JP3378156B2 - 生分解性カード基材 - Google Patents

生分解性カード基材

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JP3378156B2 JP33465996A JP33465996A JP3378156B2 JP 3378156 B2 JP3378156 B2 JP 3378156B2 JP 33465996 A JP33465996 A JP 33465996A JP 33465996 A JP33465996 A JP 33465996A JP 3378156 B2 JP3378156 B2 JP 3378156B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、証明用カ
ラー写真や個別情報等をカラーフィルムを用いてホット
スタンプで熱転写後、カラーフィルムを剥離しカラープ
リントが可能な生分解性カード基材に関する。更に詳細
には、カラー顔写真や個別情報等を熱融着性又は熱昇華
性カラーフィルムを用いてホットスタンプで熱転写後、
該カラーフィルムを剥離し、光沢性が優れた鮮やかな顔
写真や個別情報等をカラープリントしてなる証明用カー
ド、例えばIDカード、クレジットカード、診察券及び
会員カード等に好適に使用できる生分解性カード基材の
提供に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この様な証明写真及び個別情
報等を熱転写でカラープリントしてなる証明用カード、
例えばIDカード、クレジットカード及び会員カード等
としては、両表面或は一方面に印刷を施したポリ塩化ビ
ニル等のプラスチックからなるコア層(A)と、表面に
磁気ストライプを熱圧着せしめるポリ塩化ビニル等のプ
ラスチックからなるスキン層(B)とを積層してなるカ
ード基材をカッティングして得られるカードの表面にエ
ンボス文字の刻印及び証明写真又は個別情報等をカラー
フィルムを用いてホットスタンプで熱転写後、該カラー
フィルムを剥離し鮮やかなカラー写真及び個別情報等が
カラープリントされてなる証明用カードが使用されてい
る。
【0003】しかしながら、斯かるポリ塩化ビニル等の
樹脂からなり、その使用目的が完了したカードや、ポリ
塩化ビニル等からなるカード基材をカード状にカッティ
ングする際に発生する成形ロス等はゴミ等と共に焼却処
理、或は埋立処理される。
【0004】焼却処理の場合、ポリ塩化ビニル等のプラ
スチックスからなる使用済みのカードや成形ロスのカー
ド基材等は燃焼カロリーが高く焼却炉等を傷める傾向が
あり問題になっている。埋立処理の場合、ポリ塩化ビニ
ル等のプラスチック類は土中等では難分解性であるため
分解されず土中等に残留するという問題がある。
【0005】近年、上記のごとき問題を解決する一手段
として、優れた生分解性を有するプラスチック、例えば
微生物によって生合成される3−ヒドロキシブチレート
と3−ヒドロキシバリレートとの共重合体、ポリカプロ
ラクトン、ポリ乳酸等からなる生分解性カード基材をカ
ードに成形することが提案されている。然しながら、3
−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキシバリレートと
の共重合体から成形されるカード基材は脆く、耐折り曲
げ性が悪く、ポリ乳酸から成形されるカード基材は耐溶
剤性に劣り、またポリカプロラクトンから成形されるカ
ード基材は剛性(ヤング率)が弱くカード基材には適さ
ないという問題があった。更に、上記生分解性カード基
材をカッティングして形成されるカードの表面に、例え
ば証明用カラー顔写真や個別情報等を熱転写でカラープ
リントする場合、シアン(藍)、イエロ(黄)、マゼン
タ(紅)及び黒のカラーフィルムを、例えばこの順でホ
ットスタンプを用いて熱転写後、カラーフィルムを剥離
して形成されるのが一般的であるが、カラープリント性
が悪くインクが定着せず、光沢性が優れた鮮やかな顔写
真や個別情報等が転写できない傾向があり、その解決が
求められている。
【0006】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、例えばホ
ットスタンプを用いた光沢性が優れ鮮やかなカラー写真
又は個別情報の熱転写が可能であり、カ−ドとしての特
性である引張強度、衝撃強度、柔軟温度、積層性、耐熱
性、耐熱伸縮性、耐薬品浸漬性、粘着性及び耐湿性等が
優れ、剛性、耐折り曲げ性、耐久性等を有し、且つ、自
然環境下で微生物等によって生分解される生分解性カー
ド基材の提供に係る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は、3−ヒ
ドロキシブチレートと3−ヒドロキシバリレートとの共
重合体82〜27重量%と、ポリ乳酸9〜40重量%及
びグルコール成分と脂肪族ジカルボン酸とから脱水重縮
合して得られる数平均分子量(Mn)5,000以上の
脂肪族ポリエステル9〜33重量%とを必須成分とする
組成物からなるコア層(A)の両表面に、ポリ乳酸99
〜67重量%と、グリコール成分と脂肪族ジカルボン酸
とから脱水重縮合して得られる数平均分子量(Mn)
5、000以上の脂肪族ポリエステル1〜33重量%と
を必須成分とする組成物からなるオーバーレイ層(B)
