JPH09131835A - 生分解性カード及びその製造方法 - Google Patents

生分解性カード及びその製造方法

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JPH09131835A
JPH09131835A JP7294136A JP29413695A JPH09131835A JP H09131835 A JPH09131835 A JP H09131835A JP 7294136 A JP7294136 A JP 7294136A JP 29413695 A JP29413695 A JP 29413695A JP H09131835 A JPH09131835 A JP H09131835A
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Japan
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biodegradable
card
resin
layer
resin layer
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JP7294136A
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English (en)
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Kanshin Ri
漢森 李
Masayuki Taniguchi
谷口  正幸
Osahisa Matsudaira
長久 松平
Toshifumi Imai
敏文 今井
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、クレジットカード・キャッシュカー
ド、IDカード、ICカードなどに用いられるカード
で、特に多層生分解性プラスチックシートで構成され
る、生分解性カードおよびその製造方法を提供すること
にある。 【解決手段】多層で構成された生分解性カード基材は、
数平均分子量10000から100000であるポリ乳
酸または乳酸とオキシカルボン酸のコポリマーを主成分
とする熱可塑性樹脂層1と、異なる生分解性樹脂層2
と、この熱可塑性樹脂層1と生分解性樹脂層との層間
に、前記二種類の生分解性樹脂をブレンドした樹脂から
なる接着性中間層3を設けたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クレジットカード
・キャッシュカード、IDカード、ICカード、身分証
明書、社員証、会員証、診療証などに用いられるカード
に関し、特に本発明のカードは、多層生分解性プラスチ
ックシートで構成される、生分解性カードおよびその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種カードは身分を証明するID
カード、会員カードや金銭的価値を有するキャッシュカ
ード、クレジットカードなど幅広い分野で利用されてい
る。これらのカードは、通常、利用者に販売し、或いは
貸与された後は、利用者がそのカードを使い終われば、
廃棄されるものである。例えば、今流通しているクレジ
ットカード、キャッシュカード、IDカード等は殆ど7
00から800μm厚さの塩化ビニルから作られたもの
である。これらの塩化ビニル材カードは、約500μm
白色中間層(センターコア)の両面に何らかの絵柄を印
刷し、その後、センターコアの両面に約100μmの透
明塩化ビニルシートを熱プレスの方法で貼り付け、カー
ド基材を成形する。さらにこれらの基材に絵柄・文字情
報などをカード基材に印刷し、さらに可変情報をカード
基材上に設けた磁気記録部または光学記録部に記録して
いた。
【0003】従来のカードは中間層に印刷していた絵柄
に透明シートを貼付けることにより、改竄、偽造が困難
となる、セキュリティ対策の一つでもあった。
【0004】また、これらの従来のプラスチックカード
が、使用後、現在のころ焼却または廃棄物として埋め立
