリペイドカード、定期券
カード、回数券カードなどのカード類が多くの分野で使
用されるようになっている。
【0003】これらのカード類の多くは、一般に、図3
に示すように、ポリエチレンテレフタレート(PET)
シート、ポリ塩化ビニル(PVC)シート、ポリエチレ
ン(PE)被覆紙等の基材31上に、価値情報や識別情
報が幾何学模様、バーコード、顔写真、文字情報あるい
は磁性情報として記録された印刷層32が形成された構
造となっている。また、必要に応じ、印刷層32上にプ
ラスチック保護層が設けられる場合もある。ここで、印
刷層32は、顔料とバインダー樹脂と溶媒とを均一に分
散してなる印刷インキを、オフセット印刷、スクリーン
印刷あるいはグラビア印刷などの一般的な印刷技術を利
用して基材31上に印刷することにより形成されてい
る。この場合、印刷層32に対しては、優れた耐久性、
耐磨耗性、耐熱性、耐薬品性、耐水性、耐溶剤性等の特
性を示すことが要求されるので、そのバインダー樹脂と
して、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体やポリウレタン
樹脂などが使用されている。
【0004】ところで、これらのカード類が利用済みと
なった場合には、カード類の多くは、産業廃棄物として
土中に埋め立て廃棄されている。
【0005】しかし、従来のカード類を構成する基材や
印刷層のバインダー樹脂の材料はいずれも生分解性では
ないために、カード類が土中に埋め立て廃棄された場合
や自然環境中に放置された場合には、分解されずにその
ままの形で半永久的なゴミと化し、自然環境へ悪影響が
及ぼされることが懸念されている。
【0006】このような状況の中で、カード類が土中に
廃棄された場合でも地球環境に悪影響を極力与えないよ
うにするために、カード類の基材として生分解性の材料
を使用することが提案されている(特開平5−8508
8号公報、同6−115242号公報)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
カード類の印刷層に用いられているバインダー樹脂は、
十分な生分解性を有しておらず、従って、それから作製
される印刷層も十分な生分解性を有していないという問
題があった。このため、カード類の基材として特開平5
−85088号公報あるいは同6−115242号公報
に記載されているような生分解性の材料を使用したとし
ても、そのカード類の基材は、非生分解性の印刷層で片
面もしくは両面が保護されている状態となるために、基
材の生分解速度が極めて遅くなり、また、印刷層がその
ままの形状でゴミとして土中に残存してしまうという問
題があった。
【0008】また、上述したようなカード類の土中廃棄
の問題とは別に、カード類の印刷層に含有させる樹脂バ
インダーに対しては、人体に対する安全性や地球環境に
対して問題のあるジクロロベンセンやパークロルエチレ
ンなどの塩素系溶剤ではなく、トルエンやメチルエチル
ケトンなどの汎用の揮発性非ハロゲン系有機溶剤で分散
できることが求められている。これは、印刷層を形成す
るに際し使用する印刷インキはバインダー樹脂と顔料と
を溶剤中に分散させたものであり、その溶剤としては汎
用の揮発性非ハロゲン系有機溶剤を使用することが強く
求められているためである。
【0009】本発明は、以上のような従来技術の課題を
解決しようとするものであり、汎用の揮発性非ハロゲン
系有機溶剤に易溶性あるいは易分散性のバインダー樹脂
を使用する印刷層が基材上に設けられたカード類を土中
に廃棄した場合に、カード全体が生分解されるようにす
ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、印刷層に使
用するバインダー樹脂として生分解性のものを使用する
ことにより、上述の目的を達成できることを見出し、本
発明を完成させるに至った。
【0011】即ち、本発明は、生分解性基材及びその上
に形成された印刷層からなり、該印刷層が生分解性のバ
インダー樹脂を含有することを特徴とする生分解性カー
ドを提供する。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】本発明の生分解性カードは、図3に示した
従来のカード類と同様の基本構造を有し、生分解性基材
1とその上に形成された印刷層2とから構成されている
(図1)。
【0014】本発明において印刷層2のバインダー樹脂
としては、生分解性の樹脂を使用する。これにより、カ