を積層させてなる生分解性カード基材を提供する処にあ
る。尚、数平均分子量(Mn)5,000以上の脂肪族
ポリエステルは、以下高分子量脂肪族ポリエステルと呼
ぶことにする。
【0008】本発明に係る生分解性カード基材は、コア
層(A)が、3−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキ
シバリレートとの共重合体82〜27重量%と、ポリ乳
酸9〜40重量%及びグリコール成分と脂肪族ジカルボ
ン酸とを脱水重縮合して得られる高分子量脂肪族ポリエ
ステル9〜33重量%とを必須成分とする組成物のみか
ら構成されていてもよく、コア層(A)の特性を阻害し
ない範囲内で、他の成分を配合してもよい。また、オー
バーレイ層(B)が、ポリ乳酸99〜67重量%と、グ
リコール成分と脂肪族ジカルボン酸とを脱水重縮合して
得られる高分子量脂肪族ポリエステル1〜33重量%と
を必須成分とする組成物のみから構成されていてもよ
く、オーバーレイ層(B)の特性を阻害しない範囲内
で、他の成分を配合してもよい。コア層(A)及びオー
バーレイ層(B)からなる生分解性カード基材中の前記
コア層及びオーバーレイ層を構成する組成物の配合割合
は、通常50重量%以上、より好ましくは70重量%以
上、更に好ましくは85重量%以上である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に係る生分解性カード基材
を構成するコア層(A)に用いられる3−ヒドロキシブ
チレートと3−ヒドロキシバリレートとの共重合体とし
ては、微生物、例えば水素細菌Alkarigenes
eutorophus等によって産出される融点10
0〜180℃の脂肪族ポリエステル系生分解性樹脂を例
示できる。斯かる3−ヒドロキシブチレートと3−ヒド
ロキシバリレートとの共重合体は、加工性を考慮して、
3−ヒドロキシバリレートの含有率が1〜20モル%が
好ましい。3−ヒドロキシバリレートの含有率が、1モ
ル%未満になると結晶性が高いため固く脆い傾向があ
り、20モル%を越えると結晶性、融点が低下し軟化す
る傾向があるが、これらの値は、特に制限をうけるもの
でない。
【0010】また、本発明に係る生分解性カード基材の
コア層(A)及びオーバーレイ層(B)に用いられるポ
リ乳酸としては、例えばL−乳酸、D−乳酸及びD,L
−乳酸のいずれかを直接脱水重縮合してなる重合体、又
は、これら乳酸のいずれかと、他のヒドロキシカルボン
酸(例えばグルコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒ
ドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ
吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸等)とを脱水重縮合
してなる共重合体や、上記乳酸の環状2量体であるラク
チドを開環重合してなる重合体、または上記ラクチドと
ヒドロキシカルボン酸の環状エステル中間体[例えばグ
リコール酸の2量体(グリコライド)、6−ヒドロキシ
カプロン酸の環状エステルであるカプロラクトン等]の
共重合可能な単量体とを適宜に用いて開環重縮合してな
る共重合体を例示できる。このことから解るように、ポ
リ乳酸とは、乳酸系重合体が全て含まれるもので、この
中には勿論共重合体も含まれる。これらポリ乳酸は一種
または二種以上を適宜に用いることもできる。
【0011】直接脱水重縮合する場合、上記乳酸または
乳酸と他のヒドロキシカルボン酸とを、例えば有機溶
媒、特にフェニールエーテル系溶媒の存在下で共沸脱水
縮合し、共沸により留出した溶媒から水を除き実質的に
無水の状態にした溶媒を反応系に戻す方法によって重合
する強度の優れた高分子量のポリ乳酸が得られるが、特
に上記方法に制限されない。この際、本発明に係るポリ
乳酸の数平均分子量(Mn)は、特に限定されないが、
数平均分子量(Mn)が5万〜100万程度が好まし
い。数平均分子量(Mn)が5万未満では強度が弱くな
る傾向があり、100万を越えると成形性が劣る傾向が
ある。
【0012】本発明に係る生分解性カード基材を構成す
るオーバーレイ層(B)に、必要に応じて用いられるポ
リカプロラクトンとしては、環状単量体であるε−カプ
ロラクトンを有機金属化合物触媒で開環重付加してなる
化1の化学構造式で示される脂肪族系ポリエステルを例
示できる。斯かるポリカプロンラクトンの中では、ポリ
カプロラトンの単独、もしくはポリカプロラクトンとポ
リブチレンサクシネートとの組成物でビカット軟化温度
(JIS K−7206で測定)100℃以上のもので
もよい。ビカット軟化温度が100℃未満では、耐熱性
が劣り成形性が低下する傾向がある。またポリカプロン
ラクトンの数平均分子量(Mn)は、1,000〜12
0,000が好ましく、数平均分子量(Mn)が1,0
00未満では、強度、剛性が小さくなる傾向があり、1
20,000を越えると成形性が劣る傾向がある。然し
ながら以上に示した各値は特に制限されるものでない。
【0013】
【化1】
【0014】本発明に係る生分解性カード基材のコア層
(A)及びオーバーレイ層(B)を構成するグリコール
成分と脂肪族ジカルボン酸とを脱水重縮合して得られる
高分子量脂肪族ポリエステルとしては、グリコール成分
とジカルボン酸(またはその酸無水物)との2成分、あ