て等によって処分されている。
【0005】また従来より、紙をカード基材として採用
したカードが利用されており、特に紙は焼却や埋め立て
などの廃棄が簡単であり、しかも製造コストが安価であ
ることから、上記した近年議論されているゴミなど環境
問題の解決に最適なカード材料と見られる。ところが紙
をカード基材として用いた場合に耐久性、耐折り曲げ
性、耐水性、耐薬品性、防水性、表面平滑性、光沢性、
などのカードとしての適性を考慮すると全ての点で機能
が劣るため、紙の単独での使用は、通行券や入場券、乗
車券など一時的な利用のみ限定され、一定期間使用され
る上述のカードには不向きであるとされてきた。この場
合には紙基材にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩
化ビニル、ポリエチレンテレフタレートなどの合成樹脂
やアルミニウム箔などプラスチック以外の外層を保護層
として積層することが考えられるが、これらは廃棄性に
優れず、上記した従来のプラスチックカードと大差がな
い欠点を有するものである。
【0006】さらに、特開昭57−150393号公
報、特開昭59−220192号公報、特開昭51−9
3991号公報、特開昭63−260912号公報、特
開昭57−150393号公報にあるような光または地
中など自然環境下で分解可能なプラスチックが開発さ
れ、とくに使い捨て型の商品に用いられるようになり、
現在一部で商品化されている。カードの分野では特開平
5−42786号や特開平5−85088号において、
カード基材に分解性のプラスチックを用いることが提案
されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のカードは塩化ビ
ニル、或いはABS樹脂などで構成され、良好的な物性
があり、しかも安価であるので、広く使われている。し
かしながら、これらのカードの使用後の廃棄処理は、現
在のところ他のプラスチック材料としての活用はごく僅
かな量で、大部分は焼却または廃棄物として埋め立て等
によって処分されているので、焼却処理の場合焼却によ
る燃焼温度の高熱化が起こり、焼却炉の耐久性問題及び
燃焼ガスなどの公害問題がある。特に塩化ビニルを焼却
する場合は、有毒な塩素ガスが出る恐れがあり、また、
埋め立て処理すると分解することなく原形のまま存在す
るため、半永久的にゴミとして残り、自然環境への影響
が問題となっている。
【0008】また、従来のカードはセンターコアの両面
にオーバシートを積層し、オーバシートとセンターコア
が別々なシートを成形し、成形したシートを重ねて熱プ
レスによってカード材を成形する。この方法では、加工
工程が多く、品質管理が難しく、製造コストが高くなる
問題点があった。
【0009】さらに、近年発明された生分解性カード
は、殆ど単体の生分解性プラスチック樹脂で構成されて
いるか、或いは紙基材に両面コートしたものである。こ
られのカードは材料本来の物性が制限され、カードの剛
度、強度、耐性などが不十分であるので、応用された例
がまだ少なかった。また、紙基材の両面に生分解性樹脂
をコートしたカードは、紙カードより耐性が改善された
が、耐久性、耐折り曲げ性、耐水性、耐薬品性、防水
性、機械特性などの面が十分とは言えず、紙基材の制限
で、使用範囲も制限されていた。
【0010】また、単体の生分解性樹脂材料を使用した
ものは、現在、市販の生分解樹脂の中に、ポリエチレン
に類似するものが多く、柔らかさを有するものの、機械
読み取り・書き込みの際の剛度などのゲート特性に適す
る剛度のような機械的強度の点で劣っている。また、カ
ードが必要とされる機械強度に近づいた生分解性樹脂と
して化学合成系のポリ乳酸が挙げられる。しかしなが
ら、前例の化学合成系生分解性樹脂は、通常の生分解環
境で分解速度が極端に遅く、コンポスト機器のような加
熱条件での分解を促進する必要があるので、700〜8
00μm厚さのポリ乳酸系単体カードに於いては、分解
速度が更に遅くなると考えられる。最近、生分解性材料
の改質のため、複合・積層の手法が提案されている。し
かしながら、異なる生分解性樹脂の積層については、両
