JP2001055498A - 生分解性カード - Google Patents
生分解性カードInfo
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 生分解性に優れ、機械読み取りに伴う耐折り
曲げ性、剛度等のゲート特性を備え、プリペイドカード
や入場券などの使い切りタイプ等に用いられるカードを
提供すること。 【構成】 ポリ乳酸系樹脂(A)85〜5重量%、脂肪
族ポリエステル樹脂(B)5〜50重量%、ポリカプロ
ラクトン系樹脂(C)10〜45重量%((A)+
(B)+(C)の合計は100重量%である。)、及
び、(A)+(B)+(C)の合計100重量部に対し
て充填剤(D)5〜300重量部からなる生分解性樹脂
組成物層を基材2とし、その上に磁気記録層4および/
または感熱記録層が形成されてなる生分解性カード。
曲げ性、剛度等のゲート特性を備え、プリペイドカード
や入場券などの使い切りタイプ等に用いられるカードを
提供すること。 【構成】 ポリ乳酸系樹脂(A)85〜5重量%、脂肪
族ポリエステル樹脂(B)5〜50重量%、ポリカプロ
ラクトン系樹脂(C)10〜45重量%((A)+
(B)+(C)の合計は100重量%である。)、及
び、(A)+(B)+(C)の合計100重量部に対し
て充填剤(D)5〜300重量部からなる生分解性樹脂
組成物層を基材2とし、その上に磁気記録層4および/
または感熱記録層が形成されてなる生分解性カード。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリペイドカード
や入場券などの使い切りタイプ等に用いられるカードに
関する。さらに詳しくは、樹脂成分としてポリ乳酸系樹
脂、脂肪族ポリエステル樹脂およびポリカプロラクトン
系樹脂を使用し、これに充填剤を添加してなる樹脂組成
物をカード基材に使用して、生分解性に優れ、機械読み
取りに伴う耐折り曲げ性、剛度等のゲート特性を備えた
カードに関する。
や入場券などの使い切りタイプ等に用いられるカードに
関する。さらに詳しくは、樹脂成分としてポリ乳酸系樹
脂、脂肪族ポリエステル樹脂およびポリカプロラクトン
系樹脂を使用し、これに充填剤を添加してなる樹脂組成
物をカード基材に使用して、生分解性に優れ、機械読み
取りに伴う耐折り曲げ性、剛度等のゲート特性を備えた
カードに関する。
【0002】
【従来の技術】特開平8−39745号公報にも記載さ
れているように、現在、カードには身分を証明するID
カード、会員カードや金銭的価値を有するキャッシュカ
ード、クレジットカード、プリペイドカード、定期券、
通行券など幅広い分野で利用されている。とくにカード
で最も利用数が増加しているものとして、一定単位の金
額を予め支払い、その金額分の価値情報を記録した、い
わゆるプリペイドカード(前払いカード)がある。この
カードには読み取り・書き込み装置を介して価値情報、
識別情報が、カード基材に印字または印刷表示した絵柄
・文字情報として、またカード基材上に設けられた磁気
記録部または光学記録部に機械読み取り情報として記録
されるため、この読み取り・書き込み装置で使用できる
ようにゲート特性と呼ばれる機械特性、例えば耐久性、
耐折り曲げ性、剛度などが要求されている。このような
条件を満たし、かつ製造が容易な素材として、一般的
に、プリペイドカード等は、主にポリエチレンテレフタ
レート(PET)樹脂等のプラスチック、すなわち機械
特性のみを満たす樹脂をカード基材として利用してい
る。さらに、一般的なカード用の基材として、ポリ塩化
ビニル樹脂が用いられている。カードは通常、利用者に
販売若しくは貸与された後は、利用者がそのカード使い
終われば廃棄されるものである。そして上述の素材のプ
ラスチックカードは、その使用後の処理を、現在のとこ
ろ焼却または廃棄物として埋め立て等によって処分され
ている。しかしプラスチック廃棄物は、ポリ塩化ビニル
樹脂などの焼却による燃焼温度の高熱化による焼却炉の
耐久性の問題、燃焼ガスなどの公害問題を有しており、
焼却の影響の少ない前者の材質(PET)との分別も完
全に行うことは不可能である。また廃棄物の埋め立てで
は、埋め立て地において分解することなく原形のまま存
在するため、半永久的にゴミとして残り、自然環境への
影響が問題となっている。いずれにしても使用後の廃棄
の問題が存在している。
れているように、現在、カードには身分を証明するID
カード、会員カードや金銭的価値を有するキャッシュカ
ード、クレジットカード、プリペイドカード、定期券、
通行券など幅広い分野で利用されている。とくにカード
で最も利用数が増加しているものとして、一定単位の金
額を予め支払い、その金額分の価値情報を記録した、い
わゆるプリペイドカード(前払いカード)がある。この
カードには読み取り・書き込み装置を介して価値情報、
識別情報が、カード基材に印字または印刷表示した絵柄
・文字情報として、またカード基材上に設けられた磁気
記録部または光学記録部に機械読み取り情報として記録
されるため、この読み取り・書き込み装置で使用できる
ようにゲート特性と呼ばれる機械特性、例えば耐久性、
耐折り曲げ性、剛度などが要求されている。このような
条件を満たし、かつ製造が容易な素材として、一般的
に、プリペイドカード等は、主にポリエチレンテレフタ
レート(PET)樹脂等のプラスチック、すなわち機械
特性のみを満たす樹脂をカード基材として利用してい
る。さらに、一般的なカード用の基材として、ポリ塩化
ビニル樹脂が用いられている。カードは通常、利用者に
販売若しくは貸与された後は、利用者がそのカード使い
終われば廃棄されるものである。そして上述の素材のプ
ラスチックカードは、その使用後の処理を、現在のとこ
ろ焼却または廃棄物として埋め立て等によって処分され
ている。しかしプラスチック廃棄物は、ポリ塩化ビニル
樹脂などの焼却による燃焼温度の高熱化による焼却炉の
耐久性の問題、燃焼ガスなどの公害問題を有しており、
焼却の影響の少ない前者の材質(PET)との分別も完
全に行うことは不可能である。また廃棄物の埋め立てで
は、埋め立て地において分解することなく原形のまま存
在するため、半永久的にゴミとして残り、自然環境への
影響が問題となっている。いずれにしても使用後の廃棄
の問題が存在している。
【0003】そこで、天然素材系のバイオセルロースや
澱粉主体のプラスチック、低置換度セルロース系エステ
ル、微生物の合成するポリエステル、脂肪族のポリエス
テル樹脂等が生分解性のあるプラスチックとして各種の
用途等が検討されており、カード材料としても検討され
ている。
澱粉主体のプラスチック、低置換度セルロース系エステ
ル、微生物の合成するポリエステル、脂肪族のポリエス
テル樹脂等が生分解性のあるプラスチックとして各種の
用途等が検討されており、カード材料としても検討され
ている。
【0004】例えば、ポリ乳酸は生体内で数ヶ月から1
年で完全に分解し、無害な水と炭酸ガスになり、また、
土壌や水中では数週間で分解を開始し1年で完全に分解
するため、従来の汎用プラスチックに代わって、使い捨
ての包装材料や容器等における使用が検討されている。
ポリ乳酸はガラス転移点が高く高剛性であるが低靭性で
あり、また、生分解性が低いことから、乳酸と脂肪族ヒ
ドロキシカルボン酸とのコポリマーが検討されている
(特開平5−39381号公報)。
年で完全に分解し、無害な水と炭酸ガスになり、また、
土壌や水中では数週間で分解を開始し1年で完全に分解
するため、従来の汎用プラスチックに代わって、使い捨
ての包装材料や容器等における使用が検討されている。
ポリ乳酸はガラス転移点が高く高剛性であるが低靭性で
あり、また、生分解性が低いことから、乳酸と脂肪族ヒ
ドロキシカルボン酸とのコポリマーが検討されている
(特開平5−39381号公報)。
【0005】また、ポリ(ε−カプロラクトン)の生分
解性に関して、シーエムシー(株)社発行実用・生分解
性プラスチック(42頁、1992)には下記のように
記載されている。すなわち、(i)1972年、Pot
tsらは高分子量ポリ(ε−カプロラクトン)(分子量
30,000)を土壌埋設すると、1年間で消失するこ
とを見いだした(Am. Chem. Soc. Polymer Preprints,
13. 629(1972))。(ii)1976年、常盤らは土壌から
分離したPenicillium SP.26−1が分
子量25,000のポリ(ε−カプロラクトン)を完全
に分解することを報告した(J. Ferment Technol., 54.
603(1976))。(iii)1975年、Daiamondら
はポリ(ε−カプロラクトン)フィルムがAsperg
illusや土壌中で分解することを報告した(Int. B
iodetr. Bull., 11. 127(1975))。(iv)生分解性プラス
チック研究会の土壌埋設および水中浸漬によるフィール
ドテストの結果によれば、ポリ(ε−カプロラクトン)
は、多くの場所で6カ月後からサンプルが消失し、1年
後には、ほとんどの場所でサンプルは消失した(生分解
性プラスチック研究会・技術委員会;未発表データ
ー)。しかし、ポリ(ε−カプロラクトン)は高靭性、
高生分解性であるが低融点、低耐熱である。
解性に関して、シーエムシー(株)社発行実用・生分解
性プラスチック(42頁、1992)には下記のように
記載されている。すなわち、(i)1972年、Pot
tsらは高分子量ポリ(ε−カプロラクトン)(分子量
30,000)を土壌埋設すると、1年間で消失するこ
とを見いだした(Am. Chem. Soc. Polymer Preprints,
13. 629(1972))。(ii)1976年、常盤らは土壌から
分離したPenicillium SP.26−1が分
子量25,000のポリ(ε−カプロラクトン)を完全
に分解することを報告した(J. Ferment Technol., 54.