るいは必要に応じて、これに第3成分として、3官能又
は4官能の多価アルコール、オキシカルボン酸及び多価
カルボン酸(またはその酸無水物)から選ばれる少なく
とも1種の多官能成分を加えて脱水重縮合反応でエステ
ル化させて得られるポリエステルを主成分とするもので
あり、分子の末端にヒドロキシ基を有する比較的高分子
量のポリエステルプレポリマーをカップリング剤(例え
ばジイソシアナート)により、さらに高分子量化させた
もので有り、化2の一般式で示されるものを例示でき
る。この際、x/y≧1.0,m,nはメチレン鎖の長
さを示す。
【0015】
【化2】
【0016】具体的には、ポリエチレンサクシネート
(m=2,n=2)、ポリブチレンサクシネート(m=
4,n=2)、ポリブチレンサクシネート・アジペート
(m=4,n=2,4)を好ましい物として挙げること
ができるが特に制限はない。
【0017】
【発明の実施の形態】上記高分子量脂肪族ポリエステル
は、前記の通り数平均分子量(Mn)は5,000以
上、好ましくは10,000以上であるが、融点として
は60℃以上の飽和脂肪族ポリエステルを例示できる。
数平均分子量が5,000未満であると、本発明で数平
均分子量を高めるために用いられるカップリング剤が少
量(例えば0.1〜5重量%)の場合、良好な物性を有
するポリエステルを得ることができない傾向がある。数
平均分子量5,000以上のポリエステルプレポリマー
は、溶融状態といった過酷な条件下でも、反応中にゲル
を生ずることがないので、良好な高分子量脂肪族ポリエ
ステルを合成できる。
【0018】更に、本発明において、数平均分子量(M
n)が5,000以上、好ましくは10,000以上の
ポリエステルプレポリマーとしては、ポリエステルプレ
ポリマーが例えばカップリング剤としてのジイソシアナ
ートに由来するウレタン結合を介して連鎖した構造、ま
たは、上記のポリエステルプレポリマーが、多官能成分
に由来する長鎖分岐を有し、例えばカップリング剤とし
てのジイソシアナートに由来するウレタン結合を介して
連鎖した構造、またはカップリング剤としてオキサゾリ
ン、ジエポキシ化合物、無水物を使用した場合、ポリエ
ステルプレポリマーがエステル結合を介して連鎖構造を
取るものを例示できる。
【0019】本発明において、コア層(A)及びオーバ
ーレイ層(B)に配合する高分子量脂肪族ポリエステル
を構成するグリコール類としては、特に制限はなく、エ
チレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、デカメチレングリコール、ネオペン
チルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール
等が挙げられ、更に、これらのグルコール類を併用して
もよい。就中1,4−ブタンジオールを好ましいものと
して挙げることができる。
【0020】本発明において、上記記載のグリコール類
と反応して高分子量脂肪族ポリエステルを構成するジカ
ルボン酸(酸無水物を含む)としては、琥珀酸、アジピ
ン酸、スペリン酸、セバシン酸、ドデカン酸、無水琥珀
酸、無水アジピン酸等が挙げられ、更に、これらのジカ
ルボン酸を併用してもよい。就中、琥珀酸、アジピン酸
を好ましいものとしてあげることができる。
【0021】上記のグリコール類及びジカルボン酸の他
に、必要ならば、第三成分として、3官能の多価アルコ
ール成分(例えばトリメチロールプロパン、グリセリン
またはその無水物等)、4官能の多価アルコール成分
(例えばペンタエリット)、3官能の多価オキシカルボ
ン酸成分(例えばリンゴ酸)、4官能の多価オキシカル
ボン酸成分(例えばクエン酸並びに酒石酸)、3官能の
多価カルボン酸(その酸無水物を含む)成分(例えばト
リメシン酸、プロパントリカルボン酸等)及び4官能の
多価カルボン酸(その酸無水物を含む)成分(例えば、
無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸
無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸無水物等)か
ら選ばれる少なくとも一種の多価官能成分を添加して高
分子量脂肪族系ポリエステルを合成してもよい。第三成
分を加えることにより、分子に長鎖の枝分かれを生じ、
分子量が高くなると共に分子量分布が広くなる傾向があ
り、フィルム成形等に好ましい性質を付与することが期
待できる。この際、第三成分の添加量は、ゲル化が生じ
ない様に、脂肪族ジカルボン酸(酸無水物を含む)の成
分全体100モル%に対し、3官能成分では0.1〜5
モル%、4官能成分では0.1〜3モル%を例示でき
る。
【0022】更に、本発明に係る高分子量脂肪族ポリエ
ステルの融点は70〜190℃、より好ましくは70〜
150℃であり、特に80〜135℃が好ましい。70
℃未満では耐熱性が不十分であり、190℃を越えると
製造が難しい傾向がある。また70℃以上の融点を有す
るポリエステルを得るためのポリエステルプレポリマ−
の融点は60℃以上であることが好ましいが特に制限は
ない。
【0023】また、本発明に使用される高分子量脂肪族
ポリエステル中に含まれるウレタン結合量は、0.03
〜3.0重量%、より好ましくは0.05〜2.0重量
%、更に好ましくは0.1〜1.0重量%である。0.