者の層間接着力が極めて弱く、共押し出し法で積層した
ものが簡単に手で剥がれ、層間接着性がない点が問題で
あった。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題について鋭意研究した結果、第1の発明は、多層で構
成された生分解性カード基材は、数平均分子量1000
0から100000であるポリ乳酸または乳酸とオキシ
カルボン酸のコポリマーを主成分とする熱可塑性樹脂層
1と、異なる生分解性樹脂層2と、この熱可塑性樹脂層
1と生分解性樹脂層との層間に、前記二種類の生分解性
樹脂をブレンドした樹脂からなる接着性中間層3を設け
たことを特徴とする生分解性カードを提供する。
【0012】また、第1の発明に係る前記多層で構成さ
れた生分解性カードの生分解性樹脂層2の樹脂は、一般
式(1)に示されるヒドロキシアルカノエートユニット
を有する生物合成による脂肪族ポリエステル樹脂であっ
て、3ーヒドロキシバリレート、3ーヒドロキシブチレ
ート、3ーヒドロキシカプロレート、3ーヒドロキシヘ
プタノエート及びそれらの側鎖に種種の官能基を有する
P(3HA)共重合体の1つまたは2つ以上の混合体か
らなる熱可塑性樹脂であることを特徴とする。
【0013】また、第1の発明に係る前記多層で構成さ
れた生分解性カードの生分解性樹脂層2の樹脂は、主に
グリコールと脂肪族ジカルボン酸とから化学合成された
脂肪族系ポリエステルであって、数平均分子量が100
00〜100000の一般式(2)に示される熱可塑性
樹脂であることを特徴とする。
【0014】また、第1の発明に係る前記多層で構成さ
れた生分解性カードの生分解性樹脂層2の樹脂は、主に
グリコールと脂肪族ジカルボン酸とから化学合成された
脂肪族系ポリエステルであって、数平均分子量が250
00〜70000の一般式(3)に示される熱可塑性樹
脂であることを特徴とする。
【0015】本発明の生分解性カードの製造方法は、多
層で構成された生分解性カード基材が、数平均分子量1
0000から100000であるポリ乳酸または乳酸と
オキシカルボン酸のコポリマーを主成分とする熱可塑性
樹脂層1と、異なる生分解性樹脂層2と、前記熱可塑性
樹脂層1と生分解性樹脂層2との層間に、前記二種類の
生分解性樹脂を混練した樹脂からなる接着性中間層3
を、溶融押し出し成形法で、多層共押し出し成形してな
ることを特徴とする。
【0016】また、生分解性カードの製造方法に係る本
発明の生分解性樹脂層2が、請求項2〜請求項4に記載
の一般式(1)または一般式(2)または一般式(3)
のいずれかからなることを特徴とする。
【0017】また、生分解性カードの製造方法に係る本
発明の中間層3の樹脂配合比率は、生分解性樹脂層2の
樹脂成分が20%〜80%であることを特徴とする。
【0018】また、生分解性カードの製造方法に係る本
発明の多層で構成された生分解性プラスチックカード基
材が、多層共押し出し成形後、熱プレス処理、カレンダ
処理を施すことを特徴とする。
【0019】また、生分解性カードの製造方法に係る本
発明の前記多層で構成された生分解性プラスチックカー
ド基材が、多層共押し出し成形後、二軸延伸処理を施す
ことを特徴とする。
【0020】生分解性カードの製造方法に係る本発明の
カード基材の各層の樹脂には、各種フィラー及び各種添
加剤を添加してなることを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の生分解性カードは少なく
とも3層以上で、一般的には5層で構成されている。例
えば、図1に示すように、センターコア層を一層、オー
バシート層を二層、及びその層間にある接着性中間層を
二層で構成する。また、本発明の生分解性カードの層構
成は、上記に限定されなく、目的に応じて設定しても良
い。
【0022】また、本発明の生分解性カード複合材の各
層の樹脂には各種フィラーを添加することができ、特
に、中間層の樹脂に適量なフィラーを添加することによ
り、樹脂の改質とコストダウンには効果がある。
【0023】以下、本発明の生分解性カード及びその製
造方法について詳細に説明する。図1は、本発明の生分