603(1976))。(iii)1975年、Daiamondら
はポリ(ε−カプロラクトン)フィルムがAsperg
illusや土壌中で分解することを報告した(Int. B
iodetr. Bull., 11. 127(1975))。(iv)生分解性プラス
チック研究会の土壌埋設および水中浸漬によるフィール
ドテストの結果によれば、ポリ(ε−カプロラクトン)
は、多くの場所で6カ月後からサンプルが消失し、1年
後には、ほとんどの場所でサンプルは消失した(生分解
性プラスチック研究会・技術委員会;未発表データ
ー)。しかし、ポリ(ε−カプロラクトン)は高靭性、
高生分解性であるが低融点、低耐熱である。
【0006】生分解性脂肪族ポリエステル樹脂の中で
も、ポリ乳酸は高剛性であるが低靭性、低生分解性であ
り、ポリ(ε−カプロラクトン)(ポリカプロラクトン
と略称する)は高靭性、高生分解性であるが低融点、低
耐熱である。さらに、ポリ乳酸とポリカプロラクトンの
相溶性が悪く、混合して得られたものは低靭性である。
も、ポリ乳酸は高剛性であるが低靭性、低生分解性であ
り、ポリ(ε−カプロラクトン)(ポリカプロラクトン
と略称する)は高靭性、高生分解性であるが低融点、低
耐熱である。さらに、ポリ乳酸とポリカプロラクトンの
相溶性が悪く、混合して得られたものは低靭性である。
【0007】さらに特開昭57−150393号公報、
特開昭59−220192号公報、特開昭51−939
91号公報、特開昭63−260912号公報、特開昭
57−150393号公報に記載されるように、光また
は地中など自然環境下で分解可能なプラスチックが開発
され、とくに使い捨て型の商品パッケージに用いられ、
現在では一部が商品化されている。カードの分野では、
特開平5−42786号や特開平5−85088号おい
て、カード基材に生分解性或いは光分解性のプラスチッ
クを用いることが述べられている。
特開昭59−220192号公報、特開昭51−939
91号公報、特開昭63−260912号公報、特開昭
57−150393号公報に記載されるように、光また
は地中など自然環境下で分解可能なプラスチックが開発
され、とくに使い捨て型の商品パッケージに用いられ、
現在では一部が商品化されている。カードの分野では、
特開平5−42786号や特開平5−85088号おい
て、カード基材に生分解性或いは光分解性のプラスチッ
クを用いることが述べられている。
【0008】また従来から紙をカード基材として採用し
たカードが利用されており、とくに紙は焼却や埋め立て
などの廃棄が簡単であり、しかも製造コスト安価である
ことから、上記した近年議論されているゴミなど環境問
題の解決に最適なカード材料と見られている。しかしな
がら、紙をカード基材として用いた場合に耐久性、耐折
り曲げ性、耐水性、耐薬品性、防水性、表面平滑性、光
沢性、加工性等のカードとしての適性を考慮すると、全
ての点で機能が劣るため、紙の単独での使用は、通行券
や入場券、乗車券など一時的な利用のみに限定され、一
定期間使用される上述したプリペイドカードには不向き
である。この場合には紙基材にポリエチレン樹脂、ポリ
プロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、PET等の合成
樹脂やアルミニウム箔などプラスチック以外の外層を保
護層として積層することが考えられるが、これらは廃棄
性に優れず、上記したプラスチックカードと大差がない
欠点を有する。
たカードが利用されており、とくに紙は焼却や埋め立て
などの廃棄が簡単であり、しかも製造コスト安価である
ことから、上記した近年議論されているゴミなど環境問
題の解決に最適なカード材料と見られている。しかしな
がら、紙をカード基材として用いた場合に耐久性、耐折
り曲げ性、耐水性、耐薬品性、防水性、表面平滑性、光
沢性、加工性等のカードとしての適性を考慮すると、全
ての点で機能が劣るため、紙の単独での使用は、通行券
や入場券、乗車券など一時的な利用のみに限定され、一
定期間使用される上述したプリペイドカードには不向き
である。この場合には紙基材にポリエチレン樹脂、ポリ
プロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、PET等の合成
樹脂やアルミニウム箔などプラスチック以外の外層を保
護層として積層することが考えられるが、これらは廃棄
性に優れず、上記したプラスチックカードと大差がない
欠点を有する。
【0009】また特開平7−9788号公報には、生分
解性樹脂層を紙基材の片面または両面に設け、従来のプ
ラスチックカードとしての特性と優れた廃棄性を有する
カードが記載されている。上記の問題の改善を目的とし
た生分解性樹脂層を紙基材の片面または両面に設けてな
るカードは、通常の使用では問題ないが、異常な環境、
例えば洗濯など水に晒された場合、カードの端面から水
分が染み込み、カードのカール・伸縮・エッジ部のめく
れ等を生じることがあり、カードが損傷し易く、また前
記カールやめくれにより読取り・書き込み装置に使う
と、カードの搬送路などに引っかかるなどの問題を有し
ていた。
解性樹脂層を紙基材の片面または両面に設け、従来のプ
ラスチックカードとしての特性と優れた廃棄性を有する
カードが記載されている。上記の問題の改善を目的とし
た生分解性樹脂層を紙基材の片面または両面に設けてな
るカードは、通常の使用では問題ないが、異常な環境、
例えば洗濯など水に晒された場合、カードの端面から水
分が染み込み、カードのカール・伸縮・エッジ部のめく
れ等を生じることがあり、カードが損傷し易く、また前
記カールやめくれにより読取り・書き込み装置に使う
と、カードの搬送路などに引っかかるなどの問題を有し
ていた。
【0010】またカード基材そのものを分解性を有する
プラスチックで構成するようにしたカードは、そのプラ
スチックの機能により、廃棄後徐々に分解されていくも
のである。ところが、このカードはカード自体が有する
利便性及びカード製造上の問題を考慮して作成されるも
のであり、分解性を有するプラスチックを単にカード基
材として用いた場合、耐折り曲げ性、剛度という機械特
性を有しているとは言えず、またカードの強度や使い易
さから一定の厚みとする必要があるため、一体形成した
時に、カード面の反りの発生や厚さの分だけ分解性を有
するプラスチックを使用されるので、分解に時間がかか
る。さらに分解性を有するプラスチックが高価であるた
め、カード自体も高価格となってしまう問題を有する。
プラスチックで構成するようにしたカードは、そのプラ
スチックの機能により、廃棄後徐々に分解されていくも
のである。ところが、このカードはカード自体が有する
利便性及びカード製造上の問題を考慮して作成されるも
のであり、分解性を有するプラスチックを単にカード基
材として用いた場合、耐折り曲げ性、剛度という機械特
性を有しているとは言えず、またカードの強度や使い易
さから一定の厚みとする必要があるため、一体形成した
時に、カード面の反りの発生や厚さの分だけ分解性を有
するプラスチックを使用されるので、分解に時間がかか
る。さらに分解性を有するプラスチックが高価であるた
め、カード自体も高価格となってしまう問題を有する。
【0011】このような問題に対して、前記特開平8−
39745号公報には、機械読み取り・書き込みにおい
て要求される剛度等のゲート特性を有するとともに、カ
ード構成樹脂全体が分解性を有するカードが開示されて
いる。しかし、得られるカードの硬度や寸法安定性が不
充分であり、情報記録層の機材への印刷適性も必ずしも
良くなく、さらに生分解性の一層の向上が要求されてい
る。
39745号公報には、機械読み取り・書き込みにおい
て要求される剛度等のゲート特性を有するとともに、カ
ード構成樹脂全体が分解性を有するカードが開示されて
いる。しかし、得られるカードの硬度や寸法安定性が不
充分であり、情報記録層の機材への印刷適性も必ずしも
良くなく、さらに生分解性の一層の向上が要求されてい
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
乳酸の高剛性とポリカプロラクトンの高靭性、高生分解
性の長所を利用して、生分解性を有すると共に、カード
基材が耐久性、剛度、成形加工性、機械強度、硬さ、衝
撃強度、寸法安定性、耐折り曲げ性等の機械特性を保持
し、これにより読み取り・書き込み装置での機械読み取
り・書き込みのためのゲート特性を示す該基材上に磁気
記録層および/または感熱記録層を設けたカードを提供
する。
乳酸の高剛性とポリカプロラクトンの高靭性、高生分解
性の長所を利用して、生分解性を有すると共に、カード
基材が耐久性、剛度、成形加工性、機械強度、硬さ、衝
撃強度、寸法安定性、耐折り曲げ性等の機械特性を保持
し、これにより読み取り・書き込み装置での機械読み取
り・書き込みのためのゲート特性を示す該基材上に磁気
記録層および/または感熱記録層を設けたカードを提供
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記特開平
8−39745号公報に開示されたカードとしての物性
をより向上させるために鋭意検討したところ、ポリ乳酸
系樹脂とポリカプロラクトン系樹脂に相溶化剤として脂
肪族ポリエステル樹脂を使用することにより、生分解性
樹脂組成物がカード基材として、優れていることを見い
出し、本発明を完成させることができた。
8−39745号公報に開示されたカードとしての物性
をより向上させるために鋭意検討したところ、ポリ乳酸
系樹脂とポリカプロラクトン系樹脂に相溶化剤として脂
肪族ポリエステル樹脂を使用することにより、生分解性
樹脂組成物がカード基材として、優れていることを見い
出し、本発明を完成させることができた。
【0014】すなわち本発明の第1によれば、ポリ乳酸
系樹脂(A)85〜5重量%、脂肪族ポリエステル樹脂
(B)5〜50重量%、ポリカプロラクトン系樹脂