ードが土中に廃棄された場合でも、印刷層が生分解され
るようにすることができる。この場合、印刷層2におけ
る生分解性のバインダー樹脂の含量は、少なすぎると印
刷層2の生分解速度が低くなりすぎるので、好ましくは
50重量%以上、より好ましくは70重量%以上とす
る。
【0015】このような生分解性のバインダー樹脂とし
ては、ポリカプロラクトン、ポリグリコール酸、ポリ乳
酸又は乳酸とオキシカルボン酸とのコポリマーを使用す
ることが好ましく、特に、カードに適した柔軟な皮膜物
性が得られるポリカプロラクトン又はポリ乳酸を使用す
ることが好ましい。
【0016】ここで、本発明で使用するポリカプロラク
トンは、式(1)
【0017】
【化4】 (式中、nは重合度を示す数である。)で表されるホモ
ポリマー、又は式(1)のユニットを有するコポリマー
である。この場合、共重合させる物質としてはポリラク
チド、ポリエチレンイソフタレート等のポリエステル、
ポリグリコシド、ポリアミド等を挙げることができる。
【0018】このポリカプロラクトンは、土壌中あるい
は活性汚泥中で黴、細菌、酵母等の微生物の作用によっ
て、より低分子量のオリゴマーやモノマー、あるいはさ
らに低分子の物質にまで分解される性質を有する。従っ
て、バインダー樹脂としてポリカプロラクトンを主体に
含む印刷層2は生分解性となる。
【0019】また、ポリカプロラクトンは、メチルエチ
ルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトンなどのケ
トン類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類な
どの汎用の揮発性非ハロゲン系有機溶剤に対して易溶性
もしくは易分散性である。従って、ポリカプロラクトン
と後述する顔料とを汎用の揮発性非ハロゲン系有機溶剤
に分散し、印刷層2を形成するための印刷インキを容易
に調製することができる。
【0020】更に、ポリカプロラクトンは優れた可撓性
を有する。従って、印刷層2のバインダー樹脂としてポ
リカプロラクトンを使用することにより、印刷層2の形
成時にカールが生じないようにすることができる。
【0021】なお、ポリカプロラクトンとしては、その
分子量が小さすぎると成膜性が低下し、大きすぎると溶
剤への溶解性が低下するので、好ましくは10000〜
100000、より好ましくは70000〜90000
のものを使用する。
【0022】以上、印刷層2の生分解性のバインダー樹
脂として使用するポリカプロラクトンについて説明した
が、前述したように、本発明においてはポリカプロラク
トンに代えてポリグリコール酸、ポリ乳酸又は乳酸とオ
キシカルボン酸とのコポリマーを使用することもでき
る。
【0023】なお、これらのポリグリコール酸、ポリ乳
酸あるいは乳酸とオキシカルボン酸とのコポリマーは、
ポリカプロラクトンに比べ疎水性鎖の部分の割合が少な
いという性質を有する。従って、これらから印刷インキ
を調製する際に使用する溶剤としては、汎用の揮発性非
ハロゲン系有機溶剤のうち、アセトンなどの低級ケトン
や、アセトニトリルなどの高誘電率有機溶媒を使用する
ことが好ましい。
【0024】なお、印刷層2に使用するポリ乳酸として
は、その分子量が小さすぎると成膜性が低下し、大きす
ぎると溶剤への溶解性が低下するので、好ましくは10
000〜100000、より好ましくは80000〜1
00000のものを使用する。また、乳酸とオキシカル
ボン酸とのコポリマーを使用する場合には、その分子量
が好ましくは10000〜150000より好ましくは
100000〜150000のものを使用する。この場
合、このコポリマー中の乳酸とオキシカルボン酸とのモ
ノマー比は、溶剤への溶解性の点から好ましくは1:4
〜1:1、より好ましくは2:3〜2:5となるように
する。
【0025】なお、印刷層2には、生分解性のバインダ
ー樹脂に加えて、従来より印刷インキにおいて用いられ
ているようなバインダー樹脂を併用してもよく、例え
ば、ニトロセルロース、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、ポリエステル樹脂などから選択される少なくとも一
つのポリマーを印刷層2のバインダー樹脂として使用す
ることができる。これにより、印刷インキの塗工性や印
刷層2の機械的特性を使用目的に応じて調整することが
できる。この場合には、印刷層2中の生分解性のバイン