03重量%未満ではウレタン結合による高分子化の効果
が少なく成形加工性が劣る傾向があり、3.0重量%を
越えるとゲルが発生する傾向がある。
【0024】本発明に係る生分解性カード基材は、コア
層(A)が、3−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキ
シバリレートとの共重合体82〜27重量%と、ポリ乳
酸9〜40重量%及び高分子量脂肪族ポリエステル9〜
33重量%とを必須成分とする組成物から成形される。
斯かる組成物の配合比率は、3−ヒドロキシブチレレー
トと3−ヒドロキシバリレートとの共重合体が27重量
%未満であると耐溶剤が劣り、印刷性が低下する傾向が
あり、3−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキシバリ
レートとの共重合体が82重量%を超えると、引張強
度、剛性、衝撃強度等が低下する傾向がある。また、高
分子量脂肪族ポリエステルが9重量%未満では、コア層
(A)の印刷性、(A)層と(A)層又は(A)層と
(B)層との接着性の向上が期待できない傾向があり、
33重量%を越えると、剛性が低下する傾向がある。従
って、コア層(A)は、カード基材として必要な特性で
ある、例えば引張強度、衝撃強度、柔軟温度、積層性、
耐熱性、耐熱伸縮性、耐薬品浸漬性、粘着性及び耐湿性
等が優れ、剛性、耐折り曲げ性、耐久性等を有し、更に
オーバーレイ層(B)の支持性等に寄与することができ
る。
【0025】本発明に係る生分解性カード基材のオーバ
ーレイ層(B)は、その表面に、例えば証明用写真や個
別情報などを、カラーフィルムを用いてホットスタンプ
で熱転写し、その後、前記カラーフィルムを剥離するこ
とにより、優れた光沢性を有する鮮やかな証明写真や個
別情報をカラープリントすることができる。斯かるカー
ドを作成するためには、コア層(A)の表面に積層され
るオーバーレイ層(B)は、ポリ乳酸99〜67重量%
とグリコール成分と脂肪族ジカルボン酸とを脱水重縮合
してなる高分子量脂肪族ポリエステル1〜33重量%を
必須成分とする組成物からなる層が好ましい。この際、
高分子量脂肪族系ポリエステルの配合量が1重量%未満
では脆くなり、またオーバーレイ層(B)とカラーフィ
ルムとの接着性が不十分であり、鮮やかな証明写真や個
別情報が熱転写できない傾向があり、33重量%を超え
るとカラーフィルムが剥離し難く、熱転写できない傾向
がある。
【0026】本発明に係る生分解性カード基材における
他のオーバーレイ層(B)としては、脆さを改良する目
的で、前記したポリカプロラクトンを、ポリ乳酸と、グ
リコール成分と脂肪族ジカルボン酸とを脱水重縮合して
得られる高分子量脂肪族ポリエステル及びポリカプロラ
クトンとからなる組成物の全重合体成分中に27重量%
以下添加したものでもよい。この際、27重量%を超え
ると、剛性が低下するので、カードとしては好ましくな
い傾向がある。
【0027】本発明に係る生分解性カード基材におい
て、オーバーレイ層(B)は、前記に記載した如き組成
物からなり、コア層(A)の両表面に積層され、コア層
(A)の表面にオフセット印刷等が施される印刷面を保
護し、印刷をより鮮明に見せるために、透視度が高く、
またエンボス文字等の刻印性、磁気ストライプの接着性
等の向上に寄与する傾向がある。更に、オーバーレイ層
(B)はカード、例えばクレジットカード、IDカード
及び会員カード等に、光沢性が優れ、鮮やかな証明用写
真または個別情報等をカラープリントするのに寄与する
ものである。
【0028】本発明に係る生分解性カード基材は、コア
層(A)と、オーバーレイ層(B)とが、(B)/
(A)/(B)の3層構成、もしくは(B)/(A)/
(A)/(B)の4層構成を好ましいものとして挙げる
ことができる。
【0029】本発明に係る生分解性カード基材が(B)
/(A)/(A)/(B)の4層構成の場合、コア層の
(A)/(A)構成の両表面に印刷を施す必要がある場
合、例えば2枚のコア層(A)の1枚のコア層(A)と
他の1枚のコア層(A)の片面に、適宜に画像、文字等
を印刷し、各々のコア層(A)の印刷面が2枚のオーバ
ーレイ層(B)に接するように積層し、且つ、コア層
(A)の非印刷面同志を接着することによって、コア層
の両面に印刷を有する生分解性カード基材を容易に得る
ことができる。
【0030】具体的には、例えば先ず、3−ヒドロキシ
ブチレートと3−ヒドロキシバリレートとの共重合体8
2〜27重量%と、ポリ乳酸9〜40重量%及びグリコ
ール成分とジカルボン酸との脱水重縮合により得られる
高分子量脂肪族ポリエステル9〜33重量%とを必須成
分とする組成物からなるコア層(A)の少なくとも2
枚、ポリ乳酸99〜67重量%と、グリコール成分とジ
カルボン酸との脱水重縮合により得られる高分子量脂肪
族系ポリエステル1〜33重量%とを必須成分とする組
成物からなるオーバーレイ層(B)の少なくとも2枚を
個々に成形する。この際、オーバーレイ層(B)として
は、ポリ乳酸及び前記の高分子量脂肪族ポリエステルと
の合計量73重量%以上と、ポリカプロラクトン27重
量%以下とを必須成分とする組成物からなる層でもよ
い。
【0031】次いで、2枚のコア層(A)各々の片面