(C)10〜45重量%((A)+(B)+(C)の合
計は100重量%である。)、及び、(A)+(B)+
(C)の合計100重量部に対して充填剤(D)5〜3
00重量部からなる生分解性樹脂組成物層を基材とする
ことを特徴とする生分解性カードが提供される。また本
発明の第2によれば、ポリ乳酸系樹脂(A)の分子量が
30,000〜200,000であることを特徴とする
本発明の第1の生分解性カードが提供される。また本発
明の第3によれば、脂肪族ポリエステル樹脂(B)の分
子量が40,000〜200,000であることを特徴
とする本発明の第1の生分解性カードが提供される。ま
た本発明の第4によれば、ポリカプロラクトン系樹脂
(C)の分子量が40,000〜200,000である
ことを特徴とする本発明の第1の生分解性カードが提供
される。また本発明の第5によれば、ポリ乳酸系樹脂
(A)がポリ乳酸ホモポリマーであることを特徴とする
本発明の第1または2の生分解性カードが提供される。
また本発明の第6によれば、脂肪族ポリエステル樹脂
(B)がコハク酸、アジピン酸またはそれらの混合物と
エチレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグ
リコールまたはそれらの混合物とのポリエステルである
ことを特徴とする本発明の第1または3の生分解性カー
ドが提供される。また本発明の第7によれば、ポリカプ
ロラクトン系樹脂(C)がポリカプロラクトンホモポリ
マーであることを特徴とする本発明の第1または4の生
分解性カードが提供される。また本発明の第8によれ
ば、基材をなす生分解性樹脂組成物層が二軸延伸されて
なることを特徴とする本発明の第1の生分解性カードが
提供される。また本発明の第9によれば、充填剤(D)
が、炭酸カルシウム、マイカ、珪酸カルシウム、ホワイ
トカーボン、石綿、陶土(焼成)、ガラス繊維、酸化チ
タン又はこれらの混合物であることを特徴とする本発明
の第1の生分解性カードが提供される。また本発明の第
10によれば、基材をなす生分解性樹脂組成物層の上に
磁気記録層および/または感熱記録層が形成されてなる
ことを特徴とする本発明の第1〜9のいずれかの生分解
性カードが提供される。
系樹脂(A)85〜5重量%、脂肪族ポリエステル樹脂
(B)5〜50重量%、ポリカプロラクトン系樹脂
(C)10〜45重量%((A)+(B)+(C)の合
計は100重量%である。)、及び、(A)+(B)+
(C)の合計100重量部に対して充填剤(D)5〜3
00重量部からなる生分解性樹脂組成物層を基材とする
ことを特徴とする生分解性カードが提供される。また本
発明の第2によれば、ポリ乳酸系樹脂(A)の分子量が
30,000〜200,000であることを特徴とする
本発明の第1の生分解性カードが提供される。また本発
明の第3によれば、脂肪族ポリエステル樹脂(B)の分
子量が40,000〜200,000であることを特徴
とする本発明の第1の生分解性カードが提供される。ま
た本発明の第4によれば、ポリカプロラクトン系樹脂
(C)の分子量が40,000〜200,000である
ことを特徴とする本発明の第1の生分解性カードが提供
される。また本発明の第5によれば、ポリ乳酸系樹脂
(A)がポリ乳酸ホモポリマーであることを特徴とする
本発明の第1または2の生分解性カードが提供される。
また本発明の第6によれば、脂肪族ポリエステル樹脂
(B)がコハク酸、アジピン酸またはそれらの混合物と
エチレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグ
リコールまたはそれらの混合物とのポリエステルである
ことを特徴とする本発明の第1または3の生分解性カー
ドが提供される。また本発明の第7によれば、ポリカプ
ロラクトン系樹脂(C)がポリカプロラクトンホモポリ
マーであることを特徴とする本発明の第1または4の生
分解性カードが提供される。また本発明の第8によれ
ば、基材をなす生分解性樹脂組成物層が二軸延伸されて
なることを特徴とする本発明の第1の生分解性カードが
提供される。また本発明の第9によれば、充填剤(D)
が、炭酸カルシウム、マイカ、珪酸カルシウム、ホワイ
トカーボン、石綿、陶土(焼成)、ガラス繊維、酸化チ
タン又はこれらの混合物であることを特徴とする本発明
の第1の生分解性カードが提供される。また本発明の第
10によれば、基材をなす生分解性樹脂組成物層の上に
磁気記録層および/または感熱記録層が形成されてなる
ことを特徴とする本発明の第1〜9のいずれかの生分解
性カードが提供される。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明は、ポリ乳酸系樹脂(A)
85〜5重量%、脂肪族ポリエステル樹脂(B)5〜5
0重量%、ポリカプロラクトン系樹脂(C)10〜45
重量%((A)+(B)+(C)の合計は100重量%
である。)に(A)+(B)+(C)の合計100重量
部に対して充填剤(D)5〜300重量部を混練した樹
脂組成物をカード基材とすることにより、基材が剛性、
耐久性、耐折り曲げ性、耐水性、耐薬品性、防水性、表
面平滑性、光沢性、加工性および樹脂のみのブロッキン
グ温度100℃以上の耐熱性等の適性を有し、カードが
耐久性、剛度、成形加工性、機械強度、硬さ、衝撃強
度、寸法安定性、耐折り曲げ性等の機械特性を保持し、
磁気成分や感熱成分等の情報記録層の印刷性に優れ、こ
れにより読み取り・書き込み装置での機械読み取り・書
き込みのためのゲート特性を示す。さらに廃棄後に自然
界に放置されても、向上された生分解性により、十分に
自然分解可能である。
85〜5重量%、脂肪族ポリエステル樹脂(B)5〜5
0重量%、ポリカプロラクトン系樹脂(C)10〜45
重量%((A)+(B)+(C)の合計は100重量%
である。)に(A)+(B)+(C)の合計100重量
部に対して充填剤(D)5〜300重量部を混練した樹
脂組成物をカード基材とすることにより、基材が剛性、
耐久性、耐折り曲げ性、耐水性、耐薬品性、防水性、表
面平滑性、光沢性、加工性および樹脂のみのブロッキン
グ温度100℃以上の耐熱性等の適性を有し、カードが
耐久性、剛度、成形加工性、機械強度、硬さ、衝撃強
度、寸法安定性、耐折り曲げ性等の機械特性を保持し、
磁気成分や感熱成分等の情報記録層の印刷性に優れ、こ
れにより読み取り・書き込み装置での機械読み取り・書
き込みのためのゲート特性を示す。さらに廃棄後に自然
界に放置されても、向上された生分解性により、十分に
自然分解可能である。
【0016】本発明で使用するポリ乳酸系樹脂(A)
は、ポリ乳酸または乳酸と他の脂肪族ヒドロキシカルボ
ン酸とのコポリマーである。ポリ乳酸または乳酸と他の
脂肪族ヒドロキシカルボン酸とのコポリマーは数平均分
子量Mnが10,000〜300,000、好ましく
は、30,000〜200,000のものであり、ラク
タイドの開環重合によって得られたものでも、乳酸の脱
水重縮合によって得られたものでも、両者を重合させた
ものでもよい。また、ラクタイドおよび乳酸はd体、l
体、dl体等光学活性体又は不活性体さらにはそれらの
混合物が使用できる。乳酸またはラクタイドと共重合さ
れる他の脂肪族ヒドロキシカルボン酸としては、グリコ
ール酸、各種ヒドロキシ酪酸、各種ヒドロキシ吉草酸、
各種ヒドロキシカプロン酸等が挙げられる。乳酸と共重
合される他の脂肪族ヒドロキシカルボン酸との比率は乳
酸:他の脂肪族ヒドロキシカルボン酸=100:0〜5
0:50である。
は、ポリ乳酸または乳酸と他の脂肪族ヒドロキシカルボ
ン酸とのコポリマーである。ポリ乳酸または乳酸と他の
脂肪族ヒドロキシカルボン酸とのコポリマーは数平均分
子量Mnが10,000〜300,000、好ましく
は、30,000〜200,000のものであり、ラク
タイドの開環重合によって得られたものでも、乳酸の脱
水重縮合によって得られたものでも、両者を重合させた
ものでもよい。また、ラクタイドおよび乳酸はd体、l
体、dl体等光学活性体又は不活性体さらにはそれらの
混合物が使用できる。乳酸またはラクタイドと共重合さ
れる他の脂肪族ヒドロキシカルボン酸としては、グリコ
ール酸、各種ヒドロキシ酪酸、各種ヒドロキシ吉草酸、
各種ヒドロキシカプロン酸等が挙げられる。乳酸と共重
合される他の脂肪族ヒドロキシカルボン酸との比率は乳
酸:他の脂肪族ヒドロキシカルボン酸=100:0〜5
0:50である。
【0017】本発明で使用するポリカプロラクトン系樹
脂(C)は、ポリカプロラクトンのホモポリマーまたは
カプロラクトンと他の脂肪族ヒドロキシカルボン酸との
コポリマーである。ポリカプロラクトンのホモポリマー
またはカプロラクトンと他の脂肪族ヒドロキシカルボン
酸とのコポリマーは、数平均分子量Mnが30,000
〜300,000のものであり、好ましくは、40,0
00〜200,000のものである。ポリカプロラクト
ンの分子量は、上記範囲のものを使用できるが、低分子
量のポリカプロラクトンを使用した場合は、混練樹脂の
耐熱性や機械強度の低下が大きくなるので添加量が制限
されるが、樹脂組成物の溶融粘度が低下し、成形性が向
上する等のメリットが現れる。しかし高分子量のポリカ
プロラクトンを使用する方が配合率を多くすることがで
き、耐熱性、機械特性、生分解性をいずれも高くバラン
スさせることが可能であり、より好ましい。ポリカプロ
ラクトンのホモポリマーとしは、例えばアルコールなど
の活性水素を開始剤とし、ε−カプロラクトンを常法の
開環重合を行うことにより得られるものである。前記開
始剤の官能数は、特に制限はなく、2官能や3官能のも
のが好ましく使用できる。ポリカプロラクトンのホモポ
リマーはε−カプロラクトンの開環重合によって得られ
たものでも、6−ヒドロキシカプロン酸の脱水重縮合に
よって得られたものでも、両者を重合させたものでもよ
い。ポリカプロラクトンのコポリマーでは、ε−カプロ
ラクトンまたは6−ヒドロキシカプロン酸と共重合され
る他の脂肪族ヒドロキシカルボン酸としては、グリコー