ダー樹脂部分で生分解されるために、全体として形状が
保持できなくなり、微小片に崩壊する。よって、この場
合にも印刷層2は生分解性となる。
【0026】印刷層2には、上述したバインダー樹脂の
他に、情報記録のための有機又は無機の顔料を含有させ
ることができる。例えば、黄色系顔料としては、ファス
トエローG、ファストエロー10G、ハンザブリリアン
トエロー5GX、ハンザブリリアントエロー10GX、
モノアゾエロー、ジスアゾエローAAA、ジスアゾエロ
ーAAMX、ジスアゾエローAAOT、ジスアゾエロー
AAOA、ジスアゾエローHR等が挙げられる。黄赤系
顔料としては、オルトニトロアニリンオレンジ、ジニト
ロアニリンオレンジ、ジスアゾオレンジPMP、バルカ
ンオレンジ、ペルシアンオレンジ、ジスアゾオレンジT
MP、ナフトールレッドHFG、ピラゾロンオレンジ等
が挙げられる。赤系顔料としては、パーマネントレッド
2B、ウオッチングレッド、バリウムリソールレッド、
レーキレッドC、ブリリアントカーミン6B、トルイジ
ンレッド、塩素化パラレッド、ナフトールカーミンF
B、ナフトールレッドFRLL、ナフトールレッドM、
ブリリアントファストスカーレット、ナフトールレッド
23、ナフトールレッドFGR、ナフトールカーミンF
BB、キナクリドンマゼンタ、縮合アゾレッドBR、ベ
ンズイミダゾロンレッドHFT、ベンズイミンダゾロン
カーミンHF3C、ナフトールレッドHF4B、ベンズ
イミダゾロンレッドHF2B等が挙げられる。紫系顔料
としては、ジオキサンバイオレット、キナクリドンバイ
オレット等が挙げられる。青系顔料としては、フトロシ
アニンブルー、ビクトリアピュアブルーBOレーキ、ア
ルカリブルートーナー、レフレックスブルー、インダン
トロンブルー、群青、紺青等が挙げられる。緑系顔料と
しては、フタロシアンイングリーン、フタロシアンイン
グリーンY、ブリリアントグリーンレーキ、ダイヤモン
ドグリーンレーキ等が挙げられる。黒色系顔料として
は、カーボンブラック、ボーンブラック、鉄黒、アニリ
ンブラック等が挙げられる。また、白色系顔料として
は、亜鉛華、酸化チタン等が挙げられる。
【0027】印刷層2には、更に、レシチン、高級脂肪
酸、リン酸エステル、スルホン酸エステル、高級アルコ
ール、その他界面活性剤等を分散剤として含有させるこ
とができる。これらの分散剤は、印刷層2を形成する際
に使用する印刷インキの分散性を向上させるために用い
られる。このような分散剤としては、アルキルアリルス
ルホネート、ジナフタレンスルホネートメタン、ジアル
キルスクシネート、アリルナフタレンスルホネート、ポ
リオキシエチレンアルキル−アルキルアリルエーテル等
を使用することができる。
【0028】なお、印刷層2は、その物性や化学的特性
の向上を図るために、生分解性のバインダー樹脂の水酸
基(OH)やカルボン酸基(COOH)の含有量に応じ
て、架橋剤、好ましくはイソシアネート系架橋剤によ
り、生分解性に悪影響を及ぼさない範囲で3次元架橋さ
せてもよい。
【0029】印刷層2の厚みは、使用目的に応じて適宜
決定することができる。
【0030】本発明の生分解性カードにおいては、基材
として生分解性基材1を使用する。このような生分解性
基材1としては、生分解性を有し、且つカード基材とし
て要求される機械的特性等を満たす種々のプラスチック
を使用することができる。あるいは、図2に示すよう
に、これらの生分解性のプラスチックフィルム3aを紙
製の支持基材3bの表面にラミネートした生分解性の複
合基材3を使用することができる。
【0031】このような生分解性のプラスチックとして
は、以下に示すように(A)〜(D)に大別される材料
を挙げることができる。
【0032】(A)ポリグリコール酸、ポリ乳酸又は乳
酸とオキシカルボン酸とのコポリマー これらの材料は、印刷層2の説明において言及した材料
と同じものを使用することができる。
【0033】(B)ヒドロキシアルカノエートユニット
を有する脂肪族ポリエステル樹脂 ヒドロキシアルカノエートユニットとは、乳酸以外のヒ
ドロキシカルボン酸(例えば、3−ヒドロキシ酪酸等)
に由来するユニットである。このようなユニットを有す
る脂肪族ポリエステル樹脂としては、ポリ(3−ヒドロ
キシ酪酸)、ポリ(3−ヒドロキシ吉草酸)、3−ヒド
ロキシ酪酸/3−ヒドロキシ吉草酸共重合体などが挙げ
られる。
【0034】(C)式(2)で表される樹脂
【0035】
【化5】 式(2)中、mは数平均分子量が10000〜1000