に、例えばオフセット方式、あるいは、シルクスクリー
ン方式等で画像、文字等を印刷する。印刷が完了した2
枚のコア層(A)は、1枚のコア層(A)の印刷面が1
枚のオーバーレイ層(B)に、他の1枚のコア層(A)
の印刷面が他のオーバーレイ層(B)に接するように配
し、しかる後、2枚のコア層(A)の非印刷面同志を対
向させ、(B)/(A)/(A)/(B)となるように
コア層(A)/(A)をオーバーレイ層(B)でサンド
イッチして、未接着状態の生分解性カ−ド基材を作成す
る。該サンドイッチした未接着状態の生分解性カード基
材は、例えば鏡面板に挟まれ、加熱、加圧、冷却させる
ことのによって、容易に両面から印刷面を透視できる生
分解性カード基材を作成する方法が例示できる。
【0032】本発明に係る生分解性カード基材は、特に
制限されないが、例えばコア層(A)とオーバーレイ層
(B)とを接着剤を介して積層するドライラミネート
法、少なくとも2台の押出機に連結した共押出用ダイス
を用いて(A)層と(B)層とを積層する共押出法、ま
たは少なくとも2種類のカード基材、例えば(A)層と
(B)層とを別々に製膜し、熱圧着法で積層する方法等
が例示できる。
【0033】これらの方法のうちでは、熱圧着法を好ま
しいものとして例示できる。この際、圧力は3〜40k
g/cm2 、加熱温度は140〜190℃、加熱加圧時
間は30秒〜30分を例示できるが、特に制限はない。
【0034】本発明に係る生分解性カード基材から、例
えば証明用カ−ドを作製する方法としては、先ず、上記
の様にして得られた生分解性カード基材をカッティング
して、カードを成形する。次いで、該カードのオーバー
レイ層(B)の表面に、例えば証明用カラー写真または
個別情報などの画像及び印字が、ホットスタンプを用い
て、シアン(藍)、イエロ(黄)、マゼンタ(紅)、カ
ーボンブラック(黒)の各々とワックス類等からなる熱
溶融性インク層もしくは熱昇華性インク層を積層してな
るカラーフィルム(リボン)で、前記カラー写真または
印字等が熱転写さる。然る後、該カラーフィルムを剥離
することによって、光沢性が優れ、鮮やかなカラー写真
または印字がカラープリントされ証明用等に使用できる
生分解性カ−ドを作製する方法が例示できるが、特に限
定されない。
【0035】本発明に係る生分解性カード基材は、例え
ば、カード基材としての特性(引張強度、剛性、耐折り
曲げ強度、衝撃強度等)を有すると共にオーバーレイ層
(B)を支持するのに寄与するコア層(A)の厚さは、
(A)層が1枚から構成される場合、720〜480μ
m、2枚から構成される場合、360〜240μm、オ
ーバーレイ層(B)の厚さは、20〜140μmが好ま
しいが、これ等の数値は特に制限はない。また、本発明
のカード基材の具体的な用途は、オーバーレイ層(B)
に転写される、例えば写真又は個別情報等の多色画像、
印字の定着保存性、多色記録性が優れ、鮮やかな多色画
像、印字等を長期にわたって保持できるので、例えばI
Dカード、クレジットカード、診察券、会員カード等の
顔写真や個別情報等を付与するカードに好適に使用でき
る。
【0036】本発明に係る生分解性カード基材におい
て、コア層(A)及び/又はオーバーレイ層(B)を構
成する組成物は、所望に応じて、添加剤、充填剤、例え
ば耐熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止
剤、滑剤、抗菌剤、ワックス、顔料または染料、酸化チ
タン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化カルシウ
ム、マイカ、タルク等を添加することができる。また、
生分解性を阻害しない範囲内でその他の熱可塑性樹脂等
を、必要に応じて配合することもでき、特に限定されな
い。前記したその他の熱可塑性樹脂としては特に制限は
ないが、その他の生分解性樹脂を挙げることができ、例
えばポリ−3−ヒドロキシブチレート、ポリ−3−ヒド
ロキシバリレート、3−ヒドロキシブチレートと3−ヒ
ドロキシプロピオネートとの共重合体、3−ヒドロキシ
ブチレートと4−ヒドロキシブチレートとの共重合体、
ポリ−3−ヒドロキシアルカノエート等を必要に応じて
配合することもできる。
【0037】本発明に係る生分解性カード基材におい
て、コア層(A)及び/又はオーバーレイ層(B)を構
成する組成物の調製法としては、特に限定されるもので
なく、従来のポリオレフィン系樹脂等の組成物の製法で
慣用されている方法、例えばリボンブレンダ−、ヘンセ
ルミキサー、タンブラーでブレンドする方法、ニーダ
ー、バンバリーミキサー、ロール等の混練機を用いて混
練する方法、1軸または2軸押出機等を用いて加熱溶融
混練する方法を例示できる。
【0038】本発明に係る生分解性カード基材は、必要
に応じて印刷層、感熱記録層を設けることができる。こ
の場合、コア層(A)とオーバーレイ層(B)の表面ま
たは層間に設けるのが好ましい。磁気カードの場合、磁
気ストライプの形成はオーバーレイ層(B)の表面にカ
ッティングの前または後等に適宜な方法によって行うの
が好ましい。また、カード状にカッティングした後、必
要に応じて、カードの表面にエンボス文字(符号、記号