解性カードAの断面図である。1はポリ乳酸樹脂でのオ
ーバシートであり、2は微生物系生分解性樹脂バイオポ
ールのセンターコアであり、3は接着性中間層である。
【0024】前記のオーバシートを用いた材料は乳酸等
を主成分とする高分子材料である脂肪族ポリエステルか
らなる生分解性を有する樹脂を用いており、これらは上
記したように分解性を有し既に医用材料分野を中心に生
体内吸収材料として用いられている。例えば化学合成系
生分解性樹脂の平均分子量10000から100000
であるるポリ乳酸または乳酸とオキシカルボン酸のコポ
リマーを主成分とする熱可塑性樹脂を使用できる。乳酸
としてはD−乳酸、L−乳酸等がありオキシカルボン酸
は、グリコール酸、6ーヒドロキシカプロン酸等があ
り、本発明ではD−乳酸、L−乳酸又はそれらの混合物
とグリコール酸、また6ーヒドロキシカプロン酸に代表
されるオキシカルボン酸のコポリマーを主成分とする熱
可塑性分解性樹脂を用いている。
【0025】次に、本発明の生分解性カードのセンター
コアシートの材料は、表面及び裏面のオーバシートの材
料と違い、微生物系生分解性樹脂が使われる。また、使
用の目的に応じて、本発明のカードの層構成の設定がで
きる。
【0026】また、本発明の生分解性カードのセンター
コアシートの材料は、微生物ポリエステル系生分解性樹
脂が使用でき、例えば、ヒドロキシアルカノエートユニ
ットを有する生物合成による脂肪族ポリエステル樹脂で
あって、3−ヒドロキシバリレート、3−ヒドロキシブ
チレート、3−ヒドロキシカプロレート、3−ヒドロキ
シヘプタノエート及びそれらの側鎖に種種の官能基を有
するP(3HA)共重合体の1つまたは2つ以上の混合
体からなるものを使用することができる。さらに、例え
ば3−ヒドロキシ酪酸・3−ヒドロキシ吉草酸共重合体
P(3HB−3HV)等の微生物産生ポリエステルが使
用できる。また、生分解性を有するプラスチック同士の
混合体や積層体であってもよい。これらの生分解性プラ
スチックは自然環境に放置されると、土中或いは水中に
存在する微生物により分解され、最終的には、水、炭素
ガス、メタノール等にまで分解させることが好ましい。
【0027】また、本発明の生分解性カードのセンター
コアシートの材料は、主にグリコールと脂肪族ジカルボ
ン酸とから化学合成された脂肪族系ポリエステル生分解
性樹脂が使われる。生分解性を有すれば、上記の材料に
限らない。
【0028】さらに、上述の樹脂だけではカードとして
必要の機械強度及び物性が十分ではないため、これらの
樹脂に各種フィラー及び添加剤を添加・混練することに
よる樹脂の機械強度の補強及び改質ができる。また、フ
ィラーの増量によるコストの低減にも効果がある。これ
らの樹脂に添加するフィラーは、例えば、無定型フィラ
ー内に、重質炭酸カルシウム、軽、膠質炭酸カルシウ
ム、天然シリカ、カオリン、クレー、酸化チタン、硫酸
バリウム、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、アルミナ、
水酸化マグネシウム等が添加・混練でき、また、板状フ
ィラーの内に、例えば、タルク、マイカ、ガラスフレー
ク等が添加・混練でき、針状フィラーの内に、例えば、
ウォラストナイト、チタン酸カリウム、塩基性硫酸マグ
ネシウム、セピオライト、ゾノトライト、ホウ酸アルミ
ニウム等が添加・混練できる。また、球状フィラーも添
加することができるが、引っ張り、曲げ、衝撃強度等に
は、繊維状フィラーと板状フィラーのような改良効果が
ないため、好ましくない。前記フィラーは、樹脂に1〜
50wt%、好ましくは5〜30wt%を添加し、混練
させることにより、剛度をはじめとして、耐久性、耐熱
変形性、成形加工性、耐衝撃強度、寸法安定性、耐折り
曲げ性等の特性が改良できる。前述のフィラーは単体で
添加することができるが、数種で同時に添加することも
できる。フィラーの添加による従来の塩化ビニル材、A
BS材と近い特性を得ることが可能である。なお、フィ
ラー以外に混練された樹脂の特性を失わない範囲であれ
ば、必要に応じて各種の添加剤、例えば着色防止剤0.