00、好ましくは30000〜40000となるのに必
要な重合度であり、pは0又は1以上の数、好ましくは
500〜1000であり、R1 及びR2 は独立的に炭素
数2〜10、好ましくは2〜4の2価の炭化水素基、例
えば、直鎖又は分岐のアルキレン基(例えば、エチレン
基、ブチレン基等)、シクロ環基(例えばγ−ブチロラ
クトン残基、β−プロピオラクトン残基、β−ブチロラ
クトン残基、ピバロラクトン残基等)又はシクロアルキ
ル基(シクロヘキシレン基等)であり、R3 はジ−又は
ポリ−イソシアネート残基(例えば、トリレンジイソシ
アネート残基、ジフェニルメタンジイソシアネート残
基、キシリレンジイソシアネート残基等)である。
【0036】(D)式(3)で表される樹脂
【0037】
【化6】 式(3)中、qは数平均分子量が25000〜7000
0、好ましくは30000〜40000となるのに必要
な重合度であり、R11及びR12は炭素数2〜10、好ま
しくは2〜4の2価の炭化水素基、例えば、直鎖又は分
岐のアルキレン基(例えば、エチレン、ブチレン基
等)、シクロ環基(例えばγ−ブチロラクトン残基、β
−プロピオラクトン残基、β−ブチロラクトン残基、ピ
バロラクトン残基等)又はシクロアルキル基(例えば、
シクロヘキシレン基等)である。)。
【0038】なお、式(2)及び式(3)の樹脂は、商
業的に入手することができ、例えば、昭和高分子社製の
ビオノーレという商品名で特定される樹脂を使用するこ
とができる。
【0039】これらの生分解性のプラスチックには、更
に、カード基材に通常使用する各種添加剤やポリマー等
を含有させてもよい。この場合、これらの添加剤やポリ
マーは非生分解性の材料であってもよい。但し、非生分
解性の材料を基材1中に過度に添加することは、基材1
の生分解性を著しく低下させ、あるいは加工上の問題を
生じさせるので、50重量%未満とすることが好まし
い。
【0040】本発明の生分解性カードは、常法により製
造することができる。例えば、生分解性のバインダー樹
脂と顔料とを、アセトン、シクロヘキサン、メチルエチ
ルケトン、トルエン、MIBK、ジオキサン、アセトニ
トリル等の汎用の揮発性非ハロゲン系有機溶剤にボール
ミル法、ロッドミル法、サンドミル法、バイブレーショ
ンミル法等の適当な分散方法により分散させて印刷イン
キを調製し、その印刷インキを、生分解性基材にオフセ
ット印刷、スクリーン印刷あるいはグラビア印刷などの
一般的な印刷技術により所望の画像を印刷することによ
り製造することができる。
【0041】
【作用】本発明の生分解性カードにおいては、基材と印
刷層との双方が共に生分解性材料から形成されている。
従って、カードを土中に廃棄処分した場合にはカードす
べてが生分解する。
【0042】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
する。
【0043】実施例1 生分解性基材として、ポリ乳酸(ラクティ、島津製作所
社製)を溶融押し出し法にて約200μmの厚みでシー
ト化したものを用意した。
【0044】次に、表1(塗料組成1)の成分の混合物
を密閉容器中にいれ、ガラスビーズと共にペイントシェ
ーカーで2時間混合分散し、更に、このインキ中にポリ
イソシアネート硬化剤(コロネートEH、日本ポリウレ
タン社製)2部を添加混合することにより印刷インキを
調整した。
【0045】得られた印刷インキをグラビアコート法に
より基材にパターン状に印刷し、80℃のオーブンにて
1分間乾燥させ、所定の大きさに打ち抜くことにより生
分解性カードを作製した。
【0046】
【表1】 塗料組成1[藍色塗料] 成分 配合量(重量部) 顔料(銅フタロシアニンブルー) 10 体質顔料(炭酸カルシウム) 8 ポリ−ε−カプロラクトン 20 (TONE767、ユニオンカーバイド社製) 界面活性剤(デモールN、花王社製) 0.5 メチルエチルケトン/トルエン=1/1 61.5
【0047】実施例2 生分解性基材として、P[3HB−3HV](ポリ3−
ヒドロキシブチレート/3−ヒドロキシヴァリレート共
重合体:ゼネカ社製、バイオポールD600)を溶融プ
レス法に約200μmの厚みでシート化したものを用意
した。
【0048】次に、表2(塗料組成2)に示された成分
のうち、樹脂(a)及び樹脂(b)を界面活性剤と溶剤
とともにホモミキサーにて溶解させ、その後カーボンブ
ラックを混ぜて、サンドミル法にて平均粒子径が1.5