等を含む)を適宜な方法で刻印を施すのが好ましいが、
特に制限はない。更に、本発明に係る生分解性カード基
材は、例えばカード状にカッティングされたカードのオ
ーバーレイ層(B)の表面に、鮮やかな着色された証明
写真や個別情報等が転写され、十分な耐折り曲げ強度、
引張強度、衝撃強度、柔軟温度、積層性、耐熱性、耐熱
伸縮性、耐粘着性、耐薬品浸漬性及び耐湿性を有し、し
かも自然界で微生物等によって生分解可能なものであ
る。
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明す
る。但し、本発明は下記の実施例に限定されるものでな
い。尚、下記実施例において、各検査項目の測定、評価
は下記の方法により行った。
【0040】[引張強度(kg/cm2 )]:JIS
X−6301号に準じてオートグラフ(島津製作所製A
GS−100A)で測定し、480kg/cm2 以上。
【0041】[衝撃強度]:JISX−6301号に準
じて、カードを堅固な水平板上に置き500gの鋼球を
30cmの高さからカード上に落とし、カードの割れ、
ひびを目視評価した。
【0042】[柔軟温度]:JISX−6301号に準
じて、高温熱風乾燥器でカードの柔軟温度を測定し、5
2℃以上であること。
【0043】[積層性]:JIS X−6301号に準
じて、カードを150℃の流動パラフィンの中に5分間
浸漬した時、カード積層間の間隙発生を目視評価した。
【0044】[耐熱性]:JISX−6301号に準じ
て、カードを60℃の温水に5浸漬しカード表面の変化
を目視評価した。
【0045】[耐熱伸縮性]:JISX−6301号に
準じて、カードを温度−10℃及び+15℃の状態に3
0分放置後室温にもどし2時間放置した時のカードの伸
縮率を測定し±2%以下であること。
【0046】[粘着性]:JISX−6301号に準じ
て、カードを40℃、90%RHの雰囲気中で50g/
cm2 の圧力を加え48時間後の外観変化を目視評価し
た。
【0047】[耐薬品浸漬性]:JISX−6301号
に準じて、カードを5%食塩水、1%炭酸ナトリウム水
溶液、5%酢酸水にそれぞれ24時間浸漬後の剥離を目
視評価した。
【0048】[耐湿性]:JISX−6301号に準じ
て、カードを40℃、90%RHNの雰囲気に48時間
保存した後の外観変化を目視評価した。
【0049】[画像、印字の鮮明性]:写真、個別情報
をカードにカラーフィルムを用いてホットスタンプし、
転写された画像、印字の鮮明性を目視評価した。
【0050】[生分解性]:大きさ85.5×54mm
の生分解性カード基材を浄化センター(滋賀県下水道公
社湖南中部事務所)で採集、処理された返送汚泥に浸漬
(25℃)し、28日後に取り出し重量減少率を測定し
評価した。
【0051】実施例1 (B)層/(A)層/(A)層/(B)層からなる証明
用生分解性カード基材において、コア層(A)として、
3−ヒドロキシバリレート含有率8モル%の3−ヒドロ
キシブチレートと3−ヒドロキシバリレートとの共重合
体40重量%と、L−乳酸のラクチドを開環重合してな
るポリ乳酸32重量%及び、琥珀酸と1,4−ブタンジ
オールを脱水重縮合して得られる数平均分子量(Mn)
16,000のポリブチレンサクシネート(PBS)1
6重量%、タルク8重量%、酸化チタン4重量%を配合
してなる組成物を、シリンダー温度190℃、ダイス温
度190℃に設定されたTダイ押出機を用いて溶融混練
後、表面温度40℃の冷却ロール上に押出し、厚さ28
0μmのシ−トを用いた。オーバーレイ層(B)とし
て、L−乳酸のラクチドを開環重合してなるポリ乳酸8
0重量%と、琥珀酸と1,4−ブタンジオールを脱水重
縮合して得られる数平均分子量(Mn)16,000の
ポリブチレンサクシネート(PBS)15重量%、琥珀
酸とアジピン酸及び1,4−ブタンジオールの脱水重縮
合により得られる数平均分子量(Mn)16,000の
ポリブチレンブチレンサクシネート・アジペート(PB
SA)5重量%を配合してなる組成物を、シリンダー温
度210℃、ダイス温度200℃に設定されたTダイ押
出機に供給し、溶融混練後、表面温度50℃の冷却ロー
ル上に押出し、厚さ100μmのシートを用いた。
【0052】上記で得たコア層(A)となる2枚のシー
ト表面にオフセット印刷機で画像印刷及び印字を行い、
1枚のコア層(A)の印刷面に1枚のオーバーレイ層
(B)を重ね合わせ、他の1枚のコア層(A)の印刷面
にも他のオーバーレイ層(B)を重ね合わせた。しかる
後、上記で得た(A)層/(B)層構成のコア層(A)
の非印刷面を対向させ、(B)層/(A)層/(A)層
/(B)層となるように4枚をサンドイッチ状に重ね合
わせ未接着状態の積層体を得た。次いで、該積層体を、
2枚の金属製の鏡面板に挟み、20分で165℃に昇温
後、該温度で、圧力5kg/cm2 の条件で5分間熱圧
着し、20分で40℃に冷却して、(B)/(A)/
(A)/(B)=100/280/280/100=7
60μmの生分解性シート基材を成形した。
【0053】次いで上記の生分解性シート基材をカッテ
ィングしてなるカ−ドは、該カ−ドのオーバーレイ層
(B)の表面に証明用カラー顔写真及び個別情報をホッ
トスタンプを用いて、熱溶融性インク層を有するカラ−