05〜3重量部、酸化防止剤0.05〜3重量部、滑剤
0.05〜3重量部、有機顔料及び無機顔料等を添加す
ることが可能である。さらに、ポリマー等の非分解性の
物質を添加することも可能である。非分解性の物質を3
0%以上添加することは、分解性が著しく低下し、加工
上の問題を生じるため、好ましくない。
【0029】また、本発明では、上記の積層構成以外に
も、センターコアのみにフィラーの添加を施してもよ
く、適当のフィラーを添加すると材料のコスト低減と改
質することができる。なお、片面のみにオーバシートを
積層することもできる。
【0030】また、接着性中間層3は、センターコアー
とオーバシートを接着するために設置された層である。
この層の材料はセンターコアーとオーバシートに使用し
た二種類の樹脂から混練されたものである。接着性中間
層の混合比率は、前記生分解性樹脂層2の生分解性樹脂
成分が20%〜80%であり、40%〜60%が望まし
い。また、必要に応じて前記中間層に各種の添加剤、例
えば接着補助剤0.05〜5重量部、着色防止剤0.0
5〜3重量部、酸化防止剤0.05〜3重量部、有機顔
料及び無機顔料等を添加することが可能である。
【0031】上記のそれぞれの樹脂を混練する方法は、
ドライブレンド、溶融ブレンド等が使われる。溶融ブレ
ンド法については、一軸押し出し法或いは二軸押し出し
法が使われる。
【0032】また、これらの樹脂が、溶融押し出し成形
方法により、オーバシート層1、センターコアシート層
2及び接着性中間層3を同時に多層共押し出し成形し、
シート状のカード基材を形成する。全厚が760μmの
カードにおいて、オーバシート層の厚さは約50〜10
0μmが望ましい。センターコアー層の厚さは約500
〜600μmが望ましい。また、接着中間層は10〜5
0μmが望ましい。共押し出し成形後のシート基材を加
熱下で二軸延伸加工処理、或いは熱プレス加工処理、カ
レンダ加工処理、熱安定処理を施することにより、基材
の剛度、成形性、耐衝撃性、寸法安定性、熱安定性、耐
折り曲げ性、表面平滑性等の特性をさらに向上させるこ
とができる。
【0033】上記方法で作製されたカードは従来の紙・
プラスチックカードの場合と同様に印刷・加工を行うこ
とができ、基材上にさらに他の絵柄、情報を印刷ができ
る。印刷方法は、オフセット印刷、スクリーン印刷、グ
ラビア印刷等の方法が使用できる。最後に、カードの抜
き型により86mm×54mmの生分解性のカードを成
形することができる。
【0034】
【作用】本発明の生分解生カードは、多層で構成される
カード基材を溶融押出し成形により形成することで、各
層間接着力が向上するとともに、基材の両面に設ける透
明オーバーシートの光透過率が高く、かつ、物性が優れ
た化学合成系生分解性樹脂シートを使用することによ
る、耐機械強度も向上し、特に塩化ビニルカードと同等
の機械特性、物性を有するとともに、廃棄処理後、環境
に悪影響を与えないカードが得られる。
【0035】
【実施例】以下本発明の具体的な例を挙げ、詳細に説明
する。 <実施例1>図1に基づき実施例1を説明する。オーバ
シート用樹脂を島津製作所製[ラクティ(商品名)10
20]とし、センターコアー用樹脂をゼネカ[バイオポ
ール(商品名)D610G]とし、接着性中間層用樹脂
を二軸混練機で上記樹脂を50%ずつで混練した。ま
た、センターコアー用樹脂にフィラー[白艶華(商品
名)R06](白石工業社製)15wt%と、酸化チタ
ン5wt%を添加、混練した。混練は二軸式押し出し混
練機で行い、混練の樹脂温度は210℃とした。前記の
樹脂を用いて、Tダイ溶融押し出し機により加工温度2
10℃で約760μm厚さのシートを押し出し成形し
た。オーバシート層の厚さは約100μmであり、セン
ターコアー層の厚さは約500μmであり、また、接着
中間層は30μmであった。また、カードの表面平滑性
を向上するため、成形したシートをさらに熱プレス機で
110℃、100kg/mc2 、10分間での熱プレス
処理を行った。上記方法で作製されたシートは従来の紙
・プラスチックカードの場合と同様に印刷・加工を行う
ことができ、基材上にさらに他の絵柄、情報を印刷がで
きる。印刷方法は、オフセット印刷、スクリーン印刷、
グラビア印刷等のいずれの方法でも印刷は可能であっ
た。最後に、カードの抜き型により生分解性カードを作
成することができる。また、上記の方法で作成したカー
ドを畑土壌中に埋設し、定期的に分解状態を観察したと
ころ、5ヵ月後にはカードが生分解し始め、10ヵ月経
過後崩壊したことが確認された。