μmになるように混合粉砕し、更に、ポリイソシアネー
ト硬化剤(コロネートEH、日本ポリウレタン社製)
3.5部を添加、混合することにより印刷インキを調製
した。
【0049】得られた印刷インキを用いてリバースロー
ル法により基材にバーコードパターン状に印刷し、80
℃のオーブンにて1分間乾燥させ、所定の大きさに打ち
抜くことにより生分解性カードを作製した。
【0050】
【表2】 (塗料組成2[黒色塗料]) 成分 配合量(重量部) 顔料(カーボンブラック) 10 樹脂(a):ポリ−ε−カプロラクトン 12 (プラクセルH−7、ダイセル化学社製) 樹脂(b):ポリ塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 15 (エスレックA、積水化学社製) 界面活性剤(デモールN、花王社製) 0.3 メチルエチルケトン/THF=2:1 62.7
【0051】実施例3 生分解性基材として、ポリ乳酸(島津製作所社製、ラク
ティ)と脂肪族ポリエステル(昭和高分子社製、ビオノ
ーレ)とを2軸押し出し機にて溶融ブレンドしてペレタ
イズし、得られたペレットを溶融押し出し法にて約20
0μmの厚みでシート化したものを用意した。
【0052】次に、表3(塗料組成3)の印刷インキを
使用して微細網点を印刷し、生分解性の顔写真カードを
作製した。
【0053】
【表3】 (塗料組成3) 成分 配合量(重量部) [黄色塗料] 顔料(ジスアゾエローAAA) 20 体質顔料(アルミナホワイト) 10 ポリ乳酸(ラクティ、島津製作所社製) 20 界面活性剤(デモールN、花王社製) 0.2 アセトニトリル 49.8 [マゼンタ色塗料] 顔料(レーキレッドC) 10 体質顔料(アルミナホワイト) 8 ポリ乳酸(ラクティ、島津製作所社製) 15 界面活性剤(デモールN、花王社製) 0.5 アセトニトリル 66.5 [シアン色塗料] 顔料(フタロシアニンブルー) 15 体質顔料(アルミナホワイト) 8 ポリ乳酸(ラクティ、島津製作所社製) 20 界面活性剤(デモールN、花王社製) 0.5 アセトニトリル 66.5
【0054】実施例4 生分解性基材として、ポリ乳酸(島津製作所社製、ラク
ティ)と脂肪族ポリエステル(昭和高分子社製、ビオノ
ーレ)を2軸押し出し機にて溶融ブレンドしてペレタイ
ズし、得られたペレットを溶融押し出し法にて約30μ
mの厚みで紙基材(厚さ150μm)の両面に溶融ラミ
ネートしたものを用意した。
【0055】次に、実施例3で使用した印刷インキ(塗
料組成3)で微細網点を印刷して、生分解性の顔写真カ
ードを作製した。
【0056】比較例1 生分解性樹脂のポリ−ε−カプロラクトンに代えて、汎
用ポリウレタン樹脂(日本ポリウレタン社製、ニッポラ
ン3113、固形分20%)90部を使用する以外は、
実施例1と同様にして比較のためのカードを作製した。
【0057】比較例2 生分解性基材に代えてPETシート(東レ社製、ルミラ
ー#188)を用いる以外は、実施例2と同様にして比
較のためのカードを作製した。
【0058】比較例3 ポリ乳酸と脂肪族ポリエステルとのブレンドポリマーか
らなる溶融ラミネート層に代えて、PEシートを紙基材
にラミネートする以外は、実施例4と同様にして比較の
ためのカードを作製した。
【0059】(評価)実施例及び比較例で作製したカー
ドの生分解性を、土中埋設法により評価した。即ち、秋
季の畑土壌中に磁気記録シートを埋設し、定期的にその
分解状態を観察し、以下の観察結果からわかるように、
実施例のカードは優れた生分解性を示したが、比較例の
カードは少なくとも一部が生分解されずに残存し、生分
解性については問題があった。
【0060】土中埋設観察結果 (実施例1のカード)埋設から2ケ月後には、基材の形
状は保持されていたが、印刷層は断続的に分解してその
形状は保持されていなかった。更に、8ケ月経過後に
は、基材も分解し、形状は保持されていなかった。
【0061】(実施例2及び3のカード)埋設から2ケ
月後には、基材の形状は保持されていたが、印刷層は断
続的に分解してその形状は保持されていなかった。更
に、5ケ月経過後には、基材も分解し、形状は保持され
ていなかった。
【0062】(実施例4のカード)埋設から2ケ月後に
は、基材表面のラミネート層の形状は保持されていた
が、印刷層と基材の紙基材部分とは断続的に分解してそ
の形状は保持されていなかった。更に、5ケ月経過後に
は、ラミネート層の形状も保持されていなかった。っ
た。