フィルム(リボン)で熱転写した。しかる後、該カラー
フィルムを剥離し、カラー顔写真及び個別報等がカラー
プリントされてなる証明用カード(85.5×54m
m)を形成した。該証明用生分解性カードの引張強度、
衝撃強度、柔軟温度、積層性、耐熱性、耐熱伸縮性、耐
薬品浸漬性、耐粘着性及び耐湿性のカードとしての特
性、カラープリントされた画像、印字の鮮明性を表1に
示した。また、生分解性カードを前記記載の返送汚泥中
に25℃で28日間浸漬した後の重量減少率は約5%以
下であったが、更に浸漬を続けると、数カ月後には重量
減少率は大きくなり、最終的には水と炭酸ガスに分解さ
れるものと推察される。
【0054】
【表1】
【0055】実施例2 オーバーレイ層(B)が、L−ラクチドを開環重合して
なるポリ乳酸80重量%と、ポリブチレンサクシネート
(PBS)20重量%及びポリ乳酸とPBSの合計量1
00重量部に対してブルー顔料0.04部の組成物であ
ること以外は実施例1と同様にして、優れた光沢性を有
し鮮やかな写真、個別情報がカラープリントされた証明
用生分解性カードを形成した。該証明用生分解性カード
の引張強度、衝撃強度、柔軟温度、積層性、耐熱性、耐
熱伸縮性、耐薬品浸漬性、耐粘着性及び耐湿性のカード
としての特性、カラープリントされた画像、印字の鮮明
性を表1に示した。また、生分解性カードを前記記載の
返送汚泥中に25℃で28日間浸漬した後の重量減少率
は約5%以下であったが、更に浸漬を続けると、数カ月
後には重量減少率が大きくなり、最終的には水と炭酸ガ
スに分解されるものと推察される。
【0056】実施例3 オーバーレイ層(B)が、L−ラクチドを開環重合して
なるポリ乳酸80重量%、ポリエチレンサクシネート
(PES)20重量%及びポリ乳酸とPBSの合計量1
00重量部に対してブルー顔料0.04部の組成物であ
ること以外は実施例1と同様にして、優れた光沢性を有
し鮮やかな写真、個別情報がカラープリントされた証明
用生分解性カードを形成した。該証明用生分解性カード
の引張強度、衝撃強度、柔軟温度、積層性、耐熱性、耐
熱伸縮性、耐薬品浸漬性、耐粘着性及び耐湿性のカード
としての特性、カラープリントされた画像、印字の鮮明
性を表1に示した。また、生分解性カードを前記記載の
返送汚泥中に25℃で28日間浸漬した後の重量減少率
は約5%以下であったが、更に浸漬を続けると、数カ月
後には重量減少率が大きくなり、最終的には水と炭酸ガ
スに分解されるものと推察される。
【0057】実施例4 オーバーレイ層(B)が、L−ラクチドを開環重合して
なるポリ乳酸80重量%と、数平均分子量(Mn)1
6,000のポリブチレンサクシネート(PBS)5重
量%及びポリカプロラクトン(ビカット%軟化温度10
4℃)15重量%とからなる組成物から成形されること
以外は実施例1と同様にして、優れた光沢性を有し鮮や
かな写真、個別情報がカラープリントされた証明用生分
解性カードを形成した。該証明用生分解性カードの引張
強度、衝撃強度、柔軟温度、積層性、耐熱性、耐熱伸縮
性、耐薬品浸漬性、耐粘着性及び耐湿性のカードとして
の特性、カラープリントされた画像、印字の鮮明性を表
1に示した。また、生分解性カードを前記記載の返送汚
泥中に25℃で28日間浸漬した後の重量減少率は約5
%以下であったが、更に浸漬を続けると、数カ月後には
重量減少率が大きくなり、最終的には水と炭酸ガスに分
解されるものと推察される。
【0058】比較例1 オーバーレイ層(B)が、L−ラクチドを開環重合して
なるポリ乳酸80重量%とポリカプロラクトン(ビカッ
ト%軟化温度104℃)20重量%とからなる組成物か
ら成形されること以外は実施例1と同様にして写真、個
別情報がカラープリントされた証明用生分解性カードを
形成した。該証明用生分解性カードの引張強度、衝撃強
度、柔軟温度、積層性、耐熱性、耐熱伸縮性、耐薬品浸
漬性、耐粘着性及び耐湿性のカードとしての特性、カラ
ープリントされた画像、印字の鮮明性を表1に示した。
また生分解性はカードを前記記載の返送汚泥中に25℃
で28日間浸漬した後の重量減少率は約5%以下であっ
たが、更に浸漬を続けると、数カ月後には重量減少率が
大きくなり、最終的には水と炭酸ガスに分解されるもの
と推察される。
【0059】表1から明らかなように、高分子量脂肪族
ポリエステルを含有する実施例1〜4の生分解性カード
基材からなる生分解性カードは、カードとしての特性を
有し、コア層(A)との接着性が向上し、然も、例えば
カラー写真、個別情報等をホットスタンプ及びカラーフ
ィルムを用いて熱転写した場合、優れた光沢性を有し鮮
やかな画像、印字のカラープリントが可能であり、生分
解性を有するものである。これに対して、比較例1で得
られるの生分解性カードは、カードとしての特性、生分
解性は優れているが、ホットスタンプでの熱転写性が劣
り、光沢性を有する鮮やかな画像、印字が得られないの
で、カラープリントが必要でないものに使用できるもの
である。
【0060】
【発明の効果】本発明に係る生分解性カード基材から形
成されるカードは、生分解性を有し、コア層(A)とオ
ーバーレイ層(B)との接着性、カードとしての特性が
優れたものである。更に、本発明に係るカードは、カラ