【0036】<実施例2>図2に基づき説明する。オー
バシート用樹脂として島津製作所製[ラクティ(商品
名)1020]と、センターコアー用樹脂を昭和高分子
製[ビオノーレ(商品名)#1003]として、接着性
中間層用樹脂を二軸混練機で上記樹脂を50%ずつで混
練した。また、センターコアー用樹脂にフィラー[白艶
華(商品名)R06](白石工業社製)15wt%と、
酸化チタン5wt%を添加、混練した。混練は二軸式押
し出し混練機で行い、混練の樹脂温度は210℃とし
た。前記の樹脂を用いて、Tダイ溶融押し出し機により
加工温度210℃で約760μm厚さのシートを押し出
し成形した。オーバシート層の厚さは約100μmであ
り、センターコアー層の厚さは約500μmであり、ま
た、接着中間層は約30μmであった。また、カードの
表面平滑性を向上するため、成形したシートをさらに熱
プレス機で100℃、80kg/mc2 、10分間での
熱プレス処理を行った。上記方法で作成されたシート
は、従来の紙・プラスチックカードの場合と同様に印刷
・加工を行うことができ、基材上にさらに他の絵柄、情
報を印刷することができる。印刷方法は、オフセット印
刷、スクリーン印刷、グラビア印刷等のいずれの方法も
可能であった。最後に、カードの抜き型により生分解性
カードを作成することができる。また、上記の方法で作
成したカードを畑土壌中に埋設し、定期的に分解状態を
観察したところ、6ヵ月後にはカードが生分解し始め、
12ヵ月経過後崩壊したことが確認された。
【0037】<実施例3>図3に基づき説明する。オー
バシート用樹脂をゼネカ[バイオポール(商品名)D6
10G]とし、センターコアー用樹脂を島津製作所製
[ラクティ(商品名)1020]とし、接着性中間層用
樹脂を二軸混練機で上記樹脂を50%ずつで混練した。
また、センターコアー用樹脂にフィラー[白艶華(商品
名)R06](白石工業社製)15wt%と、酸化チタ
ン5wt%を添加、混練した。混練は二軸式押し出し混
練機で行い、混練の樹脂温度は210℃とした。前記の
樹脂を用いて、Tダイ溶融押し出し機により加工温度2
10℃で約760μm厚さのシートを押し出し成形し
た。また、カードの表面平滑性を向上するため、成形し
たシートをさらに熱プレス機で110℃、100kg/
mc2 、10分間での熱プレス処理を行った。オーバシ
ート層の厚さは約100μmであり、センターコアー層
の厚さは約500μmであり、また、接着中間層は30
μmであった。上記方法で作成されたシートは、従来の
紙・プラスチックカードの場合と同様に印刷・加工を行
うことができ、基材上にさらに他の絵柄、情報を印刷す
ることができる。印刷方法は、オフセット印刷、スクリ
ーン印刷、グラビア印刷等の方法でもよい。最後に、カ
ードの抜き型により生分解性カードを作成することがで
きた。また、上記の方法で作成したカードを畑土壌中に
埋設し、定期的に分解状態を観察したところ、5ヵ月後
にはカードが生分解し始め、10ヵ月経過後崩壊したこ
とが確認された。
【0038】<比較例1>前記実施例1の方法で作った
カードと同様の方法で作成した接着性中間層がないカー
ドの層間接着力の比較によると、接着性中間層がないカ
ード基材は、手で簡単に各積層シートが剥がれ、一方、
接着性中間層が有するカード基材は、手で剥離しないこ
とを確認した。結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
【0040】<比較例2>前記実施例1の生分解性カー
ド基材の代わりに、全厚760μmの塩化ビニルカード
を土壌中に埋設し、定期的に状態を観察したところ、1
2ヵ月経過後、色が部分的に黄色に変化したが、形状は
保持され、分解がないことを確認した。
【0041】
【発明の効果】本発明の生分解性カードにおいて、カー
ドの全体が生分解性を有しながら、製造方法が容易な生
分解性カードである。また、本発明のカードは多層積層
シート構成で、成形加工性、機械強度、物性等の特性が
優れ、特にセンターコアーとオーバーシート層間の接着
性が強くなるとともに、廃棄処理が容易で、土壌中或い
はコンポスト中で生分解が可能であり、環境に悪影響を
与えないカードを提供することが可能となった。また、
本発明は複合材で構成されたカードであるので、機械強
度も向上し、特に塩化ビニルカードと同等の機械特性、
物性を有し、廃棄処理後、環境に悪影響を与えないカー
ドであり、さらに、センターコアシートに多量のフィラ
ーを添加することができ、高価な生分解樹脂材料の減量