【0063】(比較例1のカード)埋設から2ケ月後で
は、基材及び印刷層の双方がそのままの形で残存してい
た。更に、8ケ月経過後には、基材については分解され
てその形状が保持されていないが、印刷層はそのままの
状態で保持されており、印刷層の表面にわずかに黴の繁
殖が認められる程度であった。
【0064】(比較例2のカード)埋設から2ケ月後に
は、印刷層は断続的に分解してその形状をとどめない
が、基材はそのままの形で残存していた。更に、8ケ月
経過後でも、基材は分解されずその形状が保持されてお
り、その表面にわずかに黴の繁殖が認められる程度であ
った。
【0065】(比較例3のカード))埋設から2ケ月後
には、印刷層と基材の紙基材部分とは断続的に分解して
その形状は保持されていなかったが、基材表面のラミネ
ート層(ポリエチレン)はそのままの形状で保持されて
いた。更に、8ケ月経過後でも、ラミネート層は分解さ
れずにそのままの形状で保持されており、表面にわずか
な黴の繁殖が認められる程度であった。
【0066】
【発明の効果】本発明の生分解性カードは、土中に廃棄
された場合にカード全体が生分解される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の生分解性カードの断面図である。
【図2】本発明の生分解性カードの断面図である。
【図3】従来のカードの断面図である。
【符号の説明】
1 生分解性基材 2 印刷層 3 複合基材 3a 生分解性のプラスチックフィルム 3b 紙製の支持基材

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生分解性基材及びその上に形成された印
    刷層からなり、該印刷層が生分解性のバインダー樹脂を
    含有することを特徴とする生分解性カード。
  2. 【請求項2】 生分解性のバインダー樹脂が、ポリカプ
    ロラクトン、ポリグリコール酸、ポリ乳酸又は乳酸とオ
    キシカルボン酸とのコポリマーを含有する請求項1記載
    の生分解性カード。
  3. 【請求項3】 ポリカプロラクトンが、式(1) 【化1】 (式中、nは重合度を示す数である。)で表されるホモ
    ポリマー、又は式(1)のユニットを有するコポリマー
    である請求項2記載の生分解性カード。
  4. 【請求項4】 バインダー樹脂中にポリカプロラクトン
    が少なくとも20重量%含有されている請求項2又は3
    記載の生分解性カード。
  5. 【請求項5】 ポリカプロラクトンの分子量が1000
    0〜100000である請求項2〜4のいずれかに記載
    の生分解性カード。
  6. 【請求項6】 バインダー樹脂が、更にニトロセルロー
    ス、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体及びポリエステル
    樹脂から選択される少なくとも一つのポリマーを含有す
    る請求項1〜5のいずれかに記載の生分解性カード。
  7. 【請求項7】 生分解性基材が、ポリグリコール酸、ポ
    リ乳酸又は乳酸とオキシカルボン酸とのコポリマーから
    形成されている請求項1記載の生分解性カード。
  8. 【請求項8】 生分解性基材が、ヒドロキシアルカノエ
    ートユニットを有する脂肪族ポリエステル樹脂である請
    求項1記載の生分解性カード。
  9. 【請求項9】 生分解性基材が、式(2) 【化2】 (式中、mは数平均分子量が10000〜100000
    となるのに必要な重合度であり、pは0又は1以上の数
    であり、R1 及びR2 は独立的に炭素数2〜10の2価
    の炭化水素基であり、R3 はジ−又はポリ−イソシアネ
    ート残基である。)で表される樹脂を含有する請求項1
    記載の生分解性カード。
  10. 【請求項10】 生分解性樹脂基材が、式(3) 【化3】 (式中、qは数平均分子量が25000〜70000と
    なるのに必要な重合度であり、R11及びR12は炭素数2
    〜10の2価の炭化水素基である。)で表される樹脂を
    含有する請求項1記載の生分解性カード。
  11. 【請求項11】 更に、生分解性基材の非印刷層面に生
    分解性支持基材が配設されている請求項1〜10のいず
    れかに記載の生分解性カード。
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