ー写真、個別情報が、熱溶融性インク層または熱昇華性
インク層を有するカラーフィルムを用いてホットプリン
ターで転写される場合、光沢性が優れ、鮮やかな画像、
印字がカラープリント可能であり、例えば、証明用写真
及び個人情報等が必要なクレジットカード、IDカー
ド、診察券、会員カード等として好適に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−290461(JP,A) 特開 平3−157450(JP,A) 特開 平5−320323(JP,A) 特開 平3−103429(JP,A) 特開 平7−3138(JP,A) 特開 平5−84876(JP,A) 特開 平8−73722(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B42D 15/10 C08L 67/04

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロキ
    シバリレートとの共重合体82〜27重量%と、ポリ乳
    酸9〜40重量%及びグルコール成分と脂肪族ジカルボ
    ン酸との脱水重縮合により得られる数平均分子量(M
    n)5,000以上の脂肪族ポリエステル9〜33重量
    %とを必須成分とする組成物からなるコア層(A)の両
    表面に、ポリ乳酸99〜67重量%と、グリコール成分
    と脂肪族ジカルボン酸との脱水重縮合により得られる数
    平均分子量(Mn)5,000以上の脂肪族ポリエステ
    ル1〜33重量%とを必須成分とする組成物からなるオ
    ーバーレイ層(B)を積層させてなる生分解性カード基
    材。
  2. 【請求項2】コア層(A)と、オーバーレイ層(B)と
    が(B)/(A)/(B)の3層構成もしくは(B)/
    (A)/(A)/(B)の4層構成である請求項1に記載
    の生分解性カード基材。
  3. 【請求項3】オーバーレイ層(B)が、ポリ乳酸及びグ
    リコール成分と脂肪族系ジカルボン酸の脱水重縮合によ
    り得られる数平均分子量(Mn)5,000以上の脂肪
    族ポリエステルとの合計量73重量%以上と、ポリカプ
    ロラクトン27重量%以下とを必須成分とする組成物か
    らなる請求項1、2のいずれかに記載の生分解性カード
    基材。
  4. 【請求項4】数平均分子量(Mn)5,000以上の脂
    肪族ポリエステルを構成するグリコール成分が、エチレ
    ングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサ
    ンジオール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグ
    リコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールの群か
    ら選ばれる1種又は2種以上である請求項1〜3のいず
    れか1項に記載の生分解性カード基材。
  5. 【請求項5】数平均分子量(Mn)5,000以上の脂
    肪族ポリエステルを構成する脂肪族ジカルボン酸が、琥
    珀酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン
    酸、無水琥珀酸、無水アジピン酸の群から選ばれる1種
    又は2種以上である請求項1〜4のいずれか1項に記載
    の生分解性カード基材。
  6. 【請求項6】数平均分子量(Mn)5,000以上の脂
    肪族ポリエステルが、グリコール成分の少なくとも1種
    と、脂肪族ジカルボン酸の1種又は2種以上とが脱水重
    縮合により合成される重合体又は共重合体である請求項
    1〜5のいずれか1項に記載の生分解性カード基材。
  7. 【請求項7】数平均分子量(Mn)5,000以上の脂
    肪族ポリエステルが、グリコール成分と脂肪族ジカルボ
    ン酸以外に、第3成分として、3官能または4官能の多
    価アルコール、オキシカルボン酸及び多価カルボン酸も
    しくはその無水物から選ばれる少なくとも1種の多価官
    能成分を加えてなる請求項1〜6のいずれか1項に記載
    の生分解性カード基材。
  8. 【請求項8】数平均分子量(Mn)5,000以上の脂
    肪族ポリエステルがポリエチレンサクシネート、ポリブ
    チレンサクシネート及びポリブチレンサクシネート・ア
    ジペートから選ばれる1種又は2種以上である請求項1
    又は2に記載の生分解性カード基材。
  9. 【請求項9】コア層(A)の両面にオーバーレイ層
    (B)を積層してなる生分解性カードにおいて、オーバ
    ーレイ層(B)の表面に、証明用写真又は個別情報を、
    熱溶融性インク層もしくは熱昇華性インク層を積層して
    なるカラーフィルムを用いて、ホットスタンプで熱転写
    後、前記カラーフィルムを剥離しカラープリントができ
    る請求項1〜8のいずれかに記載の生分解性カード基
    材。
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