ができ、生分解性カードのコストダウンに効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の生分解性カード基材Aの断面図であ
る。
【図2】本発明の生分解性カード基材Bの断面図であ
る。
【図3】本発明の生分解性カード基材Cの断面図であ
る。
【符号の説明】
1…オーバシート層 2…センターコア層 3…接着性中間層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B42D 15/00 341 B42D 15/00 341B 15/10 501 15/10 501A G06K 19/077 G06K 19/00 K (72)発明者 今井 敏文 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多層で構成された生分解性カード基材が、
    数平均分子量10000から100000であるポリ乳
    酸または乳酸とオキシカルボン酸のコポリマーを主成分
    とする熱可塑性樹脂層1と、異なる生分解性樹脂層2
    と、前記熱可塑性樹脂層1と生分解性樹脂層2との層間
    に、前記二種類の生分解性樹脂を混練した樹脂からなる
    接着性中間層3を設けたことを特徴とする生分解性カー
    ド。
  2. 【請求項2】前記多層で構成された生分解性カードの生
    分解性樹脂層2の樹脂は、下記の一般式(1)に示され
    るヒドロキシアルカノエートユニットを有する微生物合
    成による脂肪族ポリエステル樹脂であって、3−ヒドロ
    キシバリレート、3−ヒドロキシブチレート、3−ヒド
    ロキシカプロレート、3−ヒドロキシヘプタノエート及
    びそれらの側鎖に種種の官能基を有するP(3HA)共
    重合体の1つまたは2つ以上の混合体からなる熱可塑性
    樹脂であることを特徴する請求項1に記載の生分解性カ
    ード。 【化1】
  3. 【請求項3】前記多層で構成された生分解性カードの生
    分解性樹脂層2の樹脂は、主にグリコールと脂肪族ジカ
    ルボン酸とから化学合成された脂肪族系ポリエステルで
    あって、数平均分子量10000〜100000の下記
    の一般式(2)に示される熱可塑性樹脂であることを特
    徴とする請求項1に記載の生分解性カード。 【化2】
  4. 【請求項4】前記多層で構成された生分解性カードの生
    分解性樹脂層2の樹脂は、主にグリコールと脂肪族ジカ
    ルボン酸とから化学合成された脂肪族系ポリエステルで
    あって、数平均分子量25000〜70000の下記の
    一般式(3)に示される熱可塑性樹脂であることを特徴
    とする請求項1に記載の生分解性カード。 【化3】
  5. 【請求項5】多層で構成された生分解性カード基材が、
    数平均分子量10000から100000であるポリ乳
    酸または乳酸とオキシカルボン酸のコポリマーを主成分
    とする熱可塑性樹脂層1と、異なる生分解性樹脂層2
    と、前記熱可塑性樹脂層1と生分解性樹脂層2との層間
    に、前記二種類の生分解性樹脂を混練した樹脂からなる
    接着性中間層3を、溶融押し出し成形法で、多層共押し
    出し成形してなることを特徴とする生分解性カードの製
    造方法。
  6. 【請求項6】前記生分解性樹脂層2が、請求項2〜請求
    項4に記載の一般式(1)または一般式(2)または一
    般式(3)のいずれかからなることを特徴とする請求項
    5に記載の生分解性カードの製造方法。
  7. 【請求項7】前記中間層の樹脂配合比率は、層2樹脂が
    20%〜80%であることを特徴とする請求項5、請求
    項6に記載の生分解性カードの製造方法。
  8. 【請求項8】前記多層で構成された生分解性プラスチッ
    クカード基材が、多層共押し出し成形後、熱プレス処
    理、カレンダ処理を施すことを特徴とする請求項5〜7
    に記載の生分解性カードの製造方法。
  9. 【請求項9】前記多層で構成された生分解性プラスチッ
    クカード基材が、多層共押し出し成形後、二軸延伸処理
    を施すことを特徴とする請求項5〜8に記載の生分解性
    カードの製造方法。
  10. 【請求項10】前記カード基材の各層の樹脂には、各種
    フィラー及び各種添加剤を添加してなることを特徴とす
    る請求項5〜9に記載の生分解性カードの製造方法。
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