ル酸、グリコライド、乳酸、ラクタイド、各種ヒドロキ
シ酪酸、各種ヒドロキシ吉草酸、各種ヒドロキシカプロ
ン酸またはそれらの環状無水物等が挙げられる。ε−カ
プロラクトンまたは6−ヒドロキシカプロン酸と共重合
される他の脂肪族ヒドロキシカルボン酸との比率はε−
カプロラクトンまたは6−ヒドロキシカプロン酸:他の
脂肪族ヒドロキシカルボン酸=100:0〜30:70
である。
脂(C)は、ポリカプロラクトンのホモポリマーまたは
カプロラクトンと他の脂肪族ヒドロキシカルボン酸との
コポリマーである。ポリカプロラクトンのホモポリマー
またはカプロラクトンと他の脂肪族ヒドロキシカルボン
酸とのコポリマーは、数平均分子量Mnが30,000
〜300,000のものであり、好ましくは、40,0
00〜200,000のものである。ポリカプロラクト
ンの分子量は、上記範囲のものを使用できるが、低分子
量のポリカプロラクトンを使用した場合は、混練樹脂の
耐熱性や機械強度の低下が大きくなるので添加量が制限
されるが、樹脂組成物の溶融粘度が低下し、成形性が向
上する等のメリットが現れる。しかし高分子量のポリカ
プロラクトンを使用する方が配合率を多くすることがで
き、耐熱性、機械特性、生分解性をいずれも高くバラン
スさせることが可能であり、より好ましい。ポリカプロ
ラクトンのホモポリマーとしは、例えばアルコールなど
の活性水素を開始剤とし、ε−カプロラクトンを常法の
開環重合を行うことにより得られるものである。前記開
始剤の官能数は、特に制限はなく、2官能や3官能のも
のが好ましく使用できる。ポリカプロラクトンのホモポ
リマーはε−カプロラクトンの開環重合によって得られ
たものでも、6−ヒドロキシカプロン酸の脱水重縮合に
よって得られたものでも、両者を重合させたものでもよ
い。ポリカプロラクトンのコポリマーでは、ε−カプロ
ラクトンまたは6−ヒドロキシカプロン酸と共重合され
る他の脂肪族ヒドロキシカルボン酸としては、グリコー
ル酸、グリコライド、乳酸、ラクタイド、各種ヒドロキ
シ酪酸、各種ヒドロキシ吉草酸、各種ヒドロキシカプロ
ン酸またはそれらの環状無水物等が挙げられる。ε−カ
プロラクトンまたは6−ヒドロキシカプロン酸と共重合
される他の脂肪族ヒドロキシカルボン酸との比率はε−
カプロラクトンまたは6−ヒドロキシカプロン酸:他の
脂肪族ヒドロキシカルボン酸=100:0〜30:70
である。
【0018】また、カプロラクトンのコポリマーとして
は、特開平7−304835号公報に示され、上記組成
及び分子量を満たす、(a)ε−カプロラクトン構造単
位および(b)オキセタン構造単位からなる易生分解性
共重合体、あるいは、(a)ε−カプロラクトン構造単
位および(c)ジメチルトリメチレンカーボネート構造
単位からなる易生分解性共重合体であってもよい。
は、特開平7−304835号公報に示され、上記組成
及び分子量を満たす、(a)ε−カプロラクトン構造単
位および(b)オキセタン構造単位からなる易生分解性
共重合体、あるいは、(a)ε−カプロラクトン構造単
位および(c)ジメチルトリメチレンカーボネート構造
単位からなる易生分解性共重合体であってもよい。
【0019】本発明で使用する脂肪族ポリエステル樹脂
(B)は、2官能脂肪族アルコール、好ましくはα,ω
−2官能脂肪族アルコールと、2官能脂肪族カルボン
酸、好ましくはα,ω−2官能脂肪族カルボン酸との重
縮合で得られるポリエステル樹脂で代表される。2官能
脂肪族カルボン酸としては、シュウ酸、コハク酸、リン
ゴ酸、マレイン酸、フマール酸、アジピン酸、シクロヘ
キサンジカルボン酸等の炭素数2ないし12の飽和、不
飽和、脂環式ジカルボン酸が挙げられる。2官能脂肪族
アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグ
リコール、ヘキサンジオール及びそれらのオリゴマーが
挙げられる。脂肪族ポリエステル樹脂(B)は、具体的
には、コハク酸と1,4−ブタンジオールから得られる
ポリエステル樹脂、コハク酸とエチレングリコールから
得られるポリエステル樹脂、シュウ酸とネオペンチルグ
リコールから得られるポリエステル樹脂鎖シュウ酸と
1,4−ブタンジオールから得られるポリエステル樹
脂、シュウ酸とエチレングリコールから得られるポリエ
ステル樹脂が好ましいものとして挙げることができる。
これらの中では、コハク酸と1,4−ブタンジオールか
ら得られるポリエステル樹脂が特に好ましい。
(B)は、2官能脂肪族アルコール、好ましくはα,ω
−2官能脂肪族アルコールと、2官能脂肪族カルボン
酸、好ましくはα,ω−2官能脂肪族カルボン酸との重
縮合で得られるポリエステル樹脂で代表される。2官能
脂肪族カルボン酸としては、シュウ酸、コハク酸、リン
ゴ酸、マレイン酸、フマール酸、アジピン酸、シクロヘ
キサンジカルボン酸等の炭素数2ないし12の飽和、不
飽和、脂環式ジカルボン酸が挙げられる。2官能脂肪族
アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグ
リコール、ヘキサンジオール及びそれらのオリゴマーが
挙げられる。脂肪族ポリエステル樹脂(B)は、具体的
には、コハク酸と1,4−ブタンジオールから得られる
ポリエステル樹脂、コハク酸とエチレングリコールから
得られるポリエステル樹脂、シュウ酸とネオペンチルグ
リコールから得られるポリエステル樹脂鎖シュウ酸と
1,4−ブタンジオールから得られるポリエステル樹
脂、シュウ酸とエチレングリコールから得られるポリエ
ステル樹脂が好ましいものとして挙げることができる。
これらの中では、コハク酸と1,4−ブタンジオールか
ら得られるポリエステル樹脂が特に好ましい。
【0020】脂肪族ポリエステル樹脂(B)としては、
上記の脂肪族ポリエステル樹脂(B)の中の低分子量の
ものを、イソシアネート、好ましくは脂肪族ジイソシア
ネート化合物によりにより高分子量化したものも使用す
ることができる。高分子量化に使用する、脂肪族ジイソ
シアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、リジンジイソシアネートメチルエステル{OC
N-(CH2)4-CH(-NCO)(-COOCH3)}、
トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が例示さ
れるが、中でもヘキサメチレンジイソシアネートが好ま
しい。
上記の脂肪族ポリエステル樹脂(B)の中の低分子量の
ものを、イソシアネート、好ましくは脂肪族ジイソシア
ネート化合物によりにより高分子量化したものも使用す
ることができる。高分子量化に使用する、脂肪族ジイソ
シアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、リジンジイソシアネートメチルエステル{OC
N-(CH2)4-CH(-NCO)(-COOCH3)}、
トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が例示さ
れるが、中でもヘキサメチレンジイソシアネートが好ま
しい。
【0021】脂肪族ポリエステル樹脂(B)は、好まし
くは、コハク酸とエチレングリコール、ブタンジオール
またはそれらの混合物とのポリエステルである。脂肪族
ポリエステル樹脂(B)の数平均分子量Mnは10,0
00〜300,000であり、好ましくは、40,00
0〜200,000である。上記で、数平均分子量はゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によ
り標準ポリスチレンを基準にして求めたものである。
くは、コハク酸とエチレングリコール、ブタンジオール
またはそれらの混合物とのポリエステルである。脂肪族
ポリエステル樹脂(B)の数平均分子量Mnは10,0
00〜300,000であり、好ましくは、40,00
0〜200,000である。上記で、数平均分子量はゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によ
り標準ポリスチレンを基準にして求めたものである。
【0022】本発明における樹脂の組成比は、ポリ乳酸
系樹脂(A)85〜5重量%、脂肪族ポリエステル樹脂
(B)5〜50重量%およびポリカプロラクトン系樹脂
(C)10〜45重量%であり、好ましくは、ポリ乳酸
系樹脂(A)70〜20重量%、脂肪族ポリエステル樹
脂(B)10〜40重量%およびポリカプロラクトン系
樹脂(C)20〜40重量%であり、特に好ましくは、
ポリ乳酸系樹脂(A)60〜40重量%、脂肪族ポリエ
ステル樹脂(B)15〜25重量%およびポリカプロラ
クトン系樹脂(C)25〜35重量%である。特に上記
組成にすることにより、生分解性を低下させることな
く、カードの硬度が増し、寸法安定性が向上し、記録層
の印刷性、特に後述する磁気成分の印刷性が向上する。
系樹脂(A)85〜5重量%、脂肪族ポリエステル樹脂
(B)5〜50重量%およびポリカプロラクトン系樹脂
(C)10〜45重量%であり、好ましくは、ポリ乳酸
系樹脂(A)70〜20重量%、脂肪族ポリエステル樹
脂(B)10〜40重量%およびポリカプロラクトン系
樹脂(C)20〜40重量%であり、特に好ましくは、
ポリ乳酸系樹脂(A)60〜40重量%、脂肪族ポリエ
ステル樹脂(B)15〜25重量%およびポリカプロラ
クトン系樹脂(C)25〜35重量%である。特に上記
組成にすることにより、生分解性を低下させることな
く、カードの硬度が増し、寸法安定性が向上し、記録層
の印刷性、特に後述する磁気成分の印刷性が向上する。
【0023】ポリ乳酸系樹脂(A)が85重量%を超え
ると樹脂が硬くなりすぎるし、5重量%未満では剛性が
得られない。ポリカプロラクトン系樹脂(C)が45重
量%を超えると耐熱性が低下しブロッキングしやすくな
り、10重量%未満では靭性が得られない。相溶化剤と
して使用される脂肪族ポリエステル(B)の比率は、5
〜50重量%である。脂肪族ポリエステル(B)が、5
0重量%を超えると生分解性、剛性、靭性および耐熱性
のバランスが悪くなり、5%未満では、ポリ乳酸系樹脂
(A)とポリカプロラクトン系樹脂(C)の相溶性がよ
くない。
ると樹脂が硬くなりすぎるし、5重量%未満では剛性が
得られない。ポリカプロラクトン系樹脂(C)が45重
量%を超えると耐熱性が低下しブロッキングしやすくな
り、10重量%未満では靭性が得られない。相溶化剤と
して使用される脂肪族ポリエステル(B)の比率は、5
〜50重量%である。脂肪族ポリエステル(B)が、5
0重量%を超えると生分解性、剛性、靭性および耐熱性
のバランスが悪くなり、5%未満では、ポリ乳酸系樹脂
(A)とポリカプロラクトン系樹脂(C)の相溶性がよ
くない。
【0024】本発明に使用される充填剤(D)として
は、好ましくは無機充填剤であり、例えば炭酸カルシウ
ム、マイカ、珪酸カルシウム、ホワイトカーボン、微粉
末シリカ、石綿、陶土(焼成)、ガラス繊維、酸化チタ
ン等、及びこれらの混合物が例示される。充填剤が繊維
状である場合は、延伸方向の折り曲げ強度が向上する。
は、好ましくは無機充填剤であり、例えば炭酸カルシウ
ム、マイカ、珪酸カルシウム、ホワイトカーボン、微粉
末シリカ、石綿、陶土(焼成)、ガラス繊維、酸化チタ
ン等、及びこれらの混合物が例示される。充填剤が繊維
状である場合は、延伸方向の折り曲げ強度が向上する。
【0025】ポリ乳酸系樹脂(A)、脂肪族ポリエステ
ル樹脂(B)及びポリカプロラクトン系樹脂(C)の合
計100重量部に対する充填剤(D)の比率は、5〜3
00重量部、好ましくは10〜200重量部、さらに好
ましくは30〜150重量部である。
ル樹脂(B)及びポリカプロラクトン系樹脂(C)の合
計100重量部に対する充填剤(D)の比率は、5〜3
00重量部、好ましくは10〜200重量部、さらに好
ましくは30〜150重量部である。
【0026】また上記樹脂組成物には、樹脂の特性を失
うことのない範囲であれば、必要に応じて各種添加剤を
樹脂成分100重量部に対し、例えば、生分解性を有す
る可塑剤0.1から50重量部、着色防止剤0.05か
ら3重量部、酸化防止剤0.05から3重量部、滑剤
0.05から0.5重量部、その他有機顔料及び無機顔
料などを1〜100重量部添加することが可能である。
無機顔料としては酸化チタン、炭酸カルシウム等が例示
される。生分解性を有する可塑剤としては、ジオクチル
アジペート、ジノニルセバケート、クエン酸トリブチ
ル、アセチルクエン酸トリブチル等の脂肪族エステルが
挙げられる。
うことのない範囲であれば、必要に応じて各種添加剤を
樹脂成分100重量部に対し、例えば、生分解性を有す
る可塑剤0.1から50重量部、着色防止剤0.05か
ら3重量部、酸化防止剤0.05から3重量部、滑剤
0.05から0.5重量部、その他有機顔料及び無機顔
料などを1〜100重量部添加することが可能である。
無機顔料としては酸化チタン、炭酸カルシウム等が例示
される。生分解性を有する可塑剤としては、ジオクチル
アジペート、ジノニルセバケート、クエン酸トリブチ
ル、アセチルクエン酸トリブチル等の脂肪族エステルが
挙げられる。
【0027】ポリ乳酸系樹脂(A)、脂肪族ポリエステ
ル樹脂(B)、ポリカプロラクトン系樹脂(C)、充填
剤(D)、及び必要により加えられる添加剤の混練方法
は、一般的な方法が好ましく使用でき、具体的にはヘン
シェルミキサーやリボンミキサーで混合し、単軸や2軸
の押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ミキシング
ロールなどの公知の溶融混合機に供給して溶融混練する
ことができる。また、液状のポリカプロラクトン樹脂で
も、同様の方法で混練することができる。混練条件は特
別なものではなく、上記組成で配合した原料を押出機に
より各樹脂の融点温度以上の温度で混練し、押し出せば
よい。また、脂肪族ポリエステル樹脂(B)は、予めポ
リ乳酸系樹脂(A)またはポリカプロラクトン系樹脂
(C)と混合しておき、これらに残りの樹脂成分、その
他を加えてもよい。
ル樹脂(B)、ポリカプロラクトン系樹脂(C)、充填
剤(D)、及び必要により加えられる添加剤の混練方法
は、一般的な方法が好ましく使用でき、具体的にはヘン
シェルミキサーやリボンミキサーで混合し、単軸や2軸
の押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ミキシング
ロールなどの公知の溶融混合機に供給して溶融混練する
ことができる。また、液状のポリカプロラクトン樹脂で
も、同様の方法で混練することができる。混練条件は特
別なものではなく、上記組成で配合した原料を押出機に
より各樹脂の融点温度以上の温度で混練し、押し出せば
よい。また、脂肪族ポリエステル樹脂(B)は、予めポ
リ乳酸系樹脂(A)またはポリカプロラクトン系樹脂
(C)と混合しておき、これらに残りの樹脂成分、その
他を加えてもよい。
【0028】次に本発明のカードを図面を用いて詳細に
説明する。図1は、本発明のカード1の断面図を示し、
図2及び図3は、本発明の他の実施例によるカードの断
面図を示す。
説明する。図1は、本発明のカード1の断面図を示し、
図2及び図3は、本発明の他の実施例によるカードの断
面図を示す。
【0029】図1の本発明のカード1は、カード基材2
の主成分として、上記樹脂組成物を用いており、これら
を構成する樹脂成分は完全生分解性を有する。なおポリ
エステル類は構造上から脂肪族に分類され、本発明の脂
肪族ポリエステルは生分解性を有することが既に知られ
ている。(生分解性プラスチックのおはなし、日本規格
協会59頁〜66頁、1991年)
の主成分として、上記樹脂組成物を用いており、これら
を構成する樹脂成分は完全生分解性を有する。なおポリ
エステル類は構造上から脂肪族に分類され、本発明の脂
肪族ポリエステルは生分解性を有することが既に知られ
ている。(生分解性プラスチックのおはなし、日本規格
協会59頁〜66頁、1991年)
【0030】前記カード基材2は、本発明で規定する樹
脂組成物を用いることにより、剛度、成形加工性、機械
強度、硬さ、衝撃強度、寸法安定性、耐折り曲げ性、表
面平滑性、光沢性、耐水性、耐薬品性、防水性におい
て、従来のポリエステル、塩化ビニル樹脂を素材とする
ものと同等の特性を有する。
脂組成物を用いることにより、剛度、成形加工性、機械
強度、硬さ、衝撃強度、寸法安定性、耐折り曲げ性、表
面平滑性、光沢性、耐水性、耐薬品性、防水性におい
て、従来のポリエステル、塩化ビニル樹脂を素材とする
ものと同等の特性を有する。
【0031】また本発明の組成の樹脂組成物を二軸延伸
加工することにより、得られるシート状のカード基材2
は、剛度、成形加工性、機械強度、衝撃強度、寸法安定
性、耐折り曲げ性等の特性が向上する。
加工することにより、得られるシート状のカード基材2
は、剛度、成形加工性、機械強度、衝撃強度、寸法安定
性、耐折り曲げ性等の特性が向上する。
【0032】本発明のカード基材2の製造は、上記のよ
うに得られる生分解性で、熱可塑性の樹脂組成物を、通
常、公知である押出法によりシート状に成形し、さらに
二軸延伸加工した後、このシートをカレンダー処理す
る。なお、カード基材2は単層構成以外にも、同一の材
料または異なる特性を有する樹脂材料からなるシート1
2、13をそれぞれ作製し、カード基材を図3に示すカ
ード11のような多層構成としてもよい。
うに得られる生分解性で、熱可塑性の樹脂組成物を、通
常、公知である押出法によりシート状に成形し、さらに
二軸延伸加工した後、このシートをカレンダー処理す
る。なお、カード基材2は単層構成以外にも、同一の材
料または異なる特性を有する樹脂材料からなるシート1
2、13をそれぞれ作製し、カード基材を図3に示すカ
ード11のような多層構成としてもよい。
【0033】上記のようにして得られたカードに対し
て、従来の紙・プラスチックカードの場合と同様な印刷
・加工法を用いることができる。カード基材2にオフセ
ット印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷等の印刷法に
より、文字、絵柄などの可視情報・デザイン部3を印刷
し、打抜機を用いてカードサイズに加工することにより
カードが製造される。
て、従来の紙・プラスチックカードの場合と同様な印刷
・加工法を用いることができる。カード基材2にオフセ
ット印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷等の印刷法に
より、文字、絵柄などの可視情報・デザイン部3を印刷
し、打抜機を用いてカードサイズに加工することにより
カードが製造される。
【0034】さらに本発明のカードには、図1に示す磁
気記録層4や、図2に示す感熱記録層5などの情報記録
層を形成することができる。この磁気記録層4と感熱記
録層5は同一カード上に形成することもできる。なお、
磁気記録層4の形成方法は磁気記録材料をバインダーな
どに分散した塗液を塗布するか、磁気記録層を形成した
シートを積層する等である。同様に感熱記録層は5は公
知の感熱記録材料、例えば感熱ロイコ染料、感熱ジアゾ
染料等からなる塗液の塗布やスズ、アルミニウム等の低
融点金属薄膜により形成することができる。本発明にお
いて、前記生分解性樹脂の組成物を使用することによ
り、基材への情報記録層、特に磁気記録層の印刷による
形成性が向上する。
気記録層4や、図2に示す感熱記録層5などの情報記録
層を形成することができる。この磁気記録層4と感熱記
録層5は同一カード上に形成することもできる。なお、
磁気記録層4の形成方法は磁気記録材料をバインダーな
どに分散した塗液を塗布するか、磁気記録層を形成した
シートを積層する等である。同様に感熱記録層は5は公
知の感熱記録材料、例えば感熱ロイコ染料、感熱ジアゾ
染料等からなる塗液の塗布やスズ、アルミニウム等の低
融点金属薄膜により形成することができる。本発明にお
いて、前記生分解性樹脂の組成物を使用することによ
り、基材への情報記録層、特に磁気記録層の印刷による
形成性が向上する。
【0035】本発明で提供されるカードを構成する樹脂
のみの組成物の生分解性は、下記JIS K6950で
規定する都市下水汚泥中での4週間培養後の分解率が2
0%、好ましくは30%、さらに好ましくは60%を上
回る。また本発明で提供される生分解性樹脂組成物は、
従来のポリオレフィンの代替として広範な用途に使用す
ることができる。特に環境に放置されやすい物品用途に
用いることが好ましい。樹脂のみの組成物の生分解性評
価方法は、JIS K6950に準じた活性汚泥を使用
する方法や、土壌中の埋設、海水中や河川中への浸漬、
コンポストでの評価など種々あるが、以下の実施例で
は、一般フィールドでの分解性と相関関係があるとされ
るJIS K6950に準じて行った。
のみの組成物の生分解性は、下記JIS K6950で
規定する都市下水汚泥中での4週間培養後の分解率が2
0%、好ましくは30%、さらに好ましくは60%を上
回る。また本発明で提供される生分解性樹脂組成物は、
従来のポリオレフィンの代替として広範な用途に使用す
ることができる。特に環境に放置されやすい物品用途に
用いることが好ましい。樹脂のみの組成物の生分解性評
価方法は、JIS K6950に準じた活性汚泥を使用
する方法や、土壌中の埋設、海水中や河川中への浸漬、
コンポストでの評価など種々あるが、以下の実施例で
は、一般フィールドでの分解性と相関関係があるとされ
るJIS K6950に準じて行った。
【0036】本発明のカードの生分解性は、カードを畑
土壌中に埋設し、放置後の分解状態を目視により観察し
た。
土壌中に埋設し、放置後の分解状態を目視により観察し
た。
【0037】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。 (1)本発明に用いられる樹脂の数平均分子量の測定は、
次のGPC法により行なった。 測定装置:Shodex GPC KF−804L(昭
和電工株式会社製)、溶離液:CHCl3、サンプルカラ
ム:Shodex No9506461 3本、ポリマ
ー溶液:0.1wt%,200μl、操作条件:液流量
1.0ml/分、カラム温度50℃、圧力30kg/c
m2、検出器:ShodexRI、分子量スタンダー
ド:標準ポリスチレン (2)機械物性の測定はJIS K7127により、以下
の条件で行った。 テンシロン:島津製作所製オートグラフ。 サンプル:3号ダンベル。 引張速度:200mm/min.
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。 (1)本発明に用いられる樹脂の数平均分子量の測定は、
次のGPC法により行なった。 測定装置:Shodex GPC KF−804L(昭
和電工株式会社製)、溶離液:CHCl3、サンプルカラ
ム:Shodex No9506461 3本、ポリマ
ー溶液:0.1wt%,200μl、操作条件:液流量
1.0ml/分、カラム温度50℃、圧力30kg/c
m2、検出器:ShodexRI、分子量スタンダー
ド:標準ポリスチレン (2)機械物性の測定はJIS K7127により、以下
の条件で行った。 テンシロン:島津製作所製オートグラフ。 サンプル:3号ダンベル。 引張速度:200mm/min.
【0038】(参考実施例1及び2)ポリ乳酸系樹脂
(A)としてラクティ1012(島津製作所製,数平均
分子量70,000)、ポリカプロラクトン系樹脂
(C)としてPCLH−7(ダイセル化学工業製,数平
均分子量100,000)、及び、脂肪族ポリエステル
樹脂(B)としてビオノーレ3020(昭和高分子製、
コハク酸と1,4−ブタンジオール/エチレングリコー
ルコポリエステル、数平均分子量20,000)、ビオ
ノーレ1003(昭和高分子製、コハク酸と1,4−ブ
タンジオールポリエステル数平均分子量70,000)
を使用した。ポリ乳酸系樹脂(A)、ポリエステル樹脂
(B)およびポリカプロラクトン系樹脂(C)を表1に
示す割合で混合し、ラボプラストミルにより180℃で
5分間混練した。得られた組成物を加熱プレス成形し、
150×150×1.0mmシートを作製した。加熱プ
レス成形は、金型に必要量の樹脂を入れて予熱(180
℃,10分間)し、加圧成形(180℃,100kg/
cm2,10分間)した後、自然放冷し、金型からシー
トを取り出す方法で行った。結果を表1に示す。なお、
表においてラクティ1012はラクティと、PCLH−
7はH7と略記した。表からわかるように、生分解性、
剛性、靭性およびブロッキング温度100℃以上の耐熱
性に優れた生分解性樹脂組成物が得られた。
(A)としてラクティ1012(島津製作所製,数平均
分子量70,000)、ポリカプロラクトン系樹脂
(C)としてPCLH−7(ダイセル化学工業製,数平
均分子量100,000)、及び、脂肪族ポリエステル
樹脂(B)としてビオノーレ3020(昭和高分子製、
コハク酸と1,4−ブタンジオール/エチレングリコー
ルコポリエステル、数平均分子量20,000)、ビオ
ノーレ1003(昭和高分子製、コハク酸と1,4−ブ
タンジオールポリエステル数平均分子量70,000)
を使用した。ポリ乳酸系樹脂(A)、ポリエステル樹脂
(B)およびポリカプロラクトン系樹脂(C)を表1に
示す割合で混合し、ラボプラストミルにより180℃で
5分間混練した。得られた組成物を加熱プレス成形し、
150×150×1.0mmシートを作製した。加熱プ
レス成形は、金型に必要量の樹脂を入れて予熱(180
℃,10分間)し、加圧成形(180℃,100kg/
cm2,10分間)した後、自然放冷し、金型からシー
トを取り出す方法で行った。結果を表1に示す。なお、
表においてラクティ1012はラクティと、PCLH−
7はH7と略記した。表からわかるように、生分解性、
剛性、靭性およびブロッキング温度100℃以上の耐熱
性に優れた生分解性樹脂組成物が得られた。
【0039】(参考実施例3〜6)ポリ乳酸系樹脂
(A)としてラクティ1012(島津製作所製,数平均
分子量70,000)、ポリカプロラクトン系樹脂
(C)としてPCLH−7(ダイセル化学工業製,数平
均分子量100,000)、及び、脂肪族ポリエステル
樹脂(B)としてビオノーレ1001(昭和高分子製、
コハク酸と1,4−ブタンジオールポリエステル、数平
均分子量約100,000)、ビオノーレ1003(昭
和高分子製、コハク酸と1,4−ブタンジオールポリエ
ステル、数平均分子量70,000)を使用した。ポリ
乳酸系樹脂(A)、ポリエステル樹脂(B)およびポリ
カプロラクトン系樹脂(C)を表1に示す割合で混合
し、ラボプラストミルにより190℃で5分間混練し
た。得られた組成物を加熱プレス成形し、150×15
0×1.0mmシートを作製した。加熱プレス成形は、
金型に必要量の樹脂を入れて予熱(190℃,10分
間)し、加圧成形(190℃,100kg/cm2,1
0分間)した後、自然放冷し、金型からシートを取り出
す方法で行った。結果を表1に示す。表からわかるよう
に、生分解性、剛性、靭性およびブロッキング温度10
0℃以上の耐熱性に優れた生分解性樹脂組成物が得られ
た。このことは、基材の硬度が増し、寸法安定性が向上
することを意味する。
(A)としてラクティ1012(島津製作所製,数平均
分子量70,000)、ポリカプロラクトン系樹脂
(C)としてPCLH−7(ダイセル化学工業製,数平
均分子量100,000)、及び、脂肪族ポリエステル
樹脂(B)としてビオノーレ1001(昭和高分子製、
コハク酸と1,4−ブタンジオールポリエステル、数平
均分子量約100,000)、ビオノーレ1003(昭
和高分子製、コハク酸と1,4−ブタンジオールポリエ
ステル、数平均分子量70,000)を使用した。ポリ
乳酸系樹脂(A)、ポリエステル樹脂(B)およびポリ
カプロラクトン系樹脂(C)を表1に示す割合で混合
し、ラボプラストミルにより190℃で5分間混練し
た。得られた組成物を加熱プレス成形し、150×15
0×1.0mmシートを作製した。加熱プレス成形は、
金型に必要量の樹脂を入れて予熱(190℃,10分
間)し、加圧成形(190℃,100kg/cm2,1
0分間)した後、自然放冷し、金型からシートを取り出
す方法で行った。結果を表1に示す。表からわかるよう
に、生分解性、剛性、靭性およびブロッキング温度10
0℃以上の耐熱性に優れた生分解性樹脂組成物が得られ
た。このことは、基材の硬度が増し、寸法安定性が向上
することを意味する。
【0040】(参考比較例1〜5)比較のため相溶化剤
なし、相溶化剤がエポキシ化スチレン−ブタジエン−ス
チレンブロック共重合体「ESBS」(ダイセル化学工
業製,数平均分子量10,000)、エチレン−グリシ
ジルメタクリレート共重合体「ボンドファースト7M」
(住友化学工業製,数平均分子量10,000)、PC
LH1P(ダイセル化学工業製,数平均分子量10,0
00)を10%含有するポリカーボネート樹脂及びハイ
トレル40507(三井デュポンポリケミカル製、ブチ
レン/ポリテトラメチレンエーテルグリコールコポリテ
レフタレートを使用した。結果を表2に示す。相溶化剤
が生分解性がない場合には、三成分系樹脂組成物は生分
解性が悪く、脂肪族ポリエステルを5〜50重量%含ま
ないものは生分解性が悪い他、5重量%未満では伸びが
悪く、50重量%を超えるとブロッキング温度が低下す
る。
なし、相溶化剤がエポキシ化スチレン−ブタジエン−ス
チレンブロック共重合体「ESBS」(ダイセル化学工
業製,数平均分子量10,000)、エチレン−グリシ
ジルメタクリレート共重合体「ボンドファースト7M」
(住友化学工業製,数平均分子量10,000)、PC
LH1P(ダイセル化学工業製,数平均分子量10,0
00)を10%含有するポリカーボネート樹脂及びハイ
トレル40507(三井デュポンポリケミカル製、ブチ
レン/ポリテトラメチレンエーテルグリコールコポリテ
レフタレートを使用した。結果を表2に示す。相溶化剤
が生分解性がない場合には、三成分系樹脂組成物は生分
解性が悪く、脂肪族ポリエステルを5〜50重量%含ま
ないものは生分解性が悪い他、5重量%未満では伸びが
悪く、50重量%を超えるとブロッキング温度が低下す
る。
【0041】(参考比較例6)ポリ乳酸系樹脂(A)と
してラクティ1012(島津製作所製,数平均分子量7
0,000)、ポリカプロラクトン系樹脂(C)として
PCLH−7(ダイセル化学工業製,数平均分子量10
0,000)、及び、脂肪族ポリエステル樹脂(B)と
してビオノーレ1003(昭和高分子製、コハク酸と
1,4−ブタンジオールポリエステル、数平均分子量7
0,000)を表2に示す割合で使用した他は参考実施
例3と同様に行った。結果を表2に示す。表からわかる
ように、ブロッキング温度が低かった。
してラクティ1012(島津製作所製,数平均分子量7
0,000)、ポリカプロラクトン系樹脂(C)として
PCLH−7(ダイセル化学工業製,数平均分子量10
0,000)、及び、脂肪族ポリエステル樹脂(B)と
してビオノーレ1003(昭和高分子製、コハク酸と
1,4−ブタンジオールポリエステル、数平均分子量7
0,000)を表2に示す割合で使用した他は参考実施
例3と同様に行った。結果を表2に示す。表からわかる
ように、ブロッキング温度が低かった。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】(実施例1)参考実施例3で使用したもの
と同じ種類の樹脂混合物100重量部に、マイカ(HA
R160白石工業株式会社製)35.0重量部、酸化チ
タン5.6重量部をベント式押出機にて混練後、得られ
た樹脂組成物をTダイ溶融押出機により加工温度200
℃で規定の厚さに押し出し後、二軸延伸、カレンダー処
理を行ない、表面平滑性を向上させた厚さ190μmの
シートを得た。このシートはJISK7203による曲
げ弾性率が65,000kgf/cm2を示し、ポリエ
チレンテレフタレート樹脂シートに近い特性が得られ
た。このシートの生分解性を測定するため、シートを微
粉末に粉砕後乾燥し、JIS K6950に準じて測定
した。その結果、シート中のプラスチックスに換算し7
0重量%の良分解性であった。なお、比較のためPLA
CCEL H7とビオノーレ#1003について同様に
生分解性を測定した結果、それぞれ81重量%、2重量
%であった。このシートに下記の組成からなる磁気塗料
をナイフコーティングにより約10μmの黒色磁気記録
層を形成し、約3000ガウスの水平磁界中の磁場配向
をかけた後、100℃の熱風で3分間乾燥させた。シー
トへの磁気塗料の形成性は良好であった。 (磁気塗料の組成)磁性分(17500e:バリウムフ
ェライト)100部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体
(VAGF:ユニオンカーバイト社製)20部、ポリウ
レタン樹脂(ニッポンラン2304:日本ポリウレタン
工業)30部、ヘキサメチレンジイソシアネート(コロ
ネートHX:日本ポリウレタン工業)2部、カーボンブ
ラック(#3000:三菱化成社製)5部、分散剤(ガ
ーファック RE−610:東邦化学社製)3部、希釈
溶剤(トルエン/MEK/MIBK)100部。前記シ
ートを縦57.5mm×横85.0mmのサイバネ規格
の図1に示すカード1を作製した。このカード1を、カ
ードの読み取り、書き込み装置を有するゲートに2m/
secで通過させたところ、異常は生じなかった。この
カードを水中に30秒間浸漬した後、水を拭き取り、同
様にゲートを通過させたが、異常は生じなかった。JI
S K6301による反発弾性率は78%であり、水へ
の浸漬の前後において変化はなかった。さらにこのカー
ド1を畑土壌中に埋設し、分解状態を観察したところ、
4カ月経過後には、磁気記録層を残して、形状も保持さ
れてない状態であった。結果を表3に示す。
と同じ種類の樹脂混合物100重量部に、マイカ(HA
R160白石工業株式会社製)35.0重量部、酸化チ
タン5.6重量部をベント式押出機にて混練後、得られ
た樹脂組成物をTダイ溶融押出機により加工温度200
℃で規定の厚さに押し出し後、二軸延伸、カレンダー処
理を行ない、表面平滑性を向上させた厚さ190μmの
シートを得た。このシートはJISK7203による曲
げ弾性率が65,000kgf/cm2を示し、ポリエ
チレンテレフタレート樹脂シートに近い特性が得られ
た。このシートの生分解性を測定するため、シートを微
粉末に粉砕後乾燥し、JIS K6950に準じて測定
した。その結果、シート中のプラスチックスに換算し7
0重量%の良分解性であった。なお、比較のためPLA
CCEL H7とビオノーレ#1003について同様に
生分解性を測定した結果、それぞれ81重量%、2重量
%であった。このシートに下記の組成からなる磁気塗料
をナイフコーティングにより約10μmの黒色磁気記録
層を形成し、約3000ガウスの水平磁界中の磁場配向
をかけた後、100℃の熱風で3分間乾燥させた。シー
トへの磁気塗料の形成性は良好であった。 (磁気塗料の組成)磁性分(17500e:バリウムフ
ェライト)100部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体
(VAGF:ユニオンカーバイト社製)20部、ポリウ
レタン樹脂(ニッポンラン2304:日本ポリウレタン
工業)30部、ヘキサメチレンジイソシアネート(コロ
ネートHX:日本ポリウレタン工業)2部、カーボンブ
ラック(#3000:三菱化成社製)5部、分散剤(ガ
ーファック RE−610:東邦化学社製)3部、希釈
溶剤(トルエン/MEK/MIBK)100部。前記シ
ートを縦57.5mm×横85.0mmのサイバネ規格
の図1に示すカード1を作製した。このカード1を、カ
ードの読み取り、書き込み装置を有するゲートに2m/
secで通過させたところ、異常は生じなかった。この
カードを水中に30秒間浸漬した後、水を拭き取り、同
様にゲートを通過させたが、異常は生じなかった。JI
S K6301による反発弾性率は78%であり、水へ
の浸漬の前後において変化はなかった。さらにこのカー
ド1を畑土壌中に埋設し、分解状態を観察したところ、
4カ月経過後には、磁気記録層を残して、形状も保持さ
れてない状態であった。結果を表3に示す。
【0045】(実施例2)参考実施例6で使用したもの
と同じ種類の樹脂混合物100重量部およびマイカ(H
AR160 白石工業株式会社製)40重量部、酸化チ
タン6.7重量部をベント式押出機にて混練後、これを
Tダイ溶融押出機により加工温度200℃で規定の厚さ
に押し出し後、二軸延伸、カレンダー処理を行い、表面
平滑性を向上させた厚さ560μmのコアシートを作製
した。このシートについて実施例1と同様にJIS K
6950に準じて生分解性を測定した。その結果、シー
ト中のプラスチックスに換算し75重量%の良分解性で
あった。次に実施例1と同じ配合の組成物をTダイ溶融
押出機により加工温度200℃で規定の厚さに押し出し
後、二軸延伸、カレンダー処理を行い、表面平滑性を向
上させた厚さ100μmのカバーシートを作製した。さ
らにコアシート12の両面にカバーシート13を積層
し、図3に示すカード11とした。このカードのJIS
K7113による引っ張り強度は8.5kg/mm2
を示し、軟化温度は100℃であり、塩化ビニル樹脂カ
ードよりも高く、また150℃の流動パラフィン中に5
分間浸漬させたが、シート間の剥離は生じることなく、
全体として塩化ビニル樹脂カードと同程度以上の特性を
示した。また、シートへの磁気塗料の形成性は良好であ
った。なお、このカード11を畑土壌中に埋設し、分解
状態を観察したところ、4カ月経過後には、磁気記録層
を残して、形状も保持されてない状態であった。結果を
表3に示す。
と同じ種類の樹脂混合物100重量部およびマイカ(H
AR160 白石工業株式会社製)40重量部、酸化チ
タン6.7重量部をベント式押出機にて混練後、これを
Tダイ溶融押出機により加工温度200℃で規定の厚さ
に押し出し後、二軸延伸、カレンダー処理を行い、表面
平滑性を向上させた厚さ560μmのコアシートを作製
した。このシートについて実施例1と同様にJIS K
6950に準じて生分解性を測定した。その結果、シー
ト中のプラスチックスに換算し75重量%の良分解性で
あった。次に実施例1と同じ配合の組成物をTダイ溶融
押出機により加工温度200℃で規定の厚さに押し出し
後、二軸延伸、カレンダー処理を行い、表面平滑性を向
上させた厚さ100μmのカバーシートを作製した。さ
らにコアシート12の両面にカバーシート13を積層
し、図3に示すカード11とした。このカードのJIS
K7113による引っ張り強度は8.5kg/mm2
を示し、軟化温度は100℃であり、塩化ビニル樹脂カ
ードよりも高く、また150℃の流動パラフィン中に5
分間浸漬させたが、シート間の剥離は生じることなく、
全体として塩化ビニル樹脂カードと同程度以上の特性を
示した。また、シートへの磁気塗料の形成性は良好であ
った。なお、このカード11を畑土壌中に埋設し、分解
状態を観察したところ、4カ月経過後には、磁気記録層
を残して、形状も保持されてない状態であった。結果を
表3に示す。
【0046】(比較例1)樹脂として、数平均分子量9
0000の脂肪族ポリエステル樹脂(コハク酸系ポリエ
ステル樹脂,昭和高分子(株)製ビオノーレ#100
3)100重量部と数平均分子量100000のポリカ
プロラクトン(ダイセル化学工業(株)製PLACCE
L H7)43重量部を使用し、これにマイカ(HAR
160白石工業株式会社製)50重量部、酸化チタン8
重量部を混練した以外は、実施例1と同様に行い磁気塗
料を塗布したシートを得た。得られたシートを縦57.
5mm×横85.0mmのサイバネ規格の図1に示すカ
ード1を作製した。このカード1を、カードの読み取
り、書き込み装置を有するゲートに2m/secで通過
させたところ、異常は生じなかった。このカードを水中
に30秒間浸漬した後、水を拭き取り、同様にゲートを
通過させたが、異常は生じなかった。この時の剛度は2
5gf/cmであり、水への浸漬の前後において変化は
なかった。さらにこのカード1を畑土壌中に埋設し、分
解状態を観察したところ、4カ月経過後には、磁気記録
層を残して、形状も保持されてない状態であった。結果
を表3に示す。
0000の脂肪族ポリエステル樹脂(コハク酸系ポリエ
ステル樹脂,昭和高分子(株)製ビオノーレ#100
3)100重量部と数平均分子量100000のポリカ
プロラクトン(ダイセル化学工業(株)製PLACCE
L H7)43重量部を使用し、これにマイカ(HAR
160白石工業株式会社製)50重量部、酸化チタン8
重量部を混練した以外は、実施例1と同様に行い磁気塗
料を塗布したシートを得た。得られたシートを縦57.
5mm×横85.0mmのサイバネ規格の図1に示すカ
ード1を作製した。このカード1を、カードの読み取
り、書き込み装置を有するゲートに2m/secで通過
させたところ、異常は生じなかった。このカードを水中
に30秒間浸漬した後、水を拭き取り、同様にゲートを
通過させたが、異常は生じなかった。この時の剛度は2
5gf/cmであり、水への浸漬の前後において変化は
なかった。さらにこのカード1を畑土壌中に埋設し、分
解状態を観察したところ、4カ月経過後には、磁気記録
層を残して、形状も保持されてない状態であった。結果
を表3に示す。
【0047】(比較例2)数平均分子量52000の樹
脂(コハク酸と1,4−ブタンジオールとの脂肪族ポリ
エステル樹脂100重量部、ポリカプロラクトン(ダイ
セル化学工業(株)製PLACCEL H7)50重量
部およびマイカ(HAR160 白石工業株式会社製)
60重量部、酸化チタン10重量部を混練した以外は、
実施2と同様に行った。結果を表3に示す。
脂(コハク酸と1,4−ブタンジオールとの脂肪族ポリ
エステル樹脂100重量部、ポリカプロラクトン(ダイ
セル化学工業(株)製PLACCEL H7)50重量
部およびマイカ(HAR160 白石工業株式会社製)
60重量部、酸化チタン10重量部を混練した以外は、
実施2と同様に行った。結果を表3に示す。
【0048】
【表3】
【0049】
【発明の効果】以上述べたように本発明のカードは、脂
肪族ポリエステル樹脂(B)を相溶化剤に使用すること
により、ポリ乳酸系樹脂(A)とポリカプロラクトン系
樹脂(C)の相溶性がよくなり、樹脂のみの組成物は、
生分解性、剛性、靭性およびブロッキング温度100℃
以上の耐熱性に優れ、これらの樹脂に充填剤を添加する
ことにより、剛度、成形加工性、機械強度、硬さ、衝撃
強度、寸法安定性、耐折り曲げ性等の機械特性に優れ、
機械読み取り・書き込み機に用いられることが可能なゲ
ート特性を有するとともに、このカードが廃棄時に焼却
されずに自然界に放置されても、微生物などによる生分
解性が一層向上しているため、廃棄による環境への影響
を少なくすることができるものである。
肪族ポリエステル樹脂(B)を相溶化剤に使用すること
により、ポリ乳酸系樹脂(A)とポリカプロラクトン系
樹脂(C)の相溶性がよくなり、樹脂のみの組成物は、
生分解性、剛性、靭性およびブロッキング温度100℃
以上の耐熱性に優れ、これらの樹脂に充填剤を添加する
ことにより、剛度、成形加工性、機械強度、硬さ、衝撃
強度、寸法安定性、耐折り曲げ性等の機械特性に優れ、
機械読み取り・書き込み機に用いられることが可能なゲ
ート特性を有するとともに、このカードが廃棄時に焼却
されずに自然界に放置されても、微生物などによる生分
解性が一層向上しているため、廃棄による環境への影響
を少なくすることができるものである。
【0050】また、機械特性に優れるため、使用する生
分解性樹脂の厚さ、すなわち使用量を少なくすることが
でき、製造コストの低減が可能となり、しかも従来のプ
ラスチックを用いた場合とほぼ同じ強度・耐性を有する
ため、現状の使い切りカードなどの用途における使用に
も十分に耐えられるものである。
分解性樹脂の厚さ、すなわち使用量を少なくすることが
でき、製造コストの低減が可能となり、しかも従来のプ
ラスチックを用いた場合とほぼ同じ強度・耐性を有する
ため、現状の使い切りカードなどの用途における使用に
も十分に耐えられるものである。
【0051】また本発明のカードに用いられる生分解性
樹脂は、従来のプラスチックに比べると物性、加工性で
劣る面もあるが、その分解性を低下させない程度に添加
剤や非分解性のプラスチックを混合することにより物
性、加工性を向上させることも可能である。
樹脂は、従来のプラスチックに比べると物性、加工性で
劣る面もあるが、その分解性を低下させない程度に添加
剤や非分解性のプラスチックを混合することにより物
性、加工性を向上させることも可能である。
【図1】 本発明のカードの一実施例を示す断面図であ
る。
る。
【図2】 本発明のカードの他の実施例を示す断面図で
ある。
ある。
【図3】 本発明のカードの他の実施例を示す断面図で
ある。
ある。
1,10,11:カード 2:カード基材 3:可視情報・デザイン部 4:磁気記録層 5:感熱記録層 12:コアシート 13:カバーシート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 5/73 G11B 5/73
Claims (10)
- 【請求項1】 ポリ乳酸系樹脂(A)85〜5重量%、
脂肪族ポリエステル樹脂(B)5〜50重量%、ポリカ
プロラクトン系樹脂(C)10〜45重量%((A)+
(B)+(C)の合計は100重量%である。)、及
び、(A)+(B)+(C)の合計100重量部に対し
て充填剤(D)5〜300重量部からなる生分解性樹脂
組成物層を基材とすることを特徴とする生分解性カー
ド。 - 【請求項2】 ポリ乳酸系樹脂(A)の分子量が30,
000〜200,000であることを特徴とする請求項
1に記載の生分解性カード。 - 【請求項3】 脂肪族ポリエステル樹脂(B)の分子量
が40,000〜200,000であることを特徴とす
る請求項1に記載の生分解性カード。 - 【請求項4】 ポリカプロラクトン系樹脂(C)の分子
量が40,000〜200,000であることを特徴と
する請求項1に記載の生分解性カード。 - 【請求項5】 ポリ乳酸系樹脂(A)がポリ乳酸ホモポ
リマーであることを特徴とする請求項1または2に記載
の生分解性カード。 - 【請求項6】 脂肪族ポリエステル樹脂(B)がコハク
酸、アジピン酸またはそれらの混合物とエチレングリコ
ール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコールまたは
それらの混合物とのポリエステルであることを特徴とす
る請求項1または3に記載の生分解性カード。 - 【請求項7】 ポリカプロラクトン系樹脂(C)がポリ
カプロラクトンホモポリマーであることを特徴とする請
求項1または4に記載の生分解性カード。 - 【請求項8】 基材をなす生分解性樹脂組成物層が二軸
延伸されてなることを特徴とする請求項1に記載の生分
解性カード。 - 【請求項9】 充填剤(D)が、炭酸カルシウム、マイ
カ、珪酸カルシウム、ホワイトカーボン、石綿、陶土
(焼成)、ガラス繊維、酸化チタン又はこれらの混合物
であることを特徴とする請求項1に記載の生分解性カー
ド。 - 【請求項10】 基材をなす生分解性樹脂組成物層の上
に磁気記録層および/または感熱記録層が形成されてな
ることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の生
分解性カード。
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